全85件 (85件中 51-85件目)
ブリヂストン美術館で開催されている「コレクション展」に行ってきた。→ブリヂストン美術館公式サイトはっきり言ってすごい。並の特別展では足元にも及ばない質と量。ブリヂストン美術館に印象派のコレクションがたくさんあることは知っていたけれど、これほどすごいとは思っていなかった。スケールでは倉敷の大原美術館には及ばないけれど、著名作家の作品数と質という点では見劣りしない。ルノワールやマネなどの印象派を中心に、ルオーやマティス、ピカソ、安井、黒田など。古代エジプト・ギリシャの彫刻。さらにはポロックやザオ ウーキーなどの抽象絵画まで。これほどの展示がたった2ヶ月間、それもまったく宣伝されていないのはもったいない。たいして宣伝していないので、ゆっくり見られるのはメリットなのだけどね。ブリヂストン美術館で一番有名なのが「すわるジョルジェット・シャルパンティエ嬢」。印象的だったのはデュフィの「オーケストラ」。デュフィ作品はそこそこ見ているつもりだったけれど、今まで見たなかでこれがベスト。会期は1/27(日)までだけど、見ていないかたは必見。続いて、同じく東京駅にある大丸ミュージアム・東京へ。こちらでは水野美術館コレクションの名品より近代日本画 美の系譜∼横山大観から高山辰雄まで∼が開催中。ブリヂストン美術館とはすぐ近くだし、信頼しているアートブログのいづつやの文化記号で称賛されていたので行ってみた。詳しくは大丸ミュージアム・東京の公式サイトや先ほど紹介したブログを見ていただくとして、こちらも素晴らしい。水野美術館は、シメジやエリンギなどで有名なホクト産業の社長の個人コレクションを元にして、2002年に長野で開館した新しい美術館。今回は所蔵する400点から60点を選び出したもの。横山大観、菱田春草、下村観山、川合玉堂などの巨匠の作品を中心に展示。いずれも素晴らしいけれども、とくによかったのが観山と清方。観山の超絶細密描写に感銘し、また清方としては珍しい屏風絵の美人画は何とも色っぽい。また全体を通して感じたのは、とてもコンディションがよいこと。大観の屏風絵などは、金箔に濁りもなく、新作同様のコンディションの良さ。画家から直接購入したものが多いのかもしれない。それにしてもこれほどのコレクションが最近まで個人蔵だったのは日本の奥深さ。けっこうな名作が個人や企業内に眠っているんだよね。こちらも開催は1/28まで。どちらも素晴らしいので、時間がある方は是非両方行ってみて。気が向いたら投票お願いします→
2008.01.22
コメント(7)
会期も終わりも近づいたフィラデルフィア美術館展を見るために、上野の東京都美術館に行ってきた。・フィラデルフィア美術館展 オフィシャルサイト上野公園のイチョウが見事なくらい黄色く色づいている。詳しくは公式サイトを見ていただくとして、印象派の巨匠からミロやマグリッド、そしてアメリカ美術まで。アメリカ美術を除いて、いずれも有名作家の作品が連発。また単に有名画家の作品というだけでなく、その画家のなかでも優れた作品が多いように感じた。王道過ぎるような気もするけれど、おすすめ。帰り際、西洋美術館の前を通るとライトアップが美しい。クリスマスツリーとロダンの「地獄の門」実物はもっときれいなのだけど...。あまり寄りすぎると球に自分が映り込んでしまうこちらはわざとピントをぼかしてブールデル「弓をひくヘラクレス」気が向いたら投票お願いします→
2007.12.07
コメント(2)
東京国立博物館で開催されている大徳川展に行ってきた。・大徳川展(東京国立博物館) 2007年10月10日(水)~12月2日(日)開催一ヶ月半で来場者30万人オーバーで大盛況のよう。日中は込んでいそうだったので、土日の夜間延長を狙ってみた。開催概要は以下のとおり。「徳川将軍家、尾張・紀伊・水戸の徳川御三家をはじめ、久能山・日光・尾張・紀州・水戸などの東照宮に伝えられてきた門外不出の品々および美術、歴史資料として貴重な宝物300余点が、史上初、一堂に結集」家康が所有していた鎧や刀がとても良いコンディションで展示されている。これほど著名な人物が身につけていたものが目の前にあると思うと感慨深い。また第2室は、婚礼に使われた調度品の数々、着物など、美しい品々が並ぶ。なかなか良い美術展でした。本館のライトアップ国立西洋美術館のライトアップその後は、最近できたスペイン・バル「バニュルス上野駅店」へ。バニュルスは、オザミ系列のお店で、上野店は今年の9月にオープンしたばかり。店内は、バースペースとレストランスペースにわかれている。共通メニューもあるのだけれど、レストランには一部のタパスが無いのと、食事をしなければいけないという制限があるみたい。ちゃんと食べる場合にはどちらでも一緒。バルなので、ワインはコップトリップの煮込み料理はリーズナブルで、どれもおいしい。とくに豚のパテとトリップがおすすめ。またパエリアも1人前から出してくれる(2人前からしか受けない店が多い)。いろいろな料理をつまみながら、気軽にコップワインを飲める楽しい空間。たいていの人は5千円でおつりが来るはず。また使いたいお店でした。気が向いたら投票お願いします→
2007.11.24
コメント(8)
六本木の新国立美術館で開催されているアムステルダム国立美術館所蔵フェルメール「牛乳を注ぐ女」とオランダ風俗画展と、サントリー美術館で開催されているBIOMBO/屏風 日本の美に行ってきた。最初は新国立美術館のフェルメール「牛乳を注ぐ女」とオランダ風俗画展から。公式サイト→http://milkmaid.jp/すごく込んでいるかと思ったけれど、それほどではなくて一安心。入場待ち無し。もちろん想像より込んでいないというだけで、絶対的にはそこそこにぎやかです。前半のハイライトは、今回のタイトルにもなっているオランダ風俗画。いずれも風刺的なものが多く興味深い。ただし詳しい説明はオーディオガイドや図録でしかわからないので、オーディオガイドがお勧め。今回の中で傑出しているのはフェルメールの「牛乳を注ぐ女」。圧倒的な美しさと静謐さ。可能であれば、1つの部屋でじっくり向かい合いたい。そして思いがけなく良かったのが最後に展示されていたニコラース・ファン・デル・ヴァーイの「アムステルダムの孤児院の少女」。フェルメールの影響を受けながらも、新しい時代らしい美の規範があり見とれてしまった。続いて東京ミッドタウンのサントリー美術館へ。サントリー美術館では、屏風を主題にしたBIOMBO/屏風 日本の美公式サイト→http://www.suntory.co.jp/sma/exhibition/07vol03biombo/が開催されている。正直なところ、とくに興味はなかったのだけれど、絵画展については信頼しているブログいづつやの文化記号で賞賛されていたので、ついでということもあって行ってみた。実は初東京ミッドタウンランチを食べようと思ったらどこも満席&行列。あまりの込みっぷりにミッドタウンの外で食事。連休中ということもあるけれど、人の多さにビックリ。サントリー美術館に行ってさらにビックリ。いくら何でもフェルメールよりすいているだろうと思ったら、実際の入場人数は別として、見るということにおいてはこちらのほうが全然込んでいる。屏風は全部ガラスケースに入っているのだけれど、みんなケースが張り付いているのと、屏風が下に置かれているため異様に見づらい。それでもある程度身長のあるわたしは何とか大丈夫だったのだけれど、背の低い人は大変だったと思う。作品的には興味深いものがあった。詳細はいづつやの文化記号No1, No2で。込んでいなければ、お勧めの美術展です。気が向いたら投票お願いします→
2007.10.06
コメント(4)
六本木の新国立美術館で開催されている日展100年一目でわかる!日本の美術この100年に行ってきた。けっこう込んでいてビックリ。地味めな美術展だと思っていたので、すいていると思ったのだけれど、会期の最終週ということもあって込んでいる。もちろん人気西洋画家のそれのような、身動きが取れないほどではないのだけれど、ゆったりとした展示スペースを持つ新国立美術館にしてはけっこうな込みよう。で、テーマ通り、過去の入選作品が展示されている。以下は、この美術展の概要。一部の作品はここでも見られる。日展はわが国最大の公募美術展です。1907年、明治政府が美術を振興するために文展を開いて以後、帝展、新文展、そして戦後の日展へと移り変わり100年が経ちました。この展覧会では日展100年の歩みをたどり、約170点におよぶ絵画、彫刻、工芸、書の傑作を通して、近代美術の魅力をご堪能いただきます。絵画や彫刻、陶芸などバラエティに富んでいるけれど、個人的にはこの人混みが嫌になってしまい、後半は流して鑑賞。彫刻は有名作品がたくさん出ていた。個人的な評価としては星三つ(満点は星五つ)もっとすいていたら、少しは評価は変わったかも。気が向いたら投票お願いします→
2007.09.02
コメント(2)
ホテルオークラのアスコットホールで開催されている「第13回 秘蔵の名品 アートコレクション展」に行ってきた。このアートコレクション展は、チャリティーイベントであり、企業や個人が所有している19世紀∼20世紀の絵画が展示されていた。西洋画は、印象派を中心にエコールドパリあたりまで。日本人画家も半数を占めている。今年見た美術展の中ではトップクラス。若冲の「釈迦三尊像と動植綵絵」展とブレッソン展と並ぶトップ3の好印象だった。虎ノ門駅から行くと、別館にあるアスコットホールはえらく遠い。迷路のような館内をけっこう歩いて到着。それほど大規模なイベントではないし、朝一番で行ったのですいているのかと思ったら、けっこう込んでいた。みんなどこで聞きつけたのだろう。それとも定期的に開催しているイベントなので常連なのだろうか。まあ込んでいるとは言っても、大規模な美術展と比べれば全然すいている。とにかくバラエティに富んでいるのが飽きさせない。また企業や個人所有の作品のレベルの高さを実感。企業や個人所有の作品という点では、昨年見た、東京美術倶楽部主催の「大いなる遺産 美の伝統展」もよかった。開催期間は8月24日までだけど、時間のある方はぜひ。お勧めです。鑑賞後はホテル内のレストランでランチ。美術展の入場料は\1,200だけれど、今回はランチがセットになった\4,500のチケットを購入。高いとは思ったけれど、ホテルのレストランで食事する機会は少ないし、ゆったりとした雰囲気も悪くない。このチケットの場合、3カ所のレストランから選ぶことができる(土日は2カ所)。今回はテラスレストランへ。ミネストローネポークソテー、ミラネーズ冷たいケーキとイチゴのシャーベット。おいしい!上記のほかにミニサラダとドリンクがついていた。ホテルの食事と考えれば悪くないけれど、サラダバーがついたパスタランチが\3,150だったことを考えると(今回のチケットの場合、食事分は\3,300)、特別お得感は感じない。ほかにも選択できるレストランによって\6,000, \7,500のチケットがあった。\6,000のチケットでは、中華料理では評判の高い「桃花林」を選べるので、どうせならもう少し追加して、そちらにしたほうが良かったかも。気が向いたら投票お願いします→
