欧米、 SWIFT
排除でロシアの「活動能力奪う」 ロシア中銀も制限
朝日新聞社
2022/02/27
欧州連合( EU
)と米英各国は 26
日、ロシアの大手銀行などを国際決済システムから締め出す金融制裁を科すことで合意した。ロシア中央銀行の取引も制限し、ロシアの通貨ルーブルの下落を防ぐ措置をとれなくする。ウクライナ侵攻を続けるロシアに対し、一層強い制裁が必要と判断した。
EU
の行政府にあたる 欧州委員会
、北大西洋条約機構(
NATO
)に属する 米英仏独伊、カナダの連名
で声明を発表した。世界的な送金システムの要となる国際銀行間通信協会(
SWIFT
〈スイフト〉)からロシアの大手銀行を排除することで「世界での活動能力を奪う」とした。
ロシアのウクライナ侵攻で 通貨ルーブルは過去最安値水準
に落ち込んでいる。ロシアが為替介入をできなくするよう、ロシア中銀による取引も規制する。
欧米、SWIFT
排除でロシアの「活動能力奪う」
ロシア中銀も制限 (msn.com)
SWIFT
銀行など金融機関を結ぶ情報通信サービスの運営団体。 Society for Worldwide Interbank Financial Telecommunication
の略。 1973
年に協同組合形式で発足し世界の銀行などの金融機関が出資している。本部はベルギーにあり、 200
超の国・地域の 1
万 1
千以上の金融機関などが利用する。国境をまたいだ送金情報を電子的にやりとりするインフラで、海外送金の事実上の国際標準となっている。
かつては送金の連絡を テレックス などでやっていたが煩雑な手続きを解消するために同一の規格をつくった。 73 年の発足当初は 15 カ国、 239 金融機関の参加にすぎなかったが、経済のグローバル化で国際的な送金量が増え、金融機関以外にも参加者が膨らんだ。 SWIFT 自体は決済や送金に伴う資金や口座を保有せず、送金指示の情報をやりとりする。
SWIFT
から排除すれば国際送金ができなくなるため、近年は経済制裁の手段として注目を集める。 イランの銀行
は 2012
年、 18
年と 2
回にわたって米欧などの制裁を受けて SWIFT
から排除された。民間団体だが欧州連合( EU
)の議会による金融制裁の決定には影響を受ける。基軸通貨ドルを握る米国も SWIFT
自体を制裁対象にすることで、実態として参加金融機関の排除を求めることができる。
日経は、22日にスイフトからの排除は難しいとの記事を掲載していました。
米の対ロ決済網排除に壁 国際送金 1 日 4200 万件、混乱も
経済制裁、乏しい選択肢
ウクライナ問題をめぐり、米国が対ロシアの経済制裁として検討する国際資金決済網からの排除が難しいとの見方が出てきた。 1 日 4200 万件もの国際送金を処理しており、ロシアと決済できなければ米欧企業も甚大な打撃を受けるからだ。米国の制裁カードは限られる可能性がある。
「 ロシアは重い代償を払う 」。バイデン米大統領は 20 日、ロシア軍が国境を越えてウクライナに再び侵攻すれば「経済の厳しい協調的措置」を取ると強調した。
米国は 2014 年、ロシアによるウクライナ侵攻を受けてロシアの国営石油会社ロスネフチや国営ガスプロム傘下の銀行ガスプロムバンクに制裁を科した。金融取引を制限したが、ロシアは再び挑発行為に出たため、制裁強化を検討する。
制裁の「目玉」は国際決済網からの排除。 バイデン氏は 19 日、ロシアの銀行によるドル取引停止を検討中と明かした。米メディアによると、世界中の銀行が参加する決済網「国際銀行間通信協会」( SWIFT )から排除する案もある。
米欧の当局者が意識するのはイランへの経済制裁。欧州連合( EU )の制裁で 12 年にイランは SWIFT から遮断された。カーネギー財団モスクワセンターによるとこの制裁でイランは原油収入の半分を失った。
SWIFT は国際送金のインフラであり、排除されれば国境をまたいだ資金決済が事実上できなくなる。利用件数は毎年 1 割程度のペースで伸び続け、 21 年は 1 営業日あたり約 4200 万件を処理した。
欧米の経済や企業も返り血を浴びる。 欧州が天然ガスの 3 分の 1 をロシアに依存するだけではない。対イランと異なり、欧米企業はロシアとのビジネスに深く絡む。
仏トタルエナジーズは北極圏でロシアのガス大手ノバテクや中国企業などと液化天然ガス( LNG
)事業を 17
年に稼働。トタルはノバテクに 19.4%
、英 BP
はロスネフチに 19.75%
出資する。米エクソンモービルはロスネフチや日本勢とサハリンで原油を生産、アジアに輸出してきた。
(略)
世界経済が混乱するとの見方もあり、ドイツでは「資本市場への『原爆』になりかねない」との警戒がある。独経済紙ハンデルスブラットは「米欧は SWIFT
排除ではなく、ロシアの大手銀行への的を絞った制裁を準備している」と報じた。
ロシアが備えている可能性もある。ロシア中銀の外貨準備で、米ドルの比率は 21 年 6 月で 16.4% と前年同期比 5.8 ポイント下がった一方、ユーロは 32.3% と同 2.8 ポイント拡大、人民元も 13.1% と同 0.9 ポイント拡大した。
中国は人民元による「国際銀行間決済システム」( CIPS )を稼働ずみ。ロシアの銀行も参加し、 SWIFT から排除されても、中国との人民元決済はできるもようだ。
新アメリカ安全保障センターのアンドレア・ケンドルテイラー上級研究員は「ロシアが中国との協力を加速しかねない。他の制裁手段が尽きた場合にのみ検討すべき選択肢」と指摘する。
(ワシントン =
中村亮、ヒューストン =
花房良祐、長谷川雄大)
補足:
輸出企業にとっては、ロシアへの商品販売のリスクとコストが増加する。ロシアは製造業製品の大口購入国で、世界銀行のデータによると、オランダとドイツはロシアにとって 2 番目と 3 番目の貿易相手国。
ロシア製品の買い手もより困難に直面し、代替サプライヤーの模索を迫られる。
ただ、ロシア産の石油とガスについては、代替供給国を見つけることが難しいとみられる。欧州委員会によると、ロシアは EU
にとって原油、天然ガスなどの主要な供給国。
ロシアのSWIFT
排除、その威力と世界への影響:朝日新聞GLOBE
+ (asahi.com)
イランもスイフトから排除されていたのですね。
ロシアもいずれ抜け道を考え出すのでしょうが、打撃となることは間違いないでしょう。
週明けの株や為替の動きにも注目です。
ルーブル安でインフレ加速?
やはり、このような侵略行為を起こすと カントリーリスク
の高い国として認識されてビジネスパートナーとして避けられ投資もなくなり、このことがひいては国力の低下につながることでしょう。
以前英語のサークルでご一緒した方は、ロシア向けの中古車輸出の会社勤務でした。
中小企業ですが決済ができなければロシア向けの輸出も無理でしょう。
他国に振り向けるのか、中国経由なんてのもありそうです。
ベトナム侵略戦争で米国が疲弊したように、ロシア(正しくはプーチン?)の終わりの始まりになるかもしれません。
余談ながら、ロシアもウクライナも 小麦
生産国です。
小麦価格の上昇も心配です。
ここは、ウクライナへの連帯も込めて小麦粉のパンをやめて 米粉パン
を食べるなんてのもいいかもしれません。
足元はコロナでコメ余りですが、それ以前に休耕田問題があります。
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