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作者:乃南アサ乃南アサさんの、女刑事音道貴子さんシリーズの1つ。これも、少し前に読んだ「未練」同様、いくつかの短編から成り立っている。短編集としては3作目にあたるらしい。偶然だけれど、ちゃんと順番に読んでいるらしく、時系列に沿った内容(前に登場した人とか前に遭遇した事件)はちゃんと理解できる。今回は、相方が研修中の使えないキャリアぼんぼんだったり、ノンキャリアだけどやっぱり若造だったり、ノンキャリなんだけど京大卒のけっこうできる、それでいて厭味じゃないいい人とか、いろんな人と組みながら仕事をしている。そしていつの間にか何作か前から登場している彼氏とはそのままいい関係が保たれていて、それどころかその彼までもが事件に巻き込まれてしまったり。警察という堅苦しい上下関係の男社会の組織の中で、彼女は一生けん命やっていると思うし、誠実だし、女としてとても尊敬できると思う。もちろん、こういう働き方は独身だから簡単にできることであって、これをWMでもやり続けようとすると大変なことになりそうだけど。本当は、彼女がWMとして奮闘しながらこの仕事を続けるところも読んでみたかったりして。でもなー、「未練」で、彼女の先輩がWMとしてがんばっていたのに、子どもが実は犯罪者になってしまった、という事件があり、その先輩も母親でいることにとても追い詰められてしまっていた、という描写があったからなぁ。働いていると、子どもには目が行き届かないという描かれ方になってしまっていたような気もする。うーん、そういう方向性になるんだったらこのままでいいのかも。
2008年09月12日
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作者:乃南アサ先日読んだ「未練」に続いて、乃南アサの女刑事音道貴子さんシリーズ。こちらは2冊に渡る長編。短編集の次が2冊の長編とはギャップが大きい?(笑)ネタばれになってしまうということもあり、あまり内容は多く語れないけど。あ、語ってもいいかな?いや、これから読もうとする人もいるかもしれないので、それはやっぱりいけないでしょう。とりあえず上巻の後半で相方との関係が変わってくるところから、彼女の捜査状況ががらっと変わっちゃいます。実は、その時の経験がのちのちの彼女に大きく影響することにもなるんだけど。(その影響が、「未練」のある短編にも、「嗤う闇」のある短編にも反映されます)状況がかわってから、いきなり話が手に汗握るというか、そういうはらはらな展開になってくるので、そこから電車の中で座っても眠らずに読み続けるようになり、夏休みが終わったら一気に読書がすすみました(笑)貴子さん、活躍というか、がんばりました。
2008年09月08日
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見てきちゃいました。 http://www.hanadan-final.jp/index.html嵐大好きな中学生と一緒にテレビを見ていると、宣伝モノも多く見かけるようになります。おかげで(?)、見ていなかったテレビドラマシリーズの1シリーズ、2シリーズともだいたい内容はわかりました(笑) で、やっぱり見てみるとおもしろいかな?でもいつものように1人でコレを?なんて考えて中学生を誘ってみたら、当たり前のように話に乗ってきたので、2人で渋谷で見てきました。 彼女は繁華街なんて初めてなので、ベタに「犬の前で待ち合わせ!」として行ったのですが、私が事前にチケットを買ったときにけっこうぎりぎりで、2人が並びで座れたのは1番前の席だけ。それもレディースディで1000円だったので(通常の学生値段と一緒)事前に買ったけど、そうじゃなければ彼女の到着を待たなければならず(学生証を提示して買う必要があるから)、SOLD OUTしちゃうところでした。 さて、内容といえば、やっぱりそれは主人公・つくしちゃんの言うとおり「ありえねーっつーの!!!」というストーリーというか設定なんですが、そこはそれ、そういう価値観の世界ってことで(笑) なのでドタバタの旅の中で2人が結婚に向けて気持ちを確かめ合うというか、つくしちゃんはその旅でさらに価値観の違いを見せつけられて「無理かも」と思っちゃったりするのですが、猪突猛進単細胞な道明寺としては「オレはお前と結婚することに何の躊躇もないけどな」とか、「オレが大事なのはお前だから」とか、熱いセリフをさらっと言っちゃうわけでして。 それを映画館スクリーンに一番近いところで、目の前に迫るマツジュンが言うんですよ。自分に言われたわけでもないけど(当たり前だ)、ほら、私はそういう単純明快ラブストーリーが好きだから、ぐわっ!と来ちゃうわけですね(笑) いや、しかしこれを女友達と見ていたらこうやって「うわー、やっぱりいいよねー」なんて言えるのですが、さすがに一緒にいる相手が13歳のムスメだとそういう話はできず・・・(爆) ってことで、あのストーリーの持つ突拍子もない価値観を承知の上だったら充分楽しめる映画でしたよ。
2008年08月31日
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作者:東野圭吾この人の軽い探偵ものは楽しく読める。読みたいと思ったわけではなかったが、たまたま電車に乗る前に読むものがなくなって、駅の本屋で買った。脳のリアリティーに関する研究をする青年をめぐるライト・ミステリー。主人公が一人称で語る話は少し前からの話で、それとクロスしながら今の彼のことについて三人称でストーリーが進む。その時間差がだんだん縮まっていくので(一人称の話が年月を進むので)、だんだんどっちがどっちの話だっけ?と一瞬混乱してしまったりして。それでもだいたい理由がわかるようになりながら(ちょうど本人と一緒に今の主人公に起こった現象について解きほぐしていく感じ)読んでいくんだけど、最後にどうなるのかとか、彼の親友はいったいどうなっているのかとか、恋人とはどういうことになるのかとか(だってタイトルに「ラブストーリー」ってあるんだものね)、そのあたりを期待しながら読むと面白い。重たい推理モノはあまり好きではないけれど、時間潰しとしてはちょうどよかった。
2008年08月27日
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作者:乃南アサ乃南アサの「女刑事音道貴子シリーズ」は好きで、けっこう何冊も読んでいる。これもその1つ。めずらしく1冊の中に短編がいくつも入っているスタイルだけど、どれも貴子さんにまつわる話。どうやら短編と短編の間には、別の作品が入り込んだりするらしい。読んだものをあとから時系列につなげてみても面白いのかも。これってドラマ化されていなかったっけ?と思う。どうも私にとって、貴子さんって天海祐希のイメージなのよね。貴子さんは、気が強いバリバリの女性刑事なんだけど、女らしいところとかもあり、とても親しみのもてる人。短編になると、彼女のいろいろな側面が見れて楽しい。特に今までいなかった「恋人」の存在が、また彼女の女らしい面を見せたりして。面白いのは、恋人がいなかったのが、あるお話のところからいきなり恋人が現れるところ。その間に長編があるらしい。それもちゃんと読まなくては。このシリーズは、作者の作品の中で特に「シリーズ化」されて売ってるわけではないから、タイトルからだけではわかりにくい。私が幸運だったのは、シリーズを初めて読んだのが、ちゃんとシリーズ1作目だったということかな。偶然だけど。
2008年08月23日
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作者:村山由佳「おいしいコーヒーの入れ方」シリーズ第12作(セカンドシーズン2作目)最初のうちは文庫本で読んでいたのだけど、追いついてしまってからは、文庫本が単行本の1年以上あとになるので、待てなくなって、2作くらい前からは、単行本を買うようになってしまいました。今回は(今回も?)主役の2人に大きな展開はありませんでした。お互いに安定してきているというか、その状況を軸に、ひとつ精神的に成長してきているように感じます。もどかしいまでに純情な2人が、お互いを大事に大事に思いながら、自分たちの気持ちをずっと育ててきている。彼女が鴨川へ住むようになってから、おそらく離れているからこそ、お互いのことをきちんと考えられるようになっているのでしょう。しかしそれにしても年1回の出版で、この展開ののんびりさ・・・ いや、もうこれがこのシリーズのペースなのだろうけど、お話なんだから、もうちょっとしゃきしゃきといろんな展開をして欲しいとも思い(苦笑)・・・まぁ今回は最後の最後に、何か変化を思わせるような一文があったし、サイドストーリーの方では、本編での“ショーリが気づいた予感”がきちんと本人から形になって報告されたので、それは変化ではあるんでしょうけどね。やっぱりいつも気になるシリーズです。
2008年07月20日
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作者:森絵都ナンセンスショート・ショート作品集。森絵都の作品にこんなのがあるのか!とびっくりした。実はこういうのってあまり好きじゃなかったりする。だから星新一に手を出そうと思わないのかなぁ・・・?ただ、ネタとしては多岐にわたっていて、その点では面白かったと思う。よくこんなことを思いつくよなー、というか。中学生新聞に1年間連載していた52本の作品のうちの48本を集めたそうだけど、ものによっては以前の作品と連動しているところがあったりして。かといってそれ単品でも成立している。そういう「気づくひとにはわかる」みたいなつくりはけっこう好きだったりする(「気づいた~!」というよろこびというか)内容そのものよりも、そんなところを楽しんで読んでいた。