2007.08.19
コメント(2)
松下電工 汐留ミュージアムで開催されている「ルオーとグロテスク展」に行ってきた。ルオーは、マティスと美術学校で同期でありながら、画壇とは一線を画した独特の画家。詳しいことはWikipediaでも見ていただくとして、今回はギャラリートークがあるということで、この日に合わせて行ってきた。→ジョルジュ・ルオー(Wikipedia)なお、美術におけるグロテスクとは、ローマの地下遺跡から発掘された美術様式を指すもので(バチカンの回廊の一部やウフィッツィ美術館の天井でも使われている)、「奇怪な」「不気味な」といった現在使用されている意味ではない。まあ語源となっているので、まったく関係ないわけじゃないのだけれど、詳しく説明するのは難しいので省略というか断念。ギャラリートークでは「グロテスク」の意味について、熱心に解説があったけれど、具体的概念としては、なかなか難解で、ひと言で説明するのは難しい。で、美術展自体は、この美術館が所有するものと出光美術館のルオー作品をあわせて100点以上が展示されていた。汐留のビル群の中にある美術館この美術館は初めて。こぢんまりとしているけれど美しい美術館。また効果的なライティングで、とても美しく展示されている。これだけきれいに展示している美術館は、国内にはそれほど無いのではないだろうか。それにしてもルオー作品が、こんなに日本にあるなんてビックリ。感動とまではいかなかったけれど、作品点数が多いこともあって、そこそこ満足のいく美術展でした。入場料が\500なのも好印象。また若い女性の姿が目立った。ルオーって女性人気が高いのか?浜離宮が近くなので、足を伸ばしてみた。浜離宮は、もともと将軍家の鷹狩場で、江戸中期からは将軍の別邸になっていた場所だ。汐留地区の再開発のおかげで、日本庭園とビル群のものすごいギャップ。おそらく10年前は1棟も建っていなかったと思うと感傷に浸ってしまう。浜離宮内には船着き場があり、両国やお台場行きの船が出ている。灯台跡地いまは埋め立てられて運河のようになっているけれど、昔は直接海に面していたのだろう。潮の香りがいっぱいの緑豊かな公園。駅からも近いし、すいているのでたまにはいかが?気が向いたら投票お願いします→
2007.08.04
コメント(4)
国立近代美術館で開催されている「アンリ・カルティエ=ブレッソン 知られざる全貌」に行ってきた。でも、その前に今日は美術館のはしご。まずは山種美術館で開催されている山種コレクション名品選 《後期》へ。前期日程は5月に訪問済み(そのときのブログ)。前期日程は、秀逸な作品が結構あって好印象だった。で、後期日程は、重要文化財である速水御舟の炎舞(拡大図)が圧巻。前期日程は素晴らしい作品が複数あったけれど、今回はこれ一枚が突出している。→美の巨人たち 速水御舟「炎舞」なぜ重要文化財になったのか、実物を見ると誰でもわかる逸品。この絵に関しては、実物と写真は全然違う。これ一枚だけでも見る価値のある美術展。つづいて竹橋の国立近代美術館へ向かう。武道館のある北の丸公園の中を通り過ぎ、国立近代美術館へ。ブレッソンは、歴史上もっとも偉大なスナップショットの達人。田中長徳(写真家) 「チョートク、カルティエ=ブレッソンを語る」という講演会が目的だったのだけれど、時間ぴったりに行ったらすでに満席。ヒー! 仕方ないので展示会だけにする。思っていたより盛況で、若い人が目立つ。はい、はっきり言っていいです。写真に興味がない人にもお勧め。でも、ブレッソンの人となりを少し知っていると、もっと楽しめると思うので事前に少しは勉強を。ものすごく作品数が多くて、全部見るのに2時間かかった。今回は、美術館のはしごだったので、後半1/3は疲労で集中力低下。これから行かれる方は、これだけを目的にした方がよいと思う。帰宅後に「美の巨人たち」でもやっていたなと思い、HDDレコーダーに録りためたものを見てみた。番組では、ブレッソンが写真を撮るときの映像が紹介されていた。するとブレッソンのものすごい早業にビックリ。あたりを見渡しながらキョロキョロと歩いていて、被写体を見定めると、後ろに隠していたカメラを取り出し、ものかげからパチリ。時間にして1秒もかかっていなさそうな早業。撮られた人も、撮られたことがわからないくらいの早さ。すごい。→美の巨人たち アンリ・カルティエ=ブレッソン「サン=ラザール駅裏」残念ながら国内の巡回展はなくて、8月12日まで。お勧めです。気が向いたら投票お願いします→
2007.07.01
コメント(8)
小石川植物園のあとは、上野の国立西洋美術館で開催されている「パルマ イタリア美術、もう一つの都」展 →http://www.parma2007.jp/に行くことにした。パルマというと、パルマハムとパルメジャーノ・レッジャーノしか思い出せないけれど、近年パルマの絵画も見直され、その流れの中での展覧会となったようだ。イタリアの芸術というと、フィレンツェ、ローマ、ベネツィアが圧倒的な存在感を持っている。パルマは、それらに勝るとはいかないまでも、十分見るべきものがあるらしい。今回の展覧会では、16世紀から17世紀まで、つまりルネサンス期からバロック期までの宗教画が展示されている。知っている画家は、コレッジョとパルミジャニーノくらいだけれど、ルネサンスやバロックは完全なストライクゾーン。西洋美術館らしい、十分な作品数と展示スペース。またバロック期のものは、カラヴァッジョをほうふつさせる光と影の様式が見てとれる。満足度は、星4つ(満点は星5つ)。ルネサンスやバロックが好きな方にはお勧め。隔週で金曜日の夜にはスライドトークもやっているようなのでどうぞ。気が向いたら投票お願いします→
2007.06.17
コメント(2)
上野の東京藝大美術館で開催している 東京藝術大学創立120周年企画「パリへ―洋画家たち百年の夢」~黒田清輝、藤島武二、藤田嗣治から現代まで~ に行ってきた。→(公式サイト)http://www.nikkei-events.jp/art/paris.html今回の美術展は、黒田など、東京美術学校とその後身の東京芸術大学卒業生と教員の名作を集めている。いちおう今回の目的は、黒田の湖畔だ。重要文化財に指定され、誰でも教科書で見たことのある浴衣姿の女性の絵だ。→美の巨人たち「湖畔」通常、湖畔は黒田記念館にあるのだけど、開館日が週2日でしょっちゅう貸し出しているので、今まで見れずにいた。今回の展示期間は5月22日~6月10日まで。もちろん黒田だけでなく、ほかの作品も充実している。先日、美の巨人で放映された安井曾太郎の婦人像も展示されていた。なかなか良い美術展でした。見終わったあとは同時に開催されている「新入生歓迎・春の名品選」へ。「パリへ」に比べると、スケールは小さいけれど、見たいと思っていた絵があって良かった。芸大は緑豊か上野公園はやっぱりひろい自転車で行ったので、ちょっと足を伸ばして谷中へ。寺社も多いし、味のあるお店も多いので、こんど写真を撮りに来たい。谷中といえば猫。谷中墓地の隣りに有名なケーキ屋INAMURA SHOZOを発見。鶯谷の近くということは知っていたけれど、こんなところにあるとは知らなかった。こんな閑散とした地域に、ここだけ行列の異様さ。警備員もいます。すごいです。気が向いたら投票お願いします→
2007.05.26
コメント(6)
山種美術館で現在開催している開館40周年記念展 山種コレクション名品選が、テレビ東京の「美の巨人たち」やNHKの「新日曜美術館」で紹介されていたので行ってきた。・山種美術館→http://www.yamatane-museum.or.jp/山種美術館は、日本武道館のすぐ隣り、千鳥ヶ淵に隣接する日本画専門の美術館で、山種証券(現・SMBCフレンド証券)およびヤマタネの創業者・故山崎種二の個人コレクションを基礎としている。今回のコレクション展では、所蔵する作品の中から選りすぐったものを前期と後期の二期に分けて展示している。作品の中には、重要文化財や重要美術品も含まれている。美術館は、ビルの1階にある。山種美術館に来るのは初めて。最近テレビで放映されたこともあって、年配の人を中心に、そこそこにぎわっている。日本画の美術展に来て感じるのは、若冲のような大規模なものを除き、おじさんやおばさんばかりで若い人がとても少ないこと。とくに若い女性が少ないような気がする。今回も若い男性の姿はちらほら見かけたけれど、若い女性や若いカップルはほとんどいなかった。西洋絵画の美術展だとけっこういるんだけどなあ。やはり、モネやダヴィンチに引き寄せられてしまうのか。展示スペースは、思っていたよりもかなり狭い。入り口に小さなショップスペースがあり、あとは展示室が3区画。前期と後期で大幅に展示替えする理由がわかった。個人的に好きだったのは、竹内栖鳳「班猫」、村上華岳「裸婦図」、鏑木清方「伽羅」、東山魁夷「年暮る」。最初の2点はテレビなどでも取り上げられている名品。清方の「伽羅」は、何ともなまめかしい美人画。明治・大正期の美人画というと松園や深水の印象が強いのだけれど、調べてみると「西の松園、東の清方」と言われるほどの美人画の名手だったようだ。去年アートナビゲーター試験のために勉強したはずなのに、すっかり失念。思ったよりも作品数が少ないので少し欲求不満はあるけれど、作品自体はすばらしい。6/6からは大幅に展示替えされるので、また来たい。そして鏑木清方の美術館が鎌倉にあるようなので、こんど行ってみたいと思った。予想より早く見終わったため千鳥ヶ淵を散歩することにした。戦没者うんぬんという看板が出ていたので、それにつられて行ってみると「千鳥ヶ淵戦没者墓苑」があった。あることは知っていたけれど、来たのは初めて。ここには海外で亡くなった身元不明の戦没者の遺骨が納められている。150m四方くらいの広さで、緑豊かな雰囲気。本屋・六角堂。献花できるようになっている。一般的な木々以外にも、少し変わった木も植えてある。なんて花だったっけなあ。失念。そのあとは桜で有名な千鳥ヶ淵へ。沿道は桜並木。大通りから1本奥まっていて皇居に隣接しているためか、静かでとても良い空気(香り)。天気予報は雨だったんだけどなあ。朝方に少し降っただけで、あとは降らず。自転車で行けば良かった。ここは千鳥ヶ淵というよりは武道館の入り口。これが何かは不明。このあと、いろいろ買い物をしたこともあり、とても歩いた一日だった。気が向いたら投票お願いします→
