【現代劇】マリアージュ・ブラン~嘘つき弁護士の愛の法則~全40話 40
風起隴西-SPY of Three Kingdoms-全24話 24
【現代劇】イジワルな君に恋をした~Sweet First Love~全24話 24
燕雲台-The Legend of Empress-全48話 48
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那年花开月正圆 Nothing Gold Can Stay第24話「欲望の対価」アヘン館を見回っていた知府・趙白石(チョウハクセキ)は洋務運動の推進には賛成したものの、ケシ栽培の推進には断固反対した。今や大臣から貴族に軍人、下級役人から庶民まで、それも女子までがアヘンを吸っている。国の行く末を懸念した趙白石は微力ならアヘン根絶に尽力しようと決意、まずはケシ栽培をやめさせようと考えた。一方、東院再建の足掛かりを求めて街の商売を一通り見て回った周瑩(シュウエイ)。しかしお茶や革製品の商いは老舗が多く勝ち目はない。水たばこの販売は実績がなく知識がなかった。料理店を開くにしても腕のいい料理人がいない。残るは北仲(ホクチュウ)山にある田畑だが…。役所は″関中(カンチュウ)におけるアヘン根絶の提唱″を公布した。大部分の民は賛同していたが、中にはこの時期になってわざわざ麦畑をケシ畑に変える不届き者もいるという。憤慨した趙白石は早速、その畑がある北仲山へ駆けつけたが、驚いたことに栽培していたのは公布を知らない周瑩たちだった。趙白石はアヘンの害を痛感したと話し、一年かけて民を指導して関中からアヘンを締め出すと伝える。しかし周瑩は朝廷の命令でないなら、どうするかは本人次第のはずだと言い返した。「そうとも言える、だが私の希望としては種まきをやめて欲しい」「趙大人、この畑は私たち東院数十人が生きていく糧なんです! 種をまかなければ私たちは飢え死にするわ」周瑩はケシ畑なら他にもたくさんあるが家はたった50畝(ホ)、まずは他の畑から取り締まったらどうかと非難した。弱い者いじめと誤解された趙白石は嫌がらせではないと訴え、関中を健全な土地にするためにアヘンを根絶する必要があると釈明する。すると周瑩は、ならばアヘンを吸いつつその税で私服を肥やす役人やアヘン館を先に潰せと迫った。趙白石は周瑩の正論に言い返せず、強制できなくなってしまう。一方、巡撫(ジュンブ)・王(オウ)大人に父の釈放を頼んだ胡咏梅(コエイバイ)。しかし約束の半年を過ぎてもなしのつぶて、そこで巡撫署まで出向いたが、胡家職の話ではただ無事だという返事だけだったという。苛立ちを隠せない咏梅、するとその時、巡撫署の前に馬車が横付けされ、王大人たちが誰かの見送りに出て来た。「杜老板、失礼いたします」隆昇和(リュウショウワ)に突然、胡咏梅が訪ねて来た。杜明礼(トメイレイ)は思いがけない再会に言葉を失うが、丁重に招き入れる。すると咏梅はいきなり家職と一緒にひざまずき、父・胡志存(コシソン)を助けて欲しいと訴えた。驚いた杜明礼はなぜ自分を訪ねたのかいぶかしむと、咏梅は役所の前で見かけたと告げる。「二品の官服を着た巡撫大人が礼を尽くしていました、お力のある方だと存じまして…」そこで家職は箱に入った金子を差し出したが、杜明礼は不要だと言った。咏梅は断られたと思ったが、杜明礼は力を尽くすと約束する。感激した咏梅は父が無事に戻った暁には恩を返すために何でもすると誓った。杜明礼は咏梅を立たせると、輿まで見送ることにする。そこで別れ際、実は以前にも会ったことがあると伝えたが、やはり胡咏梅は覚えていなかった。呉蔚双(ゴイソウ)は柳婉児(リュウエンジ)をかばって棒打ちの刑を受けた。静養中の夫の様子を恐る恐る見に来た柳婉児、しかし、やはり夫は自分が首謀者だと気づいて怒っている。今回ばかりは嘘泣きも効果がなく、開き直って暇を出してくれと言った。「当然、考えた」「(ぇっ?)らぉいぇ~!」しかし呉蔚双は柳婉児を追い出せば家が成り立たないと誰よりも分かっている。これも惚れた因果か、呉蔚双は結局、柳婉児を許した。一方、王世均から硯(スズリ)の話を聞いた周瑩は西院の二叔・呉蔚武(ゴイブ)を頼った。懐が深く、何事にも穏やかな男だった呉聘(ゴヘイ)、そんな呉聘に毒を盛るとすれば可能性はひとつしかない。「呉聘の存在が己の利益の邪魔になる者です」周瑩は呉聘が生前、三原質店を探っていたと教えた。近くに来たからと急に寄ってみたり、店の様子を見張ったり、例の硯も実は呉聘の指示だったという。それで何が分かったのか周瑩も知らないが、分かった後に呉聘が殺されたのは事実だ。しかもその後、周瑩が三原質店を返せと言った途端、南院は宝来(ホウライ)を利用して自分を陥れ、流産させて池に沈めている。「東院は三原質店の株7割を持っていました、でも毎年の利益は多くて2千両だったとか 持ち株2割の南院の利益は些少です でも涇陽や西安にある同規模の質店の利益は毎年1万両以上はあるんですよ?」呉蔚武は周瑩が自分たち兄弟を仲たがいさせるつもりかと疑った。しかし周瑩はこのままでは西院が東院の二の舞になると指摘する。そこで呉蔚武は半信半疑ながら三原質店の様子を見に行くことにした。三原質店に入った呉蔚武は店番に声をかけたが、呉家の二爺と知らない店番は横柄な態度を取った。しかもこれに怒った呉蔚武を店番はただの面倒な客だと思い込み、使用人に放り出せと命じてしまう。拘束された呉蔚武は憤怒、すると騒ぎに気付いた孫永泉(ソンエイセン)が奥から現れ、店番はついにそのうるさい客が西院の二爺だと知った。孫番頭は必死に謝罪したが、呉蔚武は怒りが収まらなかった。すると知らせを受けた呉蔚双が慌てて店にやって来る。そこで呉蔚武は帳簿を調べるべきだと話し、店番の態度だけを怒っているわけではないと言った。「店の掟は守られず、秩序も乱れていると気づいた、これで商売が成り立つと思うか?! …改めるならます帳簿からだ、正確な帳簿は商売の基本だからな」まさか妻と番頭が横領しているなど夢にも思わない呉蔚双は兄をなだめるためあっさり了承する。慌てた孫番頭は繁忙期で人手がないと言い訳したが、呉蔚武は西院の帳場の者を手伝いに寄こすと言った。呉蔚武は周瑩に早速、報告した。店でわざとかんしゃくを起こし、強引に帳簿の調査に同意させたという。「明日、朝一番で店に行き、西院の帳場の者を使って帳簿を調べてくる」ただし呉蔚双はどうやら店の実情を把握していないようだった。すると孫番頭がひとりで不正を行ったのだろうか。そこで周瑩は趙鴻伍(チョウコウゴ)に見張りを頼んだ。孫永泉はいつもの密会場所に柳婉児を呼び出した。実は西院が明日、帳簿を調べに来ると教え、一緒に逃げようという。柳婉児は呉蔚双に頼んでやめさせると言ったが、孫永泉は説得するより逃げた方が楽になると迫った。「20年前、君は″親には逆らえない″と駆け落ちを拒んだ 嫁いでからは″呉遇(ゴグウ)が大きくなったら″と言い続けて来た 銀子は十分だろう?これまでにくすねた銀子は2万両以上になる 2人で十分、暮らしていけるはずだ」しかし柳婉児はどんなに説得しても一緒に行けないと突っぱねる。孫永泉はさすがに柳婉児の心変わりに気づいた。「20年前、奴は銀子で私から君を奪った、今となっても私は奴の銀子に勝てないのか…」思いつめた孫永泉は自暴自棄になり、呉蔚双を殺しに行こうとした。慌てた柳婉児は咄嗟に孫永泉を引っ叩き、冷静になれと止める。「愛しているなら私の立場も考えて、今、逃げたら2度と呉遇に会えない 私の実家も世間に顔向けできなくなるわ」「私の気持ちは考えてくれないのか?」孫永泉は限界だった。本来なら番頭として40まで務めたら、今頃は余生の不安もなく安穏な日々を送れたはず…。しかし呉聘が死んでからは夜もろくに眠れないという。そこで孫永泉は最後にもう一度、一緒に逃げて欲しいと懇願した。するとついに柳婉児がついて行くと了承、ただし、まず孫永泉だけ先に逃げ、支度をしたら後を追うという。孫永泉は喜び、柳婉児を強く抱きしめてひとまず別れた。孫番頭を見張っていた趙鴻伍は東院に戻り、周瑩に南院の女と会っていたと報告した。「遠くて顔は良く見えませんでした」「なぜ南院の女だと?」「女の後をつけたんです、孫番頭は店に戻ったと思います」すると周瑩は当分、孫番頭の見張るよう頼んだ。南院に戻った柳婉児は追い詰められていた。そこへ呉蔚双と呉遇がようやく帰ってくる。すると呉遇が宝飾店からかんざしが届いたと話し、ひとつは緑の翡翠、もうひとつは紅玉だと言って化粧箱から出して見せた。「母上は翡翠が好きなのに、父上が紅玉だと言うから賭けたんです 母上、どちらか選んでください」「かんざしなら沢山あるのに…」「紅玉はないだろう?王家の夫人のかんざしを欲しそうに見ていた」「…気がついてたのね」柳婉児は結局、紅玉のかんざしを選んだ。驚いた呉遇は翡翠が好きなはずだと訴えたが、柳婉児は価値がある物なら何のかんざしでも好きだと笑う。妻の悪事を知らない優しい夫と、母の裏の顔を知らない無邪気な息子…。柳婉児はやはり幸せな家族との生活を手放すことができなかった。孫永泉は三原質店の前で身を潜めて待っていた。すると林(リン)媽が駆けつけ、柳婉児からの荷物を渡す。「″張橋(チョウキョウ)で待つように″と、3日以内に向かわれます それからもう1つ、″逃げる前に証拠は全て始末していくように″と…」柳婉児の荷物には五百両の銀票と文が入っていた。…この綿入れと西鳳(シーフォン)酒で身体を温めてね…今度こそあなたと西院では呉蔚武が明日の帳簿の調査について番頭に指示を出していた。その時、突然、火事だと知らせる声がする。「老爺!三原質店から火が出ました!」つづく( ๑≧ꇴ≦)<三原質店ってそんなに近いんかーいっ!
2020.02.11
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那年花开月正圆 Nothing Gold Can Stay第23話「帰ってきた若奥様」呉家別院に周瑩(シュウエイ)の亡霊が現れた。すねに傷を持つ宝来(ホウライ)はあまりの恐怖で失神、すっかり憔悴してしまう。呉家では早速、三老の息子・呉遇(ゴグウ)が東院の養子になると噂が広まった。西院の呉蔚武(ゴイブ)は出来の悪い呉蔚双(ゴイソウ)にはずる賢い嫁がいると揶揄する。没落したとは言え三原(サンゲン)質店と東院の屋敷だけでも数万両の価値、確かに割に合う取引だ。その頃、中院でも噂を聞いた朱(シュ)氏が慌てて夫に報告していた。「東院に幽霊が出たのよ!女の霊よ、見た者は周瑩だと言ってたわ」「やっぱりそうか!」呉蔚全(ゴイゼン)はちょうど占いで″死者の蘇り″という意味の卦が出たところだと驚く。一方、周瑩を裏切った王世均(オウセイキン)は長い道のりを引き返し、西安知府署にたどり着いていた。呉家の祖廟に一族が揃い、呉遇の養子縁組の儀が始まった。「呉家南院第5代の子・呉遇を正式に呉蔚文(ゴイブン)の子とし、東院の後継者とする…」しかし後方で参列していた宝来が突然、叫び声を上げ、儀式が中断した。↓宝来www「ちっ違う!私じゃない!少奶奶、お許しください!」宝来は若奥様がそこにいると取り乱し、恐ろしさのあまり自ら許しを請うた。「少奶奶、あなたを陥れました~でも私は指示に従っただけで、首謀者は別にいます~」すると本当に周瑩の声が聞こえてくる。「宝来!私を陥れた経緯を正直に話すなら許してあげるわ」「姑姑(オバ)の指示です!王世均をあの偏房に案内して春薬を飲ませましたぁぁぁ そしてそこへシャォナィナィを連れて行きぃ~中に閉じ込め外から鍵をかけましたぁぁぁ~」「2人は本当に密通していたの?!」「めいよー!すべて私のついた嘘です~」「呉聘(ゴヘイ)を殺したのは誰?!」「ぁぁぁ…」宝来は柳婉児(リュウエンジ)を指差したが、その時、焦った柳婉児がいきなり燭台で襲い掛かり、宝来は頭を殴られ気を失ってしまう。その場は騒然となった。柳婉児はひとまず解散しようと訴えたが、呉蔚武は事の真相を明らかにせねばならぬと反対する。するとついに周瑩が姿を現した。一同は亡霊だと怯えて後ずさりしたが、呉蔚武は確かに周瑩が生きていると知る。そこで呉蔚武は柳氏を追求しようとしたが、その時、知府が来たと知らせる声が…。一族が何事かと祖廟からゾロゾロ出てきた。官兵を引き連れた趙白石は主人を陥れた宝来と首謀者である呉蔚双、柳婉児を捕えろと命じる。驚いた呉蔚双は宝来がやったことで自分は関係ないと訴えたが、そこに王世均が現れた。「とぼけるな!お前は私の母を人質に取り、私に嘘の証言を強要した! そして少奶奶を陥れ、池に沈めて殺したのだ!」「でたらめだ!」何も知らない呉蔚双は必死に抵抗したが、王世均は手下の孫永泉(ソンエイセン)に指示したはずだと迫る。呉蔚双は思わず妻の顔を見たが、柳婉児は目を合わせることができなかった。すると呉蔚武が一族の問題は家法で裁くと願い出て、弟夫婦を解放して欲しいと頼む。しかし趙白石は殺しの罪を見逃すわけにいかなかった。その時、死んだと思っていた周瑩が現れる。「私は生きています」趙白石も王世均も周瑩の姿に言葉を失い、無事な姿に胸が熱くなった。すると周瑩は趙白石の前にひざまずき、呉聘を毒殺し、自分を池に沈めた首謀者を捕らえ、罰して欲しいと嘆願する。趙白石はこの件を徹底的に調べると約束し、呉蔚双、柳婉児、宝来を役所に連行した。一族の目の前で潔白が証明された周瑩。しかし鄭(テイ)氏は自分の浅はかさのせいで罪のない周瑩を責め、唯一の希望だった孫まで死なせてしまったと泣き崩れた。「にゃあ~もう過ぎたことです」「あなたから子を奪い、三原(サンゲン)質店も失ったわ…すべて私が悪いのよ…」(  ̄꒳ ̄)そうだよw周瑩と東院に戻った鄭氏は、養子縁組の儀式の直前に証文に式易堂大印(シキイドウダイイン)を押してしまったと話した。呉蔚双は配当金を渡すと言っていたが、卑怯にも口約束だったらしい。鄭氏は生きるすべがないと悲嘆に暮れるが、そこへ春杏(シュンキョウ)と福来(フクライ)が周瑩を迎えに来た。「シャォナィナ~ィ!生きてた!」春杏は思わず周瑩に抱きついて泣いてしまう。私は無事よ>(*´・ω・)ノ″(TωT*)゚。ァゥァゥ春杏をなだめながら自分の家に戻ったと実感する周瑩、2人の様子を見ていた張(チョウ)媽と夏蓮(カレン)は、若奥様がいれば誰も夫人を虐げたりしないと安堵した。沈星移(シンセイイ)と周老四(シュウロウシ)は周瑩の意思を尊重し、結局、潔白を証明する手助けをした。2人は酒楼で結果を待っていたが、ようやく周瑩が春杏を連れてやって来る。「乾杯よ」周老四は成功したと知り、これでまた旅に出られると喜んだ。しかし周瑩は東院に残ると告げる。確かに恨みは晴らせたが呉聘や呉蔚文への恩があり、何より義母を放ってはおけないという。周瑩は自分が商いで東院を再建すると自信を見せたが、沈星移が女には無理だと鼻で笑った。「お前は沈家に戻って来ればいいんだよ~毎日、気ままに暮らせるぞ~?」「…ったく、遊ぶしか能がないの?」「何?私を馬鹿にしているのか?!💢」「尊敬に値しないわ!💢」「まあまあ~顔を合わせればすぐこれだ」周老四が間に入ってなだめると、星移はならば商いで勝負しないかと持ちかけた。「もし私が勝ったら、私の侍女となり、言いなりになれ!」「じゃあ~私が勝ったら、女の衣を着て涇陽(ケイヨウ)の街を歩き、こう叫ぶのよ ″私は女に負けた″とね」「よし!決まりだ!」すると周老四も2人の勝負を見届けてから旅立つことにした。周瑩たちが呉家東院に戻ると、門の前で王世均がひざまずいていた。周老四は思わず駆け出し、いきなり王世均の顔に蹴りを入れてしまう。しかし王世均は鼻血で顔を真っ赤にしながら、主人を陥れた自分は死んで当然だと覚悟した。すると周瑩は自分を裏切ったとは言え、母親を人質に取られていたなら仕方がないという。「孫永泉は少奶奶を追い出すだけだと言いました もし殺す気だったと知っていたら、家族を犠牲にしてでも従わなかった!」王世均は涙ながらに事情を説明すると、周瑩は自分も助かったことから、この件は水に流すと許した。感謝した王世均は母を連れてこの地を去ると誓ったが、周瑩は東院の再建に力を貸して欲しいと頼む。「でも私は…」「過ぎたことよ」王世均は自分をもう一度だけ信じてくれるという周瑩に感服し、突然、小刀を出したかと思うと小指を切り落としてしまう。「私は周瑩に永遠の忠誠を誓います!もし二心を抱いた時は私もこの指と同じことに!」胡咏梅(コエイバイ)は侍女・月如(ゲツジョ)から呉聘を殺したのが周瑩ではなかったと聞いた。毒殺されたのは事実だが、下手人は別にいるという。趙白石が調査したが手がかりはなく、沈月生(シンゲッセイ)の事件と同様に真相は闇の中だった。しかし咏梅は周瑩の仕業だと譲らず、ひどく狼狽してしまう。そこへ胡家職が現れ、王(オウ)大人(ダーレン)が来たと知らせた。咏梅は刑部の上役に顔が利くという巡撫(ジュンブ)の王大人に父の釈放を頼んだ。「どうぞお力添えください」胡家職が賄賂を渡すと、王大人は半年以内に父が帰るだろうと言った。すっかり寂れた六椽(ロクテン)庁、周瑩はかつて義父が座っていた椅子に腰掛け、王世均の報告を聞いた。家職と番頭が残した帳簿を調べたてみたが、全て軍需品偽造騒ぎで没収され、東院は金も商いも失ったという。周瑩の手元にあるのは100両、東院には十数人いるが、もって半年だろう。やはり三原質店の株を奪われたのは大きかった。すると周瑩はふと例の硯(スズリ)の件を思い出す。王世均の話では呉聘から質入れするよう頼まれ、質札を渡しただけだという。周瑩は呉聘が質店を探っていたのだと気づき、必ず裏があると怪しんだ。その時、学徒房の生徒たちがやって来る。実は2人が東院に戻ったと聞いて自分たちも戻ったというのだ。王世均は学徒房なら閉鎖されたと教えたが、仲間たちは無給でもいいので手伝うと言った。周瑩は新たな商いの手がかりを求め、王世均を連れて街の店を見て回った。すると道端で偶然、炊き出しで助けた災民の男が現れる。男は呉家東院から借りた田畑を耕し、食べ物に困っていないと感謝した。最近ではこうして街に出てアヘン館で一服するのが唯一の楽しみだという。周瑩は北仲(ホクチュウ)山に田畑を持っていたことを思い出した。災民たちに振り分けていたので没収されずに済んだのだろう。しかも無料で貸したため自分たちも使える。周瑩と王世均が道端で思わぬ幸運に喜んでいると、アヘン館から出て来た趙白石と出くわした。趙白石はアヘン館を見て回っていると話した。すると周瑩からなぜ柳氏たちを釈放したのか追及されてしまう。趙白石は周瑩が無事だったため相応の罰を与えて釈放したと説明、2人は呉聘の死とは無関係だと主張していた。結局、周瑩を陥れた罪は正気を失った宝来ひとりに押しつけられてしまう。呉蔚武に届いた謎の文も筆跡が誰のものか分からず、現状では呉聘殺しの下手人の手がかりは何もなかった。知府に落胆した周瑩は切り上げることにしたが、なぜか不意に趙白石が呼び止める。「夫人、日頃から言動を慎んでおれば今回の事は起きなかった 貴重な教訓を得たと思い、今後、礼節に背く言動は控えることだ こんな騒々しい所に女子が来てはならぬ」「…嫌だと言ったら?」「?!」周瑩はそのまま歩き出すと、これ見よがしに妓楼へ入っていった。女将の話では春風十里(シュンプウジュウリ)には18人の芸妓がいるという。「じゃあ相当、大きな妓楼なのね?」「涇陽(ケイヨウ)では大きい方だけど、西安や都とは比べ物にならないわ」「ふ~ん」するとかつて沈家に押しかけた芸妓・千紅(センコウ)が客の男をけしかけ、周瑩に絡ませた。しかし周瑩があっさり酔っ払いの男を投げ飛ばしてしまう。しかも沈家に押しかけ身請けを迫ったことをバラされ、千紅は恥をかくことになった。つづく (Ŏ艸Ŏ) 王世均の鼻水が…(←そこじゃないw
2020.02.11
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那年花开月正圆 Nothing Gold Can Stay第22話「不屈の精神」周瑩(シュウエイ)は別院の院子を駆け回っていた。春杏(シュンキョウ)とふざけ合ったり、皆と羽根蹴りに興じたり…。そんな周瑩の一挙一動を呉聘(ゴヘイ)が暖かく見守っている。何と幸せな日々だろうか。すると急に養父が現れた。「起きろ!目を覚ませ!周瑩?!」周老四(シュウロウシ)が声をかけると、ようやく周瑩が目を開けた。周瑩は雲陽(ウンヨウ)の屋敷にいた。あの日、墓地で拘束された周老四は自分で縄をほどき、助けを求めて東院へ向かったという。そこで偶然、使用人たちが若奥様が池に沈められると話しているのを耳にした。驚いた周老四はその足で沈家へ駆けつけ、沈星移(シンセイイ)に助けを求める。話を聞いた星移は天石(テンセキ)と天玉(テンギョク)を連れ池で待機、周瑩が沈められるとすぐ救出していた。「星移は本当に男気がある、この屋敷を借りて玲瓏姑娘を呼び、お前の世話をさせている」仕事を終えた沈星移が雲陽の屋敷にやって来た。玲瓏から周瑩が目覚めたと聞くと、星移は嬉しそうにそっと部屋に入る。周瑩は確かに起きていたが、寝台でぼんやりしていた。「言ったよな?私に助けは請わないと…でも結局、私に救われたわけだ(フッ 私と連むなど恥だと思いながら、結局、沈家に戻る羽目になったな」星移は周瑩が回復したら名前を変え、ひとまず新しい侍女を雇ったことにして、いずれ娶ると言った。しかし周瑩からきっぱり断られてしまう。思わず誰のおかげで生きているのかと恩着せがましい星移、すると周瑩はいきなり上着のボタンを外し、大の字になって倒れた。「好きにして、私が欲しいんでしょう?」周瑩はこんな形でしか恩を返せないという。憤慨した星移は身体が目的で助けたわけではないと訴え、いきなり周瑩の胸ぐらをつかんで起こした。「私を受け入れろ」「無理よ」「私のどこが呉聘に劣ると?」「すべてが劣るわ…」「奴は死んだ」「死んでない!私の中で生きてる!」周瑩に拒絶された星移は深く傷つき、回復したら出て行けと言い捨て飛び出した。周老四は命の恩人を怒らせた周瑩を責めた。人に調子を合わせるのは得意なはず、しかし周瑩はなぜかいつも星移とは喧嘩になるとぼやく。「相性に問題があるのかも…」傷心の沈星移、しかしそんなある日、徹夜で軍需品の作業に追われていた薬材店で曲者を発見した。星移は咄嗟に薬材用の刀をつかんで曲者と応戦したが、肩を刺され、取り逃がしてしまう。しかし薬材の袋に曲者のものとおぼしき血が…。どうやら星移は一矢を報いたようだ。沈家の薬材店に潜入した曲者は知府・趙白石(チョウハクセキ)だった。趙白石は右手の甲を斬られていたが、役所に戻るとすぐ恩師・張長清(チョウチョウセイ)に密書をしたためる。実は最近、兵部に納められている膏薬(コウヤク)の効果が劣っていた。兵部は偽造を疑っていたが、知っての通りこれまで呉家東院が提供していた膏薬を今や沈家が一手に担っている。趙白石は呉蔚文(ゴイブン)の末路を知る沈家が同じ過ちを犯すなど到底、考えられなかったが…。『ご依頼の件について調べたところ、沈氏薬材店で偽造が行われていました』玲瓏は周瑩がなぜこれほど頑なに主人を拒むのか理解に苦しんだ。沈星移は別の男に嫁ぎ、子まで宿した周瑩を側室にすると言っている。「沈家の侍女なら誰もが憧れるわ、拒否するなんて気が知れない」「…好きじゃないの」「どうして?二少爺はいい人よ?」「いい人?」沈星移は曲者がかなりの手練れだったことから、単なる物取りとは思えなかった。しかし納期の方が大事だと、沈四海(シンシカイ)はただの盗人だと結論づけてしまう。仕方なく仕事に戻った星移、するとふと曲者を発見した場所に窓があることに気づいた。曲者が中をのぞいていたと推察した星移は部屋を調べてみると、どうやら膏薬の材料がおかしい。そこで韓(カン)番頭に兵部の注文書を見せてもらったが、やはり指定されている血竭(ケッケツ)が原料に含まれていないと分かった。星移が問い詰めると韓番頭は仕方なく白状したが、実は父の指示だという。沈家で軍需品の偽造が行われていると知った星移は血相を変えて父の書斎に駆けつけた。息子にバレてしまった沈四海は仕方なく杜明礼(トメイレイ)の要望だと教え、高価な血竭を使うと利益が見込めないという。星移は偽物など搬入できないと訴えたが、沈四海は杜明礼が責任を持つとなだめ、星移は関わるなと突っぱねた。納得がいかない星移は父に呉家東院の件を忘れぬよう釘を刺す。「呉蔚文は後ろ盾がいたのに身を滅ぼしました!」しかし沈四海は一方的に話を切り上げ、星移を追い返してしまう。息子の指摘はもっともだった。沈四海も確かに偽造が露見すれば呉蔚文の二の舞になると訴えたが、杜明礼は心配いらないという。「沈老板には私がついているでしょう? 私はかつて本物を偽物扱いしたが、今度は偽物を本物扱いするだけです」「本物を偽造扱いした?まさか呉家東院…」「まあ~お聞きに、息子の敵を討てたのは誰のおかげです? 恩知らずこそ第二の呉蔚文になりますよ?」杜明礼はうっかり口を滑らせたが、沈四海を脅して上手く丸め込んだ。杜明礼が鳥の世話をしていると、使用人が止めるのも聞かず沈星移が乗り込んで来た。星移はにこやかだったが、いきなり膏薬の原料に血竭を加えたいと頼む。父から小銭を稼ぐためだと聞いたが、そのために沈家の看板を潰されては割に合わないという。「偽造はダメ絶対!」すると杜明礼は聞き分けのない二少爺に分かりやすく説明した。「いいか?この小鳥は生まれたばかりだ、私が餌をやらねば飢え死にするのみ だが何を与えるかは私の胸ひとつ…小鳥はえり好みできない あ!そうそう、去年、鷹を飼っていた とても立派な鷹だったが、むやみに飛び回り反抗的だった 止むを得ず始末するしかなかったんだ」神妙な顔になった星移、しかし急に机に置いてあった鳥かごを蹴り落としてしまう。「お許しを、鳥かごで遊ぶのは好きではないのです」沈星移が帰ると、査坤(サコン)が現れた。「沈家の二少爺はふてぶてしいですね?」「ふてぶてしい奴の末路はふ2通りしかない、矯正させるか…もしくは亡き者に」周瑩はすっかり回復し、呉家東院に戻ることにした。驚いた周老四は2度と呉家と関わるなと頼み込んだが、周瑩は池に沈められる前に恨みは晴らすと宣言したという。「その時が来たわ」周老四は仕方なく沈星移にまた周瑩を売ることにした。しかし機嫌が悪い星移は金をもらってもあんな女はご免だという。「じゃあ、娘を見殺しにするのか?!娘は東院に戻る気だ! 沈家に売れば死なずに済むと思ったのに…」驚いた星移は結局、雲陽の屋敷を訪ねた。沈星移はすでに東院はないと言った。しかし周瑩は呉聘と呉蔚文が亡くなり自分が当主になったと訴える。「私の潔白を証明し、東院の株を取り戻すわ 濡れ衣を着せられたまま生きていても虚しいだけよ!」「危険だ、命の恩人の言うことを聞け、沈家には戻らなくてもいいが呉家には行くな」「決心したの」星移は周瑩のために言っていると訴えたが、周瑩の決意は揺るがなかった。「構わないで、最悪、死ぬだけよ」「怖くないのか?」「怖いわ!でも惨めに生きたくない!」周瑩の覚悟に心を打たれた星移はもう止めることができなくなった。「分かった…行けばいい」「…ありがとう」「(フッ)初めて礼を言ったな…お前の逃亡以来、初めて穏やかに話せた」周瑩が沈家にいた頃は毎日、笑いが絶えなかった。なぜ周瑩は厚遇してやった自分をここまで嫌うのか。星移は思わず呉家東院など偽の血竭を使ったり兄を害したと非難したが、周瑩から激しく抗議された。杜鵑花(トケンカ)の葉で代用できると提案しても激怒した呉蔚文が、効果の劣る松脂(マツヤニ)など使うはずないという。「…杜鵑花(トケンカ)の葉で代用できるのか?」「とにかく偽造したと言い続けるなら、穏やかには話せない」周老四は周瑩に頼まれていた紙と布と朱肉を渡した。すると周瑩はひとりで出て行ってしまう。「娘を止めろと言ったのに励ましたのか?」「人の話に耳を貸す女じゃない…」確かに星移の言う通り、周老四でも周瑩を止めることは無理だろう。しかし星移は気に触る女でも死なせたくないと言った。その頃、呉家東院では呉蔚双(ゴイソウ)が大兄の証文に式易堂大印(シキイドウダイイン)を押すよう鄭(テイ)氏に迫っていた。しかし周瑩から夫の真意ではないと聞いていた鄭(テイ)氏が拒否し、憤慨した呉蔚双は質店の経営から手を引くと脅して帰ってしまう。柳婉児(リュウエンジ)は作戦を変え、呉遇(ゴグウ)を鄭氏の養子にして株を譲らせようと企んだ。早速、呉遇は大叔母に自分を養子にしてもらえないかと懇願、すると孝行な呉遇ならと鄭氏は了承してしまう。そこで柳婉児は呉遇に三原質店を任せるつもりだと切り出し、株を譲渡してはどうかと持ちかけた。鄭氏は困惑したが押し切られ、結局、縁組の日に譲ると約束してしまう。東院では夜になると女のすすり泣くような声が聞こえるようになった。春杏は確かに若奥様の声だと断定し、張(チョウ)媽と夏蓮(カレン)を怖がらせる。「大丈夫、祟られるようなことは何もしていないでしょう?」しかし祟られるようなことをしていた宝来(ホウライ)は生きた心地がしなかった。そんなある夜、宝来は福来(フクライ)と夜回りしている時、若奥様の亡霊を見てしまう。つづく(꒦ິ⌑꒦ີ)しゃぉいぇ〜
2020.02.08
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那年花开月正圆 Nothing Gold Can Stay第21話「葬られた真実」その夜、呉家は大変な騒ぎとなった。少奶奶が密通ですって>(*´・д・)(・д・`*)<やっぱり本当なの?周瑩(シュウエイ)と王世均(オウセイキン)は密通現場を押さえられ、一族の前に突き出された。柳婉児(リュウエンジ)の話では大嫂に汁物を届ける途中で2人の密会を目撃、知らせを聞いた呉蔚双(ゴイソウ)が駆けつけて戸を蹴り破ると、2人が抱き合っていたという。呉蔚武(ゴイブ)はひとまず周瑩の口に押し込んでいた布を取り、申し開きできるか聞いた。「これは呉蔚双と柳氏が三原(サンゲン)質店を奪うために仕掛けた罠です!」周瑩の推測では宝来(ホウライ)が偏房でまず王世均に薬を飲ませ、それから自分を呼んで部屋に入れた途端、戸を閉めて騒ぎ出したのだという。するとまた羅盤で占っていた呉蔚全(ゴイゼン)が恐ろしい凶卦が出たと言い出し、女がこの家を滅ぼす意味だと鄭(テイ)氏を怖がらせた。周瑩は宝来の招喚を要求し、ただちに宝来が呼ばれた。しかし宝来は出て行く若奥様を見たが、自分はずっと別院にいたという。周瑩は買収されたのかと激高、すると宝来は旦那様方の前で嘘など言えるはずないと否定し、第17話のことはこれまで隠して来たのにと言い出した。「少爺の葬儀も済んだある晩、少奶奶の部屋から男が飛び出して来て、塀を越えて逃げたのです」しかも宝来はその男の顔を見たが王世均だったと証言する。周瑩はあの泥棒が沈星移(シンセイイ)と白状するわけにもいかず、言葉を失った。するとそれまで半信半疑だった鄭氏も、あの時の噂を思い出して合点がいく。「周瑩…まさか王世均と通じていたなんて…」「にゃあぁぁぁ!それが本当なら変でしょう?」周瑩は義父がそんな男に印を託すはずないと訴えたが、柳婉児は王世均が印を盗み出して周瑩に渡したのだと言った。新たな証人として三原質店の番頭・孫永泉(ソンエイセン)が現れた。すると孫番頭は王世均が質店に入れたという硯(スズリ)を鄭氏に見せる。鄭氏は確かにその硯が呉聘(ゴヘイ)の書斎にあった物だと覚えていた。さらに質入れした時の王世均の署名と学徒房で書いた課題と見比べ、同じ筆跡だと確認する。柳婉児は王世均が別院に入ることができないため、周瑩が盗んで王世均に渡したのだと決めつけた。そこで呉蔚双がならば印を盗むなど造作もないと畳み掛け、誰もが周瑩の仕業だと思い込む。焦った周瑩はまるで酩酊状態のように倒れている王世均に説明させようとしたが、薬を飲まされた王世均はまだ正気ではなかった。こうして周瑩に不利な証拠が揃い、柳婉児は今すぐ周瑩を追い出そうと煽動する。しかし急に呉蔚武が止めた。「周瑩、呉聘はなぜ死んだか聞かせてくれ」「何の話ですか?」第20話で呉蔚武が受け取った差出人不明の密書には、呉聘が周瑩に毒殺されたと書いてあった。そこで梁(リョウ)大夫を訪ね、呉聘が毒死の可能性があるか確認したという。「脳の損傷による出血なら血の色は暗褐色のはず、しかし少爺の血の色は鮮やかな赤でした」確かに毒死は目、鼻、口、耳と言った穴という穴から流血すると言われていた。周瑩はつじつまが合いすぎていると呆れた。呉聘の死後ずっと何事もなかったが、三原質店を返せと言った途端にこの有様、あからさま過ぎる。何より呉聘の最期は奉公人たちも見ていたはず、自分が毒を盛れば黙っていないはずだ。すると呉蔚双が棺を開けて毒殺かどうか調べるべきだと言い出す。鄭氏は流石に衝撃のあまり泣き出したが、周瑩が開けようと言った。「呉聘の骸に私の潔白を証明してもらうわ」しかし呉聘の死因は毒殺だった。一族が見守る中、呉聘の棺が掘り起こされた。「死因は毒ですね…」鄭氏は堪え切れず、息子を返せと周瑩に襲いかかる。そこへ噂を聞いた周老四(シュウロウシ)が駆けつけ、周瑩のお腹には孫がいると言って止めた。しかし柳婉児が本当は王世均の子ではないかと暴言を吐く。憤慨した周老四は思わず柳婉児の頰を引っ叩き、その場で使用人たちに拘束されてしまう。入れ知恵された鄭氏は我を忘れ、倒れこんだ周瑩を揺さぶりながら誰の子供かと迫った。すると周瑩は苦しそうに大夫を呼んで欲しいと懇願する。柳婉児はどうせ芝居だと言い放ったが、やがて周瑩の裤子(ズボン)が真っ赤に染まった。周瑩は別院の寝所で目を覚ました。春杏(シュンキョウ)の涙で全てを察し、愕然となる周瑩…。一方、梁(リョウ)大夫から周瑩が流産したと聞いた鄭氏は天を恨み、その場にへたり込んだ。夫と息子を奪い、孫まで奪うとは、あんまりではないか。←( ゚д゚)え?しかし周瑩は忘れ形見を失った悲しみに浸っている時間もなかった。重い身体を引きずりながら一族のもとに現れた周瑩は、呉聘を毒殺した下手人を捕まえるため役人を呼ぼうと提案する。すると柳婉児は周瑩が王世均と一緒になるため呉聘を殺したのだと迫った。周瑩は証拠があるのかと憤慨したが、その時、再び宝来が現れ、確かに周瑩が木から落ちた呉聘に薬を飲ませたと証言する。仕方なく周瑩はあの薬は宣教師からもらったと話し、以前もその薬で呉聘が助かったと説明した。しかし頭の固い叔父たちは西洋の毒だと信じて疑わず、誰も周瑩の言葉など信じない。そこへ王世均の目が覚めたと知らせが来た。王世均が一族の前に引っ立てられた。しかしどこか様子がおかしい。叔父たちに硯や印を盗んだのか迫られると、王世均は力なくうなずき、やがて罪を悔いるように叩頭した。「なぜ嘘をつくの!私に何の恨みが!」周瑩は思わず王世均につかみかかって何度も頭を床に叩きつけたが、王世均は意識がないまま再び連れ出されてしまう。すると鄭氏はふらふらと立ち上がり、周瑩に歩み寄った。「東院に恨みでもあるの?…なぜこんな非道な真似を!なぜなのよ~!」鄭氏は周瑩に殴りかかり、泣きわめいた。「にゃん!なぜ分からないんですか?!目を覚まして! あの人たちが東院の財産を奪うために私を陥れ、子供を殺した! 私が死ねば、あなたもひどい目に遭うんですよ!」春杏もその場にひざまずき、命にかけても若奥様は潔白だと誓ったが、柳婉児が2人を連れ出せと命じた。「呉聘とお腹の子を殺した上に私まで殺す気ね!」周瑩は柳婉児を睨みつけたが、両脇を抱えられ引きずり出されてしまう。するとちょうど回廊に宝来の姿を見つけた。「怨霊となってでもこの恨みは晴らす!」柳婉児の提案で周瑩と王世均は呉家の裁きを受けることになった。2人は祖廟に連行され、呉蔚双が罪状を読んでいたが、そこでようやく王世均が正気を取り戻す。しかし縛られた上に口には布を詰め込まれ、必死にもがいても後の祭りだった。結局、王世均は間男として陝西(センセイ)から永久追放、周瑩は池に沈めると言い渡されてしまう。周瑩は拘束されたまま網に入れられた。呉蔚双は最後に言うことがないか尋ねると、周瑩は網の目から一族たちを見回す。すると自分を罠にはめた宝来が後ろめたさからうつむいていた。「…宝来っ!怨霊になったら最初に会いに行くわ!はははは~」そこへ周瑩を慕っていた呉漪(ゴイ)が兄・呉沢(ゴタク)を連れて駆けつけた。2人は何かの誤解だと父に訴えたが、呉蔚武は確かな証拠があると教える。覚悟を決めた周瑩は2人に何を言っても無駄だと叫び、自分がいると不都合な人間がいると訴えた。そしてついに周瑩は使用人たちの手で池の中へ投げ込まれてしまう。ドボーーーン!父の帰りを待つ胡咏梅(コエイバイ)の元に驚くべき知らせが届いた。侍女・月如(ゲツジョ)の話では呉聘は毒殺で、しかも下手人が周瑩だったという。周瑩はすでに池に沈められたと聞いた咏梅は全身の力が抜けるように椅子に腰掛けた。「そうだったの…あの女の仕業だったの…ふふふ…あははは〜」咏梅は机を叩きながら、なぜか泣き笑いしていた。「なんてこと…」一方、知府・趙白石(チョウハクセキ)も呉聘の死因を聞いて驚いていた。しかし周瑩が間男と一緒になるため夫を殺したと知り、どこか釈然としない。そこで学友だった呉沢を訪ね、話を聞いてみることにした。呉沢はまだ科挙に合格せず、相変わらず学問一筋だった。すると趙白石は公務できたと告げ、呉聘の死の真相を知りたいと頼む。呉沢は一族の問題だと断ったが、趙白石は周瑩が人を殺すような人間には思えないという。もちろん呉沢もそう思うが、一族が周瑩の仕業と断定した以上、自分には何もできないと言った。そこで趙白石は役所に届けるよう勧める。しかし呉沢は今となっては呉聘も周瑩も戻ってこないと言った。それより来年は郷試(キョウシ)、人事を尽くして天命を待つしかないという呉沢だが…。胡咏梅は呉聘の墓参りに来た。「あの女は死んだわ…でもあなたは戻ってこない」敵は討てたが呉聘も父もいなくなり、独りぼっちでは生きる意味などなかった。「呉聘哥哥、私が悪かったわ…私があの時、嫁ぐべきだったのよ!」しかしどんなに後悔しても今となっては全てが遅すぎた。その頃、王世均は蜀(ショク)との境に捨て置かれていたが…。つづく(💢˃̶͈̀ロ˂̶͈́)੭ꠥ⁾⁾ 王世均!何やってるんだか〜もーっ!でも呉家の権限で勝手に追放って、え?w
2020.02.06
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那年花开月正圆 Nothing Gold Can Stay第20話「再建への道」沈四海(シンシカイ)は杜明礼(トメイレイ)から兵部の注文書を受け取り、天にも上る気分だった。これまで利益を度外視した値でも注文を取れなかった苦労は何だったのか。杜明礼の助言の通り、権力の偉大さを前に努力など無意味でしかないと実感した瞬間だった。しかし気になるのは陝西(センセイ)の役人たちが粛清されるなか、1人だけ無事だった者がいることだ。「趙白石(チョウハクセキ)です」沈四海は呉蔚文(ゴイブン)に有利な判決を下した趙白石を恨んでいたが、お咎めどころか県令から知府に昇進している。すると自慢の昆曲を披露しながら、杜明礼は趙白石なら呉蔚文側にも貝勒(ベイレ)派にも属していないと教えた。その時、ふと沈四海は杜明礼ほどの人物なら官職を得ることなど容易いはずではないのかと首をかしげる。「役人など大変なだけです、興味はない…」杜明礼はそう答えたが、沈四海はその時の表情を垣間見ることはできなかった。沈四海は沈星移(シンセイイ)の仕事ぶりを知り、ついに薬剤店の仕事を学ばせることにした。そんなある日、星移は涇陽(ケイヨウ)に戻った周老四(シュウロウシ)と再会する。そこで早速、周瑩(シュウエイ)の消息を尋ねたが、驚いたことに没落した東院に戻ったと知った。何でも呉聘(ゴヘイ)への恩返しと呉蔚文(ゴイブン)の期待に応え、呉家東院を立て直すという。「周瑩はもう呉家の大当主になっちまった、本当の話だ、呉聘の子を宿してるしな」「呉聘の子だって?」「三月になる、男の子だそうだ」周瑩の懐妊を知った星移は急にしんみりし、放心状態になった。周瑩が南院にやって来た。柳婉児(リュウエンジ)は正房に呉蔚双(ゴイソウ)を送り出したものの、心配で仕方がない。しかし周瑩の話は大当主の件ではなく、三原(サンゲン)質店のことだった。「7割の株を持つ東院が引き継ぐべきです 以前、東院は多忙ゆえ三叔に任せていましたが、今は商いがないので返して欲しいのです」周瑩は義父の証文に式易堂大印(シキイドウダイイン)があったか尋ね、呉家の掟で印のない証文なら無効だと言った。呉蔚双が部屋に戻って証文を探していると柳婉児が何事かと駆けつけた。「…確かに式易堂大印がない」柳婉児はこの証文が無効で三原質店の株がまだ東院の物だと知り、驚愕する。しかし掟など初耳、納得できない柳婉児はしらを切り通せと指示した。そこで正房に戻った呉蔚双は知らない掟など守りようがないと言い放ち、三原質店は南院のものだと押し通す。同席していた王世均(オウセイキン)は呆気にとられる周瑩に変わって反論しようとしたが、周瑩は制止し、黙って引き下がった。その夜、東院では鄭(テイ)氏が周瑩のために安泰薬を飲ませていた。何やら考え事をしていた周瑩は苦い薬湯を飲み干し、南院を仕切っているのはもしや柳氏かと尋ねる。すると鄭氏は確かに呉蔚双は柳氏の言いなりだと認めた。若い頃の柳婉児は街一番の美人で、惚れ込んだ呉蔚双は大兄に頼み込んで縁談を申し入れたものの、一度は断られてしまう。しかし最終的に大金と引き換えに柳婉児を手に入れ、それ以来、呉蔚双は異常とも思えるほど偏愛していた。「なるほどね~」周瑩は三叔の態度に合点が行くと、何か方法を考えると言って椅子に乗ってしゃがんでしまう。「なんてはしたない!ちゃんとお座りなさい」「にゃあ~この姿勢が一番、楽なんです」「周瑩、東院は変わり果ててしまったけど、規則は今も変わらない 何よりお腹の子に負担になるわ」すると周瑩は大人しく座り直した。周瑩は三原質店を取り戻すため、先に二叔と四叔を懐柔することにした。そこで周瑩は2人の証文にはあえて印を押して有効にする。「ただ筋を通して欲しいだけです」こうして周瑩は呉蔚武(ゴイブ)と呉蔚全(ゴイゼン)を味方につけ、一緒に南院へ乗り込んだ。驚いた呉蔚双と柳婉児は食事を中断して席を立ったが、急に兄と弟の態度が一変している。四弟は三原質店の株を東院に返すべきだと迫り、二兄も呉家の掟に従うべきだと言った。納得がいかない柳婉児は、今や分裂状態の呉家にとって式易堂大印など無用の長物だと言い放つ。すると憤慨した呉蔚武と呉蔚全は祖先への反逆も同然だと非難し、掟は誰も変えられないと断言した。さすがに兄弟の怒りを買った呉蔚双は掟に従うしかない。しかし周瑩は株の7割の所有権の固持だけでなく、三原質店を東院が引き継ぐと言った。鄭氏がやきもきしながら待っていると、周瑩が帰ってきた。三原質店を取り戻したと知って安堵する鄭氏、しかし呉蔚武と呉蔚全には証文どおり譲ったという。「たとえ取引先を奪い返しても東院には取引する店すらない 売掛金も調べましたが数千両ほどでした それに四叔に返済は無理なので、借金を帳消しにして貸しを作り、質店の件の口添えを頼みました だから三叔も同意したんです 今、価値があるのは三原質店だけ、うまくいけば年に数万両稼げるので東院の生活も安定します」周瑩は自分が店をやると自信を見せた。周瑩が着々と準備を進める中、沈星移も韓(カン)番頭のもと薬材の商いを学び始めた。すると杜明礼が来たと知らせがあり、沈星移は自分が挨拶に行くことにする。しかし星移は話の流れで呉聘に侍女を取られたと教え、その侍女が呉聘に嫁いて今や呉聘の子を宿した呉家の大当主だと口を滑らせてしまう。柳婉児は周瑩が忙しい隙に呉遇(ゴグウ)を連れて鄭氏に挨拶にやって来た。そこで情にもろい鄭氏に呉遇を息子にしてはどうかと提案する。しかし冷静な張(チョウ)媽が咄嗟に若奥様に相談すべきだと口を挟み、鄭氏はすぐ周瑩を呼んでくるよう頼んだ。周瑩は当然、養子など断り、お腹には跡取りがいると伝えた。しかし柳婉児は大変な仕事を呉遇に任せれば周瑩も身体に負担がかからない上、質店の仕事も南院に任せてくれれば生まれてくる子供の世話に専念できると引き下がらない。すると周瑩は身重でも店の管理はできるときっぱり、どうか安心してくれと話を終わらせた。「三叔にお伝えください、あさって王世均と一緒に三原質店に引き継ぎへ行くと…」周瑩は一筋縄ではいかなかった。柳婉児はいつもの場所で孫永泉(ソンエイセン)と密会、呉聘と同じ方法はどうかと提案する。しかし孫永泉は短い間に2人が死んだらバレると反対した。すると柳婉児はある方法を思いつく…。ある夜、呉蔚武の元に差出人不明の密書が届いた。すぐに目を通した呉蔚武は呆然となり…。一方、柳婉児は周瑩に罵倒されたと夫に泣きついた。しかも呉蔚双のことも侮辱されたと嘘をつく。「今日、呉遇と大嫂に挨拶に行ったら、東院の財産を横取りするために来たのかと散々、罵られたわ それにあなたが妻を恐れる情けない男で、一生、大成しないとも… 三原質店のことも言ってたわ、あなたがバカで怠け者だから利益が出ないんだって~」「なんだとーっ!あの女!殺してやる!」柳婉児は呉蔚双を激怒させたところで、さらに宝来(ホウライ)から聞いたという作り話を吹き込む。実は柳婉児に情報を流していた宝来は柳婉児の甥、呉聘に紹介したのは呉蔚双だった。「こうなったらあの女の尻尾をつかむしかないわ、私に考えがあるの」王世均はすでに床に入っていたが、突然、宝来が激しく戸を叩いた。「王先生?少奶奶がお呼びです、重要な件だから相談したいと…」王世均は仕方なく身支度を整え、宝来に言われるまま偏房に入る。「さあ、お茶をどうぞ」宝来は王世均が茶を飲むのを確認すると、今度は書斎にいる若奥様を呼びに行った。「少奶奶?南院三叔がお会いしたいと…とても大事な話があるそうです」「中に入れていいわ」「あ…夜も遅いので別院ではなく外で会いたいそうです」周瑩はいぶかしみながらも宝来に付いて行った。宝来は周瑩を偏房に案内し、ここに南三叔がいると言った。中に入ろうとした周瑩だったが、宝来が行灯を持つ手が震えていることに気づいてふと立ち止まる。「少奶奶、どうぞお入りください」周瑩が中に入ると三叔の姿はなかった。しかしなぜか寝台にあられもない姿の王世均が…。すると王世均は周瑩に気づき、いきなり抱きついて来た。驚いた周瑩は逃げ出そうとしたが、その瞬間、宝来が戸を閉めてしまう。と同時に外から柳婉児の叫び声が聞こえた。「誰か!誰か早く来て!中で密会してるわ!」つづく( ತ _ತ) あ_杜明礼の昆曲がイライラするw
2020.02.05
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那年花开月正圆 Nothing Gold Can Stay第19話「託された将来」体調不良が続き、薬店で脈診を受けていた周瑩(シュウエイ)。しかし客の立ち話で呉蔚文(ゴイブン)が亡くなったと知り、診断を聞かぬまま呉家東院へ駆けつける。すると屋敷は人けがなく、閑散として荒れ放題だった。一体、呉家東院に何があったのか。周瑩はひとまず義父母の正院に向かった。そこでちょうど侍女・夏蓮(カレン)と出くわし、義母なら部屋にいるという。「戻ったのは少奶奶だけです…(꒦ິ⌑꒦ີ)」義母は床にふせっていた。周瑩が寝台に駆け寄ると、憔悴しきった鄭(テイ)氏は冤罪だと喉から絞り出すような声で訴える。張(チョウ)媽の話では義父は急病で獄中死、状況がはっきりしないため二叔の指示で葬儀も簡素に済ませたという。そこへ周瑩が戻ったと聞いた春杏(シュンキョウ)、宝来(ホウライ)、福来(フクライ)が駆けつけた。実は東院の使用人たちは知らぬ間にほとんど逃げ出し、中には金目の物まで奪っていった者までいたらしい。結局、残ったのは別院の3人だけだった。その時、家職・楊之渙(ヨウシカン)が別れの挨拶に来たと叫ぶ声がする。また東院を見捨てて行く者がひとり、しかし周瑩は会ってみることにした。楊家職は周瑩の姿に驚いたようだった。今年で50歳になるという楊之渙、さすがにこの災いは堪えたと肩を落とし、今後は故郷で心穏やかに暮らしたいという。周瑩は引き止めはしなかったが、なぜ安泰だった東院がこんなことになったのか聞いた。すると楊之渙からようやく事情を知ることになる。事の発端は薬材の蔵で死んだ沈月生(シンゲッセイ)だった。「老爺と私は現場の蔵で偽の血竭(ケッケツ)を見つけました、松脂(マツヤニ)を染めた物です 欽差(キンサ)大臣が来る直前ゆえ、ひとまず偽物を隠したんです まさかそれが偽造の証拠となり、老爺が罪人になってしまうとは…」「でも何でまた偽物が?」「老爺と私の推測では沈月生が東院を陥れようとしたのかと… ですが沈月生が謎の死を遂げたので、うやむやになっていたのです」周瑩は偽の血竭だけで断罪されたのかと驚いた。しかし楊家職の話では偽物が入っていたのは古月(コゲツ)薬材店の袋で、胡志存(コシソン)が義父に指示されたと証言したという。さらに楊之渙は拷問で傷だらけになった手を見せた。楊家職は決して老爺を裏切らなかったが、佟(トウ)番頭は耐え切れず老爺が胡志存に偽装させたと認めてしまったという。悔しさのあまり地団駄踏む楊之渙、すると周瑩はその足でどこかへ出かけていった。涇陽(ケイヨウ)県署の太鼓が鳴り響いた。県令・趙白石(チョウハクセキ)は民の訴えを聞くべく開廷、平伏していた民が顔を上げると、あの周瑩だと知る。「趙大人(ダーレン)、呉家の濡れ衣を晴らしてください!」「棒打ち20回に耐えねば訴えが受理されないと分かっているのか?」「汚名をすすげるなら喜んで!…このままでは私の心が棒打ち20回より痛むのです!」周瑩は義父の信念が″誠″と″信″だったと訴え、かつて自分が血竭は杜鵑花(トケンカ)で代用できると提案した時も、烈火のごとく怒ったと話した。そんな義父が杜鵑花より効果が劣る松脂を使うわけがない。しかし趙白石は呉蔚文が罪を認め、実際、楊家職に指示して証拠を隠していたと言った。周瑩は強要されて自白したのだと反論、一時しのぎで偽造品を隠したのだと説明する。胡志存の偽証も義父への恨みからであり、佟番頭の証言は拷問によるものだ。すると趙白石はああ言えばこう言う周瑩に苛立ち、不届き者と声を荒げた。「どうせ呉蔚文は極刑に処されていた、それでも財産は一部が没収されただけだ 主人以外は全員、無事、十分、酌量しておる! 鄭氏を流刑にし、兄弟たちまで連座させ、呉家東院の屋敷を召しあげることもできるぞ?」思わぬ県令の脅しに周瑩は黙り込んだ。「周瑩?そなたは災民の救済に貢献したゆえ今日の件は水に流す ただし軍需品の件は解決した、また軽率なことをすれば今度は容赦せぬぞ!閉廷!」周瑩は役所から放り出された。そこに王世均(オウセイキン)が現れ、なかば強引に周瑩を連れて人けのない河原まで引っ張って行く。すると急に周瑩に渡したい物があると言って小箱を渡した。その中には″式易堂大印(シキイドウダイイン)″が入っている。呉家の掟によると式易堂大印を持つ者が東西南中の四院を束ねる大当主になると言うのだ。呉蔚文は連行される前、呉聘(ゴヘイ)が仕事を任せたことがある王世均を信じ、この印を託していた。自分が生きて戻らなかった時は周瑩に渡すようにと…。実は呉聘の墓前で周瑩を待っていたのも、高陵(コウリョウ)の屋敷を用意して世話をしたのも、全て呉蔚文の指示だったという。周瑩はようやく気づいた。義父は大事になることを予見し、自分や叔父たちが連座せずに済むよう絶縁したのだと…。「私を守るためだったのね…」「守りたかった人は他にもいます…お腹の子です」「何ですって?子供がいるの?」唖然とした周瑩だったが、あの体調不良はつわりだったのだと合点がいった。「呉聘…子供ができたわ、呉聘、私たちの子よ?!」。゚(∩ω∩`)゚。一方、沈星移(シンセイイ)はすっかり心を入れ替え、仕事に精を出していた。そんなある日、沈四海(シンシカイ)は椅子に腰掛け、だらしなくうたた寝している星移を見て憤慨する。しかし妻から怒らぬよう止められ、星移が荷運びで街を駆け回り、力尽きて帰ってくると聞かされた。沈四海は初耳だと驚いたが、実は星移が父に言わないよう口止めしたとか。そこへ家職がやって来た。杜明礼(トメイレイ)が訪ねて来たという。沈四海は金の要求だと思い、杜明礼に貝勒(ベイレ)のおかげで恨みを晴らせたと銀票を差し出した。しかし杜明礼は突き返し、貝勒がさらなる恩を施してくれると言ってある紙を渡す。それはこれまで呉家東院が一手に引き受けて来た軍需品の注文書だった。敵討ちを果たせただけでなく、まさか褒美までもらえるとは…。沈四海は感激もひとしおだったが、実は条件があった。「この取引の利益を分けてくれればいい、沈家7割、隆昇和(リュウショウワ)3割の取り分で」杜明礼は軍需品が毎年、発注される上、今は薬材だけでもいずれは馬や布、兵糧にも及ぶと説明する。呉蔚文が涇陽一の商人にのし上がれたのは軍需品の取引のおかげ、後釜に座りたいなら機会を逃さぬことだと懐柔した。李(リ)大人の幕僚・張長清(チョウチョウセイ)が趙白石に会いに来た。趙白石は西安知府(セイアンチフ)に昇進、左(サ)大人が亡くなって今後はその勢力が衰え、陝西(センセイ)の政情に新風を吹き込めると期待する。しかし張長清は本当に無邪気だと白石を揶揄した。「陝西の巡撫(ジュンブ)以下の官職に誰が据えられたと?」「ぁ…貝勒爺の息のかかった者でした」趙白石は今後も陝西で孤軍奮闘を強いられることになるだろう。すると張長清は最後に忠告しておいた。「ある人物に注意しろ、隆昇和の店主・杜明礼だ、あいつは只者ではない」杜明礼は馬車で移動中、古月薬剤店をあとにする胡咏梅(コエイバイ)を見かけた。どうやら店を閉鎖したらしい。実は胡志存は呉蔚文を陥れたことが分かってから自責の念に駆られ、証言を撤回すると言い出した。杜明礼がとりなしていなければ貝勒に斬られているところだったという。貝勒はこのまま胡志存を監禁しておくつもりらしいが…。周瑩が義父の墓に行ってみると、ちょうど鄭氏が供養に来ていた。「老爺…非業の死を遂げるなんて…悔しいわ…」周瑩は覚悟を決めて涙に暮れる義母の隣に座る。「ディェ、周瑩が戻りました お望みならこの印は引き継ぎます、私に務まるかどうか、やってみなければ分かりません …ですがお腹の子のためです」鄭氏は耳を疑った。しかし周瑩がはっきり東院に後継ができたと知らせる。それまでふさぎ込んでいた鄭氏は久しぶりにぱっと明るい笑顔を見せ、小さな命に希望を託した。周瑩は周老四(シュウロウシ)に呉家東院に戻ると言った。東院を立て直せるのは自分だけしかいないという。そこで式易堂大印を見せ、呉蔚文が自分を呉家の大当主に指名したと教えた。周老四はどうせ無理だと一笑に伏したが、周瑩は義父の信用を裏切れないという。実は他にも離れられない理由があった。「私、身ごもったの」周瑩は子供を産んで跡継ぎとして育て、呉家東院を再建させたらこの印を引き継がせると話す。「でぃぇ…私のそばにいてくれない?」「寡婦として家を守るお前のそばに?…真っ平ご免だね~」そう言って周老四は歩き出したが、ふと立ち止まった。「残るとすれば…孫の面倒を見るためだ」周瑩は証人として王世均を伴い、六椽(ロクテン)庁に叔父たちを呼んだ。叔父たちは式易堂大印を穴があくほど眺め、本物かどうか確認している。そこで王世均が事情を説明した。印は確かに老爺から直接、渡され、騒ぎが収まってから若奥様に渡すよう命じられたという。周瑩は東院の者では連座される恐れがあり、学徒房の生徒に預けたのだと言った。叔父たちは確かに大兄が考えそうなことだと納得したが、周瑩が掟を持ち出すと態度が一変する。誰より周瑩を疫病神だと毛嫌いしていた四老・呉蔚全(ゴイゼン)は印が本物だと認めても周瑩は認めないと言い放ち、さっさと帰ってしまう。二老・呉蔚武(ゴイブ)は角が立たないよう、この件はまたゆっくり話し合おうと言いながら、今後は大した用がなければ六椽庁には来ないと言って出て行った。すると最後に残った三老・呉蔚双(ゴイソウ)は苦笑いしながら、周瑩に印を返す。大兄が死んだ今では兄弟の結束力も維持できず、もはやその印は意味をなさなくなったというのだ。「東院は東院で頑張りなさい」周瑩から弟たちの話を聞いた鄭氏は憤慨した。夫がいた頃は東院にすり寄って来たくせに、夫が亡くなるや否や手のひらを返すとは…。しかし周瑩は人情など移ろいやすいとなだめ、それが世間だという。鄭氏は急に虚しくなり、印だけ残されても何にもならないと嘆いた。すると周瑩は十分使えるという。「ほら、文鎮にもなるし〜泥棒が来たら…えいっ!…と投げつけることもできる! つっかえにもなりますよ?」鄭氏は思わず失笑すると、周瑩は自分に考えがあると言った。「大当主になるのはあきらめるけど、東院の財産は返してもらいます」周瑩は王世均から印を受け取った時、ある話を聞いていた。呉家の掟によると署名と母印だけの契約書は無効、つまりこの式易堂大印を押していなければ意味がないという。実は呉蔚文が弟たちに渡した証文には式易堂大印がなかった。つづく(,,Ծ‸Ծ,,) 沈家も趙白石も嫌いだっ!
