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2007年06月26日
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カテゴリ: 映画・テレビの話
ブラジル音楽界のスーパースター、『ゼゼ・ヂ・カマルゴ&ルシアーノ』という兄弟デュオの、
実話に基づくサクセスストーリーだ。

彼らの音楽は「セルタネージョ」と呼ばれるもので、
言ってみれば「ブラジル風“カントリーミュージック”」というようなものだ。
2人組が基本で、アコーディオンやギターを弾きながらハモリながら歌うスタイルだ。

もちろん私はこのデュオのことはまったく知らなかったし、
ブラジルといえば、「サンバ」と「ボサノバ」.......、この2つしか知らない私にとっては、
こういった未知の音楽に触れられること自体、新鮮な体験だった。

フランシスコというのは、彼らの父親の名前だ。
この父親がまた「思い込んだらまっしぐら」という人で、自分自身が貧しい小作人であるが故に、
「貧困から抜け出すには音楽で身を立てるしかない!」との思いで、
2人の息子を何とかミュージシャンに仕立てようとする。

地主への地代の支払いを後回しにしてでも、ありったけの金をはたいてアコーディオンとギターを購入する。
村まつりがあるたびに何とかそこで歌わせようと奔走する。
果ては息子たちのレコードデビュー直後に、自分の給料を全部コインに換えて、
職場の同僚に配ってラジオ局にリクエストをするように依頼する.......。
このあたりなんだか、日本で言えば『さくらパパ』あたりを彷彿とさせる。

ただ現在の日本と決定的に違うのは、彼の家庭の貧困さもさることながら、
音楽で売り込んでいくための「ノウハウ」が皆無であることだ。
今の世なら、ちょっと歌の上手い子であれば、何らかのオーディションを受けさせるなり、
数多の手段があるから苦労はないが、この時代(1970年代)のブラジルの、
しかもかなり内陸の田舎ではどうしようもない。

貧しく、且つ選択肢の乏しい暮らし、しかも子だくさん(フランシスコ家は7人).......
そう、それはかつての日本の姿そのものなのだ。
それは私よりももうちょっと上の世代の方の話になるだろうが、
何も無い代わりに、今とは比べられないほどの「家族愛」があったはずだ。
まさにこの映画で描こうとしていたのも、そういった普遍的な「家族愛」なのだろうと思われた。

フランシスコの餌食(?)となって音楽に関わり出した2人の息子も、
おそらく最初は“いやいや”やっていたんじゃないかと思わるフシもあったが、
あまりの貧困に耐えかねて流した母親の涙を見て、カネを稼ぐためにコッソリと
「ストリートミュージシャン」として歌っている姿、
そしてビッグになった彼らがステージ上で両親と交わした熱い抱擁........。
最後には彼らはきっと、彼らの両親に対する感謝の気持ちで一杯になったであろうことが、容易に見て取れる。

いまどき「家族愛」という言葉も何となく陳腐な響きを帯びてはいるが、
地球の真裏のこんな彼らの姿を見ていると、単に私たちがどこかに置き忘れてしまった何かが、
地球上のいたるところに脈々と息づいていることを、思い知らされる気がするのだ。
そしてそんな気持ちを忘れてしまっている我々日本人には、
最早「先進国」という称号を名乗るだけの価値も無いのかもしれない、そういうふうに思ったりもした。

心がホンワカ暖かくなる映画だ。





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最終更新日  2007年06月26日 17時07分26秒
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Re:『フランシスコの2人の息子』(06/26)  
magomago55  さん
日本の古き良き時代に必ずあったようなサクセスストーリーですね。親父の必死の英才教育に、最初はうんざりしながらもお袋の涙を見て二人とも本気になるんでしょうね。リカーマンさんの名調子もあって観たくなりましたよ。この映画、チェックしときます。 (2007年06月27日 01時03分28秒)

Re[1]:『フランシスコの2人の息子』(06/26)  
magomago55さん、こんにちは。

>日本の古き良き時代に必ずあったようなサクセスストーリーですね。親父の必死の英才教育に、最初はうんざりしながらもお袋の涙を見て二人とも本気になるんでしょうね。リカーマンさんの名調子もあって観たくなりましたよ。この映画、チェックしときます。

是非観てください!
ブラジル映画というのもなかなか観る機会はありませんから、ブラジルの田舎の生活の様子、文化・風俗を窺い知るためのツールとしても、面白いと思います。

(2007年06月27日 17時12分26秒)

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