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フランス国内のピレネー・オリエンタル地方でワインの専門家や愛好者から高い評価を受けた上質の有機赤ワインを造りながら、国外退去を通告された日本人夫妻の記事を詳細にまとめて書いた一人のフランス人記者、リュック・ルノワール氏。夫妻は各報道機関の記事や5万人を上回る署名運動のお蔭もあってか、現在は検討中で国外退去は保留とされている。ル・フィガロ紙の青年記者ルノワール氏の記事のお蔭でこの日本人夫妻が抱える問題をより詳細に知ることができた。短時間でよく調べたなあ、と思った。調査力、まとめ方、プロだから当然よ、と言われてしまえばそれまでだが。なんか特別思い入れもあったのか、と思うほどだった。しかし、それは彼の普段からの姿勢と信念から生まれたものだろうと思う。リュック・ルノワール氏は現在、ル・フィガロ紙の新聞記者で当新聞サイトに個人のブログコーナーもあり、本人の個人的な意見も載せている。彼個人の twitter には、日本人夫妻に関して「最悪なことは、この愛すべきカップルが味わった出来事を本人たちは恥と感じているのだ」と驚きの念をコメントしている。「国外退去」の通知を「恥」の概念で受け止めてしまう日本人のリアクションは恐らく多くのフランス人には不思議にうつるだろう。同様のことがあると、よく泣きわめく映像が報道される。それがいいとか悪いとかの話ではない。日本人としてこの気持ちは何となくわかる。無念さと入り混じった恥の概念。それは日本が戦争をしている国ではないことや日本から追放されたわけではないこと、日本人としての自尊心があるからではないか、と思う。日本が嫌いでフランスに抜け出したわけではなく、フランスワインに魅了されたから自由意志で夢をかなえにフランスにやってきたから。さて、フィガロ紙の記者の話に戻る。記者はフランス海軍の予備役将校 officier de réserve でもあるそうだ。「予備役将校」と言えば、アメリカ軍にあるが日本の自衛隊にはないそうだ。リュック・ルノワール氏はフランスのグランゼコールの一つである ESSEC を卒業後、2017年からル・フィガロ紙の記者である。その前は、パリ・ソルボンヌ大学で現代史の修士号取得、ボルドーのモンテスキュー大学で政治学の修士号取得、ボルドー政治学院で政治経済分野での修士号取得、TOEICは980のスコア、ドイツ語も理解する人らしい。日本語で「ルノワール」と書いたため、画家のルノワールの親戚かも、と一瞬思ったが、画家は Renoir で 新聞記者は Lenoir さん なので関係なかった。 リュック・ルノワール氏は最近では、第二次世界大戦中のフランス海軍に関する歴史本を出版している。この本の読者はやはり著者リュック・ルノワール氏の調査力と分析力を称えていた。ナチスの脅威と占領に抵抗し、シャルル・ド・ゴールは1940年6月18日、ロンドンからBBCを通じてフランス自由 France libre を提唱し、フランスは闘い続けるべきだ、と伝えた。これは当時のペタン将軍がナチスと協定を結び戦争を終結させる意図と衝突した。ルノワール氏は当時のフランス海軍の話はあまり知られておらず、その視点から歴史を調査した。Luc-Antoine LENOIR"Résister sur les mers" 電子図書としても出ている。日本語版はまだ存在していない。フランスの特に戦後史に興味のある人には呼んでみたい著書の一冊だろうと思う。Jonathan Siksou reçoit Luc-Antoine Lenoir sur Rcj ルノワール氏が自著について語る フランス語 ルノワール氏の著書とは関係ないが、ナチスの脅威に落ちつぶされそうになっていたフランスに大きく協力した話として米軍によるノルマンディ上陸作戦が有名で、1962年のアメリカ映画「史上最大の作戦」にもなっている。フランス語版の題名は le jour le plus long 。この偉大な映画は実話と違うシーンもある、と当時のフランスの軍人Maurice Chauvet氏(1918年6月12日ー2010年5月21日)が語っていたそうだ。映画製作にも助言者として立ち会ったが、監督は助言にも係わらず、作り話をあちこちに散りばめたそうで、一人の元フランス軍の助言者は頭にきたのか途中でその場を去ったそうである。パラシュートで降りてきたアメリカ軍がナチスに銃殺されるというぞっとするシーンは明らかに作り話だそうである。映画は衝撃的でないと話にならないと脚色されることは多いので鵜呑みは禁物であるけれど、よく宣伝効果のために利用される。「姥捨て山」の日本映画を観たフランス人に日本は年よりのばあさんを山に捨てるんだってね、と北フランスでも南仏でも聞かれたことがある。自分は少なくとも、そのような地域に生まれていないので、親からもそんな話は聞かされたことがないし、日本は今はどうかわからないが、年上の人間には敬意を示すものという風潮で自分は育ったから、と言うので精一杯。
