長崎地裁と長崎県警が「嫌がらせ行為」ないし「迷惑行為」を完全解決してくれません。 0
裁判員経験者が退任後、受け続ける受難を地裁と県警が助けません。 0
長崎地裁と長崎県警が約束を守ってくれません。 0
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対馬放火殺人事件の裁判員業務は延3か月に渡る長期業務であったため、評議室では、裁判官、とりわけ裁判長から、一般論として、警察、検察の良くない部分を聴かされる機会が何度もありました。 K裁判長が「裁判員制度や裁判所、あるいは裁判官に親しみを持ってもらうために、評議の秘密以外のことは、むしろ、どんどんと話してもらった方がいい」と言っていたことは何度も既述しました。 それで、今回、また、ここで、K裁判長の言う通りに、お話するのです。 勿論、以降の内容は僕の個人的見解ではありません。だから誤解のないようにしていただきたいと思うのです。 「裁判員に選任されて、初めて評議室に入った人全員に必ず言う、これは事件の評議とは関係のない一般論です」と前置きしたうえで、K裁判長が次のように語ったことも既述しました。 (K裁判長曰く)「法廷で嘘を言う可能性があるのは被告人サイドだけではありません。検察、警察もよく嘘を言うから注意して下さい。我々、裁判官には常識ですが、裁判員の皆さんには無知な人が多いので、お話しするのです。検察は事件をオーバーに話すので注意して下さい。そして警察は時々、証拠を捏造しますから、その点も注意して下さい」 そのK裁判長は、警察組織で働く、主に現場系の警察官のことを折に触れて揶揄しました。 (K裁判長曰く)「現場の警察職員は体力はあっても知力はない。本来、頭が悪いことは恥ずかしいことなのに、なぜか、現場の警察職員は、頭は悪い癖に横着で威張っている奴が多い。本人たちは市民を守る正義の味方だと思い込んでいる」「一歩誤ると、犯罪者になりかねない警察官がいっぱいいる。これは裁判官の世界では常識です」「国税局や公安調査庁などの役人は、そんな荒っぽい馬鹿な警察官を信用していないから、一緒に仕事をやりたがらない。情報を共有すると、荒っぽい馬鹿な警察官が情報を漏らすと思っている。実際、暴力団に情報を流す警察職員はよくいます」「少し前までは、警察組織には税金の横領問題があった。捜査のために必要と称して、捜査で使ったことにして、実際には、警察官の個人的な飲食のために使われていた。彼らに高尚な趣味なんてない。捜査している時以外は飲み食いをしている」「警察の免職の基準は厳しい。基準を厳しくしている理由は、やくざと変わらない性分の警察官がいるから、早めに切り捨てるためだ」「もともと警察官には知性がない者が多いから、犯罪者相手の仕事をしているうちに自身も犯罪者的性質を帯びるようになってくる。我々、裁判官は警察官とは頭の出来が違いますから、犯罪者を相手にしても、崩れることはありません」「頭が悪くて横着で威張る警察官。そんな警察官は社会的弱者には辛く当たり、社会的強者にはおべっかを使います」「検察官は、確実に公判が維持できると判断できない事件はそもそも起訴しません。だから、その判断の過程で警察の良くない部分を見て知っています。検察官というフィルターがなくなれば、頭が悪くて横着で威張る警察官がやりたい放題、司法を混乱させます」「私は過去に、警察がでっち上げた事件に無罪判決を出したことがあります。腹をくくれば、どんな判決だって出せる。私は警察も検察も怖くはありません」 ちなみに、この、K裁判長が無罪判決を出した事件というのは、ホステスの女性が金銭を横領したと疑われて、逮捕、送検、起訴された事件であると、知り合いから聞きました。 ところで、僕は、必ずしも、K裁判長の話はすべてが正しいとは思いません。 子供の頃に見た刑事ドラマでは、自分の命を犠牲にして、人のために尽くした警察官に感動を覚えました。 一部には悪徳警察官がいるにせよ、半数以上の警察官は品行方正でちゃんとしていると思います。 ノンキャリア組なのに努力して県警本部長になった人だっています。
2020.06.08
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対馬放火殺人事件の裁判員裁判の判決から、もう2年と3か月という月日が経ちました。 この間、僕は生きた心地がしないまま今日に至っています。仕事もほとんど出来ずにカウンセリングを受け続けています。 一滴も酒、ビール、ワインなどは飲んでいません。そういう気分になれないのです。 将来のこととか幸福になろうとか前向きなことは考えたことがありません。 心にぽっかりと穴が開いて、僕の心はずっと死んでいます。 弁護側、一定数のメディアの人達、冤罪論者の言う通り、受刑者が真実は無罪であるのであれば、その責任の一端を痛感せざるを得ません。 補充裁判員だったから、評議に直接加わっていなかったから、関係無いです、などと言い逃れるつもりはありません。 その時、僕が、有罪無罪の判断について、どのような立場にあったかに関係なく。 もし、受刑者が真実は無罪であるのなら、僕はそれなりの責任を取ろうと思います。 人を不幸にすることに加担しながら、自分は幸せになろうなんて、僕には、そういうことはできません。
2020.06.06
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裁判員制度の守秘義務について、元最高裁長官の矢口洪一氏(故人)は、「一定の守秘義務は必要だが、刑事罰までは規定しなくていい。……裁判に関与すれば、話していいこと、まずいことは誰でも分かる。体験的感想を語るのは、制度の改良のためにも必要だ」と、刑罰を科すことへの疑問を呈しておられました。 守秘義務の強制は、元裁判員の表現の自由や国民の知る権利を制約することになります。 そして、とくに問題となるのは、冤罪を防ぐうえで障害となることです。 たとえば、被告人が無実を訴えたけれども有罪判決が出た裁判に参加した裁判員が、自分では無罪だと考え、主張したことを黙っていれば、誤判を救済する道を狭めてしまいます。 袴田事件で一審死刑判決を書いた元裁判官が、「無罪だと思った」と告白しましたが、これによって死刑判決の問題点がいっそう明らかになりました。 また、実際の評議や評決の状況が明らかにされなければ、裁判員制度の検証もできません。 裁判員や事件関係者のプライバシーを侵害しない限り、評議などについて明らかにすべきです。 そうしてこそ、冤罪を生まないための保障をつくっていけます。 ちなみに、アメリカでは、陪審員に守秘義務はありません。 冤罪を無くしたいと考える人達は、裁判員への罰則による守秘義務規定を廃止することを求めています。
2020.06.03
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対馬放火殺人事件の裁判員裁判では、3人いる検察官のうち1人が東大法学部卒の女性検事Oさん(当時34歳)でした。(既述した、新聞記者と冤罪論者曰く)有罪論者ですら庇いようのない創作話の幾つかを法廷で力説したのは、彼女です。ヤッケの話もそうです。 彼女は悪びれることなく、すらすらと主張を述べ、被告人と被告人にくみする証人を徹底的に言い負かしました。それはそれは強い責めの口調で。 ところが、その被告人を死刑にするための彼女の主張のかなりの部分は判決理由では認められませんでした。 彼女自身も、自分の主張に自信があった訳ではなかったのだろうと傍聴していた新聞記者も感じていました。 傍聴席からはO検事が主張を展開するたびに、その合間に、裁判官と裁判員の表情を確認する様子が見えていました。裁判官と裁判員の反応を気にしているような印象を受けたそうです。 僕は補充裁判員だったので、直接、証人には質問できませんでした。 質問内容を書いたメモを渡して、それを裁判長がチェックして可と判断された場合のみ、そのメモを左陪席判事が読み上げていたことは既述しました。 その僕のメモによる質問にO検事は一喜一憂しました。検察に不利になるような証言を証人にさせるような質問をされるのではないかと。 検察側と弁護側の尋問の後、裁判官の質問も終わって、最後、裁判長が「裁判員の方は質問はありませんか」と振ってくるので、僕が「あります」と言った瞬間、O検事は僕を見つめました。 何度も質問するうちに、O検事は、僕が「あります」という前に、僕を見るようになりました。 僕には、O検事を苦しめようというような意図はありませんでした。 ただ「真実を知りたい」「疑問に感じたことを説明してもらいたい」という一念で検察側証人弁護側証人に関係なく、いろいろな証人に質問をしたのです。 僕が質問した中には、検察官と弁護士と職業裁判官という本職の法曹が誰も気づかなかった盲点に触れたものがあって、僕が質問をしたために真実が暴露されたということが幾つかありました。 証人は嘘を言うと偽証罪に問われるので、僕の質問に本当のことを答えるしかありません。 検察側鑑定証人のN大学法医学I教授もそうでした。 僕の質問が端緒となって、職業裁判官からも追及され、実はFさんの受傷時刻は検察側主張の時間帯を外れる場合があると、I教授は真実を述べられました。 検察が主張するような1,2時間程度の誤差ではなく、5時間以上の誤差がある場合があるとI教授は言われたのです。 その際、I教授は、僕に向かって、「なかなかいい質問をしますね」と学者らしく言われました。不利な立場に追い込まれたというのに、賢い質問をする裁判員を評価する余裕があるとは、ご立派でした。 ところが、このやり取りを見ていたO検事は表情が曇り、時折、僕を睨みつけました。 検察は法医学教授に明らかな偽証をさせた訳ではありません。誤差が大きく不正確な鑑定意見を法廷で述べさせたのです。 I教授の鑑定手法(好中球が受傷部位に集まる時間的特性を利用した受傷時期の特定手法)は現在世界的に刑事裁判で認められている手法ではありません。誤差が大きいので刑事裁判では認めていない国の方が圧倒的に多いのです。 O検事もこのことを知らなかったはずはないと、新聞記者と冤罪論者は言っています。 被害者遺族が涙ながらに、被告人を極刑に処して下さいと訴える際には、O検事は裁判員に眼差しを何度も向けていたと新聞記者は言いました。 論告求刑の際もO検事は、裁判員席に目をやることを忘れなかったそうです。 僕には、それらは、哀願の眼差しに見えました。何としてでも被告人を死刑にしてやろうとするための。 ところで、福岡高検は福岡高裁の無期懲役を相当とする判断を受け入れて、死刑を求めて上告することを断念しました。 この点について、新聞記者と冤罪論者は、福岡高検の検事たちの内心にも冤罪の考えがよぎったからだと言っています。 しかし、哀願が得意なO検事は、裁判員にお願いしたように、福岡高検の検事たちにも「死刑を求めて上告して下さい」とお願いの直訴をしたのでしょうか。 実際、O検事がそんなお願いの直訴をやっていたとすれば、被害者遺族は少しは救われると言う人がいるのです。 O検事が度々裁判員席に目をやるので、おじさん裁判員たちは彼女のことに興味を持ちました。 O検事は、毎日毎日、法廷に同じ髪留めをしてくるので、「ちゃんと髪を洗っているのか」と心配する裁判員がいました。 結審後、評議だけのために裁判所に通うようになってから、裁判員の何人かは、昼食休憩で、裁判所近くにある検察庁の前を通って飲食店に向かう際、道端でO検事と遭遇しました。 O検事はソフトクリームを食べながら、道路を歩いていたそうです。 最後に。 O検事は、小学生向けのメディアから取材を受けて、検察官の仕事のやりがいは、次の2つであると答えています。小学生相手の回答に、つい無邪気になって本音が出たようです。 ・犯罪(はんざい)を犯(おか)した人(ひと)が会(あ)いに来(き)てくれて、更生(こうせい)したのを見(み)られるとき ・犯罪(はんざい)を立証(りっしょう)できたときに得(え)られる、問題(もんだい)を解決(かいけつ)できたという安堵感(あんどかん) あれれのれえ、犯罪者視点とO検事視点だけのようですが。まあ、かつて担当した犯罪者と会いたいと思われても、死刑になれば、もう会うことはできませんがね。 それと、弁護側がでっち上げられた可能性があって確度が低いと主張する間接証拠の寄せ集めで、犯罪を立証できていると運よく裁判所から評価されたとしても、そのような場合は、問題を解決できたという安堵感は生じないと思うのですが。 控訴審、上告審、再審と将来に渡って何十年も不安が続くのではないでしょうか。 そして、重要なことはお忘れのようで。 被害者や被害者遺族のことは? 何が何でも被害者の無念を晴らしてやろうという視点は? 小学生だって、犯罪の加害者と被害者のことは理解できるんですよ。 こんな回答で小学生本人とその保護者が納得できればいいんですがね。 それと、もし、この回答をFさんとS子さんの遺族が見るようなことになって、「やっぱりO検事は被害者とその遺族のことは親身に考えない検事だったのね」と思われなければいいのですが。
2020.05.30
