サカナ男爵の本とゲームにおぼれて

黒うさPといえばモンスターヒット「千本桜」の生みの親です。
ボーカロイドをほとんど知らない人でも千本桜は知ってるという人もいるくらい有名ですね。
去年Mステにミクが出演した時もこの歌を歌いましたね。


本作はその黒うさPのベストCDです。
その魅力はロマンチックな歌詞と、それを盛り上げる音楽だと思います。
さらに曲によって色々なボーカロイドを使い分ける技量もすばらしいと思います。



【全曲一口レビュー！】
1.千本桜
　黒うさPだけでなくボーカロイドを代表する一曲ですね。さあ光線銃を撃ちまくれ！


2.Cyclone
　抑え気味な歌い口でありながら情熱的な曲です。
「そっと抱き寄せても　見えそで見えない心」が好きです。


3.キズアト
　別れた後の寂しさを歌った曲でしょうか。
　別れても相手が好きというのも切ないものですね。


4.リスキーゲーム
　男と女の、恋の駆け引きですね。
　バイオリン（？）の上品な旋律が一層オトナ感を醸しています。


5.恋愛フィロソフィア
　恋愛泥棒な歌ですね。
「さあいつだって　右倣え　左には何があるだろう」が好きです。


6.それって嘘でしょ？
　本心を隠してつきあってる。でも「それって嘘でしょ？」と見透かされてる。そんな歌でしょうか。
　歌詞がそのまま小説のようです。


7.紅一葉
　失って気づくありふれた幸せ。そんな切なさと、その想いを胸に前を向こうとする強さを感じます。
「ただ寄り添えば　わかりあえると　悲しみは空に消えるだけ」が好きです。


8.虹色蝶々
　人の優しさに触れた蝶の恋でしょうか。それとも恋人に寄り添う自分を蝶に例えたのでしょうか。
「『願わくば、忘れて』と……其れが最初で最後の嘘」がすごく切ないですね。


9.三日月姫
　和風ロックと言えるでしょうか。
　アップテンポでリズムのいい曲を、息の合った鏡音きょうだいが歌い上げます。


10.最後の女王
　題名がとても詩的で好きです。ルカ姉さん推しとしてはチェックな一曲です。


11.ACUTE
　三角関係の歌ですね。ドロドロしたテーマを妖しい旋律で表現しています。
　YouTubeで観たPVがとても痛々しいです。
　曲のレビューから離れますが、アーケード版の映像が秀逸でした。
　照明で三角形に照らされた舞台、大きく周回しているカメラワークが不安定さをよく表していると思います。


12.ReAct
　前曲ACUTEの続編のようです。
　恋人と親友を失い、心身ともに傷ついた少女。彼女を励ますつもりが再び三角関係へと……
「繰り返す色のない世界でまた　飽きもせず傷を増やしてく　サヨナラがいつかくると知っていて　行き場もなく彷徨う」が切ないです。
　人を好きになるのは尊いことのはずなのに、三角関係は誰も幸せになれないのですね。


13.カンタレラ～grace edition～
　KAITOもV3となり、さらに曲が洗練されました。
　個人的にはかなり好きな一曲です。


14.上弦の月
　和風なしっとり感がすごくロマンチックな曲だと思います。


15.2525遊園地
　明るく幻想的な曲です。こうした曲が作れるのも黒うさPの魅力でしょうか。


16.シャララ
　聴くとほっとする曲です。
「肌の色が違うって？　祈りもバラバラだって？　この唄は平等に届くだろう？」とか
「よくある事で争う事もあるし　すれ違いして泣き笑いもあるさ　そんな時は　こんな唄を」が好きです。
　本当にこんな世界になったらいいなと思います。


Bonus Track.千本桜
　こちらはミクだけでなく全員で歌っている大合唱バージョンです。こちらも聴き応えありです。




付属のDVDには「千本桜」、「恋愛フィロソフィア」、「シャララ」のPVが収録されているので、そちらもどうぞ。


このレビューを書くために改めて歌詞カード読みましたが、それぞれの曲で小説が書けそうなほどロマンチックで洗練された世界に驚きました。
作風、曲調、歌い手を様々に使い分ける黒うさPの魅力に触れてみてください。

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