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2021年02月04日
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李白、杜甫、白楽天も酒をこよなく愛した 。まあ、酒をこよなく愛したのは何もこの三人に限ったことではないのは言わずもがなですが、「酒」といえばどうしてもそのものずばり「飲酒」と題した陶淵明の五言古詩に触れないわけにはいきません。とりわけその古詩の中でも第五詩が有名ですね。 ちなみに陶淵明は唐代の三大詩人よりも300年ほど前に生きた東晋の詩人。三大詩人の詩に大きな影響を与えたといわれています。


 結廬在人境   廬(いおり)を結びて人境に在り
 而無車馬喧   而(しか)も車馬の喧(かしまし)き無し

 問君何能爾   君に問ふ 何ぞ能く爾(しか)ると
 心遠地自偏   心遠ければ 地 自ら偏(へん)なり

 採菊東籬下   菊を採る 東籬の下
 悠然見南山   悠然として南山を見る

 山気日夕佳   山気 日夕に佳(か)し
 飛鳥相与還   飛鳥 相ひ与に還る

 此中有真意   此の中に真意有り
 欲弁已忘言   弁ぜんと欲して已に言(ごん)を忘る


陶淵明について調べてみると、官職を望みながらなかなか叶わなかった唐代の三大詩人とは違って、陶淵明は20代の終わりにかの科挙の試験に合格して中央政府の官吏に登用されています。

杜甫にしろ李白にしろ白楽天にしろ、陶淵明をことのほか尊敬したのは、もしかしたらその詩作の深さだけに理由があったわけではないのではないかと、私などは想像してしまいます。そこにはある種の羨望ににた感情があったのではないかと。

しかし驚くなかれ、陶淵明は41歳で官職を投げ打って、まさに「帰りなんいざ」と「帰去来の辞」を残して故郷に戻り、晴耕雨読の日々に徹した。隠遁生活を厭わず、詩や酒をこよなく愛し、悠々自適に暮らしたと聞けば、いかにも人生の達観者の印象を受けますね。唐代の三大詩人もそのような境地に近づこうとして、酒と詩に頼ったに違いありません。


さて予備知識はこのくらいにして、「飲酒」のその五を見ていきたいと思います。

私は「あれっ?」と思ったのですが、その五には「酒」という字が一度たりとも出てまいりません。しかし、酒を飲まずして粗末な庵の垣根に自生している菊を摘み、悠然と南山を望むというようなことができるわけがない。(笑!

ちなみに菊は花をめでようとして摘んだのではなく、 食用にせんがために 手折ったのだと、漢字学者・阿辻哲次氏はその著書 「遊遊漢字学」 で指摘されています。

う~む、「菊」「南山」そして「酒」と字を重ねれば、「仙人」という二文字さえ湧いてくるではありませんか。


官吏・官職に走り栄華・栄達に執着したのは、はるか遠く昔のこと。今はこの辺境の庵が最良の住まい。杯中の酒を愛し詩を詠ずる日々の中にこそ、私は真意を見出したいのだ。これを何と表現すればよいだろう。


はあ~、・・・これはもう「達観派」とでも言うしかありませんね。






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最終更新日  2021年02月06日 10時25分33秒
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