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「仮面ライダー」の最新作が始まりましたが第一話を観たところでの注目すべき点を挙げてみましょう。・・・っていきなりパンツの写真ですが。1.主人公は多重人格?いきなり怪人?に契約を迫られる気弱な主人公。凶悪な表情に変貌し「必殺技」(この怪人はなんでも必殺技と呼称するのが趣味なのか?)を使おうとする。自分の粗暴な行いをおさえる気弱男。それをみて驚く少女。普通は怪人の人格に支配れれるものらしい・・・って「デビルマン」??鬱陶しいまでのヘタレな気弱男と単純で直情的な鬼の怪人の性格の妙が面白い。今年は・・「ジキル博士とハイド氏」の如き多重人格仮面ライダーなのか??2.珍しく魅力的な怪人主人公に取り付いた鬼みたいな怪人モモタロス。見た目に反してギャグっぽい俺様(またなのか・・でも今回の方がいいぞ)口調の怪人で今回の話の面白さはこの怪人の喋りに負うところが大きい。その魅力的な声を演じているのがガンダムWのデュオやSEEDのクルーゼを演じた関俊彦。相手のバット・イマジン(梁田清之、このヒトもガンダムF91のザビーネだな)相手に漫才みたいな会話を繰り広げていてここが一番の見所かと。平成の仮面ライダーでは怪人が喋る(人間体がいる場合は別として)のはあまり多くない。故にその辺がせっかく優れた怪人なのに印象に残らない、というのがあるのでこの点は嬉しい。沢りつおサンとかみたいにベタベタなのは(大好きだが)どうかと思うがこれはこれでアリだと思う。3.三人の女たちあとはあの電車とか「ターミネーター」が「バックトゥザフューチャー」な話なのかという「謎」(謎なのか?)は置いておくとして主人公に関る3人の女性に注目したい。生真面目なハナにどうみても脳天気なナオミ、気弱男のお姉さん愛理の3人。ここはナオミが如何に話に絡んでくるのか、あの美尻がどう活かされるのかを一番注目したいところだ(ところだ、っていわれてもなあ)。4.仮面ライダーという名の東映特撮何だかんだいいつつも最早仮面ライダーか何かわけがワカラナイ「電王」。ただ思うのはこれはもう営業上の理由で「仮面ライダー」の冠があるだけのハナシで1年50話のシリーズを作るためには仕方ないのかなあと。今「宇宙刑事」シリーズなんかがが作られるとしたら「仮面ライダーギャバン」とか「仮面ライダージライヤ」とかになってたのかもしれない。と書いてきましたが次回以降に期待したい。小林靖子さんの肩には「仮面ライダー」いや東映特撮の未来が重く圧し掛かっている・・・んだと思う。とりあえず奇抜と感じた電王にはもう慣れました・・・全然普通にイイかと・・・。
2007.01.28
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円盤生物ロベルガー二世を追って地球にやって来た80。メビウスは80と協力してロベルガー二世を倒す。・・・桜ヶ丘中学校は取り壊しが決まっていた。そんな折、教師の塚本はかっての旧友の「落語」と「スーパー」に再会する・・。思い出の先生ここ3回程私としては辛い話の続いたメビウス。「誓いのフォーメーション」以来の「ウルトラマン80」とのリンクはいわゆる「教師編」に登場した教え子たちの同窓会、となった登場するのは塚本(第二話「先生の秘密」で登校拒否をしていた。今は教師)落語(メイン4人組。今は銀行員)スーパー(メイン4人組。スーパーの跡継ぎ)博士(メイン4人組。大学で研究をつづけている)ファッション(メイン4人組。子持ちの主婦)真一(第三話「泣くな初恋怪獣」でホーを発生させた)の6人。80が地球にいることを知り彼らがクラス会を主催し先生を呼び出そうとするのが話の骨子である。彼らが矢的先生は80であるという言葉をそのまま受け入れてしまう展開はやや難があるが80の人間の可能性に関する言葉やミライの悩む姿(「板ばさみって辛いですよね」がおかしい)、悩むミライにサコミズがかける言葉(「出会い別れ喜び悲しみ・・・人間って面倒くさい生き物なんだ。