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「善治郎。女衒の善治郎。この恨み、晴らすゾォォォー。タツとヤヨイの恨み、晴らすゾォォォ・・・」がしゃがしゃと足踏みしながら女たちが呪わしき声を発する。蒼白い鬼火のような松明を手にしたおなごばかりの幽霊武者の軍団が善治郎の家を取り囲んだ。「取り殺される・・・もう、だめだ」善治郎は恐ろしさのあまり、小便をちびって腰を抜かしてしまう。「ゆるしてくれえええ!」「!善治郎ッ」裸足で土間に飛び出した善治郎が、景虎たちの制止も聞かず家の外へと飛び出した。「死なせたタツとヤヨイには本当に悪いことをした。あれは間違いだったと悔いておる。命ばかりはお助けを!命ばかりは・・・ギャアアア!」命乞いをする善治郎めがけて鬼火たちが飛びかかり、その身体がボウッと火柱をあげて燃え上がった。おなごを粗末に扱った男達に天罰をくだす女怨霊大将・琵琶島姫。琵琶島姫の正体が怨霊となった妻・春姫だと考えた景虎はその正体を探ることになって・・・。 「真皓き残響 炎の蜃気楼(ミラージュ)邂逅編」シリーズは、養父・上杉謙信公の命を受けた主人公の上杉三郎景虎が仲間の夜叉衆たちを率いて怨霊退治の旅に出ることになるというストーリーです。景虎は上杉景勝との後継争いに敗れた結果、御館の乱で死んでしまいました。無念の思いで死んだ景虎は怨霊大将となって越後の国を荒らしまわることになるのですが、天上の上杉謙信に呼び出され「名代として怨霊たちを調伏してほしい」と命じられます。そして、佐渡の流刑者に換生(換生とは持ち主の肉体を完全に乗っ取ってしまうことです。一時的に体に乗り移り操る憑依とは違います)し、この世に甦った景虎は戦乱の世で荒れ狂う怨霊たちを謙信公から与えられた毘沙門天の力で鎮めることになっていきます。換生という罪深い行為、かつての仇敵・直江信綱や価値観が全く異なる安田長秀を仲間にするなど戸惑うことばかりですが景虎は越後と謙信公のため頑張ります。 現代を舞台とした「炎の蜃気楼(ミラージュ)」シリーズ本編とは違い、この「真皓き残響 邂逅編」シリーズは戦国時代の越後を舞台としています。戦国時代当時の景虎が置かれていた状況や上杉謙信のエピソードなど本編とはちょっと異なる戦国時代の雰囲気が描かれていて興味深かったです。景虎の妻だったという人の話や複雑な上杉家の人間関係をめぐる因縁など景虎のことが色々分かってとても面白かったです。それにしても今回は怨霊になった姫君たちが男達に復讐をするという展開なのですが、姫君たちに振り回される晴家の姿にビックリしました。私にとっては柿崎晴家=門脇綾子というイメージが強いみたいです。それから怨霊になってもオシャレに気を遣う姫君たちは意外と親しみやすい感じでした。 ジャンルは戦国退魔アクション・ファンタジー。戦国時代の歴史やアクションが好きな人にお薦めです。<終>真皓き残響 炎の蜃気楼邂逅編シリーズ炎の蜃気楼(ミラージュ)シリーズ1巻 本編は40巻ほど出ています「真皓き残響」シリーズは、「炎の蜃気楼(ミラージュ)」シリーズの外伝的プレストーリーです。本編の400年ほど前のストーリーなので本編を読んだことがある方も読んだことがない方もそれぞれ楽しめます。
2008年04月28日
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まだ10歳にも満たない子どもたちが起こした事件。当時、交流のあった剣家と恋塚家の両家は毎月の初め、帝都郊外の自然公園に家族ぐるみで遊びにいくのが恒例となっていた。父母らは公園内の池で釣りなどを楽しみ、子どもたちは好き放題に遊具や丘で遊び、日が暮れたらみんなでバーベキューなどをするという牧歌的な休日を楽しく過ごしていたらしい。シロオとミミクロ、子どもたちは非常に仲が良く互いに「シロちゃん」「クロちゃん」と呼び合うまるで姉弟のような二人だったという。そんな二人が悲惨な毒殺未遂事件を発生させた。なぜ「シロちゃん」は「クロちゃん」を毒殺しようとしたのだろうか?動機は判然としない。記録も残っていない。結局、「クロちゃん」は毒を塗りたくられた肉を食べ病院に担ぎこまれたが死ななかった。しかし、それ以降「シロちゃん」こと剣シロオにとって「クロちゃん」恋塚ミミクロは死んで存在しないことになり、「私は魔女よ!魔女になっちゃった!私は友達を生贄にして悪魔と契約した魔女なのよ!」自分のことを「魔女」と名乗るようになりました。その後、二人は高校生になって・・・。 