2008年07月18日
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物語の内容が衝撃的なのと上野樹里の好演で視聴率はどんどん上がっていったとか。確かに上野樹里は今までのイメージとはまったく違って、力量の広さをみせつけたというか。相手が長沢まさみだっただけに(いままでの他の役と変わらない。素人目に見てもうまくない)、ますますその上手さが際立ったというか。それにしても内容はせっかく期待を持たせる前提がそこここに準備されているのに、なんだかあっさり終わらせてしまってがっかりがたくさん。瑠可(上野樹里)の性同一性障害は、本人は「海外へ行って手術」とまで思い悩んでいたのに、医者に「まだそれほどまでじゃない」と様子を見るように言われ、タケルと父親にそのことを受け入れてもらったらそれでなんだかおさまってしまって。それでいいのか?他人に受け入れてもらうだけでおさまるものではないと思うんだけど。宗佑(錦戸亮)のDVから逃げていた美智留だけど、逃げて逃げおおせたんじゃなくて、結局は騙されてまた戻ったりして(それで妊娠しちゃったし)、宗佑本人の自殺で解消されて終わり・・・ そういう解決でいいのか? 美智留の出産はハイリスクだとか言ってたけど、出産そのものは特に何があるわけでもなく、フツーに子どもが生まれてハイ終わりで、それってハイリスク出産の設定はなんだったんだ・・・?タケルの幼少時代のトラウマも、結局「姉に性的虐待(いたずら?)を受けていた」らしいけど、きちんと語らせてないから中途半端なままだし。どんな生き方でもいい、自分が自分らしく生きていられれば。そしてそのために、自分を理解してくれる友達は大切。そんなことが言いたいことなんだろうけど、なんだか物語のいろいろな劇的設定の割にその伏線をうまく生かせず表面的なストーリーで終わらせられたような感じがする。
2008年07月16日
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ロバート・レッドフォード監督作品で、トム・クルーズとメリル・ストリープ出演。レッドフォードも出演。気になったので見てきました。他に見たい映画は今週末、来週末封切のものも多いし・・・ 映画は3カ所で同時進行する3つの物語をつないでいきます。ワシントンDCでは、未来の大統領候補とされる上院議員が、信頼できるジャーナリストを呼んで、アフガニスタンで展開され(てい)る対テロリスト新作戦について語ります。 カリフォルニアの大学では、教授が授業をさぼり気味の学生を面談に呼び、諭しています。優秀な学生だから、教授としては目をかけていたので、今後も彼にはきちんと勉学に向き合ってほしいからです。「政治科学」と訳されていました(と思います)が、Political Scienceなのかな?深い内容を話しているので、英語を聞きながら日本語字幕を読んでいたはずなのに、すっかり原音は頭から抜け落ちてしまいました。 同時刻、ジャーナリストが語る新作戦がアフガニスタンでまさに展開されます。その前線で敵と対峙する志願兵2人はまさに、優秀な学生たちと教授が目をかけていた2人でした。 映画は3つの場所の1時間を交互に描いているだけです。そして何がどうなった、という結論がでるわけではありません。ジャーナリストは、議員から聞かされた話をプロパガンダと知りつつ、どのように記事にするのか悩みます。教授との面談を終えた学生はテレビでそのニュースを知ります。その先は・・・ 映画を見た1人1人が考えなくてはならないことなんですね。国のために前線に志願した若者のこと、自分の野心のための新作戦のこと、学生の学業や世の中に対する考え方・・・ 人それぞれ、世の中の状況に対する考え方は違うだろうけど、その中で、自分はどのように行動すべきか、それ以前にそういうことをきちんと考えなくてはいけない、ということを考えさせられる、そんな作品です。
2008年07月14日
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作者:石田衣良7つの短編が詰まっている。小学生、中学生、高校生、引きこもりの19歳、いろいろな子ども達と、時にその家族が登場する。なんの変哲もない毎日を過ごしているようで、みんなそれぞれに抱えていることがある。何かをきっかけに前に進めるようになるだろうと思いながらも、それがなんだかわからない。しかし、そのきっかけはふとしたことから始まる。7つの作品のうちの5つまでもが、人の死にかかわる話。かけがえのない人を失い、人がどうやってそれを乗り越えるのか、それはやっぱり難しい。特に乗り越えようとしているのが子どもであればこそ。本のタイトルでもある「約束」という作品は、池田小学校の事件をベースにかかれているとのこと。あの事件当時、うちの子ども達も小学生だった。事件に遭遇した子たちは、たぶんいろいろなことを抱え込んだまま成長しているんだろう。
2008年07月12日
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作者:恩田陸高校の美術部の夏休み制作ということで、3年生の先輩のうちで合宿することになった女子高生たち。ところがそのメンバーは過去のある事件に関わっていて・・・その過去の事件を解きほぐすというか、本人たちの気持ちのけじめをつけるために仕組まれた合宿だった・・・3+1つの章に分かれていて、その章ごとに語り手が違う。だから同じ事件に対しても人によって見方が違い、みんなが真実を知っているわけではないということが浮き彫りにされる。読者もそれぞれの話をつなぎながら、過去に起きた話を組み立てていけるようになっている。そして最後に真実が明らかになる。事件のあった時にはみんな子どもだった。だれにも罪はないけれど、事故を自分のせいだと思い込んで過ごしてきてしまった少女や、自分自身の当時の思いに罪悪感を感じ、それを抱えたまま成長してきてしまった少年とか。小さな子どもだってたくさんのことを感じて考えて、親の愛を欲しがっている。最初の語り手の少女が主人公だと思ったけれど、本当はそうではなく、最後の語り手の子が主人公なのだ、ということは実は読み終わる頃に気づかされた。
2008年07月10日
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少し前に本を読んだら、ちょうど映画をテレビでやっていたので見てみた。すごいタイミングで放送があるなー(笑)原作ではパートのおばさんが、若い女性(柴崎コウ)になっているところはまぁ無理もない。主人公の設定とか、ストーリー展開とか、基本的なところは原作に忠実といったところかな。主人公の彼女が、合コンで出会った彼女でお金をだまし取られていたのが、金持ち令嬢なところは、もっと主人公の出世欲 みたいなものが出ていたと思うし、県庁で大規模プロジェクトが動いているとか、研修から戻ったらそのプロジェクトに物申す、みたいな部分は原作にはなかった部分だけど。まぁ研修を通して、主人公の目線が役人目線、出世ルート目線、政治家(議員)目線から、生活者・消費者目線に変わったというところはよく描かれていてよかったんじゃないか。 中学生が一緒に見ていて、「チェンジ」(放送中のドラマ@キムタクが最年少総理大臣になる話)と同じ~ と言っていた。つまり、政治家目線、派閥論理じゃなくて、生活者である国民目線で物事を考えるということ。本質、つかんでるね。もう1つ、中学生は「これが織田雄二?おんなじ声だね」って、あなたが知ってる山本高広が織田雄二の真似してるんだってばっ!!!(爆)
2008年07月08日
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http://www.disney.co.jp/movies/mahokake/実はGW前のことになっちゃいますが、映画を見ました。 「魔法にかけられて」 いやー、これは見ようかどうしようか迷っていたんですけどね。他に「これ!」と思うものがなく、というか他もどうしようか、というレベルだったので、それだったら楽しく見れるファンタジーを、ということで。その前に見たのが猟奇殺人モノだったので・・・ で、ディズニー作品のくせにアニメじゃなくて実写です。あ、最初と最後はアニメですけどね。御伽噺の中から抜け出てきたお姫様なので、すごーく世間とはズレてるんです。そのギャップがまた面白い。現実の社会の中で、「んなわけないじゃん!」って思ってしまうスレた私ですが、御伽噺の中を考えてみれば、「そうよねー、そう考えるわよねー」ということばかりで。確かにかっこいい王子が白馬に乗って迎えにきて、一緒に歌でも歌えばそれで結婚しちゃう。そうですよねー、お話では。だけど現実社会でそんなことはまずないわけで。「デートはしないの?お互いのことをいろいろ話したりしないの?」と言われれば当たり前で。 でも最後の方は、そこまで?っていうようなすごいシーンもあります。「おまえはコナンか!(名探偵コナンじゃなくて未来少年コナン)」といいたくなるようなシーンもあります(カリオストロの城のルパン三世でもいいですが)。 ラストシーンがすごいオチでそれは思いっきり笑えます。え、それもアリ!?