でもね、時がくればそれは思い出に変わる。その思い出がないことが人間にとって一番悲しいことだ」)など見所が多い。またホーの使い方、及びその後の生徒たちが80に語りかけるシーン(仰げば尊し・・はやややり過ぎか)まで感銘深いエピソードになっている。「俺たちのウルトラマンだ」という台詞は80ファンにとっては感極まる台詞だったのではないだろうか。硫酸怪獣ホー今回のメインの戦闘は冒頭のロベルガー二世であろうがそれ以上に印象的なのは後半マイナスエネルギーから生まれた怪獣の代表として出現するのが80第3話に登場したホーである。取り壊される校舎と同窓会に集まったかっての子どもたちの気持ちを代弁するかのように登場したホーは以前と同じく耳を動かし、硫酸の涙を流す。80をまるで待っていたかのように出迎え、手を広げて浄化されることを受け入れるその姿はマイナスエネルギーの産物、というにはあまりに優しく思える。どちらかというと先生に会いたいという思いをもうすぐなくなる学校が受け入れてマイナスエネルギーの力を使って出現せしめたと解釈したい。次回予告いよいよ佳境に入るメビウス。タケナカ(参謀、ではない)の登場、多々良島に出現するゴモラとレッドキング、謎の黒衣の男、そして宇宙でかって何があったのか・・・。全編見所になりそうな次回を待て。蛇足・ゴモラとレッドキングこの組み合わせは80の再登場怪獣コンビでもあり、「小さな英雄」の脚本上の登場怪獣コンビでもある。ウルトラ怪獣史上高い人気を誇るこの二匹の登場は(前回のメビウスからの流用か?)楽しみですね。
2007.01.27
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「一人になるのがイヤなんだ・・怖いんだよ」ナオコは自分が同級生から金づるとしか思われていないと知った時宇宙植物ソリチュラの誘いに乗ってしまう・・・。「新世紀エヴァンゲリオン」「新世紀エヴァンゲリオン」や「地球幼年期の終わり」を思わせる個は全として生きるということを少女が否定する物語(と考えればエヴァンゲリオンの粗筋はこの1話で全部消化できてるじゃないか)は分かり易いがシンプルなその分だけ物足りない。本話はシリーズでは当たり前のごく普通の話だと思う。それは前回の「無敵のママ」でもそうなのだがレギュラー脚本家ではなくゲストがこの辺を書いてしまうところが「ウルトラマンメビウス」の面白いところなのかもしれない。「時をかける少女」ナオコを演じたのは仲里衣紗。「時をかける少女」アニメ版の真琴を元気に(ちゃらんぽらんに)演じた仲がそれとは逆の孤独を恐れる少女を好演。でも白衣の怪しい男を看病したり山中についていったりするのはどうかと思うぞ。「人類SOS」地球上の生物をすべて同化しようとした宇宙植物ソリチュラだがメビウスの敵ではなく瞬殺される。さっくりと上半身下半身泣き別れ・・最近多いぞ切り裂き攻撃。しかしながら・・もしメビウスがいなかったら・・・人類は全てを個とするソリチュラと同化してしまったのだろうか・・・。そういう怖さも孕んだ怪獣である。
2007.01.21
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やっぱり予想通り謎なんてどうでも良かった・・見事なまでに何も解決しない謎もとけない、ある意味気持ちいい位の結末でした。アギト以降の「平成仮面ライダー」シリーズに共通する風呂敷を上手くたためない悪い点が今回もでてしまった・・・というかこれが伝統(いやな伝統だな)?なので以下カブトについて思いつくことを。1.天道天上天下唯我独尊何もかもお見通しな神の如き謎の男として登場した天道。故に序盤においてはそういう得体のしれない所が作品の面白さでもあったのですが劇場版や中盤の苦悩や精神的な弱さを感じさせる展開、意味不明な(今となっては)行動の数々がカブトの面白さを次第に薄めていった気がします。