2020.02.04
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那年花开月正圆 Nothing Gold Can Stay第18話「呉家東院の没落」朝廷の派閥争いに巻き込まれた呉家東院。呉蔚文(ゴイブン)は軍需品偽造を巡る騒動が全て呉家東院を陥れる罠だったと気づいたが、もはや手遅れだった。そこで再び弟たちを六椽(ロクテイ)庁に集める。三老・呉蔚双(ゴイソウ)は都から知らせが来たのかと思ったが、呉蔚文は無言で首を横に振った。すると四老・呉蔚全(ゴイゼン)は師匠の師匠にも占ってもらったところ、やはり災いは女だと教える。呉蔚双はまたバカなことを言い出したと呆れ、それより呉遇(ゴグウ)を大兄の息子に迎えてはどうかと持ちかけた。するとこれをきっかけに呉聘の後釜を狙って兄弟が争い始める。二老・呉蔚武(ゴイブ)はそれなら出棺で皿を割った玉勝(ギョクショウ)だと主張、寡婦となった周瑩(シュウエイ)も幼い子がそばにいれば慰められると言った。すると呉蔚全は自分には呉听(ゴキン)・呉聞(ゴブン)・呉昭(ゴショウ)3人の息子に玉林(ギョクリン)・玉進(ギョクシン)という孫までいると数で対抗する。それまでじっと黙って聞いていた呉蔚文、しかし覚悟が決まると一喝した。「ゴゥラ(够了)!お前たち3人は…よくもそんな話ができるな!良心てものがないのか!」呉聘が亡くなってまだ間もないうちから後継者争いとは、どうせ東院の財産が目的だろう。弟たちは慌てて大兄のためを思ってのことだと釈明したが、呉蔚文は兄弟とは名ばかりだったと落胆し、今日限りで縁を切ると言い放った。そこで筆と紙を用意させ、その場で証文を書いて弟たちに叩きつける。呉蔚武には以前から欲しがっていた東院の取引先を渡し、呉蔚双には銀千両で三原(ミハラ)質店の株を譲った。そして呉蔚全にはこれまでの借金を帳消しにすると書く。「いいか、2度と私を大哥と呼ぶな!」苦渋の決断を下した呉蔚文は弟たちの手を振り切り、必死に涙をこらえながら出て行った。「老爺が二叔、三叔、四叔たち全員を追い出した?」周瑩は宝来(ホウライ)から噂を聞くと、早速、本院に確認に行った。そこでもしや四叔が自分を疫病神だと言って追い出そうとしたことが原因なのかと聞いてみたが、義父にいきなり怒鳴られてしまう。「黙れ!」呉蔚文は急に老四の言ったことは正しかったと言い放ち、周瑩を疫病神だと罵った。「お前が来てから悪いことばかり起きてる!最後には呉聘まで命を落とした!」周瑩は義父の豹変に困惑した。あの夜は確かに四叔の話を信じていないと言ったはずなのに…。すると呉蔚文は周瑩に出て行けと叫んだ。呉聘を救うために嫁にしたが、呉聘がいなくなった今、周瑩に用はない。「もう顔も見たくない!今すぐ出て行けっ!」呉蔚文は周瑩がいなくなると、急に冷静になって腰掛けた。唖然としていた鄭(テイ)氏だったが、まさか身内を1人残らず追い払うつもりかと尋ねる。「そうだ…」「どうして?」「東院のため、呉家のためだ…」周瑩は取るものも取り敢えず呉家東院を出た。するとちょうど使用人たちに追い出される周老四(シュウロウシ)と鉢合わせになる。その頃、西院では噂を聞いた呉沢(ゴタク)が父に事情を聞いていた。なんでも三叔が呉遇を息子にしろと言い出したことが発端だとか…。呉蔚武は黙っていられず、四老まで話に割り込んで大兄を怒らせてしまったという。さすがに呉沢も呉聘の葬儀が済んだばかりなのに非常識だと呆れた。呉蔚武も認めたが、それにしても大兄の様子はどこか変だったという。呉聘の死でも取り乱すことがなかったのに、なぜあれほど感情的だったのだろうか。一方、南院では柳婉児(リュウエンジ)が証文を見て満足げだった。まさかたった銀千両で三原質店の株7割が手に入るとは!後継の件は白紙になったが、質店が手に入ったなら文句はない。兄を心配する呉蔚双はやはり証文を返すと取り上げたが、柳婉児が取り戻した。「返すなんて馬鹿げてるわ!大哥が軽率な真似をするとでも?考えがあってのことよ!」これで質店の株9割が南院のもの、柳婉児は思うままにできると大喜びする。その頃、中院の呉蔚全は大兄の証文を見ながら困惑していた。これまでも大兄を怒らせたことはあったが、絶縁を口にしたのは初めてだという。妻の朱(シュ)氏はどうせすぐ機嫌が直ると然して気にしていなかった。すると呉蔚全はこれも東院の疫病神の差し金だろうと疑う。しかしその疫病神はすでに東院を追い出されていた。周瑩は周老四と車に揺られながら、変わり身の早い呉蔚文に苛立っていた。そこで涇陽(ケイヨウ)を離れる前に呉聘と話したいと墓地へ向かったが、そこで学徒房の生徒・王世均(オウセイキン)と再会する。実は王世均は周瑩が必ず墓に寄るはずだと考え、待っていたのだ。「出発を遅らせませんか?せめて少爺の百か日が済むまで…」王世均は老爺には事情があるはずだと訴え、しばらくここで様子を見てはどうかと提案する。すると墓参りを済ませた周瑩は車に戻るなり、周老四に百か日まで待つと言った。その夜、呉蔚文はなかなか眠れず、部屋の前の石段に座っていた。鄭氏は心配して上着を持って出てきたが、呉蔚文は少し付き合ってくれと頼んで座らせる。「老爺?何があったんです?」「何でもない」妻の肩を抱き、手を握りしめる呉蔚文、そんな2人の姿を月が黙って見下ろしていた。翌朝、呉蔚文と鄭氏が朝餉を取っていると、楊之渙(ヨウシカン)が真っ青な顔で駆け込んできた。「老爺!大変です!大勢の官兵がやって来て屋敷を包囲し、出入りも禁止されました!」しかし呉蔚文は黙って食事を続け、そこへついに官兵が乗り込んでくる。すると刑部尚書が勅命を読み上げた。「呉蔚文は戸部の軍需品に偽造薬を納め、不正に巨額の利益を得た 呉蔚文ら一味を捕らえ、都に護送するよう刑部尚書に命ずる 呉家東院は屋敷を捜査し、その後、没収する」呉家は騒然となったが呉蔚文は冷静に尋ねた。「汁を飲み終えてからでも?」呉蔚文は椅子に座ると、いつもの朝のように汁物を食べた。取り乱した鄭氏だったが夫に従って席に戻り、震える手で必死に汁物を口に運ぶ。「老爺…」やがて鄭氏はこらえきれず、夫の足元にすがって泣き出した。しかし呉蔚文はそんな妻の手を離し、立ち上がる。「お待たせを…」こうして呉家東院から呉蔚文を筆頭に鄭氏、家職、番頭、帳簿係が連行された。すでに絶縁されていた弟たちは難を逃れ、今は火の粉をかぶらぬよう静観するしかない。呉蔚全の占いでは周瑩を追い出したおかげで事態は好転、東院はこれから栄えるというが…。呉家東院の騒ぎは沈四海(シンシカイ)の耳にも入った。「ついに来たか…」しかし軍需品がらみだと聞いてもなぜか沈家は心配ないと断言し、番頭たちは困惑する。ちょうどその話を聞いた沈星移(シンセイイ)はすぐ自分の部屋に戻り、天石(テンセキ)と天玉(テンギョク)に周瑩親子の行方を調べるよう命じた。周瑩と周老四は高陵(コウリョウ)にある王世均の屋敷に身を寄せた。確か王世均の家は涇陽のはずだが、以前に買ったものだとか。すると王世均は足繁く高陵の家を訪ね、食料や日用品を届けてくれた。周瑩は学生の王世均に散財させていると恐縮したが、王世均は出世払いで良いと笑う。「涇陽で変わったことは?」「別に何も…」王世均は呉家東院の没落を伝えなかった。一方、県令・趙白石(チョウハクセキ)の元には″呉家東院に類する悪徳な商家を厳しく調べよ″とのお達しが届いた。また杜明礼(トメイレイ)には貝勒(ペイレ)から短い密書が届く。「汝らはいささかなりとも罪を償ったと認め、これからも怠らず精進すべし 機を読み、さらに努めよ、現在の優勢を生かし、未曾有の大業をなすべし」査坤(サコン)はあれほど苦労して得た結果を″いささかなりとも″で済まされ落胆した。しかし杜明礼は察哈爾(チャハル)が去年、神機(シンキ)営で苦労した時は″分かった″のひと言だったと教える。確かにそれに比べれば褒められたうちに入るのだろう。査坤は密書を丸めなおしながら苦笑いした。杜明礼は査坤を連れて気晴らしに街へ出かけた。涇陽での生活も一年になるが、どうやら貝勒は自分たちをこのまま涇陽に留めるつもりらしい。査坤は杜明礼にとっては故郷だが、自分にはどこでも同じだと投げやりだった。しかし杜明礼はなぜか自分に故郷などないという。すると偶然、物乞いしている子供を見かけた。杜明礼はその子供にかつて胡宅の前で行き倒れになった哀れな自分の姿が重なる…。そこで杜明礼は物乞いの子供に生きることが肝心だと戒めを与え、また歩き出した。周老四は元気のない周瑩を連れて街に出た。好物のナツメ餅でも買うかと聞いたが、周瑩は呉聘との最後の思い出がよみがえり、いらないという。すると賭場を見つけた周老四は咄嗟に腹が痛いと嘘をつき、周瑩と別れた。ひとりになった周瑩はまた吐き気に襲われ、店先でしゃがみ込んだ。そこはちょうど薬店、そこでずっと調子が悪かった周瑩は脈を診てもらうことにする。しかし薬を買いに来たお客の立ち話でとんでもない事実を知ることになった。実は呉家東院の仁寿(ジンジュ)堂が閉店、もはや呉家東院も再起は無理だという。「呉蔚文が死んだのに家が興せるものか!」「誰が死んだの?!」周瑩は耳を疑い、思わず立ち上がって尋ねた。「呉家東院の呉蔚文だよ!」(((;꒪ꈊ꒪;)))ヒイィィィ~つづく( ๑≧ꇴ≦)らおいぇ〜っ!
2020.02.01
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那年花开月正圆 Nothing Gold Can Stay第17話「留まる想い」呉家に神堂の鐘が鳴り響いた。東院の一大事に呉蔚文(ゴイブン)は急を告げ、弟たちを六椽(ロクテイ)庁に集める。弟たちは軍需品偽造の件は解決したと思っていたが、呉蔚文は胡志存(コシソン)の捕縛が自分を潰すための布石だと教えた。軍需品偽造の件が再調査されたのは前回の調査結果に不満を抱いた者がいるからだろう。そこに遅れて周瑩(シュウエイ)が現れた。「鐘が聞こえて…東院の一大事に寝て入られません」周瑩は敷居をまたいで入ろうとしたが、その時、四老・呉蔚全(ゴイゼン)が大声で入るなと止めた。驚いて足を戻した周瑩、何事かと思えば呉蔚全の占いで女が災のもとだと分かったという。呉蔚全は東院に災難が起こった原因は周瑩だと断定し、東院が危機を脱するためには疫病神である周瑩を追い出すしかないと言った。「でたらめよ!」ただでさえ憔悴していた周瑩は四叔の妄言で頭に血が昇り、卒倒してしまう。結局、呉蔚文は周瑩を別院に送らせ、呉蔚全は面白くなかった。妻の朱(シュ)氏は占いなど信じないと呆れたが、呉蔚全はそのうち分かると鼻で笑う。「あの娘がいる限り東院の災難は続くからな…」その夜、呉蔚文は取り急ぎ左(サ)大人(ダーレン)へ文を書いた。…朴翁(ボクオウ)仁兄大人閣下…昨日、欽差が突然、涇陽(ケイヨウ)に来て胡志存(コシソン)を捕縛し、古月(コゲツ)薬剤店を捜索しました…明らかに欽差は軍需品偽造の件を疑っており、次の標的となるのは呉家東院でしょう…しかし最終的な狙いは分かりません、派閥争いが影響しているのでしょうか…軍需品偽造の件が再燃することを私は最も恐れています、どうか大人も心にお留め置きください…愚弟 蔚文 六月十日家職・楊之渙(ヨウシカン)は文を預かると、5日後には届くと話して出て行った。すると呉蔚文はひとり、ここまで繁栄を遂げた東院をゆっくりと歩いて回ることにする。やがて別院の前を通りかかった時、ちょうど周瑩を診察した帰りの梁(リョウ)大夫と出くわした。周瑩は心労が原因で倒れたと思われるが、療養すれば大丈夫だという。「ただお子を宿しているためくれぐれも…」「今、何と?子を宿している?」「初耳で?少奶奶はおめでたです、左手首の脈の方が強いので恐らく男の子でしょう」呉蔚文は失意の底で思いがけず光明を見出した。どうやら周瑩本人もまだ気づいていない様子、そこで呉蔚文は自分が公表するまで本人にも周囲にも伏せておくくよう頼む。大夫は承知して帰って行くと、呉蔚文は思わず声を出して笑った。「呉家東院に後継ぎができた…わははは~」目が覚めた周瑩は外気にあたりたいと回廊へ出た。そこへ呉蔚文がやって来る。「父上、私は疫病神などでは…」「分かっておる」呉蔚文は四老が占いに取り憑かれているが、自分は信じていないと安心させた。すると周瑩へ東阿阿膠(トウアアキョウ)を出すよう春杏(シュンキョウ)に命じ、ゆっくり休むよう告げ帰って行く。周瑩と春杏は別院を出て行く呉蔚文の背中を見送りながら、これほど優しい老爺を見たのは初めてだと驚いた。翌朝、床を離れた周瑩は呉聘(ゴヘイ)の湯呑みを探した。するとお茶を入れて書斎の机に置き、茶碗を眺めながら愛しい人の面影に浸る。そこへ周老四(シュウロウシ)がやって来た。呉聘亡き今、留まる理由もなくなり出て行こうと誘ったが、周瑩はここに居たいという。この机や椅子、あの窓かけ、ここは呉聘が使っていた物が全てある。周瑩はそれに触れるだけで呉聘を近くに感じることができると言った。「今はどうでもいい、ただ離れ難いの」「お前は変わっちまった、昔は未練もなく不要なものは捨てたのに…」「私を変えたのは呉聘の優しさよ…」「たとえそうだとしても自分を曲げるな!一生そうしているのか?」「心残りがなくなったらここを去るわ…とにかく今はここにいたいの」周瑩は自分に構わず、長年の夢だった草原へ行ってくれと言った。周老四は周瑩を説き伏せることをあきらめ、沈星移(シンセイイ)に会った。すると周瑩が東院に残って寡婦を通すつもりだと知り、星移は沈家に戻るよう説得してくれと頼む。そこで周老四は沈星移が東院から周瑩を連れ出せたら、沈家に戻るよう説得してやると言った。当然、周瑩を従わせるのは簡単ではない。しかし周老四は周瑩を挑発して目を覚まさせろとけしかけた。「もしダメならその時は大声で騒げ、騒動になれば呉家にはいられまい」その夜、沈星移はまんまと周老四の口車に乗せられ、縄を持って呉家東院へやって来た。すると周老四は沈星移を別院の裏まで連れて行き、この木と塀の中にある木を使えばうまく忍び込めると教える。「この木を登ったら塀の上を伝い、中の木に飛び移れ、別院の院子に降りられる 北側にある部屋が周瑩の房子だ、もし説得に失敗したら大声で騒ぐんだぞ」しかし星移はとんでもない目に遭うことに…。周瑩はうたた寝していた。しかし戸が閉まる音に気づいて目を覚ますと、なぜか沈星移がいる。星移は慌てて周瑩の口を手でふさぎ、周老四に頼まれて助けに来たと言った。「ここに残ればお前は破滅するだけだ、沈家に戻って楽しく暮らそう …私と逃げるなら手を離す」周瑩は呆気にとられ、大人しくしていた。そこで星移はゆっくり手を離し、周瑩を連れて行こうと引っ張る。すると周瑩が自分の衣を取ってくれと頼んだ。星移は安心したのか黙って取りに行ったが、そこで周瑩に後ろから殴られてしまう。沈星移は突然、顔にお茶を浴びせられ目を覚ました。気がつけば椅子に縛り付けられ、口には布を詰め込まれている始末…。すると周瑩は恥知らずにも若奥様の部屋に忍び込んだ沈星移に往復ビンタした。「よく聞いて、あんたと連むなど恥だと思ってる、己を知りなさい あんたの手は物を持てず、あんたの肩は物を担げない 唯一の取り柄は沈家の名声と銀子だけでしょう? そんなあんたが(頰ペチペチ)私を救うですって?例え死んでもあんたに助けは請わない!」周瑩は昔のよしみで今回は見逃すと告げたが、2度と来るなと釘を刺した。( ๑≧ꇴ≦)周瑩www周瑩は夜回りが来ないうちに沈星移を逃した。仕方なく黙って帰ることにした星移だったが、木に登った所で急に周瑩に向かって大声を出す。「周瑩!必ずお前を迎えに来るぞーーっ!」星移は周老四に言われた通り騒ぎを起こし、逃げ出した。沈星移と合流した周老四は計画が成功したと聞き、これで周瑩は呉家にいられなくなると喜んだ。すると星移は急に真面目な顔をして自分はダメな人間かと聞く。「誰がそんなことを?お前にも取り柄はあるさ 酒の量を競えば吐いても飲み続け、大枚をはたいても顔色ひとつ変えない れっきとした若旦那様じゃないか!」「それが取り柄かよ…」一方、別院では泥棒が入ったと騒ぎになっていた。どうやら木を伝って侵入したようで、韓(カン)師傅は若奥様に明日には木を切ると伝えて下がる。そこへ何食わぬ顔で周老四が現れた。周瑩は手引きした父にも憤慨し、沈星移がわざと大声を出して自分をはめようとしたと話す。しかし周老四は周瑩を呉家東院にいられなくするため、自分が頼んだとバラした。これには周瑩も堪忍袋の尾が切れ、親子の縁を切ると宣言する。「出てって!」「そうか!あとから悔やむなよ!明日、1人で出て行くさ!」←明日かよw沈家では侍女・玲瓏(レイロウ)が沈星移の衣を抱きしめ、秘めた想いをまぎらわせていた。そこに星移が帰って来る。玲瓏は慌てて茶を入れて戻って来たが、主人は何やら考え事をしている様子…。本来なら周瑩の目を覚まさせるつもりだった星移、しかし思いがけず周瑩の叱咤で星移の目が覚めていた。翌朝、沈星移は率先して店の仕事を手伝った。一方、呉家東院では鄭(テイ)氏が昨夜、別院で泥棒騒ぎがあったと知る。泥棒は若い男で、なぜか盗まれた物はなかったとか。「ひとつ奇妙なことが…少奶奶は逃げる男を黙って見ていたようです 2人は知り合いかもしれません」張(チョウ)媽の話を聞いた鄭氏はふと気になって夫を探しに行った。鄭氏は呉蔚文に泥棒は周瑩が招き入れたらしいと伝えた。呉蔚文は根も葉もない噂だと一蹴し、周瑩が呉聘を深く思っていることは確か、周瑩は信じるに足ると告げる。そこへ楊家職が新しい官報を届けにやって来た。呉蔚文は早速、官報に目を通したが、そこで衝撃の事実を知る。実は劉璈(リュウゴウ)大人が失脚して家財も没収、劉璈大人を救うため出した左大人の奏状も棄却されたという。「大きな嵐がやって来るぞ…」呉蔚文の懸念が現実のものとなろうとしていた。つづく_(:3 ⌒゙)_ ポリポリ…今はどうでもいい…とにかくシャォイェを返し欲しい〜(笑
2020.01.31
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那年花开月正圆 Nothing Gold Can Stay第16話「連鎖する不幸」呉家東院の少爺・呉聘(ゴヘイ)が急死した。その夜、呉家から各地へ一斉に訃報の知らせが届く。中でも胡咏梅(コエイバイ)の動揺は激しく、現実を受け入れられずに我を失った。一方、誰よりもその死を喜んだのは沈星移(シンセイイ)だろう。「呉聘が死んだ?呉聘が死んだのか?!あはははは~」報告を聞いた星移は高笑いしたが、急に虚しくなって廟へ向かう。すると兄の位牌の前でひとりすすり泣く父の後ろ姿が見えた。「月生(ゲッセイ)…戻って来てくれ…沈家にはお前が必要なのだ…」隆昇和(リュウショウワ)では呉聘の死より鷹の死を悲しんでいた。「いい鷹だったが、気性が荒すぎたな」「幼すぎたのです、もう少し年を重ねれば結果は違っていた…」すると杜明礼(トメイレイ)は落胆する査坤(サコン)に鷹を埋めるよう指示した。呉蔚文(ゴイブン)は気丈に息子の葬儀を執り行った。鄭(テイ)氏は未だあの慎重な呉聘がなぜ木になど登ったのか分からず、口に出さずとも周瑩(シュウエイ)を恨めしい目で見ている。しかし当の周瑩は祭壇の前に座って涙も流さず、ただ一点を見つめて微動だにしなかった。杜明礼が弔問に現れた。呉蔚文に丁重にお悔やみを伝えると、念のため臨終の際に何か遺言はあったか探りを入れる。すると呉蔚文は突然のことでひと言もなかったと答えた。その時、古月(コゲツ)薬剤店からお悔やみの対句が届く。…花 落ちて春は去り 残月 丸くなり難し…呉家の門の前で待っていた胡志存(コシソン)は、家職が自分の句を送ったと分かると帰って行った。呉家の兄弟は甥の死より東院の覇権が気になっていた。三老・呉蔚双(ゴイソウ)が息子の呉遇(ゴグウ)に兄の世話をさせれば、二老・呉蔚武(ゴイブ)は兄の休憩中に息子・呉沢(ゴタク)を代行させる。また呉聘には子供がいないため、出棺の儀式で器を割る者がいなかった。呉蔚武は玉勝(ギョクショウ)にやらせようと言ったが、四老・呉蔚全(ゴイゼン)はうちの玉進(ギョクシン)だと口を挟む。結局、呉蔚文が孫の代で年長の玉勝にやらせると決め、決着がついた。周瑩は棺から一歩も離れなかった。春杏(シュンキョウ)はこのままでは倒れてしまうと心配し、周老四(シュウロウシ)を頼る。せめて泣けば心も軽くなるはずだが、笑わせることは得意でも周老四に周瑩を泣かせることはできなかった。呉聘の出棺は雪が舞う寒い日となった。周瑩は夫の位牌を抱き、長い道のりを黙々と歩いて呉氏公房の埋葬地へ入る。悲しみの中、墓穴に降ろされる呉聘の棺、その時、突然、周瑩が飛びこんで棺にしがみついた。「私はここよ、ここにいるわ、呉聘!私よ!」その場は騒然となり、呉蔚文は慌てて周瑩を引き揚げろと命じた。しかし周瑩は必死に抵抗し、絶対に呉聘から離れないと泣き叫ぶ。「放して!放してよー!離れない!離れないわ!呉聘ーっ!呉聘ーっ!」周瑩の悲痛な叫びが山間に響き渡る中、無情にも棺に土がかけられた。すると周囲から押さえつけられていた周瑩は別離の悲しみに耐えきれず、卒倒してしまう。沈四海(シンシカイ)は息子の敵が討てたものの、同じ父親として呉蔚文の苦しみが痛いほど分かった。そこで杜明礼を訪ね、訴状を撤回すると伝える。「これで十分だ… 沈家の後継ぎと呉家東院の一人息子、両家はあまりに重い代償を払ってしまった」しかし計画はすでに動き出していた。杜明礼から簡単に意を翻すようでは貝勒(ペイレ)が呉蔚文につくやもしれないと脅され、沈四海はもはや後戻りできないと知る。すると杜明礼はこれからが本番だと言った。一方、孫永泉(ソンエイセン)はこの数日、気が休まらず、柳婉児(リュウエンジ)と密会した。「まさか宝来(ホウライ)は…」「宝来も心得ているわ」しかし呉聘が死ぬ前に呉蔚文に真相を伝えている可能性もある。すると柳婉児は呉蔚文が知っていれば今ごろ捕まっているはずだと言った。それもそうだと納得した孫永泉だったが、自分たちの行いを見た天から罰を受けると怯える。「罰を受けるなら私よ、全ては私が考えたことだもの」「罰なら私が受けよう、婉児…君といられれば全て耐えられる」←どっちでもいいわ( ̄◇ ̄;)別院で目を覚ました周瑩だったが、寝台で魂が抜けたようにじっと座っていた。そこで周老四は自分たちがそうだったように誰もが旅人なのだと諭す。夫婦も親子も君臣も同じ、いつか別れは来る、ただ早いか遅いかの違いだけ…。だからこそ一緒にいる時は大いに楽しみ、そして別れの時は未練を残さず次の場所へと向かい、新しい楽しみを見つけるのだ。いくら落ち込んでももう呉聘は戻らない、それよりどうしたら側にいる人を悲しませないか考えろという。周瑩は黙っていたが、ようやく何かが吹っ切れたようだった。張長清(チョウチョウセイ)が隆昇和に現れた。杜明礼と張長清の計画は順調に運び、今回ばかりは左(サ)大人も耐えられまい。「あとは結果を待つのみですな」「張先生、涇陽は我らが頂くと約束した件だが…」「豪腕ですな~」涇陽を得れば陝西(センセイ)を得る、北西を手に入れたも同然だろう。こうして2人が密かに会うのも最後となった。その頃、胡家ではまだ胡咏梅が床に臥せっていた。未だ呉聘の死を受け入れようとしない娘を必死に説得する胡志存、しかしついにそこへ官兵が乗り込んでくる。「もう来たのか?!」胡志存は仕方なく家職に娘の面倒を頼むと、咏梅の目の前で拘束されてしまう。「でぃえぇぇぇぇぇ~っ!」父の一大事で正気に戻った胡咏梅は後を追おうとしたが、家職と侍女・月如(ゲツジョ)が制止した。胡咏梅は恥を忍んで呉家東院に助けを求めた。父が官兵に捕まり、屋敷も捜索されたという。驚いた呉蔚文はすぐ胡家に駆けつけた。家職が言うには何の罪で誰が捕らえたのかも分からないが、ただ官兵たちは都言葉を使い、なぜか主人はこうなることを予想していたという。また使用人たちは古月薬材店の番頭も連行されたと話し、包みと薬材の一部、帳簿、そして呉家東院との書状や注文書の類を押収されたと教えた。東院についても質問され、特に軍需品として血竭(ケッケツ)を納めた件を聞かれたとか…。その時、呉蔚文は全てを悟った。…あの日、楊之渙(ヨウシカン)が慌てて呉蔚文に報告に来た第4話で保管しておいた例の偽の血竭入りの袋が失くなったというしかし盗まれたとしても、一体、誰があんな物を?呉蔚文は憤った東院は10年以上も軍需品を納めてきたが、なぜ今年に限って何者かが訴えたのか?なぜ沈月生は蔵で死んだのか?しかも隠した薬材までなぜ消えたのか?…呉蔚文はその答えがようやく分かった。「咏梅…恐らく助けられんな、この件は東院が狙いだからだ」呉蔚文は呉家に戻り、ひとりになりたいと頼んである場所へ向かった。呉家に鐘の音が鳴り響いた。神堂の鐘が鳴ったのは2度だけ、1度は咸豊11年ともう1度は同治5年…。慌てた兄弟たちが次々と六椽(ロクテイ)庁に駆けつけると、すでに呉蔚文が待っていた。驚いたことに神堂の鐘を鳴らしたのは呉蔚文だという。「東院の一大事だ」つづく (Ŏ艸Ŏ) うっ…いよいよ第2シーズン!←勝手にw咸豊11年は咸豊帝の崩御?同治5年はなんだろう?