2007.05.19
コメント(4)
銀座のポーラミュージアムアネックスで開催されている。平成版 歌川広重「東海道五十三次」復刻完成記念展に行ってきた。・ポーラミュージアムアネックス 公式サイト →http://www.pola-ma.jp/・平成版 歌川広重「東海道五十三次」復刻完成記念展・ポーラで高橋誠一郎旧蔵「東海道53次復刻」展(銀座新聞ニュース)簡単に説明すると、第二次大戦後、オリジナルを元に東海道五十三次が復刻された。今回は、その版木を元に再び平成版として復刻されたものだ。復刻といっても簡単ではなく、50年以上経っているので、版木の修復も必要だし、当時と違っている道具や顔料などいろいろ苦労したらしい。新日曜美術館で、その様子が放映されていたので、場所を調べると銀座。ちょうど銀座に行く用事があったので、ついでに行ってみた。場所は、銀座中央通りの銀座一丁目近く。2階がギャラリーになっている。入場料は無料。テレビで放映されたこともあり込んでいる。全55点が展示されている。また土曜日だったこともあり、刷りの実演が行われていた。作品は、作成したばかりということもあり、色鮮やかで美しい。入場も無料だし、東海道五十三次を全部見る機会はめったにないと思うのでおすすめ。会期は3/14まで。それ以降は、いくつかの場所で展示されるらしい。また値段はわからないけれど、今回復刻したものは、全集もしくはバラで購入できるようだ。全集は箱に入って超豪華。人件費の高い現代では、かなり高そうだけど、錦絵は本来庶民文化のものだから江戸時代は安かったんだろうな。気が向いたら投票お願いします→
2007.03.10
コメント(2)
金曜日は20時まで開館しているということで、六本木に新しくできた新国立美術館に行ってきた。いろいろなところで報道されているように、この新しい美術館は所蔵作品を持たずに、展示スペースだけを貸し出す美術館だ。特別展を中心とした日本らしい美術館ではあるけれど、何だかなあという気がしないでもない。今後の活動状況によって判断したい。エントランスエントランス天上の照明で、今回の本題は「ポンピドー・センター所蔵作品展」。ポンピドーのテーマである現代アートは得意ではないけれど、新国立美術館の見学もかねて行くことにした。ちなみにポンピドーは、ルーブルやオルセーと比べると、所蔵作品の多さに対して展示スペースが狭い。そのため訪問のたびに展示作品が違う。2年前に訪問したときには「ビッグバン」という展示は、理解できないものが多く退屈だった。・異邦人たちのパリ1900-2005 ポンピドー・センター所蔵作品展 →http://www.asahi.com/pompidou/・新国立美術館 →http://www.nact.jp/特別展の詳細は上記のWebでも見ていただくとして、絵画や写真、ブロンズなどがバランス良く展示されていた。また著名作家の作品も多かったこともあり、思っていたよりもわかりやすかった。気になったのは、エルンストや、キネティックアートと呼ばれる、見る角度によって違う絵。なかなか面白い。エルンストはシュルレアリスムの画家で、今まで気にしていたわけでもないのだけど、この絵には惹かれた。そこそこ、よい美術展だったと思う。見学もかねて行ってみてはどうだろう。正面は巨大な吹き抜けになっている木の壁と照明が美しい展示会場入り口逆さまの円錐上の物体の上には、カフェやレストランがある新国立美術館から六本木ヒルズを望む気が向いたら投票お願いします→
2007.03.02
コメント(0)
原宿の太田記念美術館で開催されている「ギメ東洋美術館浮世絵名品展」に行ってきた。太田記念美術館は、浮世絵をおもに扱っている小さな美術館だ。原宿・表参道のど真ん中「ラフォーレ原宿」の裏に位置する。・太田記念美術館 →http://www.ukiyoe-ota-muse.jp/ →http://www.ukiyoe-ota-muse.jp/dis070102.html・ギメ東洋美術館浮世絵名品展(NHKプロモーション) →http://www.nhk-p.co.jp/tenran/ukiyoe/index.html こちらに割引券あり。今回の特別展は、パリの「ギメ東洋美術館」との交換展で、北斎や写楽を初めとする画家の版画や肉筆画が展示されている。今回の目玉は、ポスターにもなっている(上記画像参照)北斎の「龍図」と「雨中の虎」。それぞれギメ東洋美術館と太田記念美術館の所有物なのだけれど、今回の交換展による調査の結果、対になるものだと判明したものだ。視線がバッチリ合っている。約2ヶ月ほど続いた会期も今週末まで。土日の昼間は込んでいるので、朝イチか閉館間際がお勧め。小さな美術館なので30分くらいで全部見れます。これ以外にも切手マニア垂涎の「月に雁」など、著名な絵も展示されている。地下には、ミュージアムショップと、手ぬぐい屋がある。とくに手ぬぐい屋はおみやげに使えそう。ショップだけの利用も出来るので、一度眺めてみてはいかが?気が向いたら投票お願いします→
2007.02.21
コメント(5)
オルセー美術館展を見たあとは、上野まで遠征したついでに、両国の大江戸博物館にも行ってみることにした。上野から両国までは約4kmなので、自転車だとすぐ近くだ。隅田川にかかる両国橋にて真ん中のがGPSで、右側がサイクルコンピュータ(速度計、距離計)。久しぶりの大江戸博物館。来たのは2年くらい前のエルミタージュ展以来。それにしても大江戸博物館はデカイ。地下一階、地上七階建て。もちろん普通の建物より天井は高いので、畏怖堂々とした存在感に圧倒される。大江戸博物館オフィシャルサイト →http://www.edo-tokyo-museum.or.jp/まずは特別展へ。これを見ずして江戸は語れない「江戸城」展示物の詳細はWebページを見ていただくとして、おもに江戸城はこんな形だったというものが多かった。入場には10分程度しか並ばなかったのだけれど、入場制限のコントロールが緩い。そのため、とくに前半は込んでいて展示物が見づらい。絵画展とは違い、書状や巻物などの下に展示してあるものが多く、後ろから眺めるという技が使えない。印象的だったのは江戸城の再現CGビデオ。売店ではDVDも販売されていて、そうとう誘惑された。特別展のあとは常設展へ。今回の掘り出し物は初体験の常設展。会場は巨大で4階分くらいありそうな吹き抜け。実物大に再現された日本橋(?)の一部や、江戸の町並みのミニチュアなど、展示物も大きい。展示内容はおもに2つのテーマで、江戸時代と、明治から戦後の高度成長期だ。写真撮影はOK。観客が乗れる駕籠など、実際に触れられるものが多く、子供から大人まで楽しめる。外国から来た人には受けると思うし、そうじゃなくても東京見物には絶好の場所。また驚いたのは、今回特別に開催していた「文字書き人形」展。文字を書く「からくり人形」の復元VTR+実演なんだけど、これが驚くほど精密。「寿」という字を、驚くくらいきれいに書き上げるんだよね。いやーびっくり。・からくり儀右衛門作品ギャラリー(東芝) →http://www.toshiba.co.jp/spirit/gallery/・からくり人形たる所以は「からくり」だけにあらず(日経BP) →http://techon.nikkeibp.co.jp/article/TOPCOL/20051220/111791/満足度は、常設展も含めて星4つ半(満点は星5つ)。こんなに常設展がよいとは思わなかった。夕暮れの隅田川本日の走行距離は約50km。市街地の50kmは結構疲れる。それに美術館の中ではずっと立ちっぱなしだしね。帰りは結構へろへろになってしまった。こういうときは、輪行バックを常備して電車で帰れるようにするべきだったか。それと折りたたみ自転車を買うべきか。ますます折りたたみ自転車が欲しくなるのであった。気が向いたら投票お願いします→
2007.02.16
コメント(4)
先週サイクリングもかねて、上野の東京都美術館で開催されている「オルセー美術館展」に行ってきた。・「オルセー美術館展」オフィシャルサイト ∼http://www.orsay3.com/日曜日の昼間に行ったところ、とても込んでいた。約40分待ち。ようやく入場したものの、前半は結構混み合っている。それでもダリ展に比べればまともか。今考えるとダリ展の入場制限は甘かった。超大作はないものの、著名画家の、それなりによい絵が来ているように思う。個人的に好きだったのは、アンリ・ファンタン=ラトゥールの「バティニョールのアトリエ」。セザンヌやモローも良かった。それにしてもパリのオルセーには1年前に行ったのに、あまり見た記憶がない絵が多かった。主な出品作品の画像→http://www.orsay3.com/art/それにしてもこれだけ込んでいると情熱も萎える。4月まで開催しているので、違う時間帯でリベンジしたい。満足度は星3つ(満点は星5つ)。込んでなければ星4つ。これから行く方は、朝イチか閉館間際がお勧め。1年前に行ったオルセーの画像。いざ調べてみると全然写真を撮っていなかった。びっくり。定番ですなあカミーユ・クローデル「分別盛り」。ストーリーを知ると泣けてくる。→美の巨人たち現在ではあまり評価されていないけれど、カバネルのこの絵は好き気が向いたら投票お願いします→