2018.07.14
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在仏日本人夫妻しょうじさんの赤ワインを味わった人のある話である。在仏日本人夫妻しょうじさんのワインには Domaine Pedres Blanques (Rié et Hirofumi Shoji) という名前がついている。Pedres Blanques というのはカタルーニャ語で「白い石」という意味だそうだ。命名からしても、夫妻のその土地とその地で造るワインへの並々ならぬ愛情を感じる。ネットではワインは2800円前後の価格がついているようだが、当初はその半額くらいだったそうだ。あるネットのワイン販売サイトではすでに55ユーロ約7000円を超える価格がついていたがすでに売り切れと書いてある。確か、一万ボトルは完売していると新聞で読んだ。フランス語のネットでヨーロッパの7人の侍みたいに7人のメンバーが文化的交流を図ったLPVというサイトがあり、そのサイトに実際 Pedres Blanques を味わったフレデリック・L と言う人が書き込んでいる。恐らく2018年の4月末の話か5月に入ってからの話だろうから、しょうじ夫妻が国外退去通告を受けて間もない悪夢の時期かもしれない。フレデリック・L という人はトゥールーズのワインアドヴァイザー(もしくはセラーマン、フランス語でキャヴィスト caviste)から バニュルスュ‐メーに根をおろした日本人カップルの有機ワインの話を持ち込まれた。「もともと自分は有機ワインには興味があった。で、このキャヴィストが彼のサイトで Pedres Blanques をそれは高く評価していることからワインを注文したが、すでに売り切れだった。それである週末にしょうじ夫妻のワイン畑までそう遠くない場所に行く予定があったので、ついでにしょうじ夫妻のワインカーヴまで行った。が、誰もそこにはいなかった。しようがないな、と Pedres Blanques を探しまくり、やっと、オランダ出身者が営む店で見つけた。その人もそのワインには一口で恋に落ちるほどのただならぬ魅力があるから、待たずにお飲みなさいと言ったので、食卓でさっそく一本開けることにした。妻は有機ワインには懐疑的であまり熱っぽくないが、これには珍しくはまった。4月末の2日間で行われた有機ワインの試食会では Pedres Blanques は熱狂的な注目を集めたそうだ」Je suis bluffé! とこの人は書いている。「しょうじ夫妻の赤ワインには驚かされた。のど越しもよく、深みも甘味もあり、後味もよく、幸福感しかない。うそだと思うなら味わってみるしかない。店に戻って結局6本買った」と書いている。しょうじ夫妻の Pedres Blanques には何かすごいものがありそうですね。
2018.07.07
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昨日はフランスで上質で高評価を得た有機赤ワインを造る日本国籍のしょうじ ひろふみさんとりえさん夫妻にフランスから通達されたショックな通告について書いた。ブログの最後に最終的にどうにもならない場合はフランス大統領に恩赦をと書いたが、亡命者でもないし、フランスに子供がいるわけでもないし、これは究極の手段だから、やっぱり無理かな、とは思う。それで一応、ピレネー・オリエンタル県の日本人夫妻に言い渡された国外退去命令はフランス移民局からの通達であったのだろうか、という疑問が浮かんだ。移民局を通さずに当然そのような通達は不可能だと思うので、まあ、移民局なのだろう。フランスでは仮に日本国籍の人間がフランス国内で働きながら住むにはどんな滞在許可証がいるのだろうか。自分が知っていることはかなりおおまかに昨日のブログに書いたけれど、それは、しょうじ夫妻の立場には当てはまらない。それで、https://www.service-public.fr/particuliers/vosdroits/F16922というフランス政府公式サイトでちょっと調べてみたら、パスポートタレントというのがあった。これは何か高度な技術を持ち、フランスに投資したい、フランスで会社をつくりたい、とかもしくは芸術家である、小説家、舞踊家であるなど実績を伴って証明できる場合。最高で4年間有効、更新可能のパスポートが与えられる。パスポートタレントの中でも Création d'entreprise という項目がある。「起業家」のことだろう。在日フランス大使館が窓口となっているのだろうか。それとも直接、移民局に申請できるのか。これって、しょうじ夫妻にあてはまるんじゃないの?フランスでワイン製造業者として15万ユーロもの投資も済んでいる! après avoir investi 100.000 euros...