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2022.10.13
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100days100bookcovers no83 83日目
​久住邦晴「奇跡の本屋を創りたい」(ミシマ社) ​​

 KOBAYASIさん
が今回選んだのは 『ノボさん 小説 正岡子規と夏目漱石』(伊集院静著) でした。幼時より居場所が落ち着かず精神的に不安定な 漱石 と、致命的な病にとりつかれながらも意欲的な 子規 との友情が丁寧に描かれた名作ですね。メンバーの会話で、この時代のことを書いている 坪内祐三、関川夏央、司馬遼太郎 などの名前もあがっていましたが、私たちの先輩で 漱石研究者 西村好子さん も、一昨年 『優しい漱石』 という本を出されています。夫から借りて拝見しました。その中で 子規 漱石 のことを 「渋柿の渋が抜けきっていない男」 と書いていたように記憶しているのですが、今その本を探しても見つけられなくて。すみません。柿の好きな 子規 らしい 漱石評 が印象に残っています。

 次に私が選ぶ本は、 子規 の好きな 「柿」 にゆかりのものにしたいところなのですが、なかなか思いつきません。確か SODEOKAさん 寺田寅彦 『柿の種』 を取り上げられていたのは覚えているのですが…。 「柿」 「八年」 も今は思い浮かばないから残念だけど諦めて、 子規 辞世の句 で探してみることにします。​
​「糸瓜咲て痰のつまりし仏かな」​
​ これこれ。 「仏」 ならなんとかなるのでは? 「仏」 と言えば、「仏」→「仏教」→「お釈迦の生まれたインド」(苦しまぎれのこじつけ。今のインドは仏教とつながらないですね。)⇒「インド」(やっとたどりつきました。) 「インド」 なら、(というか、無理にも)いつか出したいと思い続けていた本 『シャンタラム』(グレゴリー・デイヴィッド・ロバーツ著) をやっと出せる。と、本を取り出してみたら、なんとこれは無理だとわかりました。なぜなら翻訳が、あの 田口俊樹 なんです。 SODEOKAさん SIMAKUMAさん 『800万の死にざま』 『日々翻訳ざんげ エンタメ翻訳この40年』 ですでに取り上げられていますね。(翻訳者には、注意してなかった。)
 で、仕方なく、もう一度「インド」に戻ります。インドに関心を持たせてくれたのは 中島岳志 でした。 『インドの時代―豊かさと苦悩の幕開け』 を読んで、ずいぶん衝撃を受けてからです。確か学生時代のでフィールド・ワークを元に書いたはずです。一言で言えば、グローバリズムの時代に、インドで、マクドナルドとヒンズー教寺院が増えている現象をとりあげたものでした。偶然読んで刺激を受けました。それ以来、 中島岳志 のインドものは読んでいます。
 やっと本題に入ります。今回は 中島岳志 が強く薦めている、というより、彼自身も本作りに携わった本にします。
子規の絶句→「仏」→「インド」→中島岳志→ 『奇跡の本屋を創りたい』(久住邦晴著 ミシマ社発行) というわけで。
 ずいぶん 無理した回り道でしたが、よかったらご覧になってくださいね。
 アマゾンで新刊で購入したら、帯が二枚も巻いてあり、 「一万部突破」 とあります。珍しく洛陽の紙価を高からしめたようですね。サイズは128×168mm、判型をなんというのか分かりません。文庫本より1cmほど高く、横幅は2cmほど大きいです。表紙装画はミロコマチコで、緑と黄いろと黒の植物の絵。葉っぱの中や上に本が並べられていたり、ふたりで絵本をみていたり、ほんを読む人が描かれています。中身の紙の色や質は、黄色い白で、滑らず、まぶしくならない。字は大きめで、句点ごとに改行していて読みやすい。軽くて手にとりやすい。子どもにも年寄りにも、有難い本。 ミシマ社 が念を入れて作ったのでしょう。
 著者紹介は裏表紙の折り返しにあるので、そのまま写します。​
