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驭鲛记之与君初相识 The Blue Whisper第21話(最終話)順徳仙姫(ジュントクセンキ)・汝菱(ジョリョウ)が北淵に出征。仙師・寧清(ネイセイ)は汝菱が負けることはないと高をくくり、紀雲禾(ジーユンファ)と″かの者″が記した紀行文について論じていた。しかし雲禾は注記の解釈が間違っていると指摘する。「本を読む限り作者が描いているのは世を包む大きな愛と自由の美しさ 注記はこれを″2人の小さな愛″と読み解いた」「何が悪い?小さな愛は天地に称賛されず、取るに足らぬと?」「そうではなく、注記を入れた者は作者の意図を誤解し、己の望む通り都合よく解釈しています」その時、雲禾はほんのわずかだが仙師の動揺に気づいた。「確かに面白い本ですが、仙師が日々、研究するに値するとは思えません もしや仙師は作者と何か関わりが?」「かの者が記し、私が書写し、注記した」「(…元本を惜しみ、書写までするなんて) 注記は仙師の情の現れですか?愛しながらなぜ手放したのです?」「ゆえに″天下のために弔う″のだ」「この女子は世の全てと衆生を愛しています、でも仙師は…」「はっ!汝菱?!…青羽鸞鳥(セイウランチョウ)か?!」寧清は汝菱の異変を察知し、話の途中で姿を消した。どうやら洛錦桑(ルオジンサン)のお手柄らしい。すると雲禾は仙師が置いていった巻物を見つけた。「″広物(コウブツ)集″?!…仙師が愛する女子は万花谷(バンカコク)と関わりが?!」青姫(セイキ)にとって仙師府の弟子など相手にならなかった。汝菱は追い詰められたが、その時、寧清が現れる。「権勢を誇る仙師とはどこの尊い神仙かと思えば…寧清じゃないの?」すると寧清は汝菱を鹿台山(ロクタイサン)へ送り返した。「順徳の顔を見た時、真っ先にあなたを思い出したわ、愛した者を懐かしんでいるの? 彼女が生きていれば今のあなたに愛想を尽かすわね」「彼女は死んだ、私は代わってその余生を生き、四海八荒に彼女の弔いをさせる…」「彼女は愛にあふれ非凡な女子だった、あなたの残忍な行いを許すはずがない」「世の万物を愛しながら、その万物のせいで命を落としたのだ」「あなたは私怨を晴らしたいだけ…私が彼女に代わり思い知らせてあげる!」一方、万花谷の林昊青(リンコウセイ)は思語(シギョ)から青姫と仙師が北淵で争っていると報告を聞いた。その隙に鮫人たちは鹿台山に迫っているという。昊青はこの騒ぎを利用して雲禾を助けようと考え、瞿暁星(クギョウセイ)に留守を任せて出かけた。汝菱は仙師の帰りを今か今かと待っていた。「師父がこれほど長く仙師府を空けるなんて…」その頃、従棘所(ジュウキョクショ)に及ぶ仙師の霊力が弱まり、結界が緩み始めた。雲禾は小さな穴を開けることに成功、すると思いがけず洛洛が飛び込んで来る。「雲禾!どれだけ心配していたか!」2人は抱き合い再会を喜んだ。洛洛は雪三月(セツサンゲツ)が入れてくれたと説明し、離殊(リシュ)も生きていると教える。実は結界が弱まったのは青姫が仙師を誘き出してくれたからだった。「そうだ、長意(チャンイー)が兵を率いて到着する、もうすぐ助かるわ」「長意がここへ?…仙師の横暴は全て世をかき乱すのが目的、これも仙師の罠かも」雲禾は長意が従棘所へ来なくてすむよう、洛洛に天君の令牌を託して罪仙たちを救出するよう頼んだ。しかし自分が逃げれば順徳が気づいて仙師に伝わってしまうため、皆の安全を見届けてから脱出するという。「鹿台山の麓で会おう、洛洛、これは北淵、天君、四海八荒の安寧に関わるの」洛洛は不安だったが、必ず逃げるという雲禾の言葉を信じて出て行った。雪三月は扮装して天君の令牌を示し、罪仙を裁くため天庭へ護送すると伝えた。弟子は念のため山門まで付き添ったが、仙師が留守のため慎重を期して天庭まで同行するという。「分かりました」すると三月と洛洛はいきなり弟子たちに襲いかかって眠らせ、霊丹を取り戻して地仙たちに返した。地仙たちは何が起こったのか分からず困惑していたが、洛洛は雲禾の指示だと教え、北へ向かうよう伝える。しかし雲禾に恩がある姑獲鳥(コカクチョウ)たちは雲禾を置いて逃げるわけにいかないと拒んだ。洛洛は雲禾の策が無駄になると訴え、雲禾を信じるなら従って欲しいと頼む。「分かったわ、再会したら恩を返すと伝えて」こうして地仙たちは皆、北淵に旅立った。長意はかつて雲禾と一緒に人間界を見下ろした崖にいた。そこへ離殊が駆けつけ、北淵軍を置きざりにして独りでいる総帥に呆れる。「前は愛嬌があったが、ひどく冷淡になったな?以前のように…」🦨<ぷぅ~!「誰だ?!」すると草むらから鼬鼠(イタチ)妖が現れた。離殊は女ばかり追いかけて万花谷で捕まったイタチだと気づいたが、鼬鼠妖は今では紀護法一筋だという。「紀雲禾?彼女はどこだ?」「それが…俺たちを逃して従棘所に残ってる…」離殊は驚いたが、その時、すでに長意は仙師府へ向かっていた。「お~い!北淵軍はどうするんだ?!」汝菱は誰かが天君の令牌を使って罪仙を逃したと知った。すると弟子の1人が自分は鱗粉(リンプン)を浴びたと証言する。汝菱は雲禾の仙侍が蝶だったと思い出し激怒、師匠のいないうちに始末すると決めた。罪仙が逃亡し、従棘所はにわかに騒がしくなった。雲禾は洛洛が成功したと気づき、いよいよ脱出するため隠魂針(インコンシン)を放って結界を破る。その時、汝菱が弟子たちを連れて駆けつけた。「やっておしまい!」雲禾は九尾を出して呆気なく弟子を吹き飛ばしたが、天君との約束を守り、順徳が引き下がるなら見逃すと告げる。しかし汝菱は無謀にも仙鞭を振り上げた。雲禾は九尾と共に凄まじい霊力を発した。しかしその大きな力と同じ反噬(ハンゼイ)に見舞われ、倒れてしまう。汝菱はその隙に鞭を振り下ろしたが、雲禾は咄嗟に剣を招喚して鞭を巻きつけた。鞭を引き合う雲禾と汝菱、その時、雲禾が急に剣を手放し、汝菱は反動でよろめいてしまう。すると雲禾が鞭から放れた剣で汝菱に切り掛かり、かろうじて顔を傷つけた。「ぁ…私の顔…そんな…ワナワナワナ…紀雲禾…殺してやる!」激高した汝菱は短剣を招喚して襲いかかったが、突然、吹き飛ばされてしまう。↓「あれええええ〜!」ドロンジョさまぁぁぁぁぁ〜!その凄まじい力は長意だった。「大尾巴魚(ダーウェイバーユー)…久しぶりね」「紀雲禾、なんてぶざまな姿だ」汝菱は弟子たちを必死に呼んだ。しかし長意に縛られ、動けなくなってしまう。「紀雲禾を殺していいのは私だけだ」「私は仙姫、衆生の主よ!」「衆生の主?四方をかく乱し、血で染めたのは誰だ?!」長意はかつて海で救った命を返してもらうと言い捨て、火を放ってから雲禾を連れて脱出した。長意と雲禾の前に姫成羽(キセイウ)たちが立ちふさがった。そこで長意は空明(コウメイ)から預かった縫いぐるみを投げ渡す。「師兄から伝言だ、愚かさに気づいて己の道を歩めとな」姫成羽は長衣と雲禾を見逃し、仙姫を助けに向かった。林昊青たちも鹿台山に到着した。するとちょうど長意が雲禾を連れて逃げたと気づき、手を引くことにする。しかし偵察に向かった弟子が戻り、従棘所から火が出て仙姫が中に取り残されていると聞いた。昊青は咄嗟に判断、仙姫を救うため仙師府へ向かうと決める。一方、雪三月と洛洛も長意が雲禾を救出したと分かった。2人は長意たちを追って北淵に向かったが、待機していた北淵軍は判断を誤ってしまう。狐王・卿玄(ケイゲン)と卿瑶(ケイヨウ)たちは長意がある御霊師を連れて脱出し、すでに仙友たちも解放されたと聞いた。戦わずして目的を果たした北淵軍、しかし狐王は欲を出し、寧清が不在なら仙師府を攻めて仙姫を捕らえると決める。その頃、姫成羽たちは激しい炎の海を前に躊躇していた。すると林昊青が現れ、燃え盛る炎の中に飛び込んで仙姫を救う。「急報を受けて駆けつけた」「かたじけない、あとは任せて仙姫を外へ…」長意は雲禾を思い出の崖に連れて来た。しかし雲禾は林滄瀾(リンソウラン)と仙師の度重なる実験のせいで怪物になってしまったという。「威力が大きいほど反発も激しくなる…余命はわずかなの」すると長意は雲禾に贈った鮫珠(コウジュ)に自分の霊力を送り始めた。林昊青は仙姫を抱き抱え、仙師府へ向かった。その時、狐族が現れ、結界の中に閉じ込められてしまう。「狐王か…卿舒(ケイショ)の兄だな?」「万花谷とは少なからず縁がある、順徳を差し出せばそなたを見逃そう」しかし昊青は断った。「今は仙師の愛弟子に手を出すな、早く立ち去れっ!」昊青の判断は正しかったが、浅はかな奇鋒(キホウ)に煽られた狐王は力づくで順徳を奪おうと迫る。「皆の者かかれ!」すると突然、結界を破って寧清が現れた。寧清は顔に傷を負った汝菱の姿に衝撃を受けた。「ちょうど新たな陣法を編み出したところだ…試してみよう」すると寧清は狐族たちの霊丹を吸い込み始める。「瑶R!私が決断を誤った!この責めは父が負わねばならぬ!長意に北淵は任せたと伝えよ! お前を長意に託せば、安心して逝ける!」「父上!おやめください!」狐王は霊丹を取り出し、自分の身を犠牲にして脱出した。寧清は汝菱を傷つけた北淵軍へ恨みを募らせ、どんな代償を払っても誅殺するよう命じた。しかし天君・汝鈞(ジョキン)が側近の雷沢(ライタク)と飛廉(ヒレン)を連れて駆けつけ、止める。「早く姉の手当を」すると林昊青は仙姫を連れて仙師府に向かった。寧清は弟子たちに再び命を下したが、天君が許さなかった。「そなたが姉の勝手を許したせいだ、その責任をよく考えよ、この件は私が処断する 仙師がすべきことは己を顧みることだ」「…私が強行すれば天君に阻止できますか?」寧清は高圧的な態度で迫り、天君の前で掌(ショウ)を構える。驚いた雷沢神君と飛廉神君は無礼だと憤慨したが、今回ばかりは汝鈞も引き下がらなかった。「では重ねて言う、私に従うのだ」すると菩提樹からついに先帝の法宝が解放され、汝鈞の手に仙令が飛んできた。「寧清、まだ意地を通すか?まさか先帝さえも軽視すると?」寧清は引き下がざるを得なくなり、屈辱に耐えて拝礼した。仙師府の密室にある肖像画は令牌を手にした天君に怒り心頭だった。…仙令が天君を認めた、何たることだ!もう耐えられぬ!誰も私を阻止できん!…あらゆる者に思い知らせてやる!封印を破り身体を取り戻さねば!…私こそが天地の主なのだ!雲禾は長意が自分への復讐を誓いながら、なぜ助けたのか分からなかった。「私はもうすぐ死ぬ…喜んでいいのよ」「以前は君の命は万花谷のものだった、次は仙師府のものになったが、今日からは私のものだ 私が死んでいいと言うまで生きなくてはならない」「ずい分と横暴ね…でも忘れないで、私の命は私のもの、それはこれまでもこれからも変わらない」「何を言おうと好きにはさせない」長意はともかく雲禾を連れて北淵に戻ると言い出した。驚いた雲禾はまだやり残したことがあると抵抗したが身体を動かす力がなく、長意に連れ去られてしまう。…長意は困難を乗り越え、雲禾を救い出し、北淵へ戻った…しかし雲禾に自由はない…林滄瀾や順徳による蹂躙(ジュウリン)とは違った手段で、長意は裏切りの代償を求めようとしていた後編へつづく( ๑≧ꇴ≦)キィャァー!最終話は盛り上がったわ~!不死身になったのかと思いきや結局、瀕死という意味不明な展開w主要登場人物の素直率ゼロwしかし咄嗟の判断ができる谷主を要する万花谷の未来は明るいか?株価上昇!後半が楽しみ!…( ゚д゚)え?w
2023.04.20
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驭鲛记之与君初相识 The Blue Whisper第21話楽游山(ラクユウザン)を訪ねた空明(コウメイ)は立ちふさがる離殊(リシュ)を力づくで排除することにした。その時、うなじに霜花(ソウカ)をつけた御霊師が現れ、戦いを止める。空明はその仙力の強さから、十方陣の乱で青姫(セイキ)に連れ去られた雪三月(セツサンゲツ)だと気づいた。自己紹介した空明は鮫人世子と狐王の使いだと伝え、実は北淵(ホクエン)を救うため青姫の力を借りたいという。そこでこれまでの経緯を説明した。雪三月は紀雲禾(ジーユンファ)が長意(チャンイー)を騙して刺したと聞いても信じられなかった。空明を訝しむ三月、すると離殊は青姫が無類の酒好きで、九寒洞(キュウカンドウ)で一晩、冷やして贈れば喜ぶと教えてしまう。そこで空明は早速、麓へ酒を買いに行った。三月は余計なことを教えたと責めたが、離殊は空明も悪人ではなさそうだという。「乱暴者に見えるが、薬草の匂いがしていた、恐らく仙師府の逆徒・空明だよ」ともかく三月は数少ない友人である雲禾の状況を自分で調べることにした。「三月?…俺を忘れがたくて助けたのか?」「…私のものは私が守る」離殊は三月が許してくれたと気づき、侍従を崇吾山(シュウゴサン)へ帰すことにした。しかし大歓(タイカン)・小歓(ショウカン)は世子から離れないという。その頃、北淵では羅策(ラサク)が主に卿瑶(ケイヨウ)の差し入れを勧めていた。「芋の汁粉は身体が温まりますよ」「芋?」長意はふと万花谷(バンカコク)で雲禾と食べた焼き芋を思い出し、急に不機嫌になって出て行ってしまう。一方、天君・汝鈞(ジョキン)は洛錦桑(ルオジンサン)を楽游山へ送ると、雲禾に薬を差し入れた。「これでしばし耐え、時機を待つがよい、いずれ私が解放しよう」すると雲禾は従棘所(ジュウキョクショ)に捕らわれた軽罪の罪囚たちを釈放して欲しいと頼んだ。汝鈞は自分で命じることが難しいため、雲禾に令牌を授け、密かに逃がせばいいという。「頼みがある…姉を傷つけないで欲しい」「天君、そこまで寛容になれるかどうか…でもこれだけはお約束します 身を守る必要がない限り、仙姫を攻めないと」「はお、約束だ」しかし雲禾は身内の情が成すべきことを妨げる恐れもあると苦言を呈した。空明は九寒洞に酒を置いて一旦、出て行った。しかしちょうど楽游山に到着した洛洛が酒の匂いに誘われて洞窟に入ってしまう。戻ってきた空明は酒を飲もうとしていた洛洛を見つけ、いきなり襲いかかった。2人は酒をめぐって手合わせとなり、そのせいで青姫が作った仕掛けが作動、扉が閉まってしまう。九寒洞の戸は外からしか開かなかった。思いがけず閉じ込められた洛洛と空明、すると洛洛が雲禾の仙侍で空明が長意の代理だと分かり、奇しくも互いに青羽鸞鳥(セイウランチョウ)を探しに来たと分かる。「ええーっ?!味方同士だったのね~!」洛洛は急に馴れ馴れしくなったが、雲禾を誤解している空明は冷たくあしらった。「離れてくれ!…ともかく離殊と雪三月が来るまで待て」「え?!雪三月もいるの?!やだ~早く言ってよ!ん?離殊って言った?!うそっ!生きてるの?!」何も知らず無邪気な洛洛、しかしいよいよ寒くなり、空明に助けを求めた。「雲禾は長意に抱かれて眠った時、暖かくて幸せだったって…2人で暖まらない?」「やめろ、我々は長意と紀雲禾ではない」「何が違うの?…あ、雲禾は長意を愛してるわ、私もあなたを愛す!」男女の情を知らない洛洛は愛では腹を満たせず、霊石とも交換できないが、身体は暖まるという。しかし空明はからかわれていると思ったのか、これ以上、口を利いたら霊丹を燃やすと脅した。洛洛は寒さに耐えられず、このままでは死んでしまうと酒を飲もうとした。しかし空明に見つかり、叱られてしまう。「信念のためなら死んでも悔いはない、紀雲禾の教えになかったのか?」「信念じゃなく夢を糧に生きてきたの、霊石を貯めて仙島に移り住もうって」「主が主なら従者も従者だな」呆れた空明は雲禾が自分の栄達のために長意を裏切ったと批難したが、洛洛は長意を逃すためだったとかばった。「だが長意を刺した」「苦渋の決断だったのよ!」すると空明はその場にいたのかと迫った。長意がどれほど残酷な言葉で傷つけられたのかも知らず、主に騙されているだけだという。「その場にいなくても雲禾を信じる…」洞窟に険悪な雰囲気が流れた。そこで洛洛は倒れたふりをして空明の警戒を解く。「大丈夫か?!」洛洛は空明が様子を見に来たところで鱗粉(リンプン)を放ち、空明がしびれて動けなくなった隙に酒を飲んでしまう。「命を大事にしろって雲禾に教わったの…暖まるからあなたもどうぞ」すると洛洛は動けない空明に口移しで酒を飲ませた。空明は衝撃のあまりその場で倒れ、ほてった身体から陽の気が立ちのぼる。喜んだ洛洛は自然と湧き上がったのなら自分がもらっても構わないと考え、口から吸い込み始めた。空明は抵抗できず、気がつけばまた洛洛と唇を重ねてしまう。↓( ͒ ́ඉ .̫ ඉ ̀ ͒)ルオルオ…マジか…翌朝、目を覚ました空明は自分に抱きついて眠っている洛洛を放り出した。「イタタタ~女子に乱暴なことを…」一方、洞窟の様子を見に来た雪三月と離殊は仕掛けが作動して空明が閉じ込められたと知った。離殊は空明が凍死していないかと心配したが、三月が戸を壊してくれる。「雪統領!待ってたわ!」「洛錦桑?どうしてここに?!」しかし離殊は空明の乱れた姿に気づいて困惑した。( ̄▽ ̄;)<お前たち…洛洛は雲禾の命で青姫に会いに来たたが、空明と鉢合わせになったと説明した。離殊はつまりここで空明と酒を飲んで一夜を共にしたのかと確認、洛洛はその通りだと認めてしまう。「九寒洞の寒気は一夜どころか普通は1時ももたない、だが空明は陽の気が強そうだ」「そうなの!酒を飲んだ途端、陽の気がシュッ!と出て来たの!ふふふふ~!」「やめろ!」空明は慌てて洛洛の口をふさいだが、洛洛は何が悪いのか分からなかった。青姫に贈るはずの酒がなくなった。洛洛は責任を取ると約束、実は飲んだことがある酒なら自分で作ることができるという。そこで青姫の目の前で小屋にある植物や水を集め、空の酒壺を酒で満たした。しかしかつて同じように寧若初(ネイジャクショ)のために酒を作ったことを思い出した青姫は酒を飲もうとしない。洛洛が怖いのかと挑発すると、憤慨した青姫は飲み干せるほど美味い酒なら要求に応えると言った。青姫と洛洛は酒を酌み交わしていたが、青姫はちっとも酔えなかった。すると洛洛は青姫の最後の1杯に蜜を加えてさらに甘くする。それは洛洛が集めた花の髄、この酒は思い出に浸って飲むにはもったいないという。「雲禾が″この1杯が効く″と言ってた… ″最後にこの甘い酒を飲んで眠りに就けば、目覚めた時に自然と力が湧いてくる 秘めていた言葉も伝えられる、やりたいことをする勇気が出る″って… これは愁いを消す酒よ?」洛洛はなかば諦め、たとえ青姫の協力がなくても雲禾を救うと言った。しかし青姫は洛洛の諫言で目を覚まし、悲しみから酒に逃げて無駄な時間を過ごしていたと気づく。「ヤートウ(丫头)、この酒は悪くない…どうやら紀雲禾は良い主のようね 明日、出発すると伝えて」「本当に?!…ありがとうございます!前輩!」洛洛は外で待っていた3人に青姫の説得に成功したと伝えた。任務を終えた洛洛はすぐ飛び立ったが、酔っ払ったせいで途中で倒れてしまう。洛洛は落とした手鏡を拾って砂を払うと、自分の顔からそばかすが綺麗に消えて色白になっていることに気づいた。「陽の気は万物を生む?…はっ!雲禾が長意を忘れられない理由が分かった! 美人になれるからなのね!」そこに空明が現れた。「もう酒は抜けたか?昨夜のことだが…」「空明!」洛洛はいきなり空明に抱きつき、また霊力を吸わせて欲しいと懇願する。≡≡≡≡≡≡ギュッ(((/ ̄ー(・・。)/ そんな2人の様子を雪三月と離殊が見ていた。空明は洛洛の扱いに困惑し、これからは別々の道を行こうと伝えた。しかし洛洛は自分が責任を取ると安心させ、いつか仙島で贅沢させてやるという。「空明先生はすっかり手玉に取られてるな」離殊は慌てふためく空明を面白がったが、雪三月は無邪気な洛洛の姿がうらやましかった。何だかんだ言っても洛洛を拒めない空明、すると三月が洛洛に雲禾を助けに行くと声をかける。すると洛洛は慌てて三月に同行し、気がつけば空明と離殊は置いてきぼりになった。一方、雲禾はこのところ仙師・寧清(ネイセイ)が持ち込む見聞録を読んでいた。感想を聞かれた雲禾は珍しい記述を見つけたという。「″一夜にして亡くなった北方の貴族の夫婦は安らかな死に顔だった″と… 当時、祟りだと言われていましたが、この作者が原因を突き止めたのですね 風の通らぬ部屋で炭を焚いたからだと分かり、″炭毒″と称しています 訳が分からぬものを祟りで片づけ、未知なるものへの不安を封じてしまうもの 真相を解明しようとする者は滅多にいません」「…″かの者″が記した」「″かの者″?」青姫は凌霜台(リョウソウダイ)に到着、長意の作戦を聞いた。空明は北淵で後方支援を、青姫が仙師を誘き出し鹿台山から遠ざけ、その間に長意は仙師府を攻めて仙友たちを解放するという。すると狐王は最も危険な仙師府攻めに加勢すると決めた。離殊は長意と再会を果たし、一緒に鹿台山へ行くと伝えた。空明は念のため長意にぬいぐるみを預け、姫成羽(キセイウ)と見えた時はこれで危機を脱することができるという。そこへ卿瑶(ケイヨウ)がやって来た。「人気者だな?」離殊は意味ありげに笑って空明と行ってしまう。卿瑶は長意が仙友の救出以外に鹿台山へ行く理由があると気づいた。しかし長意は考えすぎだとごまかす。「話してくれたら一緒に解決できるわ」「気遣いに心から感謝する、しかし狐王を支え、兵をまとめてくれれば十分だ」つづく|ω・`)洛洛…分かります、そっと画面を落としてしまった気持ちでもちょっと待った!次回は管理人的一番の見所があります!あきらめないで~ ←ちょっと古い?w
2023.04.19