「魔女の生徒会長」シリーズは、主人公の「魔女の生徒会長」剣シロオが無法地帯である帝都世紀末学園の秩序を正義と暴力と恐怖によって問答無用で守り続けることになるというストーリーです。帝都世紀末学園は、変わった人間ばかりを集め、広大な敷地の周囲を刑務所のような塀で囲い、変態どもが外へ出て悪さしないように管理している変な学校です。4つある校舎はそれぞれA校舎は「天国」、B校舎は「無法地帯」、C校舎は「魔界」、D校舎は「汚染区域」と呼ばれています。校舎と言っても小規模な学校くらいの設備と敷地を持っていてそれぞれ別の学校という雰囲気です。そして、学園中の生徒たちから「この学園では何をするのも自由だ。ただし生徒会長には逆らうな!」と恐れられる「魔女の生徒会長」シロオは、真面目に頑固に真っ直ぐに徹底的に凶悪な正義として学園の悪を日々叩き潰す生活を送っているのです。食事もお風呂もトイレも寝るのも学校の校舎内で生活するほど学園を愛するシロオは皆から恐れられながらも個性豊かな生徒会メンバーたちと協力して過激に学園を守ることになっていきます。 隻眼隻腕の少女・陽月オセロを憎み斬り殺そうとする女生徒・夜殻ニケ。オセロを守る虚無僧姿の男子生徒・炎ケルビム。シロオは「喧嘩両成敗」として当事者たちをぶっ飛ばしてケンカ?いじめ?を治めようとしますが、被害者であるはずのオセロが「なんで邪魔するの?苛めて苛めて」と主張するので困ってしまいます。事件を解決できずに泥沼のように落ち込むシロオ。一方、シロオから存在を認識されないミミクロはそんな痛ましいシロオを気遣い事件解決のため謎の少女・オセロについて探ることになります。魔女といってもシロオは魔法を使えるわけではありません。誰よりも正しく強く美しく、どんな悩みも楽に解決、魔法を使えずとも人間としての物理的な力や精神力で強引にでも問題を解決してしまうシロオの「純粋さ」「真っ直ぐさ」がとても痛快で大変面白かったです。また、シロオに存在を気づいてもらえなくてもシロオの笑顔のため頑張るミミクロの活躍もちょっと切ない感じで良かったと思います。 ジャンルは、勧善懲悪学園アクション。学園ストーリーやアクションが好きな人にお薦めです。<終>魔女の生徒会長シリーズ
2008年04月21日
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「死の神霊」。その不思議な球体を前にメビウス・フロンダイトは仮面の奥で眼を細めていた。鍾乳洞の奥深くぼんやりとした灯りの中に浮かぶ「神霊」は、つるりと光沢のある表面を鎖で縛られこの広い空間に浮いている。人の技術では操ることさえ覚束ないその存在は「神霊」の呼び名の通り、まさに神にも等しい存在なのかもしれない。もっとももしこれが本当にこの世界の神だとすれば神は人に対して恐ろしく無関心だということになる。結局のところどんな力を秘めていようと、これは所詮ただの道具なのだ。メビウスにとっては新しい世界への道筋をつける道具であり、シズヤたちにとっては生存に必要な薬の製造機であり、ラトロアの支配者たちにとっては神殿勢力に対する武器になっている。そして、現在の機能の逆転し新たな世界へ行くことは、この世界そのものの破滅を意味する。この「神霊」の存在が人々を振り回し混乱させていて・・・。 「空ノ鐘の響く惑星(ほし)で」シリーズは、アルセイフ王国の第四王子で主人公のフェリオが異世界からの来訪者たちのひき起こした出来事によってアルセイフを中心とした陰謀や戦乱に巻き込まれていくことになるというストーリーです。第四王子であるフェリオは王位継承と関わることなく神殿で暮らし、剣の修行を続けていました。ところが異世界からやって来た少女リセリナ、その後リセリナを追ってきた来訪者たちによって平穏だったアルセイフの平和が破られることになるのです。相次ぐ暗殺、隣国の侵略。フェリオはアルセイフの混乱を治めるため暗殺者や侵略者、売国奴たちを相手に戦うことになっていきます。異世界の技術で圧倒的な力を見せるリセリナ、神姫の妹としての政治力でフェリオを助けるウルク、など仲間たちの助力によりアルセイフを守るフェリオでしたが、遠国ラトロアで異変が起こりフェリオたちは事態を打開するためラトロアへ向かうことになります。 シリーズ完結編です。フェリオ、リセリナ、ウルク、たち3人の恋の行方。自らが生き延びるのと引き替えに世界を滅ぼすことさえ厭わないメビウス。「世界の平和を願う」アルセイフ側、「政治的な駆け引きを重要視する」ラトロア側、「元の世界に帰るか、こちらの世界でずっと暮らすのか揺れる」来訪者たちがそれぞれが抱える複雑な想い。