とかaprès 150.000euros d'investissements...「自己資金を10万ユーロ投資済みとかあるいは銀行からの融資も含めて15万ユーロの投資後」、とフランス語版では読んだが、日本語版ではまだその金額が貯蓄としてある、と書いてあるものもあり、私自身はその辺は詳しくはわからないが、フランス語版の公式な請願書には15万ユーロの投資後とあるのでこちらが正しいのだろう。やっぱり、みんな、こりゃ何とかしないとと、大パニックで焦ってそうなっちゃうんだろう。私も数字間違えたり、日本語もすごかったりしてるし。ご本人のご夫妻は崖から突き落とされたような感じだったに違いない。悪夢よ、早く去れ。彼らを応援するすべての人に福あれ。この投資金額は大事なポイントだと思う。何故なら、法律では起業投資に最低3万ユーロを証明しなくてはいけない、Justificatif d'un investissement d'au moins 30 000 € dans le projet d'entrepriseとあるが、これは完璧にクリアしていることになる。Diplôme Universitaire de Technicien en Oenologie おそらく大学での葡萄酒学のディプロムのほかに農場責任者の技術者資格もお持ちだし、すでに有名なレストランに認められたという実績も出しておられる。一万ボトルは完売もしている。この実績をできるだけ沢山リストにしておくべきである。お客リストも大事である。何故かというと、このタレントパスポートを取得するには条件として、最低向こう一年間の滞在予定である場合、大学でマスターのディプロムを取得もしくは同様のレベルの5年間の職場経験がある場合、かつフランスにおける起業企画がある場合。難関は月収がフランスで定められている最低賃金に達していない場合。Justificatif de ressources supérieures ou égales au Smic pour un temps pleinFormulaire cerfa n° 13473*012000ユーロも稼いでなくてもよいことになる。だけど、もし、しょうじ夫妻が最低賃金額を稼いでいないとやや問題。客にだした請求書をすべてかき集めて月収いくらになっているか。政府に申請した収益はいくらだったのか。結婚証明書もいる。Étranger en France : carte de séjour pluriannuelle - passeport talentVérifié le 01 janvier 2018 - Direction de l'information légale et administrative (Premier ministre)Si vous êtes étranger (sauf citoyen d'un pays européen ou Algérien) et souhaitez travailler en France plus de 3 mois, vous pouvez bénéficier d'une carte de séjour pluriannuelle passeport talent. Cette carte vous est délivrée dans plusieurs situations, notamment si vous êtes hautement qualifié, souhaitez créer une entreprise ou investir en France, ou si vous êtes artiste. Elle est valable 4 ans maximum et renouvelable.vous avez un diplôme au moins équivalent au master ou 5 années d'expérience professionnelle de niveau comparable,Vous devez demander une carte si la durée de séjour envisagée est d'au moins 1 an. Si la durée de séjour est inférieure à 1 an, un visa de long séjour valant titre de séjour (VL-TS) mention passeport talent suffit.ConditionsVous pouvez obtenir une carte de séjour passeport talent - création d'entreprise - autorise à exercer une activité commerciale si :vous avez un diplôme