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驭鲛记之与君初相识 The Blue Whisper第20話順徳仙姫(ジュントクセンキ)・汝菱(ジョリョウ)は北淵を奪還すると息巻いて従棘所(ジュウキョクショ)をあとにした。紀雲禾(ジーユンファ)は仙師・寧清(ネイセイ)がなぜこれほど順徳を溺愛するのか分からなかったが、寧清は″顔″だという。「つまり密室の絵は仙姫ではないのですね?…恋人?この天下の乱はその方が原因ですか?」「お前は知り過ぎたようだ、ともかく汝菱に手は出せぬとだけ言っておこう この世において彼女のあらゆるものを守ってやりたい、奪おうとする者は誰であろうと許さぬ」「顔が似ているだけなのに?」「そうだ…もうひとつ警告しておこう」寧清は雲禾が隠魂針(インコンシン)で霊力を御せるようになったと気づいていた。しかし双脈を無理に鍛えて天地の法則に反すれば反噬(ハンゼイ)から逃れられないという。「どれだけ得てもその分を失う、公平とは言え往々にして残酷だ」北淵に遣わした万花谷(バンカコク)の弟子たちが拘束された。林昊青(リンコウセイ)は寒霜(カンソウ)の発作が起きる前に救い出したいが、慎重を期さねばならない。一方、天君・汝鈞(ジョキン)は閬風巓(ロウフウテン)で悶々としながら菩提樹を見ていた。両親を失ってから日夜、自分の世話をしてくれた姉、当時の汝菱の心は慈愛に満ちていたが、なぜこんなことになったのか。その時、汝鈞は仙師しか眼中にない姉の口から″紀雲禾″という名が出たことを思い出した。従棘所に突然、天君が現れた。天君は仙師が姉以外の誰かを守ったのは初めてたと驚き、その理由を知りたいという。しかし雲禾も分からないと苦笑い、この身体が原因だと答えた。「ただ仙師の弱みを握りたいならお門違いかと…」汝鈞は憶測など無礼だと憤慨したが、ふと紀雲禾が鮫族世子を救って捕らわれたことを思い出した。「世子は別の伴侶を選んだそうだな?もしやり直せたらまた世子を救うか?」「また救います、彼は私の初心ですから…以前、彼にこう言われたのです ″己の心に従い、結果は自ら背負う″と…」雲禾は天君が解決策を探りに来たのだろうと指摘、図星だった汝鈞は怒って帰ってしまう。一方、北淵では狐王・卿玄(ケイゲン)が御霊師たちの処遇について意見を聞いていた。すると兵士が駆けつけ、御霊師が倒れて身体中が霜で覆われているという。長意(チャンイー)と空明(コウメイ)は無妄窟(ムボウクツ)の冷気が寒霜の発作を誘発したのだと気づいた。そこで空明は自分が作った薬を飲ませ、症状を和らげてやる。長意は尾を切った時、雲禾に解毒薬を飲ませたことを思い出し、なぜ空明が薬を持っているのか訝しんだ。「これは解毒薬ではない、私が作った毒を緩和するものだ」長意はようやく寒霜を作ったのが林滄瀾(リンソウラン)ではなく仙師だと知った。しかも万花谷に霜花(ソウカ)を届けていたのは空明だったという。実は空明は寧清の一番弟子だった。当時、万花谷に新たな御霊師が入ると霜花を届ける役割を担っていたという。空明が仙師に対抗するのは正義のためだけではなく、寒霜で失われた命への償いのためでもあった。汝菱が出征した。汝鈞は雲禾から″己の心に従うべき″と聞いて迷いが吹っ切れ、戦を阻止すべく再び雲禾を訪ねる。「決断が遅れて大勢を見殺しにしてしまった…」しかし雲禾はまだ遅くないと励まし、天君に全力で協力すると決めた。「その前に言っておくことが…寒霜をご存知ですか?」その夜、長意と空明は珍しく酒を飲んだ。2人は心に傷を持つ同士、知己だと認め合ったが、空明は寒霜であまたの命を奪った自分の方が悲惨だという。しかし長意は空明の責任ではなく、仙師が寒霜を操り、謀略や野望を抱いたせいだとなだめた。「私の知る空明は強くて果敢、勇敢に舵取りができる」長意は今の北淵があるのは空明の功績だと励まし、必ず裏切りの代償を払わせてやると奮起した。汝鈞は仙師が寒霜で万花谷を支配していると知り驚愕した。しかし解毒薬を持っているのが仙師だけのため怒らせれば2度ともらえないという。雲禾はこの従棘所もどこかおかしいと訴えた。最近、仙姫が自分に恨みをもつ罪仙を連れて来たが、なぜか彼らの霊力が消滅していたという。実は汝鈞も近年、ここに収監された囚人が相次いで塵と化したと聞いていた。「恐らく仙師が霊力を移しているのではないかと…」雲禾は順徳に良く似た肖像画に霊力が流れ込んでいたのを思い出した。詳細は分からないが秘術か禁術の類かもしれない。「仙師の狙いは乱です、近頃、頻繁に争いを煽る仙姫を仙師は見ているだけ 仙姫に殺し合いや紛争を起こさせ、無限の殺戮を企んでいるようです これぞまさに″天下のための弔い″、私も手駒の1人かもしれません」そこで雲禾は自分の仙侍・洛錦桑(ルオジンサン)を見つけ出し、楽游山(ラクユウザン)の青羽鸞鳥(セイウランチョウ)へ使いに出すよう頼んだ。仙師を牽制させ、罠を仕掛けるという。「はお、そなたを信じよう」汝鈞は林昊青に捕らわれていた洛洛を幻境に呼び出した。「天庭の主?またまた~それにしちゃ小さ過ぎない?( ̄▽ ̄;)」「紀雲禾からの伝言だ、順徳仙姫が出征した、楽游山の青羽鸞鳥に仙師を牽制させよ」「雲禾は元気?」「かろうじて生きておる、だから急げ」すると汝鈞は昊青の結界から洛洛を解放し、楽游山へ飛ばした。その頃、空明も仙師府へ攻め込むなら青羽鸞鳥の力を借りるよう提案していた。青羽鸞鳥が十方陣から出たとは初耳、狐王は鸞鳥の力があれば鬼に金棒だと喜ぶ。すると長意は付霊と寧若初(ネイジャクショ)が消散する時、″楽游山″と言ったことを思い出した。洛洛が結界に触れることもなく逃げ出した。林昊青と思語(シギョ)は驚き、何か見えない力が働いたと怪しむ。一方、長意は強がっていながらも雲禾の無事を祈っていた。…紀雲禾、君の命は私のものだ、復讐してやるから死なずにいろ…楽游山では離殊(リシュ)が療養する雪三月(セツサンゲツ)を密かに見守っていた。しかしその夜、ついに三月に見つかってしまう。「君が怖かったんだ…確かに君を利用したが、俺の心は君に奪われていた 会って説明したかったけど怖くなったんだ 真心を尽くしても信じてもらえなければ今度こそ完全に君を失う だったら見てるだけでいい、できるだけ長く…」「偽善者ぶらないで、2度と信じるものですか」三月は復讐のため剣を招喚したが、結局、剣先を軽く刺しただけだった。「三月!許してくれるのか?!」「私が好きだったのは穹陵峰(キュウリョウホウ)で助けてくれた山猫の英雄、万花谷で守ってくれた仙侍 狡猾な山猫世子ではない」そこで離殊は霊丹を差し出して仙侍に戻ると言ったが、三月は受け取らなかった。「…私の山猫は十方陣の中で死んだ」すると三月は逃げるように洞窟へ戻ってしまう。離殊は雪三月に拒否され、傷心の日々を送っていた。そんなある日、十方陣が破れたと聞いて世子を探し回っていた大歓(タイカン)・小歓(ショウカン)が現れる。離殊は兄弟のような侍従との再会を喜んだが、崇吾山(シュウゴサン)に帰りたくないと拒んだ。「女子との縁が切れたくらいで~」「見てたのか?!」実は崇吾山には世子が御霊師に惑わされ、こき使われていると報告が来ていたという。「世子~帰りましょうよ~」そこで離殊はちょうど食料を集めて戻って来た三月を呼び止め、崇吾山に帰ると伝えた。「君が帰るなと言うなら、これからもそばにいる」しかし三月は冷たく突き放し、行ってしまう。雪三月は洞窟に戻った。すると部屋は綺麗に整頓され、机にはいつも離殊が準備してくれた汁物が置いてある。三月は思わず洞窟を飛び出したが、すでに離殊の姿はなかった。そこへ青姫が現れる。「離殊はあまり本音を話さない、言ったことではなくてやったことを見てあげて 誰があなたの寒気を吸ってくれたか考えたことある? 誰が万花谷の追っ手を阻み、日夜、世話してくれたと? …あの子はね、霊力を消耗し、気を損ね、ようやく人像を取り戻した 相当、苦しんだはずなのに弱音は吐かなかったわ」青姫は離殊が必要ないならさっさと別れろと言い放った。離殊は結局、大歓と小歓と一緒に山を降りることにした。しかし雪三月のことがあきらめられず、休みたいと言っては時間稼ぎしている。その時、偶然にも青姫を訪ねて空明がやって来た。離殊は御霊師だと気づき、三月を捕らえに来たのだと誤解する。「楽游山へ行くなら俺を倒してからだ」「殺したくない、どいてくれ」「嫌だと言ったら?」「容赦せぬ!」2人は真っ向勝負となったが、そこへ三月が現れた。三月の長い髪から垣間見える霜花、空明は御霊師だと気づき目を丸くする。つづく( ゚ェ゚)唯一、素直だった鮫人までこの有様よ…
2023.04.18
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驭鲛记之与君初相识 The Blue Whisper第19話北淵で長意(チャンイー)に追い詰められた順徳仙姫(ジュントクセンキ)・汝菱(ジョリョウ)。「師父!助けて!」すると汝菱の危機を察した仙師・寧清(ネイセイ)が鹿台(ロクダイ)山から陣を放った。汝菱と朱凌(シュリョウ)はあわやというところで結界の中に吸い込まれて行ったが、長意と卿瑶(ケイヨウ)は2人を引きずり下ろそうとする。しかし長意は無理がたたって霊丹が痛みだし、結局、2人に逃げられた。突然、仙師府が振動し、従棘所(ジュウキョクショ)の拘禁が緩んだ。この結界は仙師の力に依存しているが、なぜか仙師の力が弱まったらしい。紀雲禾(ジーユンファ)はともかく試しに隠魂針(インコンシン)を放ってみると、結界が破れた。…やったわ、体内の霊力をとうとう制御できた…雲禾は牢を抜け出し、弟子たちの目をかいくぐって偶然、寧清の書斎に逃げ込んだ。するとなぜか棚の隙間から急に風が吹き込んでくる。雲禾は方術で棚を押してみると、林滄瀾(リンソウラン)の内殿がそうだったように裏は密室になっていた。密室に入ると順徳の絵姿が飾られているのが見えた。もしや仙師と順徳は男女の情があるのだろうか。しかしいつでも会えるなら絵姿を飾る必要はない。そこで雲禾は絵を間近で見てみると、どうやら古いものだと分かった。すると絵姿に何か異様な気が流れ込んだが、その時、運悪く寧清に見つかってしまう。( ゚ェ゚)これは…ジュディ◯ングかしら?寧清は再び雲禾を拘禁した。どうやら珍しく寧清はご立腹らしい。「あの密室には何があるのですか?仙師府が急に揺れた理由は?」寧清は汝菱が鮫人を捕らえに北淵へ向かったところ、鮫人が狐族と謀って凌霜台(リョウソウダイ)を攻撃し、汝菱を傷つけたと教えた。「さすがだわ…仙姫は死にました?」「いいや」「はあ~残念だわ」雲禾はこれが始まりにすぎないと警告し、長意の誠実さは稀有だと教えた。「その真心は誰にも砕けません」寧清が密室に戻ると、汝菱の絵姿に謎の霊力が取りついていた。「約束通り静かに隠れていてくれ」「私との約束は?」「争いが始まりいずれ大乱となる、それまで待て」「長く待たせるな、この密室は退屈すぎる」長意たちは凌霜台で空明(コウメイ)と合流した。空明はすでに無妄窟(ブボウクツ)に捕らわれていた狐王・卿玄(ケイゲン)を解放、卿瑶は父と感動の再会を果たす。「父上に会わせたい人が…こたび北淵を救えたのは長意世子と空明先生のおかげです」すると狐王は2人と結盟すると決め、今日から生死を共にすると約束した。奇鋒(キホウ)は相変わらず2人に辛辣だったが、その時、長意は霊丹が砕けて倒れてしまう。その時、遠く離れた鹿台山の雲禾も急に鮫珠が痛みだし、長意の身に何か起こったと分かった。狐王は恩人である長意を救うべく狐族の凝丹術で治療した。しかし思ったより傷が深く、監禁されて弱っていた狐王の霊力では及びそうにない。卿瑶は自分が代わりに世子を助けたいと懇願したが、狐王は多大な代償を払うと反対した。そこで卿瑶は咄嗟に長意と恋仲になったと嘘をつき、生涯を共にする相手を救いたいと泣きつく。狐王は驚いたが、娘のためにも凝丹術を授けることにした。↓え?!サリーちゃんのパパ?!空明と羅策(ラサク)は長意を救ってくれた狐王と卿瑶に心から感謝した。狐王は霊力を消耗した娘を休ませることにしたが、卿瑶は道すがら父に長意にも治療の件を秘密にして欲しいと頼む。「私たちの恋情はまだ誰も知りません、それに恩を売りたくない」卿瑶は世子なら善良だと父を安心させたが、嘘をついた後ろめたさに苛まれた。一方、鹿台山に戻った汝菱は役立たずの朱凌を叱責していた。しかし張(チョウ)仙使が自分の代わりに犠牲になり、朱凌を側近にすると決める。その頃、雲禾は長意の身を案じ、仙師との面会を求めた。長意の無事を確かめるため北淵へ行きたいという雲禾、すると寧清が碁盤を招喚する。「機会をやる、お前が勝てば解き放とう」「仙師に食言は許されないわよ?」才知に長けた仙師も囲碁は素人同然だった。雲禾は自分に勝算があると自信を見せたが、寧清の型破りで何の法則もない奇妙な手が想像もしなかった結果を導く。「お前はこの石と同じく平凡だ、しかしこの場所に置くと…」雲禾は自分が負けたと分かって唖然となった。「…価値のないお前がさまざまなものに価値を持たせ、私が望む方向へと導いてくれる 四海八荒は数百年、平穏を保って来たが、また賑やかになる、お前は不可欠な存在だ」「どんな企みを?」「天下のための弔いだ」長意は雲禾からもらった法器の貝殻をながめながら、順徳の言葉を思い出していた。( ̄ノ▽ ̄)<やだ~紀雲禾を恨んでるの?こりゃ最高に笑えるわ~あははは~長意は意味が分からず、何にせよ雲禾に数々の罪を1つずつ償わせると心に誓う。すると卿瑶が長意に差し入れを届けに来た。空明から凝丹術に救われたと聞いた長意は丁重に拝礼して感謝したが、卿瑶は凝丹術ではなく簡単な術を使ったとごまかす。「気にしないで、滋養がつく食事を用意したわ」凌霜台には道中で長意たちに共感した仙友たちも駆けつけ、北淵に尽くしたいと希望した。喜んだ狐王はまだ仙師府に捕らわれている仲間を助けるためにも、急ぎ兵を増強したいという。そこで総帥を決めることにしたが、奇鋒を差し置いて長意が名乗りを上げた。奇鋒は先を越されて憤慨、しかし空明から総帥には知謀が必要だと嫌みを言われてしまう。すると長意は1日も早く仙師府を攻めて無辜の者を救出し、順徳と仙師に罪を償わせたいと訴えた。狐王は娘の想い人である鮫人世子を総帥に抜擢した。しかし空明は長意がどこか焦っているように見えて心配になる。「確かに奇鋒が総帥では勝ち目がないが、事を誤って欲しくない…順徳の言葉が気になるのか?」空明は長意がまだ紀雲禾を忘れられないのだと気づいた。「考え過ぎだ、あの者には恨みしかない、ただ早く決着をつけたいだけさ」「同じ過ちは決して繰り返すなよ?今の我々にはなすべきことがある」汝菱は弟の天君・汝鈞(ジョキン)に兵を出すよう頼んだ。しかし汝鈞は安寧を乱すことになると難色を示す。あからさまに不満気な様子の汝菱、すると朱凌が凌霜台を占拠した鮫人たちを放置すれば北淵の逆徒が勢力を持って刃向かうと警告した。「ふぁんすー(放肆)!先住者にとって北淵は故郷であり、それを守るのが凌霜台の本来の役目だ! だがお前は無辜の者を虐げ、故郷を奪った!誰か!」汝鈞は激怒し、朱凌に鞭打ち300回を命じた。「姉上の要求には応じられません」「姉の頼みを聞けない弟など不要よ!」汝鈞は呆れて天庭に戻ることにしたが、姉が怒鳴り散らす声が聞こえた。「師父はまだ来ないの?!まさかまた紀雲禾のところ?!」汝菱は憂さ晴らしに雲禾を罰することにした。「お前の男は何をしているのか知ってる?」「知ってるわ、彼に痛めつけられたそうね?」「こたび鮫人が勝てたのは卿玄の娘が助けたからよ~お前の男は卿玄の娘婿になるらしいわ♪」汝菱は雲禾を嫉妬させようと必死だったが、相変わらず雲禾は笑っていた。挑発された汝菱は予想通り鞭を放とうと結界に入り、雲禾は後ろ手に隠魂針を招喚する。しかしあと少しのところで寧清が現れ、汝菱を止めた。「殺しては駄目だと言っただろう?」汝菱は北淵の逆徒たちに我慢できないと訴えた。すると寧清は仙師府の弟子たちを使えばいいと許す。「では雷霆厲咒(ライテイレイシュウ)と金符も下さい!」「いくらでも与えよう」「やはり師父だわ!」しかし雲禾は思わず失笑した。「北淵に勝つ気でいるなんて無邪気ね〜では賭けない?あなたは負けるわ」「いいわ、私が勝ったら一寸ずつ肉を削ぎ、死ぬまで放置する」「賭けるなら対等に…仙姫が負けた時は同じようにします」つづく
2023.04.16
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驭鲛记之与君初相识 The Blue Whisper第18話寒霜(カンソウ)の発作を起こした雪三月(セツサンゲツ)は翌朝、凍結せず無事、目を覚ました。「離殊(リシュ)?」三月は離殊が助けに来てくれたような気がしたが、すぐにそんな幻想を打ち消す。「まさかね…願い通り元の主に付き従い、私のことなど忘れているわ」すると三月は次も助かるとは限らないと考え、万花谷(バンカコク)に解毒薬を探しに行った。離殊は雪三月の寒気を吸い込んで倒れたが、青姫(セイキ)が助けてくれた。三月に恨まれていると思い込み、面目を失うくらいなら陰ながら見守る方がいいという離殊。青姫は呆れながら三月なら万花谷へ戻ったと教えた。「なんだってーっ!」「心配なら早く行ったら?私も弱虫の従者なんてごめんよ」一方、鹿台(ロクダイ)山では従棘所(ジュウキョクショ)から罪仙たちの怒号が漏れ聞こえていた。門衛たちは護法も落ちぶれたと蔑んでいたが、まさか地仙たちが適当に騒いで紀雲禾(ジーユンファ)を痛ぶっているよう見せかけているとは知る由もない。実は姑獲鳥(コカクチョウ)は仙師府に来てから阿音(アイン)が人間界に転生できるはずがないと気づき、紀護法に騙されたと分かった。本来なら憎むべき相手だが、紀護法の嘘のおかげで執着から解放されたという。「たとえ嘘だったとしても感謝しているわ」「騙してごめんなさい」すると姑獲鳥は雲禾の修練に力を貸すと申し出た。↓カ〜メ〜ハ〜メ〜…順徳仙姫(ジュントクセンキ)・汝菱(ジョリョウ)は鮫人が空明(コウメイ)と共に北淵に向かったと聞いた。そこで凌霜台(リョウソウダイ)に鮫人を3日以内に捕らえるよう命じ、念のため万花谷にも加勢させることにする。敵対関係にある凌霜台と万花谷、林昊青(リンコウセイ)は傍若無人な仙姫に怒りを禁じ得ないが、黙って従うしかなかった。洛錦桑(ルオジンサン)は林昊青が長意(チャンイー)を捕らえると知った。雲禾を救出に行かないばかりか、雲禾がいない隙に仙姫に服従するつもりなのか。瞿暁星(クギョウセイ)は雲禾を助けるために時間が必要だとなだめたが、洛洛は納得できなかった。凌霜台に万花谷から応援が到着した。しかし台主・朱凌(シュリョウ)は手柄を分け合うのが嫌で万花谷の御霊師たちを法器に閉じ込めてしまう。一方、万花谷へ戻った雪三月は谷主の内殿に潜入した。すると壁の奥から声が聞こえ、死んだはずの思語(シギョ)が林昊青と一緒に密室から出て来る。三月は驚いたが、2人が外へ出て行くのを待ってから法力で壁をこじ開けた。谷主の令牌が侵入者を知らせた。林昊青と思語が急いで内殿に引き返すと、解毒薬を見つけた三月が出てくる。昊青は解毒薬を返すよう迫ったが三月が拒否、そのまま激しい争いとなった。しかし三月はまた寒霜の発作が始まり、慌てて逃亡しようとする。その時、偶然にも林昊青を問いただしに来た洛洛が現れ、昊青にしがみついて三月を逃した。すると洛洛は昊青に振り払われ、そのまま意識を失ってしまう。万花谷に駆けつけた離殊は追われている雪三月を見つけた。そこで林昊青と瞿暁星の邪魔をして三月を逃し、山猫姿で逃げて行く。しかし楽游山(ラクユウザン)へ戻ってみると、発作で倒れている山月を見つけた。離殊は三月に慌てて解毒薬を飲ませたが、霊力を使ったせいで自分も意識を失ってしまう。一方、洛洛は蝶々の姿のまま結界に閉じ込められた。思語は何も知らずに雪三月を助けた洛洛を責め、また誰かが寒霜で死ぬことがあれば洛洛と雪三月のせいだという。その頃、狐族の狐狸洞に身を寄せた長意は空明(コウメイ)とある計画を考えついた。そこで早速、狐族少主・卿瑶(ケイヨウ)に自分をおとりにして朱凌を罠にはめようと提案する。卿瑶は鮫族世子を信じ、長意と手を組むと決めた。雲禾は姑獲鳥の協力で隠魂針(インコンシン)を繰り出すことに成功した。しかし自在に操るにはまだ修練が必要だろう。その時、姫成羽(キセイウ)が新しい衣を差し入れに来た。罪仙たちはぐっすり眠っていたが、雲禾は自分を虐めすぎて疲れたのだと嘘をつく。すると姫成羽は仙姫の蛮行を師匠に報告、明日にも罪仙たちは戻されると伝え、帰って行った。「今まで傍観していたのに、お節介なことを…」姑獲鳥はこれで紀護法が独りになり、また気が遠くなるような修練が必要になると同情した。凌霜台は2日経っても未だ鮫人の影さえ見つけられずにいた。すると思いがけず狐族の使者が現れ、鮫人を捕えたので狐王・卿玄(ケイゲン)と交換したいと持ちかけてくる。朱凌はもちろん快諾し、これで鮫人と青丘の残党を一網打尽にして仙姫に献上できると企んだ。報告を聞いた汝菱は大喜び、自ら北淵に出向いて鮫人を引き取ると決める。「衆目の中で命乞いさせてやるわ」雪三月は洞窟で目を覚ました。その頃、三月を助けて倒れた離殊も小屋で意識を取り戻す。「回復したばかりで無謀なことを…寒気を吸って弱った身体で霊力まで消耗するとはねえ」離殊が復活してから治療に明け暮れる毎日、青姫はこれではまるで医者だと嘆く。「じゃあ三月は無事なんだね?!」その時、三月が来ると気づいた離殊は咄嗟に外へ隠れた。「なぜ助けたの?!」「いきなり入って来て何?そっちこそ、逃げられるのになぜ帰って来たの?…誰かがいるから?」「…傷が癒えるまで数日だけよ」三月は洞窟へ戻ることにしたが、窓からふいに藤の花の香りがした。それは確かに離殊がまとっていた藤の花の香水…。驚いた三月は思わず窓から外を確認しようとしたが、青姫に阻まれ諦めた。翌日、卿瑶たちは長意を連れて約束の場所にやって来た。卿瑶は父の姿を見るまでは鮫人を渡せないと訴えたが、朱凌はならば交渉決裂だと言い放つ。仕方なく卿瑶は長意を手放すと、卿瑶めがけて矢が飛んできた。長意は縄を消して弓を阻止、やはり罠だったと気づく。「敵を見くびらないほうがいい」すると潜んでいた狐族たちが現れた。しかし朱凌も万花谷の御霊師たちを解放、長意たちは包囲されてしまう。「わはははは~!良くやったわね!」その時、汝菱が仙師府の弟子たちと駆けつけた。「お久しぶりね~鮫人…あら?空明はどこ?お前の受難を見て逃げたのかしら? 大人しく私の仙侍になれば死なずに済んだのに~朱凌、引きずっておいで」実はその頃、空明は精鋭たちが出払った凌霜台にいた。長意は朱凌を跳ね返し抵抗した。すると空明が仕掛けた陣眼が雪上に浮き上がって来る。その時、凌霜台から信号が上がった。「空明が敷いた擒仙(キンセン)陣、これは非凡な陣で、凌霜台が最後の陣眼だ 朱凌、精鋭が出払ってくれたおかげで空明が自在に動けるよ」汝菱たちは自分たちが罠にはまったと気付いたが手遅れ、鮫人たちの目的が北淵の占拠だと知った。激怒した朱凌は長意に切り掛かった。しかし陣に跳ね返され、その余波で仙姫たちまで倒れてしまう。長意と空明の作戦は成功した。狐族たちは霊力を失った御霊師たちを捕縛、長意は父を殺した仙姫の命を奪うと決める。一方、卿瑶は朱凌に父を返せと迫っていた。仙姫は紀雲禾を盾にして鮫人を脅した。しかし長意は自分こそ紀雲禾を殺したいほど恨んでいるという。「うっそ!紀雲禾を恨んでいるの?これは最高に笑えるわ~あははは!」仙姫は思わぬ展開に失笑したが、長意はわけが分からなかった。「どういう意味だ?」「教えな~い!答えを探しあぐねて苦しむ姿が見たいわ、嫌な女よ、いくら痛めつけても笑ってる」「紀雲禾を苦しめ、殺していいのは私だけだ!お前じゃない」長意は仙姫に斬りかかったが、咄嗟に張(チョウ)仙使が身を挺してかばい、殺されてしまう。仙姫にじりじりと迫る長意、しかしその時、開き直った朱凌が自分を殺すなら仙友たちを道連れにすると卿瑶を脅した。驚いた長意は朱凌の元へ移動、その時、朱凌がうっかり腰牌を気にするそぶりを見せる。そこで朱凌の腰牌を壊してみると、捕らわれの身となっていた狐族たちが解放された。「撤収よ!」思いがけず劣勢を強いられた汝菱は逃げ出そうとしたが…。つづく( ๑≧ꇴ≦)えーっ!張仙使、今?!