2007.02.15
コメント(4)
東京ドームで開催されているテーブルウェア・フェスティバルに行ってきた(2月12日まで)。テーブルウェア・フェスティバルとは、洋食器や和食器、グラスなどの展示会で、毎年開催されているようだ。関連リンク:・テーブルウェア・フェスティバル(東京ドーム) →http://www.tokyo-dome.co.jp/tableware/・テーブルウェア・フェスティバル2007(All About) →http://allabout.co.jp/gourmet/tea/closeup/CU20070204A/美術品の陶磁器は、それほど興味はないのだけど(河井寛次郎記念館に行ったくらい)、自宅で使える食器やグラスには興味があるので、今回初参戦となった。まあ興味があるといっても、それほど詳しくはない。食器を愛すると言うよりも「どうせ飲食するなら、良い食器の方がおいしく感じるだろう」という単純な考えなので、ウェッジウッドやリチャード・ジノリを少々と、リーデルを初めとするワイングラスを持っているだけだ。すごい快晴。写真はすべてGR Digitalで撮影。広い会場にもかかわらず、けっこう盛況だ。会場は、おもに次のように分かれて展示されていた。・展示即売コーナー・大手メーカーの展示・地域/テーマ別の展示・テーブルセッティングのコンテスト発表リーデルの展示ブースこちらはリーデルの販売コーナー。grape@riedelなどの新しいシリーズや、真っ黒いデキャンタまであった。ここからは大手メーカーの展示。大倉陶園の展示どこだったっけなあここからはテーブルウェア・コンテストの会場。受賞作品や優秀作品が100近く展示されていた。テーブルコーディネートについては、まったく不案内だけれど、今回初めて見て、みんなが凝る理由がわかる気がした。これだけでひとつの芸術作品なので奥が深い。オーブリオン発見プロ/アマチュアによるオリジナル陶磁器の展示もあった。これはプロ作品。販売コーナーはとても盛況今まで和食器には興味がなかったのだけれど、やはり和食器もいいですなあ。今回見た中では萩焼が好みかもしれないと思った。どこだったけ。これも好み。有田焼では"aritamuze(ありたみゅぜ)"として、大きな展示即売コーナーを設けていた。こちらはモダンなスタイル。その一部では機能を追求したご飯茶碗が20点くらい展示されていた。理系としては、このような理屈に弱い(笑)。Duniというメーカーの販売コーナー。ポップで明るくて気になったお店のひとつ。紙皿はこうありたいと思った。http://www.duni.jp/こんなにカラフルなのに紙皿会場を出たときには外は真っ暗になっていた。ライトアップが美しい。感想:とくに和食器やテーブルコーディネートについてはまったくの素人だったけれど、とても楽しく過ごせた。入場料は\2,000(Webの割引チケットで-\100)と高いけれど十分満足のいくものだった。今日(2月12日)が最終日。興味のある方は行かれてみてはどうだろう。撮影後記:GR Digitalを使い込んでいないので、経験のためにと思って使ってみたけれど、今回のような室内は苦手なのではと思った。液晶モニタが暗めなので適正露出かどうかが判断しづらく当初は悩んだ。結局はヒストグラムを見て気合いで撮った。また今回はISO400にしたけれど、FinePix F3xシリーズに比べると明らかにノイズが多い。またズームが欲しいシーンもあった。GR Digitalに対する経験不足もあるけれど、やはり適材適所なのかもしれない。気が向いたら投票お願いします→
2007.02.11
コメント(4)
東京国立博物館の表慶館改修を記念したライトアップイベント光彩時空―光と音が織りなす幻想夜景絵巻―に行ってきた。新しく買ったロードレーサーの試し乗りということもあるのだけど。またそれは別の機会に。 このイベントは、誰かのブログで知って気になっていたイベントだ。わたし自身、そのブログで見るまでまったく知らなかったので、すいているかと思ったら、けっこう込んでいた。何でみんな知ってるの? このイベントでは、博物館内の建物をライトアップし、時間に応じてそれぞれの建物で邦楽演奏が行われていた。またWebを見ると表慶館では、有料のコンサートも行われているようだ。 夜ということもあり三脚で撮影している人もたくさんいた。わたしは自転車で行ったこともあり三脚は持って行かなかったけれど、手ぶれ防止レンズの力で手ぶれ率は10%くらいに抑えられた。ほんと助かる。ISO800-1600で撮ったけれど、けっこうまともに見れますな。 開催期間は11月5日まで。なかなかきれいなので、興味のある方はどうぞ。平常展の入館料 大人\600で入れます。定期的にそれぞれの建物の前で演奏が行われている宗達「風神雷神図屏風」北斎平成館ではレーザービームのショーが行われていた。池に映る表慶館SAVOIAが出店していた。マルゲリータとホットワインを飲んだ。気が向いたら投票お願いします→
2006.11.03
コメント(2)
アートナビゲーターのことは忘れることにして、せっかく後楽園まで来たので、上野の国立西洋美術館に行くことにした。後楽園から上野までは距離にして2キロ強。電車だと、ちょっと面倒くさいけど、バスだとすぐだ。 西洋美術館はよく来ているけど、いつも特別展だけで、常設展を見たのは2年ぶり。その常設展を見たときも時間不足で、駆け足で見たのであまり覚えていなかったりする。国立西洋美術館 →http://www.nmwa.go.jp/index-j.html西洋美術館はル・コルビジェのデザイン あらためて見てみると珠玉の作品揃いであることに感心させられる。とくに18世紀以前の西洋絵画の充実ぶりは、日本最高というだけでなく、アジアでも最高なのではないだろうか。 美の巨人たちで放映された「ベアトリーチェ・チェンチの肖像」で一躍有名になったグイド・レーニの作品もあった。 西洋美術館の収蔵品は、川崎造船の松方コレクションを基礎としている。そしてそのコレクションは、とても数奇な運命をたどっている。当時の高い関税率(100%)と国内の軍国主義化(西洋敵視)のため、コレクションの半分を海外においていた。その後ロンドンにあったものは火事で焼失。フランスにあったものは、長らくフランスにあったが、大戦後一部を除き返却。日本にあったものは、川崎造船の倒産騒ぎで散逸。日本で散逸したものの一部は、大原美術館やブリジストン美術館にあるらしい。 それにしてもすべてが揃っていたらと思うと残念でならない。とくにロンドンで焼失したものは、取り返しが付かないだけにもったいない。ブールデル これほどのコレクションがありながら、ギャラリートークやオーディオガイドがないのは寂しい。東京国立近代美術館は、積極的にギャラリートークをやっているんだけどなあ。気が向いたら投票お願いします→
2006.10.30
コメント(6)
アートナビゲーター検定試験を受けてきた。アートナビゲーターとは、美術の知識に関する資格で、ワイナートの美術出版が主催している検定試験だ。合格したからといって、たいした特典があるわけじゃないので、漢字検定のような、自己啓発的な意味合いの試験である。 明確な目的があったわけじゃないけど、勉強することによって、絵の趣味の幅が広がったり、絵画に対する理解力が向上したりするかなと思い受験してみた。アートナビゲーター公式サイト →http://www.art-navigator.jp/ 試験会場は、東京の後楽園にある中央大学理工学部。俳優の阿部寛の出身校だ。わたしも、この近くの高校に通っていたので、懐かしい場所ではある。 今回は3級というもっとも簡単な試験なのだけど、はっきり言って難しかった。 いちおう過去問はやっていたのだけど、アートの時事問題や現代アートのウェイトが異常に高い。わたしの守備範囲は、ルネッサンスから20世紀初頭の西洋絵画。それと日本絵画の一部である。現代アートはもっとも欠落している分野なのだ。また最近の和田画伯の盗作問題まで出題されていた。「2006年に行われた越後妻有トレエンナーレは第何回目か?」といった問題は、単に絵が好きというだけではわかるはずはなく、現代のアート事情に通じている必要がある。 それに「この絵の作者は誰」という問題が数問出ていたのだが、絵を白黒かつ、4センチ四方くらいの小さなサイズで出すのはやめて欲しい。 絵のディテールがまったく見えないので、事前に知っている絵でない限り識別不能である。せめてカラーのサービス版サイズで表示して欲しいものだ。 自分の不勉強もあって愚痴ばかりになってすみません。合格発表は年内に行われるらしい。かなり微妙なラインだと思うので、期待しないで待っていることにした。試験後は、傷心のなか、春日通りを下る。大きいビルは文京区役所が入っているシビックホール。 全然話は変わるが、シビックホールで思い出したことがある。それは「展望台で昼間からいちゃつく高校生遭遇事件」である。そのときは近くで仕事があり、ようやく終えて、シビックホール最上階のレストランで遅めのランチをとったときの出来事だ。食事を終えて店を出たところ、すぐ横の展望台で、高校生らしきカップルが、めちゃくちゃいちゃついているではないか! こらー! それもキスまで。 これを見て「まだ時間早いぞー! 公衆の面前で何やってる。こちとら仕事終わったばかりなんじゃい! ワシが高校生のころは、もっと純情だったぞ」と、心の中で思った(笑)。 このあとは西洋美術館に行くため上野に直行。バスだととっても近いのだ。気が向いたら投票お願いします→
2006.10.29
コメント(6)