2020.01.30
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那年花开月正圆 Nothing Gold Can Stay第15話 「愛別離苦」夜遅く、急に父から呼び出された周瑩(シュウエイ)と呉聘(ゴヘイ)。実は周老四(シュウロウシ)の狼藉が発端となり、呉家が胡家に卑劣な真似をしたと噂になっていた。「胡家との間に確執があるからと言ってこんな真似が許されると思うか? こんな下劣な手段で人に濡れ衣を着せるとは…見過ごしては同業に顔向けできぬ」呉蔚文(ゴイブン)は胡家の潔白と東院の名誉に関わると憤慨し、周瑩に明日の朝、養父を詫びに行かせるよう命じた。怒り心頭の周瑩は直ちに養父の房間へ乗り込んだものの、周老四は朝から出かけたまま姿が見えない。呉聘は話せば分かってくれるとなだめたが、周瑩は周老四が聞く耳を持つとは思えなかった。翌朝、朝会が終わると早速、四老・呉蔚全(ゴイゼン)が胡家の一件を持ち出した。呉蔚文は胡家に詫びに行かせたと話したが、周瑩はばつが悪そうに昨夜から父が屋敷に戻っていないと告げる。すると呉蔚全は本来、周瑩に呉家の商売に関わる資格などなく、しかも養父がこの不始末だと呆れた。憤慨した呉聘は周瑩と義父は別の人間だと反発する。「しょせん同類だ…」「どう言う意味ですか?!周瑩は明るく善良で鷹揚(オウヨウ)な女子です」しかし呉蔚文が目上の人に対する呉聘の口答えを戒め、ただ周瑩にも良いところがあるとかばった。自分の目の黒いうちは周瑩に過ちなど犯させないと自信を見せたが、その時、突然、妓楼から取り立てがやって来る。それは呉家東院の隠居を語り、毎夜、遊び回っている周老四のつけだった。思わぬ騒ぎに巻き込まれた呉家、そこへ周老四がのん気に現れた。すると当たり前のようにつけを東院に肩代わりさせ、一同を呆れさせる。周瑩は別院へ戻った周老四をとっ捕まえ、平穏に暮らすためにも過去の生活を捨てるよう迫った。しかし周老四は酒も賭博も妓楼も禁止なら願い下げだと言い返し、出て行こうとする。そこへ呉聘が駆けつけ、気が利かなかったと謝って小遣いを渡した。「父上、その代わりつけだけはご勘弁を…」周老四は遠慮するふりだけして銀票をもらい、さっさと部屋に戻ってしまう。養父を無条件で受け入れてくれる呉聘に頭が上がらない周瑩、ただ義父は酷く怒っていた。「気にするな、私がいるよ」「六椽庁から追い出されるかも…」「大丈夫、私がいるさ」結局、周老四は自分に非はないと謝りに行かなかった。そこで呉聘が胡家に詫び状と金子を届けさせたが、胡志存(コシソン)は詫び状を読まずに捨ててしまう。呉家南院の夫人・柳婉児(リュウエンジ)は呉聘の従者・宝来(ホウライ)を呼び出した。宝来の話では確かに呉聘が三原(サンゲン)質店に探りを入れているという。孫永泉(ソンエイセン)の話が事実だと知った柳婉児は宝来にさらに金をつかませ、南院と三原質店に関わる情報を今後も知らせて欲しいと頼んだ。胡志存は呉蔚文を見限り、杜明礼(トメイレイ)を頼った。すると杜明礼は貝勒(ペイレ)に口利きして罪を軽くする代わりに呉蔚文が偽造したと偽証するよう迫る。胡志存はさすがに嘘はつけないと断ったが、杜明礼は重罪になって一人娘がどうなっても構わないのかと脅した。苛立ちを隠せない杜明礼、胡志存はそのまま黙って帰ったが、もはや協力せざるを得ない状況になっていた。その夜、柳婉児は人目のない廃屋の庭で孫永泉と接触した。「やはり呉聘が動いていたわ」孫永泉は動揺し、一緒に逃げるしかないと迫る。呉蔚文の後ろについているのは朝廷の左(サ)大人、もし着服が公になれば重罪は免れず、首を斬られること必至だ。しかし柳婉児から1人で逃げろと突き放されてしまう。「誓ったはずだ、″2人は生涯、生死を共にする、何があっても離れない″と… 私は君の紹介で店に入ったんだぞ?事情が知られたら君も無事ではいられまい」「…落ち着いて、策を講じるわ」「どんな策があるんだ?…っ、呉聘さえ助からなければこんなことには…」その言葉を聞いた柳婉児は…。あれから胡家からは何の音沙汰もなく、呉聘はそのまま父に報告した。呉蔚文はそれより廖(リョウ)叔からの文を渡し、調べるのにずい分と苦労したようだと話す。文によれば呉家東院が納めた膏薬(コウヤク)は戸部の検品では問題がなかったが、1ヶ月後に何者かが偽造薬だと密奏していた。密奏した者が誰かは分からないが、神機営(シンキエイ)に関係があるという。神機営と言えば載漪(サイイ)貝勒の管轄、呉蔚文は半年前に急に訪ねてきた貝勒の配下・杜明礼を覚えていた。呉聘も杜明礼の隆昇和(リュウショウワ)が貝勒の店だと思い出し、父が杜明礼を怪しんでいると気づく。まだ断定できないものの、呉蔚文はは呉聘に杜明礼と会って様子を探って欲しいと頼んだ。杜明礼が鷹を手なずけていると査坤(サコン)がやって来た。呉聘から文が届き、半年前の約束が果たせないままなので会いたいという。「呉聘だと?…もう遅い」しかし杜明礼は話だけは聞いてやることにする。すると査坤は鷹を見て笑った。「三日三晩、寝ていないのに強情な奴ですね~あと少しです」周瑩が帳簿を見ていると、また酒に酔った周老四が現れた。周老四が元の服装に戻っていたことから、周瑩は養父が出て行くつもりだと気づく。周老四は迷惑がられる前に消えると憎まれ口を叩いたが、周瑩はどんなに迷惑でも父親にそばにいて欲しいと言った。「父さん、このままいてよ?私の家は父さんの家だわ、ここで何不自由なく暮らせばいい」「俺の家じゃない、お前の家でもな…ここは呉家だ、お前の姓は周だぞ? 例え呉聘の嫁だろうと、連中とは初めから住む世界が違うんだよ」しかし周瑩は今や草原より六椽庁が好きだと話し、そんな今の自分も気に入っていると言った。「父さんも別の自分になってみたら?」「ご免だね」「どうしても?」周老四は寝たふりをして答えない。すると周瑩はあきらめ、出発の日が決まったら教えてくれと言った。呉聘は杜明礼を訪ねた。杜明礼は呉聘の全快を喜び、襲撃犯の目星はついているのか聞いてみる。すると呉聘はついているが証拠がないと言った。しかし父から″命は助かったのだから相手の家の不幸を思えば深追いすべきではない″と言われ、この件は追求しないと話す。杜明礼は呉蔚文を情け深いと称賛し、呉聘の健康を祝して乾杯した。そこに杜明礼の合図で料理が運ばれて来る。その時、後ろで控えていた査坤の鷹が急に料理めがけて飛び出した。護衛の韓(カン)師傅は咄嗟に鷹を二節棍で落とすと、査坤が瞬時に剣を抜いて二節棍を止める。「落ち着け落ち着け、鳥が暴れただけだ!」呉聘は席を立って2人を止めたが、その時、査坤の剣に目が留まった。「この剣は…確かどこかで…」「まさか、西洋の銃剣を改造した2つとない品です …査坤が使うところを見たなら話は別ですが?」「ぁ…(イヤイヤ…)」杜明礼は呉聘が何か気づいたのではと警戒し、査坤に鷹を片付けがてら酒を温め直してこいと命じた。呉聘は帰り道、福来(フクライ)にナツメ餅を買うよう頼んだ。するといつもの劉(リュウ)おじさんは用があるとかで、今日は知らない男から買うことになる。やがて屋敷に到着すると、呉聘は韓師傅に査坤の剣と同じような物を見たことがあるか聞いた。韓師傅は珍しい剣だと答え、初めて見たという。「査坤の腕前はどうだ?」「使い手ですね」その時、呉聘はあることを思い出し、慌てて別院へ向かった。韓師傅は馬車を片付けることにしたが、なぜか宝来(ホウライ)がぼうっと立っている。「何をしている?早く行け!」「お、おぅ」呉聘が帰って来た。周瑩は書斎で出迎えると、呉聘はすぐ帳簿を手にとって何か探し始める。何でもどれかの帳簿に紙を挟んでおいたのだとか…。「ァィャ…急に頭の働きが悪くなったようだ」そこで呉聘は宝来が入れてくれたお茶を飲もうとしたが、ナツメ餅を買って来たことに気づいた。結局、そのまま飲まずに茶碗を置き、福来にナツメ餅を持って来てくれと頼む。するとようやく最後に紙を見たのは綿花の帳簿を付けていた時だと思い出した。周瑩はさっきまで自分が見ていたと気づいて隣の部屋へ移動すると、すっかり寝込んでいた周老四が目を覚ます。実は出て行くことにしたと聞いた呉聘は困惑するが、周瑩は何を言っても聞く人じゃないと教えた。そこで呉聘はせめて″裕隆全(ユウリュウゼン)″の磚(タン)茶を持って行くよう勧める。周老四は自分で取りに行くと話し、呉聘は書斎の茶棚の下の段だと教えた。呉聘と周瑩は机に山積みになった帳簿から紙を探し始めた。やがて呉聘は紙を見つけ、そこに書かれた絵を確認して驚愕する。それは以前、沈月生(シンゲッセイ)を検分した白(シロ)師傅が書いてくれた珍しい凶器の絵だった。周瑩は何の絵かと聞いたが呉聘はすぐ紙を袖口に隠して話を変えてしまう。「街で二虎(ニコ)を探させたが見つからなかった、帰郷したのかも」「ハァ~元気で暮らしているといいけど…」そこへ福来がナツメ餅を届けてくれた。周瑩は呉聘が甘いものを食べないと知っていたが、今日は食べてみないかと提案した。周瑩から半ば強引に勧められた呉聘は仕方なく、周瑩が差し出したナツメ餅をひと口食べてみる。「もち米の粘りがいいでしょう?私があなたと離れないみたいに…歯に絡みつくの」すると周瑩はもうひと口、呉聘の口に入れた。「ナツメは蜜の味よね?2人の仲のように甘いわ」「だから君の好物なんだな、ナツメ餅の風味は私たち夫婦の味わいだ」「その通りよ!ナツメ餅の7層はそれぞれ味が違うのよ?」「うん、君との生活も日々、趣が違って新鮮だ…」ところが周瑩はいざ自分が食べようとすると急に気持ち悪くなってしまう。特に変わった物は食べていないがなぜなのか。今日は不思議と甘い物より酸っぱいものが食べたい。そこで呉聘は周瑩のため、庭の酸棗(サンソウ)を採ることにした。福来も春杏(シュンキョウ)も自分が取って来ると申し出た。しかし呉聘は自分が採って来ると言って木に登ってしまう。「落ちないでね~!」すると呉聘は棒で枝を叩き、酸棗を落としてやった。周瑩たちは喜んで酸棗を拾っていたが、その時、突然、呉聘が落下する。何が起こったのか分からず呆然となる周瑩たち…。その様子を宝来が物陰から見ていた。別院から春杏の悲鳴が聞こえた。「誰か!早く大夫を呼んで!」驚いた周老四が駆けつけると、木の下で呉聘が倒れ、心配そうに使用人たちが取り囲んでいる。その頃、周瑩はジョゼフからもらった薬を取りに戻っていた。すると意識のない呉聘が運ばれて来る。周瑩はすぐ薬を飲ませて寝かせると、あの時と同じよう呉聘が目を覚ますのを待った。周老四も呉聘が気絶しただけだと思っていたが、ふと気づいて首に手を伸ばす。「(はっ!)脈が…な…い…」「黙れっ!」周瑩は激高し、呉聘に必死に呼びかけた。「呉聘、早く起きて!」しかし周瑩の願いもむなしく、呉聘の鼻、口、目から血が流れ始める。「呉聘ーーっ!」つづく (꒦ິ⌑꒦ີ)まさに愛別離苦…
2020.01.30
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那年花开月正圆 Nothing Gold Can Stay第14話「六椽庁の朝会」呉聘(ゴヘイ)はまた偶然を装って三原(サンゲン)質店を訪ねた。「孫(ソン)番頭!いやぁ~表で馬車が壊れたから寄ったんだ~」すると質入れ品の棚に例の硯(スズリ)を見つける。呉聘は何食わぬ顔で素晴らしい硯だと感心し、孫番頭に質入れ額を尋ねた。「120両です」「質流れか?」「はい」そこへちょうど馬車が直ったと知らせが来た。「では失礼するよ~」一方、父から呉家東院に行くなと言われた胡咏梅(コエイバイ)は、運を信じて街に出かけた。すると本当に呉聘の馬車を見かけ、あとを追う。呉聘は今日も周瑩(シュウエイ)にナツメ餅を買うことにした。しかし店主からまだ蒸しているところだと言われ、できるのを待つことにする。そこに突然、胡咏梅が現れた。胡咏梅は未だ呉聘をあきらめ切れず、ひとり突っ走ってしまう。「私たちはまだ夫婦になれます、あの方と離縁して私と再縁すればいいの あなたのお母様も望んでいるわ おば様は東院の平穏を取り戻すために粗暴な嫁を早く離縁したいのよ」呉聘は胡咏梅に自分の気持ちが伝わっていないことに驚き、仕方なくはっきり言った。「周瑩は私の妻だ、それは今だけでなく生涯、変わらない …咏梅、過ぎたことはもう振り返るな、今後は君を妹と見なす 兄として良き伴侶が見つかるよう心から祈っているよ」その時、店主がナツメ餅を包んで持ってきた。すると呉聘は熱いうちに持って帰りたいと断って帰ってしまう。置き去りにされた胡咏梅は呆然と立ちすくみ、ふと店主に毎日ナツメ餅を買いに来ているのか聞いた。「そうだよ、奥様への手土産だとさ!あの方は本当に奥様を大切にされてるよ~」呉家東院に戻った呉聘は早速、父に報告した。学徒房の中から面が割れていない者を選んで三原質店に硯を質入れさせたところ、帳簿上の質入れ額は120両だったが、王世均(オウセイキン)に支払われた額は20両だったという。また品物を担保に金を貸す場合、月利は6厘(リン)だが、実際は1分(ブ)取っていた。こうして利益が少なかった原因が判明、そこで呉聘は東院が店を引き継ぐべきだと訴え、周瑩に任せてはどうかと切り出した。呉蔚文(ゴイブン)もさすがにあり得ないと却下したが、実は報奨金の割り当ての提案が周瑩のひらめきだったと知る。すると呉聘は皇太后を引き合いに出して時の実権を握っているのも女だと話し、今こそ因習を打ち破り、男女の境目は無くすべきだと説得した。「まずは周瑩を六椽(ロクテン)庁の朝会に参加させてはいかがでしょう?そこで多くを学ばせるのです もし周瑩に商才があると分かれば、店を任せてみるのも良いかと…」春杏(シュンキョウ)が洗濯していると呉聘の従者・宝来(ホウライ)が現れ、面白い話があると言った。実は街で胡家の小姐が少爺を引き止めていたという。何でも胡咏梅が夫婦になりたいと詰め寄っていたとか。ちょうど洗濯物を頼みに来た周老四(シュウロウシ)は耳をそばだて、宝来が夜回りに出かけたところで春杏に詳しく聞いた。しかし周老四は呉聘が周瑩を裏切ることはないという。すると春杏は問題なのは夫人だと教え、胡咏梅に泣きつかれた夫人が婚姻を破棄した件を許してしまったと話した。呉聘は夫人房にいる周瑩の姿を見つけた。周瑩も中庭にいる呉聘に気づいたが、良い若奥様になると約束した手前、しおらしく姑の話を聞いているふりをする。↓あっちで待ってての口wしかし落ち着きのない周瑩を見た鄭(テイ)氏は呉聘が戻ったと気づき、周瑩を解放した。すると呉聘は待ちきれないとばかりに周瑩も六椽庁の朝会に参加できると教える。周瑩は嬉しさのあまりまた呉聘に飛びつくと、運悪く夫人房の使用人に見られれしまう。「ねえ!誰にも言っちゃダメよ!…真似しないこと!」呉聘はそんな周瑩の手を引いて慌てて別院へ戻り、今度は自分から周瑩に口づけした。「ここなら誰もいない、今度は私がはしたない真似を…」しかし2人の口づけを美しい月が見ていた。翌月1日、周瑩はついに4院が集まる六椽庁に足を踏み入れた。誰もが女子の姿に驚いたが、呉蔚文は人手不足もあり周瑩に商いを勉強させて将来は独り立ちさせたいと伝える。「周瑩は機知と才覚に富み、何より先見の明がある、そこらの男より優秀だ、使わない手はない」周瑩は義父の言葉が何より嬉しかった。朝会を終えた周瑩が六椽庁を後にすると、学徒房の生徒たちが門の前に集まっていた。生徒たちは朝会の様子に興味津々、周瑩を取り囲んで矢継ぎ早に質問する。若奥様の台頭に複雑そうな表情を浮かべる叔父たち、一方、呉蔚文は周瑩に三原質店を任せることを認め、呉聘に内密に進めるよう指示していた。その頃、杜明礼(トメイレイ)は古月(コゲツ)薬剤店の様子をうかがっていた。実は査坤(サコン)が送り込んだ2人が商談している。呉家と断絶状態になり売り上げが落ち込んでいる古月薬剤店、大口の取引を持ちかければ胡志存(コシソン)は飛びつくはずだ。そこで契約を交わしたら数日ほど連絡を絶って破棄させ、呉蔚文が破棄させたと噂を流すという。するとちょうどその時、店に周老四がやって来た。周老四は商品が偽物だとケチをつけ、胡志存が呉聘を見殺しに、娘は呉聘につきまとっていると騒ぎ出す。商談中だった胡志存は慌てて男を店からつまみ出すと、杜明礼はその男が呉聘の義父だと知った。「胡志存!お前たち親子は2度と呉家東院に近づくな!」周老四が叫ぶと、仕込んでおいた子供たちが駆けつけ、声を揃えて悪口を言う。♪胡咏梅は嫁にいけない醜婦だ~!コバエ~コバエ~(←そんなこと言ってない「黙れっ!」激高した胡志存は包丁を手に飛び出すと、周老四は子供たちと散り散りに逃げて行った。朝会から三原質店に戻った孫永泉(ソンエイセン)はふとあることに気づいた。若奥様を囲んでいた学徒房の生徒たちの中に見覚えのある男がいたが、あれは確か硯を質入れした客ではないか。孫永泉は呉聘がこの硯に興味を持ったことを思い出し、不正を調べに来たのだと分かった。焦った孫永泉は仕方なく呉蔚双(ゴイソウ)の留守を狙い、夫人・柳婉児(リュウエンジ)を訪ねる。「呉聘にあの事を知られたかも…」杜明礼は周老四のおかげで手間が省け、早々に2人の男を引き上げさせた。店では胡志存が周老四の騒ぎのせいで大口の契約が流れたと誤解し、落胆している。そこへしれっと杜明礼がやって来た。胡志存は娘の縁談を壊し、呉家との仲を裂いた杜明礼を激しく責めたが、杜明礼は本当に呉蔚文との関係が大切なら誰が何と言おうと娘を嫁がせていたはずだと指摘する。どちらにしても呉蔚文は胡志存のことなど意に介しておらず、周老四が店の品を偽物だと騒いだのは呉蔚文の指示だと吹き込んだ。その目的は軍需品偽造の件で胡志存に罪をなすりつけるためだという。しかし前回、杜明礼の話を鵜呑みにして判断を誤ったことから、胡志存は警戒していた。そこで杜明礼は持参した箱を開け、ある袋を見せる。胡志存は確かに古月薬剤店が呉家に納めた血竭(ケッケツ)の袋だと分かったが、中に入っていたのは松脂(マツヤニ)だった。杜明礼は実は呉蔚文が戸部に納めた膏薬(コウヤク)は偽物だったと認め、偽造したのは胡志存だと証言したと嘘をついた。「これが動かぬ証拠です」証拠を提出したのは呉蔚文、しかもこの件を涇陽(ケイヨウ)中に触れ回っているという。狼狽した胡志存はなぜ呉蔚文がそこまでする必要があるのか分からなかった。杜明礼は復讐だろうと言ったが、両家には10年来の付き合いがある。「あなたこそ10年来の付き合いも顧みず、婚姻を破棄したでしょう?」「呉蔚文は私を潰そうというのか!」「…あなたも呉聘を見殺しにしました」杜明礼の正論にぐうの音も出ない胡志存、しかし濡れ衣を着せられたまま黙ってはおれず、袋を持って呉家東院へ乗り込むと決めた。驚いた杜明礼は咄嗟に引き止め、今、動けばかえって呉蔚文が警戒心を強め、さらに完璧な証拠をでっちあげるに違いないと脅す。「もし私があなたなら、この件が明るみに出る前に無罪を証明する方法を考えます 呉蔚文の策略を知っていることが今のあなたの強みだ それを自らバラすと言うなら私にも救えません」しかし胡志存は何の手立てもなく、途方に暮れた。すると杜明礼は刑部から人が来る前に逃れる策を考えるよう追い込み、帰ってしまう。孫番頭から事情を聞いた柳婉児は考えすぎだとなだめた。しかし孫永泉は調べられたら最後、身ぐるみ剥がされ訴えられるかもしれないと怯える。仕方なく柳婉児は自分が調べさせると約束し、先月の儲けを要求した。「しまっておけ、今後はこの金が我らの頼りだ」「分かってるわ」すると柳婉児は従兄の好きな西鳳(シーフォン)酒を土産に持たせる。「あなたのために残しておいたのよ(ウフ」その夜、六椽庁の朝会に参加した周瑩は未だ興奮が冷めなかった。呉聘の話では呉家が東は満州、西は迪化(テキカ)、北はロシア、南は広州まで商いを広げているという。しかし教会で世界地図を見ていた周瑩は世界がもっと広いことを教えた。「ここが涇陽だとするでしょう?」周瑩は身振り手振りでヨーロッパやアメリカ、イギリス、アフリカという国があると説明する。「呉家東院の商いを世界の隅々まで広めていきたいわ!これぞ真の繁栄よ!」「良い考えだ!2人で頑張ろう!」すると呉聘は子作りも頑張らねばならないと告げ、もし男が生まれたら″懐先(カイセン)″がいいと言った。2人は寄り添い、幸せを噛みしめていたが、その時、急に老爺が呼んでいると知らせが来る。つづく( *´꒳`* )もう~少爺ったら~幸せすぎる♡
2020.01.28
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那年花开月正圆 Nothing Gold Can Stay第13話「父娘の再会」いつまでも戻らない周瑩(シュウエイ)を探しに沈家にやって来た周老四(シュウロウシ)。沈星移(シンセイイ)はこの与太者が周瑩の養父だと知り、周老四を使って周瑩を取り戻そうと思いついた。そこで酒と豪華な料理をご馳走し、実は周瑩が逃げ出したため、改めて周瑩を沈家に売って欲しいと頼む。300両の銀票に目がくらんだ周老四は新しい身売り証文を書くことを承諾、しかし娘の居場所が分からない。すると沈星移は一生かかっても構わないと言った。喜んだ周老四は必ず探すと約束し、自分は義理堅い男だと大見得を切る。「だがまた娘に逃げられても俺の知ったことじゃないぞ? 万が一また逃げられたとしても一文たりとも返さないがいいのか?」「その必要はない、約束する」こうして交渉はまとまり、字が書けない周老四の代わりに沈星移が身売り証文を代筆した。周老四は言われるまま母印を押したが、そこで沈星移から思わぬ事実を知らされる。「実は周瑩の居場所なら知ってる」西院の娘・呉漪(ゴイ)が周瑩に差し入れを持ってやって来た。周瑩はいきなり手づかみで鶏モモ肉を頬張ると、これが笑ってしまうほど美味い。春杏(シュンキョウ)の話では呉漪の″ひょうたん鶏″は夫人も絶賛するほどだという。「呉聘哥哥も好きなの」「?!漪妹妹(メイメイ)、作り方を教えてくれない?」周瑩は呉聘のために自分で作ってやりたいという。すると呉漪はその代わり初めて会った時に見た周瑩の型を教えて欲しいと頼んだ。それならお安い御用と周瑩は自己流の型を教え始めたが、若奥様に客だと声がかかる。「自分で父親だと言ってます」驚いた周瑩が慌てて正門へ向かうと、そこには本当に周老四がいた。「私を捨ててどこにいたの?!」周瑩は本当に呉家東院の若奥様になっていた。すると周老四は若奥様の父親として丁重に出迎えられ、その恩恵を受ける。呉蔚文(ゴイブン)と鄭(テイ)氏も口八丁の周老四に戸惑いながらも歓待した。すっかり気を良くした周老四は父親風を吹かせ、呉聘に周瑩を大切にするよう頼む。「まあ~ケンカしたところで周瑩には勝てんしな… もし少しでも軽んじることがあれば、父親であるこの俺が許さんからな~ …たとえ相手が皇帝や皇帝一族であろうと~娘を虐げる奴は血祭りに上げてやるっ!」周老四はいきなり短刀を取り出して振り回し、大道芸さながらの型を決めた。「ちょっ!父さんってば!しまって!」「(はっ!)そうだな♪いやいやお恥ずかしいw」「父さん、夫は優しいし、父上も母上も私を娘のようだって…」周老四は周瑩が本当に幸せなのだと知った。周瑩は周老四を別院に案内した。それにしてもなぜ養父は″三里店″で待っていてくれなかったのか。すると周老四は7日間も待ったと話し、その後、周瑩が売られたと聞いて沈家の前で2日も待ったという。しかし見張りは厳重で塀も高く、これでは周瑩も逃げられないと考え去ったと言い訳した。周瑩を取り戻すためしばらく稼ぎ、再び沈家を訪ねたところ、ある人が周瑩の居場所を教えてくれたという。そこへ呉聘が義父のために着替えを持って来た。周老四は上等な絹だと喜び、小遣いまでもらって早速、賭場へ出かけてしまう。「父さんはいつもあんな感じなの…(´・ω・)、」「楽しいじゃないか~(^ꇴ^)」呉聘は義父が涇陽に腰を落ち着けられるよう、何か仕事を見つけてやろうと提案した。一方、沈四海(シンシカイ)は沈星移がさぼらないよう暇を与えず働かせていた。その日、大きな荷物を劉(リュウ)家荘まで運ぶよう頼まれた星移は嫌気が差し、たまたま目についた男に5両も渡して荷物を持たせることにする。すると道すがら、偶然、露店にいる周老四を見かけた。「よう!約束の件はどうなった?」急に声をかけられた周老四は逃げる暇もなく、沈星移に早く周瑩を連れてこいと脅されてしまう。仕方なく銀子を返すと言ったが、沈星移は身売り証文を盾に周瑩は自分のものだと言い張った。「あんたは義理堅いことで評判なんだろう?」「…周瑩だな?分かった!くれてやる」周老四は市にいる人売りの元へ向かった。そこで年頃の娘を見つけ、5両で自分の養女にする。「これから俺が父親だ、今後は俺の周姓を継ぎ″周瑩″と名乗れ」すると周老四は新しい周瑩を沈星移に渡して約束を果たした。星移は呆気にとられ、今日のところは自分の負けだと言って帰ってしまう。慌てた周老四は新しい周瑩を連れて行くよう頼むと、星移は娘を両親の元へ帰した。しかし娘はすぐ叔父に捕まり、また売られることになってしまう。悲鳴を聞いた星移は娘を逃したが、その代わり叔父の仲間たちに袋叩きに遭った。周老四は近くの露天から包丁を借りて助太刀し、沈星移を連れて逃げ出すことに成功する。結局、2人は酒楼でまた酒を飲むことになった。周老四は周瑩を忘れるようなだめ、今だけ耐えれば執着心も消えると告げる。「俺の娘は野生の猫だ、望まぬ相手の所には身を寄せない」←言い得て妙wするとどうしてもあきらめられない星移は天に誓った。「一生を賭けてでも周瑩を手に入れる!」周老四は沈星移の心意気に感心し、どうなるか見ものだと面白がった。周瑩はその夜、部屋の前に座って月を眺めていた。そこへ呉聘がやって来る。「何を見てるんだ?」「月が欠けているから、あの晩ほどきれいじゃないの…」「どの晩だ?」「…あの日の晩よ」「いつ?」呉聘はわざとじらして失笑すると、部屋に戻って何かを持って来た。それは紙で作った三日月型で、空にかざして月を見ると満月になる。「これであの晩と同じだ」「そうね、でも…あなたさえそばにいれば永遠にあの晩と同じよ…」幸せを噛みしめる周瑩…。その時、周老四がべろんべろんに酔っ払って帰って来た。呉聘は酔い冷ましに茶を入れに戻った。すると周老四は誰もいないうちに周瑩の本音を探る。「金が手に入ったらここを出て行くのか?それとも…」「父さん、金をだまし取るために来たんじゃないわ、呉聘とは一生、連れ添うつもりよ」「本気か?!」「父さんもここに残ったらいいわ」しかし周老四は自由のない暮らしなど牢獄だと嘆き、やけになって池に入ってしまう。驚いた呉聘や使用人たちが駆けつけたが、周瑩は放っておけばいいと止めて部屋に戻った。沈星移が5両も払って運び手を雇ったことは沈四海の耳に入っていた。また星移は楊(ヨウ)番頭に渡す薬材を張(チョウ)店主に渡し、張店主に払う銀子を楊番頭に払ってしまったという。張店主は正直者で薬材を返してくれたが、楊番頭の方は銀子千両を持ち逃げしていた。配達を頼んだ茶も清泉(センセイ)堂に届いておらず、沈家の番頭たちは頭を抱えるばかり…。するとその夜、星移が泥酔して帰って来た。息子の醜態に沈四海も我慢の限界、星移の首根っこをつかんで中庭へ引きずり出すと、水瓶の中に頭を突っ込んでしまう。「親不孝者は死んでしまえーっ!」驚いた大夫人は星移を殺すなら自分が死ぬと叫び、ようやく沈四海は手を離した。夫人は水を吐いて苦しそうに倒れた星移に寄り添い、懸命に手巾で顔を拭いてやる。大夫人は例え愚か者でも息子に変わりないと泣いて訴えたが、沈四海の失望は大きかった。「この私に…こんな息子はおらん!」星移は兄が恋しかった。兄がいれば母は涙を流さずに済み、祖母が嘆くこともなく、父からも見捨てられなかったのに…。後継になどなりたくなかった。毎日、気楽に過ごせた二少爺ではなぜダメなのか。しかし兄はもういない…。侍女・玲瓏(レイロウ)はびしょ濡れになった主の髪を拭きながら酒をやめるよう勧めた。しかし星移は嫌だという。「酒を飲むのは楽しいからじゃない…幸せな日々を忘れるためだ… 兄が生きていて、あの女がそばで…」つづく( ತ _ತ)星移にちっとも共感できないわ「なぜ父上は否定するんだーっ!」ってえ?って感じw※お詫びコメントをお寄せいただいた皆さまへ古いコメントから削除するつもりが、過って新しいコメントから消してしまいました(꒦ິ⌑꒦ີ)罰として頰を5回打ち、恵華殿にて皆様のご多幸を祈らせて頂きます┏○゛