2023.04.15
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驭鲛记之与君初相识 The Blue Whisper第17話林昊青(リンコウセイ)は霊蛇窟(レイジャクツ)で療養させていた思語(シギョ)を呼び戻した。「あのままでは処刑は免れなかっただろう、だから私が手を下した」あの時、昊青は雪三月(セツサンゲツ)と紀雲禾(ジーユンファ)の前で思語にとどめを刺したと見せかけ、密かに霊丹を回収していた。思語は修為を失っていたが、療養中に主人の苦悩を理解し改心したという。思語は前谷主が紀雲禾の身体で寒霜(カンソウ)を消す実験をしていたと知った。そこで思語は自分の霊力を使うよう提案したが、林昊青は父のように犠牲者を出したくないと拒む。「万花谷(バンカコク)を守らねばならぬが父と同じ道は歩まぬ、天と地の薬石で双脈を通じる術を探る」そのためにも決して裏切らない″友″が必要だった。「卿舒(ケイショ)にならい私も谷主に尽くします!」しかし昊青は父に全てを捧げ、そのあげく霊力が尽きて散った卿舒を思うと複雑な心境になった。「卿舒のような目に遭わせたくない、去りたければ引き止めぬ」「ご心配なさらず、私も何も求めていません」林昊青は瞿暁星(クギョウセイ)を呼んだ。思語の姿を見た瞿暁星は驚いたが、谷主は思語が罪を償って生還したと公表するよう命じ、これから一緒に寒霜の克服に取り組むという。「仙師府の雲禾はどうなるのですか?」「寒霜を克服せずに雲禾の救出は果たせまい」昊青は父もこうして幾度も選択の岐路に立たされたことを身をもって知った。↓new!その頃、長意(チャンイー)たちは同士を募りながら北淵を目指して旅を続けていた。空明(コウメイ)は長意の霊丹の傷に留意していたが、今のところ安定してる。一方、雲禾は仙姫からの拷問に絶える毎日だった。姫成羽(キセイウ)は鮫人が捕まらず苛立つ汝菱(ジョリョウ)の怒りの矛先が紀護法に向くかもしれないと警告したが、雲禾は長意さえ無事なら歓迎すると笑う。…長意、もし逃げ出せたらちゃんと説明する、許してくれる?…長意たちは半年かけて北淵に到着した。空明はこの先に青丘(セイキュウ)の末裔が移り住んだ地があると教えたが、実は凌霜台(リョウソウダイ)に最も近い場所でもあるという。しかし仙師府に対抗するためには狐族最大の力を誇る卿玄(ケイゲン)と手を組む必要があった。長意たちは偶然にも凌霜台台主・朱凌(シュリョウ)たちに追われる狐族を見かけた。霊丹を差し出し、仙姫に臣服するよう迫る朱凌、しかし少主・卿瑶(ケイヨウ)が反撃し、その隙に仲間を逃して自らおとりとなる。すると長意が駆けつけ狐族の娘を救出、空明が2人を逃がした。「空明、お前だったのか?!のこのこと良く現れたものだな?!」朱凌は裏切り者を捕えようとしたが、空明は術で朱凌を吹き飛ばし逃げてしまう。長意が助けた卿瑶は狐王・卿玄の娘だった。すると長意を見た卿瑶の従兄・奇鋒(キホウ)が仙姫が探しているお尋ね者の鮫人だと気づく。「手配書の似顔絵を見た、間違いない、ひっ捕えて突き出そう!」「私の命の恩人よ、敵に媚を売っても本当の自由は得られないわ」卿瑶は反対したが、その時、奇鋒がいきなり長意に襲いかかった。しかし長意は御水の術で剣を凍らせてしまう。その時、空明が駆けつけ、騒ぎを収めた。「長意、大丈夫か?」「ああ…」羅策(ラサク)は霊丹が傷ついたまま霊力を使った主人を心配した。そこで卿瑶はひとまず狐狸洞に身を隠すよう提案する。「配下には手出しさせないわ」↓もうおなじみです一方、汝菱はこれまで雲禾が御霊して仙師府に送った地仙たちを従棘所(ジュウキョクショ)に送り込んだ。霊丹を奪った雲禾への恨みは根深いはず、しかし予想外に地仙たちは雲禾を慕い、むしろ仙姫から守ると言ってくれる。「みんな護法の味方だよ!」「今の私には何もしてあげられないの…」「身内だろう?気にしないで」その中にはあの姑獲鳥(コカクチョウ)もいた。姑獲鳥はあの雛が故郷に戻り、生母のもとで健やかに育っていると分かると、他に用はないという。…長意、霊力を操れるようになったらあなたに会いに行くわ…狐狸洞に落ち着いた長意たち、すると卿瑶は従兄の無礼を詫びて狐族の補霊薬を差し入れた。「ありがとう…実は我らは狐王に会いに来た、引き合わせてもらえないか?」「それが…会わせたくても会わせられないの」実は狐王は凌霜台に捕らわれていた。かつて青丘は凌霜台と対等な関係だったが、朱凌が台主となるや高圧的になり、仙友たちを捕らえ、仙姫に取り入るようになったという。そして数年前、ついに奇襲を仕掛けられ、狐王は一族を守るためおとりとなった。『私に何があろうと朱凌に屈するな、青丘の誇りを汚されてはならぬ』卿玄はそう言い残し、娘たちを逃したという。「父は朱凌に捕らえられ、今も監禁されているの」長意は同盟を持ちかけるため北淵まで来たと明かした。「我らと組み、凌霜台と仙師府を攻めないか?」「事は重大ね、すぐには返事ができない」卿瑶はひとまず帰って行った。境遇が似ている長意と卿瑶、しかし羅策は善良な少主に比べて奇鋒は信用できないと警戒する。しかし長意は狐王が監禁されていると知り、見て見ぬふりはできなかった。その頃、楽游山(ラクユウザン)では青姫(セイキ)の術が功を奏し、離殊(リシュ)は人像を9割ほど回復していた。未だ戻って来ない雪三月(セツサンゲツ)。離殊は自分を恨んでいるせいだと落胆していたが、そんなある日、3つの霊薬を手に入れた三月が戻って来る。「離殊のためにここまで苦労するとはね…」青姫は三月の手の傷を見ながら、強がっていても離殊が心配なのだと分かった。「離殊が修行を乗り切れるよう見守ってやったら?」「…山の洞窟で知らせを待ってる」その夜、離殊は雪三月の霊薬のおかげで完全に人像を取り戻した。喜んだ離殊はこっそり洞窟の様子を見ることにしたが、三月が寒霜の発作で苦しんでいる。離殊は咄嗟に三月の体内の寒気を吸い取り、部屋を暖めて小屋に戻ると倒れた。翌朝、目を覚ました三月は凍結せずに済んだことに驚いた。その時、昨夜、薄れゆく意識の中で離殊の姿を見たような気がする。「離殊?」つづく( ๑≧ꇴ≦)唯一の癒し山猫が戻った~!
2023.04.13
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驭鲛记之与君初相识 The Blue Whisper第16話鹿台(ロクダイ)山の麓で待つ瞿暁星(クギョウセイ)と洛錦桑(ルオジンサン)の前に林昊青(リンコウセイ)が戻ってきた。しかし谷主は深手を負って激しく喀血、2人は結局、紀雲禾(ジーユンファ)の救出に失敗したと分かる。「本人が拒んだのだ」昊青はひとまず万花谷へ帰ると言ったが、洛洛は残ると訴えた。「錦桑、雲禾が唯一、望んだのはお前を守ることだった、失望させるな」一方、順徳仙姫(ジュントクセンキ)・汝菱(ジョリョウ)は張(チョウ)仙使から思わぬ報告を聞いた。実は林昊青が無断で従棘所(ジュウキョクショ)に侵入し、紀雲禾を連れ去ろうとして仙師・寧清(ネイセイ)に追い出されたという。「つまり師父があの逆徒をかくまっていると?」汝菱は紀雲禾が仙師の心を惑わせ生き延びたと誤解、激しく嫉妬した。仙姫が従棘所の雲禾のもとへ駆けつけた。「何と言って仙師に命乞いしたの?!教えなさい!」「それが知りたかったの?ふふふ…仙師と私の秘密よ」挑発された汝菱は激怒、雲禾を苦しめるためさらに寒霜(カンソウ)を付けた。「懲りずに逆らうなら苦しめないと気が済まない…あらあら、今頃ひざまずいても遅いわよ~」その時、雲禾は寒霜のせいで霊力が暴走し、再び九尾狐の姿になってしまう。九尾狐となった雲禾は凄まじい霊力を放った。しかし危ないところで寧清が駆けつけ汝菱を救う。汝菱は師匠に雲禾を殺すべきだと訴えたが、寧清は有無を言わせず汝菱を追い返した。すると寧清は雲禾が寒霜を増やされても死ねない理由を教える。「霊力は経脈に沿って移動する 寒霜の発作は経脈を凍らせて霊力を封じ、全身を凍りつかせるが 面白いことにお前の体内の2種類の霊力が衝突を繰り返しながらもお前を切り裂かぬ それどころか新しい経脈を作り出し、寒霜を中和している 卿舒(ケイショ)の霊力が新しい霊丹を生み出したのだ」実は林滄瀾(リンソウラン)は雲禾を双脈と九尾狐の霊丹を持つ怪物に変えたという。雲禾こそ寒霜を解いた最初の1人なのだ。雲禾は急に身体の力が抜けた。長意(チャンイー)を救うため、あえて深く傷つけ、自分を恨むよう仕向けた雲禾。死んで詫びるつもりだったが、まさかこの期に及んで死ねないとは何と皮肉な運命だろうか。「長意…私は死ねない…」すると寧清は悲しみに暮れる雲禾を残して出て行ってしまう。汝菱は紀雲禾に師匠が奪われるのを恐れた。そこへちょうど鮫尾(コウビ)で作った見事なはかまが届く。汝菱は早速、師匠を仙姫府に招き、この衣装で寧清の心をつなぎ止めようと考えた。その夜、汝菱は師匠に舞を披露した。寧清は帷に映る汝菱の影に合わせて伴奏したが、やがて汝菱が姿を見せると急に激高して琴の弦を切ってしまう。「なぜ衣装を変えた!」すると寧清は方術で汝菱をいつもの衣装に戻した。「鮫尾が手に入ったので師父にお見せしようと…」寧清はふと我にかえり、きつく叱り過ぎたと言って弦を直し、琴を聞かせた。汝菱は紀雲禾を殺すのをあきらめ、その代わり拷問することにした。そこで氷蛹(ヒョウヨウ)を放ち、雲禾を一気に凍らせてしまう。雲禾は流石に耐えきれず意識を失ったが、やがてふと目を覚ました。どうやら以前より耐性がついたのだろう。しかし寧清が現れ、理由を教えた。「やはり体内の鮫珠が効いているようだな…」「知っていたのですね?」「この世で東海鮫人の鮫珠だけが修復と再生の能力があるらしい 例え霊丹を失っても絶えず無限に再生できるとか…」「それを試したくて拷問を許したのね?」すると雲禾は残虐な行為に慣れ切っているのか尋ねた。寧清はかつて自分も同じ疑問を持ったが、答えは出ていないという。一方、長意は従者・羅策(ラサク)と東海へ戻った。その時、東海を封印している仙師府を目撃する。長意は激怒し仙師府を吹き飛ばしたが、張仙使が高笑いしながら現れた。「仙姫のお察し通り、お前が必ず東海に戻ってくると思い、待っていた、観念しろ」すると張仙使は鮫王の霊丹を見せた。「そうだ、忘れていた、鮫王は命令に背いて仙師府の弟子を傷つけた 仙姫から呪詛の金符12枚を食らい、一族郎党、仙骨を砕かれ、その場で処刑されたのだったな」長意は信じられなかったが、それでも張仙使が放り投げた霊丹を拾ってしまう。しかしやはり霊丹は罠だった。霊丹は弓に変わり長意の霊丹に突き刺さった。驚愕した羅策は必死に応戦していたが、その時、海から鮫王の権杖(ケンジョウ)が現れ、霊力で弓を抜き取ってくれる。そこへ空明(クウメイ)が駆けつけ、結界で仙師府を阻止しているうちに長意と羅策を連れて脱出した。長意は夢の中で父と再会、これからは自分が鮫族を守ると決意し奮起した。どうやら権杖にわずかな父の霊力が残っていたらしい。羅策は権杖がなければ今頃、主人の霊丹が砕け散って死んでいたと話し、安堵した。長意は仙師府への復讐を誓い、空明と手を組むことにした。しかし2人とも後ろ盾がなく、まずは仲間を探さねばならない。「紀雲禾という御霊師のことはもういいのか?」空明は長意の決心を試したが、長意は裏切られた痛みを忘れることはないと断言した。「ここに誓う、いつか東海を復興させ、鮫族を再起させる」実は空明は天君を頼ろうと考えていたが、まだ時期尚早だった。一方、汝鈞は姉が東海を封印させたと知り、憤っていた。自分の無力さを嘆く汝鈞、すると合虚(コウキョ)神君が″急がば回れ″だという。「ひとまず次の石をどこに置くか考えてみては?」そこで汝鈞は北に石を置いた。「仙師は北淵の地に大きな被害を与えた、私が立ち向かえる日が来たら北から突破する」その時、空明の金蓮が北を示した。北淵には放浪者が多く、仙師や仙姫を嫌っていた。しかし南に万花谷があるように北には凌霜台(リョウソウダイ)がある。空明は北進すれば凌霜台との交戦は免れないと警告したが、長意は危機も転機になり得ると言った。「出発だ」万花谷に戻った林昊青は雲禾の変化から寒霜を解く鍵が双脈だと気づいた。雲禾の身体を通して父が編み出した双脈こそが寒霜を解き、狐と化す原因だろう。「つまり雲禾は死なないと?!良かった!死ぬよりは狐のほうがいい!」瞿暁星は安堵し、これで皆の寒霜が解けることを期待した。しかし双脈は簡単に作れるものではなく、林滄瀾と卿舒が100年の歳月と心血を注いで生み出したという。その時、六英(リクエイ)長老が寒霜の発作に襲われたと知らせが来た。六英にはもう解毒薬が効かなかった。林昊青は自分の霊力を使ったが間に合わず、六英は絶命し消散してしまう。驚いた昊青はすぐ内殿に戻って書物を調べると、″天人(テンニン)の五衰(ゴスイ)″だと分かった。「老衰で寒霜に耐えられなかった、解毒薬を飲むのが遅過ぎたようだ 今回は六英長老だったが、今後も犠牲者は増えるだろう」昊青は瞿暁星に長老は病死だったと公表させ、憶測を防いだ。汝菱は雲禾が最も大事にしているのがあの鮫人だと気づき、再び従棘所にやって来た。そこで鮫王の美しい鮫珠を見せてやる。驚いた雲禾は思わず手を伸ばしたが、その時、汝菱が粉々に砕いた。「知らなかったでしょう?あの鮫人は東海鮫族の王子よ? 私が王子を苦しめていると知って東海に激震が走った 鮫王自ら陸上で戦い、仙師府の弟子を傷つけ、自ら殺される原因を作ったの そうそう、東海も封印したわ~あの鮫人が帰る場所ももうないの」雲禾は激しく動揺した。そんな雲禾の姿を見た汝菱は笑いが止まらない。「やっと絶望と無力感に打ちひしがれる姿を見たわ~ お前と縁ある者は悲惨な最期を遂げることになる」汝菱は長意が空明と一緒にいるのも気に食わなかった。「捕まえたら鮫珠だけでなく、身体も粉々に砕いてやるわ」「お願い…長意を許して…見逃して!」しかし仙姫は嬉しそうに帰ってしまう。全てを見ていた姫成羽は胸が痛んだ。「屈服していればここまで苦しまなかったのに…なぜそこまで鮫人をかばう?」「私に残された唯一の希望なのです…」林昊青は追い込まれていた。すると父の幻覚が現れる。…強者のみが大事なものを守り得る…いずれかの者と対峙する日が来るだろう、無敵にならねば到底、勝てまい昊青は令牌を眺めながら父の言葉が身に沁みた。…もしもお前が情け深いままであれば、どのような道を歩むことになるか考えよつづく( ゚ェ゚)ラバちゃんが動けなくなり、空明が出て来て急にトーンダウンw
2023.04.12
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驭鲛记之与君初相识 The Blue Whisper第15話仙師府との攻防の末、寧清(ネイセイ)に倒され紀雲禾(ジーユンファ)。その様子を遠目から林昊青(リンコウセイ)と瞿暁星(クギョウセイ)が見ていた。昊青は雲禾がついに寒霜を突破して父の計画が成就したと驚いたが、何も知らない瞿暁星は雲禾の行末を思い落胆する。「あなたのせいです!」「私は鹿台(ロクダイ)山に潜伏する、雲禾を必ず救う」その時、瞿暁星の腰にぶら下げた巾着で洛錦桑(ルオジンサン)が暴れ始めた。雲禾が目を覚ますと仙師府の従棘所(ジュウキョクショ)で囚われの身となっていた。すると急に鮫珠が痛み、長意(チャンイー)の身に何かあったと気づく。実はその頃、川に転落した長意は川岸に打ち上げられていた。運よく主人を探していた従者・羅索(ラサク)が発見したが、驚いたことに尾ひれも鮫珠もない。そこへ金蓮を持った見知らぬ男が現れた。「間違いない」男は羅策が止めるのも聞かず勝手に長意の傷を止血し、王子を助けたいなら麓の宿へ運ぶよう勧めた。「誰だ?」「知らなくていい、私は仙師府に命を狙われる者を必ず助ける 仙師府の企みを何としても阻止するために…」男は鮫人を逃がすため、仙師府の追っ手を自分に引きつけた。鮫人を捜索していた姫成羽(キセイウ)は川岸である男を見つけた。すると姫成羽は急に弟弟子たちを引き上げさせてしまう。実は長意を助けた男は仙師府の弟子だった空明(コウメイ)だった。空明は鮫人なら自分が逃したと明かして早々に立ち去ろうとしたが、姫成羽は仙師府に戻るよう説得する。「まだ師父に敵意が?…調薬も陣法も誰より優れていたのになぜ逃げたのです? 頭を下げれば師父も必ず許してくれます」「…お前は見る目があると思っていたが、奴の本性を未だ見抜けずにいるのだな」しかし寧清は自分を我が子のように育ててくれた恩師、姫成羽の師匠への忠誠心が揺らぐことはなかった。「もう2度と会わずに済むよう願うよ」空明は弟弟子に落胆し、去って行った。仙師府に戻った姫成羽は師匠に自ら罰を請うた。寧清は姫成羽が兄と慕う空明をかばっても仕方がないと寛大だったが、道を外れた者は敵になると警告する。「まあ鮫人はどうでも良い、だが新たに拾った獲物は興味深い、一緒に見に行こう」雲禾は鮫珠が落ち着いたことから、長意が危機を脱したと分かった。そこへ仙師と姫成羽が現れる。「成羽上仙、長意は?」「見つからない」雲禾は安堵すると、寧清は周到に考えたものだと感心した。「崖の下は川ゆえ鮫人が転落すれば傷は負えども死にはしない、そうもくろみ行動するとは面白い」すると雲禾は自分を生かしてどうするつもりか聞いた。寧清は万花谷(バンカコク)の誰かが考え出した小細工が気になると笑い、雲禾から一滴の血を採る。「天仙と地仙…両極にある力が反発してまた融合する、面白い」雲禾は仙師があっけなく林滄瀾(リンソウラン)の思惑を見抜いたことに驚きを隠せなかった。↓眉毛にあるクルリンパッ寧清は姫成羽に雲禾の世話を任せて先に帰った。「上仙、長意のことを教えてくれて感謝します、騙してごめんなさい」雲禾は万花谷や姫成羽が罰を受けたのではと心配したが、杞憂に過ぎなかった。実は寧清自ら仙姫に御霊師と鮫人が逃げたと伝えたこともあり、汝菱(ジョリョウ)は誰にも怒りをぶつけられずにいるという。「紀護法、事をあらだてない方がいい…師父も悪者ではない」「たとえ殺されなくても私は先が長くない…ここは窮屈だから少しくらい尊厳をください」雲禾は肉が食べたいと頼んだ。天君・汝鈞(ジョキン)は汝菱が怪我をしたと聞いて鹿台山を訪ねた。原因は姉の傲慢さゆえだと分かっていたが、弟に諌められた汝菱は憤慨する。しかし寧清が現れると途端に汝菱は笑顔になり、嬉しそうに駆け寄った。汝鈞は見送りに出た寧清に苦言を呈した。「私は今まで姉に甘過ぎた、そなたも師匠なら道理を説き、姉の態度を諌めるべきでは? …多忙な仙師のそばに姉が住むのも良くない、天庭に連れて帰り別の師父に預けたい」すると寧清の表情が急に険しくなり、あからさまに高圧的な態度を見せる。「つまり私が不徳で役に立たないと?」その時、雷沢(ライタク)神君と飛廉(ヒレン)神君が現れ、講義の時間だと断って天君を連れ戻した。寧清の不遜な態度は目に余るものがあった。汝鈞は閬風巓(ロウフウテン)にある菩提樹の中から父の法宝を取り出そうとしたが、やはり出てこない。法宝さえあれば百万の神兵を呼んで仙師と対抗できるはず、しかし父はまだ年若い息子に法宝を操れないと考えているのだろうか。その時、菩提樹の裏で眠っていた合虚(コウキョ)神君が目を覚ました。すると合虚が伸びをしてうっかり碁盤にぶつかり、石を落としてしまう。「これで3回目の流星だな…合虚神君、星を司るなら天数を遵守すべきだ そなたは居眠りしては下界に星を降らし、人間に願掛けさせて天庭を困らせる」 飛廉は呆れたが、汝鈞は合虚と対局したいと言った。一方、人間界ではようやく長意が目を覚ましていた。「羅策…なぜここに?」羅策は鮫王が手勢を出して長意を探させていると伝え、人間界を探し回っているうちに陸言葉まで身についたという。すると長意は見知らぬ男がいることに気づいた。羅策は元御霊師の空明だと教え、自分たちの味方だと説明する。「何でも主子と宿縁があるとか、ずっと探していたそうです」空明は鮫人の王子に尾を切らせて鮫珠まで奪った凄腕の御霊師とは誰なのか聞いた。