「1951年、北海道生まれ。1946年に父が くすみ書房 を創業、1999年に後を継ぐ。読書離れに歯止めをかけようと、良書なのに売れ行きのよくない作品ばかりを集めた 「売れない文庫フェア」 などの試みが話題となる。 「本屋のおやじのおせっかい」 と題し、中高生に読んでほしい本を集めた 「これを読め!」シリーズ は道内各地の書店や他県にも広がった。2017年に肺がんのため死去。享年66。」
​  古い話ですが、自分が高校生のころは、学校の近くには本屋さんがあるものだと思っていましたが、今は駅近くにさえないことも。もう長く出版社や本屋さんの苦境を聞いていますが、特に打つ手もなく減少していっているのでしょうか。歩いて行ける範囲に本屋さんも図書館もない生活を何年もしたことがありますが、まだアマゾンもなかったし、立読みが好きな私は本当につまりませんでした。コロナ禍でいっそう引きこもりがちですが、日々の買い物のついでに本屋さんに立ち寄れる今の暮らしはありがたいです。
これは、地元の本屋を残すために、悪戦苦闘して、奇跡をいくつも起こした本屋さんの記録です。 久住さん(著者) の遺稿と新しい本屋の企画書と、友達の 中島岳志 による詳しい解説をお嬢さんの 久住絵里香氏 がまとめたそうです。
 著者は、2003年10月27日に初めて 「なぜだ⁉ 売れない文庫フェア」 を開く。良書でも売れない本は本屋にはほとんど置いていない。(中小の本屋の資金力では困難だという)このままではいずれ絶版になり、 「良書がどんどん消えていく」 。また、全国規模の大資本の本屋の出店攻勢で 「町の本屋が消えていく」 。この2点をマスコミにも訴えてフェアを試みた。北海道新聞や地元TV局でとりあげられ、意外なほどの話題になる。 「売れない本」 を見ようと思った人が来店したついでに、売れるはずの本や雑誌などが売れるだろうと思っていたら、なんと、予想を大きく超えて、売れないはずの1500冊全部が一ヵ月足らずで売れる。 
 この時、実は、 久住さん は店を閉める覚悟をしていた。すでに赤字経営が何年も続いているところに、高校生の息子さんを一年間の闘病にも関わらず失ったところだった。閉店準備をし取引先へその旨を伝えようとしている段階で、閉店してはならないことに気づく。​
​(今店を閉めたら周囲の人は「息子さんをなくして力を落とされたんだろう。しかたがないなあ。」閉店は息子のせいだと思われるのだろう。…。いや、そういうわけにはいかない。絶対に閉店を息子のせいにさせるわけにはいかない。息子はあんなに苦しい思いをして頑張ったのに。不甲斐ないオヤジのせいなのに。今、店を閉めるわけにはいかない。)​
​ と思い直した。今まではやる気のなかった二代目が、倒産寸前の本屋の再生に初めて挑戦することとなった。知り合いの助言から 「まずは人を集めること。そのためには売れなくてもいい。おもしろい企画を立てて、マスコミを動かすこと」 と考えてフェアを計画した。狙った以上に新聞もテレビも取り上げてくれた。 
 翌年は、 岩波書店 からのリクエストを受けるほどに出版界では有名になる。第二次、第三次フェアで、 岩波文庫全点 ちくま文庫 ちくま学芸文庫 も加え、書店内での朗読会もスタートさせた。 
 売り上げはアップしたが、それでも、営業を続けるには前年比150%アップさせたい。と思って店内を見ると、以前に比べて中高生がほとんどいない。業界が中学生の購買力を相手にしてこなかったことに気がつく。本を読まなくなった中学生に本屋に来てもらうための方法として、本の苦手な子が面白いと思える本の棚をつくることを考える。 ​彼の妻​ も本好きで、長年 小学校の図書館でボランティアされていて、選書はもっぱら彼女がした。 「本屋のオヤジのおせっかい、中学生はこれを読め!」フェア を企画したら、全国版新聞やTVでも取り上げられ、このときの選書リストは2年後に北海道新聞社からブックレットとして出版された。また、古い 『数の悪魔』 と言う本の人気に火がつき、出版社で4000部重版が決まったというエピソードもある。 
 2005年には、ブックカフェ 「ソクラテスのカフェ」 を本屋と同じビルの地下に開き札幌一うまいコーヒーも古本も置く。その後ここで講演会や友人 中島岳志 の仲介で北大の先生と市民の触れ合いの場 「大学カフェ」 も開く。カフェも街の文化施設としても機能し、本屋の売り上げも徐々に伸びてきた。順調。 