2020.01.25
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那年花开月正圆 Nothing Gold Can Stay第12話「満月の愛」互いの想いを確かめ合った呉聘(ゴヘイ)と周瑩(シュウエイ)…。そこで父に離縁を撤回して欲しいと嘆願するが、呉蔚文(ゴイブン)は黙って部屋に入ってしまう。やがて真夜中になり、鄭(テイ)氏は病み上がりの呉聘を心配した。普段は穏やかだが、一旦こうと決めたら梃子でも動かないのが呉聘の気性だと分かっている。しかし呉蔚文にはある思惑があった。周瑩の呉聘への愛情が本物なら、これが何よりの戒めになるだろう。その頃、呉聘と周瑩は改めて互いの気持ちを告白していた。「炊き出しの小屋が崩れた時、あなたが身を挺して守ってくれたでしょう? あれ以来、胸が何だか暖かいの…ウフフ」「(^ꇴ^)フフ…( ತ _ತ)フ?…じゃあ、それまで愛情はなかったのか?」「まさか!涇陽(ケイヨウ)の街頭で初めて会った時からときめいていたわ…優しい人だなって あなたは?私をいつから好きだった?」「…恐らく君に騙されていたと分かった時だ」「(´゚艸゚)∴ブッ!嘘に惚れたの?」「そうかもな、こんな気持ちになったのは初めてだ 君のことを考えると様々な思いで心がかき乱される」「( ๑≧ꇴ≦)あは!…ッイタタタタ…ヒザヒザヒザ」その時、ようやく呉蔚文の許しが出たと鄭氏が知らせやって来た。すると鄭氏は周瑩に良い嫁になると言ったことを忘れるなと笑う。こうして満月の夜、ついに呉聘と周瑩は結ばれ、正真正銘の夫婦となった。県令・趙白石(チョウハクセキ)は炊き出しで災民を救ってくれた呉聘と沈星移(シンセイイ)を酒宴に招いた。しかし沈星移はその場で呉聘が自分の侍女をさらったと告発、いきなり訴状を提出する。「呉聘を人さらいの罪に」そこで趙白石は早速、この問題を裁きにかけると決めた。沈星移は周瑩の身売り証文を証拠として差し出し、さらに証人として周瑩を沈家に連れて来た仲介人を同行した。そこで趙白石は外で控えていた周瑩を召喚する。周瑩を見た趙白石は驚いたが、ともかく本人に直接どうしたいのか聞いてみた。すると周瑩は経緯はどうあれ今は呉聘の妻だと訴え、紙切れで人間は縛れないと鼻で笑う。「お裁きに関わらず、夫とは死んでも離れません」趙白石はそれだけで判決を下すことにした。「周瑩は呉家東院のものとする、呉聘は直ちに契約金を賠償せよ、額は銀15両だ」驚いた沈星移は思わず五品(ゴホン)の同知である呉聘に日和ったと県令を非難した。しかし趙白石は呉聘の襲撃事件で仕方なく見逃したことを持ち出し、沈星移を黙らせる。納得できない沈星移は呉聘からもらった15両をその場で投げ捨て、逃げ切れると思うなと周瑩を脅して帰って行った。趙白石は身売り証文を周瑩に返すと、苦言を呈した。名家の嫁はいわゆる深窓の女子、それが公衆の面前で顔をさらし、男装するのも言語道断だが、こともあろうに西洋人と親しくしていたという。周瑩はあの時の事だと気づいて釈明しようとしたが、呉聘が止めた。そこで趙白石は孟子も孔子も男女の別を唱えていると教え、今後は言動を慎むよう警告する。「(´◔_◔)…趙ダーレン?夫婦も親しくしてはダメなのですか?」「?夫婦は例外だ」すると周瑩はいきなり呉聘の頰に口づけしてしまう。「なっ何をしておる!」「たった今、お許しがありましたので」趙白石は自分の方が恥ずかしくなり、慌てて閉廷した。帰りの馬車、呉聘は周瑩の身売り証文を確認しながら、しみじみこれで周瑩が自由になったと言った。しかし周瑩はもともとこんな証文に意味はないという。実は養父は銭を使い果たす度に周瑩に偽名をつけは売り、周瑩は数日ほど働くと逃げ出していた。すると呉聘は身売り証文をわざわざ取り戻したのは2度と偽名を語って欲しくなかったからだという。「今後はずっと周瑩と名乗って欲しい、″私の周瑩″だ 何をする時も二人一緒、君が勘定し、私が帳簿をつけ、私が商談し、君は知恵を出す 夫婦で心をひとつにして呉家東院を発展させよう、陝西(センセイ)一の商家に、天下一の商家に」呉聘の言葉を聞いた周瑩は初めて夢を持ち、目を輝かせた。しかしその裏ですでに杜明礼(トメイレイ)が呉家東院へ魔の手を伸ばそうとしていた。沈四海(シンシカイ)は亡き長子の敵を討つためなら何でもすると約束した手前、杜明礼の謀略に協力せざるを得なくなる。「ただし条件が…この件は秘密厳守に…私がたれ込む」すると杜明礼は訴状の見本を渡し、これを書き写して内容を暗記するよう命じた。沈星移が役所から帰ってくると、ちょうど父が客人を見送りに出て来たところだった。顔を合わせたくない星移だったが、父に見つかり呼び止められてしまう。実は父の客人とは自分の釈放に尽力してくれた人物だった。沈星移はその場にひざまずいて恩人に感謝すると、杜明礼はわざと天意とは言え沈月生(シンゲッセイ)が亡くなり残念だと言って反応を見る。すると沈星移は呉家東院が殺したのだと声を荒げ、父に叱られた。杜明礼は血気盛んな二少爺の姿に密かに期待し、沈家を後にする。そこへ呉(ゴ)番頭がやって来た。沈星移は祖母に挨拶に行くと言ってその場を離れたが間に合わず、勝手に米を出して炊き出ししたとバレてしまう。しかし父からこっぴどく叱られたものの、また母がかばってくれたおかげで星移は急を脱した。杜明礼は張長清(チョウチョウセイ)と沈四海への根回しを済ませたが、実行に移すにはもうひとり必要だった。それは古月(コゲツ)薬剤店の胡志存(コシソン)だ。実は呉家東院が取引を引き上げたため、店の売り上げは半減、窮地に追い込まれていた。胡咏梅(コエイバイ)は未だ呉聘をあきらめていなかったが、父から両家の縁は切れたと言われてしまう。周瑩は呉聘に茶を入れに来た。すると呉聘が黒茶は通常、紫砂(シサ)の急須で入れるため、茶器は秋以降に紫砂に替えると教える。周瑩は早速、入れ替えることにしたが、呉聘は必要ないと止めて磁器のまま飲んだ。結局、どんな急須でも周瑩が入れたお茶なら美味しいという。その時、呉聘はちょうど茯茶(フーチャ)の商い″裕隆全(ユウリュウゼン)″の帳簿を見ていた。毎年、売り上げが一番の店に報奨金を出しているため、どの店が調べているという。周瑩は一緒に帳簿を見始めると、5万両に達する店が3件もあったが、あとの100軒は1年で1万両売れれば良い方だと分かった。「確かに上位3軒は奨励すべきだけど、報奨金は100軒の方に出したら? どの店も立地が悪く、5万両に届くのは無理だけど、あと数千両なら可能性があるわ もし2千両ずつ増えたとすれば(計算中)数十万両が東院に… 売り上げが1万2千両以上の全店に報奨金を出すの」呉聘は周瑩の商才に感心していたが、そこへ学徒房の王世均(オウセイキン)が訪ねて来た。王世均は指示通り硯(スズリ)を質入れし、呉聘に質札を届けて帰った。周瑩は何の話なのか興味津々だが、呉聘は目星がつくまで話せないという。すると呉聘はふと思い立ち、周瑩も六椽(ロクテン)庁の朝会に参加するよう勧めた。朝会は曽祖父の時代からの慣習で毎日、夜明けと共に東院の家職や各店の番頭が集まり、当日の商いの段取りについて話し合う。それ以外にも呉家は東・西・南・中の4院が互いの株を持ち合うため、毎月1日に4院の家職や帳場の責任者、各店の番頭が集まり、取引について話し合っていた。沈星移は父からの罰で荷運びをしていた。すると旁門で騒ぎが起こる。星移が様子を見に行ってみると、使用人たちが門に居座っている与太者に手を焼いていた。ちょうど憂さ晴らしがしたかった星移は力づくで追い返そうと決めたが、その与太者が周瑩の養父だと知る。何やら悪巧みを考えついた星移は…。つづく( ๑≧ꇴ≦)趙ダーレンが意外に…w
2020.01.24
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那年花开月正圆 Nothing Gold Can Stay第11話「若旦那対決」趙白石(チョウハクセキ)は裕福な商人たちに貧しい災民を助けるよう呼びかけた。すると沈星移(シンセイイ)が炊き出しすると表明、商人たちから称賛される。そこでその夜、早速、父に報告したが、沈四海(シンシカイ)は反対した。確かに沈家の蔵にはたくさん米が備蓄されていたが、それは3ヶ月前、値上がりすると見込んで1石3両の時に仕入れたからだという。現在はすでに1石5両、正月前には10両まで跳ね上がるだろう。沈四海は星移がそんなことも理解できずに安請け合いしたと落胆し、施しに大金は出せないと退けた。しかし…。一方、呉家東院でも呉聘(ゴヘイ)から話を聞いた呉蔚文(ゴイブン)が炊き出しに反対していた。先に動いては己の手柄とするため寄付を集めている趙白石のお株を奪うことになる。呉蔚文は趙白石の狙いがまだ読めず、災民の救済は当然するべきことではあるが今ではないと言った。そこで翌日、呉聘は父が留守の間に家職・楊之渙(ヨウシカン)に炊き出しに協力するよう直談判する。しかし楊之渙が老爺の言いつけに背くことはなかった。同じ頃、呉聘が胡咏梅(コエイバイ)を娶ると聞いた周瑩(シュウエイ)は密かに呉家東院から出て行くことにした。小さな荷物の中には初対面の時に呉聘からもらった名帖(メイチョウ)と、花籠に乗った時に面紗代わりにした思い出の赤い布の切れ端が入っている。しかし部屋を出てみると、回廊で呉聘が何やら考え事をしていた。呉聘は災民への炊き出しを父に反対されたと周瑩にぼやいた。背後には複雑な事情があるが、人の命以上に大事なことなどない。しかし楊之渙からの協力も得られず、ひとりではどうにもならなかった。すると周瑩が人手ならあると教える。それは学徒房の生徒たちだった。呉聘は生徒の王世均(オウセイキン)に指揮を任せ、午前中に必要なものを全て整えるよう頼んだ。また炊き出しでは秩序を守り、くれぐれも争いや暴力沙汰が起きないよう釘を刺しておく。すると周瑩が駆けつけた。「私も行くわ!」呉聘や生徒たちは若奥様の行くところではないと反対したが、言い争っている時間もない。結局、周瑩はどさくさに紛れ、生徒たちを追いかけて行ってしまう。周瑩が生徒たちと一緒に炊き出しの準備に追われていると、近くに別の炊き出しの小屋ができた。そこで周瑩と王世均は挨拶がてら様子を見に行ったが、そこで思いがけず沈星移と再会する。沈星移は父が昼寝している間に米蔵の鍵を盗み、勝手に炊き出しに来ていた。ここで会ったが百年目、沈星移は周瑩を連れ戻そうとしたが、王世均が間に入る。「何をする?!少奶奶に触るな!」「少奶奶だと?」沈星移は周瑩こそ呉聘が娶ったという侍女だと分かった。それでもあきらめられない沈星移は周瑩の腕をつかんで引っ張ったが、周瑩に蹴り飛ばされてしまう。「逃げ延びたと思うな!身売りの証文は私の手にあるんだからな!」「証文1枚で私を脅す気?!」すると沈家の使用人たちが助けに来た東院の生徒たちを阻止、その間に沈星移は再び周瑩を捕まえてしまう。しかし周瑩は沈星移の腕に噛みつき逃れることに成功、そこへちょうど呉聘が現れた。沈星移は兄の敵の登場に激高し、絶対に周瑩を渡さないと余計に意固地になる。普段は穏やかな呉聘も周瑩のこととあっては黙って引き下るわけにいかなかった。「そういうことなら無理を通してでも私のものにする、周瑩は決して手放さない!」呉聘は周瑩の肩を強く抱き寄せた。沈星移は隙を見て周瑩に手を出そうとしたが、護衛の韓(カン)師傅が守ってくれる。結局、この場では引き下がるしかない沈星移、しかし例え皇帝に嫁ごうとも必ず取り返すと脅しておいた。呉家の小屋に戻った周瑩は呉聘の口から初めて聞く自分への想いに驚いていた。しかし沈星移があきらめるとは思えない。すると呉聘は調べたところ周瑩の身売りは終身ではないと教えた。もし訴えられたとしても銀子を払えば済むだろう。「また面倒をかけるわ…」「君はそれ以上に喜びをくれる…」周瑩は生徒たちと一緒に粥を配った。しかし列に並んでいた男が空腹で倒れてしまう。周瑩はお腹に優しい重湯を渡すと、その男はフラフラになりながら妻の元へ戻った。自分の身も顧みず、妻に重湯を飲ませる夫…。周瑩は夫婦の深い愛情に心を打たれ、重湯をもう1つ届けてやった。「元気を出してね、今にいいことがあるわ」小屋からその様子を見ていた呉聘は、周瑩の善良さを改めて実感した。ところが炊き出しに想像以上の災民が押し寄せ、周瑩たちでも制御できなくなってしまう。やがて小屋が崩れ、それを見た沈星移は咄嗟に周瑩を助けに向かった。呉聘が周瑩を守り、ふたりは地面に倒れ込んだが無事だった。すると周瑩はまた呉聘が怪我をしたのではないかと取り乱す。「痛いところはない?どこか打ったの?動ける?怪我はないのね?」周瑩は呉聘の様子をひと通り確認して安堵し、人目もはばからず抱きついてしまう。「心配させないで!」その様子を見ていた沈星移は周瑩の呉聘への強い愛情を目の当たりにし、黙って引き返して行った。趙白石は呉家東院と沈家が早速、炊き出しを始めたと聞いた。当初は混乱があったが、今は整然と施しているという。利益がなければ動かないと思っていただけに趙白石は驚いた。陝西(センセイ)商人は商売熱心だが人情にも厚いというのはどうやら本当らしい。炊き出しや役所の配給もあり、災民の餓死の心配がなくなって治安も良くなった。すると呉聘は次に災民に仕事を与え、自活の手伝いをしようと提案する。周瑩も生徒たちも賛成したが、10日後に戻る予定の呉蔚文が早く帰って来た。呉蔚文は独断で炊き出しを決行した呉聘を叱責した。これが一介の番頭なら問題ないが、呉聘はいずれ呉家東院を継ぎ家長となる。大局を見ずに目先の情にとらわれ軽率な行動をとれば大怪我をするところだ。呉蔚文は戒めの棒で罰を与えることにしたが、そこに突然、周瑩が現れひざまずく。「老爺、打つなら私を打ってください」周瑩は自分がけしかけて米蔵を開けさせ、学徒房にも声をかけたと罪を被った。周瑩がまた勝手に外出したと知った呉蔚文はもはや恩情はかけられないと断罪、呉聘に離縁状を書けと命じる。驚いた呉聘は父に謝るよう周瑩を促したが、周瑩は民を救うことの何が悪いのかと反発した。口答えされた呉蔚文は頭に血が上り、呉聘にも未練がましいと怒鳴りつける。「屋敷には置けぬ!」「置いて欲しいもんですか!」すると周瑩は呆れて立ち上がった。「名家だからって何よ!銀子はあっても情がない家は願い下げよ!」「放 り 出 せ っ !」「お構いなく!自分で出て行くわ」周瑩が別院に戻ると、荷物を預かっていた侍女の小藕(ショウグウ)が届けた。それを見た呉聘は周瑩が始めから出て行くつもりだったと知る。「どうして…」「私がいない方がみんな喜ぶわ、あなたと胡咏梅もね… 東院にも静かな日々が戻るし、私だって自由になれるわ」周瑩はそこでようやく街の酒楼で2人の話を立ち聞きしてしまったと教えた。「あなたたち2人は愛し合ってる…私が仲を割いたのよ」あの時、呉聘は胡咏梅に悪かったと謝っていた。周瑩は呉聘が自分を娶ったことを後悔しているのだと思っていたが、実は話には続きがあったという。実は呉聘の過ちとは咏梅と生涯を誓ったことだった。「あの日、目を覚ました時、君が私の妻だと知ってどれほど嬉しかったことか あの時に分かったんだ、私が愛しているのは君だと…」呉聘は許嫁の咏梅を愛さねばと自分に言い聞かせて来たが、周瑩に出会ってしまったという。周瑩にだまされても迷惑をかけられても愛おしく思い、周瑩が出て行くと言えば落胆を隠せなかった。時に許されぬ愛だとあきらめようとしたが、思いがけず周瑩が輿に乗って妻となる。「私が生死の際をさまようことさえなければ、私も咏梅との日々に甘んじただろう でも君はもう私の妻なのだ、でぃぇやにゃんが何を言おうと関係ない 君を離すものか、一生、君と離れるつもりはない …君も私の愛と同じくらい想ってくれているのだろう? だったら行くな、離縁などしない、いいな?」すると周瑩はこらえていた感情があふれ出し、思わず呉聘に抱きついて泣いた。呉聘は周瑩を連れて父の元へ向かった。ちょうど呉蔚文は鄭(テイ)氏と月を眺めていたが、周瑩への怒りはおさまっていない。呉聘は周瑩でなければダメだと訴え、どうしても追い出すなら自分も出て行くと言った。引っ込みがつかない呉蔚文は好きにしろと開き直ったが、呉聘は周瑩がそばにいなければ生きる意味がないという。「離縁はお許しを…」呉聘は周瑩と2人でひざまずくと、周瑩は愛する呉聘のために初めて折れた。「でぃぇ、にゃん、これまでの至らなかった点は呉聘のために改めて、良き嫁になります! だから呉聘のそばに…いさせてください」しかし呉蔚文は部屋に入ってしまう。つづく(๑´ω`๑)♡もう少爺ったら…(←何がw
2020.01.23
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那年花开月正圆 Nothing Gold Can Stay第10話「夫婦の形」呉聘(ゴヘイ)が倒れた。こんな時に限って呉蔚文(ゴイブン)は外出中、梁(リョウ)大夫は趙白石(チョウハクセキ)と災民の集落へ行ってしまったという。他の医者もつかまらず母の鄭(テイ)氏は苛立ち、春杏(シュンキョウ)も前回は1刻で意識が戻ったが、今回は半時たっても反応がないと不安になった。しかし周瑩(シュウエイ)だけは冷静に判断し、家職・楊之渙(ヨウシカン)に的確な指示を出す。「涇陽(ケイヨウ)の災民の集落すべてに遣いを出し、大夫の家にも待機させて 見つけ次第、ここへお連れするのよ」すると鄭氏が前に董(トウ)先生が処方した薬をとりあえず飲ませてみると言い出した。そこで周瑩に呉聘のそばにいるよう命じ、侍女たちを連れて出て行ってしまう。周瑩はジョゼフ神父の言葉を思い出していた。…患者が長く意識を失うと脳が損傷することもある、早く目覚めさせなさい…賭けてみるしかない、そう思った周瑩は宝来(ホウライ)と福来(フクライ)に呉聘の身体を起こすよう指示し、ジョゼフの薬(ブドウ糖)を飲ませた。 すると驚いたことに呉聘が意識を取り戻す。そこへようやく梁大夫が現れた。鄭氏が梁大夫を門まで見送りに出た。そこへ知らせを聞いて引き返して来た呉蔚文が到着する。呉聘の無事を知って胸をなでおろす呉蔚文だったが、鄭氏は周瑩に激怒した後に倒れたと報告した。「仕置部屋を?」呉聘が目覚めたものの、わだかまりが残る周瑩…。しかしジョゼフからもらった薬を飲ませたと告白し、自分から欲しいと頼んだのだと教えた。ようやく呉聘は周瑩が自分の薬をもらうために教会までついて行ったと気づき、誤解して責めてしまったと謝る。周瑩も感情的になり過ぎたと反省したが、胡咏梅(コエイバイ)の件は話せなかった。そこへ呉蔚文と鄭氏がやって来る。すると呉蔚文はここ十数年、使うことがなかった仕置き部屋を用意するよう命じた。「周瑩は自分を改めるどころか、ひどくなる一方だ、仕置きに値する」驚いた呉聘は周瑩なら何も悪いことはしていないと言ったが、鄭氏が周瑩と争ったあとに気を失ったと聞いたと言った。呉聘は不注意で戸に頭をぶつけて倒れただけだと取り繕い、咄嗟に頭が痛いふりをする。「周瑩、いつもと同じようにもんでくれ…」周瑩は意味が分からないまま呉聘のこめかみを揉んでやると、呉聘は次第に気分が良くなったという。「これは周瑩にしかできません、周瑩のおかげで目覚めたのに責めるなど酷すぎる 周瑩が仕置き部屋へ連れて行かれたら頭をもんでくれる者がいません」呉蔚文と鄭氏は呉聘が周瑩を守ったと気づいていたが、仕方なく周瑩に世話を任せて帰ることにする。すると呉聘は春杏に別院の人間を全て集めるよう命じた。使用人たちが中庭に集まった。呉聘は自分が周瑩のせいで倒れたと密告した者がいると話し、今回は追求しないが、今後は夫婦の居所である別院で周瑩の自由にさせると公言する。「何をしようが一切、口出しするな!陰口はもちろん、父と母への密告も許さない! もし破れば…即刻、追い出す!解散!」呉聘は父に三原(サンゲン)質店の動向について報告した。辰時3刻から午時までの間に9組の客が店に来て、5組は質入れを4組は質請けをしたという。棚にも品が並び、決して景気は悪くはなさそうだった。「そう言えば10日前に安物の玉佩(ギョクハイ)を300文で質入れした者がいます 三原質店の帳簿の記載にも10日前に質入れされた玉佩がありましたが、 その質入れ額は3両です」呉聘は二虎(ニコ)が泣きながら周瑩に話していたのを覚えていた。あの時、二虎は周瑩からもらった偽物の玉佩を10日前に質屋に入れたが300文しかならなかったと話している。ただ実物を見ていないので、同じ玉佩なのかどうか断定はできなかった。呉蔚文は呉蔚双(ゴイソウ)と仲が良いことから、三弟が自分を騙すとは到底、信じられないという。すると呉聘が三叔は滅多に店に来ないと聞いたことを思い出し、孫(ソン)番頭がすべて管理しているようだと言った。しかし孫番頭は呉蔚双の妻の従兄、呉蔚文はくれぐれも自分たち兄弟に溝ができぬよう慎重に調べて欲しいと頼んだ。胡咏梅は呉聘を取り戻すべく、自分を可愛がってくれていた鄭氏を頼った。実は咏梅は父に婚儀を反対され、自ら頭を打ちつけて自害しようとしたという。傷跡を見せられた鄭氏は驚き、咏梅を誤解していたと分かった。周瑩に手を焼いていたこともあり、鄭氏の心は自然と咏梅へ傾く。「もう一度やり直せたらねえ…」2人は再会を約束し、咏梅は安堵して帰ることにした。しかしそこへ偶然、周瑩がやって来る。周瑩は罰として毎日、写している「女誡(ジョカイ)」を見せたが、鄭氏は周瑩の汚い字を見てあからさまに顔をしかめた。初めて山出しの若奥様を見た咏梅は思わず鼻で笑い、これ見よがしに良家の子女らしい振る舞いで別れの挨拶をする。それを見た周瑩は慌てて母に挨拶したが、なんとも惨めな気分だった。周瑩と春杏が別院へ入ろうとした時、先を歩いていた咏梅の侍女・月如(ゲツジョ)が聞こえよがしに嫌味を言った。「あれが窮地につけ込んだ丫頭(ヤートウ)ですよ~」「少奶奶は窮地を救ったのよ!」春杏が思わず言い返すと、咏梅と月如は足を止めて振り返った。「シャォナイナイですって?花籠を横取りしたくせに少奶奶気取り?」しかし周瑩は月如など相手にせず、春杏に行こうと声をかける。すると月如は素性の知れない若奥様では呉家東院と呉聘の名を貶めるだけだと言った。痛いところを突かれた周瑩は思わず足が止まると、春杏はさすがに我慢できなくなる。「少爺と少奶奶は深く愛し合っているのよ?小姐?一生、後悔するでしょうね」これにはおしとやかな咏梅もつい声を荒げた。「言葉遣いに気をつけなさい!」「花籠を追い返した張本人がよくもノコノコ来れたものね?」「口を裂くわよ!」咏梅は春杏に向かって歩き出すと、周瑩が間に立ちはだかった。「私の侍女よ?口を裂けるもんならやってみなさいよ?」「なんですって?!」周瑩は袖をまくり上げ、腕っぷしで勝負とばかりに拳を握った。↓奥が別院、右が門です(←どうでもいい情報w「やるの?」「ふっ、あなたが妻とは呉聘哥哥も不憫ね…」すると咏梅は馬鹿馬鹿しいと呆れて帰ってしまう。その夜、呉聘は書斎に王世均(オウセイキン)を呼んだ。するとまず王世均と三原質店の番頭・孫永泉に面識がないことを確認、呉聘はある仕事を頼む。実はこの硯(スズリ)を三原質店に質入れして欲しいという。「質札は大切に保管し私に渡せ、この件は決して口外してはならぬ」一方、床に入った鄭氏は胡咏梅が訪ねて来たと夫に話した。実は花籠を追い返したのは胡志存(コシソン)の独断で、咏梅は両家の和解を願っているという。しかし呉蔚文は妻の甘さを指摘、咏梅とは会わないよう命じた。「胡家との関係は終わりにする」呉聘は父の代理で県令・趙白石(チョウハクセキ)主催の商人たちの会食に出席した。あの一件以来、初めて顔を合わせた呉聘と胡志存…。2人はどこか気まずいが、商売で呉家に手を引かれた胡志存は誤解を解きたい様子だった。しかしそこへ宿敵の沈星移(シンセイイ)が現れる。沈星移は敵意をむき出しにし、呉聘が兄を殺して侍女を奪ったと因縁をつけた。呉聘は挑発には乗らず、のらりくらりと誤魔化していたが、しびれを切らした沈星移がいきなり怒号を響かせる。「ここでやり合うか?」その時、趙白石がやって来た。趙白石は商人たちに災民が食べるような不味い食事を出した。商人たちは半ば脅されるようにひどい食事を食べさせられ、その後、災民たちの集落へ移動する。すると趙白石は涇陽の災民が4,500人余り、余裕のある者が恩恵を施すよう頼んだ。そこで呉聘はここにいる30人の商人たちで300両づつ出し合ってはどうかと提案、賛同を得る。しかし沈星移は呉聘に対抗し、金など出さないが沈家は炊き出しをすると宣言した。一方、春杏は顔見知りの夫人房の侍女・夏蓮(カレン)から思わぬ話を聞いた。どうやら夫人が再び胡咏梅を受け入れたという。春杏はまさか胡咏梅が側室になるのではと焦り、今日も写本中の周瑩の元へ向かった。「あの日、なぜ胡咏梅が突っかかってきたか分かりますか?」「さあね」「少奶奶の座を狙ってるんですよ~夫人まで胡咏梅に惑わされるなんて…」春杏は少爺が胡咏梅を娶るかもしれないと話し、これから胡咏梅に会っても強気でいこうと言った。しかし周瑩の呆然とした顔に気づき、怒りに任せて口を滑らせてしまったことを反省して仕事に戻って行く。すると1人になった周瑩は急にバカバカしくなり、筆を放り投げた。つづく(  ̄꒳ ̄)b「少爺と少奶奶は深く愛し合っているのよ?小姐?」春杏のセリフでシャオシャオ言ってましたが、ピンインの勉強になりますって…xiaoとshaoの違いが聞き取れないけど(笑