すると羅策が確か追っ手が″紀雲禾″と話していたことを思い出す。「なんて残忍な…この巻き貝まで剣が貫いていますよ」羅策が見せたのは思過窟にいた頃、雲禾が波の音が聞こえると言って長意に贈った法器だった。もしや雲禾は巻き貝のある場所を狙って刺したのだろうか。しかし今の長意にとってはもはやどちらでも関係なかった。客桟を出た長意は願掛けの木に向かい、雲禾と一緒に互いの幸せを願った赤い布を消した。すると空明が現れ、長意が愛に傷ついて望みを失ったところだと気づく。「私はもう御霊師ではない、今はただの薬師、同じく仙師府のお尋ね者だ 私と共に仙師府に立ち向かう気はないか?」空明は金蓮が示す通り長意と共に戦う運命だと説得したが、長意は自分の預かり知らぬ事だと断った。「羅策、戻ろう」「無理強いはしない、東海へ逃げ帰り、全て忘れればいいさ」雲禾は結局、どこへ行こうと囚われの身なのだと失望した。…大尾巴魚(ダーウェイバーユー)、早く東海へ帰って、東海はあなたの世界、仙師も仙姫もあなたに手出しできないわ…すると雲禾は尾ひれを取り戻して海に戻った長意の夢を見た。しかし長意は雲禾の裏切りに激怒し、2度と会うことはないと言い放って海に消えてしまう。汝鈞は父と親しかった合虚神君と碁に興じていた。「…私は霊力が弱く、仙師の野心を知りつつ阻めぬ、仙師に懐柔された姉上も連れ戻せない 父上の法宝が私を認めないのは父上が私に失望しているからでは?」「この世の禍福は誰にも分かりません 仙師が強気を示すのは実は天君を恐れているからでは?」すると合虚はかつて天君を連れて人間界へ行った時、汝鈞が失意の者を励ました事を思い出した。「その時に縁が芽生えた、縁が繋がる時に因果が現れます」「それはいつだ?」しかし合虚はまた居眠りを始めてしまう。空明は寒霜で死んで行く御霊師を見て仙師府を逃げ出した。人間界で失意のどん底にいた空明、すると激しい雨の中、誰かが傘を差し出してくれる。『私は死を望む、情けは無用です』『虫けらが蝉になれば秋の露を飲み、腐った草から出た蛍は夏の夜に光る… この世に無用の者はいない』汝鈞は罪を犯したのなら償えば心が安らぐと教えた。すると急に雨が上がって晴天となり、合虚は空明に金蓮を贈る。『お二方は人間ではありませんね』『…道は長いが待ち続ければ縁を得られよう、覚悟はあるか?』『死んでも全うします』それ以来、空明は金蓮の導きで縁を探していた。すると金蓮はまた東を指している。「″東海″か…仕方ない、もう一度、掛け合おう」空明はやはりあの鮫人こそ自分と縁ある者だと確信した。瞿暁星はようやく思い出して洛洛を巾着から解放した。自由になった洛洛は早速、雲禾を助け出すことにしたが、瞿暁星に止められてしまう。「相手は仙師だ、指1本で殺されてしまうぞ?」すると瞿暁星は谷主が雲禾を救うため鹿台山に潜伏していると教えた。林昊青は隙を見て従棘所に忍び込んだ。しかし雲禾は自分を裏切った師兄と逃げるつもりはないという。「お前を守るためだった、私はお前の兄代わりだ、帰ろう、お前の家は万花谷だ」「万花谷は家ではない、もとの牢に戻るのと同じよ」「…私がそばにいるのはお前にとって足枷か?」←いや顎枷だ( ̄▽ ̄;)「もう私に関わらないで…」昊青はそれでも雲禾を連れ出そうとしたが、その時、仙師が現れた。寧清は林昊青が潜伏していることなどとうに気づいていた。「林滄瀾の息子か?ふっ、林滄瀾胸の内なら知っていた、私は面従腹背を最も嫌う」すると林昊青は父の死を自業自得だと言い放ち、仙師の信頼に背き、雲禾を犠牲にするのが不快だったいう。「しかしこれからは私が谷主、仙師に忠義を尽くします」寧清は寒霜の発作を与えたが、今回だけは昊青を見逃した。「この者は私が預かる、万花谷が背かぬ限り殺しはせぬ」雲禾は仙師が師兄をわざと簡単に忍び込ませたと分かっていた。実は2人が1歩でも外へ出ていれば陣が起動して一瞬で粉々になっていたという。すると寧清は早めに教訓を与えただけだと言った。「今日は逃がしてくれたことに感謝します」つづく
2023.04.11
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驭鲛记之与君初相识 The Blue Whisper第14話明日の入山を前に人間界で灯籠節を満喫する紀雲禾(ジーユンファ)と長意(チャンイー)。露店の魚釣りでは見事に金魚を釣り上げ、お揃いの赤い糸を手に入れた。また2人は人間たちのように赤い紐を木に吊るし、互いに愛する人の幸せを願う。そんな仲睦まじい2人の様子を密かに林昊青(リンコウセイ)が見ていた。…雲禾、お前の命は必ず私が守る…すると瞿暁星(クギョウセイ)が駆けつけ、準備が整ったと報告した。雲禾は計画通り郊外の山荘に長意を案内した。「今夜の買い物をここに飾ったの」長意はようやく雲禾がなぜ自分が手に取った物を片っ端から買っていたのか気づいて笑顔を見せた。いざとなると手放し難い長意との幸せ…。すると長意が露店でもらった赤い糸を雲禾の手首に巻いてくれた。雲禾は必死に涙をこらえ、長意の手首にも赤い糸を巻く。「これでどこにいても雲禾を見つけられる 今世だけでなく来世も私は君を見つけ一緒に生きられる、そうだろう?」「待ってるわ、でも今は別れなければ…長意、私の思いは変わらない」雲禾は長意に口づけした。…どうか来世はもっと早くあなたと出会えますように…夜も更けてきた。楽しかった2人だけの時間もそろそろ終わる。すると長意は雲禾にこのまま山荘へ残るよう勧めた。「父上が言っていた、誰かと別れる時、その姿を見送るのはつらいと…」「そうね…私やっと分かったの 私が求める自由は遠い場所にあるのではなく、恐れを捨てた心の中にあると だから私はもう何も恐れない」「君が今夜のようにずっと幸せであるよう願う」「あなたも勇敢で自由であって欲しい」その時、雲禾はいきなり術をかけ、長意を眠らせた。「あなたは何もかも美しい、正直で強くて、そして温かい、それをずっと守り続けてね」雲禾は仙姫の禁錮符から長意を解き放ち、そっと口づけして別れを告げた。すると中庭で林昊青が待っている。「長意を託すわ、目が覚めたら逃して欲しい」「私の言葉を素直に信じるだろうか」「彼は欺かれるのを何より嫌うの、利用されたと知れば私を見限るはずよ …兄長、これは私の一生で最後の最も美しい御霊だった、必ず約束を守って欲しい、お願いします」そこへ瞿暁星が洛錦桑(ルオジンサン)を連れて駆けつけた。「ダメよ!行かせないから!長意のために私まで捨てるの?!」「今後は自分のために生きて…」雲禾は洛洛の霊丹を解放し、宿営に戻ってしまう。鮫人が消えた。仙師府の姫成羽(キセイウ)は雲禾が連れて戻らなかったと気づき、天幕に駆けつける。すると雲禾は上仙まで巻き込んだことを謝罪したが、流石に仙師の愛弟子なら殺されないだろうと微笑んだ。「…大尾巴魚(ダーウェイバーユー)、今夜で何もかも終わるわ」しかし林昊青は約束を反故にしていた。瞿暁星は中庭で待っていた谷主に鮫人が目を覚ましたと報告した。「洛錦桑は?」「ここに…号泣のあまり失神しそうになったので薬で眠らせました」蝶蝶に戻った洛洛は巾着の中で大人しく眠っている。「目覚めたらどれほど嘆くでしょうか」「そうだな」すると林昊青は寝所に入り、鮫人に雲禾が自ら捕らわれに行ったと教えた。驚愕する長意だったが、昊青は思うようにしろと言って結界を破り、解放してしまう。瞿暁星は谷主が初めから鮫人を逃すつもりなど毛頭なかったと気づき、もしや雲禾に恋をしているのかと迫った。「雲禾が好きだから鮫人に嫉妬し、鮫人を宿営に戻らせて雲禾を救うつもりですか?!」しかし昊青は肯定も否定もしなかった。「どんなに望みが薄くても雲禾を助ける」鮫人が宿営に戻った。驚いた雲禾は残酷な手段を使っても長意を突き放すしかないと覚悟を決めて天幕を出る。「バカな、命を捨てに来たの?!鮫珠も奪えたし芝居は終わり!あなたにはもう何の価値もないわ! 騙すのも御霊の策のひとつ、本気で私の愛を信じたと? 心を御するとはつまり策を弄すること、あなたがあまりに哀れだから全部、教えてあげるの」その時、守衛たちが現れた。「…雲禾、私が信じると思うか?」すると長意は雲禾を連れて逃げ出してしまう。林昊青と瞿暁星は今頃、鮫人が捕まったはずだと話しながら宿営に向かっていた。しかし思いがけず雲禾を連れて逃亡する長意の姿を見かける。逃亡は重罪、捕まれば命はない。そこで昊青は雲禾を救うため、密かに追っ手を邪魔した。長意は雲禾の手を引いて逃げたが、やがて行き止まりになった。「道がないわ、もう離して」「嫌だ…ここを出れば自由だ」「あなたは誤解している…私の本当の望みは何の憂いもない自由のことよ 邪魔者につきまとわれ、逃げ回ることじゃない、何て愚かなの?」雲禾は短剣を招喚して手を離せと脅したが、それでも長意は納得しなかった。「私には君の心が分かる、何か訳があるなら話してくれ」「…鮫人の御霊はもう終わり、あなたを騙すことにも飽きたわ、それだけのこと!」すると雲禾は長意の手を振り払った。「あなたがここで死のうが私には関係ない…」雲禾はいきなり長意の胸を刺した。そして短剣を抜くと、今度は自分の手首の赤い紐を切ってしまう。その時、追っ手たちの声が聞こえた。雲禾は長意を逃すため咄嗟に仙術を放ち、崖から突き落としてしまう。…来世では信じすぎないで…長意は谷底に落下しながら、父の言葉を身をもって学んだ。…父上が言った通りだった、陸は偽りだらけ、心はどこにもない…雲禾は落下する長意を見守りながら、これで良かったと思い込んだ。「私を恨み、2度と戻らないで」長意は全て嘘だったとあきらめ、目を閉じた。すると虚しくも手首から赤い紐が外れてしまう。一方、崖の上では雲禾が長剣を構え、仙師府の追っ手たちを阻んでいた。姫成羽はあまりに無謀すぎると困惑したが、その時、騒ぎを知った順徳仙姫(ジュントクセンキ)・汝菱(ジョリョウ)が降臨する。「仙姫までご登場とは…盛り上がってまいりました~」「私の命に背くとは…死にたいの?」「仙師を盾にする不埒者めが、身勝手な要求は通用しないと教えてあげましょう 長意への恩を仇で返すだなんて…いいところに来たわ、長意に代わり私が復讐する!」「何と無礼な…」汝菱は姫成羽に雲禾の始末を任せ、他の弟子たちには鮫人を捕らえるよう命じた。しかし雲禾が自分の手を切って血を流し、崖を結界で封じてしまう。「させるものか…崖に近づいてごらんなさい…誅!」(ΦωΦ)<ちゅー! ←ネズミではないw雲禾の仙力は汝菱たちの想像を超えていた。しかし急に異なる霊力が暴走し、雲禾が苦しみ始める。姫成羽は雲禾を殺すに忍びなく諦めるよう説得したが、雲禾は何があろうと退かないと拒んだ。「かかってこいや!」そこで汝菱は弓を放てと命令した。雲禾は長剣を回転させ矢を蹴散らしていたが、やがて剣が吹き飛ばされてしまう。雲禾の身体を矢が貫いた。しかし倒しても倒しても雲禾は不屈の精神で立ち上がってしまう。汝菱はついに自ら仙弓を放って止めを刺したが、ふいに雲禾の身体が軽々と舞い上がった。「…あれは九尾狐?」姫成羽はなぜ御霊師の身体に地仙の霊力が備わっているのか分からず動揺した。すると天仙と地仙の霊力が融合した雲禾は仙師府の弟子たちを九尾でなぎ倒し、もはや姫成羽さえも吹き飛ばされてしまう。汝菱はあまりの恐ろしさにじりじりと後退した。「もし私に触れたら…お前の身体を切り刻んでやるから!」キタキタキタキタ━━━(゚∀゚≡(゚∀゚≡゚∀゚)≡゚∀゚)━━━━!!雲禾は九尾で汝菱を投げ飛ばした。岩にぶつかった汝菱は気を失ったが、その時、仙師・寧清(ネイセイ)が駆けつけ雲禾を封じることに成功する。「仙にあらず狐にあらず…面白い」姫成羽は師匠のもとに駆けつけ、慌てて失態を詫びた。「このことは汝菱を始め誰にも言うな、面白き者だ、従棘所(ジュウキョクショ)に入れておけ」すると寧清は慌てて汝菱のもとへ向かった。つづく( ゚ェ゚)でもでもでも…赤い糸、始めから切れてるやんw
2023.04.09
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驭鲛记之与君初相识 The Blue Whisper第13話紀雲禾(ジーユンファ)は長意(チャンイー)が順徳仙姫(ジュントクセンキ)・汝菱(ジョリョウ)に会いに行ったと知り、歴風堂へ急いだ。すると道すがら仙師府の姫成羽(キセイウ)と出くわし、鮫人(コウジン)が紀護法の同座を望んでいると伝える。雲禾は病身で御前に出ることができなかったが、外で立ち会わせてもらうことにした。長意は雲禾の姿を確認すると、仙姫を喜ばせるため歌を披露した。さすが鮫人の歌は天下一と言われるだけあって仙姫も絶賛、しかし雲禾だけは長意が仙姫ではなく自分のために歌っていると気づき涙ぐむ。すると長意は仙姫と共に仙師府に行くと同意し、その代わり紀護法を自由にして欲しいと頼んだ。汝菱はお安いご用だと言ったが、鮫珠(コウジュ)を受け取るまでは信じられないという。そこで長意は仙師府に入ったのち吉日を選んで献上すると時間を稼いだ。「鮫珠は鮫人だけが有する宝珠で、長年の修練を経て完成します ゆえにぞんざいに扱うことはできない、心から想う相手にのみ渡します 生涯、裏切らないと誓い、決して取り戻すこともない、相手の望みが叶うように…」雲禾は長意の言葉に胸が傷み、そこで帰って行った。雲禾は長意が自分のために犠牲になるつもりだと分かった。そこで林昊青(リンコウセイ)にも長意の護送に同行するよう頼み、途中で逃して欲しいと懇願する。「私は残り少ない命よ…問責されたら私に謀られたと訴えて、処刑は私1人で済むわ」昊青は雲禾を失うことはできないと訴え、例え仙師府に屈服しても救いたいと言った。しかし雲禾は長意への自分の気持ちに気づいてから迷いはなくなったという。「自由になりたいという夢は叶わなかったけれど、彼が自由になれるなら死んでもいい …兄長の努力にも心から感謝してる、残された日々を心のままに過ごしたい」長意の護送の任は姫成羽が引き受けた。雲禾は最後に万花谷を案内したいと頼み、許可をもらって長意と花海に出かける。「…長意、伴侶を失った鮫人はどうするの?別の相手と結ばれる?」「鮫人の伴侶は一生に1人きりだ、でも君が鮫人の掟に縛られる必要はない」「じゃあ誰かを憎んだ場合は亀に変身する呪いをかけるの?」「いや、海の泡みたいに吹き消してやる…なぜ?」「(泡か…)ほら、仙姫の来世がタコだったらザマーって」雲禾はたとえどんなに恨まれても長意を突き放す覚悟を決めていた。翌朝、雲禾は出立前に鹿台山への道すがら、人間界で仙姫への土産を探したいと頼んだ。張(チョウ)仙使は仙姫を待たせるつもりかと憤慨したが、姫成羽は別に経路を問われていないと許してくれる。「ただし人間界では仙術を使わないこと、路程を遅らせないよう留意して欲しい」一方、楽游山を追い出された雪三月(セツサンゲツ)はあてもなく人間界をさまよっていた。そこで偶然、つましく暮らす地仙夫婦と出会う。三月は2人の仲睦まじい姿を見ながら離殊(リシュ)との幸せな生活を思い出し、やっと素直になった。「…岱輿(タイヨ)へはどう行けばいいの?」雲禾は町を通るたび長意を連れて物見遊山に出かけた。林昊青や姫成羽は知っていながら見逃してくれたが、協力している瞿暁星(クギョウセイ)は気が気でない。その頃、雲禾は長意に実際の人間の生活を見せていた。長意は雲禾と揃いの玉飾りを買うことにしたが、店主は鳳凰やおしどりといった対になるものを選ぶよう勧める。「魚と人間じゃ対にならないでしょう?」すると雲禾は大事なのは当人同士の気持ちだと断ってそのまま買った。しかしせっかく買った玉飾りをここに残していきたいという。「この先、何があろうと記念として残るから」「そうだね」(๑・᷄ὢ・᷅๑)そうか?雲禾と長意が遊びに出かけるたびに一行は休憩した。張仙使は洛錦桑(ルオジンサン)と瞿暁星の話を盗み聞きし、2人が逃亡の手助けをしていると怪しむ。しかし運良く戻ってきた雲禾が現れ、仙姫に献ずる山の宝を用意したところだとごまかした。疑り深い張仙使はいきなりふたを開けてみると、蜂が飛び出して来る。「うわーっ!」「聞いてくれれば霊魔蜂だと教えたのに~勝手に開けるから」「紀雲禾めーっ!」すると雲禾は急に霊力が暴走し、立ちくらみを起こした。林昊青は雲禾に薬を飲ませた。しかしこれ以上は身体がもたないかもしれない。雲禾は残された時を大事に過ごしたいと笑い、最期くらい好きにさせて欲しいと訴えた。翌朝、雲禾は明日の入山を前に見たいものがあるか長意に尋ねた。すると長意は最後に雲禾の行きたい場所や好きな物を知りたいという。「君のことをもっと知って深く理解したい」「それなら私の行きたい場所へ…」雲禾は長意の手を取り、見晴らしの良い崖に出た。雲禾は目を閉じ、両手を広げて全身で風を浴びた。眼下には麓の町が広がっている。すると長意は雲禾に相応しい姓は″風(フウ)″だと言った。「君は風のように自由でいるべきだ」雲禾は嬉しそうに微笑み、2人で石の上に座った。「人間は仙人に憧れる、どれほど寂しく葛藤しているかも知らずに、長く生きても孤独が続くだけよ 人間は地道に生きている、太陽と共に起きて共に眠る、四季の移ろいを楽しみながら だから私は人間界を眺めるのが好きなの、見て?美しいでしょう?」「…美しい」長意は思わず雲禾の横顔を眺めながら言った。「あなたも…こんな穏やかな時が永遠に続くといいのに あらゆる世界から争いごとが消えることを祈るわ、悠久の自然と永遠に共存する」今日は中秋節だった。雲禾は長意と人間界の灯籠祭りを見に行こうと決めたが、姫成羽が現れる。「紀護法、別れを前に情を深めるなと忠告した」「長意と悔いのない日々を過ごすと約束しました、逃げるならとうに消えていますよ」「…真夜中までには戻れよ」すると2人は麓へ向かった。張仙使は蜂に刺され、先に帰った。洛洛は雲禾の予定通り決行するつもりだったが、林昊青が急に態度を変える。「一体、何の話?長意をどうするの?」「私は雲禾を守る、お前はここにいろ!」雲禾と長意は灯籠祭りを楽しんだ。すると金魚釣りの露店で景品が″赤い糸″だと知る。長意は赤い糸で結ばれた相手と死ぬまで添い遂げると聞いたことを思い出し、雲禾に頼んだ。しかし雲禾はなかなか魚を釣ることができない。その時、長意が術を使い、金魚を集めてくれた。「やった!釣れたわ!…赤い糸ちょうだい!」つづく
2023.04.08