私としては最後まで料理ばっかりしている突き抜けた狂言回しであった方が作品的には面白かったような気がします。そのためには加賀美が・・・2.加賀美天道と同等の主人公、等身大の悩める正義のヒーローだったはずなのに中盤から天道メインの話が中心になり剣の心配係とかラブコメ要員になっていくのは問題が・・・。「俺は俺にしかなれない。でもこれが俺なんだ」という感動の第22話は何だったんだ・・・。結局最後の最後で天道を信じ切れなかった加賀美・・。てゆうかそれじゃ駄目だろう。3.三島最終的にラスボスとなった三島。前半からの意味ありげな描写(味覚がないなど)が放置されたのは非常に残念。ザビーゼクターを無理矢理毟り取る描写など印象に残るのだけれどただネイティブになるという結末は・・・悪魔の如き心奥の描写や人でなくなってなお権力に固執とかの暗黒面の描写がもっと見たかった・・・。その辺がないのでラスボスとしては軽い印象なのが惜しい。考えてみれば変身する幹部って昭和ライダー的ですね。最終回はそれでも「カブトォーッ」と「私の勝ちだぁーっ」という叫びが他の何より印象的だったり(物凄く困った話ですが)4.ひより・樹花・蓮華ヒロイン・・のはずなのに中盤から姿を消してしまうひより・・再登場してからは初期の人を寄せ付けない所がなくなって印象が薄くなる・・序盤がああだっただけにそこは残念。樹花は日常の象徴「ゴハン食べ係」として最後まで描き通されました。ただ中盤よく誘拐されたりしてたのは伏線の未回収か?蓮華が怪我したのは何だった・・というか結局蓮華の存在理由って・・・。5.剣&大介いわゆる「島編(BYナディア)」ライダーズ。メインストーリーに関らないことを最後まで通した大介はともかく剣の役が最終的にあれほど大きくなるとは。本来サブストーリーの剣の最期があそこまでふくらんでしまったのは良かったのか悪かったのか・・。それにしても・・コントは程ほどに・・。6.陸、岬、田所意味ありげで実はそんな大した謎があったわけではなかった陸。1にも2にも本田博太郎が演じたからこそ。エキセントリックな芝居からラストで息子を見つめる姿までカブトを支えたのは本田さんだったと思います。ただその狂気が他の人物に感染してあそこまでカブト全体がコメディになっていくとは思わなかった・・。田所さんは・・まさかあんなことになろうとは・・伏線なかったですよね。初期クールだった岬も蕎麦狂いを経て最後はラブコメのヒロインになりましたが岬的にはあれがあって人物的には膨らんだ感じです。7.ワームたち、ネイティブたち結局明かされなかったネイティブとワームの謎・・ってもうこの状態ではどうでもいいような。崩れゆく中盤を支えた間宮麗奈の存在感、最後の強敵乃木の圧倒的な体技と強さは完全に仮面ライダー達を圧倒・・でもワームたちはいったい何がしたかったんだろうね。三島と組んでたりしたのとか含めてワームの目的がわからないままだったので気の毒な気がします・・・。麗奈と乃木の最期は・・・特に乃木の最期はあれでいいのか。でネィティブ。根岸ですか・・・立川ってのもいたけど・・。根岸の「どこでもラフな格好」は堀江被告かなんかの真似なんでしょうか8.地獄兄弟部下(影山)に裏切られ失脚した矢車。その影山の正義を成すための悪辣で非道な行いは誘拐を経てやがてヘタレな姿(誕生日に歌わされる、ワームにびびる、泣く、道端に捨てられる)とエスカレートし闇の住人に落ち着くのだけれどその姿はなんとも穏やか・・その最期まで。あと「俺の弟になれ・・」ってひょっとして「マリア様がみてる」?やさぐれたホッパーライダーズは実は後半で一番面白かった。それにしても話に関らない、剣よりも大介よりも。キックホッパーの初登場は中々良かったのになあ・・。矢車としては最初で最後のトリプルライダーキック、そして最後の花道はやはりカッシスワームを二人のキック&パンチで倒したとこか。それにしても最終回出番なしは・・・・・・。結局なんだったんだろう地獄兄弟。9.そして・・・ところで前回わざわざ掘り起こして尚且つ回収されなかった伏線「赤い靴」または「暴走スイッチ」って・・一体・・。結局この辺りの一貫性のなさが平成仮面ライダーなんていうのはちょっと残念なので今度の電王はその辺りきっちり作って欲しいぞ。・・・・とまた来年のこの時期も同じ事を言ってないだろうね・・・・。・・・・・・・・・・・・・・・・・怖い考えになってしまった・・・。