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傍聴した新聞記者たちが驚いた話です。 対馬放火殺人事件の裁判員裁判の法廷では、多くの創作話が検察によって主張されました。 創作話と言うのは、確かな証拠による裏付けのある話ではなくて、検察官が想像で作出した話であるということです。 その最たるものは、殺されたFさんが、受刑者が経営する鉄工所の敷地内で半殺しにされたという主張でしたが、そのような証拠はなく、公判廷終盤になると、検察はその主張を取り下げました。 新聞記者と冤罪論者は、裁判所の訴因変更命令に検察が応じたものだと言っています。 また検察は、Fさんが妻の携帯に送ったメールは、受刑者がFさんになりすまして送ったものであって、そのメールを送信した時点ではすでにFさんは半殺しにされていて意識はなかったと主張しました。 ところが、裁判所は判決理由でこの検察主張を認めていないのである。 さらには検察は、Fさんはユッケを着たまま殺されていたから、受刑者の鉄工所で作業を手伝っている際、受刑者と口論になり、被害に遭ったものだと主張しました。 Fさんがユッケを着る場面は、①イカ釣り漁をしている時、②生け簀の魚に餌をやる時、③受刑者の鉄工所で作業を手伝う時の3つの場面しかない。殺害された当時は、イカ釣り漁は休業しており、生け簀の魚にも餌をやっていなかったから、消去法で鉄工所で作業を手伝っている場面しかない。だから、Fさんは、受刑者の経営する鉄工所で被害に遭ったと、検察は主張したのである。 この主張について、検察は、弁護側と冤罪論者からだけでなく、有罪論者からもダメ出しを受けた。 なぜなら、ユッケというのは、漁師にとって、いわばユニフォームのようなものである。漁に出る時、生け簀の仕事をする時以外でも、着用する機会はいろいろと考えられるからだそうだ。 実は、殺されたFさんは受刑者の鉄工所にエンジン換装工事に出していた漁船以外にも漁船を持っていたそうだ。その船は自宅前に係留していたそうだ。 例えば、係留中の船を手入れしたり、係留のロープに絡まった海藻などの異物を取り除いたりするためにユッケを着た状態で作業した可能性が考えられると言う。 家事の汚れ作業をする時もユッケを着用していたかも知れないとも言う。 検察は、受刑者が経営する鉄工所でFさんが暴行を受けたことを裁判所に認めてもらおうと躍起になった。 それで無理に話を作ろうとしたと新聞記者と冤罪論者は言う。 もし、それが認められないと、Fさん殺害だけでなく、娘のS子さんの殺害と家屋への放火も、一連の犯行すべてが、受刑者によるものでないと評価されても仕方がないと検察内部では判断していたからだ、と有罪論者ですら言っている。 つまり、検察は、弁護側が言う所の「でっち上げられた可能性のあるような胡散臭い間接証拠ばかり」では、有罪判決に持って行くのは無理だと、実は、自分達自身も考えていたということだ、と言うのである。 既述したことだが、警察と検察は、捜査と公判廷対策で、被害者遺族をとことん利用して、その遺族全員の心を踏みにじった。 新聞記者と冤罪論者は、警察と検察は、被害者遺族にも法廷で主張したような作り話を聞かせたのだろうと言っている。 仮に有罪説に立ったとしても、被害者遺族からすると、家族を2人も惨殺されて、家屋が全焼して、思い出のアルバムなども全部燃えてしまって、無期懲役の判決では、警察と検察は何をやってるんだ、ということになると新聞記者と冤罪論者は憤慨する。 検察官の法廷での作り話が災いして、裁判官と裁判員の心に無罪の可能性がよぎり、死刑判決が出なかったと、被害者遺族が思ったとしても仕方がないそうである。 そして、受刑者が真実は無罪であるのであれば、どうして真犯人を野放しにしているのかと、これはこれで警察と検察に対する怒りは抑えきれないだろうと、新聞記者と冤罪論者は被害者遺族の心中を思いやるのである。 受刑者が犯人であろうがあるまいが、どっちにしても、被害者遺族は救済されないでのある。 被害者遺族は判決直後は、裁判官と裁判員を恨み、冷静に考えるようになってからは警察と検察を恨んだであろうと、新聞記者と冤罪論者は想像するのである。
2020.05.30
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今回は、個人的な話で恐縮ですが、僕の個人的な恐怖譚をお話したいと思います。 それは10代の頃、地元警察の刑事数名から、あわや連続放火犯に仕立てあげられかかった話です。 僕は10代の頃、受験浪人を経験しました。その時、僕は、予備校生になるのではなく、自宅で勉強をして、模擬試験だけを予備校に受験しに行くという生活をしていました。 アルバイトもせず、毎日、ほぼ1日中、勉強していましたが、勉強ばかりでは運動不足になるので、勉強の合間には、腕立て伏せやスクワットなどを自宅でやり、屋外でランニングなどもやっていました。 僕の家があるところは田舎ですが、それでも昼間は、自動車、トラック、バイクなど、そこそこの交通量があるので、安全な時間にランニングをやっていました。 ランニングするのは、夜8時から9時30分くらいの時間でした。10時を過ぎることはありませんでした。 ある夜、たまたま、職務質問を受けたので、素直に氏名、住所、浪人生であることなどを答えました。 すると、その数日後から、何日も続けて、自宅前に不審な男が立つようになりました。 僕は、「Z会」や「大学への数学」の学力コンテストなどの答案を、ほぼ毎日、自宅外200メートル先にあるポストに出しに行っていたので、その不審な男とは頻繁に顔を合わせました。 何度も顔を合わせるうちに、気持ちが悪くなったので、ついに「どちら様ですか。なにか用があるんですか」と訊ねました。 そうしたら、その男は、刑事であることを明らかにして、「連続放火事件の捜査をしている」と言いました。 同じ頃、別の刑事も、僕の父の職場を訪ねて、同じく「連続放火事件の捜査をしている」と言って、僕のことを根掘り葉掘り、父に訊ねたそうです。 どうやら、僕は、その「連続放火事件」の犯人であると所轄署から疑われていたようでした。 実は、警察が僕に目を付け、僕の家の様子を伺っていた最中も、放火事件は2件起こっていました。 僕は、疑われていると知って以降は夜外出していないので、警察が僕のアリバイを証明したはずでした。 ところが、僕の家の前にいた捜査員は、僕に対して、「お前がホシだ」とぬけぬけと言い放ったのです。 僕は、若気の至りもありましたが、堪忍袋の緒が切れて、その捜査員に猛抗議しました。そして、それでも納得できなかったので、所轄署に乗り込み、刑事課長に噛み付きました。 警察が24時間、僕を見張っている間に、同一犯によるものと思われる放火事件が2件起きた。この時点で、僕はホシじゃないだろう。そう認めろよと、抗議したのです。 すると、刑事課長もまた、ぬけぬけと言いました。「ホンボシは他にいるかも知れない」と。 『わっはっはっはっは、あんた達は馬鹿じゃねえか。こんなことだから、連続放火犯がなかなか逮捕できないんだよ』 僕は笑い叫びました。 10代の僕の放言に、50代の所轄署刑事課長は反論できませんでした。 この連続放火事件は、夜、人がいない木造の建物を狙って、火が付けられるという事件でした。 それらの放火現場はすべて、僕のランニングコースからは遠い所にありました。その何れの放火場所にも、僕は行ったことがありません。 結局、警察が僕へのマークを解いて、しばらくして、その連続放火犯は逮捕されました。 僕をマークしていた捜査員と、僕の家族や知人に僕のことを訊いて回っていた捜査員が、僕たちから離れたから、人海戦術で犯人が逮捕できたのです。 田舎の所轄署には、「少ない捜査員」しかいません。 その「少ない捜査員」を効率的に使い、的確な指示を出さないと、このように、狭い田舎の連続放火事件ですら、犯人逮捕に時間がかかるのです。 夜、ランニングしている浪人生が、ひょっとすると、むしゃくしゃして、放火したかも知れない、と考えた刑事課長の着想は悪くはありません。それでビンゴする事もあると思います。 しかし、僕にアリバイがある中、2件も同様の手口の放火事件が起きているから、その時点で、刑事課長は、捜査員に、僕から離れて、他をあたれと指示しなければならなかった。 刑事課長が僕に拘ったために、捜査員の割り振りに失敗して、犯人に、余計な放火事件を数件も起こさせてしまった。 連続放火犯の最後の数件の犯行は、間抜けな刑事課長のアシストがあったから成し遂げられたと思われても仕方がないのです。 この捜査の実態を知れば、被害に遭った建物の所有者と一般市民の皆さん方は、どう思ったでしょうかね? 僕は、僕の家を張り込んでいた刑事とそうするように指示した刑事課長に謝罪を求めました。 証拠もないのに、「お前がホシだ」と言われて、僕は心を痛めたからです。 そして、同時に、僕は、ぞっとしました。 アリバイがあるのに疑いを持ち続けられました。 知らない間に、警察の中では、僕は「ホシ」と呼ばれていた。 もし、犯人が逮捕されなかったら、僕はアリバイがあっても、強引に犯人に仕立て上げられたのではないか。張り込んでいた捜査員が「家から出た」と嘘を言えば、僕は犯人にされてしまいます。 僕の生殺与奪の権利を、その捜査員が握っている。僕や一般市民にとっては正当な抗議でも、その捜査員から逆恨みされれば、大変な事になったかも知れない。 そう考えると、夜も眠れませんでした。 たまたま、雨が降れば、濡れた傘は家の中に持ち込まず、玄関外の傘立てに置きます。 また、洗濯物は普通、庭の物干し竿に干します。 もし、その家の外にある、傘なり、洗濯物なりを、誰かが持ちだして、放火現場に置いたら、僕は、犯人でもないのに、犯人にされたのではないか、などと、この出来事があった、10代当時、僕は考えることがありました。
2020.05.22
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実は、対馬放火殺人事件では、朝7時50分より前の時間、犯行現場と受刑者宅の間の道路沿いにある免税店の防犯カメラに、犯人と思われる男が軽トラに乗っている映像と時間が記録されていた。 ただ、この映像はぼやけていて、その男が受刑者であると特定できる代物ではなかった。 警察と検察は、この免税店前から、普通自動車を運転して受刑者宅に通じる細い道の入り口まで、どのくらいの時間がかかるかについてのみ実証実験をした。そして、その結果、朝7時50分頃までに受刑者が自宅に戻ることが「何とか可能だ」と法廷で説明した。 この点について、現地の交通事情に精通している冤罪論者は、「何とか可能」どころか、絶対に不可能であると断定するのである。 以下に、冤罪論者がそう断定する根拠を述べる。 まず、冤罪論者が指摘するのは、警察と検察の実証実験は、がらがらに道路がすいている時に行なったものである点である。 放火殺人事件が起きた朝は、火事のために消防などの緊急車両や野次馬の車が往来していたのだから、交通量が多く、警察や検察が主張するほどスムーズに車を走らせることは出来ない、と言う。 そして、次に冤罪論者が指摘しているのは、警察と検察の実証実験は、靴を履いた警察官が普通自動車を運転するものであって、犯行時の状況とは違っている点である。犯人はサンダル履きで軽トラを運転したわけであるから、実証実験でもその通りにやらないと信頼度に欠けると言っているわけである。 さらには、警察と検察が法廷に出した検証映像では赤信号にひっかかり止まる場面が少ないから、どうせ、何度も何度も検証実験をして、その中で一番、スムーズに車を走らせることが出来た映像を持ってきたんだろうと、冤罪論者は言うのである。 そして、最後に、この実証実験は所詮、防犯映像に記録されていた免税店前から、受刑者宅のある小道に通じる入り口までに限った実験であるところに、そもそも欠陥があると冤罪論者は言う。 警察と検察は、受刑者は自宅に戻る前、軽トラを家族や近所の人達の目の届かない所に隠して、自宅に戻ったと主張した。なぜなら、家族や近所の人達は、その軽トラに乗ってFさんが受刑者宅の隣接鉄工所にやって来ていたことを知っていたから、絶対に見られてはならなかった。 そして自宅の自部屋に戻る際も、玄関から入ったのではなくて自宅外階段から2階の自部屋へ戻ったと、警察と検察は主張した。 つまり、警察と検察は、実証実験でも、受刑者宅に通じる小道まで入り込み、軽トラを隠し、外階段から2階の部屋に戻る所までやっていないから、受刑者に犯行が「なんとか可能だ」なんて言えないと冤罪論者は呆れるのである。 その上、冤罪論者が「絶対に不可能」と言うのには、科学的根拠がある。 受刑者宅近所には軽トラを隠せるような場所はそう沢山はない。それらの隠し場所は何処をとっても受刑者の自宅からは徒歩で数分はかかる。 その何れの隠し場所からでも、サンダル履きでは、自宅までの結構な距離を走って戻ることはできない上、自宅外に辿りついたとしても、最後は外階段で時間を取られることになる。 実は、受刑者の家の外階段は長年の雨露で至る所が浸食または腐食、陥没していて、家族は誰も、普段、使っていない。仮に受刑者に使用可能であると仮定しても、80キロを超える体重の受刑者が無理してその階段を登ろうとすると、急ぎ足では不可能である。 結局、防犯映像の記録のある免税店前から、受刑者が、サンダル履きで軽トラを運転して、朝7時50分頃までに自宅2階の自部屋へ戻ることは不可能である。だから、警察と検察は全区間での実証実験ができなかったのだと冤罪論者は断定するのである。
2020.05.21
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一定割合の新聞記者と冤罪論者は、受刑者の姉が裁判員裁判の法廷で述べた受刑者のアリバイ証言は信ぴょう性があり、事実を述べているとしか思えないと言う。 対馬放火殺人事件が起きた日の朝7時50分頃、受刑者の姉は出勤のため、自宅玄関を出て行こうとしたら、階段から降りてくる弟(受刑者)の足音を聞いた。 受刑者の姉は、それより前の時間から、弟(受刑者)の部屋の中から、物音がするのを聞いていたが、弟(受刑者)がなかなか起きてこないことに意識があったので、出勤の際、ドスドスと重量感のある、いつもの弟(受刑者)の2階から降りてくる足音を聴いて、「やっと起きてきたか。寝坊助の弟め」と内心で思っていた。 ちなみに、受刑者の家庭は、受刑者本人と姉、母の3人家族で、2階には受刑者と姉の部屋があるが、普段、母は2階には行かない。対馬放火殺人事件が起きた日の朝も、母は2階に行っていない。(仮に2階に行ったとしても、母の足音は「ドスドス」という重量感のある音ではない) そして、出勤後、受刑者の姉は職場の同僚と、放火殺人事件のことを話した。 と言っても、この時点ではまだ、惨殺された遺体が発見される前だったので、職場の同僚たちは、単なる火災という認識だった。「早朝から火災が起きて騒がしかったよね」という話で盛り上がったのだ。 その際、受刑者の姉は次のように語ったのである。これを複数の同僚が聴いていた。「朝っぱらから火事で騒がしかったよね。外はそんなに大変だと言うのに、今日は私が出勤する頃になって、やっと寝坊助の弟(受刑者)が起きてきたのよ」と。 この発言は、受刑者の姉が先々、弟(受刑者)が放火殺人事件の容疑者になることを予期して、前もって、仕組んだ発言などではないことは、誰にだって容易に理解できるだろう。 問題なのは、この事件当日の朝7時50分頃、受刑者が自宅にいたという、この事実なのである。 これは法廷で、裁判長の判決理由の朗読を傍聴していれば分かることだが、裁判官と裁判員の合議体も、この受刑者の姉のアリバイ証言は否定できなかった。 つまり、裁判所は、受刑者姉のアリバイ証言を否定せずに、受刑者が犯行現場から戻って、朝7時50分頃自宅にいることは「何とか可能」だ、という検察の主張を採用した。 ところが、この事件を取材した新聞記者と対馬市内の交通状況に精通した冤罪論者は、受刑者が犯行現場から逃走して、その時間に自宅に戻ることは、「何とか可能」どころか、絶対に不可能であると断言する。 そして、新聞記者と冤罪論者は、犯行現場から自宅に戻る検証をしなかった警察と検察に対して、「不可能だから、出来なかった」と言うのである。 この、新聞記者と冤罪論者が不可能であると言う根拠については次回、述べる。 なお、以降の内容は、対馬放火殺人事件は冤罪事件であると信じる理工系の学位取得者の知人が激高して言ったことだが、ここで紹介しておく。「やってやれないことはない」とか「なんとか可能だ」などといういい加減な根拠から結論を導き出すということは、自然科学の分野ではあってはならないことだが、有罪無罪を決める裁判でも同様にあるべきではない。
2020.05.20
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今、僕が悩んでいることの1つは、今後、対馬放火殺人事件の再審請求を叫ぶ人達が、僕に接触してきたとき、どのような対応をとればいいのだろうかということです。 実は、先々、このようなこともあろうかと、裁判員在任中にK裁判長に被告サイドの弁護士と関わることはアウトなのか否かを確認しました。 すると、K裁判長は「裁判員裁判の評議の秘密を洩らさなければ、被告人サイドと接触しても問題はない」と言いました。 僕は少ない数の新聞記者から個人情報を知られています。 もし、先々、受刑者サイドが記者を通じて接触して来たら、その対応については、世論に問うて、みなさんの良識に従いたいと考えています。 そして、もし、僕が不治の病に侵され、余命いくばくもない状態になった場合、知人に預かってもらっている音声データをどうすべきかということも、そう遠くない将来、結論を出さなければなりません。 その時も、世論に問うて、みなさんの良識に従いたいと考えます。
2020.05.17
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今日は重要な話をさせていただきます。 裁判員制度発足から10年。いまだかつて、このような事を発言する裁判員経験者は誰もいませんでした。僕が初めてでしょう。 その重要な話の前に、僕が置かれていた(置かれている)状況をご理解いただきたいと思うのです。どうして「そうしなければならなくなったか」ということです。 まず、僕は裁判長と書記官から理不尽な仕打ちを受けました。 裁判員に選任されて、宣誓をしぶる裁判員候補者を前に、裁判長は言いました。「今回の裁判は特殊な長期の裁判だから、特別に、本来、支給基準に該当しない人にも宿泊費を出します。だから、裁判員就任を引き受けて下さい」 ところが、翌日になると、書記官がこの約束を覆そうとしました。 結果的に、最初の約束通り、宿泊費は支給されましたが、それは僕が相当に抵抗して、長崎地裁会計課長の決定的なミスを録音したからです。僕が何もしなかったら、地裁は宿泊費を出さなかった。 以上の経緯は本ブログ、3月11日と12日の以下の分で詳述しました。宣誓したくないオーラで重い空気。それを吹き飛ばしたK裁判長の詐術K裁判長が約束した「宿泊費」を出せないと言ったH書記官とU会計課長 揉めに揉めた宿泊費騒動。結局、非を認めて支給するも、謝罪はしない長崎地裁 また、K裁判長からは他のことについても嘘の説明や不適切な発言を繰り返し受けました。4月1日分と4日分で詳述しています。評議室内でのK裁判長の暴言ないし問題発言の数々。 読者の皆さん。僕の被害状況が分かる音声データがあるとすれば、それを聴きたいですか? そして、以上のような「明らかに謝罪すべき場面」でも謝罪をしないばかりか、裁判員業務終了後も、別途起きたトラブルについても責任を取ろうとしません。このことも詳述しました。 裁判所は、何が何でも評議の秘密を裁判員と裁判員経験者に守らせようとします。 それを担保するために罰則付きの守秘義務を押し付けます。違反者は6月以下の懲役か50万円以下の罰金に処せられます。 裁判所は、裁判員と裁判員経験者が秘密を漏らしやすいと考えているようですが、これは、とんでもない誤った認識です。 僕は、秘密の漏洩の危険が大きいのは裁判員と裁判員経験者ではなく、守秘義務違反について何ら罰則で縛りのない裁判官と裁判官経験者の方だと考えます。 裁判官と裁判官経験者の全員ではありません。その危険性があるのは一部の問題がある裁判官と裁判官経験者です。 裁判員と裁判員経験者についても、罰則付きの守秘義務があるからと言って絶対に安心はできません。 もし、事件関係者や、事件に思い入れのある急進的な市民から、問い詰められれば、評議の秘密を漏らしたり、他の裁判員や裁判員経験者の個人情報を教えたりすることが考えられないわけではありません。 例えば、刑務所から出所した元被告人から詰め寄られ、次のようなことを口走る場面が容易に想像できます。「自分は無罪を主張したんだ。恨まれるのは可笑しい。恨むんだったら、強く有罪を主張した○○さんを恨め。○○さんの勤務先を知っているから教えてやるよ」 僕のような補充裁判員は原則、評議と評決には関わらないことになっていますが、話し合いの最中、裁判長から「この点についてどう思いますか」と訊かれるので、自分の考えを述べざるをえなくなりました。 この僕の発言が、被告人を有利にするものか不利にするものなのかは分かりませんが、評議の最中に発言したこと自体、「評議に関わっている」ことになるではありませんか。 仮に、裁判長から質問されて全く発言しない補充裁判員であったとしても、事件関係者や事件に思い入れのある急進的な市民は、そうは理解してくれないと思います。 録音のきっかけは、裁判員就任の宣誓前に裁判長が約束した「宿泊費」を書記官と会計課長が「出せない」と言ったことです。 これで全く、地裁関係者が信用できなくなりました。それで自己防衛のためにやむをえず、始めました。 嘘で騙すような事をされなければ、このようなことはやっていません。 結果的に猛抗議の末、「宿泊費」は出してもらえることになりましたが、ICレコーダーで録取した音声データは消去することが出来ませんでした。虚偽の説明に懲りない裁判長から再度、嘘の説明や不適切な説明を受けたからです。 裁判員業務終了後、一定時間が経過して、音声データを消去しようとも思いましたが、またしても、裁判所が起因することでトラブルが起きて、そのことで人権を蹂躙され、謝罪さえしてもらっていません。それで消去できませんでした。 ICレコーダーで録取するきっかけを作ったのは裁判所。そして、再三、その音声データを消去する機会があったのに、その機会を無くしたのも裁判所なのです。 このICレコーダーで録取した音声データは、ICレコーダー本体ごと、僕が居住する県とは離れた県に在住する信頼できる人に預かってもらっています。 その人は何が録音されているのかは知りません。僕が裁判員経験者であることも知りません。 ただ、僕の身に何かあった時、某新聞記者に渡すように、ICレコーダーを入れた包みに同封した手紙にその旨を書いています。その人は手紙のことも知りません。 僕の身に何もなければ、包みの封も手紙の封も破られることはありません。 僕は今、疑っています。僕が疑うのは、同じ裁判員だった仲間ではなく、裁判員を務めていた当時の一部の地裁関係者です。 つまり、その当時の一部の地裁関係者が、ひょっとすると、先々、嘘をでっち上げて、事件関係者や事件に思い入れのある急進的な市民に、僕のことを悪く吹聴して、その結果、僕の人権がまたもや不当に蹂躙されるかもしれない。 間違ったことをして反省せず謝罪しない人間は、また間違いを仕出かすのではないかと、とても不安に感じています。
2020.05.12
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裁判員を務めたことを全ての人に秘密にすることは不可能です。 単独で仕事をしている人以外、裁判員に選任された段階で、まず職場の関係者に知られてしまいます。地裁では、裁判員拘束期間中に審理されている裁判員裁判は1つしかないので、職場の関係者は具体的な事件名まで容易く把握できてしまいます。 狭い地域社会の裁判員裁判となると、法廷で傍聴席にいる知人に顔を見られるということもあり得ます。 事件を担当する地方検察庁の検事数人は、裁判員選任過程で、被告人を有利にしやすい者が裁判員に選ばれないように目を光らせているので、選ばれた裁判員の氏名も当然把握することになります。 裁判所の書記官ですら、絶対に裁判員経験者の個人情報を漏洩しないとは断言できないと思います。 結局、人の口には戸が立てられないのです。「誰が何の裁判員裁判を担当した」ということを、その裁判員経験者が生存中、完全に秘密にし続けることは出来ません。 どこから裁判員経験者の個人情報が漏れて、事件関係者から報復を受けるか分かったものではありません。 それに、裁判員経験者に危害を及ぼそうとする者は、何も事件関係者だけとは限らないのです。 裁判員裁判の判決に不満を持つ、事件とは直接利害関係のない人達が、それぞれの信念から行動を起こす場合があります。 僕が担当した「対馬放火殺人事件」は、事前に、「死刑論」と「無罪論」が真っ二つに割れていました。 しかし、結果は「無期懲役」の判決だったので、双方の立場の世論からバッシングを受けることになりました。 僕を含む、この事件の裁判員裁判の裁判員経験者は、事件関係者だけからではなく、事件に思い入れのある急進的な一般市民からも、いつ攻撃されても不思議ではないのです。 実は、僕は裁判員任務終了後の2年間に数回、裁判員を務めたことによる報復と思われる攻撃を受けました。事件関係者からではありません。事件に思い入れのあると思われる急進的な一般市民から攻撃を受けたのです。 その攻撃の中には、厳密には軽微ながら犯罪に該当するものもありました。 攻撃を仕掛けてくる人は、僕が対馬放火殺人事件の裁判員だったことを知っている人物ばかりでした。 ただし、彼らは、「お前の関与した裁判員裁判の判決に不満があるから、お前を攻撃するんだ」と明言はしません。 そんなことをすると問題が大きくなることが分かっているので、「つい、うっかりと誤って、攻撃をしました」と話を作るのです。 今の所、軽微な事件ばかりですが、これから先、どうなるのかは分かりません。 僕のように、有罪無罪の判断が難しい事件を担当すると、その裁判員業務に起因する精神的な問題が発生するリスクに晒されるだけでなく、刑事事件の被害者になるリスクも背負うことになることを分かって欲しいのです。 この2つのリスクは一生涯、存在し続けるということなのですよ。
2020.05.09
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本日のツイッターに岡口基一さんが次のツイートをしておられました。 有名な方なので、皆さん、ご存知かとは思いますが、岡口基一さんは仙台高裁に勤務されている現職の裁判官です。 その岡口基一さんのツイートは次の通りです。 どんどん、台湾や韓国に追い越されていくニッポン 「日本には台湾や韓国のように、捜査機関を検証する公的な独立機関はない。日本の裁判所は、再審無罪となった事件の誤判を検証し、結果を公表したことは、過去に一度もない。」 この岡口基一さんのツイートに対して、僕が返信した内容は以下の通りです。「だから、裁判員裁判を仕切る裁判長が傲慢になるんですよ。裁判長は、何をやろうが、絶対に、責任を追及されることがないことが分かっていますからね。」
2020.05.05
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このブログは、もう精神的にどうにもならなくなって、約2か月前の3月7日に始めたのですが、熱心に支持して下さる読者に恵まれることになりました。 アクセス数はまだそんなに多くはありませんが、一部読者のポジティブなリアクションは、ブログを更新しようとする僕の心の支えになります。 悩める裁判員経験者・似蛭田妖のブログ、紹介動画、ぷっち(碇椿太) https://www.youtube.com/watch?v=FVBcD3hv-EY&feature=youtu.be 上のURLは、その一部読者が、僕のブログを論評する動画です。 どうか、ご覧下さいませ。
2020.05.03