au moins équivalent au master ou 5 années d'expérience professionnelle de niveau comparable,et justifiez d'un projet réel et sérieux de création d'entreprise (commerciale, artisanale ou industrielle) en France.DémarcheRépondez aux questions successives et les réponses s’afficheront automatiquementPièces à fournir :Votre visa de long séjourVotre passeport (pages relatives à l'état civil, aux dates de validité et aux cachets d'entrée)1 extrait d'acte de naissance avec filiation ou 1 copie intégrale d'acte de naissanceSi vous êtes marié : extrait d'acte de mariageSi vous avez des enfants : extraits d'acte de naissance de vos enfants avec filiationJustificatif de domicile datant de moins de 3 mois3 photosDiplôme au moins équivalent au masterJustificatif de ressources supérieures ou égales au Smic pour un temps pleinFormulaire cerfa n° 13473*01Pièces justificatives permettant d'évaluer le caractère réel et sérieux du projet économiqueJustificatif d'un investissement d'au moins 30 000 € dans le projet d'entrepriseだめかなあ、パスポートタレント。なんか、いけるような気がするんだが。あとは例えば、フランスに180日以上くらい滞在する人間がフランスで、たとえばフリーランスの翻訳家や画家として行動する場合もフランス政府に登録の義務があることになっているが、収入がないのに登録したことがあだになって社会税など税務局が間違えて請求書を送ってくることもあるから鵜呑みにしてはいけない。税務局からの通達には常に厳重なチェックが必要だ。フリーランスのデザイナーが泣く泣く収入以上の社会保険税を払ってしまった、とネットに書いていたのを読んだことがある。
2018.07.07
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在仏の日本人夫妻で有機ワイン栽培農家が強制送還を命じられた話を聞いて、それはないだろう!?と思った。一応、下記サイトの署名運動の力もあったのか、強制退去は延期され、しょうじ夫妻の状況を見直す方向に向かっているようです。が、まだ安心はできません。政府が特別待遇をすればほかから槍が飛ぶのは目に見えています。何とか既存の法律を尊重した形で夫妻の滞在が正式に求められることを祈っています。(追記フランス時間7月7日)下記のサイトは「在仏の日本人夫妻への強制退去を却下してください」というフランスでの署名運動サイトです。Non à l'expulsion des vignerons japonais de Banyuls !フランスのピレネー・オリエンタル地方の Banyuls-sur-Mer でワイン畑を所有する山形県出身の しょうじ ひろふみ さん 38歳と 大阪出身の りえ さん42歳ご夫妻。写真でみると、とても若々しいご夫婦。すでに三ツ星のレストランでも認められた有機赤ワインを出荷している。2016年にはスペインでも最高の赤ワインとして名前が出ているそうだ。パリのレストラン Le Verre Volé でも認められた。強制送還は2018年4月に出されたそうだ。Pour quelle raison ? どのような理由で?INDEPENDANT Un couple de vignerons japonais installé à Banyuls frappé par une obligation de quitter le territoire夫妻の収入が外国人滞在者がクリアすべき収入に満たない、というのが理由らしい。月収2000ユーロに満たないじゃないか、という理由らしい。