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前の日記で帰国子女のジュンさんに、日本で日本語をがんばりますというコメントを頂きました。子供がバイリンガルに育つ場合、二つの言語をどこまで伸ばせるか、どのように伸ばしていくのかという問題について、台湾でのことを書いてみたいと思います。よくバイリンガルというと、話す能力、特にコミュニケーション能力が強調されますが、言語の総合能力は、読む、聞く、話す、書くという要素から成り立っています。また、学習言語、学習に使う、つまり読み書きにもかなり重点を置くものと、生活言語、読み書きはある程度ふくまれていけれども(例えば、駅名、標識、メニュー等)、日常のコミュニケーションが主というように、分類することもできます。私の友人に、お母さんがアメリカ人、お父さんが台湾人というカップルがいます。二人のお子さんは台湾生まれです。お父さんとは中国語(お父さんは英語が堪能)、お母さんとは英語で話すバイリンガルですが、どのように育ってきたか、書いてみます。二人とも、現地の幼稚園に入るまでは、お母さんと過ごす時間が長く、英語がメインでした。幼稚園に入った時は、あまり中国語が理解できない状態でした。もちろん、すぐに中国語を覚え、幼稚園では中国語、家では英語となりました。また、アルファベット、英語のフォニックスは家で勉強しました。日本でも、ひらがなは、小学校入学前にある程度読めるようにする子供が多いですが、アメリカでも、キンダー(5歳児)から読み書きをします。その後、現地の学校(中国語)に進みます。家では、お母さんが、英語の読み書きを教え、読み書きもグレードレベルのものをやっていました。つまり、主たる学習言語は中国語であっても、英語も学習言語として使われていたことになります。生活言語も、主たるものは中国語ですが、お母さんとの会話、英語を話す大人や子供との交わりもあり、生活言語として、英語も使われていたことになります。このように、両方を並行してバランスよくできるのが理想ですが、親も子供も時間と労力が必要です。例えば、お母さんは、小学校の先生なので、英語を教えることには、問題ありません。むしろ、現地校の宿題をどうするかという問題の方が、大きかったわけです。台湾の小学校は、低学年では半日です。そのかわり、たくさんの宿題がでます。お母さんは中国語を簡単に手助けできませんから、宿題にも時間がかかりますし、子供も大変です。(辞書を引く能力が、育ったとお母さんは言っていました。)しかし、中国語の宿題が終わってから、英語の勉強となると、もちろん、時間的な制約を受けます。二人とも、5年生でアメリカンスクールに転校しました。台湾のアメリカンスクールは中国語の授業もありますが、学校により多少の差はありますが、一日30分程度で、グレードレベルより低いものです。この学校では、1年で半年分の教科書を終えるスケジュールなので、小学校6年生を終えた時点では、3年生の教科書を終えることになります。進度も、台湾のアメリカンスクールのなかでも違いがあり、同じグレードレベルをやる学校もありますが、12年生(日本の高校3年生)卒業時に、小学校6年生以上のグレードレヴェルは学校では終えられません。中学校以上のカリキュラムを持っている学校はないと思います。このお子さんたちは、主たる学習言語を、中国語から英語に移行したことになりますが、5年生で主たる学習言語をスムースに移行させる場合、どれだけの下地がいるか、それは相当な時間を、第二学習言語にも費やしてきているのです。このまま、アメリカンカリキュラムで高校を終え、アメリカの大学に進むという展望です。中国語は、必然的に第一言語から第二言語へと移行することになります。学習言語としての中国語をこれからどこまで伸ばせるかはまだ未知数ですが、小学校4年生の過程を終えているので、少なくとも4年生の読み書きはでき、また、生活言語としての中国語は、台湾に住んでいるわけですから保たれ、さらに進歩もすると思われます。印象として、相当努力し、子供に語学の能力があったとして、どちらかの学習言語は、小学校5、6年生が限界のようです。しかも、ここまでできる例は、どちらかというと少数派なのではないかと思われます。
2012.09.19
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リンリン、メイメイは帰国子女です。台湾で、日本人学校に通っていなかったので、日本語にはかなり難ありです。それでも、日本に帰って来て、随分日本語を話すようになりました。インターナショナルスクールでも、日本語、英語のバイリンガルの子も多く、休み時間には日本語も聞こえてくるそうです。私には、ほとんど英語を使っていた、メイメイでさえ、半分以上日本語で、話すようになりました。さて、家から近い教会が、外国人共同体で、英語のミサがあり、もうすぐ教会学校も始まるのですが、それも英語です。家から近いこともあって、迷わず決めたのですが、日本人ばかりの、日本語のミサや教会学校の方が、日本語のためには、良いのではと言われて、考えてしまいました。日本語の上達という点だけを考えれば、そうするのがベストには違いありません。しかし、リンリン、メイメイも聖書は英語で読んでいます。前の学校は、毎日バイブルの授業があり、聖句も英語で覚えています。お祈りも英語です。日本語の教会学校に二の足を踏むのは、台湾での苦い経験もあります。リンリンとメイメイは初め中国語の日曜学校に通っていました。カトリックの英語の日曜学校がなかったからなのですが、それだけでなく、私は、できるだけ続けて欲しいと思っていました。とてもしっかりした日曜学校でしたし、中国語の勉強にもなると考えたからです。でも、リンリンが小学校1年生の時、やはり、中国語のハンディが問題となりました。聖書のお話があまり理解できないのです。私が、教室の中に入って、手伝ってみたりもしましたが、私も、わからなかったり・・・・。結局、続けられませんでした。二人の日本語は、発音はともかく、文法的に間違いが多く、語彙も少ないです。それは仕方ないとしても、目上の人に使う言葉が、所謂タメ口なのは、とても気になります。何度も、特にリンリンには注意しています。「うん」ではなく、「はい」、「わかった」ではなく、「わかりました」。しかし、これも習慣なので、すぐにはできません。いろいろなハードルがありますが、少しづつ克服していくしかないと思います。まだ、帰国して1ヶ月そこそこです。
2012.09.07
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