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日本の裁判制度は三審制度をとっているから、地方裁判所の判決に不満があっても、まだ逆転への希望があると考えている人が多いのではないでしょうか。 この考えが100%間違いであるとは言いませんが、僕は8~9割程度は間違っていると思っています。 なぜなら、地方裁判所の裁判員裁判の有罪判決あるいは無罪判決が、その後、高裁、最高裁で覆ることは滅多にないことだからです。 だから、事実上、地方裁判所の裁判員裁判の判決は最終決定だと考えなければならないのです。高裁と最高裁の判断は、地方裁判所の判断を追認するだけの場合がほとんどなのです。 真実は無実の確定囚が再審請求する場合だって、そうです。 まず、再審請求は通らない。これが原則です。再審請求が認められるのは、例外的なケースなのです。 こういうことだから、地方裁判所で有罪無罪の判断をする裁判官と裁判員の合議体には、ものすごい責任があるのです。 現職裁判官と元裁判官の一定割合の人達は、安易に、「裁判員裁判の判断が間違っていても、その後、高裁と最高裁という職業裁判官だけの判断が2つも控えているわけだから、そこで瑕疵は修正される」と言います。 この意見が間違いであることは、元裁判官の木谷明さんや瀬木比呂志さんなども仰っておられます。 現職裁判官と元裁判官の一定割合の人達はよく分かっていません。 裁判員制度が導入される前、職業裁判官だけの判断で全てが決まっていた時代だって、相当な数の冤罪誤判決が出されていました。 素人の裁判員が関与すれば、冤罪誤判決が解消するということにはならないと思うのですが。 そもそも、一般国民は、裁判員制度の実態を知るよしもないし、そのメリットを検証することも出来ないのです。 裁判官と裁判員による評議がどのように行われているか、それは秘密にされているから、冤罪誤判決を防止するために、裁判官と裁判員が懸命に努力しているのか、第三者は知ることが出来ないのです。 だから、多くの識者は、後々、第三者が、評議の内容を検証できるように、秘密主義を廃すべきだと言っているのです。 ところが、裁判所は、なかなか、これに応じません。 この「裁判所が応じない理由」については、メディア関係者だけでなく、裁判官経験者ですら、次のようにおしゃるのです。「評議の過程を公表すると、実は、裁判官が裁判員を誘導して、自分の思うような方向へ向かわせていることが、ばれてしまうからだ」 多くの識者は言っています。「やましいことがなければ、関係者の個人情報が漏れない範囲で、評議の内容を公表したっていいじゃないか」と。
2020.04.26
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裁判員経験者は、判決に不満がある事件関係者から一生涯、恨まれます。 また、事件とは直接利害関係がないものの、判決に不満を持つ世間の一定割合の人達からも、一生涯、目の敵にされます。 裁判員を務めたことによって、通常一般の人達が背負っている危険の数十倍、数百倍の危険を引き受けて、生きていかなければならないのです。 以上の話は、裁判員に選任され、宣誓をして、評議室に移った際、裁判官から聴かされるのです。 そして、身の危険を感じるようなことがあれば、秘密の緊急連絡先に1年365日24時間、いつでも電話するように説明を受けるのです。 率直な話、判決に不満を持つ人から、いつ襲われるか分かりません。 人の恨みは、簡単には消えません。 仮に、ですよ。 本当は無実だった人を有罪にしたら、どうなるでしょう。 被告人やその家族は、有罪判決に関与した裁判員経験者にそれなりの感情を持つことになりますが、この感情は20年、30年、末永く維持されるのです。 逆に、本当は罪を犯した人を無罪にしたら、どうなるでしょう。 被害者や被害者遺族は、無罪判決に関与した裁判員経験者にそれなりの感情を末永く持つことになるのです。 以下の画像データは、裁判員に就任した日に評議室で渡された緊急連絡用カードの表裏です。(申し訳ありませんが、偽造防止のため、ぼかしてあります。判別はできると思います) 裁判長から、一生涯、常に携帯するように言われました。
2020.04.22
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K裁判長の問題発言(嘘の説明)について、長崎地裁のW書記官に訴えても埒が明かないので、最高裁判所刑事局裁判員企画係のF係長に相談しました。昨年のことです。 最初のうちは、証拠を示さず、口頭で訴えていましたが、信用してもらえないと思い、ある時、ずばり、K裁判長が嘘の説明をしている部分の音声データを送って、F係長に聴いてもらいました。 なお、このK裁判長が嘘の説明をしている部分の音声データは新聞各社、出版大手各社、国会議員事務所などにも送って、聴いていただきましたが、皆さん方は異口同音に「裁判員相手に嘘の説明をするK裁判長には問題がある」と仰いました。 ところが、最高裁判所刑事局裁判員企画係のF係長ときたら、音声データを聴いても「問題がある」という回答を絶対にしようとはしません。 ただ、F係長は、この音声データの声の主がK裁判長であることは否定しませんでした。「嘘の説明をしたK裁判長に謝罪するように、最高裁判所から言ってください」という当方のお願いに対して、F係長は次のように言いました。これが最高裁判所の最終回答だそうです。「私どもは、このK裁判長の嘘の説明について、コメントすべき立場ではありません。この問題は、直接、K裁判長に言ってください」 ところが、この言葉通りに、長崎地裁に電話して、「最高裁判所から指示があったので、K裁判長と話がしたい」と言っても、W書記官が間に入り、取り次いでもらえないのです。 W書記官は次のように言いました。「最高裁判所から指示があったと自分は確認していないので、K裁判長には取り次ぎません」 結局、このようなやり取りが、僕と長崎地裁と最高裁刑事局との間で何回も繰り返され、K裁判長はまったく謝罪訂正することなく、人事異動でY地裁へ転勤しました。 近いうち、この「裁判員相手にK裁判長が嘘の説明をしている部分の音声データ」を公表しようと考えています。
2020.04.15
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K裁判長は、評議室で堂々と嘘を説明しました。しかも、嘘の説明をしたのは1回だけではありません。 その内容は以下の通りです。「事件に関する評議の秘密を漏洩することについて、裁判員の皆さんが6月以下の懲役に処せられるという罰則は、決して重くはありません。理不尽なことでもありません。我々裁判官は、もっと重い罰則にさらされています。我々裁判官は国家公務員法の適用を受けるので、守秘義務違反は1年以下の懲役になっています」 ところが、この話が真っ赤な嘘であることは既述しました。 なぜなら、裁判官には国家公務員法は適用されません。 評議の秘密を漏洩しても、刑罰は一切課されることはないのです。 ただし、評議の秘密を漏洩すると、裁判官として不適当とみなされて弾劾される可能性はあります。 でも、その弾劾とは、職を無くすというだけで、裁判官は懲役になんてなりはしないのです。 K裁判長は正裁判員6名と補充裁判員4名の全裁判員を前にして、この嘘を2回言いました。 僕は、辛うじて、裁判員任期中に、この嘘に気付いて、2人の補充裁判員には「K裁判長は嘘を言った」と教えましたが、その2人の補充裁判員は「なんてことを」と驚いていました。 タイミングが悪く、すべての裁判員には教えることが出来ませんでした。 実は、僕は、このことが心残りで、退任後、W地裁書記官に何度も、「嘘を教えたままではダメだから、K裁判長は、全裁判員に謝罪と訂正をするべきだ」と訴えてきました。 ところが、一貫して、無視されてきました。 そこで、最高裁判所刑事局裁判員企画係のF係長にも、同様のことを訴えましたが、これもまた、無視されています。 裁判長が、裁判員を前にして、評議の秘密の義務違反に関する罰則について説明することは、どこの地方裁判所でも行われていることですが、「裁判官には国家公務員法が適用される」とか「裁判官は守秘義務違反は懲役1年になる」などと、嘘の説明をするのは全国でK裁判長1人だけしかいないと思います。 この問題を善処しないと、これから先もK裁判長は裁判官人生が続く限り、嘘の説明をし続けると思います。
2020.04.15
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その言い分が本当かどうかは分からないが、いろいろと口実を付けて、簡単なことでは受け手がなかった対馬放火殺人事件の裁判員を僕たちは快く引き受けてやった。 このことだけでも、物凄く感謝されなければならないことだと思う訳です。 1月から3月にかけての寒い時節に延3か月の時間を使わせられた。しかも、その内容ときたら、直接証拠が皆無の事件で、心理的負荷が物凄く大きかった。 そのうえに、裁判員在任期間中は、宿泊費問題が起きたり、評議室での不適切発言や嘘の説明などの諸問題が起きた。 そして、裁判員退任後は、裁判所指定のメンタルサポート窓口の対応で悩まされ、これも、そもそも裁判所が起因することであった。 これら、すべてのことに、K裁判長は関係しています。 ところが、全く、K裁判長は謝罪をしていません。 裁判所もK裁判長に代わって謝罪しようとはしません。 こんなことまで、僕が受忍しなければならないとは思わないのですが。 理不尽すぎる。あまりに。 だから、僕も、裁判所やK裁判長の不都合を守ってやる道理はないと思うのです。 この際、評議の秘密に反しない限度において、音声データを公表しようと思うのですが。 このブログをご覧になっておられる皆様方は、どう思われますか? 音声データは、評議の内容ではありません。 裁判所とK裁判長が、嘘を言ったり、筋が通らない事を言っている音声データを聴きたいとは思われませんか。
2020.04.13
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裁判員に選ばれた日、K裁判長より、任期中、あるいは退任後に心身の具合が悪くなったら、裁判所指定のメンタルサポート窓口に相談するか、精神科医に相談するかするように言われました。 その際、K裁判長は、裁判所指定のメンタルサポート窓口は1年365日24時間いつでも対応してくれるし、料金は無料だから、「おすすめですよ」と言いました。 メンタルサポート窓口のカウンセラーと精神科医になら、評議の秘密を漏洩しても、守秘義務違反の例外になる、とK裁判長は言いました。 どうしようもなく、具合が悪くなる前に、話して楽になった方が良いとも。 それで、僕は、この言葉を信じて、裁判所指定のメンタルサポート窓口を利用していましたが、実は、電話相談の内容を無断で録音(秘密録音)されていました。 この秘密録音は「裁判所も知っていることだ」とカンセラーが言っていたので、そもそも、「おすすめですよ」などと言って、僕たちに、このメンタルサポート窓口を奨めたK裁判長に、この問題について、コメントを求めようとしましたが、K裁判長は応じようとしませんでした。 都合が悪いから、逃げ回っていたのだと思います。 秘密録音には不満を言う意見が多々あるからという理由で、昨年12月にはこの仕組みは廃せられました。昨年12月からは、電話で相談する前に、事前に録音する旨を教えてくれるようになりました。
2020.04.13
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対馬放火殺人事件の選任手続きで選ばれた裁判員たちは、家族や職場の上司同僚たちから、延べ3か月に渡る困難な業務を心配されたり、激励を受けたりしました。 いったん、裁判員に選ばれて宣誓をした以上、最後まで務めないと、家族や職場の上司同僚など、周囲の人間から根性がないように思われるのが嫌だという心理が全員に働いていました。 ただし、補充裁判員と正裁判員が、それぞれ1人ずつ、早い段階でドロップアウトしたので、メディア関係者からは、心理的負荷が大きな裁判であることはよく認識されていました。 裁判員が途中で辞める原因は、心身の疾患だけとは限りません。 家事都合もあるだろうし、その他の場合だって考えられます。 そのほかの場合で、一番、考えられることは、裁判官や他の裁判員とトラブって、裁判長から解任される場合があります。 僕が、たいしたことではないのに、おそらくは「宿泊費問題」の意趣返しで、K裁判長から、居残るように言われ、お叱りを受けたことは既述しました。3月13日の記述を読み返していただければ、お分かりになると思います。公判廷終了後、感想を求められたので述べたら、残されて注意を受けた。(3月13日) 僕は、嘘を教えたり、場所柄を弁えない発言をするK裁判長のあまりの脱線ぶりをある裁判員と話し合ったことがありますが、その裁判員は次のように言っていました。「自分も可笑しいと思うが、裁判官なんだから、仕方がないじゃないですか。表向き、上手く合わせていれば、いいんですよ」「裁判官には国家公務員法が適用されますので、守秘義務違反は1年以下の懲役になります」と、嘘の説明をしたK裁判長には、僕だけではなく、みんな驚きました。
2020.04.12
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K裁判長は4月1日付けの人事異動でY地裁に転勤になりました。今後も、行く先々で同様の粗相を繰り返すと思います。 K裁判長はメディアの一部からは、裁判官として相応しくないと見られています。 それは、既述の通り、相手が裁判員だろうが、新聞記者だろうが、お構いなしに、「同期の裁判官は互いに仲が悪く、私は誰とも全く付き合いがない」などと言い放ったり、ギャンブルの話をしたりするからです。 K裁判長については、同期の裁判官の人達と付き合いがないのは事実だと思いますが、「同期の裁判官は互いに仲が悪い」という話は疑わしいと思います。僕は、仲が良い人達はいると考えています。 そのK裁判長が言い放った暴言や不適切発言は何度も述べましたが、まだ述べていないものに、驚くべき放言があります。 それは、「他事件の判決で、うっかり覚せい剤の没収を言い忘れたよ」と自らの失敗を笑い話として披露するというものでした。 まだ総括判事になる前の右陪席判事時代の失敗だそうです。 この失敗のために、本来、検察も弁護側も控訴せずに、地裁判決だけで確定していた事件だったのに、検察が控訴することとなり、ただでさえ忙しい高等検察庁や弁護人、高等裁判所などに迷惑をかけたというものです。 とんでもない税金の無駄遣いです。 裁判員たちは、つられて笑ってしまいましたが、本来、笑える話じゃないんですよ。 この話をある新聞記者に話したところ、その記者は次のように言っていました。「こんな失敗をするわけだから、本来、有罪の被告人を無罪にしたり、本来、無罪の被告人を有罪にしたことも、絶対、あるはずですよ」 僕は反論ができませんでした。 なお、この「他事件の判決で、覚せい剤の没収を言い忘れた」という笑い話がなされたのは、休憩時間中ではありませんでした。 休憩時間が終わって、全員が集合して、評議の時間が始まってからのことでした。