2007.01.21
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怪獣玩具好きのヤクザ、食玩コレクターの探偵、非合法な方法でホンモノを入手する悪徳マニア・・・3人の登場人物が幻のプラモデルで時価300-400万円の「ザリガニラー」をそれぞれの理由で期限までに探し出さないといけないことに・・・。 秋葉原が中野がビックサイトが今、戦場に変わる・・。 ・・という小説が双葉文庫から発売中です。 作者は大倉崇裕氏。「ウルトラマンマックス」で宇宙工作員二部作の脚本もかかれている方です。 エスカレートする食玩収集、レアなソフビやプラモデルにまつわる右往左往の中登場人物が非常に魅力的に描かれています。 ゴジラやドラえもんの名前もででくるのですがここは重要なキーワードになるこの世界オリジナルの特撮作品が楽しい。 「大怪獣メドン」(羽根のある金色の怪獣・・・)「ブルーマン」(ウルトラマン的)「カブトーン」「スカイホール」(仮面ライダー的)などなど・・・。 しっかりミステリになっていますし郷愁を誘うある事柄なんかが鍵になっていたりして、意外にもしみじみとした読後感でこの世界観で続編も読んでみたいと思わせます。それだけではなく、さらにはこの架空の作品たちをもっと掘り下げたりしたものも読んでみたい・・・そんな作品になっています。ウルトラ怪獣名鑑、ぶたのはな「ソフト焼き怪獣玩具」のマグラの話が文中に出てくる東雅夫氏の解説もあなどれないなあ・・。↓こちらはハードカバー版の表紙
2007.01.20
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いつものことながら目まぐるしい展開の最終回直前ですがここで残された謎について考えてみましょう・・。1.結局、ワームって、ネイティブってなんなんだろう?どう違うのか?2.なんでワームとネイティブは争っていたのか?(1と2が一番明かされなさそうなでいて重要な謎)3.人類を全部ネイティブにする・・?(平和のためといってるがその真の目的は征服ですよね)4.三島は最強のネイティブになったとかいってましたが・・(黒天道みたいに改造されたのか?いつ?ネックレスのせいか?)5.三島が味覚がないとか言ってた怪しげな設定の理由は?(理由はない・・とみた)6.天道の「そしてこの俺に擬態させたのか」(天道に擬態させた理由がわからない)7.暴走スイッチ・・は結局どう使う?(「赤い靴」のことですよね)8.緑の石=渋谷隕石の破片って結局何なんだろう(石の力って何?)9.結局、ホッパー兄弟は誰から何の目的でゼクターを得た?(多分わからないぞ)10.蓮華が怪我をしたのは何か意味があったのか(なさそう・・ただ勢いで・・か)11.どうして加賀美はああ騙されやすいのか(親友を信じられない位・・そういう性分なので)12.だいたい天道は加賀美にキチンと説明しとかないのか(性分なので・・でもそのせいで死にかけてるし・・)13.多分ネイティブ(ワーム?)のひよりが生きていけそうなのに死んだ影山って・・(不憫だ)14.カブトは時間を自由にできるから何でもできるんじゃなかったっけ(それをいっちゃ・・)15.おばあちゃんはやっぱり最後まででないのか?(出たら凄いが・・)16.つい、「仮面ライダー電王」の方に心がいってしまうのは何故か(うーん・・)※「真・南海大決戦」さんの「仮面ライダーカブト謎リスト」を参考にさせて頂きました。謎の解明率はどうなるんだろう・・・。最終回を待て!!