日本円で2018年5月7日は2000ユーロは大体258000円くらい。確かにフランスには外国人に対してそのような法律はある。フランス国籍保持者と結婚していないなら、お金がフランスの一般市民より要るんですよ、という法律。フランス国外の人間がフランスの大学生として滞在する場合は貯金額は証明する必要はない。申請すれば、週20時間の労働もできるので、免税店や食堂や会社でバイトもできる。留学生の場合は働かずにちゃんと生活ができていけるかを証明する貯金額を聞かれるのではないかと思うが、その辺は私にはわからない。インデペンダント誌のジュリアン・マリオン氏の記事によると、カタランの地のスローフードの代表かつ有機ワイン造りを土着体質で貢献するサロンの責任者であるジャン・エリティエ氏 Monsieur Jean L'Héritier, président de slow food pay Catalan が しょうじ ひろふみさんとりえさんのワインは超高速で上質なワイン造りに成功しており、このような二人を国外追放とは何という損失だろうかという趣旨のことを語っている。「カタランの地のスローフードの代表かつ有機ワイン造りを土着体質で貢献するサロンの責任者」この元のフランス語が président de Slow Food Pays Catalan et responsable du Salon Indigènes consacré aux vins nature です。急いで訳したので激しい日本語になっていると我ながら思いつつ。特に「土着体質で」なんですが、indigène = qui est originaire du pays où il se trouve, où il habite なので「地元民」で十分だったのかもしれません。まあ「先住民族」の意味もあります。vin nature は vin biologique 有機ワインで農薬も化学肥料も使わずに造るワインのことです。「カタランの地」ですが、1659年のピレネー条約でスペイン王国からフランス王国に渡されたピレネー・オリエンタル地方を指すそうです。カタルーニャと思ったのですが、カタルーニャは即スペインだろうと思われてわけがわからなくなる恐れもある、と思い避けました。現代風に訳すと「ピレネー・オリエンタル地方のスローフード代表兼有機ワインに貢献する地域民のためのサロン責任者」うーん、たいして進歩してないか。「地域密着型の有機ワイン農業者サロン」かなあ。しょうじ夫妻と同様にショックを受けた地元のフランス人、あるいはインデペンダント誌で紹介された二人の強制送還の通告に衝撃を受けた各報道陣が一斉に話題にした。ジャンポール・サルトルが1973年にディレクターだった左翼系のリベラシオン紙、ル・フィガロ紙、ル・ポワン誌、レジスタン・レピュブユリカン誌など。リベラシオン紙は1973年に哲学者サルトルがディレクターをしていた新聞で人道的な記事を多く掲載している。フランス3オクシタニのテレビ局ではアラン・カステックス氏 Monsieur Alain Castex は夫妻の有機ワインの素晴らしさと夫妻が地元にもたらした称賛すべき功績を称えている。ル・ポワン誌では、日本人夫妻の現地の弁護士 Me Jean Codognès コド二エ氏の言葉を載せている。彼らが働く地域で助成金を得ても月収2000ユーロはおろか1000ユーロの収入も得ていないケースは多い。しかも日本人夫妻は外国籍なので助成金なしでやっている、と。ル・フィガロ紙では経済欄にリュック・ルノワール氏の記事で、夫妻のワインに寄せられた葡萄酒専門家たちから数々の賛辞を載せていることや、夫妻の弁護士コド二エ氏は強制退去を命じた県に対して夫妻の滞在を許可するよう要請し、来月9月初旬に南仏モンペリエの行政裁判所で検討される予定になっていること、まさに化学肥料を全く使わない手作りの上質のワインへの評価も専門家の間で高いこと、夫妻はすでに2020年まで有効な滞在許可証を保持しているが、滞在許可証の身分を「給与所得者」から「農業従事者」に変更をした時点で国外退去を命じられてしまったことを載せている。ル・フィガロ紙の記者も、夫妻が助成金まったくなしでやっていることも強調している。弁護士は日本人夫妻が強制送還の通報を受けたことに動揺を隠せず、日本人特有の「名誉」感からか「恥」の念すら覚えているようだ、と語ったことも記者は書いている。このことが政治問題にも発展し、ルイ・アリオ氏も夫妻の立場を応援する姿勢をとったそうだ。政治的には右翼も中立派も左翼も関係なくピレネー・オリエンタル県の政治家も夫妻の立場を再検討してほしいと動いていた。Perpignon ペルピニャンは県庁所在地。