2020.04.11
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僕は1位の補充裁判員だったので、直接には有罪の決定、量刑の決定には関係していません。 しかし、評議で意見を求められた際には答えました。質問が許された際は、疑問点をぶつけました。 だから、客観的には、僕が「無期懲役」の判決に関わったということは事実なわけです。その時、僕がどのような意見であったかに関わらず。 僕は死刑論者、冤罪論者双方からの猛烈なバッシングについて、心を揺さぶられずにはいられませんでした。 評議の真実を教えてくれと言った新聞記者の心情もよく理解できました。 評議の内容を公表して楽になりたいと、判決以後、今日に至る2年間で何十回、考えてきたことか。 評議に関することは、最高裁のメンタルヘルスサポート窓口と精神科医以外には話すことができません。このことが苦しさを加速しています。 世間に皆様方に、評議の話を聞いていただければ、僕の苦しさはかなり軽減されると思います。
2020.04.09
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無期懲役の判決に至った理由。評議室でどのような議論がなされたのか、誰が何を言ったのか。また判決で示された事実の認定と量刑の当否について。僕は何もコメントできないのです。 でも、今、僕がどのような状況にあるかということなら、お話することができます。 裁判員裁判の判決から2年が経過しましたが、ずっと裁判員後遺症に悩まされています。苦しくて死にたいと思ったことが何度もあります。 もし弁護側や冤罪論者の言う通りだとしたら。それを考えると、胸が張り裂けそうになります。 毎日、裁判員を務めたことが脳裏から完全に離れるということはありません。 「私は、やっておりません」と訴える受刑者(その時は被告人)の声もリアルに記憶に残っています。 日本の裁判制度は、一審判決がそのまま最高裁まで行き、確定することが殆どです。また再審請求も簡単には認められません。 だから、時々「三審制度」を有り難がって、上訴審に可能性があるように言う人がいますが、それは間違いです。 高裁、最高裁ともに事実上、一審判決の追認機関だと考えなければなりません。 だから、一審を担当した裁判官、裁判員には物凄い責任があるのです。 仮に、この世のすべて、森羅万象をつかさどる絶対の神がおられ、その神が全ての真理真実をお見通しでいらっしゃるとします。そんなことだったら、どうしよう。 僕は裁判員を務めるまでは、こんな事なんて考えたことはありませんでした。 でも、裁判員を退任後、よく、こんなことが脳裏をよぎるようになりました。 これも辛くて辛くてたまらない気持ちになるのです。 もし弁護側や冤罪論者の言う通りだとしたら。 僕は生きてはいられません。
2020.04.09
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僕が手紙でご指導を頂いた法学者の瀬木比呂志先生は元々は職業裁判官で東京地裁の総括判事をしておられました。最高裁判所で調査官を務められたこともあります。 その瀬木比呂志先生が、昨年、あるメディアの裁判員制度10年という特集記事の取材に応じられて、裁判員制度が抱える多くの問題点について、意見を述べられました。 かつて司法の中枢におられた方の発言なので、成る程と思うことが多くありました。 その中で、そもそも、裁判員と裁判員経験者に裁判所はなぜ守秘義務を課しているのか、その目的について、瀬木比呂志先生は次のように仰っておられます。「裁判官が裁判員を強引に説得するなど、裁判所に都合が悪い事実が漏れるのを防ぐためですよ」 また、守秘義務違反の罰則が「6月以下の懲役または50万円以下の罰金」であることについては、次のように仰っておられます。「守秘義務の範囲が異様に広い。そして刑罰が重いわけですよ。刑罰も懲役があって、これは非常識だと思いますね。これは国際標準、世界標準に外れています」
2020.04.09
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対馬放火殺人事件の裁判員裁判は無期懲役の判決をもって終了しました。この判決は有罪論、無罪論、双方の立場の人達から猛烈に批判されました。 これまで、何度も言ってきましたが、僕の立場では、僕がこの判決をどう評価したのかというコメントはできません。 ところで、裁判長が朗読する判決理由を聴いていたメディア関係者は、ある一文に敏感に反応しました。 それは、裁判官と裁判員の合議体が、逮捕令状と捜索差し押さえ令状執行時の警察活動についてダメ出しをする部分でした。 ある新聞記者は、裁判官と裁判員が次のように言っているように感じたと言います。「結果的に、俺たちは、警察が不適切なやり方で収集した間接証拠を使って、有罪判決を出してやったが、これは当たり前のことじゃないんだぞ。こんなんじゃ、有罪にならない場合だってあるんだぞ。反省して、こんな事は2度とするんじゃないぞ」 この判決理由を聴いた被害者遺族はどう思ったか、裁判官と裁判員の合議体から「不適切なやり方」だとダメ出しを受けた警察職員は想像したことがあるだろうか。 あえて、ここで被害者遺族の立場になって考えると、ただでさえ、被害者遺族は、被告人(受刑者)が自供せず、凶器も発見できないことで、確実に死刑判決が出るのか不安な気持ちで公判に臨んでいたわけである。 被害者遺族も、一定数の根強い冤罪論があることは知っていた。 そこにもってきて、無期懲役の判決ときた。 遺族は「無罪にならずに良かった」なんて思わないのだ。「なぜ死刑じゃなかったのか」と絶対に思う。 その判決理由の要旨は「2人を残虐に殺害したとはいえ、それは突発的であり、放火行為もそれほど悪質ではないからだ」というもので、これは到底、遺族には受け入れることのできない説明だった。 遺族は裁判官と裁判員を恨んだだけじゃなくて、警察も恨んだろうと、ある新聞記者は言っていた。そして、その記者は、遺族は次のように考えたろうとも言っていた。『警察の人が、適切な方法で、証拠を収集しないから、裁判官と裁判員の人達は、ひょっとすると真犯人がいるかもしれないと考えて、無期懲役にしたのではないか。一部の警察職員の失敗で死刑判決が出なかったのではないか』
2020.04.08
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受刑者は逮捕される前、まず任意で調べられました。 逮捕されたのは、放火容疑が最初でした。そして勾留期限が切れると、次はFさん殺害容疑で逮捕され、またこの勾留期限が切れると、最後はS子さん殺害容疑で逮捕されました。 つまり、警察は100人態勢で捜査を開始して、まず任意で話を聴き、その後、3回も逮捕して取り調べたにも拘らず、自供を得られませんでした。また直接証拠にも辿りつくことが出来ませんでした。 裁判員裁判の法廷では、この3回の逮捕の取り調べには大いに問題があると弁護側が主張しました。 ろくに眠らせずに異常な長時間の取り調べが続き、受刑者の体重は10キロ以上減ったのだそうです。 この点について、検察は一切、反論しませんでした。できなかったのだとメディアの人達は言っています。 取り調べを担当した職員は、この事件が裁判員裁判の該当事件であることは、その時点で分かっていたはずです。「どうせ、こいつは死刑になるしかないんだから、今、ここで、少々脱線して不適切な取り調べをしたっていいんだよ。公判廷では、裁判官と裁判員の皆さん方だって理解してくれるよ」 もし、こんな考えを抱いていた職員が、取調室に1人でもいたんなら、それは警察組織に対する国民の信頼を裏切ること以外の何物でもありません。全国で真面目に警察官をやっている人達が迷惑します。 昨今、首相の親しいジャーナリストで、女性をレイプして逮捕状が出たのに、なぜか逮捕されない人のことが話題になっています。 この件にも言えることです。 裁判所が逮捕令状を出すことの重みをよく考えてもらいたい。 裁判所から逮捕令状をもらえば、その後は、好き勝手、やりたい放題、何をやってもOKということじゃないんですよ。 また、目の前にある特定の事件を、お宮入りにすることなく送検できれば良いという問題でもないんだぞ。 自分達が、法治国家、人権国家、国民主権国家の一翼を担っているんだという自覚を一般の国民以上に持ってほしいんだよ。
2020.04.07
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対馬放火殺人事件では、現場に放置されていたガソリン携行缶の鑑識作業が当然、行われました。 父と娘が殺されて家屋が放火され全焼した事件の重要アイテムの鑑識作業なので、駆け出しの鑑識職員に任せられるはずもなく、12年以上の鑑識経験者がこの作業の担当となりました。 このガソリン携行缶については、弁護側と冤罪論者、メディアの一定の人達などが「真犯人が、受刑者の経営する鉄工所から盗んだものだ」と主張していました。 それで、取っ手部分やそれ以外の部分から、受刑者以外の者の指紋とDNA型を採取できた可能性がありました。 ところが、鑑識の仕事を12年以上やっている職員が、ガソリン携行缶の取っ手部分の指紋採取とDNA型採取に失敗し、取っ手部分すべてを「試料としてダメ」にしてしまったのです。 結果的に、携行缶の側面から所有者である受刑者の掌紋は採取できましたが、それは「上司の指導があったから、うまく採取できた」ということでした。 実は、ある種のガソリン携行缶は特殊な素材で出来ているため、鉄紛をかけても指紋は採取できません。エタノールを塗布しないと採取できないのです。 この12年以上鑑識の仕事をやってきた職員は、「この携行缶がエタノールを使わなければならない素材だったとは知らなかった。鉄粉じゃ指紋の採取がうまく出来なかったわけだ。上司から教えてもらって良かったです」と法廷で証言したのです。 この証言には、弁護側や冤罪論者、それにメディア関係者が異口同音に呆れ果てて呟きました。「12年以上も鑑識をやっているのに、その割にはそれに見合っただけの力量がなく、お粗末すぎる」 上司は、このミッションを遂行できるだけの能力と力量がこの職員にはあると判断したから、任せたのですが、彼はその期待も裏切ったのです。 弁護側や冤罪論者が言うように、真犯人がこのガソリン携行缶を盗んで、犯行に使用していたとしても、真犯人は携行缶に指紋やDNA型を残すようなヘマはしなかったと言う人もいます。 しかし、その事と、お粗末な鑑識職員の失敗は、別問題だと思うのです。 ガソリン携行缶は素材によっては、鉄粉でなくエタノールを塗布しないと指紋採取が出来ない場合がある。能力と経験がない者が、迂闊に鑑識作業に従事すると試料としてダメにしてしまう。試料がダメになると、後々、検証できなくなります。
2020.04.07
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以降の記述内容について、まず断っておきたいと思います。 僕は裁判員経験者なので、評議の内容に関係する警察の活動について、裁判官と裁判員の合議体がどのように判断したのかという事をコメントできる立場にはありません。 しかし、法廷にいて傍聴すれば知り得るような内容であれば、話してもいいとの許可をK裁判長から得たので、その部分に限って、お話をしようと思うのです。 また、この問題は、報道各社の記者と冤罪論者が酷評していることなので無視来ないのです。 これから、お話する一部警察官の話は、あくまで、その人、個人の話であって、彼が所属する警察組織そのものの評価とは無関係です。 どんな組織にも、例えば、優秀な人材の宝庫である財務省、裁判所に所属する官僚や裁判官などですら、信じられないようなミスをする人はいるのです。 また東大法学部卒の人達だけではありません。 東大医学部卒の医師だからと言って、絶対にミスを仕出かさないとは断定できないのです。 さて、それではお話しますが、対馬放火殺人事件の警察活動中には次のような、信じられない一部警察官によるミスがありました。 それは受刑者宅に捜査員が大勢押しかけて、逮捕令状と捜索差し押さえ令状を執行しようとした時の話です。 この捜索差し押さえ令状に記載されていた「差し押さえるべき物」は『作業靴など』となっていたので、本来、履物類には一切、捜査員は素手で触れてはなりませんでした。 しかし、この時、ある捜査員が無造作に素手で触れてしまったのです。 この捜査員が触れた受刑者宅の履物が、これまで再三、既述してきた「黒サンダル」だったのです。 ミスを仕出かした捜査員は「つい、うっかり触れてしまった」と法廷で証言しました。 黒サンダルも、当然、「作業靴など」に含まるわけです。それなのに、うっかり? ミスを仕出かした時、その捜査員の上司も現場にいたのですが、上司は驚いて、「こら、おまえ、何やってんだ。それに触るんじゃねえ」と叱咤したそうです。 世の中の人達が全員、この捜査員とその上司が言っていることを信じてくれればいいんですがねえ。つまり、「悪意はなかったんですよ」と弁明していることを。 何度も言ってきたように、弁護側と冤罪論者は、この黒サンダルは第三者によって持ち込まれたものだと言っています。受刑者は「自分のサンダルではない」と主張しています。 捜査員が触ったために、ひょっとすると、それまで付着していた真犯人の指紋やDNA痕跡が消えたかも知れない。 あるいは、「そもそも、この黒サンダルはその捜査員が持ってきたのではないか?」 こんなことを言っている冤罪論者もいるのです。
2020.04.06