2008年07月06日
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作者:佐野正弘メールやネットを取り巻く昨今の状況について分析された本。ちょうど少し前に中学生(ムスメ:小6から出世(笑))の学校で、ネットやメールの使い方(特に携帯から)についての話があったのでちょうどいいタイミングの話題として読んでいた。そもそもPCでのメールやネットの使い方と携帯での使い方、私はPCでのユーザーで、携帯からの使い方がよくわからない。そこで書かれていたのはわからないだけではなく、興味を持たない、わかりたいと思わないということ。すごく納得。PCでも携帯でも同じサービスがあるものもあるけれど、それはベースがPCで、「携帯でも使えます」というようなもの。PCユーザーが携帯でネットする時には、出先で乗り換え案内を確認したり、PCメールをウェブ確認したりmixiを覗いたりする程度で、それはあくまでもPCの代わりという利用になっている。あぁまさにそのとおりです。しかし今の10代の携帯の使い方は、メールにしてもネットにしても携帯のあの小さな画面と少ないキーでアクセスするのが当たり前になっているし、サービスされている内容も違う。よくあの携帯のキーでメールを打つなぁと思っているけれど(いや、私も使うけど、それはあくまでもPCの代わりとして)、携帯キーで慣れてしまった若者にとっては、PCの40個以上もあるキーを覚える方が大変らしい。なるほど、目からうろこ。とりあえず我が家の中高生の携帯も、PCのアカウントも、ネット接続は制限をかけてます。新書って来年にはもうネタとして古くなってしまうのね。2年くらいまえに「ネット王子とケータイ姫」という本を読んだけど、今となってはもう古い・・・
2008年07月04日
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作者:川上健一タイトルからして、この作品はさわやかな青少年スポーツ小説かな?と思った。ぜーんぜん違った。大人でゴルフで、それも賭けが絡んで。それでも面白おかしく読めたから楽しかったけど。ニューヨークに住む主人公と彼のゴルフ仲間が、ホームのように使っているゴルフ場でプレイをしながらいろんな出来事に遭遇する。時に賭けゴルフにつきあわされたり、時に不思議な人とプレイをしたり。ゴルフに関しては基本的なルールと言葉は知っているのでなんとかわかる。バーディとかボギーだけじゃなくドッグレッグなんてのもわかる。でも、賭けについての「スキンズ」というのはわからなかった。(衣服にあらず)いくつかのエピソードが含まれていたけれど、「チキン」が一番おもしろかったー。
2008年05月31日
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自身のWEBサイトに生々しい殺人の映像をライブで載せている、サイバー・キラーとでも言うのか、そんな犯罪の話。サイトへのアクセス数が増えるほど、犠牲者の体が痛みつけられるしくみになっていて、最後には死に至る。サイトを見に来る人たちは、そのしくみを知りながらも罪の意識もなく、ただ好奇心だけでサイトにアクセスする。さらに悪いことに、犯行を重ねれば重ねるほどサイトの存在は知れ渡り、アクセス数は増えて被害者の死に至る時間は短縮されていく。そんな前代未聞の犯罪にネット犯罪専門のFBI捜査官が立ち向かう・・・ ネット上は匿名なので、犯人も特定しにくいし(普通はネットに繋がっているPCって発信源はログから簡単に割り出せるんだけど、そんなしくみまで作れる犯人だから、自分の発信源をカモフラージュすることなんて簡単)、サイトを見る人たちも単なる好奇心以外の何ものでもない。アクセスが増えると・・・というしくみは理解していながらも、自分のアクセスが殺人の一旦を担っているなんて意識はない。実は犯人は、以前、父親の自殺の映像を無断でサイトにアップされて、人々が好奇心でそれを話題にしていたことを恨んでの犯行というのが後にわかるんだけど。 いまや、ネットを利用して誰でもが情報の発信者になる時代。新聞・テレビ・雑誌と言った“マスコミ”(情報発信のプロ)だけではなく、著作権の問題、人権の問題を知らずに素人が発信する時代。だから中学生向けにまで、「著作権について」という小冊子が配られたりする(主にウェブサイト作成時に関係する著作権の話)。私自身、マスコミの端っこにいるし、こうしてウェブで発信したりもしているし、ビジネスとボランティアでサイトを管理しているから、本当に情報の発信と、その発信が誰かを傷つけていないか、ということには気をくばっていかなくてはならないんだなぁ、と思う。 http://www.so-net.ne.jp/movie/sonypictures/homevideo/blacksite/
2008年05月23日
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作者:川島 誠この人の他の作品もそうなんだけど、文体にしても内容にしてもすごく特徴があるように思う。思春期の中高生を描く作品が多く、一人称でストーリーが進む。そしてどれもなんというか、本当にその年代のやるせない気持ちとか、社会や大人をナナメに見ているとか異性への興味とかそういう点は本当にそうなんだけど、なんだか彼らの日記を読んでいるような気持ちになる。淡々としたお話がたんたんとあるだけで、読みものとしては「だから何?」というか、特になにが、ということもなくて。不思議な文章。タイトル以外に2つの短編も一緒に収録されていたけれど、ノリは同じ。今はやりのケータイ小説に似てるんじゃないか?と思ってしまう。いや、読んだことはないからよく知らないけど。タイトルと簡単な内容紹介を読むと、中高生向きかな?と思ってついつい手を出すんだけど、いつもなんか裏切られているというか。それでもなんとなく読んでしまう不思議な作者。 彼の実体験なのかもしれないけれど、小学生の時に海辺の町に転居して、そこが舞台になる作品が多い。これもそう。そして私の地元だったりする。それだけがなんか面白いところ?