2020.01.22
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那年花开月正圆 Nothing Gold Can Stay第9話「男女の縁」呉聘(ゴヘイ)は父から南院の三叔・呉蔚双(ゴイソウ)の三原(サンゲン)質店を密かに探るよう任された。そこでこの機に退屈している周瑩(シュウエイ)を一緒に連れて行くことにする。その頃、春杏(シュンキョウ)は周瑩に教本を届けていた。何やら憂さ晴らしだという周瑩…。すると呉聘が使用人の服を持ってやって来た。「これを着るといい、涇陽(ケイヨウ)の街を案内する」周瑩は嬉しさのあまり思わず呉聘に抱きつき、急いで着替えに向かった。久しぶりに街に出た周瑩は露店で好物のナツメ餅を見つけ、馬車を止めて飛び降りた。呉聘が一番大きなナツメ餅を買ってやると周瑩は大興奮、その場でかぶりつく。「好きなら毎日、買ってこさせよう」「少爺ったら…本当にどこまで優しいの~(๑´ω`人″ こんなに大きいのを買ったのは初めて!」その時、周瑩は道端で大泣きしている男の子に気づいた。「二虎(ニコ)?」二虎はかつて周瑩がくれた銀子で食いつないできたが、それも1ヶ月で底をついていた。仕方なく物乞いをするも恵んでもらえず、ついに家族を失ってしまう。二虎は母と弟の遺体と別れるのが嫌で、埋葬を拒み泣いていた。そこで周瑩は死んだ人は戻らないと言い聞かせ、夢の中でまた会えると励ます。「夢に現れて話しかけてくれるわ、本当よ?だけどまずはちゃんと埋葬してあげないと…」二虎はようやく納得し、周瑩への恩は忘れないと誓った。すると呉聘が葬儀にも金がかかると言って二虎に銭袋ごと持たせる。二虎はその場で叩頭しようとしたが、周瑩と呉聘が慌てて止めて見送った。呉聘は周瑩の思わぬ一面を知った。実は周瑩が二虎に会ったのはこれが2回目だという。あの日、呉聘を騙して金をせしめた周瑩はナツメ餅を買って食べていたが、走って来た二虎に横取りされた。激怒した周瑩はこそ泥を追いかけ捕まえてみると、ニ虎は3日も食べていないと泣き出してしまう。周瑩も初めは詐欺だと思ったが、二虎は病で寝ている母とまだ小さな弟の面倒を見ていると分かった。そこで周瑩は呉聘からだまし取った銀子はもちろん、わずかな有り金を全部、二虎に譲ったという。二虎の話を聞いた呉聘は善良な周瑩に説教してしまった自分を恥じた。周瑩は騙した自分が悪いと漏らし、ただ善意も二虎の家族が死んでしまっては意味がないと落胆する。そこで呉聘は天涯孤独になった二虎に何か仕事を与えようと言った。「少爺!なんて優しいの~(๑´ω`人″@本日2回目」呉聘と周瑩を乗せた馬車はやがて三原質店に到着した。孫(ソン)番頭は珍客に驚きながら、ちょうど摘みたての涇陽茯茶(フーチャ)があると歓迎する。呉聘たちは質屋の裏側を珍しそうに眺めながら、お茶をご馳走になった。三叔の姿がないが、孫番頭の話では来たとしても3ヶ月に1度ほどだという。そこへ店番が現れ、目利きを頼まれた孫番頭は呉聘の来訪をいぶかしみながらも席を外した。三原質店をあとにした呉聘は周瑩を連れて三原質店を見下ろせる酒楼に入った。そこで2階の個室を頼み、呉聘は窓際に陣取って三原質店の様子をうかがう。何も知らない周瑩はなぜ呉聘が外を眺めているのか分からず、退屈なので散歩に出かけた。街をぶらついていた周瑩は偶然、三原教堂の英国人神父・ジョゼフと出会った。ジョゼフは行き倒れの男を無償で救ったが、西洋人の宣教師を見た男は驚いて礼も言わず走り去ってしまう。まだ西洋人の姿は珍しく、民たちにとってジョゼフ神父は恐ろしい存在だった。しかし周瑩は呉聘も時々、失神することから、薬を分けてもらえないかと頼む。呉聘の症状を聞いたジョゼフは今の気付け薬では効果がないが、教会に西洋の新薬があると教えた。さすがの周瑩も教会に行くのは気が引けるが、呉聘のためについて行くことにする。そんな2人の様子を災民の野営を視察に来ていた県令・趙白石(チョウハクセキ)が見かけた。その時、ちょうど周瑩が帽子を落としたため、女子だと気づく。趙白石は女が男装して出歩くだけでなく、よりによって西洋人と親しくしていると眉をひそめた。「人の道に外れる!ブツブツ…」教会には周瑩が見たことのない不思議な物があった。陝西(センセイ)ではまだ珍しい電灯や、時を12の数字で知らせる鳩時計…。中でも周瑩が最も魅了されのは世界地図だった。まさか世界がこれほど広く、知らない場所がまだまだたくさんあるとは…。するとジョゼフは約束通り西洋の薬を渡し、周瑩は感謝して雅韻(ガイン)酒楼へ帰ることにした。その頃、呉聘の部屋に突然、胡咏梅(コエイバイ)が現れた。酒楼の前に止まっている呉家の馬車を見かけ、もしやと思って来てみたという。「その…元気か?」呉聘は戸惑いながら当たり障りのない挨拶をした。しかし咏梅は首を横に振る。「グスン…あなたは?」「私か?私は…ぁぁぁ…元気だ」( ๑≧ꇴ≦)元気なのかーい@梅「痩せましたね…ぅっ」( ゚д゚)イヤイヤイヤ…Pさん健康そうw「君も…」( ๑≧ꇴ≦)そう言うしかない咏梅は花嫁になるのは自分のはずだったと涙した。呉聘は終わったことを蒸し返さぬよう釘を刺したが、咏梅は伝えておかねば一生の遺恨になるという。「私は結婚を望んでいたのです!」「何だって?」咏梅は事情を説明し、ひたいの傷跡を見せた。「これだけは言わせて!あなたを捨てようと思ったことはない あなたに嫁ぎたかったし、救えると信じてたの もしあなたが目覚めなければ、私も一緒に死のうと…ぅっ… でもまさか老天爺が私たちにこんな結末を用意していたなんて、まるで生き地獄よ 死んでも死にきれないわ~うわ~ん」神父から薬をもらった周瑩は嬉しそうに酒楼へ戻った。しかし2階に上がったところで思いがけず呉聘と胡咏梅の話を聞いてしまう。『あなたは言ったわ、一生、私だけを大切にすると…でも今は別の女を娶った』『咏梅、すまない、私が悪かった…』咏梅は愛し合っている2人がなぜこんな形で引き裂かれることになるのかと泣き叫んだ。その声を聞いた周瑩は何とも居たたまれない気持ちになり、慌てて下へ降りて行ってしまう。呉聘はこれも天の定めだと咏梅に言い聞かせた。「運命だったのだ、私たちは夫婦になる縁ではなかった 咏梅、私はもう妻帯した、君も早く自分の伴侶を見つけてくれ」←Pさん、わりと無情w「…嫌です!」咏梅はここで再会できたのは縁が切れていないという証拠だと訴え、呉聘を忘れることなどできないという。困惑した呉聘は何とか説得しようとしたが、咏梅に言葉を遮られた。「何も言わず待っていて…」の図↓咏梅は店を出た。店の前にしゃがんで待っていた周瑩は初めて胡咏梅の姿を目にする。一方、呉家東院では周瑩が勝手に屋敷を出たことがバレていた。帰りの馬車の中、どこかぎこちない周瑩と呉聘…。そんな2人を待っていたのは怒り心頭の呉蔚文(ゴイブン)と鄭(テイ)氏だった。呉聘は自分が無理に周瑩を同行させたとかばったが、今になっては報告が遅すぎたらしい。しかし呉蔚文が何より許せなかったのは宣教師の件だった。寝耳に水の呉聘は呆然、すると母から四叔・呉蔚全(ゴイゼン)から聞いたと教えられる。何でも周瑩が西洋人と親しくして教会にも入ったというのだ。周瑩は事情を話そうとしたが、舅にまくし立てられて口をはさめない。結局、周瑩は今から特別な理由なく別院を離れることを禁じられ、3ヶ月の手当を没収、30日間毎日「女誡(ジョカイ)」を写すよう命じられた。「それでも反省せず、呉家東院の名を貶めるなら、呉聘を助けた恩があっても情け容赦しないぞ!」今回ばかりは呉聘も周瑩をかばえなかった。春杏は少爺房に戻ってきた若夫婦にお茶を出したが、何やら険悪な雰囲気に気づく。「周瑩、今回は君が浅はかだぞ!なぜ西洋人と話なんて…」「西洋人に会ったんですか?!」実は世間では西洋人が魂を奪い、夜には血を吸いに現れるとまことしやかにささやかれていた。周瑩は西洋人が危険だと決めつける2人に反発、胡咏梅の件もあって呉聘に八つ当たりしてしまう。「どうせ妻なんて建前でしょう?みんな私を馬鹿にしてる 私は粗暴な丫頭(ヤートウ)、教養もなく立ち振る舞いもなってない 弱みに付け込んで玉の輿に乗ったとね! だから私の全てが癇に障って釣り合わないって思ってるのよ!」呉聘は屁理屈だと呆れ、わがまま過ぎると叱った。憮然とした周瑩は出て行ってしまうが、その時、春杏の叫び声が…。「少爺!どうされました?しっかり!」つづく( ๑≧ꇴ≦)Pさんの背中背中!(←もう感想じゃなくなってるw
2020.01.21
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那年花开月正圆 Nothing Gold Can Stay第8話「うごめく陰謀」沈四海(シンシカイ)は呉蔚文(ゴイブン)と張り合ったせいで災難続きだった。しかし貝勒(ペイレ)から罰を受けた杜明礼(トメイレイ)にとってはそれが大きな助けとなる。後ろめたい査坤(サコン)は沈家の敷居をまたぐのを躊躇したが、杜明礼に従うしかなかった。杜明礼は憔悴した沈四海の味方のふりをして近づいた。そこで亡き月生(ゲッセイ)の敵を討ち、星移(セイイ)を救出したくないかと持ちかける。自分にその力はないが、呉蔚文の後ろ盾以上の存在がついている。すると沈四海は敵討ちと星移の釈放が叶うならどんな代償も惜しまないと訴え、杜明礼が望む額を払うと約束した。「たとえ命でも差し出します…」杜明礼はその覚悟を聞いて安堵し、星移が3日以内に戻って来るとだけ伝えて帰った。涇陽(ケイヨウ)の役所に趙白石(チョウハクセキ)の恩師・張長清(チョウチョウセイ)が例の証拠品を持って駆けつけた。すると張長清はひとまず沈星移を釈放するよう勧める。困惑した趙白石は沈星移もそろそろ限界が近く、あと数日で自供すると自信を見せた。何より赴任したばかりで2つの事件が未解決では県令としての立場がない。ところが張長清が急に怒り出し、県令の座で満足なのかと声を荒げた。実は沈星移を留め置けば、手柄を立てるための大きな障りになるという。張長清は証拠品から血竭(ケッケツ)を取り出すと、実は松脂(マツヤニ)を染めた偽物だと教えた。しかし偽物が入っていたのは古月(コゲツ)薬材の袋、これでは呉家東院の容疑は立証できない。ただこれを使って朝廷に再調査を申請し、調べ直しになって事件が解決できれば趙白石のお手柄となろう。「県令の職に甘んじている必要はなくなるのだ」「…県令の職に不満はありません、志のためなら苦労はいとわぬ覚悟です、老師も同じでしょう?」「(´ ・ω・)お、おう…」一方、呉家東院の若奥様になった周瑩(シュウエイ)は別院に禁足となった。何とか息抜きしたい周瑩は仕方なく木に登って外を眺めることにする。春杏(シュンキョウ)が危ないので早く降りるよう必死に声をかけていると、ちょうどそこに呉聘(ゴヘイ)が帰って来た。呉聘は周瑩の姿を見て肝を冷やすが、周瑩は放っておいてくれとへそを曲げる。「ここは退屈よ、外に出たい!」そこで呉聘は母の言う通り若奥様らしい振る舞いができるようになったら街へ連れて行くと懐柔した。↓「じぇんだ?」「じぇんだじぇんだ!」杜明礼の言った通り沈星移が釈放されて沈家に戻って来た。すると沈四海は呉聘を襲った星移をいきなり引っ叩き、やるなら証拠を残さず息の根を止めるべきだったと叱る。しかし月生だけでなく星移まで失うことはできない。沈四海は二度と手を出すなと命じ、月生の無念は自分が晴らすと言った。沈四海はその夜、ひとりで杜明礼を訪ねた。そして約束通り金を渡し、今度は月生の敵討ちを頼みたいと訴える。しかし杜明礼は金を受け取らず、敵討ちを成功させるためには貝勒の力だけでは足りず、沈四海の協力が不可欠だと言った。「そのために人道にもとる覚悟が必要だと言ったら?」「呉蔚文は沈家に対し冤罪から殺しまで手段を選ばない男です 道義を貫く必要があると?敵を討てるなら何でもします!」沈四海が改めて金を差し出すと、杜明礼は素直に受け取った。仕事を終えた呉聘が別院へ帰ると、周瑩が猛特訓した成果を見せに来た。裾を揺らさずに歩く練習をしていたため、裳裾にはまだ鈴が付いている。「夫君、お戻りになったのね、お疲れでしょう?お茶でも入れましょう」呉聘は笑いを必死にこらえ、いらないと言った。そこで周瑩は静かに歩きながら椅子に腰掛けようとしたが、うっかり尻もちをついてしまう。「明日も特訓ね…」「必要ないよ?」「ダメよ!若奥様らしくしなきゃ」その頃、杜明礼のもとに張長清が訪ねていた。杜明礼が張長清は李(リ)大人(ダーレン)の幕僚の中でも知恵者だと持ち上げれば、張長清も皇太后が貝勒に特に目をかけているのは杜明礼の功績だと称賛する。実は阜康(フコウ)銭荘(銀行)の胡雪岩(コセツガン)を筆頭に大勢が調べを受けたのは張長清のお手柄だった。今回も沈星移の解放に尽力したが、張長清は貝勒からの指示なら全力を尽くすという。その目的は呉蔚文の息の根を止め、背後にいる者を引きずり出すためだった。主は違ってもこの件における利害は一致している2人、そこで手を組もうと決め、手始めに張長清が趙白石から手に入れた証拠を見せた。「欽差(キンサ)大臣が東院の蔵に入る前、家職がこの袋を隠そうとしていました 別の場所に移そうとしているのを私の部下が発見したのです」杜明礼はようやくなぜ計画が失敗に終わったのか納得する。しかしこれで再調査になれば呉蔚文も左(サ)大人も弁解の余地はないと安堵したが、話には続きがあった。実は偽物の血竭が入っていた袋は古月薬材店の品だと書いてあるという。張長清はまだ首謀者が断定できないので詳しく調査すると言った。焦った杜明月は役割分担しようと持ち掛け、張長清は朝廷の動向を、涇陽の調査は自分に任せて欲しいと告げる。張長清は快諾し、確かな証拠を頼むと言って帰って行った。あの夜、仁寿(ジンジュ)堂の蔵に侵入したのは査坤だった。しかし予想外に沈月生が現れ、そのせいで袋を調べる間もなく偽の血竭を仕込んでしまう。査坤は身を隠すだけで精一杯、ろうそくの火を消し忘れていた。灯りに気づいた沈月生はろうそくの場所までやって来ると、封が開いた袋に気づいて中を調べてみる。侵入者に気づいた沈月生をこのまま帰すわけにもいかず、査坤は背を向けた沈月生を背後からいきなり刺して殺していた。一方、呉聘との縁談が流れた胡咏梅(コエイバイ)は食事ものどを通らなかった。胡志存(コシソン)は心配して阿膠(アキョウ)の粥を持って来たが、娘の怒りはまだおさまっていない。そこで黄泉にいる母が安らかに眠れないと訴えると、咏梅は反省してようやく食べると言った。(´・ω・`)oO(でぃぇ、禁じ手を使うとは…六椽(ロクテン)庁に呉家の当主たちが集まった。そこで東院の家職・楊之渙(ヨウシカン)が沈星移が何の裁きもなく屋敷に帰されたと報告する。呉蔚文は新しい県令が高潔な男だと買い被っていたと落胆したが、ひとまず様子を見ようと言った。「だが今後、沈家の息がかかった商売は十分に用心しろ、とにかく近寄らないに限る それから胡家との取引は未払いがあればすぐ精算を済ませろ、以後は取引しない」呉蔚文はそこでこめかみを押さえている呉聘に気づくが、南院の三老・呉蔚双(ゴイソウ)が三原(サンゲン)質店の前四半期の報告をすると言った。呉蔚文は早速、孫(ソン)番頭から帳簿を受け取り確認すると、なぜかそのまま帳簿を取り上げてしまう。次に西院の二老・呉蔚武(ゴイブ)が湖北産の綿布の値が上がっているため在庫を増やしてはどうかと提案したが、呉蔚文の鶴の一声で、買うなら値が安定している河南産だと決まった。すると四老・呉蔚全(ゴイゼン) が中院の織物工房の資金繰りが苦しいと訴える。呉蔚文は何(カ)先生と相談するよう指示し、そこで今日は散会とした。呉蔚文は呉聘だけ引き止め、頼みごとがあるがその調子では心配だと言った。呉聘はめまいと言っても少しだけだと安心させ、任せて欲しいという。すると呉蔚文は孫番頭から取り上げた帳簿を渡し、売り上げに問題があると教えた。呉聘が最終的な収支を見てみると、確かに利益がたったの1,852両しかない。三原質店が開業して3年、しかしずっと売上が伸びていなかった。しかし西安や富平、高陵あたりの質店は四半期で8千両の利益を上げているとか…。千両程度の差なら問題ないが、さすがに数千両となるとおかしい。そこで呉蔚文は呉聘に内密に調べて欲しいと頼んだ。特に店を任せている三叔には気づかれないよう釘を刺し、念のため武術の達人である韓(カン)師傅を護衛につけるという。一方、沈四海は唯一の息子となった星移に商売を叩き込むことにした。しかしこれまで道楽息子だった星移は帳簿に目を通しても頭に入らず、すぐに飽きて遊んでしまう。激怒した沈四海だったが、夫人は今に分かるとなだめた。「星移は賢い子です」 つづく( ๑≧ꇴ≦)歯を見せない周瑩の顔www
2020.01.19
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那年花开月正圆 Nothing Gold Can Stay第7話「山出しの若奥様」柱に頭を打ち付けた胡咏梅(コエイバイ)が目を覚ますと、すでに亥時を過ぎていた。頭痛はするは呉聘(ゴヘイ)の容体が気になるはで激しく動揺する咏梅、しかし侍女・月如(ゲツジョ)が呉聘の意識が戻ったと伝える。咏梅はこれで父も婚姻に賛成してくれると安堵の涙を流したが、思わぬ現実を突きつけられた。実は呉聘は今日、自分の身代わりとなった呉家東院の侍女とすでに婚儀を挙げてしまったという。「婚儀のあとに少爺の意識が戻ったそうです」翌朝、呉家東院の少爺房で周瑩(シュウエイ)がようやく目を覚ました。ぐっすり眠って気分はいいが、ふとここが呉聘の寝所だと思い出す。しかし部屋には誰もいないため、いつものように体をほぐしながら菓子をつまみ食いした。するとその時、部屋の入り口で控えていた使用人の声が響き渡る。「春杏(シュンキョウ)姐姐!少奶奶がお目覚めで~す!」その声を合図に春杏たちがぞろぞろと寝所に入って来た。少奶奶早~>ʕ•̫͡•ʕ•̫͡•ʔ•̫͡•ʔ•̫͡•ʕ•̫͡•ʔ•̫͡•ʔ<少奶奶早~「少奶奶、口をすすいでください」「少奶奶、手を洗ってください」「少奶奶、汁物です」「少奶奶、お着替えを~」周瑩は侍女たちの怒涛の少奶奶攻撃に耐えかね、寝所から急いで飛び出した。中庭には呉聘がいた。すると庭にいた使用人たちが一斉に若奥様に挨拶する。呉聘は2人で母に挨拶に行こうと思ったが、身の置き場がない周瑩は一目散に逃げて行った。「少爺、どうされたのでしょうか?」「まだ慣れていないのだ、今は好きにさせてやろう」一方、呉家東院の当主・呉蔚文(ゴイブン)には嬉しい知らせが舞い込んだ。欽差(キンサ)大臣は調査の結果、″呉家東院と沈家の膏薬(コウヤク)の原料に偽りなし、また製造工程も問題なく、軍需品を偽造した事実は認められなかった″と報告書を出したという。こうして膏薬偽造の疑いも晴れ、呉聘が目を覚まし、呉家東院は幸せに包まれた。そんな中、周瑩だけはなかなか自分の居場所を見つけられない。しかしふと学徒房から聞こえる生徒たちの声を耳にし、周瑩は古巣を思い出した。そこで学徒房へ駆け込んだが、先生は若奥様が来ては困ると言って帰ってしまう。良き友人となった生徒たちもどこかよそよそしく、王世均(オウセイキン)まで周瑩を若奥様と呼んだ。「少奶奶って呼ばないで、私は周瑩よ」「昔の周瑩とは違います」県令・趙白石(チョウハクセキ)は呉家東院の家職・楊之渙(ヨウシカン)の身辺を調べさせていた。楊之渙は呉家東院の家職に就いたあと付近に家を構え、見習いの頃に住んでいた家は空き家のまま売られていないという。そこで早速、その空き家を訪ねることにしたが、確かに第4話で楊之渙を見失った場所と同じだった。空き家には錠がかかっていたが、趙白石は戸を外して中に入ってしまう。すると埃まみれの荒れた部屋で血竭(ケッケツ)の袋を発見した。趙白石はその袋を確認しながら、ふと張長清(チョウチョウセイ)の言葉を思い出す。…涇陽(ケイヨウ)へ行く際は気をつけるのだ…呉家東院は陝西(センセイ)での勢力が根強く、都での人脈も広い…その影響力は大きく、軍需品を独占している…内情を知るものも少ない、確固たる証拠をつかめ実は張白石は呉蔚文の甥とは共に学んだ仲、すると張長清はその繋がりは保っておけと助言する。役所に戻った張白石はその袋を箱に入れて封で閉じ、必ず張先生に手渡しするよう念を押して官兵に託した。隆昇和(リュウショウワ)に貝勒(ペイレ)の使いで文(ブン)先生がやって来た。杜明礼(トメイレイ)は呉家東院を陥れる計画が失敗、棒打ち20回の罰を受ける。「貝勒爺からの言づてだ、″次に失態を犯した時はお前を打ち殺す″と…」すると文先生は貝勒の期待を裏切らないよう釘を刺して帰って行った。査坤(サコン)は大夫を呼ぶか聞いたが、杜明礼は棒打ち20回には慣れていると言った。仕方なく査坤は背中の痛々しい傷に薬を塗ることにしたが、なぜ自分の失態だと上奏しなかったのか尋ねる。「私が胡家の婚姻を阻んだ件をお前も黙っていた…」「言いませんよ…なぜ私をかばうのですか?」「偽造の証拠なしで欽差大臣を帰らせたのは私にも責任がある お前が殺されても私には何の得もない… 今日まで生きるのに大変な苦労をした、密告し合う必要はないさ」一方、呉聘を襲って収監された沈星移(シンセイイ)は相変わらず″何も知らない″の一点張りだった。呉聘の意識が戻ったと知った沈四海(シンシカイ)は役所に出向いて息子の釈放を訴えたが、張白石に追い返されてしまう。仕方なく沈四海は屋敷に帰ったが、大夫人は手ぶらで戻った息子に激怒した。このままでは沈家が途絶えると泣き叫び、結局、金があっても無力だと蔑む。たまりかねた沈四海は母の前にひざまずき、何としても星移を助け、いずれ月生の敵も討つと誓った。「必ずやり遂げるのだ、いいね?頼んだよ!」呉蔚文の妻・鄭(テイ)氏は早速、周瑩のために衣を新調、夫人房に周瑩を呼んで着替えさせた。そこで若奥様としての礼儀作法を学ばせることにするが、その前に学徒房へ行くことを禁じ、やむを得ない場合を除いて普段は別院で過ごすよう命じる。周瑩は思わず侍女のほうがマシだとぼやき、こんな生活はあまりに退屈だと訴えた。すると鄭氏は年長者の言うことはおとなしく聞き、勝手な発言は慎めと叱る。こうして周瑩は座り方や立ち方、歩き方に至るまで、日常の立ち振る舞いを直さなければならなくなった。しかし鄭氏が手本を見せても周瑩はなかなか上手くできず、侍女たちの失笑を買う。やがて歩き方を教えていた鄭氏はおかしな周瑩の歩き方を見ているうち、自分が引っ張られて行った。「手足の動きが間違ってるわ…ほら見て?…ったく全然、ダメよ ?…???…私まで分からなくなったじゃないの?! 」(´゚艸゚)∴ブッその時、侍女が西院の奥様が来たと知らせにやってくる。鄭氏は周瑩にここで練習を続けるよう命じ、出かけて行った。呉家の二老で西院当主・呉蔚武(ゴイブ)の妻・陳(チン)氏と娘の呉漪(ゴイ)が東院へやって来た。呉漪は呉聘のお嫁さんに会いたいと訴え、鄭氏は2人に周瑩を紹介することにする。しかし夫人房に戻ってみると、周瑩は義母の菓子を口に頬張って大道芸で鍛えた剣舞の型を披露していた。すると西院に戻った呉漪は兄・呉沢(ゴタク)に周瑩の凄さを報告する。「こっ、これが少奶奶の足だとするでしょう?こんな風に開いたのよ!すごいと思わない?」「その度胸と腕前からして、周瑩とは相当の変わり者だなw」周瑩は義母を怒らせてしまい、春杏に泣きついた。「ここだけの話、私、出て行くわ… 少東家を救うために嫁いだのよ?助かった今、もう私は必要ない」驚いた春杏はダメだと言った。周瑩の輿入れで呉聘が目を覚ましたというのに、婚姻を破棄すれば天を怒らせ再び呉聘に災難が降りかかるという。しかし窮屈な若奥様生活に周瑩は辟易していた。「無理よ、もうやってられないわ!侍女の方がましよ!」「あなたは幸せものですよ?若奥様でいれば食べ物や着る物に困りませんから」「そのためだけに生きていると?」「(*゚▽゚)*。_。)ウン…他に何があります?」「大切なのはそれだけじゃないわ…」春杏にはそれが何が思いつかなかったが、その時、少爺のお戻りだと前触れが聞こえた。呉聘が帰って来た。周瑩は呉聘の調子が良いと聞いて満面の笑みになったが、慌てて口を閉じる。「どうした?」「母上が歯を見せずに笑うようにって…」呉聘は思わず吹き出すと、そこへ父が呼んでいると知らせが来た。しかし呼ばれたのは周瑩ひとりだけだという。周瑩は恐らく義母を怒らせた件だと察した。そこで呉聘は父と母の前ではおとなしくして欲しいと頼む。周瑩はできる限りと答えて出かけて行ったが…。呉蔚文は周瑩の身の上を聞いた。周瑩は父と旅をしていたと答え、大道芸で生計を立てていたと教える。すると呉蔚文は周瑩のがさつさに納得し、本来なら周瑩のような娘が東院の敷居をまたぐことはできなかったと言った。しかし呉聘の妻として認められた以上、周瑩も自覚を持って悪い習慣は改めろという。散々、小言を言われた周瑩はいよいよ我慢できなくなり、殊勝な若奥様をやめて勝手に椅子に座った。「老爺?呉家に嫁いだのは切羽詰まった状況だったからです 老爺と夫人が私を気に入らないなら、どうぞ離縁してください…」「(ドン!)ふぁんす!」「(ドン!)悪い?」周瑩は呉聘との約束を忘れて口答えした。焦った周瑩だったが、侮辱されたまま黙ってはいられないと訴える。「やられたらやり返す、これが私の流儀なんです!」呉蔚文は呆気にとられていたが、茶碗を床に投げ捨て、出て行ってしまう。ガッシャーーーン!呉聘が心配して待っていると周瑩が戻って来た。「この間はあなたの母上を怒らせ、今度はあなたの父上を怒らせちゃった… 春杏?荷物をまとめて、出て行くわ」驚いた呉聘は周瑩を引き止めようとしたが、周瑩の気持ちは決まっていた。「少爺、もともと私は去るはずの人間だった あなたが回復した今、ここにいる理由はないの」しかしそこに老爺の使いが現れる。「老爺の命です!」周瑩も呉聘も当然、出て行けと言われるものだと覚悟した。「老爺のお言葉です ″少奶奶は挨拶以外、別院から出ることを禁ずる さらに別院にて家法を学び、礼儀作法を身につけること″」( ゚д゚) ゚д゚)え?つづく( ๑≧ꇴ≦)もう周瑩が面白過ぎる~