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対馬放火殺人事件では、殺されたFさんとS子さんの遺族は、警察と検察から、それぞれ最大限利用されて、振り回されました。 そのクライマックスは法廷での意見陳述でした。(この点は既述しました) 受刑者が逮捕され、送検されるまでの段階は警察から、その後は検察から使われて、遺族は最後捨てられたのです。 実の所、この事件は直接証拠がなく、識者や世論の一定数が冤罪を主張するような事件であったため、裁判員裁判では無罪になる可能性が当初からあったわけです。 結局、無期懲役の有罪判決で落着しましたが、それは、あくまで結果論でした。 この裁判の天王山は、弁護側や冤罪論者が胡散臭くて改ざんの疑いがあると主張する間接証拠を裁判官と裁判員がどのように評価するかという点であって、結果的に、それが検察の都合の良い方向に解釈されたのだと識者は言っています。 とにかく、この裁判は、傍聴すれば分る通り、不明な点が多く、判決後の記者会見では「難しい裁判でした」と複数の裁判員が異口同音にコメントするような裁判だったのです。 これらを知るメディア関係の一定数は、「なんとか有罪になった」「無期懲役でも警察と検察は恩の字だな」等と言っているのです。 ところが、警察と検察は、被害者遺族に受刑者は死刑になることが当然であるかのように誤解をさせて、遺族を自分達の仕事に都合よく利用したのです。 真実はどうだったのか、事件の全貌について、本当のところはよく分からない。 この点を、警察と地方検察庁は被害者遺族に、きちんと説明すべきでした。 そもそも、凶器を発見できない、自白をさせることができない、その時点で、警察は「死刑に出来ないかも。それどころか無罪になるかも」と考えなければならなかったと識者は言っています。 また検察は、自分達のストーリーを裏付ける法医学鑑定が法廷でダメ出しを受けた時点、そして訴因変更をした時点で「死刑は無理かも。無罪があるかも」と考えなければならなかったそうです。 それに、被害者遺族も、はなっから、警察や検察を味方だと思ってはいけなかったそうです。 警察も検察も大事なのは自分達の仕事、立場、栄達であって、遺族は自分達のために利用するだけだったのです。 地方検察庁が無期懲役を不服として控訴したのも、遺族のためではありません。自分達のためです。 そして、高等検察庁が「無期懲役を妥当とする高裁判決」に従い、上告しなかったのも、自分達のためです。 高検は、受刑者に死刑を求めることは拙いと判断したのです。 結局、警察も地検も、この高検の判断に異論を述べることなく、従いました。 自分達の仕事に協力させた被害者遺族のことを気の毒に思う気持ちがあるんだったら、高検の判断に文句を言うべきところなんですがね。
2020.04.05
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このブログをご覧になっておられる皆様方へ。 僕は、これまで、評議の秘密に触れないように、また裁判員の個人情報を漏らさないように、そして判決で示された事実の認定と量刑の当否に僕は一切、コメントしないように努めてきました。 その都度、断っているように、判決で示された事実の認定と量刑の当否に関するコメントは新聞記者や冤罪論者のそれであり、僕はそれを記述してきただけです。 事件に関する評議とは関係のない話は、K裁判長が「裁判員制度と裁判官に親しみを持ってもらうために、秘密にせずに、どんどん話してもらって結構です」と言うから、その通りにしてきました。 でも、このブログをご覧になっておられる方々の中には、僕が嘘を言っているのではないか、と疑いを持っている人がいらっしゃるかも知れません。 そこで、皆さんにお伺いしたいのですが、もし、僕が言っていることを裏付ける、音声データがあるとすれば、それをお聞きになりたいですか? 勿論、それは、事件の評議に関わるものではありません。地裁ないしK裁判長が、僕に心無いことをした、そんな事実があったことを裏付ける音声データだとしたら、それをお聞きになりたいか、ということなのですが。いかがですか。
2020.04.04
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僕は、判決後の記者会見に出ました。 この会見に出たのは、僕を含む補充裁判員4名全員と正裁判員2名の計6名でした。残りの正裁判員4名は出席を断りました。 ここでは、その記者会見の問題点について述べようと思います。 まず、我々、裁判員には守秘義務があって、話せるギリギリの所がどの辺かということは新聞記者の皆さんは知っておられる訳です。 会見場には裁判所書記官が数名立ち合い、裁判所に都合が悪い質疑応答がなされたら、書記官から突っ込まれることも、記者の皆さんは知っています。 だから、そういう制約の中で、記者の皆さんは知恵を絞って、質問を考えなければなりません。「対馬放火殺人事件の裁判員の業務期間は長崎地裁では裁判員制度が始まって以来、最長の業務期間であったので、仕事を長期間休むことになって大変でしたね」とか、「直接証拠がない中で、難しい判断を迫られて、精神的に大変でしたね」など、出席した裁判員6名全員が「その通り、大変でした」と答えるに決まっている質問をする必要はなかったと思うのです。 質問するんだったら、せめて、「長崎地裁では、前例のない長期審理、長期業務だったので、その点について地裁から特別に何か配慮してもらいましたか。不都合は起こりませんでしたか」くらいは訊いてほしかった。 しかし、ただ1人だけ、際どいコースにストレートを投げてくる記者がいました。 その質問内容は「被害者遺族の参加制度はどう思いましたか。遺族の訴えを聴いて、どう思いましたか。今後も、この被害者遺族の参加制度は存続してもいいと思いますか」というものでした。 僕は、これは考えに考え抜いた質問だなと思いました。 有罪無罪どちらの立場を支持していたにしろ、ほぼ全ての記者たちが、内心では「無期懲役はおかしい」と思っていた訳ですが、それをそのまま質問するわけには行きません。 この質問には、「遺族の声を無視して、死刑にしなかったんだから、あなた方は、裁判員裁判に被害者遺族の参加制度は無くてもいいと、考えているんでしょうが」という意味が込められていると、僕は感じたのです。 僕を含む、出席者全員が、この質問には思う所を述べました。答える際、書記官の顔色は窺っていません。そして全員一致の答えではありませんでした。 ところが、この質問とその答えは、どういうわけか、翌日の新聞には掲載されませんでした。どの社も取り上げませんでした。 書記官が「その質問と答えは記事にしないでくれ」と頼んだのか、記者サイドが自主的に掲載しなかったのかは分かりません。 その他にも、記事にならなかった質問と答えがあります。 ある社の「何か思うことはありますか」という質問に対して、僕が答えたことが、一切、記事になりませんでした。 それは、対馬放火殺人事件のような長期審理の裁判員を務めると、労災が起きた際の扱いや裁判員手当と税法の絡みなど、いろいろな問題があるので、これらの諸問題のために裁判員が不測のトラブルに巻き込まれないように、裁判所サイドは真摯に善処すべきだ。そこで、現行の配布書類の他に「長期審理の裁判員用」と題する冊子でも作ったらどうか、という意見でした。
2020.04.04
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対馬放火殺人事件の裁判員裁判は「有罪なら死刑、そうでなければ無罪だ」という前評判の裁判でした。つまり、懲役刑はないという認識の裁判だったわけです。 これは、弁護士、元裁判官、元検察官、法学者、それにメディア関係者の大多数が予想していたことでした。 そう予想するには、十分な根拠がありました。 犯人は、父と娘を、それぞれ、頭蓋骨が複数個所陥没し、上半身の強固な骨が骨折するまで数十回も、執拗に渾身の力で凶器を使って殴打しました。 最初の数発で気絶したにも拘わらず、極めて残虐な殺害方法でした。 しかも、その凶器はもともと被害者宅にあったものではありません。犯人が持ち込んだとしか考えられない、特殊なハンマーないし金槌様のものでした。 この凶器を準備して、極めて残虐な方法により2人を殺害した時点で、多くの識者は「死刑」に傾いていました。勿論、被告人(受刑者)が有罪だったらの話ですが。 殺害された娘さん(S子さん)は結婚を控えていたこと、彼女は被告人(受刑者)とは面識がなく、何ら落ち度がないのに事件に巻き込まれたことなどの事情も、有罪なら死刑を濃厚にする方向に働きました。 その上、ガソリンを携行缶に入れて被害者宅に持ち込んで、家中の至る所に撒いた上、畳を剥して、風通しを良くして、全焼火災を確実に実現させています。 計画的に2人を残虐に殺害したこと。プラス、計画的に全焼火災を引き起こしたことで、有罪なら、余裕で死刑判決が出ると、多くの識者は考えていました。 勿論、被告人(受刑者)が逮捕以来、一貫して無罪を主張して、反省の色がない事も大きな要因でした。 ところが、この事件は、凶器や目撃証言などの直接証拠がなく、あるのは(弁護側や冤罪論者が言う所の)胡散臭く、確度が低い間接証拠ばかりでした。 それで、この事件の裁判員に選ばれた人達は、任務期間中、ほぼ全員が、家族や職場の同僚などから、裁判の動向について、執拗にいろいろな事を訊かれて困惑しました。 評議の内容は話すことが出来ませんので、訊かれても、濁すしかありませんでしたが、法廷で傍聴すれば分かる程度のことなら話すことが出来たので、多くの裁判員は、それを話して納得してもらいました。 そして、いよいよ、判決の日だという直前、数名の裁判員は親しい人から「もう決まってるんだろ。判決を教えてよ。死刑か無罪か、どっちなんだよ」等と訊かれて不安になりました。誰も「無期懲役」の判決を予想していなかったからです。 1月23日から3月27日までの長期の裁判員裁判が終わるからと言って、識者たちが「死刑」と「無罪」という選択肢に、新たに「無期懲役」を加えたわけではなかったのです。一般の市民も同様でした。 それで、僕を含む多くの裁判員は、判決後のことを考えると鬱陶しくなりました。 検察側、弁護側、どちらの見解を支持する人達からも、猛烈にバッシングされることが分かっていたからです。 そして、実際、僕は、血縁者や親しい友人からですら、バッシングを受けました。 裁判が終わって、2年が経ちました。 僕は、必要があって、判決後、今日に至るまで、極めて限定的に、一部の人達には、対馬放火殺人事件の裁判員経験者であることを実名で明らかにしてきましたが、判決内容については、数々のダメ出しを受けてきました。
2020.04.04
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今回の問題については、これまでに、新聞社、出版社などのメディア関係、弁護士、元裁判官、元検察官など法曹界関係、各分野の学者の先生など、幅広く、いろいろな方々に相談に乗っていただきました。 そして、複数の方々から、電話や手紙によって、良きアドバイスをいただいております。 瀬木比呂氏先生からもお手紙をいただきました。 その内容はお話できません。
2020.04.02
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「評議室内での会話ないし出来事は、事件の評議に関わることと裁判員の個人情報に関わること以外なら、外部に話してもらって結構です。そういうことは、話してもらった方が、裁判官や裁判員制度に親しみを持たれます」 これは当のK裁判長が言ったセリフなので、ここで、それを実践いたしたいと思います。 以降の内容について、K裁判長は「そんな事は言っていない」と抗弁するかも知れませんが、僕は、そう言わせない確かな証拠を持っています。 K裁判長は「48期の裁判官は皆、仲が悪い。自分は同期の裁判官とは誰とも一切の付き合いがない」と言っていました。 裁判員にスライドを使って説明する際、K裁判長はある男性裁判員に向かって言いました。「後ろの年寄りは、老眼でどうせ見えないでしょ。無理をせず、前に来て見なさい」 後でその男性裁判員は「自分は年寄りじゃないし、老眼でもない。ちゃんと見えていた」と憤慨していました。 裁判員の中には、島原半島出身者がいました。島原半島は雲仙市、島原市、南島原市で構成され、3市の総人口は優に10万人は超えています。 ところがK裁判長は次のように言って嘲弄しました。 「島原半島は3つの市を合わせても人口は10万にも届かない。競馬場の収容人数にも満たない、とんでもない田舎だ」 K裁判長はM県の出身で趣味はパチスロとネット競馬だそうです。「パチスロでは1日で10万円以上儲かったことが何度もある。ネット競馬では通算で300万円以上は儲かった」と言っていました。 K裁判長は、自身は長年ギャンブルの虜になっていながら、競艇場に行く人のことを悪く言いました。「競艇は落ちる所まで落ちた、どうにもならない人がやる」 K裁判長の問題発言の中で、最も悪質で、僕が今も精神的に引きずっているものは、裁判官の守秘義務について嘘を教えられたことです。 K裁判長曰く「裁判員の皆さんは生涯、評議の秘密を守らなければなりません。もし、この守秘義務に反すると、6月以下の懲役または50万円以下の罰金に処せられます。でも、決して理不尽なことではないので、ご安心ください。われわれ裁判官は守秘義務に反すると、裁判員の皆さんより、もっと大きなペナルティを受けることになっています。裁判官の場合、国家公務員法の適用を受けるので、1年以下の懲役ということになっていますから」 本当に苦しくて悲しくなりました。 裁判官には国家公務員法の適用はないので、評議の秘密を漏らしても、懲役も罰金もないのです。ただし、在職中に評議の秘密を漏らすような不行跡があれば、弾劾により罷免されることはあり得ます。 僕は、守秘義務違反の罰則で一生涯、裁判員経験者を縛るのは行き過ぎだと思います。 どうして素人の裁判員が、職業裁判官以上の重荷を背負わなければならないのですか。.
