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2016.01.09
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カテゴリ: 小説
妻が別れたいと言い出したので夫が他の女と仲良くしたら、その女のおかげで元鞘に戻る話。

●あらすじ
ヒットしたゲームの著作権で生活している金持ち独身のニコラ・ロッケルはバスで40歳の未亡人の鳥類学者イングリッドと息子のラウルに話しかけ、飛行機で偶然隣の席だったので仲良くなって結婚するものの、4年後にイングリッドが別の人生を生きたいと言い出して、ニコラは妻が浮気してるのか疑うものの別れたがる原因がよくわからず、スーパーのレジ係でイランからフランスに来たクルド人のセザールに惹かれて会話するようになったり、ラウルに妖精は女の姿で3つの願いを叶えると教えたりする。セザールは上司にレイプ未遂されたあげくにクビになり、ニコラの車でドライブしたところ、頭を打って記憶喪失になって、ラウルはセザールを妖精だと思って教育して3つ願い事をする。セザールはイングリッドを訪ねてニコラに別れる理由を言わないことを非難したら、イングリッドはがんが原因でそういう態度をとったものの実は良性でなんともなくて、セザールに説得されてイングリッドはニコラと別れないことにする。

●感想
ニコラとセザールが一人称で章ごとに交互に語る形式。いつ語っているのか、なぜ語っているのか、誰に対して語っているのかという語りの動機がつきつめられておらず、物語論としてのリアリティはない。登場人物が交互に語るというのはエンタメ作家が工夫のつもりでよくやっているけれど工夫どころか悪手。そのうえニコラが金持ちの独身という主人公補正や、冒頭から偶然の出会いを持ち出すご都合主義のせいでますますリアリティをなくしている。ニコラは家政婦のルイゼットが嘘をついて花嫁候補を試して追い払うと語っていたのに、イングリッドと結婚する際にはルイゼットの試練はまったく言及されないまま一気に結婚後まで時間をすっとばしていて、プロットの構成にも無駄がある。ご都合主義すぎるうえに構成が下手で興ざめして、30ページくらい読んで続きを読む気をなくしてしまった。とりあえず妖精がらみのオチを見るまでは読んでみようと思って読んだものの、記憶喪失という定番のご都合主義、さらにはがんだと思ってたのが単なる診断ミスだったという怒涛のご都合主義がオチに待っていてあきれてしまった。こんな下手でリアリティがない小説を書く作家がゴンクール賞をとっているということにびっくりする。

★★☆☆☆

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最終更新日  2016.01.10 00:03:20
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