そして今回、二回目の新編集版が3つめの版元となるキネマ旬報社から「新編われわれはなぜ映画館にいるのか」が3月に発売される。キネマ旬報社のHPから以下に目次を掲載する。
やはり「架空シネマテーク」、「ニューヨークで起こっていること」改め「ニューヨークで起こったこと1974夏」を中心に「お熱い批評をあなたに」(前回は「熱い批評」だったがホントにこう変更?)が章立てされている。 「『ケーブル・ホーグのバラード』 ――または 『砂漠の流れ者』」が 「『砂漠の流れ者』――または『ケーブル・ホーグのバラード』」 と逆になっているのも芸が細かい。
●今ひとたびの「仁義なき戦い」 対談:芝山幹郎×小林信彦
やはり「今ひとたびの『仁義なき戦い」』 対談:芝山幹郎×小林信彦」が最大のセールスポイントだろう。
しかし本書には「イーストウッドと娘たち――『ミリオンダラー・ベイビー』」と「双葉十三郎さんに学ぶべきこと」のキネマ旬報に掲載された未単行本化の文章(ですよね?)も 加えられているのでそちらも楽しみだ。
HPに掲載されたものが全てとすると「映画を夢みて」 から第一章「喜劇の花束」が全てはずれ「極私的クロニクル」が加わっている。これは最初の版から「十七歳の映画ノート 1948~49」を復活させ「映画少年のころ」(2000年)、「マンハッタンに赤潮がきた夜 マルクス兄弟の方へ」(「東京のロビンソンクルーソー」所収)を加えたもの。ちなみにこの三編は「ぼくが選んだ映画・邦画ベスト200」の第二章「極私的クロニクル」の冒頭の3つである。
その他 「北北西に進路を取れ」の再上映について」、「 映画におけるテリイ・サザーン」、「 『生きる』の再上映を観て」、「『姿三四郎』失われた完全版を求めて」がはずれ「東京の暴れん坊」と「サイコ」が最初の版から復活している。また「荒野の決闘」、「日本無責任時代」がそれぞれ「東京のロビンソンクルーソー」、「テレビの黄金時代」〈他にも収録されていたような気が)から 復活。
以上書き連ねてきたが実は一番驚いたのは「架空シネマテーク」で「鈴木清順論のためのノート」と「和製B級映画はどう作られるか」が割愛された事だ。鈴木清順についてはある時期から小林信彦が否定的な文章を書いている点から納得(それでも残念である)なのだが後者はなぜ割愛されたのだろうか?「進めジャガーズ!敵前上陸」はCSやDVDで鑑賞される機会があるだけに勿体ない気がする。
いずれにせよ名著の復刊は本当に嬉しい。読んでない方も 「今ひとたびの『仁義なき戦い」
のために買おうかどうしようか、と言う方も是非買ってほしい。次の復刊が続いたり「小林信彦コラム大全集」が出れば、とただ願うばかり。
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