2008年05月19日
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去年の5月16日に日記を始めたので、ちょうど1年になりました。2日に1回のペースで(いや、調整してます・・・笑)、読んだ本や見たテレビや映画のことを書いて来ました。友人で同じように読んだ本のことを書いている人は、本当に上手にその本の内容にさらりと触れながらすばらしい話を読ませてくれるのですが、私はそんな文章は書けない~。でも読書記録にもなるし、その時どんなドラマをやっていたとかそんなことも思い出せるので(ドラマは終わってから書くのでシーズンがずれちゃいますが)、これからも書いていこうと思います。2月にばたばたしていたので、実は今も溜めてる状態。この日付までには追いついていませんが、後ほどちゃんとアップして穴埋めしていきたいと思います。ところで、1年間で読んだ本ストックが追いついちゃいました(苦笑)5月に書き始めた時、1月に読んだ本の分から書いてたんですが。ってことは、これからこのペースで書くのって無理・・・? 1日置きペース、ちょっと考え直すかもしれません~。
2008年05月15日
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作者:桂望実母をなくした兄弟が、助け合いながら父を思いやりながら、母の死を乗り越えようとする。小学校高学年の兄は、母の死を理解できない弟を思いやりながら、でも母との思い出が壊れてしまいそうで、叔母の登場をいやがる。しかし小学校低学年の弟が何も理解してないと思っていたのは兄の勝手な思いで、弟だって理屈ではわかってる。だけど兄ほど感情を抑えつけず、ストレートに表現しているだけ。兄は「お父さんはお仕事が大変だから」と言って、言いたいことを言えずに抱え込んでいるけれど、ふとしたことからかかわるようになったカタブツの靴職人のお爺さんと触れあううちに、「もっと素直にお父さんに自分の気持ちを言っていいんだ。弟のことも言っていいんだ」と気づく。職人じいさんも、久しぶりに子どもと触れあうことで、周りとの接触を拒んでいた姿勢がほぐされていく。爺さんは腕が落ちたと嘆いていたけれど、実はそうではなかった、ということを、周りとの触れ合いを取り戻す中で気付かされる。自分に素直になって、周りに表現していくこと。大事なんだね。
2008年05月13日
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作者:半藤一利どこまで続く天皇関係・・・?って感じですが(笑)はっきり言っておもしろかったのは半分だけでした。2.26事件の時とか、開戦、戦中にいったい昭和天皇ご自身はどのように自らの立場を理解して行動、発言していたのかって ことです。戦前は、「大日本帝国憲法」で、天皇は2つの立場がありました。すなわち政治において、天皇の名でいろんなことを発布したりするけれど、それはすべて内閣が決定し内閣に責任があり、天皇自身がそれに異論があろうともその決定には従わなければならないシステムになっていたこと。いまでもそうですが、当時すでに立憲君主制としてそのようになっていたのですね。それでもすべての決定は天皇の名の下で、国民はすべてそれに従うというスタイルだった。もう1つ、天皇は陸海軍の大元帥だったということです。これは政治のシステムとは関係なく純粋に軍の最高司令官として直接命令を下すことができたんです。とすると、戦争だって天皇が大元帥として軍をとどまらせれば戦わずに済んだ?いやそうはいかない。政治判断として、戦争するぞ、ということになったのだから。いやはや、ややこしいことです。しかし戦争をしている間でもいろんな立場の人々が天皇のこの2つの立場をうまく使い、自分のいいように進めていたんですね。その中で天皇も少しだけ自ら親政をおこなったときもあった。それが2.26事件だったそうです。あとは戦争終結ね。これは平和派と手を組んで、ですけど。そういうおもしろかった部分と、あとは作者の考えなんですが、天皇論とまるでかけ離れた話もあり(いや、まわりまわって繋がっていないことはないんですが・・・)。 20年近く前に出された文章の再録が多いんですが、「この時点ではこうだった」というのはともかく、いくらなんでもその文章は全部削除しておいた方がいいんじゃないの?なんていう部分もあり、そこら辺をもっときちんと整備してから出してくれた方が全文おもしろかったのになぁ。前回の昭和27年発行の本をまったく古い印象なく読めたのに(それ以降の新しい情報がないだけ)、それもあってますます、昭和~平成頃の文章が妙に古臭く感じてがっかりです。
2008年05月09日
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作者:大宅壮一天皇関係の本をアマゾンで見つけているうちに、関連本でここまでたどり着いてしまいました(笑)作者はわかっていたのに、これがいつ頃書かれた本とか全然気にしていなかったんですね。読み始めてから「あれ?」っていうことになり、なんと昭和27年に書かれたということがわかってびっくり。でも歴史の中の天皇とはという部分なので、古いということもなく読めてしまったことに再度びっくり。ここまで続けて天皇関係の本を読んできて、この本でもやっぱり一番に語られていたのは「必要とされるのは「血」の伝承」ほとんどそのためだけに天皇家は存在しているといっても過言ではないってことですね。 将軍家(徳川家)の血の伝承を比べているところは、「お世継」本にもありましたが(だんだんどの本に書かれていたのかごちゃごちゃになってる・・・苦笑)、本当に同じようなことなのですねー。将軍家もいろいろと苦労してたんですが、徳川家康のすごいところは、宗家以外にも血筋を確保する控えルートを3本も持っていて(尾張徳川家、紀州徳川家、水戸徳川家)、途絶えそうになったら、そちらから年頃の男子を養子に迎え入れて将軍をつないでいってるんですね。しかし天皇家にはそれがない。この本が書かれたころは、まだ危機感がまったくなかったので単純に「血を伝承する役目と方法論」についてのみ書かれています。天皇家の”夜のしきたり”についての文献はほとんどなく、将軍家のそれをもってして「天皇家もおそらくこうだ」としていますが、なかなかすごいですね。“今夜のお役目”の女性以外にも反対側に女性が添い寝するとか、次の間(手前?)にも控えている人がいるとか。ちょうど同じタイミングで大河ドラマの「篤姫」がお輿入れとなり、夜のシーンで屏風の向こうに3人も人が控えていることにたじろいでいましたが、そういうことだったんでしょうね。やんごとなき方々は、昔から着替えもすべて人の手だったりそれこそトイレにまでついてこられたり(排泄物の状態は健康チェックとして大切なので)していたそうなので、羞恥心というのがないのだとか。赤ん坊の時にお世話をしてもらっているそのまま大人になるからなんでしょう。今はどうなのかしりませんが。
2008年05月07日
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作者:渡瀬悠宇ドラマが始まったと思ったら、同僚が1巻を買ったということで貸してくれた。気になって続きを全部買ってしまった(笑)原作はドラマの設定とは全然違って、主人公は高校生で、だから基本舞台は学校。高校生のくせに両親が仕事で海外とかでほとんど独り暮らしという、そして隣りに住む幼馴染も同じ状況という、ちょっと不自然な設定~しかし、親友だと思っている友達が、実は彼女を利用して男関係をどうにかしようといているとか、幼馴染と理想の彼氏ロボットで三角関係になるところなどの人物の動きは同じ。でもさぁ、そのストーリー展開で、登場人物が高校生ってなんか無理があるんじゃない?と思ってしまった。社会人設定なドラマの方がすごくしっくりくるけれど。舞台が学校とか、その他のアイテムとかは確かに高校生だけど、そういう考え方とか展開になるのか?高校生が? それともいまどきの高校生ならそんなもん?うーん、面白い楽しいストーリーなんだけど、その部分だけがちょっと違和感感じながらも楽しく読んでしまったのでした。
2008年05月05日
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作者:八幡和郎mixiのマイミクさんが読んだ本として紹介しているのをきっかけに興味を持ちました。 で、読み始めたんだけど、並行して別の皇室関係の本も読んでたら、そちらの方が軽かったので、先にどんどん読み進んでしまい、こちらは後回しいなってしまいました(笑)諸外国の王室の跡継ぎ問題、日本の皇室の跡継ぎに関するお話です。諸外国の王室については今はもうなくなっている王室もあり、事実(史実)がたんたんと述べられています。現在存在するイギリスやベルギーなどについても書いてありますが、ヨーロッパの王室ってゴシップネタになったりするのが割と一般的ですよね。その次にアジアへ来て最後に日本の天皇の話。昔は側室もいて引き取り手に困るほど、子どもができた時代もあったのですが、孝明天皇(明治天皇のお父さん)から明治天皇へ、あたりから綱渡りが始まります。今もとても危うい状態ですよね。女帝論なんかもでていましたが、今は秋篠宮家の男の子誕生でとりあえず休止になってますが。作者はあくまでも男系男子として、旧宮家の男子を養子にするなど(内親王との結婚で)が良い!と主張しています。私もこれってけっこうあちこちの方面の意見の妥協点なんじゃないかなーなんて思ってるんですが、どうなんでしょうね?それにしても、天皇家の使命は「血の伝承」ってのが改めて認識させられました。そうなのかー。もちろんそれだけじゃないんですが、他の家にはあまり求められないのにこの家族には「絶対」ですよね。あ、もちろん家の存続を大事にする名家もたくさんあるんでしょうが、女系でつないだり(娘に養子を取る)することもありますよね。でも現在の天皇家ではそれも許されない。いや、大変です。しかし、作者の主張はいいんですが、ちょっと強い調子で書いているので、そこまでーっ!という気はしました(笑)