ピレネー・オリエンタル上院議員(元老院議員) Sénateur des Pyrénées-Orintales の フランソワ・カルヴェ氏 François Calvet は 4月末の有機栽培ワイン市で実際にしょうじ夫妻の有機ワインをおいしく味わった際に夫妻にも出会い、二人が4月3日に受け取った退去通告に悩んでいることを知り、その通告が全く理解できない、と ピレネー・オリエンタル地方長官 préfét に対して、2018年 5月 3日にしょうじ夫妻が受け取った通告の再検討を求める手紙を出していました。ローマン・グラゥ氏 Député Romain Grau はフランス国民議会で選ばれた下院議員、ピレネー・オリエンタル地方でブドウの栽培農家の息子として生まれ、弁護士の資格を持つ政治家。グラゥ氏(グロー氏とも聞こえる)も、しょうじ夫妻の件に関して再検討を求め、電話でも確認したと述べている。 しょうじ夫妻の弁護に立った Jean Codognès ジャン・コドニエス氏は自ら、自分は常に左翼だったと主張するエコロジスト。コドにエス氏も元デピュテ(仏国民議会で選ばれる下院議員)だったこともある。コド二エス氏の話では日本大使館も夫妻の件を知り、動いてくれるのではないか、と期待しているようである。ルイ・アリオ氏はもともと弁護士でカトリック教徒、2018年まで極右翼系のマリーヌ・ペンで知られるあのフロント・ナショナルもしくは国民戦線党の党員である、とのことで驚いた。と、いうか、8年越しのマリーヌ・ペンの恋人である。籍は入れてないが生活をともにしているらしい。二人の間に子供はいないとのこと。2018年からは国民戦線党は名前を変えて国民連合党 ラソンブレ・ナショナルになっている。極右翼と言えば、移民排斥主義のようなイメージが定着している党である。ルイ・アリオ氏は2017年6月から欧州議会でピレネー・オリエンタル県などを代表する議員である。アリオ氏はおそらく良きフランス国民に恥じない模範的は農業従事者として頑張る夫妻がまるで犯罪でも犯したかのように国外追放になるとは、とショックを受けた趣旨のことを語っている。ワインはフランス国民にとってアイデンティティのような位置を占める、と私は思う。キリストの赤い血ともされる聖域の飲み物である。だから修道院でも昔から栽培されてきたのである。その聖なる飲み物を日本からやってきた若い夫婦が精魂込めてフランスの自然環境も配慮しながら造るのだ。最近のフランスは宗教的に多様化しており、無宗教的な傾向が強い。が、一方でクリスマスを祝うためのキリスト教的な飾り物を公共の場からはずす政府の決定をマリーヌ・ペン氏は嘆いておられたが、実は私も特にキリスト教徒ではないとしても、なんだか、それはフランスの伝統の一部だったんじゃないか、という気がしてちょっぴり賛同してしまった。しょうじ夫妻が身分の変更のために申請しなければ、誰かに密告でもされなければ、そのままいけたのだろうか。しかし自分たちのワインで起業した形になった時点で正直に申請したことがあだになった形で返ってきたような感じだ。夫妻は2011年に渡仏後、ブドウ栽培から赤ワイン造りまでをディジョン大学の学生として、ボルドーやブルゴーニュで修行を積み、oenologie 葡萄酒学及び農場責任者の技術者資格を取得したらしい。2017年に自分たちで10万ユーロ(約1300万円)の自己資金を投資し、5万ユーロを銀行から借り、土地を購入、自分たちの手で造る有機のワインづくりを始めて今日にいたった、と。始めたばかりのワイン造り。なのにすでに高い評価を受けたのである。まさにこれから、といった出だしである。フランス人にしてみると、フランス人でもその地域で有機のワイン造りをしている人にはそんな収入に満たない例も結構あるらしい、とル・パリジャン紙のクリスチャン・グトゥルベ氏も書いている。 この夫妻の魅力的な味を醸し出す有機の赤ワイン造りは、日本的な完璧主義者の要素が伝統的なフランスのワイン造りに生かされている。このような称賛すべきワインの製造者がフランスから追放されるようなことがあってはいけない、と語るフランスの人々。追放しないで、と署名運動もあったようだ。私もネット上でフィガロ紙の記事で紹介されていたので署名だけした。法律だけを取るなら不可能かもしれないが、署名者がある人数を超えると助けられることもあるのだ。かつて親を猟師に撃たれて失くしたイノシシの子供を大事に育てたフランス人夫妻が野生動物を飼ってはいけない法律があるので手放せ、という命令を受け、署名運動の力で特別に認められた例がある。何でもケースバイケースであるべきだが、行政は公正な対応をと一緒くたにしてしまうこともある。思うに、ポール・マッカトニーも日本入国を禁じられていたが、多くのファンの要請で運命を変え、日本でコンサートをよく開いてくれるようになった。ありがとう、ポール。確かにフランスの滞在許可証取得には規定がある。と冒頭でも書いた。フランス国籍者と結婚している。あるいは定期的に高額な給料を得ると証明できる場合。ほかには戦争などの理由で亡命を認められた場合。これは一般のフランス人にもあまり知られていない。昔、パリでイランからの亡命者の若い女性がクラスにいたことがある。