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驭鲛记之与君初相识 The Blue Whisper第12話林昊青(リンコウセイ)が内殿に引きこもり数日、経った。万花谷(バンカコク)には不穏な噂が流れ始め、心配した瞿暁星(クギョウセイ)は紀雲禾(ジーユンファ)に助けを求める。しかし雲禾が声をかけても昊青から何の返答もなかった。「兄長…いるんでしょう? そう言えばお母様が亡くなった時も引きこもっていたわね? 外で待つわ、あの時と同じように…悲しみが癒えるまで寄り添う」やがて憔悴しきった昊青が出て来た。「ありがとう、雲禾…聞きたいことがある、愛する人を守るためにどれだけ代償を払える?」「何でも払うわ」「そのせいで信用を失い、憎まれたとしても?」「その人を守れるなら構わない」昊青は何やら納得すると、明日の継承の儀には参加して欲しいと頼んだ。洛錦桑(ルオジンサン)はやっと万花谷を離れられると喜んだ。しかし雲禾は何もかも順調過ぎてかえって不安だという。「林昊青の目つきが変わっていたわ…何か隠しているみたい」長意(チャンイー)は心配なら今すぐ発とうと提案したが、雲禾はせめてもの恩返しに明日の儀式に参列したいと言った。林滄瀾(リンソウラン)の死に疑問を持つ長老も多く、自分を支持する長老たちをなだめるためにも林昊青の谷主就任を祝福したいという。「これで数百年も続いた争いに終止符を打てるわ」実は解毒薬は儀式のあとにもらう約束になっていた。林昊青は雲禾の後押しもあり無事に万花谷の谷主の座についた。儀式は滞りなく終了し散会、雲禾はそのまま残って昊青から解毒薬をもらえるのを待つ。しかし昊青は約束を反故にし、引き続き護法として万花谷に留まってもらうと言い放った。その時、戦部が現れ、雲禾は拘束されてしまう。一方、洛洛と長意は荷物をまとめて今か今かと雲禾の帰りを待っていた。するとなぜか瞿暁星たちがやって来る。「悪いが出発は取りやめだ」雲禾の身に何か起こったと気づいた長意は激怒、氷鋲を招喚した。「雲禾はどこだ?!」「長意、雲禾のためにも軽率に動くな」長意は雲禾の安全のため、おとなしく収監された。雲禾と洛洛は居所に拘禁されたが、思いがけず雲禾が林昊青の結界を破ることに成功する。「すごいわ雲禾!隠れて修行していたの?」「長意の尾が断たれてから霊力がたまに暴走するようになったの…」雲禾は思過窟に駆けつけたが、長意の姿はなかった。激情に駆られた雲禾は急に暴走する霊力に困惑したが、そこへ瞿暁星が現れる。「戦部統領の座が欲しくて裏切ったわね?言いなさい!長意はどこ?!」瞿暁星は谷主が長意を隠したのは雲禾に愚かな真似をさせないためだと訴えたが、雲禾はもはや林昊青は敵だと言い放った。「あなたは?私を助ける?敵になる?」雲禾が内殿に現れた。「誰がお前を逃した?」「私を阻める者などいない、長意はどこなの?」林昊青は雲禾の様子がおかしいと気づき、ついに秘密を明かすことにした。内殿の壁の奥には密室があった。実は林滄瀾も自分たちと同じように寒霜(カンソウ)に苦しめられていたという。「ここで見つけた父が遺した文と箱だ…」林昊青は父がなぜ張(チョウ)仙使を丁重に迎えるのか不思議だったが、それもそのはず、張仙使は定期的に父に解毒薬が入った箱を届けていた。仙師が万花谷で修行し出世した一方、林氏一族は後継ぎが何人も死んでいた。林滄瀾は仙師が万花谷を恨んでいると考え帰順したが、その際、仙師が寒霜で万花谷を支配したのが始まりだという。「でも私の発作は使者が来る回数より頻繁だったわ」「お前は別格だ」実は林滄瀾は寒霜を抑える方法を探っていた。やがて天仙と地仙の霊力の融合が有効だと突き止め、自分と卿舒(ケイショ)の力で御霊師を鍛え始めたという。しかし異なる霊力を制御できなければ激烈な寒霜が誘発された。多くの御霊師が耐えられず岩山に葬られたが、唯一、耐え抜いたのが雲禾だったという。林昊青はこのまま父の遺志を継いで実験を続け、仙師を倒して林氏を再起させると話した。しかし急に雲禾が暴走する霊力を抑えきれず、苦しみ始める。昊青は急いで霊力の衝突を中和させる薬を飲ませ、このまま寒霜を一気に突破できなければ、経脈を損ねて死ぬと教えた。「残された時間は1ヶ月もない、鮫人のことは忘れろ、命の方が大事だ」昊青は必ず雲禾を救うと約束したが、その時、外から瞿暁星の声が聞こえた。「谷主!仙姫が来ました!」順徳仙姫(ジュントクセンキ)・汝菱(ジョリョウ)が仙師府の弟子たちと一緒に万花谷にやって来た。ちょうど近くまで来たついでに鮫人の様子が見たいという。 昊青は仕方なく仙姫に鮫人を会わせることにしたが、雲禾にはくれぐれも冷静に対応するよう釘を刺した。汝菱は林滄瀾が死んだと聞いても興味がなさそうだった。すると歴風堂に捕縛された長意が連行されてくる。汝菱は美しい鮫人のもとへ自ら歩み寄り、近くに滞在する数日は自分に仕えるよう命じた。しかし雲禾は尾を切られたばかりで鮫人は歩き回れないと口を挟んでしまう。「鮫人は私の機嫌を取らねばならないの、承服させてちょうだい」「…強要はできません」林昊青は焦ってすぐ謝罪するよう命じたが雲禾が拒否、仙姫の怒りを買った。汝菱は雲禾を鞭で打った。雲禾は血を吐いても強要できないと拒んだが、驚いた長意が急に口をひらく。「やめろ!…何でも従うから雲禾を見逃してくれ!」「仙姫の私が望めば何だって手に入る、従うのは当然、取り引きはしないわ」林昊青は仙姫の怒りを鎮めようとひざまずき謝罪、長意も不本意ながら過ちを認めた。すると見かねた上仙の姫成羽(キセイウ)が現れ、横暴な仙姫を諌めてくれる。「鮫人を御しがたいのは事実であろう、ここは大目に見て時間を与えてはどうだ?」汝菱は師匠の愛弟子である師兄を無下にできず、おとなしく言う通りにした。汝菱は鮫人の縄を解いた。どちらにしても禁錮符があれば逃げられない。「今回は軽い処分で済ませるけれど、もし鮫人が逃げたりしたら御霊師の過失とし連座させる 紀護法はしっかり監視してね」すると汝菱はすっかり興を削がれたと言い捨て、10日ほど猶予を与えて帰って行った。雲禾は呆然としたまま歴風堂に残っていた。すると仙師府の弟子が戻って来る。「姫成羽と申す、先ほどの仙姫は目に余る、私が代わりに謝罪しよう」姫成羽は自分にも仙侍がいたことがあったと話した。山の中で助けたのが縁で、共に旅をしながら成長し、主従関係というより兄弟のようだったという。「鮫人をかばう紀護法が昔の私と重なった」「その仙侍は今も?」「…仙姫に気に入られ連れ去られて以降、音信が途絶えた」姫成羽は雲禾に同情的だったが、任務である以上、教化を果たすべきだと助言した。雲禾が重い身体を引きずりながら思過窟に現れた。長意は雲禾を心配したが、雲禾は罰なら慣れっこだと強がる。「長意、出発は10日後よ、それまでに禁錮符を外す方法を考えるわ 守衛を引き離すから先に逃げて、私は後から逃げられるから…」雲禾は長意が仙姫から逃れるためには鮫珠が必要だと気づき、ひとまず長意に返すことにした。しかし身体から取り出そうとしても出すことができない。「雲禾、演技が下手になった…鮫珠は約束の証し、約束が変わらぬ限り取り出せない」長意は雲禾が自分を逃すため犠牲になるつもりだと分かった。自分が逃げれば雲禾に矛先が向かい天雷の罰を受けるのだろう。「雲禾、君を置いてはいけない」「…相談の余地はない、必ず逃げて」すると雲禾は怒って帰ってしまう。雲禾は花海でひとり涙に暮れた。師兄の話ではこの身体は強い霊力に耐えられず、恐らく死ぬことになる。…私のために全てを捨てさせるなんてできない…雲禾は必ず長意を逃がし、自由にしなくてはならないと心に決めた。雲禾が居所に戻ると洛洛と瞿暁星が待っていた。実は2人は谷主から雲禾の状態を全て聞いたという。雲禾は自分を憐れむなら長意だけでも逃す方法を考えて欲しいと頼んだ。「洛洛、暁星、2人と出会えて幸せだったわ、最後の頼みを聞いて」「嫌よ!」洛洛は思わず背を向けて泣いてしまう。その様子を林昊青が見ていた。…紀雲禾、お前をそう簡単に死なせてなるものか…長意は洛洛が届ける食事に手をつけなかった。心配した洛洛は雲禾に報告したが、雲禾も決して長意には会わないと譲らない。こうして2人が意地を張って8日目、長意は仕方なく姫成羽を呼んだ。「私に何か用か?…あさって出発だ、やり残したことがあるなら手を貸そう」「仙姫に会いたい」一方、雲禾はどうしたら鮫珠を返せるのか悩んでいた。長意が鮫珠を持っていないと分かれば仙姫にいたぶられてしまう。すると瞿暁星が駆けつけた。「雲禾!長意が仙姫に会いに行った!」つづく
2023.04.06
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驭鲛记之与君初相识 The Blue Whisper第11話林昊青(リンコウセイ)と紀雲禾(ジーユンファ)は万花谷(バンカコク)に張(チョウ)仙師が来る3日後、行動に出ると決めた。卿舒(ケイショ)は直ちに谷主に報告、すると林滄瀾(リンソウラン)は卿舒に霊丹を返して主従の契約を破棄し、全て終わったら北淵の兄の元へ帰るよう勧める。「好きなことをして生きるがいい」「…はい」一方、長意(チャンイー)は雲禾と林昊青が谷主に挑むと知り、協力を申し出た。昊青は長意の策を聞いて納得したが、雲禾と2人だけで話したいという。そこで雲禾は嫉妬する長意をなだめて外で待たせた。雲禾は部屋の荷物をまとめ、すぐにでも出ていけるよう準備していた。すると林昊青は長意と去っても仙姫から逃げ回ることになると指摘、自由とは程遠いという。「本気なのか?父がいなくなれば万花谷はむしろ安全な場所になるぞ? 鮫人以外の者に一生を託す気はないか?」雲禾は師兄の言葉に驚いたが、決意は固いと断った。「長意は私にとって唯一無二の宝物よ、彼と生きられるなら悔いはない 師兄が望まない平凡な暮らしでも私は十分、満足よ」「雲禾、私が望まぬとなぜ分かる?」昊青は思わず口を滑らせ失笑し、ともかく互いの願いを叶えようと言った。万花谷に張仙使が弟子たちを引き連れてやって来た。谷主から鮫尾の宝珠を受け取り上機嫌の仙師、しかし仙姫が修行を終えた仙師に鮫人を贈る予定のため、教化を急いで欲しいという。その時、瞿暁星(クギョウセイ)が突然、歴風堂(レキフウドウ)に飛び込んできた。「卿舒大人(ダーレン)、護法が急ぎの用です」卿舒は無礼だと瞿暁星を叱責したが、谷主に目配せして黙って出て行ってしまう。すると林滄瀾は他にも献上物があると伝え、仙師を見送ることにした。卿舒は花海(カカイ)で雲禾と林昊青の陣に捕らわれた。実は百幻蝶(ヒャクゲンチョウ)である洛錦桑(ルオジンサン)の鱗粉(リンプン)を花に仕込み、卿舒の力を弱めておいたという。この策を考えついたのは長意だった。雲禾たちはあらかじめ解毒薬を飲んでおいたが、長意は抵抗した卿舒の暗器で手を怪我してしまう。雲禾は洛洛に負傷した長意を連れて戻るよう頼んだ。すると瞿暁星が駆けつけ、谷主が内殿に戻ったと報告する。「護衛は出払っており、解毒薬を奪う好機です」「師兄、卿舒は私に任せてあなたが行って、親子のことは自分でけりをつけた方がいい」瞿暁星は少谷主に同行したが、あまりに順調過ぎて妙だと言った。しかし今さら引き返すこともできず、林昊青は暁星を外に待たせて独りで内殿に入る。「やっと来たな」昊青は父に退位を迫り、隠棲を勧めた。すると林滄瀾は息子がやはり軟弱で情にもろいと嘆き、驚いたことに息子を蹴り飛ばして車椅子から立ち上がる。物音を聞いた瞿暁星は少谷主を救おうとしたが、結界に弾き飛ばされ意識を失った。その頃、雲禾は卿舒が遠くを見る眼差しに気づき、何か企みがあると分かった。思えば青丘(セイキュウ)で最強の九尾狐(キュウビコ)が鱗粉ごときでおとなしくなるはずがない。「林滄瀾と結ばれる望みは捨てたの?」青丘の狐たちは世に隠れて生きるが、卿舒は林滄瀾のため家族を捨てて仙侍になっていた。雲禾は情があるからだと見抜き、恋愛禁止の万花谷を出れば自由になれると懐柔する。「自分が望むまま生きたいと思わない?」しかし卿舒は谷主が重荷を負ってからは心を封印し、家族さえも欺いて生きて来たと言った。「私の願いはひとつ、谷主の望みさえ叶えられたら満足よ」すると卿舒は陣を破り、雲禾に襲いかかった。林昊青は父にずっと欺かれていた。恐らく雲禾との計画も知っていながら、自分に合わせて猿芝居をしていたのだろう。昊青は卿舒が捕まったのも罠だと気づき、思わずひざまずいて雲禾を見逃して欲しいと懇願した。すると林滄瀾は剣を差し出し、雲禾を守りたいなら自分を殺せと迫る。追い詰められらた昊青はついに剣を拾って父に突きつけたが、結局、殺せなかった。林滄瀾は心が弱く大事をなせない息子に深く失望した。しかし生死の境目でも大義を守ったことは嬉しいという。「私には永遠にできぬことだ…」一方、卿舒は雲禾に霊力を使い果たし、ふいに手を止めた。「殺さないの?」「…私は谷主の大業を助けたいだけ、あなたは谷主にとって重要なの 時が来たわ、谷主を見送りに行かなくては」林滄瀾が突然、寒霜の発作を起こして倒れた。実は林滄瀾も寒霜があり、すでに命が尽きかけていたという。「私にはもう寒霜を抑える解毒薬は効かぬ…紀雲禾なら無事だ…あれは万花谷に役立つ …かの者はあまりにも強すぎる、私が冷酷にならなければ勝ち目はなかった かの者に勝つためならば誰かを殺してもやむを得ぬと思っていた… 昊青、お前は決して私のようにはなるな…」すると林滄瀾は事切れた。その時、卿舒が戻ってくる。卿舒はこれが谷主の選んだ道だと教え、少谷主の手から愛しい谷主を受け取った。「父上の語ったことはどういう意味だ?」「密室の中を見ればお分かりになるでしょう 谷主は厳しく冷酷でしたが、子を思う真心は間違いなく本物でした」卿舒は谷主の令牌を昊青に手渡し、決して谷主を恨まぬよう頼んだ。「あなたなしで私にどこへ行けと…私も共に参ります」そこへちょうど雲禾が駆けつけた。しかし卿舒は自ら霊丹を潰し、谷主と一緒に消散してしまう。万花谷の情勢が大きく変わった頃、青羽鸞鳥(セイウランチョウ)・青姫はまだ酒浸りの日々を送っていた。すると心配した離殊(リシュ)の元神が現れ、さすがに飲み過ぎだと諌める。実は離殊は陸吾(リクゴ)の末裔の山猫族のため9つの命を持っていた。十方陣で9割の修為を失ったが、死んだわけではないという。「あの御霊師に未練はないの?」「青主が大切だ、それに彼女は俺を恨んでいるさ」その頃、修行場に閉じ込められた雪三月(セツサンゲツ)は必死に青姫の結界を破ろうとしていた。しかしどうしても壊すことができず、急に虚しさに襲われてしまう。「私をだましたくせにどうして助けたの?…なぜ私をかばい、盾になったのよ?!」離殊は未だ苦しむ三月に心を痛めながら、何とか強く生きて欲しいと願った。離殊は青姫に本音を明かした。確かに当初は三月に故意に近づいたが、その後、心を奪われたという。「俺にとって三月は手駒ではない、愛する人だ… でも三月は欺かれるのを何よりも嫌う、許してもらえないよ」青姫は離殊が本当は三月と離れたくないのだと分かった。しかし離殊は三月の性分ではこの山を離れるはずだという。今や霊力が尽きて三月を守るどころか、そばにいたら足手まといになる。離殊は潔く身を引き、青姫の八つ当たりの相手になると笑った。すると青姫は明日から離殊の再生を助けると約束し、その間は三月にも会わないよう命じる。「再生後、あの者と縁があるかどうかは運次第ね」「ならひとつお願いが…」翌朝、青姫は洞窟の結界を解いて三月を自由にした。そこで離殊にもまだ生きる望みがあると教え、岱輿(タイヨ)へ行くよう勧める。「霊気が満ちるかの地で霊薬を手に入れたら離殊を救えるかも…」「なぜ私が?!できれば殺してやりたいわ!」「でも救わないと殺せないわよ?」すると青姫は三月を崖から突き落としてしまう。雲禾は卿舒の最期に驚きながら、谷主の大業が一体、何なのか考えあぐねた。未だ解毒薬はもらえずにいたが、父親を失った師兄を急かすこともできない。一方、林昊青は内殿にこもったまま何日も出てこなかった。父が話していた″かの者″とは誰なのか。その時、昊青はようやく密室のことを思い出し、令牌で扉を開けた。すると解毒薬の入った箱の下に父が残した密書がある。…昊青よ、お前がここにいるということは私は死んだのだな…今まで隠し通して来たが、お前自身が向き合うべき時が来た…万花谷の御霊師にある寒霜は私の仕業ではなく、元凶は別にいる…寒霜を解き、林氏を再興するには紀雲禾が頼りだ…もしお前が情け深いままであれば、どのような道を歩むことになるか考えよつづく|ω・`)まさかのアゴ対決…w
2023.04.05
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驭鲛记之与君初相识 The Blue Whisper第10話瞿暁星(クギョウセイ)は十方陣が破られた日から林昊青(リンコウセイ)の様子が変だと気づいた。そこで率直に紀雲禾(ジーユンファ)をどうしたいのか尋ねてみる。すると林昊青は寒霜(カンソウ)の秘密を教え、谷主に反抗すれば雲禾のように発作に苦しむと教えた。父が警戒しているため表立って雲禾を助けられず、瞿暁星に自分の右腕になって欲しいという。「分かりました、でも私は友としてですが、少谷主は何のために?」「…知る必要はない」昊青は本気で雲禾を救いたいなら無駄口を利くなと釘を刺し、自分が谷主になれば雲禾に平穏が訪れると言った。( ゚ェ゚)師兄がだんだんデーモン閣下に見えてきた…一方、雲禾は少谷主に手を挙げた罪で赤尾鞭(セキビベン)60回の罰を受けていた。そこへ知らせを聞いた林昊青と瞿暁星が駆けつける。すると林滄瀾(リンソウラン)はちょうど良いところに来たと言って昊青に続きを任せた。雲禾は拘禁されるより一瞬の痛みの方が良いと強がったが、昊青は鞭を振り下ろしながら霊力で鞭をちぎってしまう。「父上、赤尾鞭が切れました…もう十分でしょう」「いいだろう」林滄瀾は散会させたが、急に激しく咳き込んだ。林昊青は父のため霊薬を作り内殿に届けることにした。すると中から父の声が聞こえて来る。「昊青はまだ心が弱い、最後の研磨石を使う時が来たようだ」林滄瀾は息子に聞こえるようにわざと解毒薬を与えないよう指示した。「…小谷主はもう去ったようです、何らかの行動を起こすでしょう」「それでいい、次の谷主には決断力と果敢さが必要だ、どこまで鍛えられたか見届けたい」卿舒(ケイショ)はなぜまだ雲禾を使って昊青を刺激するのか理解できなかった。しかし林滄瀾は昊青が悟りを得なければ、自分の心血を注いだ雲禾を制御できなくなるという。追い詰められた林昊青は父の過ちを終わらせようと決意した。そこで瞿暁星に雲禾を呼んでくれと頼む。「よく分かった…″強者のみが大事なものを守り得る″ということが」それはかつて父が雲禾と花花(ファーファー)を選ばせる時、息子に言い放った言葉だった。林昊青は霊蛇窟に雲禾を呼び出した。実は昊青は雲禾が父に脅されて自分を突き落としたことを知っていたという。「私と手を組まないか?父から万花谷を守れたら解毒薬と平穏な日々を与えよう」雲禾はようやく騙されていたのは自分の方だったと知り、どういう魂胆かと疑った。「谷主が今まで根回ししたのはあなたのためよ?」「父が寒霜を使えば谷のあらゆる者を蹂躙(ジュウリン)できる、それが谷中に知れ渡る前に解決したい 父の手駒のままでいればお前には先がないぞ? 雪三月(セツサンゲツ)がいなくなった今、頼れるのは私だけだ」すると雲禾は協力する代わりに昊青が谷主になったら長意(チャンイー)と出ていきたいと頼んだ。「検討する…どちらにしてもお前は私と組むしかない」そこで昊青はかつて自分たちが編み出した技・鎖霊(サレイ)陣を使おうと提案する。卿舒が知らない陣法で不意を突けば、青羽鸞鳥(セイウランチョウ)との戦いで霊力を損ねた林滄瀾を倒せるはずだ。雲禾と昊青は幼い頃に2人で良く遊びに来た花海(カカイ)で修練を始めた。これで万花谷を脱出できる目処がついた雲禾は、長意が故郷の海や家族と遠く離れても自分が寄り添い、長意の家になると約束する。「雲禾…それよりお腹が空いたよ」そこで雲禾は自分が育てた芋を掘って焼きたてを食べることにした。「分け合って食べましょう?」雲禾は息を吹きかけて焼き芋を冷ましていたが、それを見ていた長意が真似をして顔を近づけた。急に接近した美しい長意の顔、雲禾はぼうっとなってうっかり唇が芋に当たってしまう。「熱っ!」「やけどしたのか?!」長意は心配して雲禾の唇に触れると、急に恥ずかしくなった雲禾が立ち上がった。「熱っ!」すると芋が長意のちょうど股に落ちてしまう。「大丈夫?!薬を取って来る!」「なでて治す術があるだろう?」「そっそこには使えないの!」…( ゚ェ゚)ここでまさかの下ネタ?wその時、洛錦桑(ルオジンサン)が鮫人のために海に関する書物を差し入れに来た。雲禾は長意に洛洛と一緒に先に戻るよう頼み、全てが終われば一緒に出て行けると安心させる。どこか寂しそうな長意、しかし雲禾は長意を危険にさらさぬよう謀反のことは内緒にした。その夜、林昊青は内殿の父を訪ね、霊薬を献上して密かに父の霊力を探った。思った以上に弱っていた父、しかしあの目が何かを語っていたような気がする。実は最後の研磨石とは林滄瀾本人のことだった。卿舒は真相を明かすべきだと意見したが、林滄瀾はたとえ恨まれ憎まれても構わないという。すると林滄瀾が激しく血を吐いた。しかしもはや治療をしても無駄だと分かっている。林滄瀾は長年、紀雲禾に霊力を注いできたせいで回復は望めなかった。「最後に昊青をもう一押ししよう… かの者と争う時、昊青に弱みがあってはならない、それは私であり紀雲禾なのだ 心を強く持ち、弱みを見せぬ者にならねばならん」「私が谷主を死なせたりしません!」「何様のつもりだ!」卿舒は思わず口をすべらせ叱られたが、林滄瀾はともかく雲禾を呼ぶよう命じた。「残っている霊力を無駄にできぬ…」( ゚ェ゚)そして中年の恋♪林昊青は雲禾が父の内殿に入っていくのを見ていた。…事が成就すればもう苦しまずに済む…すると寒霜の罰を受けた雲禾は絶叫し、意識を失って倒れてしまう。林滄瀾は卿舒に雲禾が目覚めたら解毒薬を与え居所に送るよう頼んだ。「この次が最後となるだろう…今までのお前と私の苦労が無駄にならぬよう願う」長意は毎日、雲禾が戻って来るのをひたすら待った。雲禾が一体どこで何をしているのか気になる長意、しかし洛洛に邪魔され突き止めることもできない。一方、昊青は3日後に張(チョウ)仙師が来る時を狙って実行すると決めた。父が自ら応接するため、卿舒を父から離し、誘い出すには絶好の機会だという。「生きるか死ぬかは五分五分だな…」すると雲禾は5分なら賭ける価値はあると言った。長意は大きな真珠と引き換えに洛洛から雲禾が昊青とこっそり会っていると聞き出した。「まさか私を守るため身代わりに?!」長意は傷だらけで帰って来る雲禾が昊青にもてあそばれていると誤解し、慌てて花海へ駆けつける。一方、雲禾は瞿暁星が師兄の側近になったと聞いた。「奪われて不愉快か?」「まさか、彼の自由よ、それに何があってもあなたも彼も永遠に私の友だわ」その時、雲禾は師兄の手の傷に気づき、自分の手巾で縛った。すると長意が現れ、雲禾を昊青から引き離す。雲禾は長意が誤解していると気づき、師兄に相談があったと釈明した。「兄長、もう帰って休んで…これは私と長意の問題よ」長意は雲禾が林滄瀾に挑むつもりだと知った。居所に戻っても林昊青への嫉妬から機嫌が悪い長意、すると雲禾は自分で言わないと決めたと明かす。「悪夢は自分で終わらせたい、もし勝てるなら相談していたかも… でも五分五分だから巻き込みたくない」雲禾はこれ以上、自分のために長意が犠牲を払うことを嫌がった。「あなただけでも万花谷から逃がしたいの」「雲禾、君は間違っている…鮫人は1人と添い遂げ、決して離れない」「でも共に死ぬかもしれないのよ?」「良い時も悪い時も離れない、手を繋いで死ねるなら本望だ」「そうね…私が間違っていたわ」雲禾は谷を出たら渡すはずだった衣を長意に贈った。すると長意は″なでる術″を林昊青には使わないで欲しいと訴える。「瞿暁星もだめだ、あ、洛洛でも…」「はお、この術はあなただけに使うわ」つづく(  ̄꒳ ̄)谷主の訳ありありありあり感、ちょっと引っ張り過ぎだよね