山田かまち水彩デッサン美術館に続く、小旅行シリーズ第2弾。ジャコメッティを見に、千葉の川村記念美術館に行ってきた。川村記念美術館→http://www.dic.co.jp/museum/ きっかけはシャムーさんのコメントである。ジャコメッティのことはほとんど知らなかったのだけど、ちょうどこの日に特別講演があり、またきれいそうな美術館だったので、写真撮影もかねて行くことにした。 ちなみにジャコメッティは、20世紀を代表する彫刻家で、細長い人物像で有名。詳細はWikipedia - アルベルト・ジャコメッティを参照のこと。川村記念美術館は遠かった。 JR千葉駅から、さらに4駅。佐倉駅から送迎バスで20分ほどのところに美術館はある。林や畑に囲まれた緑豊かな美術館だ。佐倉市は、ミスター(長嶋茂雄)の出身地。美術館の入り口。緑豊かで広大な敷地に美術館はある。今回はジャコメッティの特別展が目的だったけれど、シャガールの大作やレンブラント、ピカソなど、けっこうな名品も所蔵している。 今日は特別講演があることもあってか、それなりに込んでいた(とはいっても都内の美術展に比べれば全然すいている)。講演会は、会場で作品を見ながら解説する方式だった。ジャコメッティのことをまったく知らない身としては、興味深く話を聞けた。 意外だったのは、「ジャコメッティの作品は真正面から見るべし。横から見ても意味がない」ということ。鼻の長い作品などは、正面と側面ではずいぶん違うので、横からも凝視していたのだけど、正面から見ることに意味があるらしい。 今回どのくらいのクオリティの作品が来ていたのかよくわからないのだけど、それなりによいものが来ていたような気がする。 ジャコメッティを見たあとは常設展へ。かなりゆったりした空間にシャガールの大作やレンブラント、ピカソなどが展示されている(日本画もあり)。人口密度が少なく、こういうゆったりした空間で作品を見るのはやっぱりいい。今日来ていた人々は特別展が目的だったのか、シャガールもレンブラントも独占状態。 観覧後は庭園の散策へ。広大な敷地のなかに、池や花々などたくさんの緑がある。Webを見ると季節の花々がたくさんあるとのことだったが、時期が悪かったせいか、このジュウガツザクラくらいしか咲いていなかった。正体不明のオブジェ。日没前の青空。スイス国旗があるのはジャコメッティの出身地だから。 ジャコメッティについては、のめり込むまでの興味はわかなかったのだけど、川村記念美術館はゆったりして良い美術館でした。気が向いたら投票お願いします→
2006.10.15
コメント(4)
3連続美術館シリーズの最後。3連休の最終日はアンリ・ルソーを見るために世田谷美術館で開催されている「ルソーの見た夢、ルソーに見る夢」展に行ってきた。世田谷美術館は、わが家からも徒歩圏内で、田園都市線用賀駅から徒歩15分∼20分の砧(きぬた)公園にある区立美術館だ。世田谷美術館世田谷美術館オフィシャルサイト →http://www.setagayaartmuseum.or.jp/東京新聞ルソー展のページ →http://www.tokyo-np.co.jp/event/rousseau/ 今回は「ルソーの見た夢、ルソーに見る夢 アンリ・ルソーと素朴派、ルソーに見せられた日本人美術家たち」と題して、アンリ・ルソーや、同じ素朴派に分類される画家、ルソーの影響を受けた日本人芸術家などの作品が展示されていた。詳細は上記Webサイトを見ていただくとして、 わたしはアンリ・ルソー好きである。 いつ頃から好きになったのかよく覚えていないが、今年の1月にはルソー見たさにロンドンのテートモダンで開催された「アンリ・ルソー:パリのジャングル」展に行ってしまった。これは本当に素晴らしい企画展だった。主要なルソー作品はすべて集まっていたし、有料のガイドツアーも秀逸だった。 さてルソーである。アンリ・ルソー(Henri Rousseau:1844-1910)は、印象派と同世代に生まれた異色のフランス人画家である。パリ市の税官吏を勤めながら30代半ばから絵を書きはじめ、本格的な職業画家になるために50歳近くになって税官吏を辞めてしまうという異色の経歴を持つ。 詳しいことは、Wikipedia(アンリ・ルソー)でも見てもらうとして、後生に影響を与えたわりには、一般にはそれほど知られていない。またルソーで紛らわしいのは、バルビゾン派のテオドール・ルソーの存在。テオドール・ルソーのほうが30歳くらい年上だけど、圧倒的にアンリ・ルソーのほうがビッグネームである。 わたしがルソーにひかれるのは、絵だけでなく、ルソーのキャラクターのおもしろさである。ルソーにはさまざまな逸話が残っていて、「偉大なる子供」を地でいく人物だ。悪意はないにせよ嘘はつくし、画家になれると思って仕事は辞めちゃうし、自己顕示欲は旺盛で、勲章をもらったら自画像に書き入れちゃうし、晩年になって奥さんに死に別れてからも、いろいろな人が好きになっちゃうし、アングルのような新古典主義の画家を目指しているのに出来上がりはまるで違うし純粋で、わがままでな、おやぢなのだ。 展覧会に話は戻るが、今回はルソー研究の第一人者 岡谷公二氏 による「アンリ・ルソーの位置」という講演会があった。氏は「アンリ・ルソー楽園の謎」という名著を書いている。この本は長い間絶版になっていたのだが、偶然10月に再発売になったとのこと。ルソーファンは読むべし。わたしも速攻予約した。 講演会は、1時間30分という時間のわりには、やや密度感が薄いものの興味深く楽しめた。今回初めて知ったのは、ルソーの絵は素描なども含めて200点ほどしか無く、そのうち30点が日本にあるということ。岡谷氏によると、遠近法を無視したルソーの絵は、遠近法を使わない日本画の文化を持つ日本人にはなじみやすいからでは、とのことだった。 それにしても200点しか残っていないのは、この時代の画家としては寡作である。まあこれにはいくつか理由がある。ひとつは晩年から描き始めたこと。もう一つの理由は、一見すると下手に見えるため、相当数の作品がキャンバス再利用のために削り取られてしまったかららしい。ピカソも、最初にルソーの作品を手に入れたときは、店主に「キャンバスは使えるよ」といわれた。 肝心の展示のほうは、それなりにがんばっているように感じた。展示されているルソー作品は、国内所蔵作品を中心に十数点。あとは今回のサブタイトル「アンリ・ルソーと素朴派、ルソーに見せられた日本人美術家たち」とあるように、他の画家の作品が展示されていた。正直言ってルソー展だと思うと寂しさは否めないが、この企画展自体は成功していると思う。とくに興味深いのは、ルソーの影響を受けた日本人画家たちの作品で、松本竣介の絵はよかった。 海外のルソー作品がないのは、テートモダンの「アンリ・ルソー:パリのジャングル」展が、パリ、ワシントンと巡回して、最近まで開催されていたことが原因のようだ。長期にわたって貸し出されていたため、それ以上の借用は無理だったらしい。 残念なことを挙げると、オーディオガイドがしょぼいこと。最近はTV局のアナウンサーを起用することもあるのに、戦後のラジオ放送のようなイケてない音声だった。説明自体は異常に長いんだけどね。 それで今回の総合評価は星4つ(5つが満点)。1つマイナスは、ルソー作品が少ないこと。11月14日に展示替えがあるので、もう一度行くべし。この絵が今回展示されていたルソー作品のなかで最大のもの なぜか、ここだけデジカメの話。 D80は露出オーバー気味だといわれているけれど、とくに夕暮れどきは顕著に表れるみたいだ。上の写真と下の写真は、ほぼ同じ時間に撮っているのだけど、上が-0.7EVで下が-1.3EV。体感上は下がもっとも現実に近い。露出補正しないと、ものすごく明るく写るんだよね。長居したので、ずいぶん暗くなってしまった気が向いたら投票お願いします→
2006.10.09
コメント(14)
ダリ回顧展に続き、今日は美術館のはしご。上野公園の隣にある東京藝術大学大学美術館で開催されている日曜美術館30年展に行ってみた。 ダリ回顧展の混雑にヘキヘキしながら藝大美術館を目指す。藝大美術館は、国立博物館の前を通り過ぎて数百メートルのところにあった。藝大美術館は初めて。 こちらは駅からも遠いし、海外の著名作品があるわけでもないのですいているかと思っていたら予想はハズレ。ダリ展ほどではないものの、おばさま方でごった返していた。連休が影響しているのか? それと、なぜか若い人が少ない。 今回の正式はフルタイトルはこれ。NHK名品と映像でたどる、とっておきの美術案内日曜美術館30年展 このタイトルどおり、日曜美術館で紹介された国内の名作が展示され、それとともに各所でビデオ映像が流されていた。展示されている作品はバラエティーに富んでいる。看板にも載っている高橋由一の鮭の絵や黒田清輝、鏑木清方、棟方志功、etc。重要文化財も数点。 これだけいろいろな作家の作品を一度に見る機会はそれほど無いので、それなりに面白かった。惜しむらくは、こちらも込んでいたこと。やはりコレはマイナスポイント。またビデオ映像は内容ごとに6カ所で流されていたのだけど、年配のかたが多いこともあって、どこも満席でまったく見ることができなかった。 行って後悔することはないと思う。でも、この手のいろいろな作家の展覧会のなかでは、今年の初めに東京美術倶楽部開催された「大いなる遺産 美の伝統展」が秀逸の素晴らしさだったことをあらためて実感した。関連サイト →・NHKプロモーション http://www.nhk-p.co.jp/tenran/nichiyou/・東京藝術大学 http://www.geidai.ac.jp/museum/exhibit/current_exhibitions_ja.htm噴水前の広場には出店が出ていてオープンカフェのような雰囲気こんなに晴れて天気が良いと写真を撮るのも楽しい気が向いたら投票お願いします→
2006.10.08
コメント(0)