2020.01.17
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那年花开月正圆 Nothing Gold Can Stay第6話「婚礼の奇跡」呉家東院当主・呉蔚文(ゴイブン)は一人息子を救うため手を尽くしたが、呉聘(ゴヘイ)の意識は一向に戻らなかった。そこで最後に藁をもつかむ思いで四老・呉蔚全(ゴイゼン)が呼んだ道士を頼る。すると道士は明日の酉時に婚儀を行えば効果があると占った。早速、呉蔚文は胡志存(コシソン)を訪ね相談したが、もし呉聘が目覚めなければ胡咏梅(コエイバイ)が犠牲になってしまう。そこへちょうど咏梅が現れた。父から事情を聞いた咏梅は愛する呉聘を救うためならと迷いはない。「では申時3刻に家を出て酉時に嫁ぎます」呉家東院では明日の婚儀に向け、大急ぎで準備が始まった。今日も周瑩(シュウエイ)は呉聘の見舞いにやって来たが、まだ何の反応もない。「新郎になるんだから早く目覚めないと…眠ってる場合? 少東家?ご令嬢が輿入れしたら、こんな風に気軽に話せないかも… 毎日、話しかけているけど私の声、聞こえてる? 聞こえていたらまばたきしてみて?指を動かしてもいい…」周瑩はあきらめて薬湯を冷ますことにしたが、目を離した隙に呉聘の指がかすかに動いていた。翌朝、杜明礼(トメイレイ)は査坤(サコン)と馬車に乗っていた。軍需品の件で貝勒(ペイレ)が上奏したが、朝廷には少なからず呉蔚文をかばう者がいるらしい。情勢は欽差(キンサ)大臣の報告次第といったところか。その時、杜明礼は先日、一目惚れした娘の店が婚礼の飾り付けをしている様子に気づく。驚いた杜明礼は咄嗟に馬車を止め、店の使用人に慶次かと聞いた。「お嬢様が嫁ぐのです」杜明礼は落胆したが、その相手が呉聘だと聞いて動揺を隠しきれない。「呉聘?助からぬと聞いたが?」「お二人は許嫁で秋に式を挙げる予定が少爺のために切り上げるそうです」一方、呉家東院では南院の三旦那・呉蔚双(ゴイソウ)の息子・呉遇(ゴグウ)が大役を任されていた。「大媽、ご心配なく、必ず呉聘哥哥のために新娘子を連れて来ます!」すると呉蔚文は自分の懐中時計を渡し、必ず酉時の前に家門をくぐらせるよう念を押した。こうしていよいよ花籠の一行が出発する。そこへ学徒房の生徒たちも見送りにやって来た。王世均(オウセイキン)は周瑩に気づき、まだ残っていたのかと驚く。周瑩は呉聘が心配だと説明すると、生徒たちはまた学徒房に戻って来るよう誘った。娘の婚儀で慌ただしい朝、古月(コゲツ)薬剤店に杜明礼が訪ねて来た。杜明礼は貝勒の命で店を開いたため、挨拶に来たという。貝勒の配下だと聞いた胡志存は丁重に拝礼し、ご丁寧なことに娘の婚礼祝いまで頂戴した。しかしなぜか贈り物の中に軍機処(グンキショ)から皇太后と皇帝への密書と欽差大臣が涇陽(ケイヨウ)へ向かう際、皇太后と皇帝から下された命の写しがある。胡志存は密書の言わんとすることが定かでなかったが、杜明礼はつまり呉家が力を失うということだと教えた。「真実ならば容赦しないと朝廷も明言しています、つまり厳罰が下るのですよ? そんな時に己の娘を呉家に嫁がせるなど、自滅するのも同じでは?」しかし胡志存は何の理由もなく恩を受けることに合点がいかなかった。そこで杜明礼はかつて胡家から恩を受けたと話し、胡志存が覚えていなくても自分の心に刻まれているという。「胡家の危機に黙っていられなかったのです 信じなくても構わない、ただ私なら娘を死に行く者に嫁がせません、ましてや没落する一族に」店を出た査坤は思わず、これは貝勒の指令なのか確認した。杜明礼はバツが悪そうに自分が独断で行なったと認めて馬車を出す。すると入れ違いで呉家東院から新婦を迎える花籠が到着した。婚礼衣装に身を包んだ胡咏梅は喜んで部屋から出て来たが、父が態度を一変、門を開けてくれない。驚いた咏梅はその場にひざまずいて嫁がせて欲しいと懇願した。しかし胡志存もひざまずいて娘に嫁いではならないと訴える。「ダメと言ったらダメなんじゃ!」外からは呉遇が必死に門を叩き、申時2刻だと叫んでいる。焦った呉遇たちは戸を破ろうとしたが、胡志存は男手を集めて門を守るよう命じた。思いつめた咏梅は呉聘に嫁げないなら死んでやると叫び、自ら柱に頭をぶつけてしまう。呉家の家門に呉遇が花籠を従えて戻って来た。しかしどうも様子がおかしい。すると馬から降りた呉遇は呉蔚文と妻・鄭(テイ)氏のもとへ歩み寄り、実は胡志存から協力できないと追い返されたことを報告した。呉蔚文は呆然となったが、酉時までもう数分しかない。「老天爺…呉聘は死ぬ運命だと?まさか…まさか呉家東院を絶やすおつもりですか?! 老天爺?!老~天~爺~!」当主の悲痛な叫びにその場は騒然となった。その時、思わぬ救世主が現れる。「私がやる!花嫁の身代わりでしょう?」周瑩は行李に被せてあった赤い布を引きちぎって面紗(メンシャ)代わりにすると、輿に乗り込んだ。「大哥?」「ちょ、あれでいいのか?」弟たちは困惑していたが、呉蔚文に選択肢はなかった。「輿を上げよ!」周瑩は呉聘と婚儀を挙げ、寝所に入った。しかしなかなか呉聘は目を覚まさない。周瑩は恩人を救うため衝動的に嫁いだものの、冷静になると少し後悔した。このまま呉聘の意識が戻らなければ、一生とらわれの身になってしまうかもしれない。「はぁ~少東家…」うなだれていた周瑩はふと頭を上げて寝台に横たわった呉聘を見ると、驚いたことに呉聘が目を開けていた。呉聘の寝所に次々と一族が集まり、すぐ梁(リョウ)大夫が駆けつけた。梁大夫はもう心配ないと太鼓判を押し、あとは滋養をつければ早く回復するという。今夜は形式だけの祝宴だったが、思いがけず呉聘の快気祝いとなった。呉蔚文はたいそう喜び、宴を3日間に延長、秦腔(シンコウ)劇も3日間、催すと決める。こうして少爺房は笑いと幸せに包まれたが、身の置き場がない周瑩は回廊の柱の陰でずっと座り込んでいた。宴に戻る途中、呉蔚全は周瑩もよくやったと褒めたが、急に富貴な身分になれば浮かれるはずだと警告する。「大哥、宴の時に気づかなかったか?」「?何を?」「ぁ…何でもない」しかし呉蔚文は今回の周瑩の行動に感激し、本分をわきまえれば悪いようにはしないと言った。呉聘は周瑩を寝所に呼び、近くに座るよう促した。どこか恐縮する周瑩、自分が花嫁の身代わりになったことで呉聘を落胆させてしまったかもしれないと心配している。しかし呉聘は自分のために嫁いでくれた周瑩に感謝した。「その…少東家?もう休んでください、私は戻りますね」周瑩は出て行こうとしたが、呉聘はここで休めという。「今夜だけじゃない、一生ここに住めばいい、私の妻なんだから… 安心しろ、私が一生、面倒を見てやる」「一生…?」「少爺(シャォイェ)、少奶奶(シャォナイナイ)、そろそろお休みください」その声は春杏(シュンキョウ)だった。春杏は周瑩の寝支度を手伝おうとしたが、周瑩は急に扱いが変わって何ともやりにくい。洗顔も着替えも自分でできると拒否、すると呉聘が周瑩は若奥様になったと教え、春杏を困らせないよう仕えさせてやれと言った。周瑩は耐え切れず、咄嗟に寝台に潜り込んで布団を頭までかぶってしまう。つづく(๑´ω`๑)少爺~よろしくお願いします(←お前じゃないw※冒頭で侍女が″童″大夫と言っていましたが、第5話の董(トウ)大夫と別人?カナは同じで漢字が違っています、分からないので書きませんでした
2020.01.16
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那年花开月正圆 Nothing Gold Can Stay第5話「疑心暗鬼」呉聘(ゴヘイ)は自分の手で下手人を捕らえるため、まず沈月生(シンゲッセイ)の遺体を検分した白(ハク)師傅を訪ねた。白師傅の話では沈月生は珍しい刀で心臓をひと突きされていたという。そこで呉聘はそれがどんな凶器だったのか白師傅に絵を描いてもらった。同じ頃、役所でも県令・趙白石(チョウハクセキ)が凶器となる刀の絵を見ていた。恐らくこの珍しい刀は西洋の剣、しかし涇陽(ケイヨウ)で西洋人と取引する者はいない。やはり下手人は呉家東院の者なのか。もし遺体が別の場所で見つかっていたら、趙白石も呉家東院を疑っていた。しかも欽差(キンサ)大臣が来る直前に仁寿(ジンジュ)堂で発見されたとなると、呉家東院の誰も遺体の存在を知らなかったに違いない。すると呉家東院の他にも沈月生を恨む者がいるのか。もしくは呉家東院を恨む者が濡れ衣を着せるために沈月生を殺したのか。屋敷に戻った呉聘は、検視人も下手人の目星はついていないようだと父に報告した。東院の当主・呉蔚文(ゴイブン)は興味なさそうに放っておくよう命じたが、そろそろ沈月生の祭壇が設けられる頃だと気づく。そこで呉聘は自分にやましい所がないと証明するためにも弔問に行きたいと訴えた。「沈家にどう思われようが構いません、私は心を尽くさねば」「ならぬ、両家の間にあるのはもはや″溝″ではない、″恨み″だ」呉蔚文は君主と卑怯者では君子が割りを食うと諭し、息子の身を心配して許さなかった。一方、沈家には検分を終えた沈月生が戻り、祭壇を前に一族が悲しみに暮れていた。当主・沈四海(シンシカイ)は兄の位牌に仇討ちを誓う沈星移(シンセイイ)の姿を黙って見ていたが…。呉聘は結局、沈家に行くことにした。その前に呉家東院を出ることになった周瑩(シュウエイ)に持たせる荷物を確認する。春杏(シュンキョウ)は主に言われた通りあの銘茶も入れていた。…貢(コウ)天(テン)…朝(チョウ)瑞(ズイ)?銘茶ですね…名残惜しそうに茶を眺める呉聘…。そんな主の姿を見た春杏は、手放したくなければ周瑩を引き止めてはどうかと言った。しかし呉聘はやはり周瑩を自由にしてやりたいという。実は春杏も周瑩が自分たち侍女とは違い、どこか特別だと感じていた。その頃、周瑩は学徒房で同期たちに別れを告げていた。「友情は永遠よ、縁があればまた会える!」以前、周瑩が宿題で荒稼ぎしていたことを先生に密告した天敵・江福祺(コウフクキ)とも今では良きライバルだ。すると王世均(オウセイキン)は自分の住所を渡し、困った時には訪ねてくるよう伝えた。沈四海はほとんど寝ずに息子を弔っていた。心配した夫人は沈星移が心を入れ替え、率先して動いていると教える。すると呉家東院の呉聘が弔問に来たと前触れが聞こえた。憤慨した夫人は追い返せと声を荒げたが、沈四海は何をのたまうのか聞きたいという。しかし夫人は顔も見るのが嫌で下がってしまう。そこへ呉聘がやって来た。呉聘は位牌に香を手向け、呉家の潔白は沈月生が分かっているはずだと訴える。「月生兄、今日ここに誓いましょう、あなたの敵は必ず討ちます 下手人が1日も早く捕まるよう天から見守っていてください」その頃、沈星移は孫の突然の死で寝込んでしまった祖母に付き添っていた。すると天石(テンセキ)が呉家東院の呉聘が弔問に来たと報告する。星移は大夫人の部屋を飛び出して追いかけると、呉聘はちょうど輿に乗るところだった。しかし星移は何も言わず、ただ突き刺すような視線を浴びせる。呉聘も黙って会釈だけして沈家をあとにしたが、その姿を沈四海が恨めしそうに見ていた。呉家東院では周瑩が最後の挨拶のため呉聘の帰りを待っていた。しかし2時も経った頃、諦めて出発することにする。そこで春杏に伝言を預けた。「″ご恩は一生、忘れない″と…それから″約束したことも守る″と」周瑩はこれ以上の恩は受けられないと言って結局、呉聘からの荷物は遠慮した。ちょうどその頃、呉聘の輿は呉家東院の外まで来ていた。しかし裏門への横道に入ったところで黒装束の暴漢に襲われる。呉聘は頭を強く殴られ倒れたが、そこでちょうど屋敷の者が気付いた。「何の騒ぎだ!」「二少爺!誰か来ます!」すると暴漢は慌てて逃げ出した。周瑩が正門を出ると、呉聘が準備していた馬車が待っていた。最後の最後まで呉聘の優しさに触れる周瑩、しかしその時、叫び声と共に意識を失った呉聘が運ばれて来る。「急いで門を開けろ!」「もたもたするな!」「早くしろ!」「少東家…?」驚いた周瑩は出発をやめて慌てて呉聘の後を追った。呉聘の従者・宝来(ホウライ)と福来(フクライ)は役所に訴え出た。宝来は暴漢の親玉が″二少爺″と呼ばれていたと証言、また福来は倒れた主を再び打とうとした親玉の右腕を噛んだと教える。その頃、呉聘を襲った沈星移たちは屋敷に戻って着替えていた。そこへ何も知らない侍女・玲瓏(レイロウ)が現れ、主の腕の傷に気づく。「これは歯型では?手当します」玲瓏は急いで薬を取りに行ったが、その間に星移は急いで喪服に着替え、祭壇にいる父のもとへ向かった。沈四海は呉聘が帰り道に何者かに襲われたと教え、星移の仕業かと聞いた。しかし星移は兄が化けて出たのではとしらばくれたかと思うと、いきなりろうそくの火を腕に押し当ててしまう。そこへ趙白石が官兵を引き連れて現れた。趙白石は呉聘を襲った罪で沈星移を連行、すぐ尋問を開始した。しかし星移はずっと屋敷で兄の供養をしていたと訴える。そこで趙白石は沈星移の右腕の袖をめくってみたが、火傷で歯型は消えていた。「″二少爺″は誠にずる賢いな…」すると星移は証拠がないなら釈放してくれと強気に出た。呉聘の事件を知った胡志存(コシソン)は、洛陽にいる董(トウ)という名医を連れて呉家東院を訪ねることにした。許嫁の胡咏梅(コエイバイ)は父と一緒に呉家東院へ行きたいと言ったが、胡志存は婚儀の前に新郎と新婦が会うのは禁忌だと反対する。その頃、呉家東院では孫(ソン)大夫が呉聘を診察していた。「この数日、持ちこたえられれば回復の見込みはあるかと…」鄭(テイ)氏は息子が助かると思って喜んだが、呉蔚文は持ちこたえられる保証がないと分かっていた。甥の一大事と聞いて呉蔚文の二弟・呉蔚武(ゴイブ)と四弟・呉蔚全(ゴイゼン)がやって来た。呉蔚武は西安に医術に長けた者がいると教えたが、呉蔚文は孫大夫なら今、書斎で処方を書いていると教える。ちょうどそこへ胡志存が名医を連れて駆けつけてくれたが、結局、董大夫も匙を投げた。その夜、周瑩は呉聘を心配し、様子を見に行った。「少東家?周瑩です…見舞いに来ました…起きてください」しかし呉聘に何の反応もない。周瑩は思わず手を合わせ、早く目覚めさせて欲しいと天に訴えた。その時、呉聘の小指が少し動いたが、周瑩はちょうど涙を拭いていたので気づかない。結局そのまま周瑩は寝所をあとにすると、再び呉聘の小指がかすかに動いた。査坤(サコン)は主に呉聘が意識不明で予断を許さぬ状況だと報告、沈星移が捕らわれたと教えた。 もちろん杜明礼(トメイレイ)は呉聘を襲ったのが沈家の仕業だと勘付いている。一方、軍需品の案件を調べに来た欽差(キンサ)大臣はすでに涇陽を離れていた。何か収穫があっただろうか。しかし欽差大臣は口が堅く、杜明礼にも分からなかった。翌朝、呉家南院の三旦那・呉蔚双(ゴイソウ)とその妻・柳婉児(リュウエンジ)、一人息子の呉遇(ゴグウ)が見舞いにやって来た。呉蔚文は藁にもすがる思いで、今度は呉蔚全に勧められた腕利きの道士に頼ることにしたという。すると柳婉児は息子にここに残って伯父と伯母に付き添えと命じた。「呉聘の意識はすぐには戻らないでしょう?呉遇を使ってください」沈星移は頑なに罪を認めようとしなかった。趙白石は沈家から出たゴミの中から黒衣を見つけて突きつけたが、星移は黒い服を来ているやつは全員、下手人かと反発する。そこで趙白石はその黒衣に呉聘の血と、格闘した時に咬まれた沈星移の血が付着していると言った。しかし星移は見ただけで誰の血か区別できるのかと言いのける。趙白石は減らず口を叩く沈星移を睨みつけ、逃げおおせると思うなと脅した。「棒打ちにしろ!」「無実の罪など認めるものか!」「ではとくと見せてもらおう、どこまで″打たれ強い″かな」沈四海は獄吏に金をつかませ、星移との面会に成功した。星移は棒打ち20回の拷問でぐったりしていたが、罪は認めていないと教える。「私が黙っている限り、奴とてお手上げですよ…」沈四海は柵の間から腕を伸ばして息子の頭を撫でていたが、ふと熱があることに気づいた。驚いた沈四海は薬を持ってくると言ったが、時間になったと獄吏に引きずり出されてしまう。つづく( ๑≧ꇴ≦)うわあ〜呉家がワンサカ出て来た〜
2020.01.15
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那年花开月正圆 Nothing Gold Can Stay第4話「殺人事件の謎」沈月生(シンゲッセイ)は商いのため呉聘(ゴヘイ)に侍女を譲ると約束した。しかし周瑩(シュウエイ)をあきらめ切れない沈星移(シンセイイ)は一足先に段(ダン)媽の部屋に忍び込み、周瑩の身売り証文を盗んでしまう。一方、沈月生は父に呉聘との盟約を報告していた。沈家の当主・沈四海(シンシカイ)は陰謀ではないかと心配したが、月生は呉聘から誠意を感じたという。何より沈家の屋号が戸部に認知されれば次の入札に期待ができる。沈四海は確かに侍女ひとりと引き換えなら割に合うと考え、息子を信じることにした。呉家東院の仁寿(ジンジュ)堂に取引先の胡志存(コシソン)がやって来た。胡志存は呉家が受注した新たな軍需品が金創膏(キンソウコウ)だと聞きつけ、質の良い血竭(ケッケツ)を仕入れたばかりだと持ちかける。すると呉蔚文(ゴイブン)は二つ返事で胡志存に血竭に頼むと決めた。実は2人は旧知の仲、先日は胡志存の娘・胡咏梅(コエイバイ)が久しぶりに呉家東院を訪ねたが、妻の鄭(テイ)氏が咏梅をとても気に入ったという。そこで呉蔚文はそろそろ日取りを決めて呉聘と咏梅の式を挙げてはどうかと提案した。胡志存も賛同し、婚礼は半年後の秋頃と決まる。そしていよいよ呉家東院に沈家の膏薬(コウヤク)、胡家の薬剤が搬入された。周瑩が学徒房から戻ると、少爺房は何やら大騒ぎだった。実は呉聘が式を挙げることになり、その準備で忙しいという。春杏(シュンキョウ)は相手の名が咏梅だと教え、古月(コゲツ)薬剤店の令嬢で美人な上に見識が高く、聡明、字も上手いと言った。「あれがそうよ」壁には咏梅が呉聘に贈った掛け軸が掛かっている。そこへちょうど呉聘がやって来た。呉聘は思わずこの字をどう思うか聞いたが、周瑩は書道に疎いと断る。「遠慮せずに言ってくれ」「ウム…普通ですね、乱雑すぎてめまいがします」呉聘は失笑すると、春杏は呆れて仕事に戻って行った。周瑩は呉聘から半年後に式を挙げると聞いて残念がった。3ヶ月後には学業を終え出て行くため、見届けられないという。呉聘は咄嗟に優秀な周瑩ならここで見習いをすれば番頭になれるかもしれないと言った。しかし無意識のうちに周瑩を引き止めている自分に気づき、思い直す。「出て行くのか…それもいい 身売り証文がまだ沈家にあるが、沈月生が譲ると約束してくれた だから行きたいところへ行ける」周瑩は呉聘の寛大な計らいに心から感謝し、改めて拝礼した。その夜、呉聘はふと掛け軸に目を留め、周瑩の評価を思い出した。そこで春杏に咏梅の書を外してくれと頼む。「あんなに咏梅さんの字を褒めてらしたのに…気に入りませんか?」「…(クスッ)外してくれ」そこへ父の使いがやって来た。すぐに仁寿堂へ来いという。何者かの密告により膏薬偽造の疑いで呉家東院を調査をするよう勅命が下った。呉家東院は総出で調べたが、膏薬の原料に問題はない。すると呉蔚文は原料はもちろん、軍需品に関する帳簿や書類も全て封をして保管するよう命じた。まさかの事態に揺れる呉家東院、当然ながら疑いの目は膏薬の半分を製造した沈家に向けられる。「沈家の値は原価より低かった、それに沈四海はカネに貪欲な男だ…」一方、沈家にも動揺が広がっていた。沈家の品には問題がなく、疑心暗鬼になった沈四海は呉蔚文が始めから自分たちを陥れるつもりだったと決めつける。恐らく例の侍女も呉家の人間だったのだ。軍需品偽造の罪が軽くて流刑、重ければ死罪となって財産没収…。責任を感じた沈月生はすぐ仁寿堂へ乗り込むつもりだったが、沈四海は自制するよう釘を刺した。これが本当に陰謀なら証拠など残っているわけもなく、捕まってしまう可能性もあるという。父の手前、沈月生はおとなしく引き下がったかに見えたが…。沈月生はこっそり仁寿堂へ出かけ、1人で忍び込んだ。外で待っていた従者は2時(トキ)経っても戻らない主を心配し、当主へ報告に帰る。驚いた沈四海はすぐ捜索に向かわせたが、結局、朝になっても沈月生は見つからなかった。その日は膏薬偽造の件で欽差(キンサ)大臣が仁寿堂に来ることになっていた。呉聘と家職・楊之渙(ヨウシカン)たちは朝から準備に向かったが、蔵の鍵が壊れている。驚いた呉聘は慌てて中に入ると、そこには血を流して倒れている沈月生の姿が…。沈月生は死んでいた。事件を聞いた呉蔚文が慌てて屋敷から駆けつけたが、役所の趙白石(チョウハクセキ)が現場を調査しているため入れてもらえない。するとちょうど知らせを聞いた沈四海が現れた。呉蔚文は取り乱す沈四海をなだめ、下手人の逮捕に全力を尽くすと約束する。しかし沈四海は呉家が息子を殺したと反発、野次馬に向かって呉家の仕業だと訴えた。その時、ちょうど現場検証が終わり、立ち会っていた呉聘たちが出てくる。呉聘はそのまま役所へ向かい、人だかりも散ったが、沈四海の怒りは治らなかった。「死をもって罪を償ってもらう」沈四海は呉蔚文に捨て台詞を吐いて帰って行く。それにしても沈月生は夜中に蔵で何をしていたのだろうか。呉蔚文はともかく欽差大臣が到着するまでに蔵の中を調べてみることにした。趙白石が沈月生の遺体の検分の様子を見に来た。すると検視人は致命傷である胸の傷を示し、初めて見る傷跡だと報告する。「…仁寿堂で何かを見落としたとでも?」そこで趙白石はもう一度ひとりで仁寿堂へ行ってみることにした。一方、蔵に入った呉蔚文と楊之渙は、何か異常がないか見回っていた。すると楊之渙が誰かが触った痕跡がある袋を発見する。昨夜、全ての品に封をしておいたが、血竭の袋のひとつだけ口の閉じ口が変わっていた。中を開けて確認してみると、驚いたことに血竭ではなく松脂(マツヤニ)を染めた物だと分かる。楊之渙は確かに数日前まで血竭だったと首を傾げた。中身がすり替わった袋はひとつだけだった。呉蔚文はこの袋が沈月生の死と関係あると考え、ひとまず欽差大臣が到着する前にこの袋を隠すことにする。ちょうどその頃、趙白石は仁寿堂の周辺を調べていた。すると建物に沿って石のような物を引きずった跡がある。その跡を追って行くとやがて行き止まりになり、確かに重そうな石が立てかけてあった。近くには数枚の瓦が落ちている。趙白石は誰かがここから塀に登り、瓦を踏んで落としたのではないかと推察した。そこで実際に塀に手をかけ登ってみたが、蔵の戸が開いたので慌てて顔を引っ込める。蔵から出て来たのは呉蔚文と楊之渙だった。呉蔚文と楊之渙が蔵をあとにすると、ちょうど欽差大臣が到着したと前触れが聞こえた。慌てた呉蔚文は楊之渙に裏門から出るよう指示する。2人の様子を見ていた趙白石は楊之渙のあとをつけたが、途中で見失った。仕方なく仁寿堂へ戻って見張っていると、帰って来た楊之渙が正門から入って行く。しかしその時には何も持っていなかった。呉聘は無事に釈放され屋敷に戻った。すると父から欽差大臣の到着前に偽物に気づいて難を逃れたと聞く。呉蔚文はその偽物をある場所に保管していると教え、欽差大臣が去ってから調べようと言った。憶測でしかないが、沈月生が偽物にすり替えたのだろうか。しかしそうなると誰が沈月生を殺したのか。下手人は分からないが、誰かが呉家東院を陥れようとしていることだけははっきりしていた。そこで呉聘は自分たちで下手人を探したいと訴える。確かに趙大人(ダーレン)は沈月生の死と自分が無関係だと判断したが、現場が呉家東院の蔵である以上、世間の疑いの目から逃れられない。呉聘は呉家東院の潔白を証明するため、まずは情報を集めることにした。呉聘が釈放されたと知った沈四海は趙白石に直談判に来た。しかし逆に趙白石からなぜ沈月生があの蔵にいたのかと追及されてしまう。沈四海は息子が不正の証拠を見つけたため、口封じに殺されたのだと訴えた。すると趙白石は血が乾いていたので沈月生が死んだのは恐らく深夜、呉家東院は沈月生を賊と間違えて誤殺したと言い逃れすることもできたはずだという。そもそも呉家が殺したのなら遺体を隠すはず、朝まで蔵に放置するはずがない。趙大人の正論に追い詰められた沈四海は思わず、呉蔚文の倍、払うので公正な裁きをと口を滑らせた。侮辱された趙白石は激怒、自分の判決が不満なら知府にでも上訴しろと声を荒げる。「私はカネで動く人間ではない、位は高くないが、私の名誉を汚せばただではおかぬ!」呉聘が部屋に戻ると、騒動を心配して周瑩が待っていた。春杏は疲れて戻った主のため茶を入れることにするが、呉聘はならばと頂き物の茶を差し出す。「貢(コウ)天(テン)…朝(チョウ)瑞(ズイ)?銘茶ですね!」周瑩ならではの発想がこんな時でも呉聘をふと笑顔にした。「読み間違えました?」「瑞貢天朝(ズイコウテンチョウ)だ」春杏が出て行くと、呉聘は自分も呉家東院も大丈夫だと安心させた。しかし周瑩に今すぐここを去るよう促す。実は呉聘はまだ沈家から身売り証文を渡されていなかった。沈月生の死で両家に溝ができたことから、侍女を返せと騒ぎ立てる可能性がある。すると呉聘は明朝の馬車を手配し、さらに自分の書きつけを持って帳場で110両を受け取れと言った。「10両は旅の費用に、残りの100両は商いの元金にすればいい そうだ、呉家東院の薬剤や茯茶(フーチャ)も準備させよう、故郷にへ持って帰り親戚にでも配るといい」周瑩は部屋に戻ることにしたが、やはり思い直して引き返した。そこで呉聘に身の上話が全て嘘で、本当は義父しかいないただの大道芸人だと明かす。あの当たり屋の男は兄でも何でもない、ただ騙されかけた呉聘を見て小銭を巻き上げようと思いついただけだと…。周瑩は幼い頃から義父と旅をしてきたと話し、騙さなければお金は稼げないと言った。「全ては生きるためです」「人の道に背いたと?!」「違います違います!それはない!ただ食事や宿代をかすめ取っただけです!」周瑩は呉聘をだまし続けている自分が許せなくなり、正直に話したという。そこで呉聘や呉家東院から借りたお金はこれから稼いで少しずつ返すと約束した。「いいか?周瑩…騙した銭は微々たるもの、正直者の方が大金を稼げる」呉聘は呉家東院が繁栄したのは″誠″と″信″のおかげだと諭した。「もう騙さないと約束してくれ」「…″誰も騙さない″とですか?」しかし周瑩は腑に落ちず、呉聘の揚げ足を取った。∮*ತ _ತ)<でも相手が悪人だったら?じゃあ〜殺されそうな時も嘘を言ってはいけませんか?善人を救うための嘘でもダメ?呉聘は慌てて確かに仕方がない時もあると認め、改めて″銭が目的″で人を騙すなと言った。「分かりました、約束します」つづく( ̄▽ ̄;)沈家の巻き込まれ率が高過ぎw