2023.04.04
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驭鲛记之与君初相识 The Blue Whisper第9話林昊青(リンコウセイ)は力づくで鮫人(コウジン)の尾を切ろうとしたが、長意(チャンイー)に阻まれた。どちらにしても本人が望まない限り尾は切れないという。そこで昊青は紀雲禾(ジーユンファ)が寒霜(カンソウ)に身を苛まれ、3日ももたない状態だと教えた。実は離殊(リシュ)も愛する雪三月(セツサンゲツ)を逃すため、犠牲になって死んだという。「瞿暁星(クギョウセイ)に確かめさせろ、長くはもたぬぞ」瞿暁星は少谷主を追いかけ、寒霜が何か尋ねた。しかし林昊青は雲禾を救いたいなら黙って従うしかないと取り付く島もない。「残された時間は少ないぞ、自分の目で見ればいい」林滄瀾(リンソウラン)は禁足の息子を訪ね、寒霜の解毒薬を渡していた。『これをいつどう使うかはお前が決めろ 何を選び、何を捨てるか…望みを叶えるには相応の代償が必要だ』雲禾は解毒薬もないまま居所に閉じ込められていた。すると身体の中にある鮫珠から長意の苦しみが伝わって来る。何とか長意を助け出したいが、卿舒(ケイショ)の強固な結界を破ることはできなかった。その時、外から瞿暁星の声が聞こえて来る。「一体、どうなってる?!…谷主が寒霜をつけたのか?!それで解毒薬を盗みに入ったんだな?!」雲禾は自分が師兄の研磨石に過ぎないと明かし、長意に伝言を託した。「林滄瀾が寒霜で私を苦しめるのは、長意を追いつめて尾を切らせる手段が他にないからよ 私は大丈夫、本気で殺すわけじゃない…」しかし雲禾はすでに衰弱し、時折、血を吐いていた。瞿暁星は急いで思過窟に戻り、確かに雲禾は寒霜で苦しんでいたと報告した。「″誰も信じるな″と伝言だ」すると長意はどうしても自分の目で確かめたいと訴え、力の限りを尽くして結界を壊そうとする。瞿暁星は鮫人が負傷すれば雲禾が悲しむと気づき、仕方なく自分が連れ出すことにした。しかし林昊青が駆けつけ、瞿暁星は外に出されてしまう。「お前が守りたいのは尾と紀雲禾、どちらだ?!」「雲禾に信じるなと言われた」「もうすぐ2日目だぞ?」雲禾は限界に近づいていた。しかしどんなに凍えようと、十方陣の中で過ごした長意との時間を思い出すと心が温かくなるという。洛錦桑(ルオジンサン)は何とか雲禾を温めようと手を尽くしていたが、雲禾がお湯を飲もうとすると一瞬で凍った。すると雲禾はついに瞳まで霜に覆われ始める。林昊青は外から密かに雲禾の状態を見ていた。…紀雲禾、冷徹な女だな、私に対しても自分自身にも…その夜、長意は尾を失った夢を見た。…海原に立ち、自分に尾がないことに気づいて動揺する長意、すると父の鮫王が現れる『長意よ、お前は鮫族を裏切り、海に背を向けた』『違います!父上の教えに従い伴侶を守ったのです』『鮫珠を手放し、尾を失ったら二度と海には戻れぬ』鮫王が消えると尾がない長意は海底に沈んで行ったしかしふと見上げると潜って来る雲禾の姿がある『雲禾…』必死に雲禾の手をつかもうとする長意…その時、長意は目を覚ました。長意は3日目になっても林昊青を信用しようとしなかった。追い詰められた昊青は仕方なく長意を雲禾の居所へ連れて行く。雲禾はすでに目が見えなくなっていた。昊青の話では次に経脈が凍えて血が固まり、最後は凍死するという。洛洛は凍り始めた雲霞を抱きしめ、途方に暮れた。「誰か!誰かぁぁぁぁ!」林昊青は長意に解毒薬を差し出し、尾を切るよう迫った。鮫珠のおかげどうにか命を繋ぎ止めている雲禾、その時、ついに鮫珠が身体から離れようとする。もはや長意に選択の余地はなかった。長意は大きな尾を現し、自ら命も同然の鮫尾を切ってしまう。長意は尾と引き換えに解毒薬を手に入れ、雲禾のもとに向かった。解毒薬を飲んだ雲禾はすぐ意識を取り戻したが、長意の足の怪我に気づいて呆然となる。「警告したのに…言いなりになったの?!尾を失えば海に戻れないのよ?!」「君を死なせたくなかった…」すると長意は雲禾の無事な様子に安堵したのか、急に意識を失ってしまう。「洛洛、長意をお願い」雲禾はまだ重い身体を引きずりながら外へ出た。林昊青は雲禾の様子が心配で外で待っていた。すると雲禾が現れ、いきなり殴られてしまう。「林昊青!」ボカッ!(o゚Д゚)=◯)`3゜)∵ 。・゜・「卑怯者!…汚い手を使って純粋な鮫人を陥れるなんて!」「私の目的は勝つことだ、これで引き分けだな」「…あなたは変わったわ」林昊青は美しい宝珠と化した鮫人の尾を谷主に渡した。「負傷したのか?…まさか紀雲禾がお前を?」「この結果にご満足ならそれでいいのでは?」林滄瀾は息子が自分を恨んでいると重々、承知していた。しかし仙門の高位である林氏に普通の父子のような温かみのある会話など必要ない。林滄瀾は谷主の座が約束された身で何を羨むことがあるのかと聞いたが、昊青は万花谷で父の子として生まれたことが幸運なのか分からないと答えた。林昊青が心を閉ざした原因を作ったのは林滄瀾だった。少年の頃は優しかった昊青、しかし自分たち親子に選択肢はなく、過去に浸って情にほだされることなどあってはならない。「昊青は林氏としてどんな犠牲を払っても孤独に耐えねばならぬ」雲禾は長意の尾を何とか取り戻せないものかと苦悩した。しかし洛洛はどんなに調べても分からなかったという。実は仙姫が尾を切るよう命じたのは引き止めるためではなく、美しい鱗で袴を仕立てたかったからだった。やり切れない雲禾は東海まで長意の仲間を探しに行くと決めたが、その時、目を覚ました長意が引き止める。「海に戻れなくても構わないよ…君のいる場所が私の家になる」。・゜・(ノД`)・゜・。雲禾は林昊青の残忍さの原因は自分だと明かした。自分が初めて谷に来た時、昊青は優しい子供だったという。…林滄瀾は妹が欲しいと言っていた昊青に雲禾を紹介した昊青は怯える雲禾に自分が飼っている花花(ファーファー)を触らせ、それ以来、本当の兄妹のように仲良くなるしかしある日、林滄瀾は息子に可愛がっていた花花を殺すよう命じた昊青は当然、拒み、どんな仕置きをされても従わないそこで林滄瀾は息子を崖に連れ出し、縛り上げた雲禾と袋に入れた花花、どちらか一方を選べと迫った昊青はどちらも選べず父に許しを請うたが、痺れを切らした林滄瀾は雲禾と花花を崖から落としてしまう『やめろーっ!』結局、昊青は雲禾を助けたこの一件から昊青は心を閉ざし、寡黙で陰気な性格になってしまうそれでも昊青にとって雲禾は唯一、心を許せる相手だったすると今度は林滄瀾が昊青を霊蛇窟へ落とせと雲禾に命じるしかし雲禾は拒否し、初めて寒霜の発作を経験した2日間ほど苦しみ、死まで覚悟した時、谷主が現れ、解毒薬を投げる『お前が拒んでも誰かがやる』雲禾はついに薬を飲んだそしてこの日から谷主の操り人形となる…霊蛇窟から救出された林昊青は人が変わったようだった。あれ以来、優しかった昊青哥哥はいなくなったという。しかし林滄瀾も何も言わなくなり、雲禾はこれで良かったのだと思い込んで来た。「でも今になってあの時の報復が…あなたが尾を失ったのは私のせいよ…」「考えすぎだよ」長意は優しく雲禾の頭をなでた。すると雲禾は堰を切ったように泣き出してしまう。卿舒は雲禾が凍死寸前まで耐え、決して屈しなかったと報告した。「解毒薬を飲んでかなり回復したようです」すると林滄瀾は満足したように笑顔になった。雲禾は長意をこのまま自分の居所で静養させようと決め、洛洛に手回しを頼んだ。次の師兄との対決に勝ったら長意を連れて必ず万花谷を出よう。しかし雲禾は師兄の本当の気持ちを知らずにいた…雲禾は霊蛇窟に落ちた師兄のため、こっそり食べ物を落としたその様子を見ていた昊青は、雲禾がなぜ自分を裏切ったのか訝しむやがて昊青は毒蛇との戦いに打ち勝ち、自力で脱出したそこで真っ先に雲禾の居所に向かったが、父から罰を受けている雲禾を目撃する『ためらっていたから卿舒が手を下した、だがまた余計なことをしたな…』昊青は自分を落としたのが実は卿舒だったと知ったすると雲禾のうなじにある霜花の印に気づく…林昊青はこの時、全てを悟った。雲禾を守るためには父の望む冷酷な息子にならねばならない。こうして昊青は自分の本当の気持ちとは裏腹に雲禾と敵対する関係になった。つづく( ;∀;)師兄!だてにアゴが割れてはいなかったぁぁぁ~
2023.04.03
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驭鲛记之与君初相识 The Blue Whisper第8話…愛し合うようになった寧若初(ネイジャクショ)と青羽鸞鳥(セイウランチョウ)・青姫寧若初は地位も名誉も手放して青姫と山奥に隠遁し、2人は人間の夫婦のように暮らし始めたしかし幸せな生活は長くは続かず、2人の居場所を突き止めた御霊師が現れる寧若初は身を挺して争いを止め青姫を連れて逃げたが、これが事態をより深刻にしたやがて寧若初の師匠が人間界の遊歴中に死去した寧若初は断腸の思いで万花谷(バンカコク)へ戻り、青姫は谷の外で待つことにする二度と会えないと覚悟していた青姫、しかし驚いたことに若初が戻って来た『…荒涼としているが添い遂げられる場所がある、一緒に行かないか?』寧若初は青姫に十方陣という上古の陣法があると教えたまず青姫を封印し、そのあと寧若初は遊歴に出ると見せかけ陣に入り、青姫と一生を共に過ごすという青姫は寧若初を信じて自ら陣に入ったそして小屋を建て、山で暮らしていた家と全く同じしつらえにして寧若初が来るのを待つしかし1日が過ぎ、ひと月が終わり、季節が流れ、気がつけば1000年も経っていた…付霊は悲しみのあまり暗雲と雷を巻き起こした。驚いた長意(チャンイー)は急いで雲禾を小屋に避難させる。(´・_・`)<何か思ってたんと違う…雲禾は青姫の話に困惑した。寧師祖は″万花谷の無常聖者″と敬われ、″青羽の乱″を平定して青姫を封印した功労者。2人が恋仲だったという記録はなく、最初から青姫を騙すつもりだったのだろう。(* ゚ェ゚)<あなたが青姫だったらまだ寧師祖を信じる?フル(・_・ ))(( ・_・)フル(*´ ・_・)、<そうよね、一度だまされたら二度と信用できない(´ ・ω・)<いや、私が言いたいのは…その時、付霊の怒号が響き渡った。長意は付霊に真相を伝えるべきだと訴え、寧若初にも言えない事情があったのではないかという。「恋人に嘘はつかない、私たちも同じだ…嘘をついてもどこかで綻びが出る」雲禾はハッとした。確かに書物の中の寧師祖の絵姿は青い髪ひもを付けていた。「青姫を想っていなければ青い髪ひもをつけているはずがないわ…」寧師祖は青姫と御霊師の争いを止めるため双方から攻撃を受けていた。もしすでに瀕死の状態だったとすれば、青姫が後追いしないよう独り陣外で死んだのかもしれない。「長意、あなたは切れ者ね、これで青姫の望みが分かったわ」雲禾は寧若初だと偽って付霊を抱きしめた。「待たせてすまなかった…会いたかったよ」雲禾は青姫の手首に小屋にあった髪ひもを結んでやると、付霊は幸せそうに舞い始める。「1000年の孤独が怨念を生んだ、それがたった一言で解けるとは…」「寧師祖と会わせてあげたかった」雲禾が青姫に心から同情すると、長意がふいに歌を口ずさんだ。(* ̄0 ̄)<さかなさかなさかな~さかなを食べると~♪( ゚д゚).oO(何か急に歌うてるで…長意は歌声で水を御し、寧若初の幻像を作った。1000年の時を超え愛する寧若初と再会した付霊、すると2人は幸せそうに旅立って行く。すると付霊が消えたことで水源が断たれたのか、急速に水が引き始めた。雲禾と長意は水に飛び込み、脱出することにした。これまであれこれ悩んでいた雲禾だったが、心に従い長意と離れずにいようと決める。「今まで万花谷から逃げ出すため、どんなことにも耐えて来た 自由を得るためなら何でも捨てたわ でも今なら分かる、それは本当の意味で自由ではなかったのね…一緒に行ってみない?」「つまりどんなことがあっても永遠に一緒だと?」「うん!2度と嘘はつかない、永遠にあなたのそばにいるわ」すると感激した長意は思わず雲禾と唇を重ね、口移しで鮫珠(コウジュ)を授けた。「誓いの証しだよ」付霊の呪縛は解けたものの、青姫はまだ寧若初へのわだかまりを捨てられずにいた。「まさか死んでいたなんて…あんまりよ…死んで終わりにするなんて… 1000年も耐えて来たのは何だったの!」青姫は酒を煽りながらひとしきり怒号を響かせると、かつて寧若初と暮らした小屋に戻った。するとこれまで飲まず食わずだった雪三月が突然、襲いかかって来る。しかし青姫の圧倒的な霊力に歯が立たず、机にはりつけになった。「早く殺してよ!…離殊が生きていたらズタズタに切り刻んでやる、でも死んだ 言い訳のひとつも残さず逝ってしまうなんて…見る目がなかった、認めるわ でもなぜ最期に私をかばったりしたの!愛することも憎むこともできないなんて!」離殊への愛憎の念に苦しむ三月、身につまされた青姫は思わずうるさいと叱った。一方、雲禾は十方陣を脱出、無事に目覚めた。しかし自由どころか結局、万花谷に戻り、長意が自分を守ろうと死闘を繰り広げた挙げ句、再び思過窟に捕らわれたと知る。雲禾は詮議にかけられたが無実を主張し、鮫人が騒ぎのどさくさで逃げないよう駆けつけた時、誤って陣に吸い込まれただけだと釈明した。「どのみち青羽鸞鳥は逃げました、鮫人を引き止められるのは私だけです」そこへ瞿暁星(クギョウセイ)が長意を連れてやって来た。長意は十方陣が破れて吸い込まれたが、紀護法に助けられ感謝していると自ら説明し、谷主と長老たちを驚かせる。「だから処罰しないでくれ」すると瞿暁星が谷主に祝辞を述べ、これで仙姫の望みを1つ叶えたと言った。瞿暁星はひとまず鮫人を連れて戻った。確かに鮫人は雲禾に良く慣れているらしい。そこで雲禾は単独で鮫人に会う権利と鮫人への懲罰を辞めさせる権限が欲しいと嘆願した。林滄瀾は許可したが、雲禾にそばに来るよう命じる。すると林滄瀾は褒美をやると言って雲禾の肩に手を置き、寒霜を発症させて警告を与えた。洛錦桑(ルオジンサン)は雲禾のため居所に戻っていた。ようやく帰って来た雲禾と再会できたのも束の間、雲禾は発作で倒れてしまう。洛洛はすぐ解毒薬を飲ませたが、全く効果がなかった。すると卿舒が現れ、その薬は熱を取る薬だと明かす。つまり雲禾は発作を悪化させただけだった。「刃先がとがるまで研磨石が必要なの、数日こもって反省しなさい」林滄瀾は雲禾の魂胆などお見通し、薬は罠だった。「谷主から伝言よ、従うべき相手を忘れぬように…」一方、青姫は楽游山(ラクユウザン)に結界を張った。これなら万花谷も雪三月を見つけられない。「生きようと死のうと自由よ、尽くす気はないわ でも忘れないで、その命は離殊がくれたもの、捨てるかどうかよく考えて」青姫は三月をかつての修行場に残し、小屋に戻った。三月に厳しいことを言いながら、誰よりもその気持ちが分かる青姫。今や寧若初だけでなく離殊まで死んでしまったと嘆き悲しみ、そのまま酔い潰れてしまう。すると離殊の首飾りに元神が舞い戻った。長意は雲禾に会いたいと瞿暁星に掛け合っていた。すると思過窟に林昊青が現れ、剣を招喚していきなり鮫人の尾を切ろうとする。しかし長意は御水の術で昊青の剣を凍らせ、氷鋲を放って退けた。「私が望まぬ限りたとえ死のうと尾は切れぬ!」結界の外へ避難した昊青はひとまず剣をおさめたが、咄嗟に手を後ろに隠して負傷を隠した。つづく( ๑≧ꇴ≦)また永遠と出て来ないかと思いきや、あっさり1話で脱出に成功してホッw
2023.04.02