2007.01.14
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交通事故で子供を庇って死んだ大家族の主婦日ノ出サユリはサーペント星人と合体することで生き返る。直木賞作家朱川湊人のメビウス脚本第二作。日ノ出サユリ大家族を抱えて奮闘する母ちゃんを演じたのは80年代のにっかつを代表するロマンポルノのアイドル女優だった美保純。同時代人としては日清焼きそばUFOのCMや「男はつらいよ」のタコ社長の娘役の健康的で明朗快活な姿で忘れられない女優である。それだけにリュウにGUYSのかあさんとかおばちゃんと呼ばれるのはちょっとイヤだなあと思いつつ最後の車をもちあげ・・・の活躍ぶりまでは嬉しい。サーペント星人サユリを利用しようとした宇宙人。憑依のシーンは「帰ってきたウルトラマン」のオマージュ。ボーグ星人っぽい装甲の硬さを誇る星人の意外な弱点は結構面白かった。サユリを中心に据えた家族の物語、宇宙人になってしまった悲しみ、宇宙人の力を得てドタバタコメディみたいになる部分もどれも中途半端にしか描かれなかった感がある。のため朱川脚本、美保純がゲストという期待からすると凡庸な出来映えに思える。最後のアレは賛否が分かれるところだろうが私的には悪くないのだが。
2007.01.13
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2体目のゴジラが死んで二日が過ぎた。1体目は1954年、芹沢大助博士の開発したオキシジェンデストロイヤーによって消滅した。そして二体目はここでゴジラが死んだ。すべては4日前に始まった・・・坂井孝行のゴジラ前作までの内容はこちらキングギドラに捧げるエミーの涙 ゴジラVSキングギドラぎゅっと抱いて・・不器用な愛の物語 ゴジラVSモスラゴジラの死を・メカキングギドラの復讐 ゴジラVSメカゴジラシリーズ最高傑作 ゴジラVSスペースゴジラ「ゴジラVSデストロイア」は95年に公開された第22作目、「ゴジラ」(84)を含めての平成VSシリーズ7作目にして最後の作品である。脚本に「ゴジラVSモスラ」以来の大森一樹を迎えた本作は1954年の第一作に負う所の多いストーリーである。初期にあった54年のゴジラが蘇る「ゴジラVSゴーストゴジラ」の企画に川北紘一のゴジを死なせたいという意見が結びつき平成VSシリーズの完結編というかたちになった本作はゴジラがメルトダウンして死ぬというその一点に全てを収束させた映画である。そこでは最早オキシジェンデストロイヤーの産物のデストロイアも山根家の人々もGフォースもその「ゴジラの死」の装飾的な枝葉末節に過ぎない。ただ伊福部昭の音楽が鳴り響く中のゴジラの荘厳な死を観客はみつめるだけなのである。坂井版「ゴジラVSデストロイア」は漫画版に一貫して登場した黒木翔とゴジラの戦いの決着を描いた 物語である。それは映画が三枝未希を2作目以降登場させたのに似ているが「ゴジラVSビオランテ」での付けられなかった決着が付いたとみる事ができるだろう。漫画が黒木特佐を出し続けたことに関係あるかどうかわからないが映画にも黒木は特殊戦略作戦室の特佐としてスーパーX3を操縦、デストロイアを粉砕しゴジラの最期に立ち会うこととなった。漫画の登場人物は 黒木翔(Gフォース司令、自衛隊特佐) 鈴木(Gフォース隊員) 青木一馬(Gフォース隊員) 結城晶(元Gフォース隊員) 佐々木(Gフォース隊員)植杉国守(防衛庁長官)川野博士黒木翔のみが自衛隊特殊作戦室特佐として映画にでている以外は別作品の主要人物とオリジナルの登場人物で映画の主要登場人物の伊集院、山根姉弟、三枝未希、芽留、国友、麻生、山根恵美子はいっさい登場しない。青木は「ゴジラVSメカゴジラ」の、結城晶は「ゴジラVSスペースゴジラ」の(漫画版での)主人公である。佐々木隊長も「ゴジラVSメカゴジラ」から、また「ゴジラVSスペースゴジラ」の権藤千夏、「ゴジラVSモスラ」の手塚雅子、藤戸拓也も1シーンのみ登場している。このあたりは坂井ゴジラの総決算といったオールキャストで嬉しい。細かいことだが元気になった雅子と拓也は3年後も結婚はしてなかったようだ。本作のヒロインである鈴木は「ゴジラVSビオランテ」における女性スーパーX2オペレーター(鈴木京香)と考えられるが坂井版「ゴジラVSスペースゴジラ」における登場時(これは映画版の鈴木京香に似せて描かれている)と大分キャラクターが異なっている。 