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お昼に、テレビをつけておきながら何気なく本を読んでいる時に、ついにあのメロディは流れてきた。もうその存在は知っていたが、耳に入った時にはやはりハッとしてテレビに目を奪われた。「愛しあいされて生きるのさ」がCMに使われていて、その音色はとても懐かしかった。ぼくにいろんなことを思い出させてくれた。 「ふてくされてばかりの10代」この歌詞を初めて聴いた時に、ぼくはとても救われた気がした。当時ぼくは中学生から高校生になろうとしていた10代のど真ん中だったけど、本当に毎日ふてくされてばかりいたと思う。何気ないことで悩んだり、こんなんでいいのかとふがいない気持ちになったり、周りに対していらだっていた。この国には「規範」というべきか「モデル」というべきか、決まりきったライフスタイルがあって、テレビや雑誌は一生懸命「今こういうのがイケてますよ~」って宣伝する。そしてその基準から外れたものや、はみ出そうとするものに対しては存在を無視したりする。大人になるに連れて、それをだんだん許せるようになったり、目をつぶって生きようと諦観したり、またはこうして乗り越えてやろうといろいろ策を練ることができる。でも10代の頃はというと、そういう暗部を見つける視線だけはやたら鋭いくせに、方策なんて全く考えようともしない。社会性が備わってない分だけ、安易に腹が立ち、安易にふてくされる。そしてそれを受け止めるものは何もない。世間で10代はこの上なく楽しくて、明るい時代として理解されているようで、枠からはみ出すことは、尾崎豊の歌詞、またはマンガで言えば「ろくでなしブルース」のようなこととイコールして認識されていた。でも言わせてもらえば、盗んだバイクで走り出したり、校舎のガラスを壊して回ったり、暴走族やってケンカすることで癒される事のない青春期の痛みや苦しみだってある。「ライフ」という底抜けに明るいといわれるアルバムの中で、「愛し愛されて生きるのさ」というこれまたノーテンキなタイトルの曲中に「ふてくされてばかりの10代」というフレーズを見つけたとき、ぼくはうれしかった。そしてほっとした。振り返えってみれば、それほど不幸な中高時代だったわけじゃない。もちろんそんなに華やかでもなかったけど、良き友人と恋人に恵まれ、そこそこマジメに勉強し、たまにはめを外して遊んだりもして、客観的にはなかなか幸せな10代を過ごしたと思う。それぐらい青春期の怒りや痛みは本来「客観的」という言葉とは無縁の、理不尽なものでしかないのかもしれない。映画「ボーリング・フォー・コロンバイン」の中にもこんなセリフがあった。「高校生活なんて、くそったれそのものだ」そんな10代が過ぎ、改めて聞く「愛し愛しされて生きるのさ」は、とても優しい響きをしていた。「ふてくされてばかりの10代」には感じ取れなかった部分すら、生き生きと伝わってきていた。そういうことを通じて、人は自分が少し昔より大人になったことを知るのかもしれない。ぼくはCDトラックから「ライフ」を取り出し、最初から再生してみることにした。
September 29, 2004
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二週間、かなりハードに学部試験に取り組んだ。入学してから、初めて本格的に勉強したと思う。毎日骨のある論文問題をひねり出すのは、とても苦しく、身を削る作業だった。生まれてこの方、文章を書くことを苦痛だと思ったことはなかったけど、この二週間は本当につらかった。いいかげんじゃない、中身がある文章、つまりちゃんと論旨が一貫して、根拠があって(条文がちゃんと引けて、それに基づいた解釈ができる)、具体的事実に対して現実的な処方を出すような答案を書くことがいかに大変な事かが身にしみてわかった。分かったようになったつもりで、実は全然理解してないことがたくさんあった。やっぱり授業に出なきゃだめだと痛感した。とはいえ、間隙を縫っていろんなイベントにも出かけていった。その一つがGREE NIGHT 2.0である。要はネットビジネス関係者を中心とした集いだったけど、このイベント自体の楽しさは別として(はっきりいって退屈だった)、とても大きな刺激を受けた。一人一人話したわけではないし、ぼくはイベントそのものを傍観していた文系の学生でしかないわけだけど、それでもIT関連者のスピリッツは十分に感じとれた。何をも恐れないというか、自分たちこそが今の時代を担わんとする自負といったものが、ギラギラオーラとして漂っているのだ。それは間違いなく自信の一種だが、権威をかさとする傲慢ではなく、自分が主人公となり新たな権威を作ろうとする意欲だ。野心とみるか、大志と見るかは人それぞれだろうけど、普段どちらかというと伝統的かつ静態的な権威が息苦しく漂う空間で生活している身としては、一気に新鮮な空気をたくさん吸って、今まで見えなかった風景が目の前に広がった気分だった。