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50代からでも間に合う新NISAとiDeCoのご紹介です。NISAが制度改正され、資産形成に興味を持つ方が増えたと思います。とはいえどうしたら良いかわからないし、投資というと怖いイメージがあるかもしれません。本書は人生を重ねた50代から始める資産形成や新NISA、iDeCoを解説した本です。50代からでも間に合う新NISAとiDeco[本/雑誌] (ONE PUBLISHING MOOK) / 横山光昭/監修【資産形成の基本】昔は銀行の金利が8%あった時代もあり、その時は銀行に預けているだけで資産が増えていきました。一方今の金利は0.01%程。預金だけでお金を増やすのは困難です。そして現代は寿命が延び、年金だけで生活費を賄うのも難しいでしょう。資産形成の基本は「長期」「積立」「分散」です。短期間で大金を得ようと思ったら、やはりリスクがあります。時間をかけることでリスクを抑えることができます。決まったタイミングで一定額ずつ積み立てることで、相場を気にせず投資ができます。そして投資先を分散させることで、値下がりのリスクを抑えられます。この長期、積立、分散の要素がすべて入っているのが投資信託です。そのため投資初心者はとりあえず投資信託1本でも安定した資産形成が可能です。50代から積み立てを始めるのは遅いのではと思うかもしれません。ですが現在は定年が65歳になりました。50歳から始めても15~20年は投資ができます。どうせ始めるなら節税効果のあるNISAとiDeCoを利用するのも有効であると言えるでしょう。【新NISA】NISAは投資による利益が非課税になる制度です。旧NISAにあった投資可能期間の制限が撤廃され、より使いやすい制度になりました。本書ではネット証券での口座開設の仕方や、旧NISAからの変更手続きについても解説されています。【iDeCo】iDeCoは自分で掛け金を拠出して運用して老後に受け取る制度で、年金に上乗せするようなイメージです。原則途中解約ができず、60歳になるまで受け取ることができません。ですがNISA同様運用益は非課税で、掛け金は所得控除の対象です。老後に備えながら節税効果もあるのが魅力です。【出口戦略】老後に備えて準備した資産。ではどういったタイミングで取り崩せば良いのでしょうか?年金の繰り下げ受給はするべきかとか、取り崩す時に相場が暴落した場合はどうするかなど、取り崩す時のポイントが解説されています。タイトルにもあるとおり、本書はやや年上の人向けに書かれています。100ページ未満なうえに図も多く使われていて読みやすいです。また、ネットでの口座開設のやり方や老後の資産の受け取り方についても説明されています。各制度を解説した本は多くありますが、こうした部分について書かれたものは少ないように思います。老後が不安、資産形成に興味があるけど何をしたらいいか分からないといった方にぜひお勧めの一冊です。よかったらクリックお願いします。にほんブログ村
2024.03.03
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栃木の怖い話のご紹介です。栃木県に関する怪談を集めた一冊です。【中古】単行本(小説・エッセイ) ≪日本文学≫ 栃木の怖い話【中古】afb【栃木の心霊的名所ピックアップ】日光市ウェスタン村ウェスタン村は吾輩が子どもの頃よくテレビでCMが流れていました。1974年に開業し日光江戸村と並んで有名な観光地でした。2006年にメンテナンスのため休業し、そのまま廃墟になってしまいました。この本に収録されているお話は怖かったです。長く人が出入りしていた場所は何かが残るのでしょうね。中禅寺湖中禅寺湖は日光市にある大きな湖で、かの華厳の滝に流れています。どういうわけか遺体が浮かびにくいそうで、穏やかな自然とは裏腹に華厳の滝と並んで自殺の名所となっているそうです。また遺体があがりにくい性質のため、その筋の人たちの御用達になっているのだとか……百目鬼宇都宮市には百目鬼(どうめき)という鬼の話が伝わっています。100の鬼を従えていたのですが鬼の世界に嫌気がさし、宇都宮市塙田町にある本願寺というお寺で人間に生まれ変わったという伝承があるそうです。また室町時代に宇都宮にいた藤原秀郷が100の目を持つ鬼を退治した話もあるそうです。ちなみに藤原秀郷は大ムカデを退治した話が有名で、吾輩の住む地域では秀郷祭りというお祭りが催されています。大中寺栃木市にある大中寺には、大中寺の七不思議と呼ばれる話が伝わっています。吾輩も幼い頃何度か訪れたことがあります。観光スポットとしても紹介されています。ケンちゃんハウス精神疾患を患っていたケンちゃんという少年が家族を惨殺したとされる「ケンちゃんハウス」。ケンちゃんハウスは3つ候補があるそうで、そもそもそうした惨殺事件自体が特に記録が無いそうです。本書の言葉を借りれば「噂が噂を呼ぶ」のでしょうね。華厳の滝観光スポットであると同時に自殺の名所としても有名な華厳の滝。筆者である由乃さんが実際に訪れた時の話が収録されています。荘厳な雰囲気であり自殺の名所を連想させるような不気味さは無かったのですが、供養像と銘板を見た時、亡くなった方の冥福を祈る気持ちが湧いてきたとのことでした。自殺の名所というと引きずり込まれそうな気味の悪いイメージがありそうですが、華厳の滝は観光地と自殺の名所という2つの面が両立しているように感じました。テレビなどで地元が取り上げられるとテンションが上がるのが田舎者の習性ですが、吾輩も「わ~、こんな所あるんだ~」とか「うげ、これたぶんあそこじゃん」とか言いながら読んでおりました。心霊方面のガイドブックとして役立つかもしれませんね。よかったらクリックお願いします。にほんブログ村
2023.07.30
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稚心を去るのご紹介です。劇的優勝を飾ったWBCの監督を務めた栗山英樹さんの著書です。稚心を去る 一流とそれ以外の差はどこにあるのか [ 栗山 英樹 ]【WBCフィーバー】栗山さんはラジオのNack5でコーナーを持っていたこともあり、何となく名前を知っていました。WBC優勝で栗山さんの著書に注目が集まったので、買ってみました。本書は最初と最後に栗山さんの考えや心構えが書いてあり、中盤は7年の監督人生を振り返る内容になっています。ここで一つ問題が。WBC優勝の勢いで買ってしまいましたが、吾輩は大谷翔平しか知らないレベルで野球に疎いです。そのため中盤の部分は「あの試合の○○の局面が……」とあってもさっぱり分かりませんでした。それでもつい買ってしまったのはWBC効果でしょうか。【貴重な監督の備忘録】栗山さんは「人間力」を高めることに力を入れているそうです。プロで野球をする場合、当然相手もプロレベルなので毎回勝てることはありません。負けた時やうまくいかない時でも自分を高める材料にできるか?そうなると野球の技術を磨くだけでは不十分で、人間力を高めなければならないのでしょう。また、プロ野球の選手は野球少年たちの憧れであり、試合をするには多くの裏方に支えられる存在です。さらに影響力の大きい存在であるので、プロで野球をするには人間力が必須であると考えているようでした。監督は重責のかかる仕事です。采配が適切であったかどうかは結果論であり、正解はありません。正解が無いものについて最善を尽くし、結果を受け入れる覚悟が必要です。そんな厳しい立場で栗山監督が何を考え、どう判断したのか。栗山監督自身の言葉で書かれているので、野球ファンの方や指導者を目指している方は一層楽しめる本であると思います。よかったらクリックお願いしますにほんブログ村
2023.06.11
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家康クライシスのご紹介です。大河ドラマで注目の集まる徳川家康。本書は家康の人生を振り返る一冊です。家康クライシス 天下人の危機回避術/濱田浩一郎【3000円以上送料無料】【徳川家康ヒストリー】家康クライシスというタイトルや、サブタイトル「天下人の危機回避術」から、家康の直面した困難を通して危機回避を学ぶビジネス書なのかと思いました。実際に読んでみると危機回避術というよりも徳川家康ヒストリーといった趣でした。徳川家康という人物に焦点を当て、その一生をつぶさに振り返るという内容です。雑誌の特集などでは三方ケ原の戦いや関ヶ原の合戦といった有名なエピソードの紹介にとどまることが多いかと思います。本書は一冊まるごと使って家康ついて語っているので、内容はかなりしっかりしています。彼の人生に起こった戦いや事件を紹介するだけでなく、それが起こるに至った経緯についても細かく書かれています。また、家康の祖父の時代から書かれているのも他の本ではあまり見ないように思います。【戦いは合戦のみにあらず】印象深かったのは、本能寺の変から関ヶ原の合戦付近でした。天下人として上り詰めようとしている豊臣秀吉に従うか敵対するか、これは大きな選択であったと思います。秀吉と直接戦っては、おそらく柴田勝家のように滅ぼされていたように思います。秀吉は家康を江戸に飛ばしたり、あらゆる無理難題を吹っかけて来ます。これは家康の力を削ぐ目的もあったでしょうが、家康がキレて戦いを挑んで来れば潰してしまおうという挑発であったように感じます。こうした罠を躱しながら10年以上秀吉に仕えたのは冷静な危機回避であったと思います。秀吉亡き後も駆け引きは続きます。五大老として頭角を現しますが、他の大老や五奉行という有力者がいます。おかしな動きを見せれば「秀吉様の遺言に反する」として追い落とされる口実を与えてしまいます。表立って角を立てないようにしつつ、有力者同士の対立もたくみに利用していく手腕は見事としか言いようがないです。こうした合戦以外の場での戦いは雑誌の特集などで描かれることはあまり無いように思いますが、こうした駆け引きがサブタイトルにある危機回避術であると思います。【歴史を見る面白さ】本書を読んでみて、歴史を見る面白さを感じました。歴史は実際に起こったことですが、我々はそれを直接見ることはできず、資料などを通して触れることになります。その資料についても正確性や解釈によって歴史の見え方が変わって来ると感じました。徳川家について多く書いている資料としては「三河物語」が有名ですが、同じ物事に関しても織田信長の一代記「信長公記」と内容が違っていたりします。本書では三河物語が頻繁に出て来ますが、他の資料も多く使ってなるべく客観的な事実を伝えようとする姿勢を感じました。資料によって特定の家を贔屓して書かれていたり、戦力や戦果を盛っていたりと、正確に歴史を捉えるのは難しいと感じました。一方で資料にもこうした人間臭さが感じられるのがまた面白かったです。どうするの連続だった家康の人生。そんな彼の一生をじっくりと振り返ることのできる一冊でした。よかったらクリックお願いします。にほんブログ村
2023.05.14
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がんばらない戦略のご紹介です。みなさん日々色々なことにがんばっていると思います。ですが、がんばっているのに結果が出ないことも多々あるかと思います。結果が出ないのはがんばりが足らなかったからでしょうか? 決してそればかりではないはずです。本書ではがんばらなくても結果を出せるちょっとしたコツを紹介しています。内容は大学のミニ同窓会の席で、がんばっているのに結果が出ない教え子たちのために、教授が話してくれた物語形式で語られています。本の大半はこの物語になっているので、結構すんなり読めます。最後に内容のまとめが書いてあるので、時間が無い人や物語がウザいと感じた人も分かりやすい仕様になっています。がんばらない戦略 99%のムダな努力を捨てて、大切な1%に集中する方法 [ 川下和彦 ]【ガンバール国とガンバラン王国】ある所にガンバール国という国がありました。大人から子どもまでみんながんばっているのに、苦行レベルにうまくいっていません。お隣のガンバラン王国は「ガンバらない」ことが国のルールなのにスポーツではメダル続出、お金持ちで幸福度が高いです。ガンバール国に住むミサキはがんばる生活に嫌気がさし、ガンバラン王国の様子を見に行くことにしました。そこで出会った人々とのやりとりを通して、ミサキは自分の常識が大きく揺さぶられるのでした。【本書のエッセンス】本書ではがんばらなくても結果を出すための十ケ条が述べられています。それらは「自動化」に集約されているように感じました。スティーブ・ジョブズはいつも同じ服を着ていたというのが有名な例ですね。人間は1日に重要な決定は10回しかできないのだそうです。それ以外の日常的な決定も、その10回の決定を細切れにして使っているのだそうです。つまり余計な決定が多ければ多いほど、意志力を消耗しているということです。そのため日々行っているルーティーンは手順や時間を同じにするなど、自動化する(意志の力を使わない)ようにすると疲れることも少なく、重要な決定にエネルギーを割くことができます。吾輩もちょっと試してみたのですが、これは効果がありました。仕事をする時などもついがんばってやろうとしてしまうのですが、普段こなしている業務についてはなるべくシステマチックやるようにしました。すると疲れ方がだいぶ違いました。どのみちやならなければならない仕事は自動化することで、突発的に起こったことにも余裕を持って対応できるようになったように思いました。本書は手軽に読めてすぐに効果のある内容でした。日々ついがんばってしまう人たちも、ちょっとだけ常識を揺さぶってみると良いかもしれませんね。よかったらクリックお願いします。にほんブログ村
2023.04.09
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プレジデントの「徳川家康 長生きの秘密」のご紹介です。大河ドラマ「どうする家康」が始まり、様々な本で徳川家康が取り上げられています。雑誌プレジデントでも特集が組まれていたので読んでみました。プレジデント[本/雑誌] 2023年2月17日号 徳川家康 長生きの秘密 (雑誌) / プレジデント社【「人生の壁」の超え方】武田信玄に大敗を喫した三方ケ原の戦いや豊臣秀吉から関東移動を命じられたり、家康の人生には合戦だけでなく政治的にも多くの困難がありました。本項では家康の人生における10の大きな決断について、解説と教訓が書かれています。各エピソードについて解説がついているので、歴史に詳しくなくても分かりやすくなっています。読んだ印象としては、家康は辛抱強さと冷静さ、学ぶ姿勢を持っていたように思います。家康は今川の人質となり、信長と同盟を結び、本能寺の変の後は豊臣秀吉の臣下となったように、常に「目の上のたんこぶ」がいました。彼らと全面的に争うことをせず、さりとてただ耐えるだけでなくじっと力を貯えていました。特に秀吉に関しては関東に飛ばされたりしてもめげたりせず、10年以上彼の臣下を務めてチャンスを待ちました。合戦だけでなくこうした長期的な戦い勝利できたのも、彼我の力を冷静に分析した結果でしょう。そして家康は散々苦戦させられた武田信玄等からも優れた所を積極的に手本としました。こうしたこだわりなく学び続ける姿勢が、人生を重ねる程に力を高めることにつながったように思います。【間違いだらけの家康像】徳川家康と言うと「我慢の人」「タヌキ親父」というイメージがあると思います。家康は幼い頃今川で苦しい人質時代を過ごし、信長の命令で妻と子を切腹させ、晩年は老獪なタヌキ親父……そんな風に描かれることが多いかと思いますが、本項はこうしたイメージがそうでもないと述べています。江戸時代において徳川家康は「神君」であり、神にやましいことは無いことにしたいのです。それゆえに後世に歴史の描き方が変わっていたことが大きいとのことです。歴史は勝者の歴史と言いますが、まさにそんな感じでしたね。【健康オタク家康による、日本人に合った科学的に正しい健康習慣】徳川家康は健康オタクであることも有名です。ライバルよりも長生きすることも戦いのうちであったため、健康維持も重要なポイントでした。本項では食事、運動、薬の観点から家康の健康法を検証しています。やはり今も昔も栄養バランスと運動が大事なのだなと思わされました。【戦国武将に学ぶ人生失敗の本質】織田信長や武田信玄等、家康に限らず天下を手にできそうな武将は多くいました。ではなぜ彼らは天下を取れなかったのでしょうか?本項ではそんな武将たちの人生から得た教訓について書かれています。この項目は面白かったです。読めば皆ちょっとしたことで天下を逃していると感じました。ここまでくるともはや天下を取るのは「天命」とも言えるのではないかと思いました。大河ドラマが始まって注目の集まる徳川家康。彼の人生を学ぶことで、我々も得るものが大きいのではないかと思います。よかったらクリックお願いします。にほんブログ村
2023.02.26
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人は、なぜ他人を許せないのか? のご紹介です。SNSを見ると、そこかしこに怒りが渦巻いています。不倫をしている芸能人やテレビ番組の不謹慎な表現など「許せない」と感じることがしばしばあります。自分が被害を受けたわけでもなく直接関係も無いのに、相手に攻撃的な言葉を浴びせ叩きのめさなければ気が済まない。他人に「正義の制裁」を加えると、脳から快楽物質であるドーパミンが放出されるのだそうです。本書ではこうした正義を振りかざしたがる状態を「正義中毒」と呼び、他人に対して必要以上に怒りや憎しみを持たずに済むようなヒントを示しています。【中古】 人は、なぜ他人を許せないのか?/中野信子(著者) 【中古】afb【第1章 ネット時代の「正義」 他人をつるし上げる悦び】他人を許せないという感情は、人間の歴史と共に存在していたでしょう。ですが社会的立場や損得を考えて、むやみにその感情を表に出さないようにすることが多いと思います。それを「見える化」したのがインターネット、SNSだと言えるでしょう。誰でも手軽に匿名で情報やメッセージを発信できるようになったことが、正義中毒な人たちにとっては便利になったのでしょう。【第2章 日本社会の特殊性と「正義」の関係】日本ではみんなに合わせることが良いこととされ、みんなと違う行動をとるのは好まれません。一方ヨーロッパ圏では自分の意見を言わないというのは評価されません。こうした傾向は皆さんも折に触れて見聞きしてきたことであると思います。日本のこうした傾向はどのように醸成されたのでしょうか。日本は降雨量が多く高温多湿で台風も多く、風水害のリスクが高い国です。加えて地震も多いため、恒常的に防災の備えが必要になります。このような環境では、個人主義的な性質よりも集団で助け合っていく性質の方が生き延びるには有効であったため、こうした傾向を持つようになったのではないかと考えられます。【第3章 なぜ、人は人を許せなくなってしまうのか】哺乳類の多くが集団を形成して生活しており、人間は特にその傾向が強いです。集団に属することが生物としての安全性を高め、生活効率を良くするため、集団への所属と集団の維持そのものが目的となってしまいます。正しいかどうかではなく、自分の所属している集団を守り、違う考え方をした集団を攻撃することが優先事項になってしまうのです。人は自分の所属する集団以外を受け入れられず、攻撃するようにできています。そして自分たちの正義を壊す「悪人」を攻撃すると、快楽物質であるドーパミンが分泌されます。ニュースで事件や政治的な問題が起こるたびに「許せない!」と声があがり、ネットにも過激な書き込みが増えます。これはテレビの向こうにいる、自分とは無関係で安全に叩ける相手に対して攻撃を加えて快感を得ているのです。人は〇〇人はこうとか、男はこう、女はこうといったバイアスを必ず持っています。当然人種や性別に関係なく様々な人がいるのですが、こうしたバイアスでばっさりと判断してしまう方が考える必要がありません。バイアスは脳が手抜きをしている、ともいえるのです。そして他人に対して共感的に振る舞う機能は前頭葉の眼窩前頭皮質という領域が担当しています。ここは25~30歳くらいにならないと成熟せず、しっかりとした成熟には相応の刺激(教育)も必要です。さらに睡眠不足やアルコールで簡単に機能が低下してしまいます。成長に時間がかかるのに衰えるのは早い難儀な機能です。歳をとって頭が固くなり感情的になりやすいのは、この眼窩前頭皮質の機能が低下しているとも言えます。こうした機能的な面からも語っているのがさすが脳科学者ですね。【第4章 「正義中毒」から自分を解放する】正義中毒を乗り越えるカギとして、メタ認知能力を育てることが重要とのことです。他人を許せない状態も含めて自分を俯瞰して見る能力を鍛えることで、自分を客観視して正義中毒を抑えることができます。そして、対立ではなく並列で考えることが重要だと述べています。世の中にはどれだけ議論を尽くしても答えが出ないこともありますし、極限まで突き詰めれば「どうでもよいこと」です。自分の考えとは違うものでも、それぞれが並列して存在することを受け入れることが、不毛な正義中毒を抜け出す手がかりとなるでしょう。本作は予想以上に勉強になりました。うんざりする程聞き飽きた「欧米では……」みたいな話は無く、日本人の傾向についても一つの特徴として客観的に書いているのが良いですね。誰しもが陥る「正義中毒」を地理、文化、脳科学など様々な側面から冷静に分析しているのは学者ならではと言うところでしょうか。不毛な争いの溢れる昨今を生きる一つのヒントとなる一冊でした。よかったらクリックお願いします。にほんブログ村
2022.12.11
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必死すぎるネコカレンダー2023のご紹介です。何かに必死になっているネコの一瞬をとらえた写真集のカレンダー版です。2023必死すぎるネコ カレンダー [ 沖 昌之 ]【大人ネコの魅力が詰まったカレンダー】ネコの写真集やカレンダーというと子ネコが被写体になっているものが多いと思います。一方で本作では外猫や野良猫と思われる大人のネコが多く映っています。彼らは子ネコとは一味違った人生の厚みを感じさせました。個人的に好きなのはこの一枚です。表紙および1月に使われています。顔をかいているのか掴まっているのか分かりませんが、この何とも言えない表情が良いですね。【強く生きているネコたちの記録】生物学的に言うと、日本にいるネコは「イエネコ」と言って、人間に飼われていることが前提なのだそうです。つまり生物学的には野良ネコというものは存在しないそうです。ペットフードなどの改善により、今や20年生きる飼いネコも珍しくなくなりました。一方野良ネコは4、5年以内に死んでしまうのがほとんどです。野良ネコを取り巻く環境はそれだけ過酷なのですが、本作に収録されているネコたちにはそんな辛さを感じさせない力強さがありました。街の片隅で見かけたような、ネコたちの強さとかわいらしさを感じさせるカレンダーです。よかったらクリックお願いします。にほんブログ村
2022.10.16
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死ぬ十五分前に読む本のご紹介です。死ぬ十五分前に読む本/深見東州【3000円以上送料無料】【世を去る準備のための一冊】誰にでも必ず訪れる「死」。本書はこの世を旅立つにあたって、あの世の仕組みや準備しておくべき心のあり方について解説しています。死ぬことは霊界に行くことであり、死とは霊界での誕生であると述べています。しかし心や意識は生死に関係なく継続するものなのだそうです。だからこそ天国に行くにしても地獄に行くにしても、心の持ち様が重要であるようです。心は空気の法則と同じで、冷たいものは下に落ち、温かいものは上に昇るそうです。人は自分の心に合った所にしか行けないのだそうです。なので自分が冷たい所にいるなと思ったら、まずはその辺のものを片っ端から慈しんでいけばよいとのことです。【思いとは、すなわち執着心】本書は思いとは執着心であると述べています。地位、財産、名誉はイメージしやすいと思いますが、他にも「ああすればよかった」という後悔や、家族や恋人への思いもまた執着なのだそうです。こうした執着を手放すことで心が軽くなり、すっと上に昇れるのだそうです。中々難しいかもしれませんが、家族への思いも「まあおばあちゃんや子どもにもそれぞれの守護霊や魂の力があるから大丈夫だろう」くらいの気持ちでちょうど良いようですね。【格好いい臨終の言葉をつくろう】本書は格好いい臨終の言葉を作ることを勧めています。最期はいつ来るか分からないので、あらかじめ準備をしておく必要があるとのこと。平安時代は歌を送り合う習慣がありますが、恋人ができる前にあらかじめ歌を作っておくそうです。そして恋人ができたらすぐに別れの歌を作るのだそうです。先に歌を作っておくことで、適切なタイミングにあたかも今思いついたように歌を出すのがおしゃれだったのだそうです。深見さんの本はこうしたユーモアも入って来るので面白いです。生まれ変わりや前世の記憶といったものは存在すると言われています。そうであっても、人にとって死は(実感としては)未経験なものです。死んだ後のことやあの世の仕組みを知ることは、そうした不安を軽減させ、同時にどのように生きて行けばいいのかという道標になるのではないでしょうか。また各ページの脇には世界各国の有名な人たちの臨終の言葉が載っていて、考えるきっかけになるように思います。本書で語られていることはいたってシンプルですが、それゆえに信心深い人もそうでない人にも分かりやすい内容となっています。問題はこの本を15分で読み切れるかどうかということでしょうか(笑)。死ぬ十五分前に読む本/深見東州【3000円以上送料無料】新品はこちら。【中古】死ぬ十五分前に読む本 /たちばな出版/深見東州(新書)中古はこちら。よかったらクリックお願いします。にほんブログ村
2022.06.26
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面白いほどよくわかるマキャヴェリの君主論のご紹介です。帝王学の教科書として知られる君主論。小さな集団のリーダーから国家のかじ取りを担う者まで、人の上に立つには術が必要になります。きれいごとを排した非情の倫理はリーダーのあり方について重要な示唆を与えてくれます。本書はその君主論について解説をした本です。【中古】面白いほどよくわかるマキャヴェリの君主論 人間と組織の本質を説く権謀術数の書! /日本文芸社/金森誠也(単行本)【君主論の成り立ち】君主論を書いたニコロ・マキャヴェリが生きた時代、日本は室町時代末期で群雄割拠の戦国時代でした。マキャヴェリの故郷イタリアも似たような状況で、王が乱立するだけでなくローマ教会が勢力拡大を図り、神聖ローマ帝国の王たちも支配域を広げようと介入してきていました。そんな中マキャヴェリはフィレンツェ共和国の第二書記官(軍事外交官)を務めていました。一歩間違えば戦争になるような状況の中で積み重ねられていった実感が君主論へと繋がって行ったものと思われます。ですがマキャヴェリは使えていた君主が交代した際に失脚してしまいます。そこで再起をかけて書いたのが君主論でした。しかし君主論が出版されたのはマキャヴェリの死後であり、その後も悪徳の書として排撃され続けてしまいます。そして18世紀に入りルソーやモンテスキューが支持したことにより、ようやく君主論は評価を得ることができました。【短い言葉で真理を突く名著】君主論は権謀術数の真髄を極めて簡潔に語っています。君主は必ず悪評が立つと、覚悟しておかなければならない君主に思いやりはいらない。しかし、思いやりがあると思わせることは大切である君主は愛されるよりも恐れられる存在になるべきだ君主は恐れられても憎しみを買う存在になってはいけない結果さえよければ、どんな手段でも正当化されるものであるもはや説明の必要が無いほどに単純明快、かつきれいごとを排した真理を突いた言葉なのではないでしょうか。【歴史雑学としても秀逸な一冊】君主論はとても短く要点を語っているだけに、解説すべきことがほとんど無いように思います。解説を書くのが大変だったのか、本書では各項目に対して関連しそうな歴史上のエピソードが紹介されています。このエピソードがまた面白い。洋の東西を問わず、戦国時代の話もあれば今も存在する企業の話もあり、本当に幅が広いです。本書を読むだけで色々な歴史雑学も学べてお得感があります。【現在にも通じる権謀術数の書】君主論はその内容ゆえに長く評価されませんでした。その後再評価が進んだ際、哲学者ヘーゲルが「マキャヴェリの生きた数百年前の時代背景を考えて読むことによって、初めてこの作品の価値がわかる」と言ったのは的を得ていると思いました。マキャヴェリの生きた時代は気を抜けば他国に食われる時代でした。きれいごとでは生き延びられない時代だからこそ磨かれたその術は、厳しい時代を生きるための剣であり鎧であったのでしょう。近年世界中で緊張が高まっており、こうした術の重要性を改めて認識せざるを得ないように感じます。「自らの安全を自らの力で守らない国は、独立と平和を維持することができない」「傭兵や外国の支援軍は役に立たないばかりか、危険ですらある」というマキャベリの言葉は、我々も肝に銘じておく必要があると思いました。一方で君主論が非道を振りかざすだけの陰謀の書であれば、ここまで長く読み継がれることはなかったでしょう。君主論には駆け引きだけでなく「国家が秩序を保ち、国民全員が自由を享受するためには、清貧であるべきだ」「人間にとって最高に名誉のある行為は、国家のために役立つことである」と述べられています。国を預かる君主に情けは無用でしょう。そうかと言って、何でもありではまた国を保つことが困難であったと思います。感情を持ち、それぞれ利害の異なる「人間」という生き物を統率するには、それ相応のテクニックが必要となるでしょう。そういった意味で君主論は権謀術数の書であるとともに、君主のあるべき姿を示した指南の書であると言えますでしょう。君主とまでは行かなくても、多くの人は後輩や部下を持つことになります。この世界を生き抜く護身術として、君主論のエッセンスに触れてみてはいかがでしょうか。よかったらクリックお願いします。にほんブログ村
2022.05.22
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諸葛孔明 人間力を伸ばす七つの教えのご紹介です。諸葛孔明といえば三国志を代表する人物の一人ですね。本書は諸葛孔明の教えを7つの章に分けて紹介しています。諸葛孔明人間力を伸ばす七つの教え/姚磊/金光国【3000円以上送料無料】【諸葛孔明の7つの教え】冷静冷静さは万事の基本であると説いています。現代は一層忙しい時代ですが「冷静な心」と「静かな環境」によって自らを高めていくことが重要ですね。学習本書では人間が成長するには学習が必要であると述べています。そして学習するとともに実生活から様々なことを学び取ることも必要です。勤勉に学習し、身につけた知識を実生活に活かしていくことが重要です。倹約倹約は一つの美徳であると説いています。倹約は蓄財につながり、組織を安定させ、ひいては国の安定を生みます。魏の曹操はかなりの倹約家で、その姿勢は国の引き締めに大いに効果があったそうです。曹操は宿敵とも言える相手ですが、諸葛孔明は彼を指導者として尊敬していたと伝えられています。行動物事は行動しないことには成功しません。そして行動には決断力と行動力が必要になってきます。同時並行で物事を進める時間管理や即断が重要であるとともに、時には熟考して行動の質を高めていくことも欠かせません。総合的なバランスが大事なのでしょうね。意志物事を成すには強い意志が必要です。途中で投げだしたくなったり、挫折しそうになることも多々あることです。そこで成否を分けるのは忍耐力であり、その忍耐力は意志によって支えられているものです。計画人生や仕事についてどのようなことを成し遂げようかと考える時、目標や方針が必要となってきます。進むべき方向を定めるためにも、なるべく早い段階で計画を立てることが重要ですね。人脈良好な人間関係の構築には、寛容、感謝、相手をほめるといったことが必要です。そうして構築された人間関係は回りまわって自分を助けてくれることもあり、人生を成功に導く手助けをしてくれるでしょう。三国志に詳しくなくても、諸葛孔明は知っているという人は多いかと思います。彼は高い能力を持ちながらも自らを高めることを忘れず、法や規律を厳正に行いながらも寛容であったと言われています。自分に厳しく、身分の高低に関わらず公平な姿勢が人々から愛されたのだろうと思います。そして劉備が関羽の弔い合戦に出ようとした時、孔明は勝ち目がなく国を消耗することになるのが分かっていても止めなかったそうです。知性や効率で割り切らずに人の気持ちを汲み取ることができる、人間としてのバランスの良さも時代を越えて評価され続けている理由なのではないでしょうか。諸葛孔明が没した時、彼によって裁かれた囚人や敵将ですら涙を流したとも言われています。今なお我々に示唆を与え続ける諸葛孔明の智恵に触れてみてはいかがでしょうか。諸葛孔明人間力を伸ばす七つの教え 中国ビジネス思想の源流を知る [ 姚磊 ]新品はこちら。【中古】 諸葛孔明 人間力を伸ばす七つの教え /姚磊(著者),金光国(訳者),李夢軍(訳者),高崎由理(訳者) 【中古】afb中古はこちら。【中古】 諸葛孔明の兵法 / 高畠 穣 / 三笠書房 [文庫]【宅配便出荷】諸葛孔明に関する本はこちらもお勧めです。孔明の人生も知ることができ、彼の軌跡をたどりながらその智恵を学ぶことができます。紹介記事はこちら。よかったらクリックお願いします。にほんブログ村
2022.04.17
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9割の会社はバカのご紹介です。ずいぶん挑発的な題名ですが、割とソフトな内容でした。サービス残業の多さに我慢できない。労基署にチクりたいけど自分が言ったとバレないか? とか、いきなりリストラされたけど従うしかないのか等、具体的でありがちな例ケースを挙げて対策を紹介しています。【バーゲン本】9割の会社はバカ [ 石原 壮一郎 他 ]【pick up】私用メールや勤務中の飲酒は、実際のところどのぐらいまずいのか?事の軽重はあれど、誰でも身に覚えがあるのではないでしょうか。それだけで即座に解雇ということはありませんが、会社や上司からの評価は下がります。また、日ごろの問題行動が重なったり、会社が再三注意しているのに行動が改まらないとなれば話が変わってくるので注意が必要です。会社に逆らっていたら、あからさまな閑職に回された。どうでるべきか?退職を強要されたのならまだしも、会社に席があって給与も出ていればどんな業務をさせるかは会社の裁量なので、法的には問題ないとのことです。投げやりになって露骨にサボったりすると会社に解雇の口実を与えるので、粛々と仕事をした方が得策のようです。会社がいきなり倒産。未払いの賃金2カ月分はどうなるのか?会社に支払い能力が無い場合はセーフティーネットがあります。「労働者健康安全機構」という独立行政法人が未払い賃金の立て替えや労災疾病の予防と治療、職場復帰のバックアップを行っています。【知識が大事でした】各項目の後にコラムがあって、法律に関わる話が載っています。知識が大事なんだなあと改めて感じました。ざっと列挙するとお役所は書類がないと中々動いてくれないので、書類や資料をしっかり集める。退職願と退職届と辞表は違うもの。労働基準監督署の守備範囲は労働時間や有給休暇、賃金残業代の未払いなどであり、セクハラやパワハラ・不当解雇などは管轄外。解雇される時は解雇理由証明書をもらっておく。などです。へ~そうなんだみたいなことが載っていて勉強になりました。スムーズに物事を進めるには正しい段取りを踏むのが必要なのだなあと思いました。題名を見ると会社へ徹底的にケンカを売る内容かと思いきや、会社と労働者がお互いにいい気持ちで過ごせるように知識を確認するという理性的な内容でした。各項目ごとにQ&A方式で書かれているのですが、数ページ後に答えが載っているのでいちいちページをめくらなければならないのが若干辛いです。とはいえ読みにくい法律の本ではなく、労働者であればいつでも遭遇しうる出来事に関することをテーマにしています。さらっと読める本なので、仕事をするうえで一読しておくと良い一冊です。よかったらクリックお願いします。にほんブログ村
2022.03.20
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韓非子 非情の人間学を知るのご紹介です。【中古】単行本(実用) ≪東洋思想≫ 韓非子 非情の人間学を知る 【中古】afb【孤高の思想家韓非子】韓非子は紀元前200年代、秦の始皇帝が天下統一を果たす少し前くらいに生きた思想家です。人は愛情や忠誠ではなく、利益によってのみ動くのだという厳しい人間観に立った理論を展開しています。韓非子の著作「韓非子」は55篇からなり、君主と部下の関係性や組織における生き残り術などについて述べています。始皇帝は「韓非子」を読んでいたく感動し「これを書いた人に会えたら、私は死んでも構わない」とまで言ったそうです。皇帝が感動するほど、組織や人間関係について微に入り細を穿ったものなのでしょう。ちなみに始皇帝は韓非子に会ったのですが、特に死んだりはしなかったようですね(笑)。【韓非子を深く知る一冊】韓非子を取り上げた本は世に多く出回っています。大半は著作韓非子に載っているエピソードをひいて、人間関係や組織の処世術について語ったものであると思います。それに対して、本書は韓非子自身について多くスポットを当てています。韓非子の人生や影響を受けた人物、彼が生きた時代について語られていて、人間としての韓非子についてより深く知ることができます。そのため権謀術数や帝王学としての韓非子を期待すると少し物足りないかもしれません。一般的なタイプの本を読んだうえで本書を読むと、韓非子のことをよりよく知ることができると思います。【ユニークな切り口も見所】本書では「韓非子」はどのように読まれてきたのかという章があります。「韓非子」が書かれた時代から近代までの間、「韓非子」はどのように評価されていたのかということが書いてありました。「史記」の著者である司馬遷は、究極的には残忍酷薄で恩愛の情に欠けているとしながらも、きちんと法規を制定し是非の区別を明らかにしたと評しています。厳しく思いやりがないが、人々が守るべき法や分別を整備したところは評価されていたようです。その後儒教の考えが主流になってくると、韓非子の評価は下がって来てしまいます。そして18世紀の清朝中期以降、言語学的見地から諸子百家の書が読まれるようになった時に、改めて韓非子は読まれるようになりました。我が国では江戸中期以降よく読まれていたそうです。韓非子の「言行一致、信賞必罰」の精神が武士には好意的に受け入れられたのでしょうね。権謀術数と言えば「君主論」を書いたマキアベリも有名ですね。本書では「韓非がマキアベリの『君主論』を読んだとしたら……」「マキアベリが『韓非子』を読んだとしたら……」というコーナーがあり、他の本では中々見ないユニークな試みですね。韓非子を取り上げた本というと「韓非子」の中に書かれているエピソードを引いて組織や人間関係の処世術を語るものが多いと思います。本書では韓非子自身の人生にも光をあて、彼の生きた時代についても書かれています。また、先ほど書いたようなユニークな切り口で韓非子について語っています。本書は処世術を学ぶ本として読むとやや物足りないかと思います。韓非子に関する本を何冊か読んだうえで、韓非子についてもっと深く知るために読むと面白いと思います。「韓非子」を見よ! 「世間を見る目」が変わる! この賢さ、このしたたかさ/守屋洋【3000円以上送料無料】以前ご紹介した韓非子の本です。こちらは処世術についての比重が多いので、ビジネス書としても味わえます。紹介記事はこちら。よかったらクリックお願いします。にほんブログ村
2022.02.20
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仮面社畜のススメのご紹介です。【中古】 仮面社畜のススメ 会社と上司を有効利用するための42の方法 /小玉歩【著】 【中古】afb社畜という言葉が市民権を得て久しいですね。今の会社はもううんざりで辞めたいと思うけど、お金は無いし辞めたところで転職する度胸も能力も無いし……そう思っている人は多いのではないでしょうか。本書はそうした人たちに向けて、社畜を装いながら徹底的に会社を利用し尽くす「仮面社畜」になれと勧めています。【引き込まれるまえがき】本書ではまえがきで、世の中には利用する人とされる人の2種類しかいないと述べています。そしてほとんどの人が利用される人になっているとも言っています。現在の日本教育では、自分の意見を言わず利用される人になることをひたすら教えているからです。では、利用する人になるにはどうしたら良いか?それに必要なのは能力ではなく、マインドの持ち方だと述べています。【pick up】本書では利用する人の視点で物事を見ることについて、42の方法を紹介しています。その中で心に残ったものをいくつかご紹介します。社畜は、その他大勢のコモディ社員となる。仮面社畜は、社内に敵も味方も大勢できる。よく「経営者の視点を持つ」ということが言われます。社長業務は多岐にわたるので全てを理解する必要はないのですが、今やっていることが自分の会社でのビジネスだったら? という意識を持つことが重要だと述べています。現代はたとえ大企業であっても将来のかじ取りは難しい状態です。賢い経営者であれば、指示に従うだけで自分の意見を言わない社員よりも、一時衝突することがあっても意見をしっかりと言える社員の方が有益だということを理解しています。知識が足りなかったりして的外れな意見になってしまうこともあるかと思います。ですが自分の意見をきちんと持って発信できることが、社内で確固たるポジションを築くために有効であると言えます。社畜は、ネット依存を非難する。仮面社畜は、ネットを徹底的に使う。ネットにのめり込むことをネット依存と呼び、非難する向きがあります。ですが今の時代、ネットを使わなければあらゆる可能性が限定されてしまいます。ネットを使えば、以前は手に入らなかったような量・質の情報が得られます。それだけではなく普通に暮らしていては出会えなかった友人やビジネスパートナーに巡り合うチャンスもあります。さらには副業により収入が上がる可能性だってあります。ただしネットには質の高低を問わず、膨大な情報が溢れています。その情報の中から、いかに自分に必要な情報を取捨選択する技術は必要となります。いまやネットは生活の一部となっています。好む好まずに関わらず、時代の変化に適応していくことがよりよく生きて行くために必要ですね。社畜は、遅くまで残業をして働いた気分に浸る。仮面社畜は、定時に帰る。多くの会社で人員削減の嵐が吹き荒れ、サービス残業が増えていると言われています。ですが、基本的には就業時間が終われば社員は帰っていいのです。残業が常態化しているのであれば、まずは定時で仕事が終わるような効率化を模索する必要があります。報告書や日報書き等に時間を費やしすぎていないか? 「いい人」になってしまって自分がやらなくていい仕事まで抱え込んでいないか?そうしたことをチェックして、効率よく仕事を進めて行く努力は必要でしょう。残業が常態化している社員にもいくつかパターンがあります。効率が悪くて仕事が終わらないならまだかわいいものですが、家に帰ってもやることが無いので漫然と残っている社員もいます。さらにひどいのになると、残業代目当てで日常業務を引き延ばしている社員までいます。そうした人に限って退勤後も同僚と飲みに行ってダラダラ過ごし「こんなに働いてるのにな~」と会社の不満や悪口を言い始めるのです。周りが残業していると帰りにくいのは事実です。ですが無駄な残業が続いてしまうのはやりたいことが何もないということ。一度自分の仕事を振り返ってみるのも良いでしょうね。社畜は、毎月コツコツと積み立て貯金をする。仮面社畜は、お金ではなく経験を貯える。毎月貯金している人は多いと思います。例えば月3万円貯金しているとして、年36万円です。安い額ではありませんが、いざという時(企業したり自己投資する時)にはまるで足りません。若い頃はまだ家庭も持っていませんし、まだそれほどお金が必要ではありません。その時期に無理して少額を貯めるのならば、いっそ様々な経験をすることにお金を使い、将来の仕事や人生に活かした方が良い、とのことです。これについては色々意見が分かれるところかと思います。一理ありますが、そうかといってこれをそのままやると生活が破綻する人もいるでしょう。頭の隅に置きつつも、自分に合ったさじ加減が必要ですね。【きれいに着地したあとがき】この本を読むのは正直大変でした。ページのそこかしこから漏れ出る「オレはお前らとは違うんだぜ」と言う気配がとても鼻について不快でした。こんなもん読み終わったらすぐにうっぱらってやるぜと思いながら読んでいたのですが、あとがきがとてもきれいにまとまっていました。「もしかしたら、本書を読み進めていくうちに項目によっては拒否反応が起こるほどに納得できないこともあったかもしれません。しかし、この拒否反応が起こる瞬間こそが一番大事な瞬間です。なぜなら、そのときが自分の常識外の常識に触れているからです」とあります。また、重要なのは「そのような常識が存在している」ということを知ることなのだとも言っています。なるほど、全てを納得するのは難しい内容でしたが、こうした考え方もあるというのを知ることができたのは有意義だったと感じました。あとがきにもありますが、社畜という言葉をウィキペディアで調べると「主に日本で、勤めている会社に飼い慣らされてしまい自分の意思と良心を放棄し奴隷(家畜)と化したサラリーマンの状態を揶揄したものである」とあります。少し前ならこうした言われたことだけをやっている部品のような社員で事足りたし、管理する方も楽だったのでしょう。しかし大企業ですら生き残るのに必死なこの時代、替えのきくパーツのような社員ばかりでは不十分になってきたのでしょう。仮面社畜は文句を言われない程度に成果を上げつつ自分の時間や生活も充実させようとするため、効率化することが必要になって来ます。皮肉なことに、今後はこうした自分で考えて行動できる社員の必要性がどんどん増してくるように思います。実際のところ、現状に不満はあるけど今の会社を辞めたり独立するのは難しい。そんな人が大半であると思います。であるならば社畜に擬態して生きる「仮面社畜」という生存戦略は現実的な落としどころであるように感じます。本書を通じて、どっぷりと社畜化してしまっている常識を一度揺さぶってみるのも良いのではないでしょうか。よかったらクリックお願いします。にほんブログ村
2022.01.23
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鬼滅の日本史のご紹介です。大人気マンガ鬼滅の刃にちなんで、鬼にスポットを当てて日本史を解説・考察する本です。鬼滅の日本史/小和田哲男【1000円以上送料無料】【鬼にみる日本の歴史】そもそも、鬼とは何者なのか?その解釈は多岐に渡り、それだけで分厚い本が書けそうなくらいです。中国では不思議なものや怪奇なものをまとめて鬼(き)と呼ぶそうです。日本でも隠(おん)が鬼の語源とされ、姿の見えないものを指していたそうです。馬場あき子氏の著書「鬼の研究」では、鬼を大きく5つに分けています。1つは祖先の霊や強力な力を持った目に見えない存在など「神としての鬼」。第2は修験道によって生まれた「山に棲む鬼」すなわち天狗です。第3は仏教とともに入って来た「仏の世界の鬼」です。地獄で亡者を責める鬼や、インドの鬼神などです。第4は「恨みから生まれた鬼」です。恋に狂い蛇となった清姫や、陰謀によって左遷され死後雷神となった菅原道真などです。第5は「鬼とされた人々」です。本書では第5の鬼とされた人々が、鬼滅の刃の鬼に最も近いのではと述べています。朝廷に従わなかった地方豪族や盗賊、障碍者や特殊技能を持つ人など、社会秩序から外れた人たちが「鬼」と呼ばれ、恐怖や排除の対象となっていきました。農耕生活が中心であった日本では作業を行う「人数」と、大人数で作業する「協調性」が重視されていました。そうした「普通」が何より重要であった社会では、突出した特徴や能力を持つ個人は歓迎されませんでした。そうした普通でない人たちは集団から弾き出され、それを正当化するために恐ろしい鬼として伝えられてきたという面もあるようです。何やら歴史の暗部を除いてしまったような感じですね【鬼滅とのリンクも楽しい一冊】本書では鬼滅の刃のエピソードや設定と絡めて歴史を紹介する章もあり、面白かったです。興味深かったものをいくつかご紹介です。竈門炭治郎にみる技芸を行う「傀儡子」先に社会からはみ出した者たちが鬼とされたとありますが、その中に芸能を披露して生活していた者たちがいました。彼らは操り人形(傀儡)や占い、奇術や相撲などを見せてお金を稼いでいました。やがて彼らは寺社に隷属して定住するようになり、それらが人形浄瑠璃や能、歌舞伎などへと進化していったそうです。炭治郎のヒノカミ神楽とリンクさせての話でしたが、これは興味深かったです。時透無一郎にみる山中で生活する「サンカ」山地は農業以外の仕事をする人の暮らす場所でもありました。無一郎の父も杣人(木を切ったり運び出す人)でした。そんな山に住む人たちは「サンカ(山窩」と呼ばれていました。彼らは里に定住せず家族単位で暮らしていて、戸籍を持たない者も多かったそうです。サンカたちは政治や経済、文化や宗教に影響を及ぼす存在ではなかったため長らく放置されていました。正確なことは分かりませんが、昭和20年代に入っても1万人以上いたと推測されています。近年までそうした人たちがいたというのは驚きでした。鋼塚蛍にみる製鉄の専門集団「産鉄民」(はがねが正式に変換できませんでした)鬼滅の刃では刀鍛冶たちが住む隠れ里が出て来ます。製鉄に限らずこうした技能集団は関係者だけで集まって生活し、原料が取れなくなったりすると移動したそうです。彼らもまた特殊な技能ゆえに集団からはみ出した人たちであると言えるでしょう。悲鳴嶼行冥にみる優遇制度があった「盲人」明治以前の日本では社会福祉制度はあまりありませんでしたが、盲人の職能組合がありました。そうした職能組合は按摩や鍼灸、琴や三味線といったものを仕事にしている人が中心であったようです。江戸時代では生活資金を得るために、盲人が金貸し業を行うことが許可されていました。これは幕府公認であるため色々優遇措置があり、暴利をむさぼり過ぎて江戸追放処分になった盲人もいたそうです。こうした優遇措置があったがゆえに半天狗のように盲人のふりをして利益を得ようとした者がいたのでしょうね。【重みのあるあとがき】本書は楽しく読めたのですが、あとがきである「鬼は滅んだのか」がとても重みを感じました。本書で紹介している鬼とは、山から降りてくる者であり反体制者であり、妬みや恨みを持つ者たちです。彼らは一般の社会秩序や生活空間の外からやってくる「異質なもの」です。SNSの発達などにより、我々は「異質なもの」に触れる機会が大きく増えました。自らを「正義」とし他者を攻撃するのは、これら異質なものに対する防御反応であると言えます。一方で自分たちの存在以外を認めず過度な同調圧力や誹謗中傷をする人たちは、皮肉にも正義を振りかざしている自分自身が周囲にとって「異質なもの」になってしまっているのです。炭治郎の鬼に対して最後まで心に寄り添おうとする姿勢が、複雑化した現代社会における鬼との付き合い方を示しているように思える、という言葉が現代社会を生きて行くための一つの答えであるように思いました。そして結びの「現代においても鬼はまだ滅びていないのだ」という言葉はずしりと響きました。この本を手に取った時は鬼滅人気に乗っかったお手軽本だろうと思い、正直舐めてました。ですが非常にしっかりとした内容で勉強になりました。この手の本は原作について好き勝手なことが書いてるだけであったり、原作の話題は最初だけで後は小難しいことが延々書いてあったりするものがしばしば見られます。一方本書は最後まで鬼滅の話題を絡めつつ、日本史の様々な歴史について述べられていて、とても興味深い一冊でした。学生時代、担当教師の話が面白いと歴史が好きになる部分があると思います。本書はそんな「おもしろい先生」のような一冊であると思います。鬼滅の刃という「共通言語」を通して、歴史に興味を持つきっかけとなる本でした。【中古】【送料無料】鬼滅の刃 全巻 セット 1~23巻(完結) 集英社 吾峠呼世晴原作も併せてお勧めです。紹介記事はこちら。よかったらクリックお願いします。にほんブログ村
2022.01.02
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異職怪談のご紹介です。世の中には「あ、そんな仕事あるんだ」と思う仕事があると思います。本書はそうした少し変わった職業に就いている人たちの体験談を紹介した作品です。[書籍のメール便同梱は2冊まで]/異職怪談 特殊職業人が遭遇した26の怪異[本/雑誌] / 正木信太郎/著 しのはら史絵/著【Pick up】伝書鳩ブリーダーの怪異レースに出る鳩のブリーダーのお話です。鳩舎の掃除をしていた所、人間の爪が落ちていました。不審に思い、訓練の時に放した鳩の後をつけてみることにしました。そして発見したモノとは……オチの一捻りが怖いお話でした。こんな体験したら辞めますよねえ。結婚式ペーパーアイテム作成業の怪異結婚式で使う名簿やメニュー表など、紙製品全般を作るお仕事の話です。名前や役職などのミスがあってはいけないので、作る時に何度も確認しますし、納品後も式場スタッフが確認するそうです。それでも時々ミスプリントがあってクレームが入るそうです。そのミスプリントが出る時はきまって何かが起こり……出会い系サイトのサクラの怪異出会い系サイトはメール1回につき料金が発生するそうですね。そのため思わせぶりなメールを送ってやりとりを引き延ばすサクラの仕事があるそうです。体験者の女性はサクラのバイトをしていたのですが、やりとりの内容から、お客の一人が友だちのA君だと気づきました。友だちを騙していることに気が咎め、バイトを辞めることにしたのですが……メールのやりとりは、極論すれば相手が誰だかわからないわけです。そうした意味では日常的に接する怪異の一つとも言えるかもしれませんね。証明写真機メンテナンス業の怪異証明写真を撮ったら別人の写真が出て来た、と修理の依頼が入りました。当事者の話を聴いてみると、その写真機で午前0時ちょうどに写真を撮ると神隠しにあうという都市伝説があるそうです。そして当事者の彼女が神隠しにあったとのことなのですが……証明写真機は割とあちこちにありますが、あの周囲から切り取られたような空間は身近にある異界であるように思います。24時間いつでも動いているのもまた不気味な感じがしますよね。【3分の1ごとの仕掛け】本書は珍しい職業に就いている人たちが体験した怪異が語られています。作者の正木信太郎さんによると、読んだ人が「そんな仕事があるんだ」と思ってもらえればこの本の3分の1は成功なのだそうです。怪談の本は多くの話が収録されているので、読み終わった後全部覚えているということはまずないでしょう。ですがこうした職業を聞いただけで、どんな怪談だったか思い出すようになれば次の3分の1は成功とのことです。そして、読んでいると何となく「最後はこうなるだろうな」と予想することが多いでしょう。そうした読みが外れた時、みなさんは驚くことでしょう。実際の体験談なので奇をてらったわけではないのですが、こうして驚いてくれたら、最後の3分の1は成功です。本作は怪談のアンソロジーであるとともに、一風変わった職業を知ることができます。時々テレビなどで変わった職業をとりあげることがありますが、今後そうした物を見た時に本作に収録されていた怪談を思い出してしまうのでしょうね。すっかり作者さんの思惑どおりになっている感じはしますが、一味違った切り口からスポットを当てた怪談が楽しめる一冊です。怪奇蒐集者 71 正木信太郎/正木信太郎[DVD]【返品種別A】作者の一人、正木信太郎さんの怪談DVDです。普通の怪談とは一味違った話が味わえる一作です。紹介記事はこちら。怪奇蒐集者 しのはら史絵 [DVD]本書に怪談を寄稿しているしのはら史絵さんのDVDです。本書に収録されている怪談も話しています。紹介記事はこちら。よかったらクリックお願いします。にほんブログ村
2021.10.31
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日本人らしく「凛」と生きる「武士道」の智恵のご紹介です。我々日本人の中に連綿と続く行動規範である武士道。とはいえそれはどんなものかと聞かれれば、答えられる人は少ないと思います。本書は武士道について解説し、混迷の現代を凛と生きるヒントをくれる一冊です。【中古】 日本人らしく“凛”と生きる「武士道」の智恵 / 梅谷 忠洋 / ゴマブックス [単行本]【宅配便出荷】【まずは忍耐が必要だ】本書は作者の武士道に対する熱い思いが随所にほとばしっています。ほとばしり過ぎてことあるごとに「それに比べて現代は」的なディスりが頻繁に書かれています。そりゃまあ武士道に則った生き方から見れば、現代社会は寄る辺なく不甲斐ないものに見えると思います。それにしてもあまりにも頻繁にディスるので、しまいにイライラして来ます。一生懸命紹介している武士道の精神が入って来ない程うっとうしいので、心して読む必要があります。ある意味精神修行になります。【廉恥心と名誉心】読んで驚いたのは、武士道の考え方は非常に範囲が広いということでした。その中で武士道の骨格をなす考え方は、廉恥心と名誉心であると言えます。廉恥心と羞恥心は別のものです。羞恥心は恥をかきたくないという心であり、廉恥心は同じ失敗は二度としないという心です。つまり武士道では恥をかくこと自体は恥ずかしいことではなく、同じ失敗をする(同じ恥をかく)ことが恥ずかしいと考えているのです。名誉心とは自分の名を汚さない心です。名誉とは人から褒めてもらいたいという欲望ではなく「自分は誰かの役に立った」という非利己的な心です。だから武士道では誇りの無い行動は「そんなことをすれば名が廃る」と言って自重しているのです。【奥の深い武士道の世界】武士道と聞くと侍の世界だけのことという印象を受けますが、当時の日本人全体の行動基準であったと言えます。その考え方は多岐にわたるので、興味深かったものをいくつか挙げます。武士道と建前建前という言葉は良くない印象で使われることが多いと思います。ですが建前というのは他者を思いやる気持ちの現れなのです。例えばパーティーにお客として招かれた時、体調が悪かったとします。周囲が「大丈夫ですか?」と気を使った際「実は調子が……」と言えばやはり場が盛り下がってしまうでしょう。そのため武士道では体調が悪くても「大丈夫です」と答えるのです。もちろん程度問題もありますし、こうした態度は外国の人からすると理解しにくいようです。ですが武士は食わねど高楊枝という言葉があるように、苦しくても何も無いように振る舞うのは見栄でも強がりでもなく、周囲に対する配慮の現れなのです。男女の役割について武士道では男性は外での勤めや戦い、女性は家庭を守ることが適切であると述べています。近年の風潮からすると厳しい目で見られそうですが、武士道では男女を同じく扱うことが平等ではないとのことです。男性と女性では得意とするものがまた違うので、それぞれが適したことをする方がうまくいくという考え方です。また男女ではどちらが上と言うことはなく、家を運営するために役割をこなしている者どうし尊重し合うべきと述べています。これは一般的に受ける武士道のイメージからはだいぶ違いました。ちなみに「奥様」という言葉は、家を守ってくれている人に対する敬称なのだそうです。「損か得か」ではなく「適切か不適切か」武士道の行動基準は損か得かではなく、適切か不適切かだと言われています。一言でいえば義を見てせざるは勇無きなり、です。自分の損得ではなく、道理に照らし合わせてそれをすることが適切ならばするという考えです。損得を越えた行動をするには勇気がいります。それゆえに武士道では勇気や胆力を重んじるのでしょうね。ちなみに武士道では算術(お金勘定)を重視しません。というよりも算術の概念がないそうです。もともと自分の損得はあまり考えないので、算術は不要と考えているそうです。まあ武士の大半は貧乏なので、お金勘定を考える余裕がないという側面もあるようですが。【新渡戸稲造が描いた奇縁と奇跡】「武士道」を著したのは新渡戸稲造という方です。旧5000円札の人ですね。彼は留学した際、学友から「日本は国民の教育に宗教を使わないそうだが、どうやって教育してるんだい?」と訊かれて答えに窮したそうです。そこで彼は自国の文化を見直し、外国の人に紹介するために書いたのが「武士道」なのだそうです。新渡戸さんは日本語よりも英語が得意と言われる程、英語が堪能であったそうです。そのため武士道を執筆するにあたってもニュアンスが伝わるような言葉を選ぶことができました。また新渡戸さんは敬虔なクリスチャンだったそうで、男女の役割について述べる時も誤解が無いように書くことができたようです。英語にも海外の文化にも詳しい新渡戸さんが書いたからこそ、誤解を受けず適切に武士道が伝わったように思います。これには縁とういか運命のようなものを感じますね。【今見直したい武士道の心】武士は腰に刀を下げていますが、戦場以外で刀を抜くことは恥だったのだそうです。また「斬り捨て御免」という制度により、武士は武士以外の身分の人を斬っても罪に問われなかったそうです。罪には問われないのですが、そうしたことをする者は「武士の風上にも置けないやつ」と蔑まれ、相手にされなくなったそうです。相手を殺せる武器を常に身に着けていながら、力づくで物事を解決しないという自制心を持つ者が武士である、ということなのでしょう。武士道は聖書のように教典は無く、法律のように明文化されていないのですが、日本人の行動規範として長く染みわたっていました。ですが形無きものの弱みか、第二次世界大戦後の占領政策によりそれまでの考え方は否定され、霧散してしまいました。以降欧米的な資本主義が流入し、国のあり方が大きく変わりました。運よく経済的には豊かになりましたが、心のあり方や行動指針については軸を失ってしまったように思います。しかし古来から伝わる武士道の精神は、我々の中から完全に消え去ってしまったわけではないと思います。法的な制限ではなく各自の精神性でもって秩序を守るという風土がまだ日本にはあるように思います。近年コロナウイルスが猛威を振るっていますが、日本は他国に比べて圧倒的に強制が少ないように思います。「協力のお願い」だけでここまで感染者数が少ないのは珍しいのではないでしょうか。またネットの相互監視的な風潮も「罪には問われないけれども悪事を許さない雰囲気」という武士道的な側面があるように思います。まあ本来の武士道に比べればだいぶ劣化してはいますが……インドで起こった仏教が中国の儒教と混じり合いながら日本にもたらされ、元々あった日本神道と融合して武士道になったと言われています。様々な思想が融和し、我が国の考え方や行動の規範となってきた武士道の精神。迷い悩むことの多いこの時代の道標として、日本の風土や心に深く馴染んだ武士道に触れてみてはいかがでしょうか。よかったらクリックお願いします。にほんブログ村
2021.09.05
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怒らないコツのご紹介です。何かと忙しい世の中、心波立ち腹が立つことも多いと思います。ですが怒ることで人間関係が悪化したり、嫌な思いをした経験は誰でもあると思います。「怒る」ということは人生に様々な悪影響を与えるのです。怒りの感情は心から生まれるものです。つまり心のあり方を変えることができれば、怒らないですむようになります。本書は最初に怒りがどれだけ自分の為にならないかを示し、その後様々な怒らないコツが紹介されています。怒らないコツ 「ゆるせない」が消える95のことば/植西聰【3000円以上送料無料】【Pick up】本書で紹介されている怒らないコツは何と95。その中から吾輩のお勧めをご紹介です。「いつも自分は正しい」という考え方を捨て去ってみる人と接していると、意見が異なることはよくあることです。そんな時に腹を立てれば信頼関係を失ってしまいます。まずは相手の話をよく聴くことで「そういう考えもあるのか」とか「この点は私の方が間違っていた」と気づくことができます。カチンとくることがあっても、すぐに反応しないようにする「相手の気持ちがわかる」「相手の考えが理解できる」「相手の立場に気づく」ということが怒らないためには大切です。怒りで相手の話の腰を折ったりせず、最後まで話を聴くようにすることが大事ですね。人を叱る時には、感情的になって叱ってはいけない怒りにかられて人を叱ると、その相手との信頼関係を壊してしまいかねません。感情的にならず、理性的に、穏やかに、相手を叱ることが重要です。「クロス・ポジション」によって、相手の立場になってみる相手の立場に立って物を考えることをクロス・ポジションと言います。例えば「こんな言葉を浴びせたら、相手は嫌な気持ちになるだろう」といったん考えることで、それが怒りを抑えるきっかけになります。こだわりは大切だが、同時に柔軟性も大切になる仕事でも生き方でもこだわりは大切ですが、こだわりが過ぎると受け入れられない時に怒りを感じます。時にはこだわりを捨てる柔軟性も必要ですね。去っていく者に怒るのではなく、残っている人を評価する仕事でありがちなことですね。辞めていく人をつい悪く言いがちですが、怒りをまき散らしては残った人たちの士気が下がります。粘り強く残っている人たちをしっかりと評価してあげることも必要ですね。自分ならではの「怒りの癖」を知って、怒りをコントロールする怒りの癖は人それぞれです。自分はどういったことに腹を立てやすいのかを把握しておくことで、怒りそうな状況になった時も気をつけることができます。周りの人と「報連相」で意思疎通をはかっていく「言わなくてもわかっているだろう」は人間関係がうまく行かなくなる危険があります。普段からこまめにコミュニケーションをとっておき「わかり合う関係」を築いておくことが大切ですね。いくら怒っても、相手を凹ませることは永遠にできない怒りにかられて相手を責めたところで「まいりました」という人はまずいません。むしろ相手は言い返してくるので、いつまでたっても争いはおさまりません。相手をやっつけてやろうなどと考えずに、初めからケンカなどしないというスタンスが賢明ですね。本書は世界中の思想や宗教、偉人や戦国武将など、様々な角度から怒らないコツについて語っています。怒りというものが、それほど人間にとって分かちがたいものなのでしょうね。レイアウトも見開きで1項目を紹介しているのでたいへん読みやすいです。怒りについて幅広い分野から95項目にわたって述べているので、何かしら心に刺さるものが見つかると思います。日々我々を悩ませる「怒り」。それをうまくコントロールするヒントになる一冊だと思います。怒らないコツ 「ゆるせない」が消える95のことば/植西聰【3000円以上送料無料】新品はこちら。【中古】【全品5倍!5/20限定】怒らないコツ / 植西聡中古はこちら。よかったらクリックお願いします。にほんブログ村
2021.07.11
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禅僧が教える 心がラクになる生き方のご紹介です。題名のとおり、禅僧が生きづらさを感じやすい世の中を生きるヒントを示した一冊です。禅僧が教える心がラクになる生き方【あなたが大切にしている「自分」とは何か】のっけから小難しいテーマでした。「自分」とは何でしょうか?自分を形作るのは自分自身の「記憶」と「他人からの承認」だけです。朝起きて今までの記憶が無くなっていたら、今自分が思っている「私」はそこに存在しません。また、周りの人全員が「あなたはAさんじゃなくてBさんだよ」と言い出したら、「私」はBさんだということになります。それほど自分というものは不確かな存在だと言えるでしょう。不確かな自分だからこそ、世間でもてはやしているような「自己実現」や「意味のある人生を生きる」といったことにこだわる必要はないと述べています。仏教では「一切皆苦」という言葉があります。この世にあるもの全てが苦しみであるから、むやみに欲しがったり執着する必要はないという考え方です。「自分」というものを必要以上に大事にしすぎない、力まないで見つめることが、かえって自身の幸せにつながるのではないでしょうか。【「夢」や「希望」という重荷を下ろす】世間一般は夢や希望を持つことを奨励し、これを叶えた人は素晴らしい人だと称賛します。しかし人生をある程度生きていると気づくかと思いますが、夢や希望は叶わないことの方が圧倒的に多いのです。では夢や希望が叶わないと不幸なのでしょうか?身の回りの人や道行く人を見てみると、皆が理想の人生を生きているわけではないでしょう。それはそれで、みんなそれなりに元気に生きているのです。ですから、人生に夢や希望がなくても人間は十分生きていけると述べています。【感情に振りまわされないために】まず最初に『こじれた人間関係は「愛情」や「努力」では変わらない』とあります。うまくいかない人間関係は「愛情を持って接すれば相手は変わる」とか「相手を変えたければ、まず自分が変わりなさい」言われることが多いかと思います。本書ではそうしたことで人間関係は変わらないと喝破します。その関係は自分の力で変えられるのか、枠組みを変える余地があるのか、それとも関係を切るのか、情はいったん脇に置いて冷静に考えていくことが必要だと述べています。もう一つ「感情が揺れてもかまわない」と述べています。何があっても動かない岩のような心でもなければ、波立たない水面のような心でもなく、ヤジロベエのように揺れても倒れない心を持つことが大切とのことです。本章は人間関係や感情について、一般的な本とは一味違ったアプローチで述べられていました。また、怒りが込み上げてきたらルーチンな作業を淡々と行うことでやがて平常心が戻ってくるとか、家族にも日々のいたわりや心遣いを示すといった、実用的なお話も書いてあるのも良いですね。【死に向かって今日を生きる】家族や親しい友人が亡くなった時「もっとこうすればよかった」と後悔することもあるかもしれません。ですがどれほど気を配ったとしても、全く後悔が無いということはないでしょう。その後悔を打ち消そうとするのではなく、抱えたまま生きることが一番ましな対応ではないだろうかと述べています。いずれ周囲の人が家族を看取る時や近親者を亡くして後悔している時に、役に立つアドアイスができるかもしれません。それであるならば、後悔を抱えて生きることの意味もあるのではとのことです。それでいて「そんな日が来るかもしれない」程度の話だとあっさり書いてる所がクールでした。また『「自分が、自分が」と考えない』とありました。人はいつか死ぬということは当然だれでも知っています。その主語が「自分」になった時、死への恐怖が込み上げて来ます。人生の最期を迎えるにあたって、死を乗り越えるのではなく受け入れることが必要だと言っています。そして死を受け入れるには「自分を開く」ことが重要だと述べています。自分を開くとは「もう自分を大切にしない」、『「自分のため」ではなく「人のため」に動いていく』ことなのだそうです。冷たい言い方をすれば、人は歳を取れば「もういなくてもいい人」になっていきます。子どもは自立して親の手はいらなくなりますし、定年になれば仕事場からも振り向かれなくなります。「そろそろ、自分も店じまいだな」と身を引いていく準備と心構えが必要になって来ます。「人のため」と言っても大仰なことではなく「ふと目についたゴミを拾って歩く」「ちょっと人助けをする」といったことをできる範囲でする程度でよいと述べています。自分自身を大切にし過ぎることや損得勘定から離れ「少しは役に立っているかな」と感じることをすることが良い縁を作り、店じまいの準備になっていくようです。タイトルを見ると、禅僧がありがたい教えでほんわかと包んでくれるような内容かと思っていました。ですが予想をはるかに超える塩対応にひっくり返りました。とはいえ一般的な自己啓発本とは違った切り口が面白い本でした。本の中でも語られていましたが、宗教の存在意義とは、一般とは違う考え方を提示することだと述べていました。自己実現を果たす、努力は報われる、そうした言葉に希望を持って生きていける人はそれでいいのです。一方でそうした言葉に酔えず、違和感に首をかしげる人もいます。そうした人たちが本書にあるような一般と一味違う考え方に触れることで、この世を少しでも生きやすくなれば良いなと思いました。禅僧が教える心がラクになる生き方新品はこちら。【中古】禅僧が教える心がラクになる生き方/南 直哉中古はこちら。よかったらクリックお願いします。にほんブログ村
2021.06.20
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ざんねんな兵器図鑑のご紹介です。ざんねんないきもの事典が話題になりましたが、ざんねんなのは動物だけではありませんでした。本書では冷静に考えれば「なぜそんなことを?」と思ってしまうものや、発想自体は良かったのですが技術的な問題でうまくいかなかったものまで、様々なざんねんな兵器が紹介されています。ざんねんな兵器図鑑/世界兵器史研究会【3000円以上送料無料】【ざんねんな兵器セレクション】ヘルメット銃第一次世界大戦に発明された珍兵器です。名前のとおりヘルメットと銃が合体した兵器です。かぶった人の目線に照準を合わせてあるので、目標を見ることが狙いをさだめることになります。ですが銃を撃った時の衝撃で間違いなく首を痛めてしまいます。怪力光線Z我が国で開発されたざんねんな兵器です。マイクロ波を発生させる装置で、いわば電子レンジです。遠くの相手をチンしてしまう兵器ですが、実用化には至りませんでした。風船爆弾これも日本製のざんねんな兵器です。風船(気球)に爆弾をつけたもので、偏西風に乗ってアメリカを直接攻撃するというコンセプトでした。風船の材料はこんにゃく糊と和紙だけ。エコでお財布にも優しい兵器です。実際は山火事を起こした程度の戦果だったようですが、レーダーにも映らず音もしないので、アメリカは最後まで警戒していたそうです。案外ざんねんじゃないかも?超重戦車マウス第二次世界大戦中にドイツが開発した戦車です。相手よりも強い戦車を作れば勝つ。そんなシンプルな発想を極限まで突き詰めた兵器です。主砲は128mm砲、装甲は最大240mmもあり、これほど強い戦車は当時ありませんでした。しかし重量は188トン(乗用車約188台分)。走ると重さで道路が割れてしまいます。それどころか自重で地面に沈み込んでしまう可能性もありました。そのため、最終的には試作機2輌できただけとなってしまいました。P.1000ラーテ前述のマウスよりも強い戦車を作ろうとしてできたのが本器です。戦艦の主砲をそのまま搭載し、敵の砲弾を受け付けない無敵の戦車でしたが、その重量は何と1000トン。マウスですら自重に耐えられなかったのにラーテが耐えられるはずもなく、計画は中止となりました。前の機体の課題をクリアできてないのになぜ次に着手するんだろう?P.1500モンスターラーテよりも強い究極超重量戦車です。その重さは1500トン。もはや妄想レベルです。当然すぐさま計画は中止となりました。いやだから、なぜ前の課題が解決してないのに次に行く(笑)。ホルテン Ho229トンデモ兵器の名手ドイツが放つ飛行機です。ステルス爆撃機のように巨大な主翼だけの飛行機のことを「全翼機」と言います。本機は世界初のステルス機で、第二次世界大戦中に開発されました。ドイツが敗戦したため開発中止となりましたが、かなり時代を先どった兵器だったと言えるでしょう。ヴォイテク伍長動物を兵器として利用しようとしたものも多くありました。シリアヒグマのヴォイテクは第二次世界大戦中にポーランド軍に所属していた兵隊クマです。彼は子どもの時弾薬補給中隊に育てられ、部隊のマスコットでした。やがて部隊も戦争に行くことになったのですが、動物であるヴォイテクは乗船名簿を作れず船に乗せてもらえませんでした。そこで軍はヴォイテクを徴兵して伍長に任命しました。ヴォイテク伍長は戦地で弾薬を運ぶ任務に従事して大戦を生き延び、動物園で余生を過ごしたそうです。彼の所属した部隊は砲弾を担ぐヴォイテクの姿がエンブレムになっています。なんだかいい話になっていますが、動物兵器を紹介している章の名前が「ざんねんないきもの兵器」。ギリギリですね(笑)。兵器の歴史は戦争の歴史でもあります。少しでも優秀な兵器を作ろうと知恵を絞った結果、なんだかざんねんな兵器たちが生まれてしまいました。兵器とはただ強いだけでなく、コストや技術、運用のしやすさなどのバランスが必要なんだなあと思いました。あるいはこうしたざんねんな兵器の記録を残すことで、恥ずかしくなって兵器開発が少し下火になるかもしれません。ざんねんな兵器は人類に平和を呼ぶ(?)かもしれませんね。よかったらクリックお願いします。にほんブログ村
2021.05.23
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これも修行のうち。のご紹介です。日常生活には仕事や人間関係、ネットやテレビの情報など、疲れるものが溢れかえっています。それらに対していちいち反応していては心身共に疲れ果ててしまいます。多くの悩みは、心が「ムダな反応」を繰り返していることによるものだと言えるでしょう。本書はムダな反応をしないことにより悩みを減らし、ストレスを上手に捌くヒントになる一冊です。これも修行のうち。 実践!あらゆる悩みに「反応しない」生活/草薙龍瞬【3000円以上送料無料】心の中には「意識」というエネルギーが流れています。これはまだ感情や思考といった反応が生まれる前の状態です。この意識が外の刺激に触れた時「感覚」「感情」「思考」「意欲」という4つの反応を作り出します。我々の悩みはこの4つの反応から生み出されます。本書ではこの4つの反応をコントロールするための考え方や「プチ修行」について語っています。【「感覚」のプチ修行】日常生活の中で体が汗や垢で汚れていくように、心も「要らない反応」で汚れていきます。日々繰り返される反応で疲れてしまった時には、感覚に立ち戻ることが必要だと述べています。反応の大半は感情か思考でできています。感情は不満や怒り、楽しいといった反応です。思考は心配事をああでもないこうでもないと考えて不安になったり、ネットやテレビを見ようと色々考えてしまう反応です。世間一般でよいこととされているストレス解消ですが、これもまた感情や思考で反応しつづけていることに変わりはありません。ですのでストレス解消をすると楽しいかもしれませんが、反応自体は止まっていないので疲れが抜けないのです。これらの反応をいったんストップするには、感覚に意識を向けることで感情にも思考にも心を使わない(反応しない)ことだと述べています。体や心にあるものに気づくこと、心身のセンサーを磨くことが重要です。具体的には体の感覚に意識を向けることです。物を持っている手の感覚、呼吸をしている時のお腹の動き、イスに座っているお尻にかかる体重の感覚、歩いている時に足が上がったり床についたりする感覚等々。普段は余計な感情や思考でかき消されていますが、体は様々な感覚を感じ取っていることに気づきます。こうして自分の感覚に意識を向けられるようになってきたら、自らの心の中にあるものにも気づくよう努力してみると良いでしょう。自分は怒っているのか楽しいと感じているのか、今こんな風に考えているとか、自分はこのように「反応している」ということに「気づく」ということが大事であると言えます。日々の出来事に対して無自覚に反応し続けてしまっては、心身ともに消耗していくだけです。自分の感情や思考に気づくことで、対応するなり放っておくなりすることができます。吾輩も試してみたのですが、体の感覚に集中すると少し気持ちが楽になりました。感情や思考を使わないようにすることで、心身がいったん休憩できるような感じでした。【「感情」のプチ修行】感情には色々ありますが、仏教では快、ニュートラル、不快の3種類に分けられるそうです。そして心はニュートラルなのが基本なのだそうです。快も不快もいずれはニュートラルに戻ります。しょっちゅう快と不快に反応するのは感情が反復横跳びを繰り返しているようなもので、とても疲れます。味気ないと感じるかもしれませんが、いちいち心を波立てないようにするのが平穏を保つコツのようです。普段の感情の持ち方としては「ニュートラルが基本」「快はおまけ」「不快は避けるべきだが、反応することは人との関係に不可欠だから、不快に感じたら上手に解消する」ということになります。その中でも、不快への対処方については皆さん興味が深いと思います。本書でも不快への対処について多くのページを割いています。中でも吾輩が勉強になったのは「感情を外から眺める」です。例えば「―――と(私は)怒っている」と、自分の感情を客観的に捉えることです。他人事というか自分自身からも少し距離を置くように認識することで、冷静に対処することができるように感じました。もう一つは「悲の心から入る」です。相手にも事情があるのだろう、相手もまた苦しんでいるのだろうという考え方です。そうすることで心に余裕が生まれ、具体的な解決策や落としどころについて考えることができるようになると思いました。不快への対処ができてきたら、今度は快を増やして日々の生活を元気にする方法です。快の基本は「集中すること」だそうです。反応に心の容量は限られていると言われています。つまり怒りや不満、余計な考え事が多いと、心の容量を余計なことが占めてしまい快を感じることができません。今していることに集中し、余計な感情に囚われないことが快の第一歩だと言えるでしょう。もう一つ勉強になったのは「喜び力をアップする」です。まずは無理に喜ばなくても良い、とありました。感情は「ニュートラルが基本」なので、無理に自分を喜ばせる必要はないのです。そして日々のちょっとしたことに喜びを感じるようにすることで、喜ぶ力が鍛えられます。好きな物を食べたり好きな音楽を聴いたり、ちょっとしたことでも喜ぶ(感動する)ことで喜ぶことが上手になってきます。さらには「他人の喜びで自分も喜ぶ」ことが勉強になりました。街ゆく人を眺めていると、楽しそうにしている人、喜んでいる人を見かけます。そうした時に「ああ喜んでいる。よかったね」と心の中で思ってみます。せっせと自分を喜ばせようとしなくても、他人の喜びで自分を喜ばせることができたら、それは幸せだと思います。また、他人の喜ぶ姿を見て気分が落ち込んで来たり腹が立ってくることもあると思います。そうした時は無理に喜ぼうとせず、そのような感情が自分の中にあると気づくことが重要です。自分の感情に気づき、まずは感情をニュートラルに戻すことを心がけることで、少しずつわだかまりを消していくことができるとのことです。【「考え方」のプチ修行】世の中には欲望や怒り、暗い妄想やプライドなどの雑念で溢れています。ともすれば混乱しがちな心に秩序を与え、方向性を示すためには考え方が重要です。まず、方向性と妄想は違うということが述べられています。方向性とは、自分のたどり着きたい状態のことで、肝心なのはそこに「苦しみがないこと」です。一方妄想とはただ妄想しているだけで何も行動しないことです。そして疑い、不安、後悔といった暗いものも多いです。ネットやスマホ、テレビにはこうした妄想が溢れかえっているので、接する量などには注意して情報の取捨選択が必要だと言えるでしょう。吾輩が勉強になったのは、秘技「言葉抜き」です。これは禅の指南書にもある方法だそうです。本書の例によると「雲が浮かんでいる」「……が浮かんでいる」「……が……ている」「……ている」「……」普段の思考は言葉からできています。その言葉を抜くことで意味をなさないようにして、余計な考えを消す方法です。これは思ったよりもずっと効果がありました。日々の嫌なことや腹の立ったこともだいたい文章で心に浮かぶと思います。そうした言葉がリフレインしそうになるたびにシュレッダーで裁断するように言葉を抜いてみました。文章を意味のない状態まで言葉を抜くとあまり心に残らなくなりました。【「意欲」のプチ修行】仕事でもプライベートでも、意欲(ヤル気)があったらうまく行くことが多いと思います。ですが現実はヤル気が出なくて困ることが多いのではないでしょうか。仏教的に言うと「ヤル気」とは「求める心」が心と体を動かすエネルギーになった状態だそうです。つまり心と体が動かすことにつながれば、きっかけは色々あって良いということです。本書で紹介している「ヤル気の素」は以下のとおりです。欲求の満足を目指す。(食べる、遊ぶ、認められるようがんばる等)妄想を満足させるよう頑張る。ただし内容は吟味する。達成感を大事にする。(求めるものを手にする満足感を味わう)充実感を大事にする。(プロセスへの集中による爽快感を目指す)貢献して喜ぶ。自分が「納得」できることを目指す。おもしろかったのは「ヤル気の寿命は案外短い」ということです。初めはヤル気に溢れていても、やがて気持ちはしぼんでしまいます。上記されているようなヤル気の素をとっかえひっかえすることで、結果として気持ちを継続させることができます。本書は作者が僧侶だけに、仏教的な見地から述べられています。そのため、こうした本としては一風変わった切り口で語っていると思います。日々の些事で心を波立たせないような心がけが書いてあるのですが、それとともに「プチ修行」という具体的な方法が紹介されています。精神論だけでなく、すぐに使える具体的な技術が載っているのが良いと思います。これも修行のうち。 実践!あらゆる悩みに「反応しない」生活/草薙龍瞬【3000円以上送料無料】新品はこちら。【中古】これも修行のうち。 / くさなぎ竜瞬中古はこちら。よかったらクリックお願いします。にほんブログ村
2021.04.25
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偽善入門のご紹介です。偽善と聞くと悪いことのように思われます。しかし用量を守れば効果抜群。善、悪、心などを使いこなすコツが記された一冊です。【中古】 偽善入門 浮世をサバイバルする善悪マニュアル /小池龍之介【著】 【中古】afb本書は僧侶である小池龍之介さんが口述したものを文章に起こした本です。口述だけに内容が若干回り道したりするのですが、吾輩が印象に残ったものをご紹介します。【「綺麗ごと」は一応綺麗】綺麗ごと、偽善は良いことではないように思われます。ですが綺麗ごとであっても全くそう思っていなければ掲げていないはずです。綺麗ごとでもとりあえず無いよりはあった方がよいのですね。神でも仏でもない我々は、100%善意で行動することはできません。相手を気づかう言葉をかけたとしても、その何割かは自分の都合だったりするのです。しかし善意が10%しか入っていない偽善もあれば、善意が90%も入った偽善もあるわけです。「偽」善ではなく偽「善」。より善意の含有量が多い偽善を使うように心がけると、少しは他人のためになるのだと思います。【心のガソリンを減らす】もう一つ印象に残ったのは、心のガソリンを減らすということでした。前述の偽善は自分が他人を傷つけないようにするものですが、こちらは相手の言動で自分を傷つけないようにするためのお話です。相手のちょっとした言葉で腹が立ったり傷ついたりする経験は誰にでもあると思います。イライラや不安、不満などが溜まっている状態は心の中にガソリンが満ちているようなもので、わずかな火種で辺り一面火の海になってしまいます。自らの心身を把握して心にガソリンが少なくなるよう努力することが、日々の生活を穏やかにするための秘訣であるように感じました。仏教の世界では、自分が認識していない部分を無明という言うそうです。物事に対してパブロフの犬のように条件反射で反応するのは好ましくないとされています。自分の心情に対して無自覚でいるのではなく、例え悪い感情であってもしっかりと自覚することが心の平安を得るための第一歩であるように思いました。偽善入門 浮世をサバイバルする善悪マニュアル [ 小池龍之介 ]新品はこちら。【中古】偽善入門 / 小池竜之介文庫版はこちら。よかったらクリックお願いします。にほんブログ村
2021.01.24
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少し前に話題になった本ですね。題名を見ると世間に溢れかえるアホな連中をどう捌くかという内容を想像するかと思いますが、内容は結構違いました。どちらかというとサブタイトルである「人間関係を思い通りにし、最高のパフォーマンスを実現する方法」ための本と言ったほうが近いように思います。【中古】【全品10倍!11/10限定】頭に来てもアホとは戦うな! / 田村耕太郎本書のポイントは「むやみに敵を作らない」ということに集約されていると感じました。作者の田村さんは元参議院議員だったそうです。政治家として成し遂げたいことがあっても、それは一人でできるものではなく協力者が必要です。そのためにはむやみに敵を作らないことが重要だと言えるでしょう。【敵を作らず味方を増やす「人たらし」の技術】本書にはむやみに敵を作らないためのコツがたくさん述べられています。まずはナイーブであることをやめるとありました。ナイーブとは繊細なイメージがあると思いますが、英語圏では青臭い、未熟なという意味があるそうです。最後は必ず正しい者が勝つというのは物語としては気分がいいですが、現実では中々無いものです。正義感が強くむやみやたらに他者と戦っていたのでは精神力も時間もすり減らしてしまい、やりたいことができなくなってしまいます。それよりも他人とむやみに衝突せず、好ましくないと感じる人ですら味方にとりこんで利用するくらいの「人たらし」の方が多くを成し遂げることができると述べています。一部列挙しますと以下のようなものがあります。嫌な相手にこそやられたフリメンツより実利きまずいときこそ、無理にでも話しかける困っていなくても困った顔をせよ(支援を引き出しやすいようにする)淡々とこなす者が最後には勝つ中でも菅首相(出版時は官房長官)について述べていたのが面白かったです。地位が変わっても、会う人が変わっても、菅首相は態度を変えないのだそうです。偉くなった途端に偉ぶったりもせず、自分を見失い姿勢が素晴らしいと思います。【成功を掴む秘訣は忍耐】吾輩が一番感銘を受けたのは、物事を成すのに最も重要なのは忍耐力だということです。嫌なことであってもいちいち瞬時に反応していては、敵が増えていくばかりで味方は得られません。一口に忍耐力と言っても、ただただ耐えることではありません。「その場は」耐えることが重要だと述べています。本書の表現を借りるなら、その瞬間は液体窒素で怒りを凍結させて、誰もいない所で爆発させるのだそうです。責任や立場が大きくなると、受けるストレスも大きくなります。全部我慢しようとしてもしきれるものではないので、適度に抜いていく必要があると思います。人間は社会的な動物だと言われています。一人で生きて行くのは困難ですし、目的を遂げるには他者の手を借りなければならないことが多いです。そうした状況を生き抜くには、他人とむやみに戦わずに協力を引き出す技術が必要となるでしょう。本書ではそうした技術が分かりやすくまとまっていているので、人間関係で悩んだり怒りを感じた時手に取ってみるとよいかと思います。よかったらクリックお願いします。にほんブログ村
2020.11.22
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血ぬられた悪役たちのご紹介です。テレビ番組「知ってるつもり?!」の書籍です。知ってるつもり?! が放送されていたのは30年くらい前でしょうか。歴史上の人物にスポットを当て、1話まるまる使ってその人生を振り返っていくというものでした。【中古】 知ってるつもり?! 9 / 日本テレビ / 日本テレビ [単行本]【メール便送料無料】【あす楽対応】本書では歴史上悪役と言われた人たちを紹介しています。主君を殺した謀反人、明智光秀。わが子に人生を賭け、豊臣と運命を共にした女傑、淀君。忠臣蔵が生み出した悪役、吉良上野介。明治前夜、激動の時代を駆け抜けた人斬り、岡田以蔵。禁酒法時代に君臨したギャングの帝王、アル・カポネ。日本軍に利用された清王朝最後の王女、川島芳子。彼らは本当に悪人だったのでしょうか?一般に言われているイメージにとらわれず、彼らの人生に光を当てます。個人的には吉良上野介が印象深かったです。吉良といえば忠臣蔵に登場するにっくき仇役ですね。実の所、浅野内匠頭がなぜ殿中で斬りかかったのか、その理由ははっきりしないそうです。ワイロの額が少なかったから意地悪されたとか塩の製法を巡ってトラブルがあったとか、はては男色の相手を取り合ったなんて説もあるそうです。後年忠臣蔵を作るにあたって、物語を盛り上げるために吉良は陰険で意地悪な人物として描かれていったようですね。そんな吉良は領地に堤防を作り水害から民を救うなど、故郷では名君として慕われたそうです。今も昔も、大した根拠のない風評によって人物像が歪められてしまうのだなあと思いました。もう一人印象深かったのが、人斬り以蔵こと岡田以蔵です。彼が生まれたのは幕末、力が物を言う時代です。身分の低い家に生まれた以蔵ですが、剣術で身を立てようとします。やがて以蔵は武市半平太に見いだされ、彼に付き従うようになります。そして半平太は尊王攘夷を掲げ、土佐勤王党を結成。以蔵はその手先として、次々に人を斬って行きます。ですがインテリ派の半平太は、粗野で教養のない以蔵を疎ましく思うようになります。その上過激な行動が目立つ土佐勤王党は弾圧されるようになり、やがて以蔵も捕らえられてしまいます。暗殺の自白を得ようと連日拷問を受けるものの、以蔵は口を割りませんでした。しかし以蔵の口から証拠が漏れることを恐れた半平太は、以蔵に自殺するよう手紙を出します。自分が見限られたと知った以蔵は全てを告白し、半平太を始め多くの志士たちが処罰されました。以蔵は半平太との繋がりで、坂本龍馬や勝海舟と交流がありました。サディスティックで危険な人物であった以蔵ですが、人懐っこくて憎めない部分があったようで、坂本や勝にかわいがられていたようです。また勝のボディーガードをしていたこともあり、彼の命を救ったこともあったそうです。ひょっとして龍馬や勝と道を共にしていたら違った人生を歩んでいたかもと思うと、ちょっと寂しいですね。歴史は勝者の歴史だと言われています。自分たちの行為を正当化するためには悪役が必要です。ですが彼らは悪人ではなく、自分の理想や生き方を貫いた人たちでもあります。彼らは善か悪か? それは見方や時代でたやすくひっくり返ってしまうものです。悪と呼ばれた者たちの生き様から、人生を生き抜く知恵や矜持を学んでみてはいかがでしょうか。よかったらクリックお願いします。にほんブログ村
2020.09.27
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恐い間取りを読みました。【中古】恐い間取り / 松原タニシ【バラエティ豊かな一冊】本書は事故物件住みます芸人である松原タニシさんが今まで住んだ事故物件と、そこで起こったできごとについての記録です。恐い話ではあるのですが所々笑えてしまうのは、直接体験した人ならではの率直な感想やツッコミだからなのかもしれません。読む前はタニシさんの体験談が延々書いてあるのかと思っていたのですが、他にも内容が盛りだくさんでした。住むには至っていないけれど気になっている物件を集めた「事故物件間取りギャラリー」が面白かったです。「どこからでも死ねる部屋」とか「住む前に死ぬ部屋」とか、これまたすごそうな物件が掲載されています。他にもタニシさんが見聞きした事故物件にまつわる話を集めた章や、土地(心霊スポット)の章もあります。タニシさんは事故物件に住むだけでなく、心霊スポット巡りもしているようです。ここでもそうした活動の一端を見ることができます。【死を見つめることは生を見つめること】タニシさんは前書きで、死を身近に感じる事故物件に住むことで、奇しくも生きるということについて考えさせられたと述べています。最初は芸人としての話題作りのため事故物件に住んだのでしょうが、それが生を考えるきっかけになったというのが何とも言えない縁を感じました。また、タニシさんは特殊清掃のアルバイトをさせてもらったことがあるそうです。大量のゴミに酷い臭い、小麦粉をふいたように湧く蛆虫、さらには運びきれなかったご遺体の一部等、かなり過酷な仕事であるようです。さらに最後には奇妙なできごとが起こりますが、それも少し寂しさを感じました。ちなみに孤独死のご遺体は警察が持っていきますが、持っていけなかったもの(剥がれ落ちた体の一部など)は燃えるゴミとして扱われるそうです。事故物件が生まれる原因は事故や事件、自殺によるものもありますが、最近は孤独死によるものが多いそうです。高齢化社会である我が国において、孤独死はより身近なものになっているのかもしれません。タニシさんの事故物件に対する姿勢は、むやみに怖がるでもなく茶化すでもなく、静かで真摯なものを感じます。怪談に関わると「色々ある」ことがありますが、これからも生と死に向き合ってもらいたいと思いました。【関連作品】事故物件怪談 恐い間取り2 [ 松原 タニシ ]恐い間取りの続編です。発売1週間で増刷がかかったとか。好評で何より。そして実写映画化されます。CM見るとものすごく怖そう。2020年8月28日公開です。紹介記事はこちら。公式サイトはこちら。怪奇蒐集者 30 松原タニシ [DVD]DVDです。事故物件住みます芸人誕生秘話も語られています。紹介記事はこちら。インターフィルム INTERFILM 怪奇蒐集者 松原タニシ2【DVD】DVDの続編です。紹介記事はこちら。よかったらクリックお願いします。にほんブログ村
2020.08.02
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売れる作家の全技術のご紹介です。小説家の大沢在昌さんが小説家志望の人たちを集め、1年に渡って行った講演を書籍にまとめたものです。【中古】小説講座売れる作家の全技術−デビューだけで満足してはいけない− / 大沢在昌【小説を書きたい人必携の書】本書の元になった講演は雑誌に連載していたそうで、単行本化する前から話題だったそうです。受講者は本気でプロを目指している人で、一定以上の実力があり、さらに講義中に課される課題についてこられない場合は落第という条件で参加しているガチ勢です。それだけに時には厳しい評価も下される中、内容の濃い講義となっています。プロットやキャラクターの作り方、読者の心に印象を残す「作品のトゲ」を持つことといった、小説を書くにあたって必要な要素について丹念に解説されています。また作家デビューするための一般的なルート、編集者やマスメディアとの付き合い方など、デビュー前後についてもしっかり語られているのは第一線で活動する作家ならではの講義だと思います。【受講生たちの奮闘】本書の後半は受講生たちが書いた課題作のあらすじと、大沢さんの講評が載っています。各作品について具体的に評価しているので、前半の講義内容を復習することができて面白いです。読んでみると面白そうな作品もあったのですが評定は辛かったりと、プロになるのは半端なことではないのだなあと感じました。個人的にはSF的で独特な世界観を持ったワニさんと、優しい世界を描くロバさんが好きでした。この講義を受講していたことが後に影響が出ないよう、受講者は全て仮名となっています。講義は2011年頃に行われたそうです。時が過ぎた今、我々が手に取っている本の作者が元受講者かもしれないと思うと少しロマンを感じますね。【大沢さんの献身に感謝】今回の講義を行うにあたって、大沢さんにとっても勇気のいる作業だったと思います。何しろ小説家としてのノウハウ、言ってみれば企業秘密を公開することになるからです。あとがきで大沢さんは、作家として食べさせてくれ、作家になって良かったと思わせてくれた世界に「恩返し」になればいいとおっしゃっていました。自分が苦心して得た手法を伝え、後進を育成することで業界を活性化させようとするのは中々できることではないと思います。小説の構成や描写などは各人のフィーリングに頼るもので、中々教えられてできるものではないように思われます。ですがそうした感性の部分にもある程度定石のようなものはあり、それを体系的にまとめたものは少ないと思います。小説という一見体系化しづらそうなものについて、ここまでまとまっている本は貴重であると言えるでしょう。ほんの数十年前、小説を書こうと思ったら原稿用紙に手書き。出版社に作品を持ち込んでいたものです。どの出版社も取り合ってくれず、それでも作品を世に出したければ自費出版しているような時代でした。それが今ではパソコンで原稿管理も手直しも簡単になりました。小説投稿サイトも増え、創作活動の裾野は大きく広がったと言えます。それゆえに頭一つ飛び出すには、より一層の努力と工夫が求められるようになったと思います。プロ志望でも趣味にしても、小説を書きたいと思っている人は読む価値の大きい一冊です。よかったらクリックお願いします。にほんブログ村
2020.05.31
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諸葛孔明の兵法のご紹介です。三国志を代表する人物といっても過言ではない諸葛孔明。その人生と知恵を伝える一冊です。【中古】 諸葛孔明の兵法 / 高畠 穣 / 三笠書房 [文庫]【宅配便出荷】本書の前半は諸葛孔明の人生を紹介しています。三国志の中でも有名な人物であるだけに、三国志のざっくりとしたあらすじを知ることもできます。後半は諸葛孔明のエピソードなどを通して、組織構築や人心掌握のコツについて書かれています。兵法という題名はついていますが、戦闘の戦術というよりも組織づくりの指南書ととらえるとよいかもしれません。【統率の要、信賞必罰】孔明の組織運用は、信賞必罰に集約できると思います。忠義をつくし有益な者は必ず賞し、法を犯したり怠慢な者はかならず罰する。これを厳格かつ公平に執り行うことで、地位が低い者も懸命に働くし、高い者の横暴を抑えることができます。軍師といえば戦略をもって戦い、勝利に導くことが役割です。それを可能にするには、国を富ませ、兵を訓練し、組織の結束を深める必要があります。強い組織を作ることは現代においても重要な命題であり、頭を悩ませる課題であると思います。名軍師であり名宰相でもあった諸葛孔明の知恵に、組織づくりのヒントがあるのではないでしょうか。【関連書籍】【中古】 諸葛孔明 人間力を伸ばす七つの教え /姚磊(著者),金光国(訳者),李夢軍(訳者),高崎由理(訳者) 【中古】afb諸葛孔明の教えが紹介された一冊です。紹介記事はこちら。よかったらクリックお願いします。にほんブログ村
2020.05.03
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なぜか生きのこったへんな動物を読みました。ざんねんないきもの辞典を監修した今泉忠明さんが手掛けています。なぜか生きのこったへんな動物 おもしろ動物世界地図 [ 今泉忠明 ]【躍進する哺乳類にスポットを当てる】本書は哺乳類をテーマに書かれています。哺乳類は約2億2500万年前、恐竜がいた時代に生まれました。当時はネズミやモグラのようなものしかおらず、ひっそりと暮らしていました。哺乳類は乳で子育てをするので、子どもが生き延びやすくなりました。また体に毛が生えているので、寒い地域でも生きて行けます。さらに体温が一定なので、気温に左右されずに活動することができます。これらの特徴のおかげで、哺乳類たちは恐竜が去った後の地球で繁栄してきました。【pick up】ビーバーは自分がかじった木につぶされることがある何だかざんねんないきものみたいなノリですね。生きるって大変だなあ。木の切り倒し方は技術が必要で、2年ほど親について修行するそうです。ハダカデバネズミは空気がなくても生きられるほとんど毛が無く出っ歯というキャラの立った外見のおかげで、テレビでも時々取り上げられますね。その寿命は28年。同じサイズのネズミの10倍だそうです。しかもそのうち23年は若者のまま。さらになぜかガンにならず、熱さによる痛みも感じませんその上酸素が無くても18分生きていられるそうです。医学会も熱い視線を送っているそうな。謎すぎるぞ、ハダカデバネズミ。インドリは、かんちがいで名前がついたインドリは最大級のキツネザルで、ソヌラという人に発見されました。マダガスカルの自然調査に同行していたソヌラは、現地の人がインドリを指して「エンドリナ」と叫んだのをインドリとメモしました。エンドリナとは「ごらんなさい」という意味だったのですが、本国ではインドリという名前で定着したそうです。名前の由来ってそんな感じですよね。アイアイの名前は「わー、びっくり!」前回に引き続きソヌラの登場です。捕獲したアイアイを見て村人たちが「アーエーアーエー!」と言っていたので「アイアイ」とメモして報告したのが定着したそうです。アーエーは「わーっ」という驚きの声だったそうです。何だかソヌラがうっかり八兵衛みたいなキャラに思えてきました。カモノハシは博士にくちばしを切られかけたこういうノリいいですよね。当時は複数の動物を縫い合わせて作ったニセ標本がたくさん出回っていました。どうせ偽物だろうと疑った博士がくちばしを切り始めたのですが、途中で本物と気づきやめたそうです。この切込みの入った標本は、現在も大英博物館に保管されています。【世界地図で見る動物たち】地球の大陸は約3億年かけて今の形に落ち着きました。その間哺乳類たちも世界中に移動していきました。そして環境や競争相手との関係で、動物たちの分布が決まってきました。動物の分布で分けた世界地図を「動物地理区」というそうです。サブタイトルに「おもしろ動物世界地図」とあるように、本書はこの動物地理区をもとに動物たちを紹介しています。【へんなのは素晴らしい】世界中に進出した哺乳類ですが、移動先の環境に適応できるか、他の動物との生存競争に勝てるかどうかによって、その種が定着できるかが決まります。こうした問題をクリアするため、それぞれの種が独特な進化を遂げました。結果として、一見へんな姿や習性を持った生き物がたくさん生まれました。ですがへんなのは、彼らが生き延びるための試行錯誤を積み重ねて来た結果であるのです。そしてたくさんのへんな動物がいるということは、それだけ地球の環境が豊かであるということを示しています。へんな生き物たちにちょっと笑ってしまいながらも、そうした生き物たちの強さに思いをはせてみてはいかがでしょうか。よかったらクリックお願いします。にほんブログ村
2019.10.20
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前作わけあって絶滅しましたが話題になっていますね。この地球ができてから、数えきれないほどの種が生まれては滅んでいきました。その理由をユーモアと悲哀を交えて描き、我々人間が学ぶべきことを示している本だと思います。本書はその続編です。続 わけあって絶滅しました。 世界一おもしろい絶滅したいきもの図鑑 [ 今泉 忠明 ]【pick up】頭が引っかかって絶滅ディプロカウルスは川底をはい回って暮らす両生類です。なぜか頭がブーメランのような形をしています。障害物の多い川底では邪魔になり、絶滅したと考えられます。おしっこのしすぎで絶滅大型の爬虫類であるファソラスクスは、原始的な恐竜を狩っていたハンターでした。しかし地球が乾燥してくると、おしっこなどで排出する水分の多かった彼らは絶滅してしまったようです。おしっこといえど侮れませんね。大きなうんこがなくなって絶滅ムカシナンバンダイコクコガネは我が国がまだ日本と呼ばれる前に生きていました。当時はゾウやサイがいて、彼らの糞を食べることで大型化しました。しかし大型草食獣が姿を消すと、ムカシナンバンダイコクコガネも絶滅しました。歯が鉄火巻きみたいで絶滅デスモスチルスはカバのような姿をした大型ほ乳類です。その奥歯は鉄火巻きのような歯をしています。その独特な歯ゆえに食べ物が限定され、環境の変化によって絶滅したようです。先日行った群馬県立自然史博物館に化石が展示されていました。角を生やして絶滅ケラトガウルスは地中の巣穴で暮らすリスの仲間で、げっ歯類では唯一角を生やしていました。その角はメスへのアピールや他の群れとの闘いに使ったようですが、地中で暮らすには不便なうえに角に栄養を取られて生き延びるのが大変だったようです。イラストが結構かわいいです。方向性を見失って絶滅アルクトテリウムは巨大なクマで、南北アメリカがつながった時にいち早く南へ進出して成功した種でした。しかし巨大化しすぎたのが災いし、後続の素早い種に負けてエサがとりづらくなってしまいました。立ち上がると4mもあると言われても(笑)。【絶滅しそうでしていない!】最強にならなくて生き延びたサメは太古の昔から存在しましたが、古代の魚類や恐竜などのライバルが常にいたため、海の王者にはなれませんでした。しかしそれゆえに体の大きさもそこそこ。必要なエサの量もそこそこ。おかげで度重なる環境変化でも滅びることなく、今も生き続けています。命が短くて生きのびたカゲロウは儚いものの例えに使われます。彼らはゴキブリが現れる前から存在していたと言われています。成虫になってからの寿命は1日ですが、100万単位の成虫が一斉に成虫となり繁殖するので、天敵も食べきれずそこそこ繁栄しています。【わけあって繁栄しました】人間に便乗して繁栄ドブネズミ、クマネズミ、ハツカネズミを合わせてイエネズミと呼びます。彼らは人間の住み環境に適応して繁栄しました。3種とも住処や食べ物が少しずつ違うので共存できています。人間の天敵になって繁栄カは人間の血を好んで吸うことで繁栄してきました。わずかな水で繁殖できる彼らは人間の後を追うように生息域を広げてきました。血を吸う際に病気を媒介し、年間70万人くらい殺しているそうです。おそろしや。枯れ木を分解して繁栄どこでもよく見かけるキノコ。木にはリグニンという物質が含まれていて、細胞を固めることで水分の蒸発を防ぎ大型化しました。昔はリグニンを分解するものがおらず、枯れ木は地中に溜まる一方でした。そこに登場したキノコは枯れ木を分解することで栄養素を取り出すことができるようになりました。自然界では木を分解するという重要な役割を担っています。【教材としてさらにグレードアップ!】前作は絶滅したおおまかな理由別に章分けされていました。今回は古生代、中生代、新生代、現代と時代ごとに分けられています。各章の間にコラム「地球さんの手記」が載っています。これを読むと各時代の地球環境を知ることができます。また人間インタビューというコーナーがあります。多くの種族を絶滅に追いやった人間ですが、なぜ絶滅させてしまったのか、絶滅はしょうがない派、滅ぼしたくない派それぞれの意見が載っています。今回はこうした学術的な部分が増えているように思います。といっても堅苦しいものではなく、子どもたちにも楽しく読みながら学ぶことができるようになっています。中でも人間インタビューが良かったです。それぞれの意見を並べていて、押しつけがましくないのが良いですね。読む側が自分でしっかりと考えて意見を持つことを促していて、子どもにぜひ読んでほしい内容になっています。わけあって絶滅しました。 世界一おもしろい絶滅したいきもの図鑑 [ 今泉忠明 ]前作わけあって絶滅しましたです。紹介記事はこちら。よかったらクリックお願いします。にほんブログ村
2019.07.28
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超訳ブッダの言葉をご紹介です。ブッダと言えば、仏教の開祖として認識している方が多いかと思います。本名をゴータマ・シッダールタ。シャカ族の王子として生まれたため、釈迦とも呼ばれています。彼自身は別段宗教を始めようと考えていたわけでもなく、彼の教えが後年に仏教となりました。本書は僧侶の小池龍之介さんがブッダの言葉を分かりやすくかみ砕いて紹介したものです。原文からは大きく離れた所もある「超訳」ですが、それゆえにブッダの言わんとしていることがダイレクトに伝わってくるように思います。超訳ブッダの言葉 [ 小池 龍之介 ]【他人という荒波の中を生きる】ブッダの言葉の中には、他人との関りについて述べたものが多いです。ブッダは悟りを開いてから各地を周って教えを説いていったのですが、その教えは支配階級にとって都合の悪いものでした。それゆえブッダはいわれのない誹謗中傷にさらされ続け、しまいには暗殺者を送られたことすらあったようです。批判を浴び続けたからこそ、他人と衝突せず、なおかつ自分も傷つけないような心の在り方に説得力があるのではないでしょうか。「もし誰かに悪口を言われたら」悪口を言われて傷つきそうになったら、悪口は原始時代からずっと続くものだと思い起すとよい。静かな人はムッツリしてると悪口を言われ、たくさん話す人はおしゃべりだと非難され、礼節をわきまえた人ですら何か企んでるんじゃないかと言われる、とのことです。個人的にはこの言葉はいつも心に置いております。「悪口を言われない人はいない」この世のどんな人でも、必ず悪口を言われるのが当たり前。だから悪口は聞き流すのが良い、とのことです。今でも十分すぎるほど含蓄のある言葉だと思います。「君の怒りが傷つけているもの」うっかり攻撃的な言葉を言わない練習が必要です。そんな言葉を投げつければ、報復の言葉が返ってきます。攻撃的な言葉は言われる側はもちろん、自分自身の心を傷つけ、身体を疲れさせます。「自分より性格の良い友を持つ」「性格の悪い友といるくらいなら独りで歩む」「口先だけで何もしてくれない人は友ではない」付き合う人というのはお互いに影響を与え合う者であり、それによって幸せにも不幸せにもなります。もしよい友に出会えないならいっそ独りで歩むのが清々しい。サイの頭に突き出た一本角のように、とのことです。みんなと仲良く、という呪縛に苦しんでいる人にぜひ読んでもらいたい言葉です。【業を良くする】仏教の重要な教えの一つに、自業自得があります。自業自得というと自分のした悪事が返って来るようなイメージがあります。ですが業(カルマ)とは自分の行い全てを差していて、良いことも悪いことも、自分のしたことは自分に返って来るというのが本来の意味です。だからこそ、普段の行動を整えたいものですね。「君は、これまで君の心が思ったことの集合体」説明の必要がないほど分かりやすい言葉ですね。ネガティブな心で行動するなら苦しみが自分についてくる。優しい心で行動するならやすらぎが自分についてくる。まるで影が君の後ろへついてくるように。自分の心や行動を振り返ってみることが大事ですね。「傷がない手には毒は進入できない」傷がない手で毒を触っても毒が入ってこないように、心に悪業という傷のない者に対してはあらゆる毒は入って来られません。悪業というエネルギーを蓄えないことが必要ですね。【君よ、君自身から自由になるために】仏教のもう一つ重要な教えに、一切行苦があります。この世にあるものは、すべて苦しみであるという教えです。お金や恋人が得られれば一時幸せですが「失いたくない」という苦しみが生まれます。結局すべては苦しみなのだから、むやみに欲しがったり執着しないように、という考え方です。「欲しくて欲しくてたまらない相手をつくらない」「嫌いで嫌いでたまらない相手をつくらない」そのものずばりの言葉ですね。すべてが苦しみなので、欲しがったり遠ざけたがったりして心を波立たせないようにしたいですね。「私(ブッダ)の言葉にすら依存しない」何かを鵜呑みにしない。自分でよく吟味してから受け止めることが必要ですね。ブッダの言葉では、教えをいかだに例えています。川を渡った後「このいかだはとても役に立ったから持っていこう」と思うかもしれない。でもそんなお荷物を抱え込んでしまうと、重くてまもとに歩けなくなってしまう。業績であれ学歴であれ職歴であれ、ブッダの教えでさえいかだと同じこと。役割が終わったら惜しげもなく捨てていくように、とのことです。まじめで熱心な人ほど、こうしたことは心にとめておくと良いのかもしれません。気候の関係か、日本では物事をメランコリックに、湿っぽくとらえがちです。ブッダの生まれたインドは、照り付ける太陽と乾燥した大地が広がっています。そんなカラっとした教えは、SNSだの人間関係だので倦み疲れた現代人にとって、大きな救いになると思います。2500年経っても色あせない、ブッダの教えにぜひ触れてみてください。超訳ブッダの言葉 [ 小池 龍之介 ]新品はこちら。【中古】単行本(実用) ≪宗教・哲学・自己啓発≫ 超訳 ブッダの言葉 / 小池龍之介【中古】afb中古はこちら。よかったらクリックお願いします。にほんブログ村
2019.04.10
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巷で人気の番組チコちゃんに叱られる!。主演(?)チコちゃんのビジュアルファンブックができました。Eternal Five CHICO チコっと冒険 First チコちゃんに叱られる! ビジュアルファンブック / CHICO (チコちゃんに叱られる!) 【本】本書はチコちゃんのプライベートや別宅の様子、旅先での姿などが収録されています。いわゆる写真集とは違って、多くのページにカメラさん(?)の質問とそれに対するチコちゃんのコメントが載っています。番組同様、チコちゃんのコメントがまた渋い。個人的には「パンがなければおかしを食べればいいじゃない? チコはパンがなかったら自然薯(じねんじょ)でも堀りに行くわ」が笑いました。他にも色々なドレス姿が見られる「チコっとガーリー」や、様々な質問でチコちゃんに迫る「チコっとじゃねえよ! 100の質問」といった楽しい内容に仕上がっています。テレビとはまた違ったチコちゃんが見られる一冊です。よかったらクリックお願いします。にほんブログ村
2019.03.24
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人生が長くなり、将来の経済的な心配を抱えている人は多いと思います。本書は「はじめての人のための3000円投資生活」の著者横山光昭氏による、資産運用の指南本です。◆◆ずぼらな人でも絶対に損しない手取り17万円からはじめる資産運用 / 横山光昭/監修 / 宝島社【運用前の準備も必要】資産運用と聞くと、株を売り買いしたりするイメージがあると思います。本書では運用を始める前の準備や心構えを書いています。いきなり大きな額のお金を動かせる人は少ないです。多くの場合は少額ずつ長期運用でコツコツ資産を作っていくスタイルになります。少額でも運用に回せるお金を捻出するために、まずは「貯める技術」を身につける必要性を説いています。モチベーションを維持するために具体的な目的を立てる、固定費を見つめ直す、どのようなことに支出が多いかを確認する等、自分を振り返って「貯められる習慣になる」ということから始めることが大事です。【色々な運用方法を紹介】横山氏の著書「はじめての人のための3000円投資生活」では、初心者の資産運用として投資信託を勧めていました。本書でも投資信託を薦めていますが、他にも株や国債など、色々な運用方法を紹介しています。各方法についてのリターン、リスク、難易度を紹介していて、初心者は元よりある程度資産のできて来た人のステップアップにも便利です。【関連商品】はじめての人のための3000円投資生活 【新品】著者横山光昭氏のはじめての人のための3000円投資生活です。紹介記事はこちら。将来の不安は色々ありますが、金銭の不安はついて回るものです。我々一般人には、無理なくコツコツ着実に資産を増やすことが有効なようです。お金の不安を少しでも軽くしていくためにの入門書として、本書を手に取ってはいかがでしょうか。◆◆ずぼらな人でも絶対に損しない手取り17万円からはじめる資産運用 / 横山光昭/監修 / 宝島社よかったらクリックお願いします。にほんブログ村
2019.02.13
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やむなく副業を始める人が読む本を読みました。やや後ろ向きな題名に惹かれて買ったのですが、予想以上に前向きで面白い本でした。【中古】 やむなく副業を始める人が読む本 アスカビジネス/関行宏【著】 【中古】afb【自分にあった副業を探そう!】銀行の金利が低くそうそう給与もアップしないこのご時世、今以上に収入を上げようと思ったら他に稼ぐ方法を探す必要があります。とはいっても今の仕事に影響しないように稼ぎたい。本書では副業を選ぶ時のポイントや心構えが述べられています。勤務スケジュールや収入は人それぞれです。どの時間帯なら副業に充てられるか、いくら稼ぎたいかなどによって選べる副業が変わってきます。まずは自分ができそうな副業をイメージすることが必要ですね。また、副業を3つのジャンルに分けて紹介しています。1つ目はバイトや派遣で働くカラダ系副業。2つ目はフリマアプリやアフィリエイト、ゲームなどでこつこつポイント貯めるネット系副業。3つ目はフリーライターや翻訳などのスキル系副業です。それぞれの代表的な仕事がリストになっていて、大まかな収入やメリットデメリットが書いてあるのが親切です。【税金対策も忘れずに】副業をする時に気になるのが確定申告です。会社員ならば会社がしてくれるので気になりませんが、副業分は基本的に自分で申告しなければなりません。確定申告なんてしたことないし…… という方もご安心。本書では1章を割いて確定申告について説明されています。副業を紹介している本は多いですが、ここまで確定申告について伝えているのは珍しいと思います。作者さんは会社員をしながら副業をしていた経験があるそうです。確定申告はどうするのかとか、職場に副業がバレないかとか、誰でも心配するであろう部分をしっかり紹介しているのが良いですね。実際の経験に裏打ちされた、かゆい所に手が届く一冊だと思います。もうちょっと収入を上げたいけど何をしたらいいか分からない、そんな方に手に取ってもらいたい本です。よかったらクリックお願いします。にほんブログ村
2019.02.06
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ただいまざんねんな生き物が子どもから大人まで人気ですね。本書はざんねんな生き物を監修した今泉忠明さんが監修しています。おいおい書評を書こうかと思っていたら、先日テレビ番組の地球ドラマチックで取り上げられている者がいたので、テンションが上がり、ピッチを上げてしまいました(笑)。わけあって絶滅しました。 世界一おもしろい絶滅したいきもの図鑑 [ 今泉忠明 ]【聞いてくれ、その理由を!】題名のとおり、本書では絶滅した動物とその理由が紹介されています。一言に絶滅といっても、その理由は様々です。~パンダに負けて絶滅~ ギガントピテクス我々に近い類人猿で、植物や果物を食べていました。地球が寒冷化した時に食糧不足になり、成長の早いササを食べるようになりました。しかしササは栄養価が低く、3mの巨体を維持できませんでした。ちなみに当時ササを取り合っていたパンダはそれほど巨体ではなかったので、ササで間に合ったようです。~角に栄養をとられて絶滅~ オオツノジカ角が横幅3m、重さが45kgもありました。しかも角は毎年生え変わるので大量のカルシウムやリンが必要となり、肝心の本人は骨がスカスカ。ちょっとしたことでも骨折……こうしたやりすぎ感はつい笑ってしまいます。~暑さにも寒さにも弱くて絶滅~ ティタノボア地球ドラマチックに登場していました。全長13m、直径1mという、史上最大のヘビです。その大きさはアナコンダのゆうに5倍。ワニなどの大型動物を餌にしていました。ですが大型化しすぎて体温調整がうまくいかず、30~34℃でしか活動できなかったため環境に適応できず絶滅しました。~筋肉ムキムキで絶滅~ スミロドンサーベルタイガーのような動物です。マンモスなどの大型獣を押さえ込み、その長い牙で狩っていました。そのガッシリした重い体が災いしてすばしっこい動物を捕らえることができず、大型獣が絶滅するとともに滅んでしまいました。~クジラの逆襲で絶滅~ メガロドンこちらも地球ドラマチックに登場していました。「ジョーズ」で有名なホオジロザメの3倍もの体長を誇るサメです。体長4mクラスのクジラを餌にしていましたが、海水温が下がり活動が鈍りました。さらにクジラから進化したシャチなどに追いやられ、絶滅しました。【生き残るってたいへんだ】種族が絶滅する理由はいろいろありますが、理由の圧倒的第1位は環境の変化です。火山の爆発や隕石の落下、気温や酸素濃度の変化などにより環境が変わってしまい、適応できない種が滅びました。環境が急変した際はほとんどの種が滅んでしまう「大絶滅」が起こり、そのたびに地球のメンバーがガラリと入れ替わって来ました。絶滅の理由第2位はライバルの出現です。自分たちより環境に適応した種が現れ、生存競争に敗れてしまうことが原因です。そして第3位は我々人間のせいです。1、2位より割合は低いものの、人間ほど他の種族を滅ぼしてきた者はいません。狩りつくしてしまったり環境を変えたりして、多くの種が絶滅に追いやられました。この地球で生き延びていくのは容易ではなく、種族の99.9%は絶滅していると言われています。しかも絶滅理由第1位の環境変化の前では種族の優劣はほとんど関係なく、たまたま難を逃れた種が生き延びたに過ぎないのです。【どっこい彼らは生きていた】そんな中、絶滅しそうでしなかった者たちも取り上げられています。~森に引きこもって助かった~ コビトカバ地球の気温が下がり気候が乾燥してくると、森林が減りサバンナや砂漠が増えました。そのため木の葉を食べていた哺乳類の多くが森を離れた中、コビトカバは森にとどまりました。おかげで生息地はごく限られてはいるものの、彼らは昔と変わらない姿で生き続けています。~深海に迷い込んで助かった~ シーラカンス生きた化石として有名ですね。はるか昔に滅びたと思われていたのですが、たまたま深海に進出した者たちが子孫をつなぎ、3億5000万年前とあまり変わらない姿で今も生きています。~進化がおそくて助かった~ オポッサム有袋類の中でも原始的な種です。特定の環境に適応していない代わりにどの環境でもそこそこやっていけるため生き延びました。子だくさんで何でも食べるので、多くの種がネズミに負けて絶滅する中、彼らは力強く生きています。~気づいたら別の場所にいて助かった~ クニマス絶滅したと思われていましたが、さかなクンが発見したことで話題になりました。もともとは秋田県田沢湖に生息する固有種でしたが、水力発電のための開発で絶滅しました。いきさつはよくわかっていないそうですが他県の施設に受精卵が送られていたらしく、山梨県西湖で生存が確認されました。そんな彼らも今や絶滅危惧種。彼らを滅ぼした人間によって守られる身になったのですから、何とも皮肉な話ですね。【この世界を生き切った者たちに学ぶ】本書にあったとおり、生きていくのは大変だと思いました。絶滅した理由は様々ですが、彼らから学ぶことはたくさんありました。種の繁栄には環境に適応することが重要ですが、適応した体になっているからこそ環境の変化についていけないというケースがありました。他にも強力なライバルに敗れる、個性を伸ばしすぎたために自滅など、我々人間のビジネスシーンでも身につまされるものがありました。では絶滅は悲しいことなのでしょうか。地球で生きられる生き物の数や資源には限りがあります。かつて地球の王者だった恐竜が滅びることで、哺乳類や鳥類が進出して来ました。種族が絶滅することで地球に空席ができ、そこに座った新しい種族が進化していくのです。つまり絶滅と進化は背中合わせなのです。本書は生き物が絶滅した理由を哀愁たっぷりに伝えるだけのものではありませんでした。先に紹介したような絶滅に関する基礎知識や、絶滅は悲しいことばかりではないということもしっかりと書かれていました。巻末には別冊として絶滅全史という冊子がついています。地球が生まれてから現在までの種族の繁栄と絶滅の歴史がざっくりと書いてあります。これが本当に分かりやすいです。全体として平易な文章と楽しいイラストが多く、大人から小さな子どもまで味わえるようになっています。この夏休みに家族で読んでみるのも面白いかもしれません。そして絶滅は次の世代の進化を促しますが、人間による絶滅は次の進化した動物を生み出さないという本書の言葉を深く受け止め、人と自然の付き合い方を振り返ってみてはいかがでしょうか。わけあって絶滅しました。 世界一おもしろい絶滅したいきもの図鑑 [ 今泉忠明 ]続わけあって絶滅しました。 世界一おもしろい絶滅したいきもの図鑑 / 今泉忠明 【本】続編です。こちらも併せてどうぞ。紹介記事はこちら。よかったらクリックお願いします。にほんブログ村
2018.08.12
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巷で話題になっている大家さんと僕を読んでみました。大家さんと僕/矢部太郎[カラテカ]/著/新潮社本書はお笑い芸人カラテカのボケ担当矢部太郎さんと、彼が住むアパートの大家さんの日常を描いたコミックエッセイです。バラエティで話すのが苦手で、いまひとつ売れてるとは言い難い矢部さん。彼が住むことになったアパートは木造2階建ての2階で、1階には大家さんが住んでいます。大家さんは挨拶は「ごきげんよう」、好きなものは伊勢丹とNHKと羽生結弦さんという上品なおばあさんです。何かとおすそ分けをくれたりお茶に誘ったり、雨が降りそうだからと洗濯物を取り込んでくれたりする大家さんに最初は戸惑うものの、矢部さんも次第に打ち解けてきます。世代ギャップがありすぎて、クスリと笑えてしまう二人のやりとりが楽しいです。一方で戦時中に苦労したことや初恋、体調のことなど、笑ってばかりもいられないエピソードもありました。ままならない人生を生き抜いている、大家さんの人生の厚みも感じられるのが印象深いです。カラテカを初めて観たのは随分昔だったように思います。その後も散発的にテレビで見るくらいだったので、本書が出た時失礼ながら「え、まだやってたんだ」と思ってしまいました。浮き沈みや入れ替わりの激しい芸人の世界にあって「続けていく」ということがまず一つのハードルであると思います。大人気とまでいかなくても長くがんばっている人がいるというのは、つい応援したくなってしまいますね。そうした意味でも読んで楽しい一冊でした。忙しい昨今、少し歩みを緩めてみるとこうした穏やかな日常があるのかもしれませんね。皆さんも大家さんとの日常に癒されてはいかがでしょうか。公式ページはこちら。よかったらクリックお願いします。にほんブログ村
2018.07.05
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一度聞いたら忘れられないような題名ですね。いつも死んだふりで出迎える妻への対応に困った夫が、Yahoo!知恵袋に投稿した質問が始まりなのだそうです。それが話題となり、エッセイとなったのが本書です。家に帰ると妻が必ず死んだふりをしています。/K.Kajunsky/ichida【2500円以上送料無料】【これが運命というやつなのかも】読んでみたのですが、これ、ネタ? と思うような内容でした。しかもそんなご夫婦が今この瞬間も日本のどこか(確か東京)で生活していらっしゃるわけです。まさに事実は小説よりも奇なり、ですね。あの手この手で死んだふりをする個性的な妻と、それに対し冷静沈着に対応する夫。まさに相性ピッタリなのではないでしょうか。失礼ですがこうした方と暮らすのは、相当な胆力が必要だと思います。なぜ死んだふりをするのか? その理由は結局語られません。夫が構ってくれないので寂しいのか、それも定かではありません。いたずらにしては手が込んでますし、ここまでやっても大丈夫という信頼があるからなのでしょうか。よくテレビ番組で人間と動物の種族を超えた信頼関係が伝えられることがありますが、それに近いものを感じました。種族や性別に関係なく「ご縁の深い」生き物はいるものだと思います。それが同じ種族で異性だと結婚する相手になるのでしょう。そんなご縁を感じたお二人。これからも末永くお幸せに、死んだふりライフを過ごしていただければなあと思いました。【関連情報あれこれ】死んだふりをする妻との生活は、現在ブログで公開されています。作者さんのブログはこちら。この話はボーカロイドの楽曲にもなりました。この曲がきっかけで知った方も多いのではないでしょうか。原曲はこちら。(YouTube)イラストつきバージョンもあります。(YouTube)楽曲を作ったほぼ日PのCDはこちら。同曲も収録されています。紹介記事はこちら。よりぬきほぼ日Pさん [通常盤] / ほぼ日P楽曲が収録されているCDはこちら。【オリコン加盟店】■V.A. CD【EXIT TUNES PRESENTS Vocalonexus〔ボカロネクサス〕feat.初音ミク】11/1/19発売【楽ギフ_包装選択】そしてこの度映画化されることになりました。2018年6月8日上映開始です。エッセイの世界をどう再現するのか楽しみですね。公式ホームページはこちら。紹介記事はこちら。よかったらクリックお願いします。にほんブログ村
2018.05.29
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キリスト教といえば人類の3分の1が信徒である、世界最大規模の宗教です。我が国でもクリスマスを祝ったり教会で結婚式を挙げたりして、なじみが深いと言えるでしょう。ですがキリスト教はどのような宗教なのか、きちんと理解している人も少ないでしょう。本書はキリスト教の成り立ちと現代に至るまでの歴史から、キリスト教を理解するための一冊です。【中古】 図解 これだけは知っておきたいキリスト教 /山我哲雄【著】 【中古】afb【歴史が分かれば流れも分かる】本書を読んでみて、やはり歴史を学ぶのは大事だなと感じました。一口にキリスト教と言っても多くの宗派があるなと思っていましたが、ローマ帝国の東西分裂などの歴史的な背景が関わっていたことが分かりました。また支配階級にとって都合の悪かったキリスト教は、しばしば迫害の対象となってきました。そうした苦難を耐え忍び、逆に皇帝よりも教皇の方が権力を持った時代もありました。一方で魔女狩りや異端審問、十字軍遠征など、人類の黒歴史にも関係してきた一面があります。キリスト教に限らず、近年の戦争でも政治的理由を覆い隠す材料として、宗教はしばしば利用されてきました。【生活に根ざしたキリスト教】世界で最も売れている本は聖書なのだそうです。数千年に渡って評価され続けたベストセラーと言えるでしょう。風雪に耐えるという言葉がありますが、キリスト教の歴史もまさにそうであったように感じました。当時巨大勢力だったユダヤ教圏や未開の地アジア圏に対する命懸けの布教活動は相当の覚悟であったと思います。権力者による迫害を耐え忍び、政治的混乱に乗じて皇帝を凌ぐ発言力を手にしたこともありました。科学の発展に伴い、合理的な視点に耐えうる教義の解釈が繰り返し行われました。さらには自殺、死刑、人工中絶、同性愛、環境問題といった、近年話題になっているテーマにどう答えるかという課題にも直面しています。苦難を耐え忍ぶ堅固な忍耐強さと、時代の流れを取り込む懐の深さを併せ持つからこそ、世界最大クラスの宗教となったのではないかと思います。知ってるようで知らないキリスト教。その基礎を知る一冊として手にとってみてはいかがでしょうか。【中古】 図解 これだけは知っておきたいキリスト教 /山我哲雄【著】 【中古】afbよかったらクリックお願いします。にほんブログ村
2018.05.24
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資産運用と聞いて、最初に思い浮かぶのは株ではないでしょうか。株券が電子化されてすでに10年が経とうとしています。ネットで簡単に口座が作れるようになり、株はだいぶ身近なものになりました。興味はあるけど、株ってよく分からない。どうやって買うのかも分からない。本書はそんな方にお勧めの一冊です。【中古】 一番よくわかるネット株の始め方 この一冊で今日からできる! /NetLifeNavigator(その他) 【中古】afb本書ではまず、株の仕組みや用語などの基礎知識が紹介されています。続いて株売買のコツも載っています。株取引の成立の仕方やチャートの見方など、やっていない人には分かりにくい部分も例を示しながら紹介してあるのが分かりやすいです。これから株を始めたいという方は、ガイド本として手にとってはいかがでしょうか。【関連記事】◆◆お金を無理なく増やす鉄則を教えます / 文藝春秋超低金利社会となった昨今。株だけでなく、資産形成の手段について幅広く網羅した一冊です。広く知識を得たい方にお勧めです。紹介記事はこちら。【中古】 はじめての人のための3000円投資生活 /横山光昭(著者) 【中古】afb投資をとりあえず始めてみたいという方にお勧め。投資信託を中心に紹介しています。具体的な運用等にはあまり触れていませんが、その前段階をきめ細やかに紹介しています。紹介記事はこちら。税金でトクする!確定拠出年金〈iDeCo〉活用ガイド 2017年1月改正!話題の制度を徹底解説/家計の総合相談センター【1000円以上送料無料】老後に備えたいという方はこちら。税制面で恩恵のある確定拠出年金を紹介しています。紹介記事はこちら。初めてでも大丈夫!マネして書くだけ確定申告(平成30年3月締切分) [ 山本宏 ]首尾よく儲かった方はこちら。確定申告のやり方を紹介しています。最新の制度にも対応しています。紹介記事はこちら。よかったらクリックお願いします。にほんブログ村
2018.05.06
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超低金利社会となった日本。そのうえ人生が長くなって、生活にお金がかかるようになりました。銀行に預金してもほとんど増えないし、かといって歳とともに給料が増えるわけではないし、どうしたものか。そこで、将来に備えて資産形成に興味を持つ方もいらっしゃると思います。本書は投資経験のない人向けに、資産形成について解説しています。◆◆お金を無理なく増やす鉄則を教えます / 文藝春秋【資産形成について幅広く紹介】本書では資産形成について色々な手段を紹介しています。投資信託はもちろん、NISA、つみたてNISA、個人型確定拠出年金(iDeCo)などについても解説しています。今まで何となく聞いたことはあるけれど……という方にも理解しやすいと思います。また、不動産投資や信託銀行、相続の税金対策についても触れています。こちらはある程度まとまった資金のある人向けかなという印象ですが、資産が増えてきたらこういうのもあるよという知識を知っておくのは有効だと思います。【資産形成が変わってくる?】吾輩が子どもの頃は、銀行に定期預金で貯金しておくのが資産形成の主流だったように思います。ですが現在のほとんどゼロに近い金利では、この方法は通用しないようです。タンス預金をしている方も多いかと思いますが、こちらは正真正銘金利ゼロ。何年寝かせても増えることはありません。国家としても、この眠っている資金を市場に流通させたいという思惑があるようです。近年NISAやiDeCoを盛んに宣伝しているのはこうした狙いもあるようですね。一方で個人が資産形成をしやすい環境になったとも言えます。証券会社はネットで取り引きできますし、少額からできる投資も増えました。投資は元本を100%保障するものではありませんが、無理のない額で少しずつ始めてみるというのも一つの方法かもしれません。資産形成に興味のある方は本書を手に取ってみるのも良いかと思います。◆◆お金を無理なく増やす鉄則を教えます / 文藝春秋よかったらクリックお願いします。にほんブログ村
2018.03.11
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ただいま確定申告のシーズンですね。本書は確定申告の仕組みについて解説し、様々なケースを具体的に掲載しています。初めてでも大丈夫!マネして書くだけ確定申告 平成30年3月締切分 / 山本宏(税理士) 【本】【具体例満載で分かりやすい!】本書はまず確定申告の流れや必要書類、納税額の計算方法を解説しています。第2章以降は具体例の紹介に多くのページを割いています。章ごとに会社員とその家族年金生活者個人事業主、兼業・脱サラ、不動産オーナー個人投資家やマイホームを売買した人特別な出費や扶養家族がいる人について説明しています。本書の優れている所は「ありそうな」事例がたくさん載っていることです。第1章を読んでも確定申告のしくみがいまひとつ分からないと言う人も、この具体例を見ながら書くだけで必要な書類が完成してしまいます。【新しい制度にも対応!】本書は最近始まった「セルフメディケーション税制」についても説明しています。この税制は平成29年から始まったそうで、特定の医薬品を購入した人が要件を満たすと所得控除を受けられる制度です。また、近年はやりのふるさと納税をした場合の申告についても解説しています。会社に勤めていると確定申告をする機会は少ないと思います。一方で副業をする人が増え、会社員でも確定申告をする必要がある場合も出てくるでしょう。確定申告の仕組みを理解し、正しい納税をしていくためにも、本書を参考にしてみてはいかがでしょうか。初めてでも大丈夫!マネして書くだけ確定申告 平成30年3月締切分 / 山本宏(税理士) 【本】よかったらクリックお願いします。にほんブログ村
2018.02.18
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世界各国に伝わる神話。何となく聞いたことはあるけれど、詳しくは知らない方が多いと思います。本書は様々な神話と、そこに登場する神々について知ることのできる一冊です。世界の神々と神話事典 ヴィジュアル版 ギリシア神話、北欧神話、インド神話、日本神話など、世界の神話に登場する神々がよくわかる! オールカラー/歴史雑学探究倶楽部【1000円以上送料無料】【人と共に息づく神話】人のいる所に神話あり。ギリシア、北欧、エジプト等々、色々な神話があるものだなと思いました。ギリシア神話の神々を読んでいたのですが「ゼウスが浮気して産ま……」またですか(笑)。主神なんだからもうちょっと自重していただかないと(笑)。当時のギリシアでは一夫一妻制で、王と言えども愛人を持つことが無かったそうです。そうしたゼウスの奔放ぶりも、人間とは違う「神」という存在を印象づけたのかもしれません。また浮気したり怒る妻をなだめすかしたりと、わりと俗っぽい所が神をより身近に感じさせたのかなと感じました。印象深かったのは西洋の神話はいわゆる神話なのに対して、アジアの神話は結構政治色が強い所でした。日本神話は国家を統一した大和朝廷が、自分たちの正当性を地方権力に誇示するために編纂されたものでした。中国はかなり昔から既に皇帝が存在しました。そのため皇帝と神を重ねることで、権威をより強力なものにしようという意図もあったようです。神話というとファンタジーな印象がありますが、こうして見ると人間の営みと結びついて生まれた文化なのだと感じました。神話を知ると、その国の成り立ちや環境などを理解する一助になると思います。マンガやゲーム、はてはスタンド名にもモチーフになっている世界の神話。これを機会にその世界に触れてみてはいかがでしょうか。新品はこちら。世界の神々と神話事典 ヴィジュアル版 ギリシア神話、北欧神話、インド神話、日本神話など、世界の神話に登場する神々がよくわかる! オールカラー/歴史雑学探究倶楽部【1000円以上送料無料】中古はこちら。【中古】 世界の神々と神話事典 ヴィジュアル版 ギリシア神話、北欧神話、インド神話、日本神話など、世界の神話に登場する神々がよくわかる! /歴史雑学探究倶楽部(編者) 【中古】afbよかったらクリックお願いします。にほんブログ村
2018.01.02
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北欧神話と聞いても、ちょっとピンと来ないかもしれませんね。ですがオーディン、ワルキューレ、ユグドラシルと言えば、聴いたことのある方は多いと思います。本書北欧神話全書は、北欧神話を分かりやすく紹介した一冊です。北欧神話全書 (日文PLUS) [ 北欧神話研究会 ]【北欧神話とは】北欧神話は主にゲルマン民族、現在のノルウェーやデンマーク、スウェーデンやアイスランドの人々に信仰されて来ました。スカンジナビア半島の青銅器時代(紀元前1600~前450年)に形成されたと考えられ、紀元1世紀には存在していたことが確認されています。極寒の地で戦いに生きたヴァイキングたちが中心となって信仰していました。【身近な物語、北欧神話】本書は北欧神話に登場する神々やアイテム、エピソード等について各章で紹介しています。驚くのは北欧神話の登場人物やアイテムの名前が、現在のマンガやゲームの中にもたくさん使われていることです。こんなにたくさんあるとは思いませんでした。北欧神話がエンターテイメントの世界にこれほど浸透しているのは、名前の響きがかっこいいのもあるかと思いますが、物語の親しみやすさもあるように思います。神々は自分の欲望や色恋沙汰でしょっちゅう争うし、何かと言えば勝負するし、少年マンガかとツッコミたくなるほどです。この辺の「欲しいものは力づくで手に入れる」「何かあったらとりあえず勝負」というノリはヴァイキング好みだったかもしれません(笑)。こうした人間臭さが「神」というはるか手の届かない存在ではなく、どこか身近な感じがして親しみを感じるのかもしれません。そんな北欧神話ですが、最後は「神々の黄昏」ラグナロクによって大半の神と魔物は命を落とし、世界樹ユグドラシルも焼け落ちてしまいます。わずかに生き残った神々が新たに平和な世界を作り出し、北欧神話は幕を下ろします。オーディンはラグナロクを予見しあらゆる対策を講じますが、結局ラグナロクを回避することはできませんでした。宿命づけられた終末と再生。こうした儚さと未来への希望が、戦いに明け暮れたヴァイキングだけでなく我々日本人の心にも響くのかもしれません。本書は誰もが何となく知っている北欧神話について、系統だった知識を得ることができます。またこうしたお手軽な値段で買える本にしては珍しく、伝承で伝わっている絵や北欧神話を描いた絵画がふんだんに載っていて、神話の雰囲気を感じることができます。反面萌え要素は低めですが(笑)。様々な作品に取り上げられる北欧神話。これを期に、その魅力に触れてみてください。新品はこちら。北欧神話全書 (日文PLUS) [ 北欧神話研究会 ]中古はこちら。【中古】 北欧神話全書 日文PLUS/北欧神話研究会(編者) 【中古】afbよかったらクリックお願いします。にほんブログ村
2017.11.13
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長らくお昼休みの定番だった「笑っていいとも!」。惜しまれながら終わったあの番組は記憶に新しいと思います。笑っていいとも! を語る上で外せないのが、タモリさんの軽妙なトークだと思います。テレホンショッキングでは様々な職業、世代のゲストが来るにもかかわらず、毎回楽しい会話を披露してくれます。本書「タモリさんに学ぶ話がとぎれない会話の技術」は、タモリさんのトークが魅力的な理由と、それを活かして雑談で人を楽しませる方法について紹介した本です。タモリさんに学ぶ話がとぎれない雑談の技術/難波義行【1000円以上送料無料】【本書のエッセンス】そもそも雑談とはどういったものでしょうか。コンペや議論のように、相手に勝つ必要はありません。社内会議のように正しい結論を目指す必要もありません。雑談とは、楽しい時間を一緒に過ごすことが目的だと言えるでしょう。トークショーとなっている番組も多い中、タモリさんのトークはゲストとくつろいで談笑しているような日常感があります。本書ではタモリさんの話術を引き合いに出しつつ、仕事やプライベートで役に立つ会話のコツが多く紹介されています。吾輩が特に参考になったのは、色々なものに興味を持つことと、相手の話に興味を持つことです。広く知識を持っていれば、例えば相手がややマイナーなスポーツの話をしてきても「ああ、それって確か○○するスポーツだよね?」とか返すことができます。合っていればそのスポーツのことや楽しさについてもっと語ってもらえますし、合っていなくてもどんなスポーツなのかを教えてもらう形で雑談を盛り上げていくことができます。話のとっかかりになる程度の知識を得るためにも、普段から世の中のことに広く興味を持つことは大切だと思いました。また、相手の話に興味を持つことで「何人でやるスポーツなのかな」とか「器具は高いのかな」とか「魅力は何だろうな」とか、色々と気になる部分が出てくると思います。それを乗せることで、一つのネタ(話題)で話がどんどん広がっていきます。こうした話術はすぐにできるものではありませんし練習が必要です。頭の隅に置いておいて、日々の会話の中で技術を磨いていくと楽しい会話ができるようになると思いました。【雑談の達人タモリさん】吾輩はあまりテレビは見ないのですが、タモリさんはとても好きな芸能人の一人です。彼は人を傷つけたり、自虐ネタで笑いを取るようなことはしません。その場にいる全員が楽しい気分になれるような話をするので、いつも安心して見ていられます。また、その知識を披露する時も自慢するようなことはせず「これおもしろいだろ?」みたいな話し方をします。恐らくタモリさんは常に「周りどう思うか」を意識して話をしているんじゃないかなと思います。相手も自分も気持ちよくなれるような会話を身につける手引きとして、みなさんもぜひ本書を手にとってはいかがでしょうか。新品はこちら。タモリさんに学ぶ話がとぎれない雑談の技術/難波義行【1000円以上送料無料】中古はこちら。【中古】単行本(実用) ≪政治・経済・社会≫ タモリさんに学ぶ話がとぎれない雑談の技術 / 難波義行【中古】afbよかったらクリックお願いします。にほんブログ村
2017.10.29
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様々な物語やゲームのモチーフにされることが多い中世ヨーロッパ。実際はどのような暮らしだったのでしょうか?本書は中世ヨーロッパの人々の暮らしについて紹介した本です。図説中世ヨーロッパの暮らし/河原温/堀越宏一【1000円以上送料無料】【中世の始まりは農村の発展】第1部では中世農村の誕生と、農民の暮らしについて書かれています。起源1世紀ごろローマ人の進出により農村が広がりました。そして3世紀ごろゲルマン民族の南下によって多くの農村が放棄され、しばらくの間低迷期が訪れます。その後10世紀末になって、農村は大きな発展を迎えます。土地を耕すのに農耕馬が使われるようになり、鉄器の生産が拡大して農機具にも用いられるようになりました。これによって生産量が拡大し、農村はヨーロッパに広がっていくようになりました。中世において、人口の8~9割は農民でした。本章では農村における生活や村の生活様式についても触れられています。【都市の暮らし】第2部では、都市での暮らしについて書かれています。農村では手に入らない物を扱う商人や、農機具を作る鍛冶屋等の商工業者たちは、彼らの仕事に適した場所に定住するようになりました。こうして彼らの集まった場所が都市となって行きました。ゲームなどでよく聞くギルドと呼ばれる職能団体も都市で作られました。【中世の日常】第3部では、中世の人々の生活について触れています。日々の生活や一年の行事、頭を悩ませる災厄や衣食住に至るまで、幅広く紹介されています。面白かったのは食糧についてで、中世の時代から色々なものを食べてたんだなあと思いました。パンが主食ではありましたが、野菜や果物も結構種類が多く栽培されていたようでした。本書は中世ヨーロッパの生活について、生活様式から建築、衣食住に至るまで広く書かれています。それぞれの要素について深く知ろうとすればもっと専門的な本を探す必要があると思いますが、中世がどんな様子だったのかを多方面から全体像を捉えるにはちょうど良い本であると思います。文章量もやや多いですが、当時を描いた絵などがたくさん載っている上にほとんどがカラーページなので読みやすくなっています。各項目について章分けされていて文章も読みやすいので、こうしたジャンルの入門書として優れた一冊だと思います。ファンタジー世界などで何となくイメージしている中世の世界。この本でもう少し詳しく知ってみるのも面白いかもしれません。図説中世ヨーロッパの暮らし/河原温/堀越宏一【1000円以上送料無料】よかったらクリックお願いします。にほんブログ村
2017.10.23
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社会人も何年かやっていますと、後輩なり部下なりを持つことがほとんどだと思います。そして「もうちょっと頼りになる部下はいないなかあ」と考えてしまうことも多いことでしょう。本書はそんな日々に悩む上司たちへ、少し違った目線のマネジメントを紹介する一冊です。三省堂書店オンデマンドすばる舎 部下は取り替えても、変わらない!【本書のエッセンス】「人さえ替えればなんとかなる」は幻想自分で考え、工夫して仕事をこなしていく部下。そんな都合の良い人材をつい期待してしまいます。ですが「自分で考えて動ける」部下は全体の2割以下と考えた方がよいです。では残った人材にどうやって活躍してもらうか?まずは「パーツ」に徹して働いてもらいます。パーツというといい印象を持たないかもしれませんが、経験の浅い人材は自分で考えることは難しいですし、少ない経験から考えたところで有効な手段を取るのは困難でしょう。そこにマネジャーの重要な役割があります。それは「成功率の高いやり方でやらせる」ということです。仕事は量をこなさないと経験が積み上がりませんが、漫然とやっているだけではあまり経験になりません。マネジャーは日々の仕事が着実に経験として蓄積するように目を配り、部下の引き出しが増えていくようにしていくことが重要です。つまり「部下が成長できるような環境を作る」のが、マネジャーの仕事とも言えるでしょう。「やる気アップ策」は意味がない本書では「やる気」は絶対に上がらないと言い切っています。やる気の総量は決まっていて、すべての人が仕事優先とは限らないということです。仕事のやる気はゼロではないけれど、趣味やプライベートの活動の方が優先度が高い。あらゆる職場でままあることだと思います。そんな中でのマネジャーの役割は何でしょうか。その役割とは「気がついたら仕事をしている」という状況を作ることです。工場のラインのようにサボれない仕組みを作ることで、ごく普通の人材でも成果を上げるようにするのです。【ためになる本ではあるけれど】本書で勉強になったのは、各個人のやる気や能力に頼らず誰が配属されても成果の出る「機能」を作ることが大事ということです。なるほどそれなら、職員の出入りに一喜一憂することなく業務が進められそうです。そしてそうした仕組みを作り遂行するのがマネジャーの仕事であり責任であると言われています。大変勉強になる本ではありましたが、読後少し気分が重くなりました。多くのマネジャーは日々手いっぱいの中、何とか現場を回していると思います。やる気もなければ向上心もなく、その上能力まで低いブラック社員を持たされたマネジャーに、この上責任とか言われてもツライものがあります。窒息寸前のマネジャーの心が少し軽くなるような話題もあれば嬉しかったなと思います。ともあれ、個人のやる気や能力に頼らない組織運営という考え方はとても勉強になりました。「いい部下が来ないかな~」と言っているよりはよほど現実的な方法であると思います。全国のマネジャーさんの助けになれば幸いです。新品はこちら。三省堂書店オンデマンドすばる舎 部下は取り替えても、変わらない!中古はこちら。【中古】 部下は取り替えても、変わらない! 今いるメンバーで最強の組織を作る!超マネジメント術 /藤本篤志【著】 【中古】afbよかったらクリックお願いします。にほんブログ村
2017.08.16
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みなさま、将来の備えに不安はありませんか? 吾輩は心配です。人生にお金の悩みは尽きませんが、本書が一助となれば幸いです。はじめての人のための3000円投資生活/横山光昭【1000円以上送料無料】【貯金と投資で備える!】備えと言えば、まず貯金を思い浮かべる方が多いと思います。ですが、貯金だけでお金の問題を解決するのは困難だと言えます。貯金はどうしても我慢が伴いますので、精神的に結構キツイ部分があります。また給与が右肩上がりに増えた時代とは違いますので、月々の収入もそう簡単に上がりません。そこで貯金でお金を貯めつつ、投資をしてお金を増やすようにすることをおすすめしています。「投資」と聞くと、みなさんはどんなイメージが浮かぶでしょうか。たくさん元手が必要とか、しょっちゅう株価をチェックしないとならないとか、怖いといったイメージがあると思います。確かに短期間で大きく利益を得ようとすればそうなるでしょう。ですが本書で紹介しているのはローリスクローリターンで資産を増やす、という方法です。タイトルにもなっている3000円という金額は、投資に詳しくなくても、元手がそれほど無くても始められる額なのです。【おすすめは投資信託】投資と言っても、株式、債券、外貨預金、FX等、様々な商品があります。本書では投資信託をおすすめしています。投資信託とは、投資家から集めたお金(ファンド)を投資のプロであるファンドマネージャーが運用し、その成果に応じて収益が分配されるというものです。中でも「バランス型」と呼ばれるタイプをおすすめしています。日本と海外の株式や債券にバランス良く投資する商品です。手数料がやや高いものもありますが、バランス良く投資しているので、経済の変動に耐えやすいのが魅力です。資産運用に慣れていない方ほどローリスクローリターンの商品を選び、後はお任せ。「増えたらいいな」くらいの感じで、証券会社に積立預金するというイメージです。【これも時代の流れか】吾輩は経済には疎いのですが、本書を読んで時代が変わったのかと感じました。以前は銀行に口座を作って定期預金をしていればこと足りたように思います。ですが今の超低金利状態では利息は期待できません。コンビニでお金下ろす手数料も賄えないくらいです。そして勤務年数で給与が上がらなくなり、ある程度収入の額が決まってしまうようになりました。つまり、節約と同時に収入を増やす手段を探さなければならなくなったのです。一方で悪いことばかりではないように思います。インターネットの普及により、証券会社とのやり取りが非常に簡素化されました。証券会社の人と一言も話さなくても投資ができるようになりました。社会が変動し、投資へのハードルが下がったように感じました。【楽しい節約ライフを】吾輩が本書を手に取ったのは、将来の備えが不安だったからです。地方貴族(笑)と言っても、経済の軛(くびき)から逃れることはできないのです。定期預金で貯金してきたものの、吹けば飛ぶような残高に気が滅入る日々(笑)。かと言って株は怖いしユーチューバーになれるようなセンスもないし……そんな折本書を新聞広告で見つけ、早速読んでみた次第でありました。そして投資というものへの意識が少し変わったように思います。日々節約している資金を少しでも増やせる可能性のあるものに回す、貯金しながら増やすという考え方は大変参考になりました。なお、本書は投資信託を始めることの有用性とそのガイドを中心とした本です。具体的な運用のコツ等は別の書籍をご参考ください。また運用は損失が出る可能性がゼロではありませんので、各自の責任において無理のない運用を行ってください。何となくお金を使ってしまって貯金ができないという状態から「お金が貯まる生活習慣」へと切り替わっていくきっかけとして、本書を利用していただければ幸いです。はじめての人のための3000円投資生活/横山光昭【1000円以上送料無料】よかったらクリックお願いします。にほんブログ村
2017.07.16
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身近な人が亡くなるということは悲しいことだと思います。人一人が亡くなるというのは、そうした感情面だけでなく様々な手続き・届け出があります。ただでさえ大変なのに何をしたらいいか分からない。そんな方たちのために、この本を紹介します。◆◆身近な人が亡くなった後の手続のすべて / 児島明日美/著 福田真弓/著 酒井明日子/著 / 自由国民社【とにかく見やすいレイアウト】本書は題名のとおり、身近な人が亡くなった時に必要な手続きや届け出について解説した本です。本書の優れている所は、とにかく見やすいことです。法的な手続きはとかく煩雑で分かりにくいものが多いですね。巻頭に一般的な手続きの流れがグラフで示されています。葬儀関係、届け出関係、税金関係に分けてあるので一目で分かりやすいです。さらにチェックリストですぐに行うこと、落ち着いたら行うこと、必要に応じて行うことがまとめてあり、合わせて見ると理解しやすいです。各項目について章に分けて解説されています。第1章は亡くなった直後に行う手続き。死亡診断書や葬儀の手続き、世帯主の変更について。第2章は落ち着いたら行う手続き。亡くなった方の口座から引き落としになっている支払いの変更や免許証の返却など。第3章は遺族年金等の手続きについて。第4章は遺産相続に関する基礎知識について。第5章は相続・名義変更に関する手続きについて。第6章は相続税に関する手続きについて。第7章は生前贈与に関して。というレイアウトになっています。半分から後ろは全て相続関係にページを割いています。いかにこの辺がすんなりいかないかということを示しているように思います。【いざという時のお守りに】本書を読んでみたのですが、さすがに一回では内容を理解しきれませんでした。人一人を見送るのにこれほどの手続きが必要なのかと驚きました。そしていよいよの時は司法書士さんなど、専門の方の手を借りたほうがいいなとも思いました。専門職に頼むにしても基礎的な知識があった方がスムーズに事が運ぶでしょうから、いざ手続きが必要になった時も安心できるように、本書を本棚に置いておいてはいかがでしょうか。新品はこちら。◆◆身近な人が亡くなった後の手続のすべて / 児島明日美/著 福田真弓/著 酒井明日子/著 / 自由国民社中古はこちら。【中古】単行本(実用) ≪政治・経済・社会≫ 身近な人が亡くなった後の手続のすべて / 児島明日美【中古】afbよかったらクリックお願いします。にほんブログ村
2017.07.02
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巷で話題になっていますね、うんこ漢字ドリル。どんなものなのかと買ってみることにしました。うんこ漢字ドリル 小学6年生【うんこ(ドリル)を求めて三千里】さすがに吾輩もいい大人なので、小学6年生を買うことにしました。近所の本屋に行ったものの、6年生だけ売り切れ。恐らく吾輩と同じようなことを考えた大人が買って行ったため、6年生だけ品薄なのかも。結局3軒目でやっと入手。うんこドリルを買うために市内を走り回ってしまった。謳い文句に「新学習指導要領対応」や「見やすい書き順」とかある中「全例文でうんこの使用に成功!」とありました。「成功!」って言われても(笑)。【my favorite】若:「うんこ一つでにげ出すなんて、まだまだ若い」姿:「うんこを守って戦った、かれの勇姿を忘れない」存:「地球上に存在しないはずの物質でできているうんこ」看:「うんこの不正な売買は看過できない問題だ」詞:「『もらす』という動詞はうんこによく似合う」源:「気持ちはわかるが、うんこを資源ごみに捨ててはいけない」潮:「潮風が、うんこをそっとなでていった」窓:「窓辺に座ってうんこの詩集を読む」うんこなのに所々知的な薫りがするのが笑えますね。【真面目にうんこ作ってます】感想としては、とても真面目に作っているなと感じました。書き順や音読み、訓読みだけでなく単語例(自己流とか発奮など)もついています。この単語例が今話し言葉やニュースで使われるような言葉が多く掲載されていて、考えられているなと思いました。話題の例文もうんこを使っているものの、なるべく不快感を与えず笑って済ませられる内容になるよう配慮している様子が見られました。その上巻末には、例文はあくまでユーモアなのでマネしないようにとか、人がいやがるようなことを言ったり周りに迷惑をかけたりしてはいけないと語っています。うんこ先生が。そしてこれは勉強と同じくらい大事なこと、と結んでいます。この姿勢は大変すばらしいと思います。小説でも漫画でも芸術でも、作者が描きたいものを描くということは重要であると思います。同時に、受け手に与える影響や印象にも配慮もある程度必要であると思います。子どもが触れる教材には一層の配慮が求められるでしょうが、本書はそうした配慮を随所に感じました。うんこだけど。話題のうんこ漢字ドリル。みなさんも手にとってはいかがでしょうか。でも、自己紹介の代わりにうんこをしてはいけませんよ(笑)。うんこ漢字ドリル 小学6年生よかったらクリックお願いします。にほんブログ村
2017.06.11
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だれしも社会人になって数年経ちますと、後輩なり部下の指導をすることになると思います。みなさん、部下に手を焼いてはいませんか?自分で的確に考えることができず、周囲のためにも自分にためにも明らかにマイナスになることを堂々と行い、周囲を混乱に陥れる人たち。本書ではそうした人たちをバカと呼称しています。そんなバカたちとも落ち着いた関係を構築し、成果を上げるための手引きとして、本書をご紹介します。【中古】 バカを使いこなす聞き方・話し方 /樋口裕一【著】 【中古】afb【バカを理解する】本書では第1、2章をたっぷりと割いて、バカとはどんな存在なのか、バカを理解するにはどうしたらよいのかということを述べています。まずは相手がどんな存在なのかをしっかりリサーチする周到ぶりです。目次をざっと読むだけでも感情的になるな、完全に理解しょうとするな、といった分かりやすく項目が分けられています。バカはバカなりの考え方や気持ちがあることを理解し、頭ごなしに否定することなく、さりとて相手のバカさ加減に惑わされないようにすることの重要性が書かれています。【詳細な生態分類!】第3章ではバカを33種類に分類し、その特徴を分析しています。この詳細な分類が秀逸です。「いるいる、こういうバカ」と笑いつつ「自分もこういう所ある~」と自戒するきっかけになると思います。そして第5章では種類ごとに対策が指南されています。具体的な対応もバッチリ書かれていて、実用性にも富んでいます。ここまで綿密な分析はすばらしいです。ちょっとしたモンスター図鑑ですね。【僕もあなたもバカだった】みなさんもバカには散々手を焼かされていると思います。普通目を背けたくなるようなバカたちを見つめ、ここまで詳しく書いてあるのはすごいと思いました。作者さんの使命感か恨みのようなものを感じます。本書で言うバカとは、学力の劣った人のことではありません。考え方や視点がちょっとずれている人たちのことを指します。それは吾輩たちもそうだった時期がありますし、ちょっと油断すれば再びバカに戻ってしまうこともあります。ですので相手をバカだと見限ったり軽蔑するのではなく、それなりに共存できる方法を模索することもまた必要なのかなと思いました。仕事場で「上司」になる人は、能力なり人望なりが頭一つ出ている人なのだと思います。バカな人たちと同じ目線で一喜一憂したり振り回されたりせず「一枚上手」になってこそバカを使いこなせるのではないかと思います。全国の上司のみなさまが本書でバカの生態を十分に把握し、明日から再開されるバカたちとの熱戦を切り抜けられることを祈っております。【中古】 バカを使いこなす聞き方・話し方 /樋口裕一【著】 【中古】afbよかったらクリックお願いします。にほんブログ村
2017.03.30
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デーモン閣下と言えば、今や音楽だけでなくあらゆる方面で活躍していますね。本書はそんなデーモン閣下の自伝でありヴォーカル論であります。デーモン閣下 悪魔的歌唱論/(株)リットーミュージック【メール便なら送料無料】 【音楽書籍】【悪魔に教わる、ビジネスの心構え】第一章は自伝です。何しろ10万50年前生まれなので(笑)、全部書くと長くなります。そのため、とりあえず今の肉体の人生について語っています。だいぶ活発で、幼い時から色々な意味で普通とは違った人だったようです。さすがは悪魔(笑)。第二章ではプロヴォーカリストとしての仕事論が書いてありますが、ここがすごい。音楽を仕事にする人でなくても、一般のビジネス論としてもクオリティが高いです。業界で長く続いている方は違うんだなと思います。以下に吾輩が参考になったものを。やらなきゃいけないことはしっかりやる。例えばヴォーカルリストであるなら歌を歌うのが本業なわけで、演出や魅せ方にこだわるのはきちんと歌えるようになってから。こうした「まずやらなきゃならないことをしっかりやる」というのは、どれだけキャリアを積んでも常に意識しておきたいですね。下手だと思われない。前項に引き続きです。どんなに素人でも「この人下手だな」というのはすぐに分かってしまいます。ですからまずは相手に下手だと思われないレベルまで実力を上げることが必要ですね。ギャップを感じたら?なりたい自分と求められている自分にギャップが生じたら?両方やってみるのが良いとのことです。求められているというのは評価されているということなので、それは悪いことではないですね。一方でなりたい自分があったら迷わずやって、自分自身も満足させることが重要ですね。【ヴォーカリストには特にお得!】第三章はデーモン閣下自身が歌う時に気をつけていることが書いてあります。あくまで個人の感想ですが、歌い手さんには参考になる部分が多いのではないでしょうか。第四章では世のヴォーカリストに向けて、閣下からのメッセージが書いてあります。新しいテクノロジーにも触れていて、ボーカロイドについてもちょっと書いてあるのが驚きました。ベテランだからこそ研究に余念がないのですね。第五章ではボイストレーナーの方が、閣下の歌い方を分析しています。吾輩は詳しい知識がないのでよく分からない部分もありましたが、デーモン閣下は時代を重ねる程歌い方の難しい部分も安定性が増しているそうです。歳を重ねる程伸びていくのはすばらしいですね。【芸は身を助く】デーモン閣下のスタンスで共感した部分が「いろいろやっておく」でした。日本では一芸にひたすら打ち込むことをよしとする風潮があります。ですが閣下は、興味を持ったことはどれもやったほうがいい。そしてどれも真剣にやったほうがいいと言っています。閣下自身も演芸、演劇、音楽、相撲や落語、色々なものに興味を持って取り組んでいました。演芸と演劇は仕事にできるほどにはならなかったものの、音楽でプロになることができました。また、好きだった相撲の知識を買われ、今では解説者としても活躍しています。多様化した時代、何がヒットするか分からないものです。おもしろいなと思ったものを遠慮なくやっておく積極性が必要なのかもしれませんね。【悪魔は大人でした】読んだ感想として、デーモン閣下はとても視野が広くて他人のことをよく考えている思いました。さすが10万50歳。メンバーと意見を交わす時は「どうしたらもっと質の良い曲になるか」ということを念頭に置いているので、意見を出し合っても喧嘩になることはほとんどないそうです。また、黒ミサ(ライブ)で喉の調子が悪い時は「YAH!」といったシャウトを控え、喉を温存することがあるそうです。信者(お客)が「あれ? 今日はやらないな」と思っても、最後まで歌いきった方が満足度が高いと考えるからだそうです。このように「相手がどう思うか」ということをいつも意識してるということを感じました。ネットやTwitterで個人が何でも言えてしまう時代だからこそ、こうした「相手」を意識する視点は非常に大事だと思いました。軽い気持ちで買った本なのですが、予想をはるかに超えて勉強になりました。ヴォーカリスト以外の方にとっても大いに参考になる本であると思います。新品はこちら。デーモン閣下 悪魔的歌唱論/(株)リットーミュージック【メール便なら送料無料】 【音楽書籍】中古はこちら。【中古】 デーモン閣下悪魔的歌唱論 /デーモン閣下(著者) 【中古】afbよかったらクリックお願いします。にほんブログ村
2017.03.23
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