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2021.09.05
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カテゴリ: 本・書籍
日本人らしく「凛」と生きる「武士道」の智恵のご紹介です。
我々日本人の中に連綿と続く行動規範である武士道。
とはいえそれはどんなものかと聞かれれば、答えられる人は少ないと思います。

本書は武士道について解説し、混迷の現代を凛と生きるヒントをくれる一冊です。


【中古】 日本人らしく“凛”と生きる「武士道」の智恵 / 梅谷 忠洋 / ゴマブックス [単行本]【宅配便出荷】


【まずは忍耐が必要だ】
本書は作者の武士道に対する熱い思いが随所にほとばしっています。
ほとばしり過ぎてことあるごとに「それに比べて現代は」的なディスりが頻繁に書かれています。
そりゃまあ武士道に則った生き方から見れば、現代社会は寄る辺なく不甲斐ないものに見えると思います。

それにしてもあまりにも頻繁にディスるので、しまいにイライラして来ます。
一生懸命紹介している武士道の精神が入って来ない程うっとうしいので、心して読む必要があります。
ある意味精神修行になります。



【廉恥心と名誉心】
読んで驚いたのは、武士道の考え方は非常に範囲が広いということでした。
その中で武士道の骨格をなす考え方は、廉恥心と名誉心であると言えます。

廉恥心と羞恥心は別のものです。
羞恥心は恥をかきたくないという心であり、廉恥心は同じ失敗は二度としないという心です。
つまり武士道では恥をかくこと自体は恥ずかしいことではなく、同じ失敗をする(同じ恥をかく)ことが恥ずかしいと考えているのです。


名誉心とは自分の名を汚さない心です。
名誉とは人から褒めてもらいたいという欲望ではなく「自分は誰かの役に立った」という非利己的な心です。
だから武士道では誇りの無い行動は「そんなことをすれば名が廃る」と言って自重しているのです。




【奥の深い武士道の世界】
武士道と聞くと侍の世界だけのことという印象を受けますが、当時の日本人全体の行動基準であったと言えます。
その考え方は多岐にわたるので、興味深かったものをいくつか挙げます。

武士道と建前
建前という言葉は良くない印象で使われることが多いと思います。
ですが建前というのは他者を思いやる気持ちの現れなのです。

例えばパーティーにお客として招かれた時、体調が悪かったとします。
周囲が「大丈夫ですか?」と気を使った際「実は調子が……」と言えばやはり場が盛り下がってしまうでしょう。
そのため武士道では体調が悪くても「大丈夫です」と答えるのです。
もちろん程度問題もありますし、こうした態度は外国の人からすると理解しにくいようです。

ですが武士は食わねど高楊枝という言葉があるように、苦しくても何も無いように振る舞うのは見栄でも強がりでもなく、周囲に対する配慮の現れなのです。


男女の役割について
武士道では男性は外での勤めや戦い、女性は家庭を守ることが適切であると述べています。
近年の風潮からすると厳しい目で見られそうですが、武士道では男女を同じく扱うことが平等ではないとのことです。
男性と女性では得意とするものがまた違うので、それぞれが適したことをする方がうまくいくという考え方です。

また男女ではどちらが上と言うことはなく、家を運営するために役割をこなしている者どうし尊重し合うべきと述べています。
これは一般的に受ける武士道のイメージからはだいぶ違いました。
ちなみに「奥様」という言葉は、家を守ってくれている人に対する敬称なのだそうです。


「損か得か」ではなく「適切か不適切か」
武士道の行動基準は損か得かではなく、適切か不適切かだと言われています。
一言でいえば義を見てせざるは勇無きなり、です。
自分の損得ではなく、道理に照らし合わせてそれをすることが適切ならばするという考えです。
損得を越えた行動をするには勇気がいります。
それゆえに武士道では勇気や胆力を重んじるのでしょうね。

ちなみに武士道では算術(お金勘定)を重視しません。というよりも算術の概念がないそうです。
もともと自分の損得はあまり考えないので、算術は不要と考えているそうです。
まあ武士の大半は貧乏なので、お金勘定を考える余裕がないという側面もあるようですが。



【新渡戸稲造が描いた奇縁と奇跡】
「武士道」を著したのは新渡戸稲造という方です。旧5000円札の人ですね。
彼は留学した際、学友から「日本は国民の教育に宗教を使わないそうだが、どうやって教育してるんだい?」と訊かれて答えに窮したそうです。
そこで彼は自国の文化を見直し、外国の人に紹介するために書いたのが「武士道」なのだそうです。

新渡戸さんは日本語よりも英語が得意と言われる程、英語が堪能であったそうです。
そのため武士道を執筆するにあたってもニュアンスが伝わるような言葉を選ぶことができました。
また新渡戸さんは敬虔なクリスチャンだったそうで、男女の役割について述べる時も誤解が無いように書くことができたようです。

英語にも海外の文化にも詳しい新渡戸さんが書いたからこそ、誤解を受けず適切に武士道が伝わったように思います。
これには縁とういか運命のようなものを感じますね。



【今見直したい武士道の心】
武士は腰に刀を下げていますが、戦場以外で刀を抜くことは恥だったのだそうです。
また「斬り捨て御免」という制度により、武士は武士以外の身分の人を斬っても罪に問われなかったそうです。
罪には問われないのですが、そうしたことをする者は「武士の風上にも置けないやつ」と蔑まれ、相手にされなくなったそうです。

相手を殺せる武器を常に身に着けていながら、力づくで物事を解決しないという自制心を持つ者が武士である、ということなのでしょう。



武士道は聖書のように教典は無く、法律のように明文化されていないのですが、日本人の行動規範として長く染みわたっていました。
ですが形無きものの弱みか、第二次世界大戦後の占領政策によりそれまでの考え方は否定され、霧散してしまいました。

以降欧米的な資本主義が流入し、国のあり方が大きく変わりました。
運よく経済的には豊かになりましたが、心のあり方や行動指針については軸を失ってしまったように思います。


しかし古来から伝わる武士道の精神は、我々の中から完全に消え去ってしまったわけではないと思います。
法的な制限ではなく各自の精神性でもって秩序を守るという風土がまだ日本にはあるように思います。

近年コロナウイルスが猛威を振るっていますが、日本は他国に比べて圧倒的に強制が少ないように思います。
「協力のお願い」だけでここまで感染者数が少ないのは珍しいのではないでしょうか。

またネットの相互監視的な風潮も「罪には問われないけれども悪事を許さない雰囲気」という武士道的な側面があるように思います。
まあ本来の武士道に比べればだいぶ劣化してはいますが……



インドで起こった仏教が中国の儒教と混じり合いながら日本にもたらされ、元々あった日本神道と融合して武士道になったと言われています。
様々な思想が融和し、我が国の考え方や行動の規範となってきた武士道の精神。
迷い悩むことの多いこの時代の道標として、日本の風土や心に深く馴染んだ武士道に触れてみてはいかがでしょうか。




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最終更新日  2021.09.05 20:00:07
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