彼女はフランスで懸命に勉強し、やがて母国に戻り、子供たちに教育を施したいと願っていた。彼女の住む地域は毎日のように爆弾に脅かされ、家族もまた危険な状態にある、と話していた。最初は冷静に話していたが、その内涙にくれた。たぶん、その頃か、中近東の11歳の少年が書いた言葉がフランスの新聞ル・モンド紙に掲載されていたことがあった。「僕の国は物心ついた時から戦争をしています。世界のどこかには戦争のない国があるそうですね。僕も早く戦争のない国になってほしいと願っています」またポルポト政権で家族親戚を抹殺され、命からがらでフランスに亡命を申請したカンボジア人の男性はパリのメトロで鞄の屋台を引いて売っていました。さて、それにしても、おいしいと定評のある日本人夫妻のワイン。15万ユーロあるいは約2千万円相当の投資をして一年後、どんなに上質のワインを出荷しても、元手を取るのはまだ先の話だという人間にいきなり国外退去を命じるのは酷だ。投資をした時は2020年まで有効な滞在許可証を持っていたわけだし、あくまでフランスの法律を尊重する姿勢はくみとってもらえるのではないか。それと大事なのが、お二人ともフランス語は日常語はもちろんフランスの資格を得るほど勉強はされている。これは滞在許可証申請時に移民局でわざと日常的な質疑応答でチェックされるが、夫妻はこの点も完璧にクリアされている。南仏にはイギリス人夫妻がやはりワインを始め、コティニャックにお洒落な店もだした。南仏の夏場は特に観光客も多いので、なんとかやっていけるのだろう。有機栽培で村おこしをした南仏コレンスにはかつてブラッド・ピットとアンジェリーナ・ジョリ元夫妻もロゼワインを高額な値段で完売していた。日本でも販売されていると思う。最近はどうなってしまったのかわからないが、どちらにしても、実際にワイン畑は昔からブドウ園農家が携わってきたので、ピットさんがいなくなっても何らかの形で続いているのではないだろうか。フランスで頑張ってきた日本人夫妻が法律的に晴れてフランスで農業従事者として滞在許可証がおりますように。仮にモンペリエ裁判所が滞在願いの要請を蹴った場合、フランス大統領に直接恩赦をお願いする方法が残っています。しょうじ夫妻の弁護士の方はご存知だと思います。la grâce présidentiellesi la juridiction saisie rejette la requête en relèvement d'interdiction du territoire, il vous reste la possibilité de saisir le Président de la République d'un recours en grâce.
2018.07.06
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いつかの「お前、自分ちだと思ってるだろ。フランス語」でもページの最後にユーチューブで見つけた風変りなスペインのコンクールをご紹介しましたが今回はフランスの「小鳥のさえずり物真似団体」による動画をご紹介します。Concours Imitation Chants d'Oiseaux à Signes (Var) Aout 2015南仏ヴァール県の小鳥のさえずりもの真似コンクール2015年中には強面のおじさん?もいたりして意外ですね。何故だ?フランスでは動物や鳥の鳴き声をまねるため、un appeau と呼ばれる道具を使うそうです。プロヴォンスでは chilet と呼ばれているそうです。 その道具を使って様々な小鳥たちの声をまねるのですね。昔は杏の種を包む殻の部分やカタツムリの殻を利用して小鳥のさえずりをまねしたそうです。このやり方は各人、昔はトップシークレットだったそうです。これを生業(なりわい)にしていた人もいたそうです。もともと、小鳥のさえずりや動物の鳴き声をまねるのは獲物をおびき寄せるための手段の一つだったそうです。愛らしい小鳥の愛らしいさえずりが猟目的だったとは、ちょっぴりショック...今は友好的な集いのためのコンクールに変わっていますが、南仏ヴァール県で1907年に初めて小鳥のさえずりコンクールが開催された理由も職さがしが目的だったそうです。強面?のおじさんが多いのは、猟のためだったりしたからなんですね。昔、おじいさんがその専門家だったので子孫が伝統を守っていることもあるそうです。ほんとうに男社会、女は土俵入りできないみたいな世界で意外でございました。そう言えば、インドネシアの竹製のおもちゃをプレゼントしていただいたのですが、これも小鳥の澄んださえずりを物まねできるものでした。インドネシアを訪れた人なら観光名所で売っている人を見かけることがあったかもしれません。
2018.07.01
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