老父のつぶやき

老父のつぶやき

PR

2006年04月10日
XML
カテゴリ: 視・紙・誌面から
食べ合わせ(食い合わせの方が言葉としては慣れている)のことをたまたま某サイトでみた。トマトとキウリはよくないとか、シラスの上に大根おろしもよくないとか。少し科学的に書いてあるのでなるほどと思う人も少なくないのだろうと思うが、どう考えてもおかしいものもある。
キウリにはアスコルビナーゼが含まれているのでトマトに含まれるアスコルビン酸(ビタミンC)を破壊する、ただし酢の物にしておいたら酵素は働かないのでそのほうがよい、と書いてあったらなるほどと思うかも知れない。でもキウリを食べたら胃の中は酢どころではない強酸だ。こんな中でアスコルビナーゼは働けない。従ってこの説はおかしい・・・と思う。

食に関して関心を持つのは良い事だと思うが、テレビなど見ているととんでもない事がまことしやかに言われていて、「そこまで言うか?」と思う。最も、テレビ局は視聴者に健康になってもらう事を願っているのではなく、視聴率が稼げればいいのだからセンセーショナルな表現ができて、うそでなければ良い、位の意識なのだろう。ミノさんにしろ、サカイさんにしろ、栄養化学の専門家ではない。

昨日の「よく噛んで食べましょう、さもないと膵臓がトラブルを起こして・・」という番組の中身はひどかった。よく噛んで食べないと酵素の固まりの膵臓が働きすぎてアミノ酸が足りなくなる、その結果膵炎を起こす・・・というのだ。

よく噛んで食べる事に異論はないが。唾液のアミラーゼというのがよく作用して・・・となるとこれは変。唾液アミラーゼ(プチアリン)は小学校の理科実験にも使われるほど有名だが、実はアミラーゼとしての活性は弱い。むしろ食べ物と唾液のムチンをよく混ぜあわせ、食堂をスムースに通す役目の方が重要だ。機械的な破砕も 口でしかできない。内臓は揉むぐらいが関の山。破砕できるのは歯だけだ。

膵臓の酵素は1200種類のアミノ酸からできている、と言っていたのは噴飯もの。アミノ酸の種類は20しかない。1200個からできているというならそうかな、と思うが。でも酵素蛋白、そんなに小さいかな?とは思う。

この番組で何を取り上げたかで、明くる日の売れ筋が分かると言うが、そんなものに一喜一憂するよりは何でもバランスよく美味しく食べる方が遙かに重要だろう。ヒトは雑食動物なのだ。
こういう話題を取り上げるたび、学生時代の栄養化学の講義を思い出す。授業の冒頭から「君たち、栄養化学ほどあてにならないものはない。こんなに恣意的に取り上げられてきた学問はない」で始まったのだ。脳にグルタミン酸が多いと言う事で「グルタミン酸を食べると頭がよくなる」となったそうだ。番組を見て食材に走る人たちは昔も今も変わらないと言うことだろうか。





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  2006年04月10日 22時48分59秒
コメント(0) | コメントを書く
[視・紙・誌面から] カテゴリの最新記事


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x

カレンダー

コメント新着

maki5417 @ Re:タブレット新調(06/26) New! 先日のジャズの野外コンサートでは、プレ…
maetos @ Re[1]:MRI診断(06/25) New! maki5417さんへ MRIは水素原子に強磁場を…
maki5417 @ Re:MRI診断(06/25) MRI 昔内臓脂肪を調べられたことがあ…
maetos @ Re[1]:沖縄慰霊の日(06/24) maki5417さんへ たしか中核派だったよう…
maki5417 @ Re:沖縄慰霊の日(06/24) 反日共系のグループ 地方大学では珍しい…

プロフィール

maetos

maetos

フリーページ


© Rakuten Group, Inc.
Create a Mobile Website
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: