サカナ男爵の本とゲームにおぼれて

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2016.12.31
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カテゴリ: 小説・ノベル
作者の 住野よる 氏の作品は「君の膵臓をたべたい」を読んだことがありました。
本作は見つけてこれは買いだなと思って即買いでした。
前情報等は一切入れなかったのですが、ご縁というやつでしょうか。


送料無料/よるのばけもの/住野よる


【あらすじ】
ある日突然、夜になると化け物に変わってしまうようになった「僕」。
忘れた宿題を取りに教室へ忍び込んだ時、クラスメイトの矢野さんに会いました。
彼女は少し変わった子で、それゆえにいじめを受けていました。

化け物になった「僕」を怖がることもなく、一目で誰だか言い当てた矢野さん。彼女はここで「夜休み」を過ごしているのだと言う。
それから僕と彼女の夜休みが始まるのでした。




【表現の上手さが光る】
本作は小説という媒体であることを活かした表現がおもしろい作品でした。

昼の間主人公は自分のことを「俺」、矢野さんを「矢野」と呼び、夜は「僕」、「矢野さん」と呼んでいます。

これにより、日中はクラスから浮き上がらないように気を使い、積極的でないにしろ矢野さんをいじめることに加担していることに対する罪悪感や窮屈さを表現しているように感じます。
一方で夜のほうがしがらみにとらわれることなく、一対一の人としての関係が築けているように思いました。

こうした表現方法は文字で表現する小説ならではの魅せ方かなと思います。





【いい子が傷つ、くのはやだ、ね】
※若干ネタバレあり。

吾輩は学校という施設において楽しい思い出がほとんどないので、こうしたテーマの作品を読むといたたまれない気持ちになります。
異質なものを目ざとく探し出してわざわざ攻撃を始めるという、人間の醜さや罪深さを見せつけられる感じがします。


仕事であればお互い生活を支えるためという目的があるので「それなり」の関係に落ち着く部分があると思います。
一方で学校は訳の分からないまま行くことを強要される施設であり、集団や全体の流れに合わせることを求められます。
未発達な個体がそうしたストレスに晒されることでいじめなどの問題が発生し、システムがそれをフォローしきれていないというのが現状のように思います。



吾輩の大切な友人の子どもさんが学校に行くような年頃になりました。
吾輩も子どもを授かることがあれば、そうした場所に我が子を放り込まなければならないのかと思うと気が滅入ります。



作中で保健の先生が矢野さんに伝えた「難しいことはいい。生き延びなさい。大人になったらちょっとは自由になれる」という言葉に胸をえぐられる思いでした。
残念ながら、これが現状で最も有効な手段なのでしょう。
いじめのことを騒いだところで解決できないばかりか、より悪化するなんて話はいくらでもあります。

結局学校というシステムは、今後も対した改善が見られないまま軋みながらも続いていくのでしょうから「何とか生き延びる」しかないのでしょうね。
確かに吾輩も、大人になってからの方が生きやすくなったように思います。




本作から何を感じ取るか? 受け手それぞれで分かれる作品であると思います。
特に終盤は「僕」の主観的な想いが多く描かれていて、解釈は読者の数だけあるように感じました。
それゆえ好みの分かれる作品かもしれませんが、繊細でつぶさに心の流れを描いた良作であると思います。


送料無料/よるのばけもの/住野よる



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最終更新日  2016.12.31 21:08:01
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