フリーページ
ドナルド・トランプ米大統領は「香港の優遇措置廃止」と
「世界保健機関(WHO)からの脱退」という2つの重大な
決断を下した。
中国を見限り英国や台湾を巻き込む「世界新冷戦」の様相だ。
国際投資アナリストの大原浩氏は緊急寄稿で、米英など
民主主義勢力と反民主主義勢力の二極化が進むなか、
日本も決断を迫られていると現実を突きつける。
トランプ大統領が関税などの優遇措置の廃止の方針を決めるなど
米中対立の舞台の一つが香港だ。
問題の発端である1997年の英国から中国への香港返還・再譲渡は
84年に英中両国が北京で連合声明等の草案に署名した事に遡
(さかのぼ)る。
中国側の署名者は趙紫陽首相だったが・署名の場に同席した
トウ小平氏が返還を実現した立役者である。
英国側の署名を行ったのは「鉄の女」M・サッチャー首相だった ことは少し意外かもしれない。
サッチャー氏は地球の裏側のフォークランド諸島がアルゼンチン
に侵攻された時には・軍を派遣して守り抜いた。
フォークランド諸島は・香港に比べたら経済的・軍事的価値等
殆ど無いにもかかわらずだ。
メディアでは「99年間の租借期限」が到来したから返還したと
報道されたが・99年間租借していたのは「展拓香港界址専条」
という条約で定められた新界地域だけだった。
主要部分の香港島は1842年の南京条約(第一次アヘン戦争の
講和条約)によって・清朝から割譲された英国の永久領土なのだ。
1860年の北京条約(アロー号戦争の講和条約)によって
九龍半島の南端も英国に割譲された。
租借部分を返還した後に香港島だけを守る事が戦術的に難し
かった為に「再譲渡」されたと考えられるが・香港島は英国
の永久領土であり・九龍半島の南端も含めて「再譲渡」する
必要などなく・当然英国内で大きな議論が巻き起こった。
そのような事情もあって・中国共産党政府はトウ小平氏が提示
した「一国二制度」を基に社会主義政策を将来50年(2047年迄)
に亘って香港で実施しない事を約束したのだ。
つまり・英国側から見れば・香港譲渡は50年間の
約束を守れば…
という「解除条件付き契約」で
あったといえる。
したがって・共産主義中国がお得意の「ねじ曲げ解釈」を
いくら駆使しても・英国としては「一国二制度」という約束が
破られれば・香港の再譲渡契約は無効であり・香港が英国領に
戻るのは当然である。
勿論・英国だけの力で香港を守る為に中国と一戦を交える事は難しい。
しかし今回・中国の横暴に激怒しているのは英国だけではない。
前述の様に・米国は強烈な牽制(けんせい)球を投げた。
ドイツをはじめ媚中的行動が目立つ欧州大陸の国々も・
あからさまに香港の人々の人権が侵されれば声を上げざるを得ない。
しかも武漢発のウイルスの影響で国民の対中感情は最悪だ。
現在の英国首相であるボリス・ジョンソン氏はサッチャー氏や ウィンストン・チャーチル氏のような強烈な個性を持つ。
フォークランド紛争・或いはナチス・ドイツとの戦いと同じ様に
「反民主主義国家・中国」との戦いに踏み切る可能性は十分ある
のではないか。
■日本も「新世界組織」に参加すべきだ
第二次世界大戦は・英国とフランスの同盟国だったポーランドを
ナチスドイツが侵攻した事で始まった。
香港は同盟国どころか「一国二制度」が
守られなければ「英国領」
に戻るべき存在なのだ。
台湾は即座に米国が今後立ち上げるであろう「新世界組織」への 参加を表明している。日本も後に続くべきだ。
米国はWHOだけではなく「中国に支配されている」国連をも 見限っているのである。
米国が新型コロナウイルスの感染拡大や白人警官による黒人男性
暴行死を発端とした抗議デモなどの問題を抱えるなかで
「火事場泥棒」の様な中国による香港への「国家安全法」導入は
ますます米英を怒らせる。
そして・歴史的に正統な台湾主体の世界再編が米国によって 推進されるという大ブーメランとして返ってくるだろう。
「民主主義勢力」と「反民主主義勢力」の二極に分かれつつある
世界で・日本がどちら側につくべきかは明らかだ。
共産主義の代表を「国賓招待」する話がいまだに残っているのは
言語道断だ。
むしろ・台湾の蔡英文総統こそ国賓として
招待すべきではないか。
■大原浩(おおはら・ひろし)
人間経済科学研究所執行パートナーで国際投資アナリスト。
仏クレディ・リヨネ銀行などで金融の現場に携わる。
夕刊フジで「バフェットの次を行く投資術」(木曜掲載)を連載中。
サムスントップに逮捕状騒動
韓国“財閥崩壊”が始まった(By Zakzak)
巨大財閥の行方を巡り・韓国社会が揺れている。
今月4日・韓国検察がサムスングループの実質的トップ
李在鎔氏(サムスン電子副会長)に対する逮捕状を請求。
経営権継承を狙う李氏が「粉飾会計や株価操作を行なった」
とするもので、逮捕は確実視されていた。
ところが・ソウル中央地裁はこの請求を棄却。
李氏はすんでの所で逮捕・勾留を免れたのである。
韓国紙記者が解説する。
「李氏は朴槿恵前大統領を退陣に追い込んだ2016年の
“崔順実ゲート事件”でも収賄など5つの容疑で逮捕・起訴された。
検察が一企業のトップをここまで執拗に追及するのは極めて異例の事」
李氏は2017年に実刑判決を受け拘置所に送られたが2018年の二審
で執行猶予に。現在も審理は継続中だ。
ジャーナリスト・河鐘基氏が続ける。
「注目すべきは李氏が“自分の代で世襲を終わらせる”と明言
した直後に逮捕状請求が行なわれた点。
財閥解体を掲げる文在寅政権は・サムスン側にプレッシャーを
与える姿勢を見せたい一方で・財閥トップの身柄拘束が韓国経済
にどのような影響を及ぼすかも考えたはず。
逮捕状請求から棄却の流れは文政権が絵を描いた“出来レース” のようにも見えます」
前回・逮捕された事件の際にも現地メディアは
〈李副会長の拘束可能性はサムスンとしては経営上最悪の不確実性〉
(2019年8月28日付、朝鮮日報)等と報じたがトップ逮捕は韓国の
GDPの2割を占めるサムスングループの浮沈・そして韓国経済全体の
先行きさえも左右するということだ。
李氏は財閥の御曹司ながら人柄の良さや経営手腕に一定の評価が
あるとされ〈国民の6割が善処を期待〉(6月8日付東亜日報電子版)
しているというデータもある。
だが・財閥一族の子弟に対する国民感情は総じて悪い。
「“ナッツリターン事件”で悪名を轟かせた大韓航空の趙顕娥
・前副社長(韓進グループ創業者・趙重勲氏の孫)のほか、
昨年は現代やSKグループの要職に就く“財閥三世”が薬物事件で
摘発される等・相次ぐ不祥事に世間の目も厳しくなってきました。
創業者一族が企業を所有支配する構造は早晩瓦解するのではないか」
(前出・河氏)
三代続けば末代続く--というものの「三代目」への世代交代が 進む韓国財閥の運命は“風前の灯”のようだ。
週刊ポスト6月26日号
---------------------フィギュア宇野昌磨 引退までの軌跡 May 10, 2024
宇野昌磨 世界選手権 そして 大谷翔平選… March 22, 2024
世界フィギュア選手権2024・大谷翔平選手… March 21, 2024
PR
コメント新着