2008年05月03日
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作者:河原敏明一度はまるとしばらくは同じ類の本を続けて読む傾向があります。こちらも天皇というか、天皇家を取り巻く宮家や華族の話。皇室ジャーナリスト一人者(@けっこうなお年のおじさん)に言わせると、「世が世なら・・・」と思われるような姫君、お嬢様の話で、「おいたわしい最期・・・」みたいな論調なんだけど・・・ 宮家の臣下の問題については、昨今の後継者危機を考えると一概には言えないけれど、旧華族・・・いいんじゃない?廃止になって。そこまでの特権階級はいらないでしょう。先祖がそういう高い身分や位にあてお金持ちで、それがそのまま引き継がれて金持ちだったり大企業の経営者だったりするのは別に構わない。それで金のあるところでは金が回るのも構わない。だけど、それとは別に特権を持つのはおかしな話だものね。 お嬢様が働くのがおいたわしいのなら、どこぞからお金がくるようなシステムを“自分たちで”確保すればいい話だし。いや、作者が“そういうシステムをつくるべし”と言ってるわけではないけどね。この本にはそれぞれの女性の話がいくつも収録されていたけど、昭和天皇の妹の話も、愛新覚羅浩さんの話も、美智子妃の話も、李方子さんの話も、独立した本で読んだよ(笑)
2008年05月01日
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知的障害のある女性が子どもを産んで育てる話。たしかマンガが原作で、最初の1巻を読んだ記憶がある。なにがって周りがすごく大変だったと思う。お母さんは、よく娘が(それも未婚だよ)子どもを産むことに賛成できたと思う。だって彼女の知的レベルは8歳くらい。子どもが子どもを産むのも同然。たしかにあの場面では、本人は「私もおかあさんになる!」と言ってできないことを自分でやろうと頑張ったり、その困難を回避しようという知恵も働かせる。まぁそれを見たら、無理やり中絶なんてできなかっただろう。きっと私があのお母さんの立場だったとしても、同じように腹をくくっただろう。最後には子どもが1年生になって、周りの理解や手助けもあり、どうにかうまくやっていく。あと数年もすれば、子どもの方が彼女を追い越し、自分の母の状態というのを理解するだろう。きっとその時にはまたたくさんの葛藤があるんだろう。でも彼女は周囲の理解を自分の力で得て行ったので、きっとその時にも、親子を支え、子どもにきちんと理解させる人がいるんだろう。実はそういう続きの話も見てみたかったりする。別の障害者ドラマ(やはりマンガが原作)で「きみの手がささやいている」という聴力障害者の話を見たことがある。これも連続ドラマのあと、なんどか続編スペシャルが放送されていて、そのたびに娘が成長していく。お母さんが障害者ということで、クラスメイトの男の子にからかわれたりする。でも彼女は強くそれを乗り越えていく。「お母さんはヘンじゃないし、かわいそうでもない」我が身を振り返ると、私は幸い障害はなく、元気に仕事ができる。でも夫と子どもたちに支えられているからこそ、残業もある仕事ができるんだなーと気づかされたりする。
2008年04月29日
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作者:川島誠この作品は今までの他の作品と比べるとちょっと異色というか、テイストの違うものだった。まず主人公が30代の歯科医というところからして。青春時代の陸上経験をベースに現在の中堅世代の喪失感というか中途半端感というか。妻が脚光を浴びたことで過去と現在に自信を持っていた自分の気持ちが揺らぎ、あがく。まぁテイストは違ったとしても、やはり淡々とした生活の中で、劇的になにがあったわけでもないけれど、気を取り直していくのよね。いや、劇的に何がおきなくてもいいんだけど、なんとなく、「なんとなく」でストーリーが流れていくところがやっぱりこの人の作風?人が何かに陥ったところから立ち直るとか、物事に対するスタンスを変えるには、それなりになにかきっかけがあるような気がするんだけど。いや、まったくゼロではなかったのかもしれないけれど、やっぱり淡々としたストーリーであることはかわりなく。やっぱり読後感も淡々と。
2008年04月27日
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作者:河原敏明最初は各国の皇室について語られた本を読んでいたのだけど、それをきっかけにこちらにも手を出し、並行して読んでいたら、読み安いこちらを先に読み終わってしまった。皇室ジャーナリストとして有名な作者の話なのでゴシップネタなどはないでしょう。私は皇室関係の本は硬派なものからこういうやわらか系までけっこう読んでいるので知ってる話も多かったりする。でもいつも読んで思うのは、彼らはすごく窮屈で大変な生活をしているということ。ときどき、「そうまでして守らなければならない“国民の象徴”ってなんだろう?」って思ってしまう。でもたぶん、天皇って政治的なこととは関係ない「国民の代表」なんじゃないだろうか。そして古来からの宗教儀式とか、日本人が社会の変化とともに置き去りにしてきた文化を守り続けている。これが彼らの存在意義なんだろうなぁ、とかね。だけど、そのために彼らを大切に扱う(扱うって言い方は失礼か?)のはわかるけど、どうしてそこまで窮屈にしなければならないのだろう?もうちょっとゆるやかにしてあげてもいいんじゃないかと思う。だから今、かの妃殿下が苦労しているというのに。家庭環境も学力も違うけれど、同世代というだけでなんだか気になってしまう。彼女は彼女なりの思いを持って嫁いだのだろうから、やっぱり「全力でお守りして」あげてほしいものだわ>皇太子!
2008年04月25日
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好奇心旺盛な子というのは、こういう子のことを言うのだろう。主人公のけんとくんは、本当にいろんなことを「ふしぎだなー」と思う。それはタイトルの通り、母によるところが大きい。このお母さんは、小さなころから彼の好奇心を大事にして、一緒に図鑑を買ったり図書館で借りたりして読んできた。だから彼は1年生なのにすごくいろんなことを知っていたり、自分で考えて発明したりする。今、こういう子は少ない。学校は彼の対応に困ってしまったけど(前の学校も転校させられたし、今回も先生は困るし、クラスの保護者からクレームが出た)、彼は決して「困ったチャン」ではない。だけど確かに危ないところはある。実験してみようと思って、自分で実験道具まで工夫するのはいいんだけど、その実験が危険じゃないか、とかそういうことまでは考えが及ばない。その部分については、ただ「危険だから」じゃなくて、まわりがきちんと説明しなくちゃいけないんだろう。最後の方で担任の先生はそれに気がついて、彼には「とにかくだめ」じゃなくて、きちんと論理的に教えることで彼も理解していくようになっていた。本当はこういう子を伸ばしていくことが大事なんだよね。そして、それは親の育て方がとても影響しているということを表している。社会性ももちろん学ばせなくちゃいけないけど、その陰に多くの可能性を摘み取っているかもしれないことを覚えておかなくちゃいけないのね。
2008年04月23日
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作者:あさのあつこ3巻目。ロストワールドで生活するようになった少年は、お膳立てされた暮らしではなく、生きていくために自分で稼ぐ必要にせまられ、その糧のために自分で働くようになる。その仕事の内容とか環境は別として、やっぱりおぜん立てされたシステム化された世の中ではなく、こうして人間はそれぞれの能力に応じて、自分のできることで生きる糧を手に入れる。 それがまっとうな方法ではないかと、資本主義世界の中で生きている私としては思う。 しかし、少年はそれだけではいられない。自分がドロップアウトしたことで、母にも影響がでているし、かつての未来都市に残る幼馴染(というか初恋の彼女?)の身の上も拘束されたらしい。人工的な都市を外から眺め、おかしいことに気がついて、満を持して自ら破壊行動を始めるのかな?と思っていたけれど、そうではなくて未来都市の方から少年にしかけてきたという感じ!