2020.04.01
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長崎地裁刑事部のK裁判長は、裁判員選任の際の宿泊費問題から、何かと僕とは因縁がある間柄でした。 実は、裁判員を退任後も、K裁判長にまつわること、K裁判長が起因することで、トラブルが起きて、悩まされました。 そのK裁判長は本日付で異動となり、長崎地裁を去ります。 すでに述べた通り、K裁判長は僕に優に3回以上は謝罪しなければならない失態を仕出かしています。 この謝罪問題について、昨年5月頃より今日まで丸1年近く、長崎地裁刑事部と交渉を続けてきました。 長崎地裁刑事部の窓口はW書記官です。 部外者は地裁刑事部には行けないので、電話で話すしか方法がないのです。また、直接、裁判長とは話ができないので、書記官に取り次いでもらうしかないのです。 W書記官は取り次ぐことを嫌い、電話口で「裁判長に伝えておく」と言いましたが、後日、本当に伝達したのか否かの確認をすると、「伝えていない。伝えるべき義務はない」と喧嘩調で反論しました。 当方は、W書記官に、「伝えておく」と言った以上、その言動に責任を持つように言いました。 すると、ある時点からは、W書記官は「私は、裁判長が謝罪するしないという事案に関知する立場にありません。だから取り次ぎません」というセリフを繰り返すようになりました。 この件は、長崎法務局の人権相談にも話に乗ってもらいましたが、法務局は「裁判長が謝罪すべきだというコメントはできないが、裁判長が不適切なことをやったことは間違いがない」と回答しました。 さらには、この長崎法務局の回答を受けて、長崎地裁の所長と福岡高裁の長官と刑事部の裁判長にも手紙を書いて実情を訴えましたが、K裁判長からは謝罪はありませんでした。 K裁判長は本日付(令和2年4月1日付)で異動となり、長崎地裁を去ります。 裁判官だったら、男だったら、逃げずに、正々堂々と謝罪してほしいと思います。
2020.04.01
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ハスラー車内で検出されたDNA型について、真犯人によって、工作された疑いが大いにあると冤罪論者が言っていることは既述しました。 この点について、裁判員裁判の法廷で、我が国のDNA鑑定の権威であられるK大医学部法医学教室のT教授は、次のように述べられました。「運転席のシートベルトから所有者のS子さんのDNA型が検出されなかったことは、不自然なことではありません。S子さんのDNA型が付着しにくかったことが考えられます」 この意見に対して、補充裁判員がメモで次のように質問しました。(左陪席判事が代読)「新車で購入後、1年半の間、仕事と私用で毎日乗って、シートベルトには2000回以上触れているのに、S子さんのDNA型が全く検出されなかったのは、本当に不自然ではないのですか。S子さんは車内を掃除するような娘じゃなかったと、お母さんが証言しているのですが。検察が言う、たった一晩乗っただけの被告人のDNAだけがあるというのは不自然ではないのですか」 すると、T教授は次のように答えられました。「可能性としては、被告人のDNAが付着する前に、もともと付着していたS子さんのDNA型が拭き取られたこともあり得ます」と。 このT教授の答弁は、真犯人が存在し、ハスラー車内を工作した可能性を示すものだと冤罪論者は言っています。
2020.03.31
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検察のストーリーによると、殺害放火現場からFさんの軽トラに乗って逃走した受刑者は、いったん、自宅に戻り、しばらくしてから、その軽トラを捨てに行ったということになっています。 その軽トラを捨てた場所が、受刑者の自宅から約3キロ離れたYバス停近くだったと言うのです。 弁護側と冤罪論者は、たまたま、軽トラが捨てられていた場所がYバス停近くだったから、以降の内容は、検察がNとYバス停を利用して作出したものだと言っています。 畢竟、検察はNから次の証言を引き出しました。「私は、事件の日の昼頃、社長(受刑者のこと)から電話で、Yバス停に迎えに来るように言われたので、言われた通り、迎えに行きました。私は、なぜ、社長がそんな所にいたのか、その時は分かりませんでしたが、後になって、犯行に使ったFさんの軽トラを捨てに行ったのだと分かりました。迎えに行くと、社長はYバス停の簡易木造の建物の中に、顔を隠すようにフードを被って待っていました」 弁護側と冤罪論者は、この証言は不自然すぎると言っています。勿論、受刑者は、このような事実はないと言っています。 なぜなら、前にも述べた通り、対馬市がいかに田舎であるとは言え、バス路線の道路はそこそこの車両通行量があるので、真昼間に証拠隠滅のために、受刑者がFさんの軽トラを運転することはリスクが大きすぎるからだそうです。 どんな田舎の道路でも、ドライブレコーダー搭載の自動車がそこそこ走っているので、軽トラを運転しているところを撮影されるかもしれないそうです。 Yバス停の簡易木造の建物内にいる場面も、運転者に見られるリスクが大きすぎるそうです。それに、ひょっとすると、本物のバス待ち客が来るかも知れなかったそうです。 犯行の全過程終了後の待ち合わせ場所としては不適切だと弁護側と冤罪論者は主張するのです。
2020.03.31
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冤罪論者が疑う検察側証人の証言に、元鉄工所従業員Nの証言がありました。 この元鉄工所従業員Nは、事件当時、受刑者の部下として、受刑者が経営する鉄工所で働いていた男です。 冤罪論者が不審に思う根拠は、まず、Nが警察に捜査協力したのが、事件発覚後、かなり時間が経ってからだった点がありました。 2人が殺害され、家屋が放火されて全焼した事件だった割には、Nの動きは遅く、その間に警察との間で何かがあったのではないかと疑われたのです。 そして、次には、そもそも、Nは、狭い鉄工所で受刑者とFさんの3人で漁船の整備作業に従事していましたが、Nは受刑者とFさんが揉めた場面を1度も見たことがありません。 その上、Nは警察に捜査協力する前に、知人にも「受刑者とFさん」の話を任意にしていたのですが、その話の内容は、警察に密告した内容とは真逆の内容だったのです。 つまり、「Nは、警察が接触する前と後とで陳述内容を変えている。この点はおかしい」と弁護側と冤罪論者は言ったのです。 それに、さらに驚くことには、このNは仕事をしている時間以外はほとんどをパチスロ店で過ごすギャンブル依存症の男だったのです。そのために、消費者金融や知人たちから多額の借金をしていました。 実はNは、受刑者からも借金をしていました。そして、その借金を月々の給料から天引きされていました。 ところが、Nは自分の妻には「給料が安い」と嘘をついて、借金が天引きされていたことを隠していました。パチスロ店にも妻に嘘をついて出かけていました。 弁護側と冤罪論者は、Nの証言は作出であると断じ、信ぴょう性は全く無いと言っているのです。
2020.03.31
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対馬放火殺人事件では、裁判の終盤、突然、検察が言い分を変えました。 「Fさんは受刑者の経営する鉄工所で、受刑者により、大量出血を伴なう殴打行為を受けた」という主張を取り下げたのです。 検察は「鉄工所にあったはずの大量出血痕は、受刑者が、警察の捜査に備え、ルミノール反応で検出されないように工作を施した」と言っていましたが、この言い分を取り下げたということです。 冤罪論者は「検察は、受刑者がネットで『ルミノール反応の消し方』というサイトを閲覧したことを持ちだした以上、自分達も、そのサイトを見て、その消し方について検討したはずだ」と言います。 そして、ルミノール反応を消すためには、塩酸や硫酸などを使わなければならず、もし、それらを使ったなら、それら、酸の反応もまた、容易く検出されてしまうことに検察は気付いた筈だと言うのです。 ところが、県警の科捜研の鑑定では、そのような酸性の物質は鉄工所からは検出されませんでした。 つまり、ネットで「ルミノール反応の消し方」を閲覧したものの、実際に、受刑者が、それを実践したという証拠はありませんでした。 弁護側と冤罪論者は、鉄工所で暴行が行われたという事実が証明できない以上、受刑者の犯人性は薄くなると言っています。
2020.03.31
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対馬放火殺人事件では、犯罪発生後、受刑者がパソコンで犯罪系のサイトを閲覧していた事実と、スマホの位置情報を消去していた事実も、受刑者が犯人であることの間接証拠だと検察が言いました。 ところが、弁護側と冤罪論者は、この程度の事実は、犯人であることを示す間接証拠とはなりえないと反駁しました。 この反論の要旨は次の通りです。僕の私見ではないので誤解しないで下さい。 Fさん宅で火災が発生したことを、対馬市住民が知ったのは朝の8時前です。そして、そう時間が経たないうちに、FさんとS子さんが行方不明であることも、この狭い田舎では話題になりました。まだ焼死体が発見される前です。 その際、まだ消防や警察から、頭蓋骨が陥没した2人の焼死体発見という正式発表がなされる前でありましたが、地元では様々な流言飛語が喧伝されました。 「火事に巻き込まれて焼け死んだのではないか」とか。「ストーブを付けたままとかで仕事に出かけて、火事になったんじゃないか」とか。「事件性があるのではないか」とか。 しかし、時間がある程度経って、FさんとS子さんに連絡を取ろうとした人たちが、「連絡が取れない」と騒ぎだして、「死亡説」が現実味を帯びてきたのです。 また、「事件説」も見当違いではなくなってきました。 この「事件説」には他殺説だけではなく、無理心中説なども含まっていました。 その時、受刑者もFさんに連絡を取ろうとしました。漁船を預かって、エンジン換装工事を請け負っていたので、当然のことでした。Fさんは頻繁に鉄工所に手伝いに来ていたので、気になって連絡を取ろうとしたことは自然なことでした。 そして、「死亡説」が現実味を帯びて来た頃だったので、たまたま、受刑者は鉄工所の事務所のパソコンで、「焼死体」とかいうワードなどを検索して、時間を潰しました。 この時、受刑者の鉄工所では、Fさんの漁船の整備以外に仕事がなく、暇でした。その整備にしても、どう整備すればいいか、いつも手伝いに来るFさんがいないと、勝手に整備が出来ず、受刑者は「Fさん待ち」の状態だったのです。 その時間潰しのパソコンの閲覧で、受刑者は「焼死体」という用語だけではなく、検索エンジンのアシスト機能につられて、犯罪一般の用語をどんどんクリックして、その関係のサイトを閲覧したのです。 その閲覧したサイトの中で受刑者はたまたま「ルミノール反応消し方」という用語をアシスト機能につられてクリックしたのです。 また「ルミノール反応消し方」に到達する以前の「ルミノール反応」の検索にしても、最初から狙って、検索したのではありません。 しかし、この点が検察に疑われてしまいました。 また、受刑者は、事件後、自分のスマホの位置情報を消しましたが、この点も「受刑者が犯人だから、殺害放火の現場にいたことを隠すための証拠隠滅だ」と検察から指弾を受けました。 このスマホの位置情報を消した点について、弁護側と冤罪論者は次のように言いました。 「たまたま、消した日時に犯罪の時刻が被っていただけだ。証拠隠滅とは言えない」 「受刑者が犯人なら、そもそもスマホを犯行現場に持って行かないはずだ」 冤罪論者は何度も言いますが、受刑者は理工系の知識が豊富な人間ですから、検察の言う通り、凶器とガソリン携行缶を準備して計画的に犯行に臨んだとしたのなら、位置情報が記録されるスマホを犯行現場に持って行くはずがないのです。 それにスマホを犯罪行為中に携帯することは、位置情報の記録だけが問題になるのではありません。犯行中、誰かから連絡が入ると困るではないですか、とも冤罪論者は言いました。 例えば、親戚や知人から訃報があるかも知れないじゃないですか、と言うのです。 (僕は、私見は一切述べておりませんので、誤解しないで下さい)
2020.03.30
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裁判員裁判で、検察は、自分達のストーリーを裁判官、裁判員、メディア関係者などに納得させるために、FさんとS子さんが暴行された時間を特定できると言いました。 そして、検察側の鑑定証人として法医学のI教授が出廷して、証言しました。 その証言によると、暴行を受けた順番はFさんが先で、それより随分後に、S子さんが暴行を受けたことが、2人の遺体を調べたところ、それぞれの「好中球の痕跡による受傷の時間特定」から分かったそうです。 この「好中球の痕跡による受傷の時間特定」とは、人が暴行を受けた際、その傷口に集まる好中球の性質を利用して、遺体の傷口にある好中球の数量から、時間経過を逆算して、具体的な暴行時間を特定できるというものです。 I教授は、当初、「この鑑定による誤差は1,2時間程度だ」と証言しました。 ところが、弁護側も裁判官も気付かないことに補充裁判員が気付き、メモで質問したところ、この鑑定による誤差が当初、証言していた1,2時間どころではなく、「5時間やそれ以上あるかも知れない」と、遂にはI教授は白旗を上げられました。 これでは誤差が大きすぎて、検察のストーリーが信用できないと冤罪論者は言っています。 つまり、これは、どういうことかと言うと、Fさんは鉄工所で半殺しにされたのではなく、別の場所で、そうされたこともあり得るということなのです。 また、時間的には、Fさんは、S子さんと限りなく近い時間に被害に遭っている可能性だって出てきたのです。 この鑑定に、大きな誤差があることを法医学教授自らが認めたことで、冤罪論者は「鉄工所で暴行が行われたとは言えないから、受刑者以外の犯人の線もある」と言っているのです。 そればかりか、FさんとS子さんが自宅にいる所を、急襲されたという仮説だって成り立つという人もいるのです。
2020.03.29
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検察は「受刑者はFさんを鉄工所の敷地内で、最初に殴打した。それは、大量出血して気絶するほど凄まじかった」と言いました。 ところが、鉄工所の敷地内では、そんな大量出血の痕跡は見つかりませんでした。 ただ、ごく少量の血液の飛沫が付いた軍手は発見されました。 DNA鑑定の結果、この血液はFさんのものであることが確認されました。 この点について、検察は受刑者が犯人であることの証左だと主張しましたが、弁護側と冤罪論者は「とんでもない屁理屈だ」と反駁しました。 たまたま鼻血が出たり、或いは喉や口内を出血していて、咳やくしゃみをして、その際、軍手でブロックすると、少量の血液の飛沫が軍手に付着することはあり得ることだからだそうです。 Fさんは11月から12月にかけての時期に頻繁に鉄工所に来て、作業していたので、全く不思議な事ではないそうです。 11月から12月にかけては、鼻血が出やすい時節です。また、風邪を引きやすく、喉や口内を痛めやすい時節でもあります。 大量出血するほどの暴行があったと言いながら、その証左を示すことができず、こんな軍手を持ち出して事件と結びつける検察を、冤罪論者は不思議がります。 勿論、この軍手は真犯人が受刑者を犯人に仕立て上げるために、鉄工所に持ち込んだとも考えられますが、そうでないにしても、この軍手の血痕は、全く不自然な事ではないと冤罪論者は言うのです。 似たような話ですが、この事件では、他の論点についても「ほんの僅かな血痕」を再三、検察が持ち出しました。そして事件と結びつけようとしました。 そのことについても冤罪論者は次のように言いました。 この「ほんの僅かな血痕」というのは、乾燥する冬場においては、多くの者が体験上、知っている通り、不思議な話ではないのです。出血部位は、鼻や喉や口内だけに限らないのです。 乾燥する冬場は、指先とか唇とか体の至る所の表皮が割れて、自然出血することはよくあることなので、その血痕がいろんな所に付着したとしても、全く、可笑しくないのです。 その上、現場系の作業をする人たちについては、出血するリスクが大きい点も考慮しなければなりません。