上野の森美術館で開催されているダリ回顧展に行ってきた。ダリの熱烈なファンというわけではないけれど、ダリの絵はけっこう好きだ。込んでるという情報にこわごわしながら12時過ぎに着いてみると、待つことなく入場できて一安心。でも、はっきり言って、込んでる! だいたい、どの作品にも2重3重の人が並んでいるのだ。若者から年配の方々まで、まんべんなくいる。それにしても日本人って、こんなダリ好きだったけ? たしか一昨年くらいに開催されたピカソ展もゴッホ展も込んでいた。印象派以降の著名画家に関する絵画展は、その内容にかかわらず、とても込んでいる。なんでだろう。・ダリ回顧展の公式サイト・代表的な出展作品 小さい美術館なので、それほど期待していなかったのだけど、けっこう有名な作品が来ていた。代表的な出品作品はこちら。たしかに生誕100周年と意気込むだけのことはある。 込んでいることを除けば、美術展のクオリティーは高い。なお今回の展示会では、作品の紹介文がほとんど付いてない。理解を深めるためにもオーディオガイドを借りることをお勧めする。絵そのものは難解だけど、ダリの不思議な世界に浸ってみるのはいかが? 美術展に行ったときはいつも一通り見たら、好きな絵だけを見直しに戻るのだけど、今回だけは込みすぎでパス。出口を出ると、入場時には無かった長蛇の列。アナウンスを聞いてみると、どうやら1時間待ちとのこと。土日に来るならば、午前中に来るか、それとも閉館間際に来るべきだと思う。 この人込みに少し驚きつつ、東京藝術大学美術館で開催されている日曜美術館30年展に向かうのであった。上野公園の中に野球場があった。数え切れないくらい通っている上野公園だけど、今まで気づかなかった 国立博物館方面に進むと正岡子規のプレートがあった。そういえば"野球"は正岡子規による"BASEBALL"の造語である。また正岡子規による翻訳ではないが、"簿記"は"BOOKKEEPING(簿記の意味)"の造語である。こちらは発音まで似ている。安易にカタカナにしてしまう現代に比べると、明治の方々の漢文的素養の偉大さに感心するのであった。正岡子規のプレート気が向いたら投票お願いします→
2006.10.07
コメント(4)
上野の国立西洋美術館で開催されているベルギー王立美術館展に行ってきた。 久しぶりにJR上野駅構内を訪れると、著しく新しくなっていることに気づく。THE GARDENやハードロックカフェなど、あまり上野っぽくない店舗が目立つ。リニューアルしたのは結構前なのかもしれないが、地下鉄で行くことが多いので今まで気づかなかった。 上野は学生時代にバイトしていただけに感慨深い街だ。昔かよっていたラーメン屋に行くと、今でも当時の店主がいたり、またアメ横の町並みもそれほど変わっていなかったりする。Nikon D80 /AF-S DX VR Zoom Nikkor ED 18-200mm F3.5-5.6G /絞り優先オート(F8.0, 1/5秒) /露出補正: +0.7EV /ISO 100 /WB:AUTO /仕上がり設定:標準 で、本題の絵画展。ベルギー王立美術館が所蔵しているブリューゲルやヨルダーンスなどの古典絵画や、ポール・デルヴォーやアンソールなどの近代絵画が展示されていた。代表的な絵画: ピーテル・ブリューゲル〔父〕「イカロスの墜落」 ヤーコプ・ヨルダーンス「飲む王様」ベルギー王立美術館展のオフィシャルサイト 今回の絵画展は、フランドル絵画ということで紹介されていたのだが、ブリューゲルってネーデルラントではと思うのであった。それでネーデルラントとフランドルについては区別が怪しかったので調べてみた。 ネーデルラントは現在オランダの国名になっているが、歴史的には現在のオランダやベルギー、ルクセンブルク、北部フランスの一部を含む地域全体を指すらしい。そしてフランドルは現在ベルギーの一地域になっているが、歴史的には現在のベルギーと北部フランスを含む地域の指すらしい。時代によって異なる部分はあるものの、歴史的には「ネーデルラントの南部=フランドル」と考えて良いみたいだ。 ブリューゲル(父)は、わたしが絵画に目覚めて好きになった画家の一人だ。今回はブリューゲルの「イカロスの墜落」が看板として採用されていた(ただし現在は真贋論争があるらしい)。ブリューゲルらしいアイロニーがあるような気がする。 またヨルダーンスの「飲む王様」は、大塚国際美術館で先日レプリカを見たあとだけに、こんなにすぐ本物に出会えるとは思わなかった。またアンソールは、気味の悪い絵というイメージしかなかったのだが、一般作品も展示してあった。 いわゆるイタリアやフランスの著名絵画が無く、また北方でもフェルメールやレンブラントなどの作品はないので、地味な絵画展ではあるが、フランドルおよびネーデルラント好きには満足する絵画展だった。西洋美術館の敷地内にある銅像これだけNikon Ai AF Nikkor 50mm F1.8D。比較しないとわからないけれど、大口径レンズならではボケ味。絞り優先オート(F1.8, 1/500秒) /露出補正: -0.3EV /ISO 100 /WB:AUTO /仕上がり設定:標準気が向いたら投票お願いします→
2006.09.23
コメント(0)
先日NHKで「放送30年日曜美術館の名作選」というテレビ番組があった。そのとき、とても驚いた出来事があったので書きたい。この番組では、NHK教育で放送されている「日曜美術館」を振り返り、過去の映像を交えながら司会者とゲストのトークが展開されていた。 そこで質問が出た。かつて出演した渡辺淳一と松任谷由実の以下のコメントが紹介され、これらのコメントから想像される画家は誰でしょうという質問だ。 渡辺淳一「楽しくて明るい!」 松任谷由実「画家の中でもっとも音楽」 このコメントを見た羽田美智子は無邪気な笑顔で答えた。「わたしちょっとピーンと来ました。違うかな。言っていいですか? フリーダ・カーロじゃないですか」司会役の真野響子はため息混じりに「あーー」ねじめ正一「シャガールかなんかかな?」真野響子「時代的にはそのあたりですけどね」 正解は「マティス」。 このやりとりを聞いたときには「えっ! フリーダ・カーロ?」と驚いた。だってフリーダ・カーロはテーマの重い作品が多くて、今回のヒントとは正反対の画家だ。百歩譲って、メキシコ人らしく明るい色使いが多い部分を評価するとしても、やはりテーマが重いので「楽しい」とは相反すると思うのだが...。 冷静に考えれば、直前に紹介されたのが「ピカソ」なので、その次に「フリーダ・カーロ」は無いだろう。セザンヌやゴーギャンならば理解はできる。またねじめ氏のシャガールも、ヒントとの関連性では許容範囲だ。「フリーダ・カーロ」は、ぶっ飛びすぎである。 個人的に、この二つのヒントから思い浮かぶ画家を選ぶとすれば「マティス」と「カンディンスキー」か? さらにダメ押ししたのは、渡辺淳一と松任谷由実のVTRが流れたあとの彼女の発言である。先ほどのハズレにへこんだ様子をまったく見せず、またもや無邪気にほほ笑みながら発言した。「渡辺淳一さんがお好きだって言ったダンスの絵は、小説の失楽園とちょっと似ている感じがしたんですけど、やっぱり自分の持っている芸術性と好きな作家はどこかイコールな気がしますよね」アナウンサー「ほー、なるほどね」(あきらかに苦しい)ねじめ正一「最初ね聞いたときには、渡辺さんとマティスは結びつかなかったんですけど、聞いてみるとね、やっぱりあの永遠の子供っぽさ。それをひじょうに渡辺さんも求めてるっていう...」羽田美智子、ちょっと待ったー! ダンスは、スペインもほど近いフランスの地中海沿岸の街の「強烈な光と色彩」から着想を得たものだ。それに対し失楽園は、不倫の末に心中してしまう小説である。これまたかすりもしないくらい正反対のものだ。そのことを小説家のねじめ氏は、きちんと言っている。 芸術の評価や見方は時代によって変わるけれど、ここまで作者の意図と乖離してしまうと、なんだかなあという気がしてくる。それと場の読めなさ具合も相当だ。お茶目すぎるぞ。ここまで来ると「独自の感性」や「天然ちゃん」を超えて、恐怖さえ感じてしまう。羽田美智子恐るべし! 羽田美智子は、美人で知的な感じがするし、それなりに気に入っていた女優さんだっただけにショックは大きい。「百年の恋も冷める」とは、このことか。気が向いたら投票お願いします→
2006.09.18
コメント(2)
大丸東京店の大丸ミュージアムで開催されている「ラウル・デュフィ展 ― 美、生きる喜び ―」に行ってきた。 デュフィは、それほど有名な画家ではないが、マティスやセザンヌなどに影響を受けた画家で、ヨットや競馬などをモチーフにした絵で知られている。 デュフィは以前から気になっていた画家だ。なぜ気になっていたかというと、以前放映された美の巨人 - マティス「ダンス」の回で、次のような逸話が紹介されたからだ。晩年、収集のための資金にも事欠いたシチューキンは、それでも無名時代のデュフィの作品を手に入れると、ずっとかたわらに置いて眺めていたと言います。 つまりシチューキンが惚れ込むならすごいに違いないと。万が一すごくなくても、少なくとも「ダンス」の大ファンとしては見ておきたいと思ったからだ。 ちなみにシチューキンは、早くからマティスを認めていたロシアの収集家で、マティスの最高傑作「ダンス」の注文者である。ロシア革命によって政府に没収されたシチューキンの遺産は、現在のエルミタージュ美術館(サンクトペテルブルグ)やプーシキン美術館(モスクワ)における近代絵画の主要コレクションになっている。 前置きが長くなったが、今回の展覧会ではデュフィの絵画作品と生地デザインが展示されていた。また10Fのアートギャラリー(無料)では「ラウル・デュフィと音楽を奏でる絵画展」と題して、デュフィをはじめとする絵画が二十数点展示されていた。 デュフィは、一般的にはマティスやヴラマンクなどと同じフォービズム(野獣派)に分類されるが、個人的には「野獣」という言葉は似つかわしくないように感じた。デュフィに似つかわしいのは、今回のサブタイトルである「生きる喜び」だ。デュフィの作品からは、マティスにも通じる生命感や高揚感を感じる。 作品点数は多くないが、デュフィの典型的な作品が展示されていて満足のいくものだった。ただし、個人的な思い入れがあるのでこのように思ったが、国立西洋美術館や国立博物館などに慣れていると寂しさは感じるかもしれない。 でも芸術はコストパフォーマンスで評価するものじゃないしね。とはいえ\900は割高感があるのでチケットショップなどで安いチケットを手配したい。 ここからカメラの話。今回の写真は、通常だとアンダーになりやすい素材。逆光のように強い光があると、そちらに露出が引っ張られるため、どうしても暗くなってしまう。このようなときには露出をプラス補正すればよいのだが、とくに光が強いと適正露出にするまでに、何回も露出を微調整しなければならない。 少なくともわたしのようなシロートには一発で露出を決める技はない。 それで最近学んだのは、露出の「スポット測光」機能(スポット測光はニコンの名称だが、デジタル一眼ならば他のメーカーでも同等の機能はあるはず)。通常のマルチパターン測光では、画面全体を独自のアルゴリズムで解析して露出を計測するのに対し、スポット測光ではフォーカスエリアだけを計測する。そのため逆光のような、通常は露出補正が必要な場合においても、けっこうな確率で適正露出になる。 D200/D80の場合、露出モードボタンとコマンドダイヤルで露出モードを変更できる。 それでも良いのだが、もっとお手軽にするには、機能を自由に割り当てられるファンクションボタン(D80/200)に「スポット測光」を割り当てる方法だ(この方法は先日開催されたD80のイベントで聞いた)。ファインダーをのぞいて逆光などによる露出アンダーが懸念されれば、レンズ横にあるファンクションボタンを押しながらシャッターを切れば、かなりの精度で適正露出になる。うーん便利だー。気が向いたら投票お願いします→