2020.01.15
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那年花开月正圆 Nothing Gold Can Stay第3話「商売の心得」沈家を訪ねた杜明礼(トメイレイ)は、入札者がすでに呉家東院と決まっていると匂わせて帰って行った。長子・沈月生(シンゲッセイ)は呉家東院が自分たちを諦めさせるために遣わしたと深読みしたが、当主・沈四海(シンシカイ)はさすがに貝勒(ペイレ)の配下を動かせるはずがないという。しかし入札の不正はあり得る…。そう判断した沈四海は勝ち目がなくても引き下がるわけにいかないと言った。杜明礼は沈四海が意地でも手を引かないと分かっていた。そこで北京へ″沈家がどんな値を出そうと呉家に落札させろ″と文を送るよう従者・査坤(サコン)に指示しておく。落札の結果が出て沈家の不満がさらに募れば将来、利用できるだろう。その時、杜明礼はちょうど店から出てきたある美しい娘を見かけ、馬車を止めた。しばし見とれていた杜明礼だが結局、そのまま馬車を行かせる。その娘の名は胡咏梅(コエイバイ)、実は呉家東院の一人息子・呉聘(ゴヘイ)の許嫁だった。呉家東院にかくまってもらった周瑩(シュウエイ)は今日も外の様子を見に行った。しかし正門の前には相変わらず沈星移(シンセイイ)の配下が張り付いている。周瑩はあきらめて脇門の隅にしゃがみ込むと、学徒房から授業を終えた生徒たちが出て来た。そこで周瑩はひとりで歩いていた生徒・王世均(オウセイキン)に声をかけ、養父への伝言を頼む。周老四(シュウロウシ)なら町外れの″三里店″にいるはずだ。「″周瑩は監視されていて自由に動けない″、あ、私が周瑩よ!″二日、待て″とね」周瑩はお駄賃を差し出したが、王世均はもらえないと断って帰って行った。翌日、周瑩は養父からの返事を聞くため学徒房で授業が終わるのを待っていた。すると授業を聞きながら、他の生徒よりむしろ自分の方が飲み込みが早いと気づく。やがて鐘がなって先生が帰ると、周瑩は王世均を呼び止めた。しかし周老四は何日も前に伝言も残さず去っていたという。周瑩は頭をかかえたが、何やら悪知恵が浮かんだ。「ねえ、生徒って銭を持っているの?」周瑩は呉聘に学徒房の生徒になりたいと直談判、商いを学びたいと訴えた。確かに周瑩は記憶力もあり、計算も得意だったが、女の商人など前例がない。呉聘は無理だと失笑し、まずは下働きを命じた。失敗続きの周瑩は各房をたらい回しにされ、いよいよ行き場がなくなった。この数日であらゆる物を壊し、厨房では危うく火事まで出しそうになる。結局、薪小屋、洗い場も断られ、困り果てた張(チョウ)媽は少爺に相談にやって来た。呉聘は仕方なく自分の元に置くと決めたが、周瑩は何1つまともに出来ないどころか、仕事もせずに使用人を集めて講談を披露している。困り果てた呉聘は結局、周瑩の希望を考慮し、学徒房の侍女に命じた。周瑩は生徒にはなれなかったが、呉聘の計らいで学徒房で雑用をこなしながら授業を聞くことを認められた。そんな周瑩を江福祺(コウフクキ)は蔑んだが、早々に周瑩の才能を見せつけられることになる。周瑩は知らない言葉はあれど、意味を知るなりたちまち「商訓」で語られていた心得を言い当てた。すると趙鴻伍(チョウコウゴ)が周瑩の解説を1句1文で買うという。これに味を占めた周瑩は生徒たちの宿題を手伝って一儲けすることにした。しかしある日、いつもより早く先生が現れ、周瑩の小遣い稼ぎがバレてしまう。周瑩は呉家東院の当主の前に突き出された。知らせを聞いた呉聘も慌てて駆けつけ、身寄りもないのに追い出せば死んでしまうと助け船を出す。すると先生は死ぬものかと呆れ、銭を稼ぐのが実にうまいと言った。「数日で数百文も稼いだときてる!それを見てください!」呉蔚文(ゴイブン)と呉聘は周瑩が手伝った宿題に目を通し、驚きを隠せない。先生の話では生徒12人のうち10人が周瑩に宿題を頼んでおり、時には口頭で教えたり代筆することもあったという。しかも値も違い、月契約から1問ごとの値まであった。呉聘は失笑し、誤字はあるが数日の講義を聞いただけで自分なりの理論を展開していると感心、計算も正確だと褒める。「値を定めるなど商才があります、稼いだ額を見てもかなりのやり手でしょう 学徒房を開いたのも人材を広く集めるため、その人材を追い出すのですか? いっそ侍女にするのはやめて、正式に生徒にしては?」しかし呉蔚文が結論を出す前に家職の楊之渙(ヨウシカン)と佟(トウ)番頭がやって来た。今日は膏薬(コウヤク)の値を提示する締め切り日だった。実は沈四海が従来の値で押すことが分かったという。しかし膏薬の材料である血竭(ケッケツ)が高過ぎるため、呉家がさらに値を下げることはできなかった。すると周瑩が杜鵑花(トケンカ)の葉で代用すればどうかと口を挟む。「養父が斬られた時も杜鵑花の葉を塗ったわ、効果は血竭と同じだしタダですよ?」佟番頭はその話なら耳にしたことがあると保証、楊之渙も確かに代用できるなら沈家より1割安くしても利益が見込めると喜んだ。得意になった周瑩はどうせ膏薬にすれば中身などバレないと言ったが、その時、呉蔚文が急に出て行けという。「は?」「出て行くのだ!」呉聘は慌てて手で合図を送り、それを見た周瑩はしびれた足を引きずりながら急いで下がった。周瑩は学徒房に戻って掃除をしていた。すると呉蔚文が呉聘を連れて現れ、周瑩を学徒房に祭られた関羽(カンウ)像の前にひざまずかせる。像の横には大きく″誠″と″信″の字が刻まれていた。「″誠″とは確かな品で正しい値であり、″信″とは高い信用と名誉だ!」呉蔚文は杜鵑花の葉で血竭を代用するなどねつ造と同じだと叱り、自分が最も嫌うことだと言った。呉家東院に入る者は家職、番頭、使用人であれ、掟を守らねばならない。それは″騙(カタ)らず、欺(ダマ)さず、偽らず″だという。「分かったか!」「ゎ分かりました…」そこで呉蔚文は入門の叩頭を命じたが、周瑩は過って老爺に頭を下げてしまう。呉蔚文は自分に叩頭してどうすると声を荒げ、呆れて帰っていった。意味が分からず困惑する周瑩だったが、呉聘の説明を聞いて目を輝かせる。「ほら、関羽像に頭を下げて、父上は君が非凡で賢いと見込んだからこそ生徒にしてくれたんだ …父上は道を外れないよう教訓を与えたんだよ」「″誠″と″信″ね…忘れないわ」入札は予想外の結果になった。去年と同じ値を出した呉蔚文は当然、落札できないとあきらめていたが、なぜか発注は呉家東院に決まったという。呉聘は父が知り合いに頼んだと思ったが、呉蔚文は自分ではないと言った。これでは沈家が不公正だと感じるのは当然の成り行きだろう。すると呉聘は今や長い繁栄が続く呉家東院、時には譲り和を重んじてはどうかと提案した。呉聘は沈家とわだかまりが残らぬよう、一席設けて沈月生を呼び出した。そこで1万枚の膏薬を両家で半分ずつ製造し、儲けも折半しないかと持ちかける。沈月生は呉聘の誠意ある対応に感銘を受け、これを機に2人は和やかな雰囲気になった。すると呉聘が周瑩の件を持ち出し、母が気に入ったので譲ってもらえないかと交渉する。沈月生は快く応じたが、その代わり膏薬を戸部に納める時、自分たちの屋号を使いたいと言った。しかし注文を受けたのは呉家東院、呉聘は難色を示したが、周瑩のため妥協案を出す。「では品を納める際、戸部に伝えておきます、沈家の協力があり注文に応じられたと…」こうして呉家と沈家は和解した。学徒房、周瑩と江福祺はどちらが早く計算できるか勝負することになった。生徒たちは賭けに興じ、公平な王世均が出題する。2人は1対1となり最後の1問で決着がつくという時、ちょうど呉聘が現れた。すると3問目に苦戦する周瑩に呉聘がこっそり指で答えを教えてくれる。それを見ながら答えを言った周瑩はわずかに江福祺を上まった。しかし周瑩は正直に少爺から答えを聞いたと白状し、江福祺に掛け金を渡して仲直りする。生徒たちは集まって配当を分け始めると、周瑩は呉聘の元へ駆け寄った。「なぜわざわざ負けを認めた?」「だって人は″誠″と″信″が大切なんですよね?」すでに周瑩の心にもしっかり根付いていた掟、感心した呉聘は沈家と話をつけたと教えた。周瑩はついに自由になったと知り、これで家族を探しに行けると喜ぶ。驚いた呉聘は出て行くのかと聞いたが、周瑩はせっかく生徒になれたので勉強のあとに探しに行くと言った。一方、兄から周瑩を手放したと聞いた沈星移は納得できず、呉家東院に乗り込むと言い出した。沈月生は沈家の商いに関わることだとキツく言い聞かせたが…。つづく(^ꇴ^)Pさん、身体の厚みがスゴイですw
2020.01.12
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那年花开月正圆 Nothing Gold Can Stay第2話「二つの商家」涇陽(ケイヨウ)で2番目に大きな富豪の沈家。道楽息子の次男・沈星移(シンセイイ)は芸妓と騒ぎを起こし、ついに堪忍袋の尾が切れた父・沈四海(シンシカイ)から仕置棒で罰を受けた。臀部に痛々しい傷を負い、夜も眠れない星移…。そんな星移を救ったのは医館の王正骨(オウセイコツ)ではなく、侍女・周瑩(シュウエイ)だった。翌朝、星移は往診に来た王正骨を追い返し、周瑩に自分の治療を任せることにした。そこで周瑩は無謀な条件を出し、わざと星移を挑発する。「乱暴せず罵らないこと、美味しい物を食べさせ、仕事も免除すること」星移は生意気な周瑩に仕置しようとするが、まだ起き上がることもままならない。これでは主として示しがつかず、玲瓏(レイロウ)を呼びつけ、段(ダン)媽を呼んで周瑩を追い出せと命じた。星移は周瑩がさぞや怯えているだろうと思い、背を向けた周瑩の顔をのぞいてみる。しかし周瑩はなぜかしたり顔だった。星移は周瑩が沈家から出て行きたいのだと気づき、急いで玲瓏を止める。「待った!呼ぶな…」すると星移は周瑩の条件を全て飲むと言った。涇陽の大富豪・呉家東院。呉聘(ゴヘイ)は父に戸部(コブ)が膏薬(コウヤク)1万枚を入札にかけると知らせた。父は去年と同じ値で良いと言ったが、実は沈家が提示した値が当家より3割も安いと報告する。これでは原価割れは必至、呉蔚文(ゴイブン)は沈家に何か意図があると疑った。すると温和な呉聘は今回ばかりは沈家に譲ってはどうかと提案する。しかし呉蔚文は面目があるとしながら、実は譲るには惜しいと本音を漏らした。大道芸で稼いできた周瑩は芸達者、まだ動けない星移の良い暇つぶし相手になった。星移はそんな周瑩に魅了され、首にするどころかお気に入りの侍女になる。すると星移は周瑩の身の上を聞きたいと言った。しかし周瑩は両親を知らず、話せることと言えば養父から聞いたあからさまな作り話だけ…。そこで星移は心配せずとも一生、沈家に置いてやると懐柔し、急に周瑩の手を握りしめる。呆れた周瑩はあっさり手を払い避け、つれない態度でさっさと食事に出て行った。大夫人は星移が思いがけず侍女の処方で早く治ったと聞き、周瑩に褒美を与えると決めた。今回ばかりは星移も反省したはず、そこでそばで諌めてくれるような側女でも娶らせてはどうかと提案する。夫人は早速、星移の寝所を訪ね、侍女の中から側女を選ぶように言った。すると星移は周瑩がいいと言う。夫人は側女の件を大夫人に報告したが、不作法で粗暴な周瑩を嫌い反対した。それより古株の玲瓏(レイロウ)を推薦したが、大夫人が周瑩を認めたため納得するしかない。そこで周瑩を夫人房に呼び、星移の側女に決まったと伝えた。側女になれば月給は200銭から銀子2両に増え、子供を産めば側室に昇格できるという。話を聞いていた夫人房の侍女たちは騒然となったが、周瑩は辞退した。「嫁ぎたくありません」周瑩は自分の結婚なのに自分で決められないのかと反発、側女どころか正室でも嫌だと言い放つ。すると驚いた夫人は急に胃が痛くなった。母から話を聞いた星移は激怒、ちょうど部屋に戻っていた周瑩を手込めにしようとした。周瑩は咄嗟に星移の股間を蹴飛ばして逃げ出そうとしたが、配下に捕まって監禁されてしまう。「私を蹴って、母上まで怒らせたな! もともと母上は乗り気じゃなく、私が奶奶に頼んだんだ! 断るなんて仕置きを受けて当然だろう?」星移は周瑩を鞭で叩いたが、周瑩の反抗的な目でにらまれると居たたまれなくなり、物置部屋をあとにした。そんな騒動の最中、膏薬の入札の件で呉聘が沈家にやって来た。長男・沈月生(シンゲッセイ)は自分が決めた値だと認めたが、呉聘はこのようなやり方は陝西(センセイ)商人の和を乱すと忠告する。そこでいっそ両家で手を組んではどうかと提案した。新たな値を提示し、どちらが退いても協力して薬を提供すればいいという。沈四海はそれもひとつの手だと興味を持ったが、月生は沈家は引かないと断言した。その頃、1人になった周瑩は何とか縄を切ることに成功していた。そこで部屋に戻って男装し、有り金を持って沈家から逃亡しようとする。しかし星移が周瑩の脱走に気づき、真っ先に正門を閉めた。周瑩は追い詰められ、とりあえず植え込みの中に身を隠す。その時、中庭に輿が留まっていることに気づいた。話し合いは物別れに終わり、仕方なく呉聘は帰ることにした。そこで輿に乗ろうとしたが、なぜか1話で助けた娘が中に隠れている。外からは星移の怒号が聞こえていた。どうやら二少爺がこの娘を探し回っているらしい。「お願い、ここから出して…」周瑩は縛られていた時にできた手首のアザを見せると、驚いた呉聘はすぐ輿を出せと命じた。しかし星移が呉家の輿が不自然に傾いていると気づき、咄嗟に輿を止めて中を調べたいと申し出る。すると月生が慌てて呉聘に無礼を詫び、そのまま見送った。星移は絶対に輿の中に侍女がいると訴えたが、月生は見逃すしかない。「呉聘は同知(ドウチ)の位で知府にも肩を並べるのだ、官吏に無礼を働けば重罪だ」そこへ沈四海が月生を呼びに来た。月生は騒ぎを隠し、星移に部屋で待つよう命じて父のもとへ急ぐ。しかしどうしても周瑩を諦められない星移は天石(テンセキ)と天玉(テンギョク)を連れて輿を追いかけた。一方、呉聘に救われた周瑩は途中で降りると言った。しかし星移がずっと輿をつけていると知る。そこで呉聘は呉家東院まで周瑩を一緒に連れ帰り、数日ほど面倒みることにした。周瑩は自分の身の上話を疑うどころか、親切にもかくまってくれる呉聘の寛大さに心を打たれる。「謝謝…謝謝、少爺」その頃、月生は父からなぜ呉聘に強く出たのか問い詰められていた。しかし月生は自分に考えがあるという。「呉家は朝廷に後ろ盾があるため、軍需品の提供を独占しています ですが胡雪岩(コセツガン)の事案で呉家東院も難を逃れられず、巻き込まれるでしょう@1話」月生はこの好機に戸部の入札を試してみるべきだと訴えた。逃しても痛手はなく、受注して損が出たとしても呉家東院が独占する市場に参入できる。「″涇陽一の呉家東院″の評判も落ちるかと…」そして品を納めたら利益が出たと広く宣伝すればいい。この話が呉家東院をひいきにする官吏の耳に入れば、これまでの値が不当だと疑い始めるやも…。話を聞いた沈四海は離間の計だと気づいた。月生は呉家から後ろ盾を引きはがすことで、沈家が呉家東院を超える日は近いはずだと目論むが…。呉聘は周瑩を張(チョウ)媽に任せて父の書斎に向かった。報告を聞いた呉蔚文は予想外に沈月生が提案を断ったと知り、困惑する。「…あの沈月生は単なるぼんくらか、もしくは父親より手ごわいか」すると呉蔚文は今後は沈月生を注視するよう助言した。「はい…父上、実はもうひとつお話が…」星移は天石と天玉に呉家東院を見張らせ、とりあえず屋敷に戻った。すると月生が部屋で待っている。星移が呉家まで行ったと知った月生は激怒、呉家を敵に回すつもりかと叱った。「たかが侍女だろう?!」「あの侍女は…特別なんだ」月生は芸妓の次は侍女かと呆れ果て、すぐ見張り番を連れ戻せと命じた。呉蔚文は息子が沈家の侍女を連れ帰ったと聞いて頭を抱えた。侍女がどうなろうと沈家の問題、呉家が干渉することではない。「侍女が原因で沈家から恨まれるぞ?何と愚かな真似を…」呉聘はどうしようもない事情があったと訴え、客間にしばらく住まわせるつもりだと言った。確かに呉家東院が侍女を寄越せと言えば沈四海も拒めないだろう。しかし今は呉蔚文から頭を下げることも、沈四海が面目を失うこともできなかった。「どちらも引けぬな…」結局、呉蔚文は時機が来るまでその侍女を住まわせることを認めた。杜明礼(トメイレイ)は沈家が入札に参加し、非常に低い値を付けたと聞いた。「呉蔚文を陥れる罠に飛び込むとは…」仕方なく杜明礼は沈家を訪ねた。「隆昇和(リュウショウワ)は涇陽は初めてゆえ勝手が分かっておりません、今後ともご指導を賜ります」そこで呉家東院と渡り合える商家と言えば沈家だけだと持ち上げ、両家がとある入札で競っているのかと探りを入れる。杜明礼はここでも主が惇(ジュン)親王の次男のため、当然、戸部の情報も流れてくると教えた。隆昇和が皇商だと知った沈四海は改めて拝礼すると、月生は沈家と呉家東院ではどちらに勝算があるか聞いてみる。すると杜明礼は自分が月生なら身を引くと言った。「競っても無駄だからです」「つまり最初から決まっていると?」つづく(  ̄꒳ ̄)思ったよりカットされてる〜珊瑚との会話とか大夫人と夫人の会話とか…
2020.01.10
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那年花开月正圆 Nothing Gold Can Stay第1話「流れ者の父娘」周瑩(シュウエイ)は養父・周老四(シュウロウシ)と一緒に詐欺まがいの大道芸で稼いでいた。ある日、今日の取り分をもらった周瑩はひとりで賑やかな都の散策に出かけ、好物のナツメ餅の露店を見つける。味見をさせてもらってから小さいのを1つ買うことにしたが、その時、近くで何やら騒ぎが起こった。周瑩が何事かと駆けつけてみると、金持ちの馬車が当たり屋の男に絡まれていた。呉家東院の少爺・呉聘(ゴヘイ)は故意だと気づいて医者に見せてやると言ったが、慌てた当たり屋が銀子をくれとせがみ、足にしがみついて離れない。そこへある男が現れ、当たり屋を追い払ってくれた。呉聘は感謝すると、男は都では日常茶飯事の手口だと笑う。「お名前を伺っても?」「名乗るほどのことでは…」男はそう言って去って行った。こんな好機は見逃せない。周瑩は咄嗟に駆け出し、呉聘に粗末な綿布を着た顔にあばたがある兄を見なかったかと聞いた。従者の福来(フクライ)はさっきの詐欺師かと口を滑らせ、主に叱られてしまう。すると周瑩は兄の代わりに謝罪、哀れな身の上話をでっち上げ、まんまと呉聘から小銭を巻き上げることに成功した。しかも優しい呉聘は自分の名帖(メイチョウ)まで渡し、困った時は訪ねて来いという。周瑩が宿に戻ると周老四が荷造りしていた。秋までここにいると言っていたが、なぜか明日、出発だという。しかしよく聞いてみると周老四は賭場で稼ぎを全て使い果たした上、15両も借金し、また周瑩を奉公人として売っていた。呉家に杜明礼(トメイレイ)という男が訪ねて来た。なんでも半年前に老爺が隆昇和(リュウショウワ)に開店祝いを贈り、その礼に来たという。呉聘は父の代わりに会うことにしたが、杜明礼は当たり屋を追い払ってくれたあの男だった。杜明礼は惇(ジュン)親王の屋敷で貝勒(ペイレ)に仕えており、隆昇和は貝勒の商いで自分は店番に過ぎないという。「貝勒爺が管理する内務府の工事にご興味は?」「商いならばもちろん」呉聘は杜明礼が朝廷の動向に詳しいと知り、商いは耳聡さが命だと喜んだ。すると杜明礼は朝廷が密かに胡雪岩(コセツガン)を調査中だと教える。「確か左(サ)大人が西征する際に銀子を胡雪岩に、兵糧を呉蔚文(ゴイブン)に頼んだと…」呉聘は父の名を聞いて顔を曇らせた。口のうまい養父に言いくるめられ、周瑩は沈(シン)家に奉公に出た。すると到着早々、中庭で二少爺・星移(セイイ)に合わせろと騒いでいる芸妓・千紅(センコウ)を見かける。「二少爺が私を娶ると言ったのよ!」周瑩はそんな騒ぎをよそに他の奉公人と一緒に屋敷の中へと進んだ。涇陽(ケイヨウ)でも2番目に大きい富豪とあって沈家の屋敷は驚くほど広い。新たな3人の奉公人の仕事は大夫人の水タバコ係、夫人の帳簿係、そして星移の侍女だったが、どうやら星移は面倒な主人だと分かった。 慌てた奉公人はさっさと仕事を選び、結局、周瑩が星移の侍女になってしまう。沈家の大少爺・月生(ゲッセイ)は弟のため千紅を追い払ってやった。しかし星移から事情を聞いて顔色が一変する。千紅がしつこく追いかけてきたそもそもの発端は、星移が春風十里(シュンプウジュウリ)で馬宏才(バコウサイ)と競合い、千紅の歌に千両も払っていたからだった。馬家と言えば父が注文を奪ったと沈家を逆恨みしており、馬宏才と千紅は手を組んでいたに違いない。それでも星移は馬宏才を友だと言う。呆れた月生は涇陽中で沈家の次男が芸妓を娶ると噂になっていると頭を抱えた。周瑩は先輩侍女・玲瓏(レイロウ)から仕事を教えてもらった。「ここでは私の指示に従うのよ」その時、千紅の件で月生に怒られ、気が立っている星移の怒鳴り声が聞こえてくる。「茶はまだかっ!」玲瓏は自分で茶を持って行こうとしたが、ふと思い立って周瑩に任せた。周瑩が書斎にお茶を運んだ。すると機嫌が悪い星移は熱いと難癖をつけ、周瑩に手を挙げる。しかし周瑩は瞬時に避け、再び手を出そうとした星移を蹴り飛ばした。吹き飛んだ星移は机に頭を打ちつけ倒れると、玲瓏と珊瑚(サンゴ)が慌てて駆けつけ立ち上がらせる。「蹴飛ばしたな!」「乱暴しようとするからよ!」「ギギギギ…鞭を持って来い!」ところが急に父から呼び出しがあり、星移はすぐ出かけなければならなくなった。「あとで仕置してやるからな!」玲瓏と珊瑚は怖いもの知らずの周瑩に困惑するが…。一方、呉聘は父に杜明礼の話を伝えていた。呉蔚文は左大人と貝勒爺の間に因縁があると教え、自分と左大人との関係を知りながら話を持ちかけてきたのだと気づく。恐らく何か大きな狙いがあるのだろう。内務府の工事といううまい汁を呉家が吸えば左大人も疑心を抱くが、かと言って断れば貝勒爺の面目がない…。結局、どちらかを敵に回すことになるなら、呉蔚文はこの件を避けるが勝ちだと言った。星移は父の前にひざまずいていた。沈家の老爺・沈四海(シンシカイ)は涇陽に入る前から星移の一件を耳にしていたという。月生は自分が追い返したので心配ないとかばったが、父から千紅にいくら払ったのか問い詰められてしまう。「…500両です」「500両も?!」沈四海はこれに激怒し、仕置棒を持って来いと命じた。星移は父から厳しい罰を受け、担架で寝所に運ばれた。星移を可愛がっている老夫人は心配し、星移の侍女3人にしっかり世話をするよう命じる。「星移が治れば褒美は弾むが、もし何かあればお前たちの皮を剥ぐからね!」そこでその夜、3人は交代で星移の寝所で付き添うことにした。周瑩は真夜中に起こされ、布団と枕を持って星移の寝所に向かう。面倒臭そうに椅子に寝転び、早々に眠り始めた周瑩、しかし奥の寝台から星移の声が聞こえてきた。「薬が少しも効かないじゃないか!治ったら医館をぶち壊してやる!痛みが引かないーっ!」「…んもう、我慢しなさいよ!」「我慢できるか!痛くてたまらない!死にそうだ!」「…眠らせてよーーっ!」「何だと?!お前は侍女だろうが!私より先に寝る奴があるか!」すると周瑩は仕方なく起き出し、中庭に出て葉を摘んできた。周瑩は葉をすりつぶして寝台に向かうと、いきなり星移の傷当てを剥がした。あまりの激痛に叫び声をあげる星移、しかし周瑩が何やら傷に塗り始めると急にひんやりして気持ちが良くなる。やがて星移はすっかり機嫌を直し、鼻歌まで飛び出した。杜明礼が庭園で小鳥の世話をしていると、従者がやって来た。「呉聘が″巡察のためまた後日、伺う″と…」「…小麻子(ショウマシ)は?」「先日、去りました…それと呉聘より″友が贈ってきた新茶をご賞味あれ″と」「茶だと?」その茶は″武夷大紅袍(ブイダイコウホウ)″、福建の茶だった。福建には左大人がいる。つまり自分とは手が組めないという返事だった。呉家東院が厚意を拒むのなら、我らも同じように打って出るまで…。「暗に言えば…″ばらせ″と?」「始末してやれ」つづく( ๑≧ꇴ≦)星移の半ケツwwwスンリーの少女コスプレ(違う)は無理があるけど、確かにこの顔値と迫力を兼ね備えた新人はいないかもね…あ、瓔珞がいた(笑
2020.01.09
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