様々な「想い」や「願い」が交錯する中、惑星の命運をかけた壮絶な最終決戦が始まることになっていきます。「世界の終わり」をめぐる戦いという極限の状況の中でフェリオたちは、それぞれ「自分とって大切なものは何か?」という答えを見つけることになります。恋人同士の愛、家族愛、友情、政治的駆け引き、生存本能、互いにとっての「大切な」想いをぶつけた激しい戦いが大変面白かったです。また、このシリーズは結構登場人物の数が多いのですが完結編ということもあってそれぞれの見せ場があり良かったです。特に異様な姿、芝居がかった台詞で不思議な魅力のあるかぼちゃ頭の戦士パンプキンの紳士的で仲間思いの活躍はとても感動的でした。 ジャンルは、異世界戦記ファンタジー。戦記ものやファンタジーが好きな人にお薦めです。<終>空ノ鐘の響く惑星(ほし)でシリーズ外伝もあります
2008年04月14日
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骨の軋む、微かな音で目が覚めた。夜半、目を覚ますと四肢の感覚を失っていた。透明な蛹に倣う。意識が手の平サイズの小人になって脳の中に密閉されている。どれほど手足を動かしたところで眠る躯は動かせない。唯一、左腕だけが閉じた意識と繋がっていた。脈打つ血潮を情報として感じ取る。一部分でしかないモノが全体にとって代わっていく錯覚。左腕しか動かせない以上、石杖所在という存在は左腕に凝縮される。「ーー、ぁ」その左腕が痛かった。ゴリゴリという音が聞こえる。全身が削られていく悪寒。全身が咀嚼されていく快感。自分が淡々と食われていく実感。左腕が消え去り、ようやく自由を取り戻す。暗闇でまだハラハラと啜り音がする。毛布を剥ぐ。ベッドの上には一面の赤。鼻から下を真っ赤に染めた少女が砕けたアゴで微笑んでいた。「ーだって、お兄ちゃん苦しいでしょう?」。少女は何かよくないモノに憑かれている。それは骨の軋む幽かな夜。花開くような美しい命の音。「悪魔憑き」という流行病は・・・。 「DDD」シリーズは、妹に左腕を食べられ記憶障害に陥った主人公の石杖所在(しょざいと書いてアリカと呼びます)が異様な義手を身につけ悪魔祓いを行うことになるというストーリーです。この物語で言う「悪魔憑き」とは、アゴニスト異常症と呼ばれる流行病の患者ことで鬱、対人恐怖症のような一種の精神障害者と同じく精神を病んだ者を指します。自分の感情をコントロールできなくなった者が発症し、文字通り悪魔にとり憑かれたとしか思えない異常な行いをするのです。そして、その患者は人格の変貌や自己の喪失などといった症状のみならず、妄想が限界を超えてしまった場合にはその肉体までも妄想どおりに変化することになります。皮膚から分泌した体液で弾丸すら溶かす者、高いビルを軽々と飛び越える人外の身体能力を持った殺人鬼など。精神・肉体ともに異常な変化を遂げた「悪魔憑き」は社会の脅威として人々を脅かします。そんな中、「悪魔憑き」を取り締まる美貌で非情なエリート女刑事・戸馬的(とうま まと)に目をつけられたアリカは「妹を無罪放免にするぞ」と脅されて「悪魔憑き」を祓う手伝いをすることになるのです。 左腕がないだけでなく「昼間に起こった出来事は日が沈むと忘れる」という奇妙な記憶障害のアリカ。病気による「悪魔憑き」などというニセモノではなく本物の悪魔のような雰囲気を纏う両手両足の無い美少年・迦遼海江。銃、火炎放射器、ロケットランチャーまでぶっ放す傍若無人すぎる刑事・戸馬的。いつでもどこでもどんな状況でもハイテンションな少女・貫井未早。そして、精神も肉体も異常な「悪魔憑き」たち。ちょっとありえない登場人物たちが物語を進めていきます。特にすぐ記憶喪失になる主人公は「主人公の記憶が頻繁に無くなったらストーリーが進まないのでは?」と思ってしまいます。しかもありえない登場人物以上にストーリー展開も容易には想像できない奇想天外さでした。しかし、「ありえないから違和感がある」というものではなく登場人物もストーリーも驚かされた後はなるほどと納得できるもので良かったと思います。ありえないことが「これでもか」と次々と連続して起こる驚き・楽しさが大変面白かったです。 ジャンルは非日常・驚愕ファンタジー。ビックリするようなストーリーが好きな人にお薦めです。<終>DDDシリーズ
2008年04月07日
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