サカナ男爵の本とゲームにおぼれて

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2019.05.12
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カテゴリ: 小説・ノベル
ししりばの家を読みました。


ししりばの家 / 澤村伊智 【本】


【あらすじ】
笠倉果歩(かさくら かほ)は夫勇大(ゆうだい)の転勤に伴って東京にやって来ました。
決して体が丈夫ではない果歩を気づかった勇大は、自分が稼ぐと意気込んでいます。

一方の果歩は慣れない東京で主婦生活。
知り合いもおらず、勇大は仕事でほとんど家にはいない。
果歩は満たされない日々に悶々としていました。

そんなある日、果歩は幼馴染の平岩敏明(ひらいわ としあき)と偶然再会します。
彼の家で平岩の妻や祖母と交流し、果歩は心が癒されていきました。

ですが平岩家はどこか異様でした。
家のそこかしこに砂が積もっているのです。
外から吹き込んだというレベルではなく、小山のように積もっている所すらあります。
そして平岩家の人々はそんな状況を少しもおかしいと思っていないのです。

おかしいのはこの家か? それとも果歩なのか……



【交錯する物語】
何かがおかしい平岩家をじっと観察している青年がいました。
彼の名は五十嵐。彼が小学生だった20年ほど前、現在の平岩家には橋口というクラスメートの一家が住んでいました。
橋口の家に遊びに行った時に変な音を聞き、この家は「出る」と思っていました。

その後都合で橋口家が引っ越し、その家は長らく空き家になっていました。
五十嵐は友達と4人でその家に肝試しに行き、怪異に遭遇します。
何とか逃げ帰ることができたものの、それ以来彼の頭の中ではざりざりと砂がすれるような音が続いていました。
おかげで仕事も長続きせず、目下ひきこもり生活。


そんな彼の元に、一人の女性が訪問して来ます。
彼女は比嘉琴子(ひが ことこ)。一緒に肝試しへ行った元クラスメートでした。

当時はおとなしくてオドオドした少女でしたが、あの一件を境にどこか達観したような、冷静というよりも無機質な印象を与えるようになりました。
突然訪れた彼女は「五十嵐君の頭の音を止めたい」と言い出します。
彼女は何を知っているのか、あの家の怪異と関係があるのでしょうか。




【ホラーのお約束と死亡フラグ】※ネタバレあり
平岩家の怪異について、果歩は勇大に相談します。
そして、やはりあの家には近づかない方がいいという結論になりました。

しかし平岩家で結婚指輪を落としたことに気づいた果歩は、再び平岩家を訪れます。
待て、はやまるな! ホラーだとそれはロクなことにならないぞ! 勇大だって行かない方がいいって言ってるじゃないか!
読後吾輩の口から出た言葉は「それみたことか……」。
軽率な行動は本人だけでなく、各方面に迷惑がかかるんだなあ。ホラーでは特に。



そして勇大にも大きなミスが。
指輪捜索中の果歩に、平岩家のさらにやばい情報を電話してきます。
某即席めんのCMなら「それ今じゃなきゃダメ?」という感じです。この状況でその追加情報まずいでしょ。

さらに妻が心配なのはわかるけど、ヤバみ満載の家に一人で助けに行っちゃだめだよ。それみたことか……
そこはまず警察に一報してからの方が良いと思います。



一つ分からなかったのが、おばあちゃんのことを知ってしまった果歩が気を失ってしまうシーンです。
あの時なぜ果歩は殺されなかったのでしょうか。
家人が招いたとはいえもう侵入者であったわけだから、気を失ってる間に殺されてもおかしくなかったように思います。
その後しっかり殺されそうになってるしなあ……




【他人の家という異界】※ネタバレあり
各家庭には、その家ならではの習慣があると思います。
よその家に遊びに行くとそのギャップにしばしばとまどい、ひょっとしておかしいのは自分なのかなと錯覚してしまうこともあるでしょう。
本作ではそんな身近で起こりうる違和感をクローズアップしたホラーであると思います。


またししりばという存在について、作中の霊的なホームセキュリティーという例えがとても分かりやすかったです。
家と家族を守ることだけが目的で、その内訳や外部との軋轢はお構いなし。
家族に欠員が出ると他所から連れてくるように仕向けます。
人の心を操ることができるので、家族愛や夫婦愛をいくらでも作り、赤の他人でも家族にしてしまいます。
そして侵入者は生きている者だろうと霊的なものだろうと容赦なく排除する。

守り神というとポジティブなイメージがありますが、ししりばの場合は目的を遂行することが目的となっていて、機械的で禍々しい印象を受けました。



本作はししりばの家について、果歩と五十嵐の物語が交錯していきます。
複数の視点から描きつつも、中々真相にたどり着かない見せ方は秀逸だと思います。

また「ぼぎわんが、来る」ではぼぎわんと激闘を演じた比嘉琴子。
彼女の霊能者としてのルーツが描かれているは面白いです。
一見無表情で感情の動きも感じない彼女ですが、旧友を心配したり、強大な怪異に恐怖を感じたり、人並みの感情も持ち合わせているんだなと思うと感慨深いですね。




【関連作品】

ぼぎわんが、来る[本/雑誌] / 澤村伊智/著
シリーズ1作目の「ぼぎわんが、来る」です。
ホラーだけでなくミステリー要素もある傑作です。
紹介記事はこちら。




ずうのめ人形/澤村伊智
2作目の「ずうのめ人形」です。
物事は他方から見るとまるで違う姿を見せてしまうという不気味さを感じさせます。
紹介記事はこちら。




などらきの首/澤村伊智
本作の次で4作目、などらきの首です。
シリーズ初の短編集で、今までの作品を読んでいるとなお楽しめます。
紹介記事は​ こちら。





◆◆ひとんち 澤村伊智短編集 / 澤村伊智/著 / 光文社
短編集「ひとんち」です。
本作でも描かれている他の人の家で感じる違和感をテーマにした怪異を描いているそうです。





【中古】ししりばの家 / 沢村伊智

中古はこちら。




【おまけ】



帯の煽り文句です。






ぼぎわんの帯がこれ。
角川さん好きですね、ノンストップ。




ししりばの家 / 澤村伊智 【本】



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Last updated  2019.06.09 20:24:04
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