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驭鲛记之与君初相识 The Blue Whisper第7話内殿で解毒薬を探していた紀雲禾(ジーユンファ)は棚の隠し扉から解毒薬入りの小箱を発見した。そこで見張りを買って出てくれた瞿暁星(クギョウセイ)にも解毒薬をひとつかみ渡し、事態が収束したら万花谷(バンカコク)から逃げるよう伝える。「合流したら全て話すわ、早く行って」すると雲禾は洛錦桑(ルオジンサン)に大事な薬を持って先に脱出するよう頼み、谷の外で待ち合わせした。「思過窟(シカクツ)の長意(チャンイー)を連れて逃げる、心配いらない」その頃、青羽鸞鳥(セイウランチョウ)・青姫は自分を封印した寧若初(ネイジャクショ)が死んだと知って茫然自失となっていた。しかしその衝撃が激しい怒りに変わる。「お前たちに私を封じることができると?!」御霊師たちは束になって捕えようとしたが、鸞鳥独りに手こずった。一方、ようやく事態を飲み込んだ雪三月(セツサンゲツ)は離殊もとへ駆けつけた。「鸞鳥を救うため私に近づいたのね…私はいい笑い物よ!」深く傷ついた三月は主従の契約を破棄、青姫と一緒に去れと言い放つ。その時、卿舒(ケイショ)が鸞鳥に放った暗器が運悪く三月めがけて飛んで来た。離殊は咄嗟に三月をかばい、背中に暗器が刺さってしまう。「(´ ° ཀ°)グッ!三月…大丈夫か?…すまなかった…」青姫は大きな翼で仙鋲をまとめて跳ね返した。しかし卿舒が大きな狐の赤尾で谷主たちを守る。一方、虫の息となった離殊は青姫に三月を託すと決めた。「青主…頼みます」青姫が振り返ると、離殊は最後の力を振り絞って青姫に三月を投げ渡し、ついに消散してしまう。すると青姫は離殊が残した首飾りを回収、三月を連れて万花谷を脱出した。「追え!」林滄瀾は十方陣の完成も目前というところで青羽鸞鳥を逃してしまう。雲禾が思過窟に駆けつけると洞窟は今にも崩れそうなほど揺れていた。…まずい、十方陣が完成するんだわ、まさかここも陣眼なの?…すると長意の足元でまさに陣が形成されようとしている。雲禾は長意の手をつかんで逃げようとしたが、その時、鸞鳥が三月を連れて飛んでいく様子が見えた。…離殊がいない、まさか…しかしその一瞬の隙に十方陣が完成してしまう。一方、林昊青(リンコウセイ)は鸞鳥を追わず、雲禾を探しに向かった。そこで思過窟に駆けつけたが、ちょうど雲禾と鮫人が十方陣の中へ吸い込まれるところを目撃する。「紀雲禾…」長意は雲禾をかばい、背中に大きな傷を負っていた。驚いた雲禾は仙力で治療しようとしたが、十方陣の中では霊力が効かないらしい。そこで長意の頭を優しくなで、人間界で痛みを和らげるおまじないだと教えた。ナデナデ…(*´・ω・)ノ″(´・ω・`)気休め?すると十方陣の中に滝があり、長意が傷を癒せそうな大きな淵を見つけた。ほとりには手頃な大きさの山小屋もあり、さながら桃源郷のよう。あの青羽鸞鳥がこの世界を作り上げたのだろうか。一方、万花谷では仙師府からの懲罰を恐れ、青羽鸞鳥の逃亡を隠すことになった。運良く今は仙師が修行中、何とか鮫人の教化に成功して順徳仙姫(ジュントクセンキ)の機嫌を取れば無事に収まるかもしれない。しかしその時、紀雲禾と鮫人が消えたと報告が来た。林滄瀾は捜索を命じたが、急に咳き込み喀血してしまう。「終わりは目前だが、この大事な時になぜ災いばかり起こるのだ…」長意は沐浴したおかげで傷の痛みが和らいだ。小屋で見つけた古着も長意によく似合っている。雲禾はここに青羽鸞鳥が1000年も封じ込められていたが、すでに鸞鳥が逃げたと教えた。「さっきの騒ぎはそれ?」「そうよ、万花谷は大騒ぎになった」「ところで離殊と三月は?」雲禾は2人の結末に胸が傷み、純粋な長意に心配かけまいと嘘をついた。「無事よ、全て解決したわ」卿舒は雪三月と離殊が密会していた藤の木を伐採できずにいた。しかし谷主に2人への同情心を見抜かれ、慌てて切ることにする。すると林滄瀾は今後の戒めに残しておけと許した。「皆に示すのだ、物事には心で思っていても行動してはならぬことがあるとな…」その教訓は誰よりも卿舒の胸に突き刺さった。「紀雲禾と鮫人も情を通じているかもしれません」「そうだとすれば好都合だ、情念は弱みを生むと思わぬか?」「その弱みがもし少谷主にもあれば案じられます…」雲禾は自分も離殊と同じように長意を騙し、操って来たのだと実感していた。これから長意とどう向き合えばいいのだろうか。雲禾はどちらにしても離れ離れになるなら、早めに突き放すべきだと決めた。…もう優しくしてはだめ…しかしすでに長意に惹かれていた雲禾は無下にできず、結局、同じ床で眠ることになってしまう。…長意の傷が癒えたら進む道が違うと伝えよう…( ๑≧ꇴ≦)ダイエットは明日から!みたいな…w雲禾と親しい瞿暁星は思過窟に収監され、厳しい取り調べを受けていた。すると林昊青が現れ、自分が引き継ぐという。しかし昊青は瞿暁星に傷薬を渡して解放した。「本当に行き先を知らないんです」「そうだろうな、雲禾は十方陣に落ちた、だが必ず出てくる、誰よりも早く見つけてくれ」暁星は驚いた。少谷主はてっきり紀雲禾を憎んでいると思っていたが、谷主に逆らって雲禾を助けるつもりだろうか。翌朝、早起きした長意は雲禾を喜ばせようと魚を捕った。しかし魚は幻霊ですぐ消えてしまう。雲禾は長意が沐浴で傷が治ったことを思い出し、水に霊力が宿っていると気づいた。外の霊力が淵に流れ込んでいるのだろう。その源を見つければ脱出することができる。すると突然、淵から青羽鸞鳥が現れた。「御霊師!のみ込んでやる!」激高した青羽鸞鳥は雲禾に襲いかかろうとしたが、なぜか岸に上がることができなかった。「あれは青羽鸞鳥の付霊よ… 恐らく鸞鳥の捨て切れない執念が陣の中に鬱積し、解脱できないまま付霊を作ったんだわ」林滄瀾は息子が瞿暁星に薬を渡して解放してしまったと聞いた。「昊青は心が弱すぎる…かの者と渡り合うにはまだまだ早い」そこで息子を禁足にし、雲禾と親しい瞿暁星を泳がせることにする。すると林滄瀾が激しく咳き込んだ。「必ず紀雲禾を見つけよ…あの者に100年の心血を注いだのだ すでに終盤に入った、過失はゆるされぬ」水に霊力を感じた雲禾は水底に出口があると確信した。十方陣は強大だったが一度でも破られたら修復したところで廃陣、陣眼を揺さぶれば出られるという。そこで御霊師をひどく恨んでいる付霊の心のわだかまりを解こうと決めた。雲禾は長意に優しい言葉で付霊を誘惑するよう頼んだが、長意は逃げるためとは言え嘘はつけないと拒否する。「善意の嘘などないと父が言っていた、鮫人にとって嘘は絶対に許されない」ϵ( ‘Θ’ )϶<鮫人、嘘つかない! (・_・ `)お、おぅ雲禾は男装して書生になりすまし、付霊の心を開くことにした。「悲しげな顔で座っているが、何か憂い事でも?」すると付霊は御霊師・寧若初に騙されたと訴える。「愛し合っていたのに傷つけられたわ」あれは離殊がまだ生まれたばかりの頃だった…急に錯乱した山猫王が多くの者を傷つけ、御霊師に追われた離殊の祖父は先帝と共に朱厭(シュエン)と戦った英雄だったが、これで一家の名声は地に落ち、青姫は哀れな離殊を助けるしかし御霊師が青羽鸞鳥もぐるだと決めつけ、青姫は追われる身となった青姫はまだ小さな山猫だった離殊を連れて楽游山(ラクユウザン)まで逃げ延びたそこに寧若初が現れる2人はしばし手合わせに興じたが、岩陰にいた離殊が危うく巻き込まれそうになったその時、寧若初が咄嗟に放った一手で離殊は救われる青姫は離殊を助けた寧若初に悪意はないと知り、寧若初も青姫が山猫王の件と無関係だと分かったそこで寧若初は青羽鸞鳥を追う弟弟子たちを諭し、青姫と離殊を守ってくれる青姫は恩返しに花と五穀の酒を贈って別れるつもりだったが、寧若初は酒の虜になって青姫の酒の相手になったつづく( ゚ェ゚)付霊のアイメイク…まさか楽天イーグルス?w
2023.04.02
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驭鲛记之与君初相识 The Blue Whisper第6話紀雲禾(ジーユンファ)は洛錦桑(ルオジンサン)から思過窟(シカクツ)で長意(チャンイー)が待っていると聞いて駆けつけた。すると長意が結界の中で雪を降らせている。実は洛洛が雲禾は雪を見たがっていると教えたのだ。「私は決めた…君と一緒に陸で過ごす」←工エエェェ(;╹⌓╹)ェェエエ工「もしも…私が信じるに値しない者だったらどうすの?」「ここが(心)信じられると言っている」雲禾は長意の決断に戸惑いながらも、御霊師として真相を尋ねた。「ねえ、なぜ順徳(ジュントク)仙姫を狙い、仙師府の弟子を傷つけたの?」「助けたんだ、その順徳仙姫を…」あの日は波が高く、長意は海に落ちた仙姫を助けて岸まで運んだだけだった。しかし仙姫が鮫人を気に入って仙侍にしたいと言い出し、長意が拒むと弟子たちに捕らえるよう命じたという。当然、長意は抵抗して逃げようとしたが、仙姫の師匠である仙師が現れ、その強い仙力で捕縛された。雲禾はむやみに人を助けるのは危険だと諭した。しかし長意は見殺しも悪になると訴え、また同じことがあれば自分の心に従うという。「結果は自ら背負う」「もし後悔したら?一生、後悔し続けるかも」「でも後悔を恐れて己の心に背くのはもっと苦しい」「…謝謝、大尾巴魚(ダーウェイバーユー)、おかげで分かったわ」すると雲禾は急に帰ってしまう。…あなたの善良さは何よりも美しい希望よ、だから何としても私が守る…雲禾は洛洛に真相を話し、長意の尾は断てないと伝えた。「長意を救うわ…でもその前に腹の読めない者に会う」その頃、雪三月(セツサンゲツ)は無事に解放された離殊(リシュ)の世話を焼いていた。「でもなぜ情鏡を私から紀雲禾に渡させたの?」離殊は思わず咳き込み、薬湯が苦いので花海(カカイ)で果物を取ってきて欲しいと頼んだ。三月が出て行くと雲禾と洛洛が訪ねてきた。「やっぱり来たな…」「私と長意の芝居をいつ見抜いたの?」雲禾は情鏡が離殊からの警告だと分かった。すると離殊は本当に2人が恋人なら東海へ行くはずだという。暴かなかったのは解毒薬を入手して三月と万花谷(バンカコク)から出るため、どうしても雲禾の協力が必要だった。「それにミイラ取りがミイラになることも…改めて取り引きしよう、だが三月には知られたくない」「全て聞かせてもらったわ」三月は離殊にどの果物が欲しいか確認しようと引き返し、そこで2人の話を聞くことになった。雲禾は正直に同盟は鮫尾(コウビ)を奪うまでの時間稼ぎのつもりだったと明かした。しかし今は林滄瀾(リンソウラン)を懲らしめ、長意を海へ帰し、自分の望みを叶えたいという。「これが素直な気持ちです、私たちの同盟はまだ有効ですか?」すると三月は術を放ってわずかに雲禾の髪を切り落とした。「2度目はないわよ?」離殊は安堵し、雲禾に誠意を見せて欲しいと頼んだ。雲禾は同盟の証しにこれまでに調べ上げた万花谷の地図を見せた。脱出するためにはまず地勢と守りの盲点を知らねばならない。実はここまで警固が厳しいのには理由があった。「青羽鸞鳥(セイウランチョウ)を封じた十方陣があるからよ」その昔、朱厭(シュエン)の乱のあとに御霊師は調教のため下界へ放たれた。全て順調だったが千年前に青羽の乱が起こる。青羽鸞鳥は上古の神鳥で鳳凰でもあったが、気が荒く驕慢(キョウマン)で、姿を現すたびに世は乱れ、四海八荒(シカイハッコウ)を揺るがせた。当時、御霊師の頭領だった寧若初(ネイジャクショ)は9人の御霊師を連れて青羽鸞鳥を万花谷に誘き出し、10日間の戦いの末、最後には寧若初が自分の命をもって封じたという。「嘆かわしい話だわ、先帝と四方神君は朱厭(シュエン)の乱で没した 当時は天君の誕生前で、その元神は菩提樹の中だったの そのため寧師祖は命を捨ててまで封じる必要があったのね…」それにしても青羽鸞鳥はどうして自ら陣に入ったのだろうか。しかし残りの御霊師たちは姿を消したまま消息不明、今や誰もその理由を知らなかった。陣眼の場所を知っているのは谷主だけだった。もしくは次の継承者である林昊青(リンコウセイ)も知っているのかもしれない。雲禾はともかく守りの手薄な場所を見つけ出していたが、逃げる前に林滄瀾の内殿から解毒薬を盗む必要があった。そこで騒ぎを起こして谷主と護衛を内殿から遠ざけたいという。すると離殊が自分に任せて欲しいと言った。「3日くれないか?」雲禾は離殊に任せることにしたが、洛洛は離殊では役不足だと心配した。しかし離殊は林昊青に拘禁された時、実は自ら逃げ出して無事を伝えてきたという。情鏡で思語(シギョ)を調べようと提案したり、雲禾の芝居を見抜いたあたり、ただ者とは思えない。「どうやら彼には想像以上に秘密が多いみたいね… でも離殊を信じるわ、彼が三月を見る眼差しは本物よ」その夜、離殊は三月の汁物に薬を入れて眠らせ、独りで出かけた。実は雲禾とは正反対に万花谷へ来てから防備が厳重な場所を探して来た離殊。すでに9個の陣眼を見つけ出していたが、雲禾の地図のおかげで最後の1つを発見した。翌朝、離殊が朝食を作ってから三月を起こしに行くと、部屋はもぬけの殻だった。すると三月から伝令符が届く。…思語(シギョ)が禁忌の証拠を残していたので雲禾と霊蛇窟で会う、すぐ来て…「まずい!罠だ!」離殊は三月に追いついて引き止めた。「証拠があれば生前に暴露している、これは林昊青の罠だ!早く去ろう!」しかし三月は幻形術で化けていた卿舒(ケイショ)だった。馬脚を露わした離殊は捕縛され、そこへ林昊青が三月を連れてやって来る。本来、三月の仙力なら林昊青に勝てるはずだが、離殊が飲ませた薬が裏目に出ていた。長意は急に帰ってしまった雲禾を心配していた。離殊から女子は花が好きだと聞いて水やりをする長意、すると雲禾がやって来る。「長意、良い知らせよ、離殊と三月が一緒に連れて逃げてくれるって」長意は雲禾が怒っていないと知って安堵し、ここを出ても決して離れないと手を取った。「そうだろう?」雲禾はまだ自分の本当の気持ちが分からなかったが、そこへ林昊青が現れた。「雪三月と離殊が禁忌を犯した証拠が出た」歴風堂(レキフウドウ)で雪三月と離殊の詮議が始まった。雲禾は独断では不条理だと訴えたが、林昊青は卿舒から裁断を一任されたという。そこで三月に今ここで離殊の霊丹を潰すなら斟酌(シンシャク)してもいいと持ち掛けた。三月も離殊も見殺しにできず袋小路に追い詰められる雲禾、しかし三月に迷いなどない。「私に機会など不要よ」すると昊青は禁令を破った罰として三月の仙骨を砕き、法力を取り除くことにした。雲禾は咄嗟に昊青の術を遮り三月を助けたが、三月は雲禾を道連れにしないよう邪魔をするなと叫ぶ。目配せする三月と離殊、その時、仙力が完全に戻った三月が仙縄を引きちぎり反撃に出た。その時、思いがけず離殊が強大な力を発揮、自ら縄を切って昊青の配下たちを吹き飛ばしてしまう。離殊はただの山猫ではなかった。「三月!万花谷(バンカコク)から逃げたいんだろう?!俺が望みを叶えてみせる!万花谷を滅ぼす!」離殊は三月を連れて歴風堂から飛び出し、騒ぎを起こすため谷主の居所の前に来た。離殊は自分たちを追って来た雲禾に気づき、三月を突き放して雲禾に託した。林昊青も戦部を連れて駆けつけたが、その時、離殊が自分の血を捧げて十方陣を破り、青羽鸞鳥を解放してしまう。青羽鸞鳥はひとしきり飛び回り、やがて離殊のもとへ舞い降りた。「小離殊、命を捨ててまで私を救うなんて」「…離殊が遅かったせいで青主を苦しめました」林昊青たちは再び青羽鸞鳥を封印しようと襲いかかった。しかし青羽鸞鳥にとって凡庸な御霊師など敵ではない。「寧若初を出しなさい」酒を片手に林昊青の首を締め上げる青姫、その時、騒ぎに気づいた谷主・林滄瀾(リンソウラン)が長老たちを引き連れ、部屋から出て来た。すると洛洛が今なら内殿に侵入して解毒薬を盗めると気づく。雲禾は呆然としている三月を岩陰に隠して離れたが、運悪く昊青に見られていた。雲禾と洛洛は解毒薬を探したが、なかなか見つからなかった。すると偶然、2人を見かけて追いかけて来た瞿暁星(クギョウセイ)が内殿に入って来る。雲禾は瞿暁星を巻き込まぬよう追い返したが、瞿暁星は自分を御霊師として育ててくれた雲禾のため、事情も知らないまま見張りを買って出た。谷主や長老の力をもってしても青羽鸞鳥の圧倒的な力には敵わなかった。しかし青姫は寧若初が死んだと知るや否や茫然自失となり、再び陣の中へ入ってしまう。つづく( ๑≧ꇴ≦)山猫パワー!このままハゲちゃうんじゃないかと思ったw
2023.04.01
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驭鲛记之与君初相识 The Blue Whisper第5話離殊(リシュ)は長意(チャンイー)に雪三月(セツサンゲツ)との馴れ初めを話して聞かせた。実は当初は夜型の山猫にとって規則正しい三月との生活は辛いものだったという。それでも愛する三月のため早寝早起きになり、古傷のせいで寒がりな三月を山猫に戻って温めながら眠った。「好きな人の笑顔はどんな花よりも美しいだろう?」一方、洞窟の外では洛錦桑(ルオジンサン)が紀雲禾(ジーユンファ)に離殊が協力してくれると説明していた。果たして山猫に何ができるのか半信半疑の雲禾、しかし洛洛はとにかく今夜は素敵な魚になっていると期待させる。すると離殊が慌てて思過窟(シカクツ)から飛び出してきた。「大変だ!鮫人が急に泡を吹き出した!」驚いた雲禾は急いで洞窟に入ったが、離殊は追いかけようとした洛洛を制止する。「君が行ってどうするんだ?!」雲禾は元気な長意の姿を見て離殊に騙されたと気づいた。「雲禾、こっちへ来てくれ」長意は離殊に何を吹き込まれたのか、今度は自分が沐浴の世話をすると言って雲禾の外衣に手をかけてしまう。( ๑≧ꇴ≦)<やめてぇぇぇぇぇぇぇぇぇ~!洞窟の中から雲禾の悲鳴が聞こえた。洛洛は心配して様子を見に行こうとしたが、離殊はこれも楽しんでいる証拠だという。「一夜を共にすれば問題は解決さ」…なるほど、共寝が強い絆の証しってことなのね…「一緒に寝なさぁぁぁぁい!」洛洛は思わず洞窟の中に向かって叫ぶと、雲禾はむしろ黙って横になったほうが安全だと気づいた。その夜、三月は離殊が洛洛に手を貸したと聞いて呆れた。しかし離殊は一匹狼だった三月に友だちができたことを喜び、協力するのは当然だという。「今夜は冷えるぞ、また古傷で凍えるかも…暖めてやるよ」離殊は山猫の姿に戻ると、三月の腕の中に滑り込んだ。(ΦωΦ)<あ、魚を抱いて眠っても暖かくなるかな?雲禾は長意が隣で眠ったと気づき、安心して目を閉じた。しかし寒霜の発作が始まり、うなされてしまう。長意は寒さに震える雲禾に気づき、心配になって抱きしめた。一方、思語(シギョ)は雲禾を見張らせていた配下から思わぬ報告を聞いてほくそ笑む。翌朝、目を覚ました雲禾は抱きついている長意に気づいて飛び起きた。すると長意の顔が赤く、熱がある。「君が寒そうだったから…」「まさか霊力で温めてくれたの?!バカね!鮫人は暑さに弱いのに…」「君が心配で…傷ついた魚のように苦しんでいた、少しでも楽にしてあげたくて…」長意は恋人を守ったつもりだったが、雲禾は急に後ろめたさに苛まれて帰ってしまう。林昊青(リンコウセイ)と思語が洞窟を見張っていると、確かに雲禾が出てきた。「やはり紀雲禾と鮫人はただならぬ仲、雪三月が密かに協力して見て見ぬふりをしています」昊青は単に鮫人を懐柔する策に違いないと信じなかったが、思語は女同士だからこそ分かる恋心だと訴えた。「私の勘を信じてください、間違っていたら命で償います」洛洛は居所に戻った雲禾の様子がどこかおかしいと分かった。すると雲禾は谷主に寒霜をつけられてから眠るのが怖かったと吐露する。「二度と目を開けられないような気がして…でも昨夜は本当にぐっすり眠れたの …尾を切ったら大尾巴魚(ダーウェイバーユー)は私を許さないわね」「雲禾?!本当に惚れたの?」「まさか?!」その時、万花谷に鐘の音が響き渡った。谷主が修行中だと言うのに仙侍の卿舒(ケイショ)が召集をかけた。御霊師の侍者はいずれも地仙だが、掟に背いて主従が恋仲であると密告があったという。そこで恋情の有無を判別できる″情鏡(ジョウキョウ)″を招喚した。この鏡に御霊師と仙侍の血を垂らすと、恋情を抱く者の血が相手の血に溶ける。すると思語が紀護法の仙侍は卿舒の妹分である洛錦桑だが、試す相手はあの鮫人だと告発した。雲禾は三月と離殊を心配していたが、師兄の狙いは自分と長意だった。すると卿舒が鮫人の血を採ってくるよう命じ、まず雲禾たちを調べて、他の主従も調査するという。林昊青は全く動じていない雲禾を見て思語の読みが外れたと分かったが、その代わり雪統領と離殊の様子がおかしいことに気づいた。その時、追い詰められた離殊が三月を守るため、面倒な万花谷を出て行くという。卿舒は離殊を逃すまいと術を放ち、離殊も反撃した。しかし昊青が卿舒の前に飛び出し、離殊の一撃を受けてしまう。昊青は負傷を理由に血の判定を明日に延期するよう頼み、離殊の処罰を任せてもらった。雲禾は歴風堂(レキフウドウ)を出た師兄を引き止めた。「わざと離殊の術を受けたわね?」「自分のことを心配したらどうだ?…雪三月と奴の関係を知っているんだろう?」林昊青は雪統領が雲禾に協力していたのは離殊との関係を知られてしまったからだと気づいた。「本命はお前だ、おとなしく待っているんだな」林昊青の読み通り雪三月が離殊を助けにやって来た。待ち伏せしていた思語は離殊を助ける代わりに雲禾に情鏡を割らせるよう頼む。その夜、林昊青は計画通り卿舒を連れて歴風堂に向かった。すると中から鏡が割れる音がする。卿舒たちが慌てて中に入ってみると、雪統領がちょうど紀護法を捕らえたところだった。林昊青と思語は雲禾が鮫人への恋情を隠すため鏡を割ったと追及したが、その時、雲禾が割れたはずの情鏡を出した。「私をお疑いなら今すぐお確かめください」卿舒は早速、鮫人の血を採取させ、雲禾の血と一緒に鏡に垂らした。しかし血は混ざらず雲禾の潔白が証明される。焦った思語は雪三月が離殊を守るため紀雲禾と結託していると訴えたが、雲禾はならば三月と離殊も判定を受ければいいと提案した。すると瞿暁星(クギョウセイ)が離殊を連れてやって来る。