2006.09.16
コメント(0)
竹橋の東京国立近代美術館で開催されている「モダン・パラダイス展」に行ってきた。この展覧会は、サブタイトルに「大原美術館+東京国立近代美術館 ――東西名画の饗宴」とあるように、倉敷の大原美術館と東京国立近代美術館の所蔵作品をあつめ、同じテーマ性を持った日本とヨーロッパの絵画を並べるという意欲的な試みが行なわれている。 ちょうど7月末に大原美術館に行ったばかりで、そのときは今回の出品作品が無かったので、リベンジマッチということもある。 著名な作品が多いだけに込んでいるかと思ったら、特別展としてはそれほど込んでいなかった。会場に入ると、ちょうど入り口にモネの睡蓮が展示されている。 今回予想外だったのは、抽象絵画や写真などの現代アートが結構あったこと。「大原美術館=19世紀末から20世紀初頭中心」という思いこみがあったせいで意外だった。 名作が多いなか個人的に印象的だったのは次の2点。小出楢重の「ラッパを持てる少年」ギュスターヴ・モロー「雅歌(がか)」 大原美術館の珠玉の名品が、これだけ東京に来ることは少ないと思うので、ぜひ行ってみてはどうだろう。気が向いたら投票お願いします→
2006.08.27
コメント(0)
先月、東京国立博物館で開催されているプライスコレクション「若冲と江戸絵画」展に行ってからというもの、宮内庁三の丸尚蔵館で展示されている若冲の傑作「動植綵絵(どうしょくさいえ)」が気になって仕方がない。9月10日が会期末ということもあり、宮内庁三の丸尚蔵館に行ってきた。・プライスコレクション訪問時のブログ・東京国立博物館オフィシャルWebサイト・宮内庁三の丸尚蔵館オフィシャルWebサイト 宮内庁三の丸尚蔵館は、皇居の大手門近くにある。それにしても久しぶりの皇居だ。前回いつ来たか思い出せない。皇居も三の丸尚蔵館も入場料は無料である。皇居大手門。お堀で毛繕いをしている白鳥(?)「動植綵絵」は、若冲が京都相国寺に寄進するために書き上げた三十幅の名品である。その後、明治になって相国寺から皇室に献上されたため、現在は宮内庁が管理している。今回は「花鳥-愛でる心、彩る技 <若冲を中心に>」という展示会の一環として「動植綵絵」が展示されている。 中に入ってみると意外に狭い。展示室は1室だけだ。今回は「動植綵絵」六点を含む合計二十数点の作品が展示されていた。「動植綵絵」は修復が完了したばかりということもあり、とても美しい。若冲は裕福だっただけに、いい絵の具をたっぷり使っているという印象だ。 時間もお金も、それに才能も持ち合わせていた人物が、相国寺寄進という気合いを入れた書いたものだけに素晴らしい。単品で見ればプライスコレクションで展示されていたものでも、これを上回る華麗さの掛け軸は無いと思う。宮内庁三の丸尚蔵館 しかしながら、いかんせん展示作品数が少なすぎる。ちゃんと調べればわかったのだが、三十幅が同時に展示されていると思っていただけに物足りなさが残る。係員に、「若冲の展示これだけなんですか?」と聞いていた入場者を何人か見かけた。その気持ちはわかる。皇居観光のついでに三の丸尚蔵館だったらそれでも満足なのだが、「動植綵絵」三十点を思い描いていると物足りない。 ということで、急遽二度目のプライスコレクションを見るために、上野に行くことにした。東京駅ドーム天上のライトアップが美しい。 会期末ということもあり、とても込んでいるようだ。到着したときには20分待ちとの案内が出ていたので、先に本館を見ることにした。久しぶりの本館。東京国立博物館にはよく来ているのだが、いつも終了間際に来るので特別展しか見ないことが多い。1年ぶりに見てみると展示替えで全然様子が違っていた。東京国立博物館内は原則撮影可能だとは知らなかった。もちろん特別展はダメ。夕暮れの平成館 若冲を満喫した一日だった。気が向いたら投票お願いします→
2006.08.26
コメント(2)
東京国立博物館で開催されているプライスコレクション「若冲と江戸絵画」展に行ってきた。はっきり言って、かなりお勧め! テレビのアート番組だけに取り上げられるだけではなく、最近はブルータスの表紙にもなって驚いているのだけれど、それだけ取り上げられる理由もわかる気がする。 とくにお勧めは、ガラスケースに入ってない展示室。ここにはおもに屏風が飾ってあり、ダイナミックな照明手法が使われている。この展示室では、ジョー・プライス氏の「日本美術を鑑賞する際、光の果たす役割は非常に重要である」という意志を尊重し、「フラットな照明こそ理想的」という従来の概念を覆し、効果的なライトアップや、時間に応じて段階的に照明角度を変えるなど、斬新な試みがおこなわれている。 また意外な掘り出し物は、同じ平成館の一階で開催されている「親と子のギャラリープライスコレクション 若冲と江戸絵画-あなたならどう見る? ジャパニーズ・アート-」だ。国立博物館が所有する、若冲と江戸絵画について、いろいろな見方を提唱している。 まだ見に行っていない方は必見。わたしも、もう一度行ってしまいそうだ。気が向いたら投票お願いします→
2006.07.30
コメント(2)
きょうは吉原治良展を見るために竹橋にある東京近代美術館へ。吉原治良のことは知らなかったのだが、誰にでも描けそうで彼にしか描けない円。というキャッチフレーズが気になっていた。楽天ブログでその昔、「ピカソなんてゲルニカ一枚あればいいんだ」と豪語していた作家がいましたが、正にそんな感じです。どうぞその一枚、不滅の円を見るために行って下さい。と書いている方がいたので行ってみることにした。ゲルニカに衝撃を受けた一人としては、好奇心がくすぐられる。Nikon D50 + Tokina AT-X124PRO DX 12-24mm F4Nikon D50 +Nikon AF DX Fisheye Nikkor ED 10.5mm F2.8G 天気が悪かったのと、これだけ縮小してしまうと、オリジナルの良さが伝わりづらい。 で、吉原治良展。若いころの魚や海などの絵画から、後半の抽象画までかなりの作品点数。時期によってスタイルが変わっていく様子がよくわかる。抽象画は得意じゃないので、まあ仕方ないとして、さすがにコピーにも使われている円の絵には引かれるものがあった。 特別展を鑑賞後は一般展示へ。久しぶりに行ったら、展示替えで展示品目が結構変わっていた。この美術館にあるアンリ・ルソーが好きなのだけれど、貸し出し中なのか、それとも倉庫なのか、展示されていなかった。う∼ん。残念。気が向いたら投票お願いします→
2006.07.17
コメント(0)
群馬の高崎にある山田かまち水彩デッサン美術館に行ってきた。昨年(2005年)の夏に、テレビ東京の「美の巨人たち」で紹介されてから、いつかは行こうと楽しみにしていた美術館だ。 もっとも今回の場合、夕方から大宮のさいたまスーパーアリーナでPRIDE GPが開催されるので、遠征ついでということもある。 「美の巨人たち」は、テレビ東京系列で放映されている番組だ。毎回1枚の絵をテーマに、その絵画に潜むビハインドストーリー織り交ぜた美術エンターテイメントだ。番組開始当初から見ていて、もっとも好きなテレビ番組の一つだ。 最近1年間の傑作は「山田かまち」と「ウイリアム・ホガース(前編), (後編)」。 ホガースは日本ではそれほど知られていないが、ターナーと並ぶイギリスの画家だ。この番組がきっかけというわけではないが、ロンドンまで見に行ってしまった。ナショナルギャラリー最高! サー・ジョン・ソーン美術館渋い。ロンドンいいっす。 話は戻って、山田かまちである。 山田かまちの詳細は関連のWebサイトを見ていただくとして、1977年に17歳で亡くなったごくふつうの青年である。別に画家や芸術家ではない。生前に残した絵や詩が評判を呼び、ついには美術館まで開設されることになった。 Wikipedia 山田かまち Rosea's Page!(山田かまち) 美の巨人たち「山田かまち」 美の巨人たちを見る前から、なぜか「山田かまち」という名前は知っていたが、ギターで感電死ということもあってミュージシャンだと思っていた。美の巨人を見て驚いたのは、小学3年生のときに描いた動物のスケッチだ。 さらっと描いたディテールの荒い絵なのだが、動物の造形をとらえる的確な描写力。絶妙な色彩感覚。圧倒的な躍動感。ピカソは子供の絵を好んだというが、ピカソがかまちの絵を見たら飛び上がって喜んだに違いない。 かくして美術館に行くことになった。高崎駅の風景。大宮や仙台もそうだけど、東北新幹線の主要駅は作りが似ている 高崎駅から美術館まではタクシーで10分ほど。バスも出ているのだが1時間に1本程度しかないので当てにはできない。美術館は、高崎観音のふもとにほど近い、通りから1本入った住宅街にある。美術館の入り口 展示している水彩画やデッサンは、たぶん40点くらい。小さな2階建ての美術館だ。 入るとすぐに小学校3年生のときに描いた動物の水彩画が展示されている。この絵が残っていたのは、この絵に感銘を受けた美術教師が大事に保存していたためである。