全米、いや全世界の大谷ファンが抱く感情を表すとこのフレーズが出てくる。 正確には 「Shohei is poetry in motion」
。 直訳すると、「翔平は動いている詩だ」となるが、恋する男性が女性を 「生きている詩」と表現する米国英語のイディオムの一つだ。 見てきれいなもの、眺めてきれいなものを意味する。
“poetry”は「詩」だけでなく、人の美しくて、優雅な動き (beautiful and elegant quality)
を指す。 俗な表現をすると、 「私はあなたにメロメロ」
となる。
このフレーズはWBCでの大谷の投打での活躍、更に準々決勝のイタリア戦 で見せたセーフティーバントなどの頭脳的プレーを目の当たりにした 米ファンのツイッター上にも「Ohtani is poetry in motion」との表現 が散見される。この場合、「大谷は最高だ」とも訳せる。
一方で2019年8月16日のオレンジ・カウンティー・レジスター紙上では、 マイク・トラウトが41号ホームランを放ちながら、ホワイトソックスに 7-2で敗れたことに対し、「(この敗戦は)not poetry in motion」だと 見出しを打っていた。
この場合には「美しくない」「優雅でない」という意味で使われている。 実は「poetry in motion」は日本でも60年代半ばに大流行した歌の題名 でもある。邦題は「ポエトリー」、伊東ゆかりが歌った。 米国では歌手ジョニー・ティロットソンが放ったヒット曲の一つだった。 女性を口説く時にも、「Iloveyou」なんて陳腐な表現を使わずに、 「You are poetry in motion」といえば、相手はウットリするか、 あるいはけげんな顔で、「あんた、なに言ってんの!」と言われるか。