 ところが、(どうしてというか、商売がうまくいっている情報を得たら、コンサルタントとかいう職種の人が目をつけたんだろうかー DEGUTIの勝手な独り言 です。)2006年4月、近くに 「TSUTAYA書店」 がオープン。翌2007年3月には全国一の売り場面積の 「コーチャンフォー」 という書店が3㎞先に出店してきた。売り上げは一挙に減り、さまざまな企画をたてても歯がたたなかった。やむを得ず、2009年9月に、今まで60年続いた 琴似(ことに)の店 から、20㎞離れた全く知らない 大谷地(おおやち) に移転する。しかし、売り上げが思うようには伸びない。2010年7月から 「本を愛する大人たちのおせっかい 高校生はこれを読め!」 。2011年10月から 「本屋のオヤジのおせっかい 小学生はこれを読め!」フェア をスタートさせるが、2012年にいよいよ支払い不能になる。約100万人に寄付を募る文書を送付し、1600万円集める。また、ネットやクラウドファンディングもやった。しかし、2015年6月に閉店。 
 この間、妻が発病する。乳がん。手術後よくなるが、2年後、大腸がん。何度も手術したが、2011年10月に57歳で亡くなる。本が好きだった妻が友人に送った最後のメールは「本はいいですねえ。」だった。 久住さん の文章はこのあたりの経緯までです。
 この後は小さな字で書かれています。 
「※ここで原稿は終わる。
  その後、2015年6月、くすみ書房大谷地店は閉店となる。
  一年後、「奇跡の本屋をつくりたい」と謳い、再始動するも、その矢先に病が発覚。          
 2017年8月28日、永眠。」
 このあと、 中島岳志 による詳しい解説には、 久住さん 自身のことだけではなく、 くすみ書房 の誕生から、時代状況などにも触れています。最後に 久住さん 自身の講演草稿と、次に作るつもりの書店の趣意書の草稿と、娘によるあとがきがあります。多くの人の手によってできた小さないい本でした。
 いい本屋の一つの例を見たいと思い、 中島岳志 を信用して手に取った本でした。思った以上に面白く読めた。 久住さん は旅立って、もうこの世には戻らないのかもしれませんが、いつまでもあきらめずに、この世で次にはどんな本屋を作りたいのか、具体的にプランを考え続ける生き方に心打たれました。
 最後に書籍販売のことももう少し知らなくてはと考えています。この中に何度か少しづつ出てはくるのですが、全体としてイメージができていません。ただ、本という商品は、他の商品と比べて圧倒的に回転率が悪くて、資本がなくては在庫を抱えることができず、在庫が少ないと、客としては満足できない。大きな書店は買い取り制度面でも優遇されるけれど、中小は無理。確かに信用面でそうなるのも理解できるし自、難しいですね。自分にできることは、本を買うなら、できるだけ地元の本屋にしようということですね。私を支えてくれている本屋を支えないとね。
​ 本屋さんに詳しい SIMAKUMAさん のうんちくがいっぱいあるのではないでょうか。ではこのあと、よろしくお願いいたします。 ​2022・03・22 E・DEGUTI​


​追記2024・05・11​
 投稿記事を ​​​100days 100bookcovers Challenge備忘録  ​ (1日目~10日目) ​​  (11日目~20日目)  ​​​ (21日目~30日目) ​  ​​​ (31日目~40日目) (41日目~50日目) ​​ (51日目~60日目) ​​ ​​ (61日目~70日目) ​​ ​(71日目~80日目)​ (81日目~90日目)​  というかたちまとめ始めました。日付にリンク先を貼りましたのでクリックしていただくと 備忘録 が開きます。
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最終更新日  2024.05.15 23:47:27
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