2008年04月21日
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作者:宮尾登美子久しぶりに大河ドラマを見たいと思って見初めて、原作も読んでみたいと思った。基本は史実だから、原作とドラマで違う部分があるとしても微々たるものだし、まぁほとんど原作どおりだから、最初は「みたドラマの後追い補足」として、そのうちストーリーを追い越してしまって、予習部分になった。将軍家というのは、というか大奥というのはなぜこんなに面倒なしきたりががんじがらめになってしまったのだろうなぁ。篤姫の戸惑いやら、シンプルにしようとしたい気持ちとかよくわかる。しかしそれにしてもなんというシンデレラストーリー。中央(というか真ん中よりは東か)からはるか離れた日本のはての、身分はある御家柄の姫君と言っても、分家でラフに生活していた女の子が、聡明さを本家の殿に認められ、本家の姫に、そして天下の将軍に輿入れして御台所に・・・ だんだんステップを上りながら本人も1つ1つうろたえながらもなんとかそれを自分のものにしていっているのだけれど、それにしても・・・ドラマではすっかり家定さまにはまってしまいました(笑)上下巻ですが、ドラマとある程度歩調を合わせたいと思い、下巻はまだ読んでいません。
2008年04月19日
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最初は、中国関係の違う映画を見たいと思っていました。でもタイトルも覚えてなくていつから公開かも把握していませんでした。 久しぶりに予定もなく疲れ果ててもいない水曜日、「映画を見よう!」と思って、夕方何をみようか検索しました。職場は繁華街で映画館もたくさんありますから、時間帯の合うものの中から見たいものを選び出せばいいわけです。で、見つけたのがコレでした。 近いし公開時間もちょうどいい!と思って決めたんですが、私はここで大きな誤解をしていて、最初に考えていた映画だと思ってたんですね。ところが上映冒頭で「各所を回ってきたフィルムのため、傷がついているがご了承を」みたいな文章が出たんです。は?新公開の映画じゃないの? で、みてみたらまったく違ったわけで(苦笑) 京劇の養成所で共同生活しながら厳しい訓練を受ける様子(セリフを間違えたら手を何度も叩かれるとか、悪いことをしたらお尻叩きとか、かなり拷問です)とか、王家(廃帝家)のだれかに気に入られ京劇役者コンビとして人気が出るとか、それから“袁先生”といわれる実力者がパトロンにつくとか。袁世凱かと思ったけど調べてみたら違った~。その後、日本軍に街を占領されたり、共産党の世の中になったりという激動の中で、兄弟のように助け合っているんだけど、弟は兄に恋心も持ってしまい、兄の妻とは不仲。最後には文化大革命で京劇はひどい弾劾を受ける。革命の嵐の後で最後には復活したんだけど、なかなかショッキングなラストでもありました。 時代にもまれながら京劇役者として生きていく様子は、時に傲慢だったり時に非国民だとさげすまれたりしながらも、京劇を守っていこうとする姿勢が感じられ、最後の“昔ながらの厳しい訓練を受けた第一人者”として芯を感じました。弟の方がね。 勘違いでもなければまず見ることはない映画だけど、興味を持ってみることができました。そうしたらなんと、東山紀之によって舞台化された直後だったようで。道理で観客がけっこういたわけだ!
2008年04月17日
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作者:山田悠介相変わらず若者の登場する話で(今回は、事件の発端は小学生だったけど、現在の本人たちは大学生になっている)、相変わらず登場人物が死んでいく。どうしてこの人の物語は人が傷つかなくては成り立たないんだろう?いや、そういう作品もあるとは思うけど、ストーリー展開からそこまでの必要性をいつもまったく感じない。さらにこの作者の作品が若者に人気というところから、そのことについて考えさせられてしまう。今回は、子どもたちの間でちょっと興味本位でやってみた“こっくりさん”のような「霊を呼ぶ儀式」が、本当に神隠しのようにある子どもを隠してしまい・・・ しかしその解決がなんだか現実離れしていた。今までの他のストーリーは、なんだか・・・と思っても、現実の中で解決していたけど、今回は、ん?というか。確かに1人の人間が多重人格になる、ということはあるのかもしれないけど、全員が同じ夢を見て、その中の1人が夢の中でさらわれてしまうとは。主人公が、その消えた友人を7年後に探していく謎解きの部分は面白かったけど、その過程でまた死人が出るのはやっぱり。といいつつ、子どもたちが読みたがるので、“ついで”というか、送料ゼロにするための埋め草で、古本価格で買って私も読んでしまっている。私が買わなくても、友達同士の貸し借りでも読んでいるらしいから、この際やっぱり私も読んでおきたい。子どもたちが読みたがって読んでいる本は。そしてきっとまた、他の作品にも同じような感想を書きそうだけど。
2008年04月15日
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作者:あさのあつこ「ガールズ・ブルー」 続編。相変わらずの彼女たちと彼らだけど、ちょっとだけ時間がすすんで自分たちの進路について真剣に考えなくてはならない時期にきている。その日その日を楽しく過ごせればよかった時期は終わろうとしている。そうか、そういうことを考えなくてはいけないまで成長してしまっているんだね。そろそろ子どもも終わりということか。でも、実はきちんと考えている子もいるし、親といろいろ葛藤のある子もいるし、何も考えられなかったけど、やっぱり最後にはちゃんと結論を出してくる子もいる。みんなそれぞれ、必要な時にちゃんとけじめをつけている。中心人物の女の子と、友達以上恋人未満の幼馴染とはちょっとだけ進展があって。でも今どきの子にしては、そしてこのストーリーに出てくるようなタイプの子にしては、びっくりするほど自分をきちんと持っていて、安易に流されない。そこはすごいと思った。私の方が、「えー、そこはキスくらいするもんでしょ?」と思ってしまったくらい(笑)1作目を読んだときはそれで終わりと思っていたけれど、こうやって続編が出たらさらに続きがよみたくなる(苦笑)
2008年04月13日
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3月10日というのは、その日の晩だと思っていたけれど、そうではなくて9日の晩で、日付が変わった10日だったのですね。かなり詳細なリサーチを重ねた上でのドラマ化というので、空襲のシーンなんかは本当の様子を描けているのだろうか。たぶんそれでもやっぱりドラマだから「きれいに見えている」部分は多いんだろう。経験された方に言わせると「あんなもんじゃない」のかもしれない。私の母は大阪出身で、小学校1年生の時、この3日後にあった「大阪大空襲」の火の中を逃げ回った経験があるので、子どものころから空襲とか戦争とかの話しを比較的聞かされて育った方だと思う。きっと母もあんな中を走り回ったんだろう。私が子どもだったから、語りつくせない部分もあったんじゃないかと思う。だけど母自身、子供だったから、どこまで・・・?というのもあったかもしれないけど。 こういうドラマを見ると、やっぱり「自分はこの時代にいなくてよかった」と思ってしまう。でも、一昔前の社会がみんなしっかりしていたのは、戦争という時代を乗り越えた人たちが支えていたらなんじゃないか。易きに流れ、考え方が甘くなったのは、私も含めてだけど、こういう生死の苦労を知らないからなんじゃないだろうか。
2008年04月11日
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作者:川西 蘭自転車が好きな少年が自転車競技に魅入られ、企業のジュニアクラブからも勧誘され、クラブに入りたいものの、家族(唯一の家族が祖父)の反対があったり、クラブの中の人間関係を考えたり、またクラブとは別の自転車仲間を見出したりする。そして自分と自転車と家族とのかかわりや、幼馴染、友人とのかかわりの中で、自分と自転車競技のあり方を模索していく成長話。1巻というから、これから2巻以上も出るんだろう。 どうやら亡くなったお父さんが同じように自転車競技に関わっていたようで、それだからこそ祖父は少年が自転車に乗ることを反対し、逆にクラブの指導者は”あの人の息子”という目で少年を見る。今後の話の展開の中で、そのお父さんのことも描かれていくんだろう。
2008年04月09日
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作者:桂望実県庁の役人が、民間企業での“研修”ということでスーパーで1年働くことになる。その紆余曲折物語。やっぱりねー、視点が違うということは本当にあるので、そのギャップが浮き彫りになるんだろうと思っていたらまさにその通り。面白い。仕事をする上で当たり前だと思っていたことは、別の組織に行ってみたら常識がまったく違う。彼はそれに戸惑いながらも、スーパーのやり方を“なってない!”と思いながらも、利点については素直に受け入れて成長していく。途中“彼女”ともちょっとあったりして。そういう違う場所での武者修行というのは人間を成長させるね。文体が2人の目線で交互に語られているのも、また面白かった。
2008年04月07日
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タイトルだけを見たときは、その男にとって「鹿」が何かの象徴なんだろうと思っていた。まさか本当に鹿であり、鹿の使いになるとは・・・で、突拍子もないストーリーが始まり、「なんじゃこりゃ?」。もともと、玉木宏目当てで見始めたものだから。でもわけのわからん不思議ワールドにいつの間にか取り込まれ、先が気になり、「狐は誰?鼠は誰?」状態に。そういう人は多かったみたい。終わっても「だからなんだったの?」みたいなところはあるんだけど、楽しめたのは事実。奈良を訪れる観光客も盛り返したに違いない。修学旅行以来行ってないけど、なんとなく行ってみたくなるところが、ドラマのわなにはまった・・・?シカせんべいをあげながら、鹿に話しかけてしまったりして!?