コミック坂井版の内容紹介に移ろう。 香港にゴジラが出現する冒頭部分はそのまま映画と同じであるがコミックではこの事態にMOGERA2号機、3号機が出動している。これは前作で盗まれたMOGERAをメカゴジラ2が追うというシークエンスに似ているがやはり暴走するゴジラの強さを誇示するために熱線の体内放射で瞬殺される。Gフォースの切り札は海底の泥を研究しオキシジェンデストロイヤーを開発するというもので伊集院の役割がGフォースに振られている。Gフォースは研究室から出現したデストロイア幼体により壊滅、佐々木隊長の犠牲で黒木、青木、鈴木の三人だけが逃げ延びる。佐々木隊長は映画の原田大二郎も好演であったが漫画版の隻眼の鬼隊長として印象深い。「ゴジラの異常、それのこのバケモノ。何とかできるのは黒木さん、アンタだけだ・・。日本をいや世界をたのみましたぜ!」身体にダイナマイト!でデストロイア幼体とともに吹き飛ぶシーンは前半の最大の見せ場であろう。黒木は防衛庁に向かうが自衛隊への復帰を出現したゴジラジュニアを撃退することを条件とされるがデストロイアを作り出し2匹を相打ちにする映画ではジュニアはバース島消滅によりアドノア島へ向かっているところをゴジラをおびき寄せるためにテレパシーで東京に無理矢理上陸させられるのだが漫画ではここで出現し飛行体のデストロイアと相打ちになる。その最期も右の腕と脚を角ミサイルで吹き飛ばされるという残酷なものだ。(青木は新怪獣を作る黒木に怖さを、鈴木はジュニアの死にゴジラの気持ちを考える描写がある)ゴジラは東京に到着し死んだジュニアに姿に咆哮する。黒木は暴走するゴジラの体内で何がおこっているのか調べるためゴジラ内核分析器をスーパーX3で取り付けるパイロットとして前回のモゲラ泥棒で懲役中である結城晶を呼び出す。鈴木が結城を監視する件りは「ゴジラVSスペースゴジラ」を読んでいると結城の出鱈目さが再認識されて面白く、鈴木もここでのやり取りが作中一番活き活きしている。これは前作が漫画として面白く出来ているせいかもしれない。 スーパーX3は映画と違い冷凍兵器に特化しているわけではなくステルス機能を強化した高機動戦闘機といった感じである。ゴジラの脚にとり付いた感じでは全長10m位で映画の38mという設定と比べても用途もデザインも大幅に異なっている。ここからゴジラの核爆発の危険性とスーパーX3の故障、ゴジラ冷却のためのサンダーコントロールシステムの使用(「ゴジラVSビオランテ」の引用、坂井版「ゴジラVSモスラ」でも使用。)、デストロイアの復活、植杉の反乱と計算違いによるゴジラメルトダウンのサスペンスとなっていく。結末は映画と同じなのだがそこへの道筋がかなり異なっている。ゴジラの安心な核爆発、メルトダウンによる地球の危機と刻々と変わる状況に関るサスペンスを映画以上に細かく描いた点は良いとしてもそこがやや面白みに欠ける。怪獣たちが人間の右往左往の中見せ場を失っており(デストロイアは映画以上に影が薄い)、それに関る人間ドラマ部分では前作のような感情の高まりが薄い。本作がサスペンスに優れる「ゴジラVSメカゴジラ」や結城のドラマを貫徹した「ゴジラVSスペースゴジラ」に比べて印象が弱いのはそこが理由だと思う。 また雑誌と単行本では結末が異なる。雑誌版ではゴジラはメルトダウンすることなく立ち往生で結末を迎える。「ゴジラは・・・人類の生んだ最大の被害者、そして最強の敵ゴジラは・・・もう動くこともできません・・・」坂井版では人類はゴジラを生み出し、そして倒しながらまた再び自らの手で(ここが映画と異なる)ゴジラを生み出してしまう皮肉な結末を描いている。但しそこが「君を助けたくて」という愛の告白のような言葉とともに描かれるのが人間ドラマを重視した坂井孝行のゴジラらしいところではないだろうか。坂井版もそうだが映画でも明確に描かれなかったが絵コンテでは新たなゴジラの誕生の後、麻生の「ヤツは人類の敵か?味方か?」という台詞と放射熱線を画面に向かって吐くゴジラ、というショッキングな描写がある。果たしてジュニアは恐怖の王ゴジラになったのだろうか?坂井孝行によるゴジラはこれで完結である。しかし平成モスラ三部作も続けてコミカライズを手掛けることになる。そしてこのモスラシリーズはゴジラとはまた別の深い感動の漫画となるのだが・・・それはまた別の機会に・・。