そこまでの絵を描くかまちもすごいが、絵を保存していた教師もすごい。 15歳頃の絵になると小学生のときの奔放さは消え、ビートルズを主題にしたカラフル絵画や、内面的な心のみだれを表すようなシリアスな絵画になる。 実際の絵は著作権の問題があるためここには載せていない。上部のリンクを見て欲しい。 同時にノートに書き残した詩も展示されている。思春期の少年少女たちが持つ思いにあふれている。かまちの「僕には24時間では足りない」という口癖からもわかるように、圧倒的な力を感じるのだ。きっとかまちは、同世代の人間と比べて、感受性や真剣さや思いこみが何倍も強かったに違いない。 館内には寄せ書きのノートが置かれており、感動の言葉が後を絶たない。わたし自身、青春の甘酸っぱい日々を思い出しつつも、かまちの持つあふれんばかりの感情に驚くのであった。 絵や詩以外にも、使っていたステレオや絵の道具な道具が展示されている。資料として、かまちが掲載されている現在の教科書が展示されていた。教科書にまで載るのはすごい。 また驚いたのは、山田かまちの小学校の同級生にBOØWYの氷室京介と松井恒松がいたということ。これだけの才能が一つの小学校に固まっていたこともすごいが、氷室ってけっこうおじさんだったのねん(1960年生まれ?)。山田かまち水彩デッサン美術館交通:JR高崎駅西口からタクシーで10分(千円くらい)、徒歩だと25分。本数は少ないがバスあり。住所:群馬県高崎市片岡町3-23-5時間:10:00 - 18:00(最終入場17:30)休日:水、年始年末撮影:不可料金:\500URL:http://machi.goo.ne.jp/027-324-3890 美術館をあとにして、すぐ裏手にある高崎観音に向かう。当初行く予定はまったくなかったのだが、来る途中のタクシーの運転手に「ほかに見ておいた方がいいものある?」と聞いたら「近いし名所だしお勧め」といわれたので行くことにした。 タクシーの運転手には歩いて10分といわれたが、山のふもとには徒歩3分という看板があった。ラッキーと思って登り始めたのはいいが、いくら登ってもなかなか着かない。ひたすらこんな山道道ばたに咲いていた知らない花 途中で写真を撮りながらのろのろ登っていたこともあり結局15∼20分もかかってしまった。暑いこともあって、日ごろ運動不足の体に山道はこたえる。 ようやく観音様に着いたと思ったらすぐにバスが来た。とりあえず写真だけ撮ってバスに飛び乗る。このバスを逃したら次は2時間後。高崎まで歩いたら40分。疲れ切った体は「バスに乗れ」と指示するのであった。時間不足で観音様の足元まで行けなかった。参道のお店と観音様時間不足でここまでしか近寄れなかった 帰路の途中に市営の美術館らしきものがあったので立ち寄る。無料の美術館で小規模な展示会がいくつか開かれていた。無料のギャラリーもいいですなあ。世田谷美術館も無料にならないものか。高崎シティギャラリー 驚いたのはギャラリーの隣にある高崎市役所。県庁ならまだしも市役所がこんなに立派だとは。町並みから完全に浮いている。それにしても日本の建築物って、どうして一貫性がないのだろう。高崎市役所庁舎 以上で高崎遠征は終了。山田かまちについてはたくさん書籍も出ているので、興味のある方はどうぞ。山田かまちの本を探す> ところ変わって、さいたまスーパーアリーナ。グランプリということもあり、ものすごい人混み。さいたまスーパーアリーナ 高田があいさつに登場。フジテレビ問題について言及すると思ったら、直接は触れずに、プライドへの思いを考えて一試合一試合を見て欲しいというメッセージ。そしてサイモン&ガーファンクルの「明日に架ける橋」をBGMに、PRIDE復活を誓うビデオ映像が流された。このあたりの映像の作りはうまい。高田延彦語る PRIDEの試合内容もほぼ満足。 楽しくて、忙しい1日だった。気が向いたら投票お願いします→
2006.07.01
コメント(0)
先週に引き続き美術館巡り。上野の東京都美術館で開催している「プラド美術館展」へ。久しぶりの晴れということもあり、一眼レフ野外撮影デビューもかねて上野に行った。 上野公園に到着。相変わらず人が多い。噴水の向こうに見えるのは国立博物館Nikon D50, AF-S DX Zoom Nikkor ED 18-55mm F3.5-5.6G, 1/250, F10, 0EV, ISO 220 こんなに緑はあるのに良い被写体になりそうな花が全然ない。それでようやく見つけたのが、東京都美術館前のあじさい。Nikon D50, Tamrom SP AF90mm F/2.8 Di Macro, 1/320, F3.2, 0EV, ISO 200, 絞り優先オートNikon D50, Tamrom SP AF90mm F/2.8 Di Macro, 1/200, F3.2, 0EV, ISO 200, 絞り優先オート これだけ縮小すると、どのくらい描写が伝わるかわからないけれど、一眼レフの経験が少ないわたしにとっては結構感動。今思うとFinePix F30と撮り比べれば良かった。 ようやく東京都美術館に入場するも、写真を撮り疲れてすでにバテ気味。また会期末ということもあって結構込んでいた。 今回のおもな展示は、ティツィアーノやエル・グレコ、ルーベンス、ベラスケス、ムリーリョ、ゴヤなど。それなりの大作もあるし、作品点数も多く、結構良い展示会ではないだろうか。 驚いたものを1点挙げるとすれば、スルバランの静物画。まるでそこにあるような超精密描写。ダリに似ていると思ったら、ダリが影響を受けた人物の一人らしい。スルバランの詳細は、このWebページが詳しい。 またゴヤの「魔女の飛翔」を見れたのも良かった。 両作品とも以前プラド美術館を訪問したときには見逃した(or 気づかなかった)もの。 強いてリクエストを挙げれば、個人的にプラドといえばゴヤなのだが、ゴヤは小作品にとどまっていたのが残念。まあゴヤの大作を、簡単に海外に出すとは思えないが。気が向いたら投票お願いします→
2006.06.25
コメント(0)
渋谷Bunkamura ザ・ミュージアムで開催されている「ポンペイの輝き」展に行ってきた。雨ですいているかと思ったけれど、子供連れも多く意外に込んでいた。 ここのところ精神的な余裕がなくて美術館に行ってなかったけれど、久しぶりもいいですなあ。なんて思っていたら藤田嗣治展の東京開催が終わって、京都に行ってしまった。昨年は京都に行かなかったので、藤田を追いかけて京都に行くべきか? 夏休みの課題にしよう。 で、本題のポンペイ展。昨年(2005年)現地を訪れたときには、壁画や宝物などが所蔵されている「ナポリ国立考古学博物館」に行かなかった(そのときの模様はこちら)。そんなこともあり、今回は壁画や宝物がたくさん展示されているということで、リベンジをかねて行くことにした。 ポンペイで思い出すのは、小学生のころ、銀座(日本橋?)のデパートで開催されたポンペイ展に家族で行ったこと。被災者の石膏の型どりを見て、結構ショッキングだったことを覚えている。 今回の出展内容は、発掘された指輪やネックレスなどの宝物を主体に、被災者の型どりや壁画などが展示されている。 宝飾品は、よくここまで復元したと感心するほどきらきらに磨かれている。壁画も所々壊れているものの2千年近い年月を感じさせない美しさ。埋没していたことが酸化や風化を防止したのか。いずれもすばらしいコンディションだった。 また石膏の型どり以外にも、最新のテクノロジーで作った集団白骨死体のレプリカがあった。これは実物の見まがうばかりのリアルさ。そのときの情景が思い浮かぶ。 ポンペイの遺跡とは違う魅力がある美術展だと思う。また実物のポンペイの遺跡に行っている人でも「ナポリ国立考古学博物館」まで行っている人は少ないと思うので、それなりによいのではと思う。 観覧後は、ついでに東急本店の地下ワイン売り場へ。すると知り合いが二人もいた(笑)。有料テイスティングコーナーで、1アイテムだけを試飲。2002 Paleo Rosso(Le Macchiole) 2001年からカベルネ・フラン100%になったパレオ・ロッソ。2002年のイタリアは避けていたけど、なかなかどうして。エレガンスで素直においしい。十分価格以上の実力だと思う。気が向いたら投票お願いします→
2006.06.18
コメント(0)
NHKの新日曜美術館で紹介されていた東京美術倶楽部主催の「大いなる遺産 美の伝統展」へ行ってきました。・「大いなる遺産 美の伝統展」のページ この展示会のテーマは、美術商が扱ってきた日本の名品を紹介するというもの。明治期以降の近代絵画と、国宝を中心とする古美術が展示されています。 場所は、新橋から浜松町に向かって10分ほど歩いたところにある東京美術倶楽部「東美アートフォーラム」。開催期日が2006年2月26日までとはいえ、有名じゃないし、日曜のオフィス街に人はいるのかなどと思っていると、この建物には続々と入場者がいます。さすがテレビの威力。展示室はビルの3、4Fです。 入場券を購入して4階から鑑賞。ほどほど混んでいます。4階は、明治以降の近代日本絵画。日本画もあれば洋画もあります。超大作はないものの、光る佳作がたくさんあります。 とくに良かったのは伊東深水の美人画。ティッツィアーノにも通じるエロティックさを感じます(もっとそこはかとないですけどね)。テレビで紹介していた岡田三郎助の「あやめの衣」もすばらしい。もちろんこれ以外にもすばらしい作品がたくさんありました。 3Fは、12~13世紀の陶磁器を中心に、国宝が少し展示されています。国宝のエリアは入場制限されていて、わたしが訪問したときは約15分待ちでした。 感想としては、小さな展覧会だと思っていたのに、意外にたくさんあってびっくり。100点近くあり見応え十分。また今回は個人所有のものや特定団体のものが半分を占め、残りが各地の美術館ものです。めったに見れないものも多く、入場料¥1400は十分見合うものだと思いました。残念だったのは、展示品替えで見れなかった、野々村仁清のつぼ。こんど熱海のMOA美術館まで見に行こうかな。
2006.02.19
コメント(0)
全85件 (85件中 51-85件目)