もたもたのんびりと学生気分にひたってる場合じゃないぞという危機感を持たせてくれた。以上の体験を経た後に、改めてプロ野球のごたごたを見ると「そりゃあもめるわな」という気になる。オーナーや球団代表たちは、恐らく合理的な思考以前に、そもそもライブドアや楽天の社長を生理的に嫌悪しているのだ。先ほど書いたIT起業者たちの「主人公精神」は、裏返せば常に他者に対して「脇役」的ポジションを押し付けることに他ならないわけだから、自分たちの球団なんかどうなったって、お前らの言うことを聞いてたまるかという気持ちになっているのではないかと想像する。スト1日目の土曜、ぼくは午前サッカーの試合があったので神宮外苑に出かけ、その帰りに新宿駅で山手線から出てくるバレンタイン監督を見かけた。テレビで見たまんまのカッコイイおっさんでした。
September 19, 2004
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水曜日に学部試験のふたが切って落とされ、一日目は「神々の論争」こと、刑法。とてもシンプルかつ巧妙な問題が一問出題された。法学部の人はぜひ考えてみよう。Aは友人Bが海外行ってる間に預金通帳と登録印鑑を預けられたが、自身の借金を返すため、C銀行に行ってBの預金を50万引き出した。Aの罪責を論ぜよ。なめてかかってしまった・・・。ほとんど躊躇せずBに対する横領とCに対する詐欺の併合罪を肯定したが、実は(刑法的に)成立するのは銀行に対する詐欺罪のみ!預金の占有者はあくまで銀行で、預金通帳と印鑑が表すのはただ銀行から預金を返してもらえる債権のみなので、それを引き出したところでBに対しては利益横領となり不可罰というのが正解だそうだ(もちろん民法上AはBに対して不法行為責任を追及できるが)。こういう風に後から聞くと「な~んだ」っていう感じだけど、法学は1+1=2のごとき単純なものではないので、実は自説にもある程度の根拠はある。答案にも書いたが、実際通帳と印鑑がある以上は絶対銀行で引き出せるわけだから、これはもう物の占有と同視しうるんじゃないのかと。確かに民法上責任追及はできるが、Aが無資力だった時にはこのような背信的行為があったのにもかかわらずAB間の関係で不可罰が成立し、ただ銀行との関係で詐欺のみが成立するというのはどうだろう。さらにいえば仮にAがその通帳と印鑑を持って逃げれば今度は「通帳と印鑑そのもの」に対する占有侵害で間違いなく横領は成立するが、Bからしてみたら通帳と印鑑を失うより、明らかに預金そのものが失う方が痛いわけで、そう考えると処理が不均衡にも思える。さらに、横領が成立しない時の背任や、銀行で書類を作る時の虚偽私文書作成&行使・・・などと、単純な事例なのに、本当に深く考えさせる良問だった。できは決して良くなかったが、かえって試験を通じて刑法への興味は深まった。やっぱり授業出ておけばよかったらと痛感!!今日は会社法。こっちも相当しんどい戦いが予想される、ううう。
September 10, 2004
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テスト期間の真っ最中で、最近は珍しくとても忙しい。起きてる時間はとにかく法律書見て、判例チェックして、六法読んで・・・のサイクルだ。教養時代は適当なことを書いていれば単位は来たけど、専門に進んでからはそうもいかない。今年始めの学年末試験では全く何を書いて良いか分からず答案用紙を前にして凍りついた記憶がある。普段怠け者の身でこういうこと言うのはとてもおこがましいのだけど、いざ本に向かってみて実感するのは勉強する事の有益さだ。からっぽの自分がだんだんと中身が詰まっていく過程というべきか、全く知らなかったこと、勘違いしていたこと、理解が不足していたことが補填されていく中で、自分という人間が豊かになっていくことを確認するのがとても楽しい。ところで先日新聞を見ていたら、「近年若者の間ではニヒリズムが蔓延し物事のとりくみに対する無気力化が進んで・・・」と書いてあって、なにやらいろんなことを感じてしまった。ぼくは昔からニヒリストといわれるフリッパーズギターやウディアレンのファンなので、ある意味ニヒリズムに対する共感もあるし、世の中を斜めに構えた視線で眺めつつ肩をすくめて語りかけるような、そんなクールなキャラクターがかなり好きだ。でもはっきり言ってそんなカッコイイものは今の若者の中で蔓延していないと思う。むしろ無知であること、バカであることをみんなと共有して安心しちゃう一方で、ヴィトンのバッグ一式をとりあえずそろえてみて「外れていない」ことをアピールするような、とても「世間」的で、端的に退屈と言ってさしつかえない空気が流れている。そう思うのは、ぼくだけかな。試験中につき、とりあえず思いつくまま書いてみた。
September 7, 2004
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