2020.03.28
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検察は法廷で、「自分達が主張している犯行手段、犯行方法、犯行態様で現に、この対馬放火殺人事件を完遂することができますよ。その実証実験をしましたよ」とは言っていない。 検察が実証実験で明らかにしたのは、放火をした後、Fさんの軽トラで受刑者の自宅まで「僅かの時間」で運転して帰り、部屋に戻ることは可能だったかも知れないという点のみであった。 この点についても、冤罪論者は、この実証実験は「或る道路区間のみ」の実験に過ぎない不完全なもので、自宅に到着するのは「僅かの時間」では無理だと主張するのだが、この点は後で詳述する。 検察が主張する中で一番、おかしな点は、サンダル履きで犯行を行ったという点だそうである。この点は冤罪論者以外の者も指摘している。 検察は誰かを犯人役にして、実際、この父娘殺人放火事件の全ての工程がサンダル履きで可能だったかどうかを試してみたのだろうかと冤罪論者は言う。 勿論、その実証実験では、犯行時と同様の気温5度程度、体感温度は0度程度で、犯人役となる人には「カパカパ」のサンダルを履いてもらわないといけないと冤罪論者は言うのです。 そして、上の「或る道路区間のみ」の実証実験はサンダル履きで行われたものではないと冤罪論者は言っています。
2020.03.26
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当初、検察は、受刑者が凶器とガソリン携行缶を準備して計画的に犯行に及んだと主張しました。そして、受刑者はFさんとS子さんをそれぞれ執拗に何十回も殴打して惨殺した上に、家屋も全焼させたのだと言いました。 あまつさえ、逮捕後も一貫して無罪を主張し続けて、全く改悛しようとしないその姿勢には死刑以外の求刑はあり得ないと検察は叫びました。 それで、一審の裁判員裁判の「無期懲役」判決には、検察は大いに不満を言って、高裁に控訴したのでした。 ところが、高裁も一審判決を支持して、「無期懲役」の刑罰が妥当だとしました。 このあたりで検察の態度が一変します。 なんと、福岡高検は「無期懲役」の判決に納得して、上告をしなかったのです。 これは一体どういうことか? 地裁の裁判員裁判と高裁の、ともに、無期懲役を相当とする理由が、「人を2人殺したとは言え、計画的ではなく、突発的に犯行を行ったかも知れないし、放火行為もそれほど悪質ではないから、死刑は回避する」というものでした。 結局、福岡高検は、この判断に従う道を選んだのです。 でも、仮に有罪説に立つにしても、次の点はどう説明するのかと冤罪論者は言うのです。 まず、突発的に犯行を仕出かす者が凶器とガソリン携行缶を被害者宅に持って行くでしょうか? それに、ガソリン携行缶の中身を家中に撒いて全焼火災を実現させる行為が、悪質ではないと言えるのでしょうか? そして、なにより、2人の人間がそれぞれ金槌様ないしハンマーのような物で数十回殴打され、頭蓋骨が複数個所陥没し、上半身の至るところが骨折させられている、無残な殺害方法は? 以上の裁判所と変節した検察の対応は、「内心では受刑者は無罪だと思ってるからであろう」と、「死刑が決まって執行されると困るからであろう」と、冤罪論者は信じて疑わないのです。
2020.03.25
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冤罪論者は、受刑者の経歴やスキルなどからも、検察のストーリーを疑問視しています。 なぜなら、受刑者は宮崎大学の工学部に行き、その後、鉄工所で働く技能を習得するために専門学校で修業したという経歴があります。受刑者はガソリンを扱うプロなのです。 もし、受刑者が犯人なら、引火延焼が不可能な場所にハスラーを置くのではなく、確実に燃えるように処置した筈だと冤罪論者は言います。 それに犯行に使った黒サンダルもいつまでも履いてはおらず、始末していたはずだとも。 火事の風上にガソリン携行缶を放置しても、指紋や掌紋は煤で消えないことも受刑者は知っているわけです。もし受刑者が犯人なら、ガソリン携行缶は家の中に放置していた筈だとも冤罪論者は言っています。 冤罪論者は、受刑者を評する検察の姿勢が変節したことも可笑しいと言っています。これは次回述べます。
2020.03.25
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前に触れたとおり、受刑者逮捕の決め手となったLLの黒サンダルも真犯人が工作したものだと冤罪論者は言っています。 すでに話しましたが、もう1度整理して示すと、その根拠は以下の通りです。(その1) このサンダルは通常、受刑者が履いているLサイズのものではない。受刑者が履けばカパカパになる。(その2) このサンダルからは受刑者の指紋、掌紋、DNA型は検出されなかった。(その3) このサンダルからはガソリンや灯油などの成分は検出されなかった。(その4) 検察が言う所の「凶器とガソリン携行缶を準備して犯行に臨む計画的犯罪者」が、被害者宅を訪れるのに、このカパカパのサンダルを履いて向かうのは不自然だし、犯行の実現可能性に大いに疑念が生じる。自動車を運転することも難しい。(その5) 犯行が行われた12月の深夜から未明にかけての気温は5度程度、体感温度はさらに低い0度程度であるのに、このサンダル履きというのは不自然すぎる。 冤罪論者は、このLLの黒サンダルは真犯人が用意したものだと言っています。 ハスラーのエンジンが切れた状態、すなわち足元暖房が効いていない状態のハスラーのブレーキペダルパットにこの黒サンダルを力強く押し付けて、パットに足跡痕を残した上、この黒サンダルは受刑者宅玄関に置いたものだと言っています。 受刑者は、もともと黒っぽい似たようなLサイズのサンダルを履いていたのだが、真犯人がこのLL黒サンダルを玄関に置いた際、真犯人が従来のサンダルを回収したと考えているのです。 これは弁護団が再三、法廷で口にしていたことですが、まず、受刑者の経営する鉄工所は防犯が甘く、1年365日、昼も夜もシャッターをせずに開けっ放しでした。 また鉄工所に隣接する自宅も、鍵なんかせずに、猫を飼っているので、猫が出入りできる程度に常時開けていたそうです。
2020.03.25
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S子さんはハスラーを新車で購入後、殺されるまでの1年半の間、通勤と私用で毎日運転していました。 S子さんのお母さんの証言によると、「S子はズボラでハスラーの掃除などしたことがなかった」そうです。 また、S子さんは、魚臭い、お父さんのFさんがハスラーに乗ることを嫌い、そのためにFさんは、通算で僅か2,3回しかハスラーに乗ったことがなかったそうです。 しかし、反面、S子さんは活発で社交的な娘さんであったこと、結婚を間近に控え、婚約者がいたことなどから、多くの人間をハスラーに乗せていたことは疑いようがありません。識者はみんな、そう言っています。 それで普通に考えれば、ハスラーにはS子さん本人のDNA型だけではなく、お母さん、姉妹、友達、婚約者など、総勢で優に5人を超える分のDNA型があって然るべきだということも識者が指摘するのです。 ところが、県警の科捜研のDNA鑑定によると、ハスラー車内の座席やシートベルトなどから見つかったDNA型は少なくて4人分、多くて5人分という結果でした。 このうち、1人ないし2人分のDNA型は誰のものか不明でした。 そして明瞭に検出されたのは、S子さん、Fさん、受刑者の3人分だったのです。 具体的には、座席シートからはS子さん、Fさん、受刑者の3人分のDNA型が検出され、運転席のシートベルトからは受刑者のみのDNA型が検出されました。 この鑑定結果に、理工系の冤罪論者は大いに疑問を呈するのです。まあ、素人が考えても分かることですが。その疑問とは以下のようなものです。(疑問1) 全部で4,5人分のDNA型しか検出されなかったのは可笑しい。少なすぎる。どうして、S子さんのお母さん、姉妹、友達、婚約者などのDNA型は検出されなかったのか。(疑問2) 1年半の間で、ほんの2,3回しか乗っていないFさんのDNA型が明瞭に検出されたのは可笑しくはないか。(疑問3) S子さん本人は1年半の間にシートベルトに2000回以上触れているのに、なぜシートベルトからはS子さんのDNA型は検出されなかったのだろうか。 冤罪論者は、真犯人が存在して、以下のような工作をしたのであれば、上記疑問はすべて氷解すると言うのである。 すなわち、真犯人は、受刑者が経営する鉄工所から、ガソリン携行缶だけではなく、受刑者が日頃使っているタオルなども盗んだ。そして、暴行を加えたFさんとS子さんの下着なども、それぞれ、剥ぎ取って、ハスラーのDNA工作の準備をした。 そして、確実に受刑者を犯人に仕立てるために、受刑者のDNAは明瞭に付着させる必要があったから、まず、ハスラー車内の座席シートやシートベルトを掃除して綺麗に拭き取った。この時、それまであった全員分のDNA型がいったん消えた。 しかし、その作業は100%完ぺきではなかったので、1,2名分の明瞭ではないDNA型として残ってしまった。 次に、真犯人は、受刑者のタオル、FさんとS子さんの下着などを座席シートに押し付けて、それぞれのDNA型を付着させた。(真犯人は、Fさんがハスラーに2,3回しか乗ったことがないことは知らなかったと思われる) 最後に、特に、運転席のシートベルトには受刑者のDNAを念入りに付着させたが、うっかりS子さんのDNAを付けることは忘れていた。
2020.03.25
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冤罪論者は、ガソリン携行缶の工作と同様に、火事の風上に放置されていた「給油口の開いたハスラー」もまた、真犯人による作為であると考えている。 実は、事件が起きた当初、警察は、この点について、メディアには「ハスラーからガソリンが抜き出され、放火に使われたかどうかを調べる」と話していた。 給油口が開いていたことについては、この程度の認識であった。 つまり、最初は、警察もメディアも「犯人が犯行に使ったから、ハスラー自体も燃やそうとして証拠隠滅のために給油口を開けていた」などとは大々的に主張してはいなかった。 ところが、その後、科捜研によって、ハスラー車内に受刑者のDNA痕跡が発見されるや、「受刑者が犯行に使ったハスラーそのものも火事の延焼で燃やそうとして、その給油口を開けっ放しにしたのだ」と主張を変えるに至ったのである。 でも、この主張は、全くの見当外れであると理工系の冤罪論者は指摘する。 最初に警察やメディアがビジュアルに感じた取った通りのことが、科学的にも妥当するのだと言う。 つまり、風上にあるハスラーの給油口を開けると、そこから漏れ出る気化ガソリンは空気より分子量がかなり大きいため、給油口下の地面を這うように風下側に流れて行くが、2メートルと流れないうちに、その濃度は燃焼可能濃度を下回ってしまう。 ゆえに、風下の家屋火災エリアから離れていたハスラー給油口には引火することはあり得ないことだったと言う。 それでは、なぜ、ハスラー給油口が開いていたのかと言うと、それは真犯人の意図的な所為であり、その意図とは、受刑者が証拠を隠滅しようとしていたと捜査当局に疑わせて、ハスラー車内のDNA痕跡を捜査当局に調べさせることであったと言う。 さらに言うと、そのハスラー車内に受刑者のDNA痕跡を付着させるという工作も真犯人がやったと冤罪論者は主張するのである。この点については次回述べる。
2020.03.25
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対馬放火殺人事件では、Fさん宅火災現場の風上に放置されていた「ガソリン携行缶」から受刑者の掌紋が検出されたことが、受刑者逮捕の決め手の一つとなった。 だが、この点については、冤罪論者のみならず、多くの人達から疑問の声が上がった。 検察が言うところの計画的な放火殺人犯が、こんなポカを仕出かすはずがないからだ。 火災の風上にガソリン携行缶を放置すれば、煤が付かないから、あとあと、指紋や掌紋が検出されることは誰にだって分かる。 凶器とガソリン携行缶を被害者宅に持ち込んで、2人を殺害して、家屋を全焼させるべく、家中の畳を剥して風通しを良くしてから、至る所にガソリンを撒いて放火した、抜け目のない犯人なら、こんな証拠を残すはずはない、と誰もが考える。 だから、冤罪論者以外の者にとっても、あまりにも不自然すぎるのである。 勿論、このガソリン携行缶については、冤罪論者たちは、真犯人が受刑者を犯人に仕立て上げるために、受刑者が経営する鉄工所から盗んだものだ、と主張する。 事実、受刑者が経営していた鉄工所は防犯が甘く、シャッターは1年365日、昼夜いつでも開けっ放しであった。容易に盗まれる状況にあったのである。
2020.03.25
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理工系学位を取得した冤罪論者は、そもそも、この足跡痕の一致は科学的にあり得ないことだと以下のように言います。 以下の話はその冤罪論者の意見です。僕の私見ではありません。誤解しないで下さい。 (理工系学位を取得した冤罪論者の意見) 犯行にS子さん所有のハスラーが使われ、犯人がこのハスラーのブレーキが踏み込んだ際の気温は5度程度でした。ブレーキを踏み込む前には結構な距離を運転しています。 犯行時の風と湿度を考慮した体感温度は0度程度でしたので、サンダル履きのために足元は冷えるし、フロントガラスは曇ることから、当然、犯人は暖房を使うしかなかったわけです。 所有者のS子さんは多くの女性ユーザーと同様に、ハスラーの自動暖房システムを使って、設定温度は25度程度に設定していたと考えられます。ただし、S子さんは気温が物凄く低くなる深夜や未明にはハスラーには乗りませんでした。 だから、気温が物凄く低くなる時間帯にハスラーに乗った犯人は、このS子さんが設定した温度をより低くしたということもまた考えられないのです。 ところで、ハスラーのブレーキペダルのすぐ近くには、暖房の吹き出し口があります。そのため、ゴム製であるブレーキペダルのパットは温められて膨張します。 しかしながら、同じく、暖房の吹き出し口付近にあったサンダルは材質が合成皮革であるために、ほとんど膨張しないのです。 だから、ハスラーの足元暖房が効いた状態で、「合成皮革のサンダル」で「ゴムのブレーキペダルパット」を踏み込んだ場合、その後、温度が下がると、ブレーキペダルパットは縮小するから、そこに付着したサンダルの足跡痕もまた縮小するのです。 それで、「科学的には、受刑者宅から押収したサンダル裏面と、ハスラーのブレーキペダルパットの足跡痕が一致するということはあり得ない」という結果が導き出されるわけです。 もっとも、この科学的見解を冤罪説の根拠とする以前の話として、そもそも、検察が裁判官と裁判員に語った計画的殺人放火事件の受刑者が「サンダル履き」で犯行を行ったという検察の所論自体が、冤罪論者たちの大きな疑問であるわけです。
2020.03.24
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