ストーリー:
ロシアの過激な国粋主義者が軍の反乱派勢力と結託し、シベリアの核ミサイル基地を占拠した。
アメリカと日本が核攻撃の危機にさらされ、米海軍の原潜アラバマに出撃命令が下った。歴戦の叩き上げのフランク・ラムジー艦長(ジーン・ハックマン)と、ハーバード大卒のエリートであるロン・ハンター副官(デンゼル・ワシントン)は、核に対する思想で真っ向から対立する。
目的海域に達し、敵潜水艦の影を捉えたアラバマは臨戦体制に突入。ペンタゴン(米国防総省)からの通信が入ったその時、敵の魚雷攻撃が艦をかすめて爆発した。通信は途中で途切れ、ミサイルの発射か中止か、はっきりしない。
即時攻撃を主張するラムジーに対し、ハンターは命令の再確認を強く求める。艦内に異常な緊張が漲り、艦長への忠誠心か副官のモラルに与するか、乗組員たちも激しく揺れる。ハンターはラムジーの命令を服務違反として指揮権を剥奪、彼とその一派の将校たちを監禁した。
再度、敵艦と交戦したアラバマは損傷し、甚大な被害が出る。ハンターは通信の回復を急がせるが、その隙にラムジー艦長は連絡将校ジマー(マット・クレイヴン)、ハンターの長年の親友で武器将校のウェップス(ヴィゴ・モーテンセン)らと実力で指揮権を奪回すると、ハンターや艇長のコッブ(ジェームズ・ギャンドルフィーニ)らを逆に監禁した。
だが、ハンターも脱出し、発射を寸前で回避しようとする。
ラムジーの銃口がハンターに向けられた時、通信が回復。ラムジーは再確認のため、 3
分間の猶予を与えたが、命令はミサイル発射の中止だった。かくして核戦争の危機は回避された。
(Kinenote)
ケイン号の叛乱
を見た後なので、両作品の比較も楽しめました。
艦長vs士官に対して、こちらは士官の一部に艦長に従うものも登場です。
裁判劇はなく、海軍の裁定委員会で内密で穏便な措置でひねりもなしです。
艦長が精神障がいというわけではなくて、判断の違いということも起因しているのでしょう。
裁く方も裁かれる方も顔見知りというのは、甘くなりがちです。
作品の最後に現在は核の発射権限は艦長にはなく大統領にあるというテロップが流れます。
当時はこれでひと安心だったのでしょうが、トランプが登場して?です。
この作品を見て、米国は改めて 先制核攻撃を行う国
だと思い知らされました。
国を救うという大義が突出すると、一気に核戦争でしょう。
さいわいこの作品では、副官の自制=確認が先制核攻撃を中止させました。
キューバ危機の経験(ソ連軍人の自制が救ったという見方もあります。)が、すでに忘れ去られていないことを願います。