2008年04月05日
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作者:蓮見圭一なんとも不思議な小説でした。主人公の男性が妻の母を語るんです。まぁそれは最初と最後で、中の長い部分は、その母が娘に書き残した自分の半生を語る手紙なのですが。母は大阪万博のコンパニオンをした、当時としてはどちらかというと流行の先端を行っている(?)女性だったようです。いや、コンパニオンをした人が全員そうだった、というわけではありません。そこで恋愛があったりあれやこれや。家庭は(特に父親は)厳しい人だったけれど、あの時代に自分に正直に奔放に生きたいと思うんですね。私自身はその時代の感覚からあまりはずれない方なので、そういう世間とは関係なく自分のやりたいことをやっていきたいと思う人は、ある意味すばらしいと思うし、ある意味では生きにくいだろうと思います。のちに彼女は親になっても当時の子ども(主人公男性の子ども時代の「ともだちのお母さん」としての印象)から見ても、“ふつうのお母さん”とはすごく違ったみたいで。私としては、その男性の妻の目から見た「母」というものがどのような人であったのか、その印象も知りたかったかな。その「母」には感情移入できず、時代を超えたヘンな傍観者の感覚で読んでました。
2008年04月03日
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作者:あさのあつこ1に引き続いて2も読みました。近未来都市に住む少年は自分も追われる立場になり、その人工的な街から出て、外のいわゆるロストタウンに住むようになります。そうやって自分がいままでいた世界を外から眺め、また今いる場所がいままでの価値観とはまったく違うところであることを受け入れる中で、その人工的な近未来都市がいかに虚像であったか、その中でいかに自分が与えられた人生を送っていたか、に気がついていく。ロストタウンはあえて言えば、今の混沌としたこの世の中に近く、その中で人はもがいて自己と他者の交わりの中で、成長の過程で自分とは、というものを確立していくと私は思います。けれど人工都市では、それが個人個人の能力(それも測られた一面のみ)で最初から決められ、与えられたコースこそが生き方だと、それが社会のすべてだと純粋培養される。子供たちは、たぶん疑わずにそれを受け入れて生きているんでしょう。そんな中で、人間のあるべき姿とか、人工都市の在り方を外から眺めて考える機会を与えられた少年は、幸せ者なんだろう。今は本人もまだそんな風には思えていないけれど。今後ストーリーが展開していくにつれ、たぶん少年はその人工虚像都市を変えよう、というか破壊しようとする行動にでるんじゃないかと思う。どんな展開になっていくのか先が楽しみ。
2008年04月01日
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作者:二ノ宮知子ちょうどこの巻の分から、連載中の雑誌を読むようになったので、発売日の「ドキドキ」新鮮味がなくなてしまったかも(苦笑)のだめは1つ階段を登ったように思えるけれど、やっぱり“最終”目標が千秋先輩とのコンチェルト共演なので、そのあたりはオクレール先生が懸念しているところ。千秋は千秋で、のだめが「早く終わらせたがってる」(つまり早く“最終目標”に到達したいと思っている)ことを感じ、危機感を持っている。それでも「あせるな」とは言えず、のだめを引き上げることに協力している。千秋のセリフの中に、のだめとの関係においてミルヒーの「そこんとこ分けなさい(音楽としての繋がり、恋愛)」にやっと少し目覚めた?というのがあり、そこら辺をちゃんとしていってほしいなぁと思います。でもこの先も少し読んでいるけれど、のだめちゃん、ますます試練が続くので千秋はちゃんと支え続けられるのか!?実は千秋の方がのだめの存在に支えられている部分が大きいので、共倒れが怖かったりして。そんな危うい関係の2人が、それぞれの持つ(同じ世界ながら別の)目標をめざすって、やっぱりいろいろあるよね・・・
2008年03月30日
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作者:あさのあつこ中学生たちの青春話の第4話。とりあえずこれで完結しているようにも読めるけど、続きが作られることもあるだろう。だって最後に「つづく」とかなってないし、ストーリー的にもここで終わり!あとは読者が想像で楽しんで、とも言えるし。読者としてはもちろん続編を書いてほしいけどね。ぼく(歩)と秋本くんのでこぼこコンビの漫才は健在で・・・ というか歩はそんなに漫才をやっているつもりがないのに、周りには受けまくり・・・って天性の漫才の(というかボケ)の才能?(笑)2人を取り巻く同級生たちも、とにかく生き生きとしているなーって思う。楽しそうだ。中学生時代ってこんな風にいろんなことに楽しんでほしいと思う。うちの中学生はもうすぐ高校生になるけど、あまり友達づきあいが上手な方ではないので、いったい学校でどんな人間関係なんだか・・・?
2008年03月28日
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作者:川上未映子芥川賞受賞作品が文芸春秋に掲載されているというので買って読んでみた。うーん、今までも芥川賞を何度か読んで、「このアンニュイな雰囲気というかなんというか、現実感のない中で流れていく空気というのは何なんだろう?純文学というのはこういうものを言うのか?」という疑問があったり、少なくとも私の好みではない、という傾向が見えてきているのだけど。ここまでくると、なんというか、もう・・・内容の本質は、離婚して子育て中のお母さんが子どもの成長にしたがい、もう一度”女”の部分を取り戻したいという気持ちと、思春期の娘が自分の成長や母が女を取り戻したがっているのに戸惑う気持ち、その2つの気持ちの交錯を、妹・叔母として見つめる「私」。それはいいと思うのよ。すごく。だけどなんていうかそれについて実際に描く中身というか、その文体というか、個性的であることは本当にそうなんだけど、ケータイ小説ではここまでの深い部分は描けないだろうけど、アイテムの使い方や文体としては、ケータイ小説とどこが違うの?って思ったりして(なんてケータイ小説ってまだ読んだことないんだけどさ)。やっぱり私にはわからない。直木賞(大衆小説)の方がしっくりくるのはやっぱり私が庶民だからなのかな・・・?