2007.01.08
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超高速の空中飛行を特徴とするアリゲラからメビウスを救ったのはガイスオーシャンの勇魚だった。勇魚=村上幸平いままであまり描かれることのなかったガイズ・オーシャンのキザで「軽い・・」(「やっぱり軽い」)男・イサナとガンコな人情家アライソのふたりを中心にした話である。太田愛の脚本はイサナとガイズジャパンによるアリゲラ退治の協力作戦というストレートな話にアライソの武骨だが部下への優しさあふれる言葉(「自分の力で悔いのないものを見つけてていかなけりゃいけねえ・・人生は長くはねえんだ・・」)やイサナのクレバーさと愛すべき人間性が伝わる描写に重点を置いている。故に今回はそこを軸にアリゲラを如何にに倒すのかを単純に楽しめばよい。ガイズの面々は今回は脇役に過ぎないのである。イサナ役の村上幸平は「誰にも愛されない仮面ライダー」こと仮面ライダーカイザ・草加(それゆえに草加は愛されている部分もあるのだが)を演じたことで知られるが今回のイサナは草加と真逆の好漢を演じていて実に清清しい。最後の描写も後味がよく今回はイサナの良さだけで見せたエピソードだったといえるだろう。是非再登場を期待したい。アリゲラ高速の空中飛行でメビウスを追い詰めたアリゲラ。そのスピード感を上手く見せた特殊効果がいいが飛んでいる姿はデストロイアに酷似している。またその最期は見事な大切断なのだがメビウスが斬るのが予めわかるのと第二期シリーズのようなそこだけで面白いという切り裂き描写の爽快さに欠けるのが惜しい。次回予告私はウルトラの父とかよりも美保純が好きなので次回は楽しみだったり・・・。
2007.01.06
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明けましておめでとうございます。今年も宜しくおねがいします。今回は小林信彦の新刊「映画が目にしみる」について書いてみたいと思います。興味のある方はいらっしゃるかどうか判りませんがお付き合い下さい。「小林信彦のコラム」は作家小林信彦氏の映画中心のコラム。キネマ旬報に77年から連載されたコラムで途中中断をはさみつつ今では中日新聞に連載されているコラムである。非常にややこしい流れのあるコラムでまずは集英社から連載分が「地獄の観光船」として発売された。これが81年。「地獄の読書録」及び「地獄の映画館」と合わせて地獄の三部作と呼ばれハードカバーから文庫が集英社から発売された。以後の流れをまとめてみると※集英社から地獄の三部作発売、1980-82年のちに集英社文庫 地獄の読書録(映画のコラムではない) 1a地獄の映画館(60年代の映画に関する文章集。+最新の映画文) 2地獄の観光船(キネ旬の「小林信彦のコラム」の単行本化) ↓※ちくまへ移動1989年~ 地獄の読書録(ちくま文庫、一部内容変更) 1bコラムは歌う(ちくま文庫、地獄の映画館の異本、大幅に内容変更) 2コラムは踊る(ちくま文庫、「地獄の観光船」改題) 3コラムは笑う(ここ迄がキネ旬のコラム、ハードカバー→ちくま文庫) 4コラムにご用心(ここから中日新聞掲載分ハードカバー→ちくま文庫) ↓※新潮社へ移動1996年~、いずれもハードカバーのち文庫化 5コラムの冒険 6コラムは誘う 7コラムの逆襲 ↓※文春へ移動2006年~ 8映画が目にしみる ソフトカバー、ビデオとほぼ同じサイズちくま、新潮を通して和田誠氏のイラストが表紙のハードカバーで文庫もそれを踏襲したものでしたが今回、ビデオサイズの細長いカタチになり三段組、写真、DVD紹介付きという今までとイメージを一新。3段構成はちと読みづらいかなと思ったものの読むうちに慣れてきた。 読み始めるとやはりやめられないのは昔と変わらない。 イーストウッドとニコール・キッドマン、成瀬巳喜男関連が多く 笠原和夫と黒澤がそれに続く・・ですが長澤まさみ以下若手女優への言及が多いのもやはり小林さんならでわではないかと思う。 そしてなによりも紹介されている映画や本を観たく読みたくさせるのがこのシリーズの一番の魅力だろう。 「本音を申せば」でも紹介していた「ゆれる」が早くみたい。
2007.01.01
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