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2008年01月29日
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カテゴリ: 最近読んだ本
文字通り「不味い」食べ物を列記したエッセイ集だ。
「美味い」食べ物について書かれたエッセイなら、いろんな人たちが世に出しているが、
こういう酔狂な本は見たことが無い。

しかし「美味い」も「不味い」も、あくまでも個人の主観に基づくものであって、
一個人の主観によって「不味い」と判定された食べ物について書かれた文章など、他人が読んで果たして楽しいものか........、
以前なら私もそう感じていたかもしれない。

ただこの本を書いた小泉武夫氏というのは、東京農業大学の教授で、発酵学に非常に精通された「権威」なのだ
(だからと言って、決してエラそうぶった文章ではなく、非常にくだけているのだが)。
そんな著者の書いた物だ、単なる個人的な嗜好の赴くままに書かれているはずが無い。

どんな物にも不味いには不味いなりの理由があって、それを発酵学的に理路整然と説明付けをしているのだ。
だから読んでいる我々にも、あるひとつの食べ物について、製造過程や保存状況など、
どこでどういう違いが生じると「美味い」と「不味い」に分かれていくのか、そのあたりがよく分かって興味深い。
「美味い」モノを食べるためには、どうすれば「不味く」なるのかを知ることが大きな意味を持つ、
そう考えると、この本はいわば「食の反面教師」とも言える。

またこの小泉氏というのは、おそらく根本的に好き嫌いが無いとみえ、
いろんなところに出掛けては、どんな奇抜な物でもまず口にしてみる、そういう人だ。
どんなにも不味そうに見えても、「ひょっとしたら美味いかも」と思えばつい手が伸びてしまう、
言わば「食の性善説」とでも言えるような方だ。

そしてその「味の表現」のボキャブラリーも、凡人である我々よりもはるかに豊富だ
(ただこの点に関しては、東海林さだお氏の右に出る者はいないと思うが)。
「味」という、「カタチの無い漠然としたもの」を言葉で表現するのは、結構難しいもので、
私も仕事柄、それをせねばならない立場にいるから、その大変さはよく分かるのだ。







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最終更新日  2008年01月29日 17時10分45秒
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Re:『不味い!』(01/29)  
magomago55  さん
確かに「美味い」本はこの世に溢れていますから、このタイトルはなかなか面白いですね。最近はタイトルで本の売れ行きが全く違うらしいので、出版社の狙いは「上手い」です。ところで「東海林さだお氏の右に出る者はいない」。はい、全く同感であります(笑)。 (2008年01月29日 20時14分56秒)

Re[1]:『不味い!』(01/29)  
magomago55さん、こんばんは。

>ところで「東海林さだお氏の右に出る者はいない」。はい、全く同感であります(笑)。

東海林さだおさんは独特の感性を持っていらっしゃるにもかかわらず、いざその書かれた文章を目にすると、誰もが「あ、そうそう、そうだよね~」と妙に納得してしまうところに、そのスゴさがあるように思います。
あれは真似して書こうったって、絶対に無理ですよね。

(2008年01月29日 21時24分56秒)

Re:『不味い!』(01/29)  
noahnoahnoah  さん
「食の反面教師」、「食の性善説」というのは面白い概念です。プラス思考なのですね。
(2008年01月29日 22時12分19秒)

Re:『不味い!』(01/29)  
かめとも さん
食の性善説というのはいいですね。
とかく今の世の中、添加物がどうだとか、賞味期限がどうだとか、化学調味料がどうだとか、もちろん食からくる健康に気を遣うことはとても大切ですが、食というものの中に悪役を作りすぎている気がします。
まずは経験と自分の舌ありきだろうと、私は思うのです。 (2008年01月30日 08時33分59秒)

Re[1]:『不味い!』(01/29)  
noahnoahnoahさん、こんばんは。

>「食の反面教師」、「食の性善説」というのは面白い概念です。プラス思考なのですね。

この著者のプラス思考は、ほんとに並大抵のものでは無いです。
私などはどちらかというと、見た目の判断で「何となく不味そう」と思ってしまう「性悪説」の持ち主なので、そのせいかどうか、いまだに納豆が食べられません(笑)。

(2008年01月30日 18時44分23秒)

Re[1]:『不味い!』(01/29)  
かめともさん、こんばんは。

>とかく今の世の中、添加物がどうだとか、賞味期限がどうだとか、化学調味料がどうだとか、もちろん食からくる健康に気を遣うことはとても大切ですが、食というものの中に悪役を作りすぎている気がします。
>まずは経験と自分の舌ありきだろうと、私は思うのです。

「食」に気を遣うことは健康な生活を送る上でもちろん大切ですが、気の遣い過ぎでかえって「食」の中にある大切な「何か」を損なっているような気がします。
自分ではうまく言えませんが、ちょうど『美味しんぼ』を熟読している人に、『クッキングパパ』を読んでごらん、と勧めたくなるような、そんな感覚といったらいいでしょうか。

(2008年01月30日 18時49分34秒)

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