2008年03月26日
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マンガが原作とのことだけど、マンガの存在は知らなかった。歯に衣着せぬ物言いの斎藤さん、人に厳しいけれど、それは自分にも厳しく、彼女の言動を支えるものはただ一つ、「子どもの前で恥ずかしくない大人でいよう」ということ。大人って結局いろいろとしがらみとかその場の雰囲気とか人間関係(力関係とか権力とか)に流されて、「わかってるんだけど仕方ない」と自分であきらめて長いものに巻かれて、理不尽だったりおかしいと思うことでも受け入れてしまう。だけど彼女はそうじゃない。おかしいものはおかしい、ダメなものはダメ、世の中おかしいことだらけだけど、自分は流されたくない。そうやってがんばっている。私も彼女みたいな気持ちはあるけれど、なかなかそこまで行動はできない、だって彼女みたいに自分に厳しくできないから。でもドラマの中の彼女は、自分の信念で行動していくうちに、だんだんと回りに理解されていく。それはやっぱり彼女が正しいからなんだよね。ドラマがヒットしたのは、やっぱりみんな、仕方ないとあきらめている中で彼女の言動がすかっと気持ちいいからなんだろうなぁ。これをきっかけに、みんなが、おかしいことを注意しあえる雰囲気が作り上げられるといいなぁ。今のブームだけじゃなくて。
2008年03月24日
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作者:風野潮男子校から共学校に変わった高校で、初めてとなった女子生徒たち。吹奏楽部に入部して、だんだん楽器が吹けるようになり、先輩たちとのやりとり、同期の仲間とのやりとりなんかを通じて、彼女たちの高校生活が描かれる。途中から学年があがり後輩も入ってきて、ますます人間関係が広がる。彼女たちのそれぞれの視点からチャプターができあがっているので、物語に広がりや深みが感じられる。吹奏楽部が舞台になると、どうしてもまだ「楽隊のうさぎ」から抜け出せないところがあるんだけど、それとは違ったイメージでちゃんと読める。吹奏楽部って文化部なのに体育会系並に体力を使うし、活動にしても人間関係にしてもそうなのよね。多くの人が力を合わせて1つにならないと出来上がらないものを作り出していくから、たぶんどのスポーツよりもチームワークが大事なんだと思う。
2008年03月22日
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作者:稲泉連仕事を辞めたり躓いたり、仕事を見つめていたり人生を見つめていたりする若者たちに、同じように学校を辞めたり仕事について人生についてをいつも見つめている作者がインタビューしている。いくつかの場所が地元に近いので、もしかしたら彼も地元なんじゃないかと思ってその後調べていたら、彼が話を聞いた個人学習塾は、彼自身が子どもの時に通っていたというから、やっぱりそうなのだろう。母の同じ作家・久田恵が、そういえば作品の中で何やら地元の名前を書いていたようなおぼろげな記憶があったかもしれない。社会をなめて仕事がいやだ、というよりも、まじめに生きようとするからこそ仕事について生きることについて悩む若者たちが多い。でもインタビューに登場する青年によっては、「逃げてないか?」と思う人もいるけどね。でも「逃げるなよ」と言えば逃げずにいられるんだったら、ずっとその状態に甘んじてはいないよね。本人だってその状態が世間的には”ずれてる”という意識はあるんだから。がんばれよー。
2008年03月20日
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ドラマではなくてクイズ番組ですが。もともとはバラエティゲーム番組で、その中の1つのコーナー「プレッシャースタディ」が気に入りました。そのコーナーだけがすごく人気が出たようで、今はほとんどプレッシャースタディしかやってません(笑)って、私もそのコーナーが気に入ってみてるんですが(笑)小学生から大人まで知識を総動員するまともなクイズです。最近のクイズ番組はまともな知識・常識を問う問題が多いので、どの番組でもだいたい安心して見られます。まぁ番組によってはそこで“おバカ”をさらす役割の人もいるけれど(あれって“役割”よね。マジにやってるとは思えない)、この番組はみんな真剣にそこそこまっとうな知識をもった人たちがでてくるので見ていて楽しいです。子どもと一緒に見ながら答えを言い合うと、たまに6年生に負けることもあり、なんだかんだいいながら、さすが現役、ってことにびっくり。
2008年03月18日
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作者:光丘真理自分のお父さんとお母さんがそれぞれ再婚して、気がつくと“きょうだい”になった同い年の相手。中3でそんな環境になったら反発したって無理はない。その女の子側の一人称ストーリー。兄?弟?な男の子は、学校ではカッコイイもてるヤツだけど、なんか気に食わない。でも、毎日一緒に過ごすうち、「こいつイイヤツ」と思えるようになっていく。新しいお母さんも、イヤなのは、ママからパパをとった人と思えてしまうからなんだけど、ママは死んでしまったのだから仕方ない。でも死んでしまったからこそママの思い出は昇華し、比べてしまうのよね。私の父の再婚は、私が大人になってからだったから特に~だったけど、もしそこで私に“きょうだい”ができていたら、やっぱり不思議な相手だったろうなぁ。まぁもちろんその時点では、すでに大人だから、多感な反抗期の中3よりも反応はずいぶん違っただろうけど。でも大人でも、親の再婚に感情が追い付くのにちょっとは時間が必要だったからね。素直になって新しいお母さんを受け入れられた彼女にエールを送りたい。もちろん、感情には出さないけど同じような気持ちが渦巻いていた彼にも。
2008年03月16日
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作者:あさのあつこ今までの、あさのあつこ の作品イメージとはまた違うものだった。近未来都市に住む少年が、その身分が変わる中で扱われ方が変わり、その中で、アウトローの少年と生き抜いていくという話。第1巻を読む限りは。設定は、2016年ということだけど、あと10年足らずでそんな都市が作られるとは思えない。鉄腕アトムも本当は生まれていると思われていた21世紀、実は50年前に夢見られていたほど進化していないのではないか?実際、アトムはすでに生まれるべき年を過ぎたけれど、人間はまだアトムを作れていない。アシモじゃぁまだまだ追いついていないよね。さて、お話の中の近未来はとてもとても管理社会。ちょっとでもドロップアウトすると、道を踏み外した人間として社会の屑のように取り扱われる。 情報は管理され、すべてがシステマチックになっている。それって戦中の管理社会のようだわ。まだ1巻しか読んでいないけれど、その管理社会だけが人間社会のすべてではないと気づいた少年が、これから何を考え、その整然とゆがんだ(としか思えない)社会にたいしてどのように立ち向かっていくのか、とても先が興味深い。
2008年03月14日
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昨年の5月以降、見にいけなくなっていた映画、やっと再開して行かれるようになり、その復帰(?)第1回として見たのがこれ(すでに見たのはずいぶん前だけど)。映画の宣伝なんかをテレビでやっているので気になる映画はいくつかあったんだけど、リストアップされていたのはなぜか日本映画ばかり。宣伝は日本映画の方が多いから?最近邦画ががんばっているから?さえない人々をやさしい視点で見守るストーリー、といううたい文句が本当にそのまま。登場人物はみんなどこにでもいるような、というよりも身近にそこまでの人はやっぱりなかなかいなさそうな、そこまでさえない人々ばかり。そしてストーリーが進むとだんだんそれぞれの人生が交差してくる。「あ、そうか」と読めてきた部分もたくさんあったけど、種明かしのようにカードが出されるまで全然気が付かなかったつながりもあった。最後には「ほのぼのと」したようなしないような・・・?ダメダメなだけじゃなくて、かなり自堕落になっていた主人公が、自分の本当の気持ちに気が付くところが軸なので、まぁその部分はほっとする収束というか。ラストシーンはわらったけど。すごくおもしろいか、といえば、人それぞれかもしれないけど、いいんじゃないかな~ とは言えるでしょう。どこまで原作に忠実かは知らないけれど、ちょっと原作も読んでみたいかも。
2008年03月12日
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作者:藤原伊織この作者の作品の中では代表作らしい。作者を知ったときから読んでみたいと思った。 学生時代の友達が起こしたふとした事件から、ずっと世間の裏道街道を歩いていた男性。新たな爆発事件が、昔の事件を呼び起こし、彼に容疑が掛かる中、自分の力でその事件を紐解いていこうとする。その過程で、学生時代の彼女の娘に巡り合ったり、他にも彼に力を貸す人々にささえられながら、真実に1つづつ近づいていく。ミステリー作品なんだけど、彼が知りえた情報のすべてを1つ1つ読者も一緒に知って謎解きしていくスタイルではない。だから読者は、なぜだかわからないうちに彼には形が見えてくる。そして最後に本命のいるところに踏み込んで、そのすべてが明らかになる。そうだったのか!? という衝撃や、その内容のインパクトは面白いけれど、「なぜ」だけを残すのではなく、事実の積み重ねで登場人物と一緒に謎解きをしていく、ミステリーの別の楽しみはない。それはそれでまた1つの手法なんだろう。がっかりということではなかった。前回読んだ「シリウスの道」同様、硬派な作品だけど、その割には読みやすかった。
2008年03月10日
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