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首相が主催する「桜を見る会」が炎上している。
安倍晋三首相は批判を受けて来年の開催中止を発表した。
この騒動をどう見るか。
最初に断っておくが・私も「内閣総理大臣」と送り主が
印刷された招待状を受け取ったことがある。
正確に覚えてはいないが、もう何年も前だ。
それから毎年・来ていたが私は1回も出席したことがない。
それで、そのうち招待状が来なくなった。
こんな騒ぎになるな、無理してでも覗いておけばよかった。
百聞は一見にしかず。体験していればネタになったのに
まことに残念だ。自分の出不精を反省している。
報道によれば・それなりに活躍している政治記者や
ジャーナリスト達には招待状が届いていたようだ。
「オレにも来たぞ」と嬉しそうな顔をする記者もいた。
だから・自分は出席しておきながら今になって批判して
いる記者がいるとすれば全く不見識というかデタラメだ。
かと思えば出席の事実を伏せたまま・コメントしている
有識者もいる。私はそういう態度を信じられない。不誠実だ。
後援会関係者を含めて親しい人達に声をかけるのは
「長年の慣行」だった。それが問題と思うなら
もっと早くから指摘すればいい。少なくとも自分が出席して
いれば・分かったはずだ。
私は桜を見ながらゴルフをするのは好きだが・お花見は
どうでもいいので桜を見る会に関心はなく特段の問題意識も
なかった。
さて・来年は中止と決まったが野党は「これで一件落着に
はさせない」と息巻いている。
だが・野党が拳を振り上げれば上げるほど・批判は
ブーメランになって野党に戻っていくのではないか。
何故なら民主党の鳩山由紀夫政権当時でも実質的に後援会
活動の一環とみられてもやむを得ない例があったからだ。
例えば国民民主党の玉木雄一郎代表は記者会見で
「議員1人当たり4人の推薦枠があった」と認めている。
そうだとすれば・安倍政権だけがどうした・という話
ではない。参加者の選定基準や議員推薦枠の扱い
出席人数など会のあり方を見直す。
その上で再開すべきかどうか考えればいい。
安倍政権はそのように動いている。
私は敢えて会を廃止する必要はないと思う。
この会には各国大使も招いている。
政府が各国外交団や各界功労者などに声をかけて日本を
象徴する桜をめでる1日があってもいい
(=そうなったら当然、私などに声がかかるわけもない。
やはり・出席しておけばよかった)。
野党は中止と決まると安倍首相の後援会がホテルで催した
「前夜祭」の参加費が「5000円とは安すぎる」と批判の
矛先を変えた。
ついでに「銀座の有名寿司店が出店していた」と言い出し
店側が完全否定したので・すぐ間違いと分かった。
店はいい迷惑だろう。
ガセ情報を流した野党議員はきちんと謝罪したのだろうか。
こんな他愛もない話で大騒ぎした揚げ句・事実関係すら
間違えて批判する。実に「軽い人たち」である。
■長谷川幸洋(はせがわ・ゆきひろ) ジャーナリスト。
1953年・千葉県生まれ。慶大経済卒・
ジョンズホプキンス大学大学院(SAIS)修了。
政治や経済、外交・安全保障の問題について、
独自情報に基づく解説に定評がある。
政府の規制改革会議委員などの公職も務める。
著書
『日本国の正体 政治家・官僚・メディア-本当の権力者は誰か』
(講談社)で山本七平賞受賞。最新刊に『明日の日本を予測する技術』
(講談社+α新書)がある。
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