「兄長が密かに離殊を移送させると読んで見張らせていたのよ?どう?抜かりないでしょう?」結局、三月と離殊の血は混ざらなかった。思語は鏡が偽物だと抗議したが、かえって自分の首を絞めることになる。「疑うなら偽物かどうか自分で調べろよ、君も仙侍だ」離殊の思わぬ指摘に林昊青は動揺し、これで騒ぎを終わらせようとした。しかし雲禾が見逃してくれるはずもなく、帰ろうとした師兄を引き止める。思語は咄嗟に術を放って情鏡を割ったが、雲禾が破片を拾った。「少谷主の仙侍だけ判定を免れれば公平さを欠くわ…」すると卿舒が術で思語の腕を拘束し、雲禾は破片で指を切りつけ、血を垂らした。昊青は腹をくくって自ら血を垂らすと、その時、思語の血が昊青の血に溶けてしまう。「思語、主に恋慕し、誣告を行った罪で罰します!」卿舒は思語を思過窟に投獄したのち、刑を執行すると決めた。また昊青も配下の暴挙を許した罪で禁足を命じられてしまう。卿舒は密かに思語に接触し、情けをかけた。「獄中で待っていなさい、谷主に掛け合い流刑にしてもらう 谷を出て情を忘れ生きて行きなさい」思語は昊青のため谷に残りたいと哀願したが、卿舒は想いが深くなる前に身を引くよう諭した。かつて林昊青は雲禾に突き飛ばされて霊蛇窟(レイジャクツ)へ落ちた。その時、仲間に襲われそうな蛇を見かけ、助けてやる。『ここで死ぬな、生き延びろよ』蛇は修行を終えて人像を得ると、林昊青の仙侍になりたいと志願した。実は300年前、霊蛇窟で命を救われたという。蛇仙は自ら霊丹を取り出して主に差し出すと、昊青は仙侍の証しをつけた。その日から少谷主が思語の生きる道となる。思語はこのまま谷を追い出されるくらいなら最後に主の願いを叶えたいと考え、思過窟を脱出した。雲禾は禁足になった師兄を訪ね、全てを暴露した。三月は愛する離殊を盾にして脅してきた林昊青を嫌い、雲禾に策を明かしたという。偽の鏡を作ったのは洛洛だった。雲禾は師兄の計画通り偽の鏡を割り、すぐに破片を回収。音を聞いた昊青たちはてっきり情鏡が割れたと信じてて中へ入ったが、本物は無事だった。結局、雲禾は自分と三月の時には偽の鏡の破片を使い、昊青の時には本物を使ったという。しかし昊青はふと気づいた。偽物を使うのは雲三月だけでいいはず、なぜ雲禾まで使ったのか。「もしや鮫人と御霊以外の交わりが?!」「何のことかしら?」すると、三月が駆けつけ、思語の脱獄を伝えた。その時、蛇に戻った思語が雲禾めがけて飛びかかり、跳ね返されてしまう。「グッ…雄黄(ユウオウ)であらかじめ魔除けを?!」「来ると思ったわ」激怒した思語は昊青が止めるのも聞かず雲禾に蛇気を放った。しかし結界を突き破った昊青が雲禾をかばい、一撃を放って思語を吹き飛ばす。「(´ ° ཀ°)グッ!…どうして」「手を出すなと言っておいたはずだ」昊青は思語にとどめを刺し、霊丹を回収した。三月は道すがら情鏡の破片が入った包みを雲禾に渡した。「霊石に変えられるらしいわ」雲禾は途中で三月と別れ独りになると、ふと師兄に指摘されたことを思い出し、動揺してしまう。確かになぜ自分まで偽の鏡を使ったのか。…長意に惹かれているから?自分でも分からない…情鏡に血を垂らしたらどんな結果が出たかしら?つづく( ゚ェ゚)と言うか師兄と雲禾で調べて欲しかったわ
2023.03.29
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驭鲛记之与君初相识 The Blue Whisper第4話雪三月(セツサンゲツ)の仙侍・離殊(リシュ)を追って結界に入った紀雲禾(ジーユンファ)と洛錦桑(ルオジンサン)。2人はそこで三月と離殊の密会を目撃した。まさか堅物で凄腕の頭領が掟を破り、仙侍と恋仲だったとは。何でも今日は三月と離殊が出会って3年目の記念日、すると離殊は大きな藤の木に術をかけて花を咲かせた。「あの時も藤が満開だったな」2人は雲禾たちが見ているとも知らず、口づけを交わしてしまう。翌朝、三月の弱みを握った雲禾は早速、三月を懐柔することにした。しかし交渉の余地はなく、三月は秘密を知った雲禾と洛洛を始末しようとする。「見られたのなら生かしてはおけないわ」雲禾は慌てて思過窟(シカクツ)へ逃げ込んだが、三月に追いつかれてしまう。すると雲禾にわだかまりがあるはずの鮫人(コウジン)が反撃、雲禾を守った。「彼女に手を出すな!」「口を利いたぞ?!」離殊は驚いて思わず叫んだ。その時、門で見張っていた洛洛が駆けつけ、もうすぐ林昊青(リンコウセイ)たちがやって来ると報告する。追い詰められた雲禾、そこで咄嗟に長意(チャンイー)を引っ張り、唇を重ねた。( ゚Д゚)゚Д゚)゚Д゚)ぽかーん雲禾は実は自分と長意も恋仲になったと嘘をついて情に訴えた。しかしちょうど林昊青たちが現れ、雲禾が抜け駆けしたと疑う。すると三月は鮫人が話すのか確認したくて雲禾を立ち合わせたとごまかした。三月は雲禾を見逃したが、自分に協力させる目的は何かと訝しんだ。実は万花谷(バンカコク)の御霊師は全員、谷主が忠誠の証しとしてうなじに霜花(ソウカ)の印を付ける。しかしその忠誠がどんなものなのか知る者は少なかった。雲禾は三月たちを連れて岩山を登った。そこは何とも薄気味悪い場所で、凍てつく寒さ、実はここが寒霜を持つ者たちの末路だという。「寒霜?」「うなじの印のことです、極寒の地に咲く霜花にちなみ″寒霜″と呼ばれています 印をつけられると身体は制約され、発作が起こるたびに経脈が凍り、霊力を封じられ苦悶するのです 林滄瀾(リンソウラン)はこの手法で御霊師を支配しています」谷主が雲禾に技を伝授するというのは口実、実は雲禾の体内の寒霜を始動させ、毎回、激痛に耐えないと解毒薬をもらえなかった。しかし三月は寒霜で苦しんだことなどないという。「服従する者にはこっそり解毒薬を服用させていますから… でも生涯、束縛されたままでいいのですか?」三月は谷主に育ててもらった恩があった。確か以前、御霊師が何人かいなくなったことがあったが、自ら霜花の印を消して去るなら問題ないはずだという。すると雲禾は消せるかどうか試してみれば分かると言った。三月は霊力を使って早速、印を消すことにしたが、その時、初めて発作を経験する。「これでお分かりに?印を付けられた日から私たちは永遠に林滄瀾の手駒になるのです 逆らった者は全員ここに連行され、凍死させられます だからここは″氷墓″と呼ばれる…」雲禾はまだ幼い頃、ここで処刑される御霊師を無理やり見せられた。…雲禾、裏切ればこうなる…「なぜ今頃になって私に話したの?」「友が欲しいのです、信頼できる友とここから脱出したい 逃げたくありませんか?気ままに生きて愛する人と結ばれたいと思わないと?」三月は心が揺れたが、まだ雲禾と鮫人が本当に恋人なのか半信半疑だった。そこで鮫人との情を証明して欲しいという。「3日後に証明します、私たちが信頼に値すると…」「いいわ、じゃあ思過窟で会うことを認める」洛洛は安請け合いした雲禾を心配した。しかし雲禾は有能な雪統領と手を組めば脱出できる可能性が高まるという。…大尾巴魚(ダーウェイバーユー)、今日の件は仕方がなかったの…協力してくれたら悪いようにはしない、毎日ご馳走を食べさせてあげるから翌朝、雲禾は思過窟を訪ねた。すると長意が結界の中でしょぼんとしている。「昨日のこと怒っている?確かに強引だったわ、気持ちは分かる、でも急なことだったから… 機嫌を直してよ~犬に噛まれたと思って、ね?」」「犬?!」「もしかして初めてだったの?私もそうだけど… (Ŏ艸Ŏ) ウッ!生臭い!」雲禾は長意の身体を拭いてやることにした。しかし無神経にも衣に手を突っ込み、怒った長意に吹き飛ばされてしまう。林昊青は洞窟で見た雲禾と雪統領の様子を訝しんでいた。2人は一体、何を企んでいるのか。一方、雲禾は懸命に長意の機嫌を取ってみたが、徒労に終わった。心を御すことに自信があっただけに雲禾の落胆は大きい。「今回は失敗するかも…」しかし洛洛は強情な者同士、どうすれば喜ぶか雲禾なら分かるはずだと励ました。「似た者同士?」「さ、汁粉ができた!鮫人にも届けてあげて、仲間と引き離されて寂しいに決まってるわ」「(それだ!)あなたって利口ね!妙案を思いついた!」雲禾は長意に貝殻の法器を贈った。大した法器ではないが、海の音が聞こえるという。するとついに長意の顔がほころび、貝殻を耳に当てた。「どうしてこんなに親切にしてくれるんだい?」「なぜって…好きだから、あなたの恋人になりたい、一緒にいたいの」「まだ知り合ったばかりなのに?」「大尾巴魚、好き嫌いに時間は関係ない、気持ちの問題でしょう?あなたはどう?」長意は思わず言葉に詰まった。そこで雲禾はもう一度、口づけすれば気持ちが分かるかもしれないという。しかし長意は慌てて雲禾から離れた。「父上が言っていた…好きな人とはまず抱き合い、口づけはそのあとだって…」雲禾は思わず長意に抱きつくと、長意も雲禾の背中に手を回した。その様子をちょうど洞窟へ来た三月と離殊が目撃する。三月は雲禾と鮫人が恋仲だと信じ、手を組むことに決めた。雲禾は長意と和解し、教化も佳境に入った。今日から3日間、洛洛と共に陸の魅力を説明して海に帰るのをあきらめさせ、尾を切らせるしかない。しかし長意は陸の生活に興味を持てず、むしろいかに海の生活が素晴らしいか教えた。「君を連れて行ってあげるよ」「じゃあ陸上にしかない物は何もないの?」「父上によれば魚の尾を狙う狡猾な者は陸にしかいないと…」魚にとって尾ひれは霊力の源だった。自分で望まないかぎり刀を使おうと切ることはできないという。もし1度でも切られたら霊力を損ねられ、2度と海には戻れなかった。尾を断たれた鮫人は裏切り者になるため、父から何としてでも死守するよう言われているという。「…戻るわ」雲禾は急に顔を曇らせ帰ってしまう。ϵ(´・Θ・`)϶<何か悪いこと言っちゃったのかな…雲禾は独り思い悩んでいた。長意が尾を失えば故郷に戻れないと知り、こんなに胸が痛むとは。一方、洛洛は離殊を頼った。長意がもっと雲禾を好きになれば海に戻りたくないはずだという。そこで離殊は思過窟に長意を訪ねた。しかし山猫族は鮫人の天敵、いきなり攻撃されてしまう。離殊は三月を連れて万花谷を脱出したいだけだと訴え、三月との馴れ初めを教えた。…かつて離殊は山の覇者として崇められていたある日、猛獣と戦って重傷を負った三月が穹陵峰(キュウリョウホウ)の藤の木で倒れているのを発見、捕縛して山小屋に連れ帰る三月は仙縄で拘束されていたものの、離殊は献身的に面倒を見て、大切に守っていたしかしやがて配下に三月をかくまっていることがばれてしまう地仙にとって御霊師は災いの種、仲間たちは山小屋に押しかけ、三月を差し出すよう迫ったその時、ちょうど傷が癒えた三月の霊力が復活、自ら仙縄を切って外の様子をうかがうすると仲間たちは三月をかばう離殊を殴りつけ、愛想を尽かして出て行った離殊が部屋に戻ると三月の姿はなかったこれを機に離殊も穹陵峰を離れると決め、最後に三月と出会った思い出の藤の大木を見に行くその時、三月が現れた「なぜ戻った?!」「どこへ行くつもりなの?」「ついて行っていいか?君のために山を捨てたようなもんだからな~これからは一生離れない」つづく( ̄▽ ̄;)何この演出wそれにしても雲禾の長意の扱いってペットだよね〜だからこそ#アレン可愛い〜なんだろうけどw
2023.03.26
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驭鲛记之与君初相识 The Blue Whisper第3話鮫人(コウジン)は紀雲禾(ジーユンファ)がくれた仙薬・凝雪丸(ギョウセツガン)を試しに飲んでみた。すると傷がみるみる治って霊力が復活するのを実感する。しかし急に洞窟の岩壁が真っ赤になり、鮫人は熱波に苦しみ始めた。その頃、雲禾は鮫族に関係する文献を読んでいた。すると瞿暁星(クギョウセイ)が駆けつけ、林昊青(リンコウセイ)が熱で鮫人を追い込んでいると報告する。雲禾は無駄だと呆れたが、その時、かつて漁師に助けられた鮫人が鮫珠(コウジュ)で恩返しをしたという記述を見つけた。「林昊青の非情な仕打ちに苦しむ鮫人を私が助ければいいのね…」しかしこれは林昊青の罠だった。雲禾のこと、この機会に必ず鮫人を助けて信頼を取り戻そうとするだろう。牢破りの幇助は重罪だ。実は雲禾も師兄の謀だと気づいていた。それでも洛錦桑(ルオジンサン)と瞿暁星に目くらましを頼み、あえて鮫人を居所にかくまう。鮫人はまだ雲禾を警戒していたが、雲禾は自分たちの境遇が似ているため助けたと説明した。「大尾巴魚(ダーウェイバーユー)、あなたは海中でこそ自由に生きていける 何を言われたのか知らないけれど、私たちはこの谷で生き延びなくては…あなたを死なせないわ」すると外から思語(シギョ)の声が聞こえた。「紀護法!出て来てください!」雲禾は鮫人に隠れるよう伝え、独りで出て行くことにする。その時、鮫人がついに口を開いた。「雲…禾…危険だ…」「口が利けるのね!…信じて、あなたを必ず守る 陸の掟よ、借りは必ず返すこと、凝雪丸の借りを返してよね♪」雲禾は笑顔で部屋を出た。林昊青たちは雲禾が鮫人を脱獄させたと追及、部屋を捜索すると迫った。しかし雲禾は鮫人ならここにいないと嘘をつき、どうしても強行するなら遠慮しないと剣を招喚する。その時、昊青の後ろにいた思語が卑怯にも暗器を放った。雲禾は咄嗟に避けたが、わずかに首を切られてしまう。そこへ騒ぎに気づいた卿舒(ケイショ)がやって来た。雲禾は態度を急変させ、実は鮫人が林昊青に殺されかけたため、やむを得ず避難させたと説明する。「谷主に″鮫人が話をした″とお伝えください」「少谷主と紀護法は私と共に歴風堂(レキフウドウ)へ…」谷主・林滄瀾(リンソウラン)は鮫人の口を開かせた雲禾に約束通り望みの褒美を与えると言った。しかし証言だけでは真偽のほどが分からず、改めて明日、鮫人が口を利くか否か確かめに行くという。計画が失敗した林昊青は怒り心頭で居所に戻った。すると思語は明日には雲禾の顔を見ることもないと安心させる。実は思語は暗器に自分の血をつけて雲禾に放っていた。猛毒を含む鉤蛇(コウジャ)の血、雲禾は今夜を越せないという。逆上した昊青は思わず思語の首を締め上げたが、ふと手を離した。「解毒薬を…早く出せ!」洛洛が心配して待っていると、雲禾がふらふらになりながら戻ってきた。「どうしたの?!」「傷口から毒が…」雲禾はそのまま意識を失い倒れた。なす術なく涙に暮れる洛洛、しかし鮫人が自分を守ってくれた雲禾のため自ら鱗を剥がし、解毒してくれる。雲禾は驚いたことにすぐ目を覚ましたが、今度は鮫人がいきなり卒倒した。「大尾巴魚!」雲禾は寝台で眠っている鮫人を眺めながら、自責の念に苛まれた。「大尾巴魚…ありがとう、でもごめんなさい、明日には私の嘘に気づいてしまうのね」すると洛洛が鮫族は鱗を剥がすと骨を刻まれるような苦痛に襲われると教えた。「私、この魚が気に入ったわ!全身お宝だらけなんて~」←( ๑≧ꇴ≦)wwwその時、鮫人が目を覚ました。「ここまですることないのに…」「君は恩人だ、だから鱗をあげた…」「ふふ、黙っていたのは陸の言葉が苦手だからね?」そこで雲禾は自分も谷を出たいと打ち明け、明日、手筈を整えたら一緒に逃げようと誘った。鮫人は小さくうなずくと、ようやく自分の名前を教える。「長意(チャンイー)…」洛洛は鮫人が親しい相手にしか名乗らないはずだと驚いた。つまり長意は雲禾を友と認めてくれたのだろう。その夜、林昊青は雲禾に解毒薬を届けた。「お前に何かあれば俺が疑われるからな」「兄長は誤解している、誰かを傷つける気はない、勝ちたいだけよ」「必ず勝つと?…分をわきまえねば身を滅ぼすぞ?」すると昊青は帰って行ってしまう。その頃、長意は雲禾と逃げるため、懸命に涙を流していた。美しい涙は鮫珠となり、これで雲禾に恩返しができる。しかし密かにその様子を見ていた雲禾は明日のことを思うと胸が痛んだ。↓頑張って泣いてる大尾巴魚w翌朝、雲禾の居所に谷主と戦部たちが集まった。果たして鮫人の声は聞けるのか。すると雲禾はひとまず部屋に入って戸を閉め、長意に説明することにした。「大尾巴魚…」しかしその時、突然、窓を突き破って猛牛の悪霊が飛び込んできた。雲禾と長意は協力して悪霊を撃退した。しかし外へ飛び出した悪霊が谷主と対峙、弟子たちに緊張が走る。その時、ちょうど万花谷へ戻った戦部統領・雪三月(セツサンゲツ)が剣を放ち、悪霊を見事に仕留めた。雪三月は西山(セイザン)で馴らした獅子の霊丹を谷主に献上した。その時、遅れて林昊青が駆けつけ、雲禾に早く鮫人の声を聞かせろと迫る。雲禾は師兄の仕業だと気づき、谷主に悪霊が結界の中で暴れるとはおかしいと訴えた。すると昊青は自分が以前に仙師の命令で霊丹を潰した猛牛が悪霊と化してさまよっていたと説明し、不運にも雲禾の邪魔をしただけだという。部屋からその様子を眺めていた長意は結局、昊青の言い分が正しかったと気づいた。雲禾は長意に歩み寄り、改めて説明すると訴えたが、すでに長意の信頼を失ったと知る。「谷主…功を焦って期待に背きました」長老たちは雲禾の教化が失敗だったと断定し、鮫人の御霊から外すべきだと訴えた。雲禾は責任を取って護法を辞任すると申し出たが、教化は続けるという。「私は仙姫から鮫人の強化を命じられました、長老に私を外す権利があると? …私は心配なのです、姑息な者が勝てば谷の秩序が乱れます」雲禾は暗に師兄を批判、すると谷主は雲禾に最後の機会を与えることにした。しかし今日から修行に入るため、冷静で公正な雪三月に意見を求める。「教化の期間をそれぞれ3日ずつとし、それ以外の手出しを禁じてはどうかと…」「いいだろう、では三月に教化の監督を任せる」昊青はなぜ雲禾がここまで鮫人に執着するのか分からなかった。どちらにしても雲禾とはこのまま争い続けるしかないらしい。一方、卿舒もなぜ谷主が雲禾に強化を続けさせるのか分からなかった。すると谷主は息子が自分の力で勝たなければ、皆の上に立つことはできないという。「しかしもし修行中に紀雲禾が成功したら…」「かまわぬ、昊青が冷徹に徹すれば最後にどちらが勝っても万花谷の功となろう」長意は再び思過窟でとらわれの身となった。雲禾は誤解を解こうと早速、洞窟へ向かったが、三月に追い返されてしまう。「隠匿が誤解だったとしても掟に反したのは事実、3日間は謹慎するように…出て行って」「拒んだら?」「谷主に代わり厳罰を下す!」そこへ林昊青がやって来た。「雪統領は万花谷で谷主に次ぐ法力の持ち主、お前には勝てぬぞ」すると思語は挨拶がわりに統領へ宝剣を贈ることにした。いつもの工作に呆れる雲禾と洛洛、しかし三月は歯牙にも掛けず、昊青にも罰を与える。「紀雲禾を襲った悪霊を放ったのはあなたでしょう?悪霊を操ることは掟に反す あなたも紀雲禾同様、3日間、謹慎しなさい 思過窟は封印し立ち入りを禁ずる!2人とも外へ…」雲禾は偶然、雪三月と離殊(リシュ)が一緒にいるところを見かけた。離殊は三月の仙侍で山猫族、神獣陸吾(リクゴ)の傍系で霊力も大したことはない。しかし雲禾は2人の関係を怪しみ、その夜、洛洛と離殊の居所を見張ることにした。雪三月にも弱みはあるはず、長意をなだめるためには雪三月を懐柔するしかない。すると離殊が付近を警戒しながらどこかへ出かけて行った。雲禾と洛洛は離殊のあとを追いかけ、結界の中へ入ったが…。つづく( ๑≧ꇴ≦)ルオルオw
2023.03.24
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驭鲛记之与君初相识 The Blue Whisper第2話順徳仙姫(ジュントクセンキ)・汝菱(ジョリョウ)は万花谷(バンカコク)に凶暴な鮫人(コウジン)の教化を命じた。谷主・林滄瀾(リンソウラン)は足が不自由なため少谷主・林昊青(リンコウセイ)が引き受けることにしたが、紀雲禾(ジーユンファ)は自分が教化したいと申し出る。「恐れや妥協から臣服させたとしても主従の絆は強くなり得ない、自発的な恭順こそ尊いのです 心を御すことに私は誰よりも長じています」仙姫は恐れ知らずな御霊師に興味を持ったが、名前を聞いて張(チョウ)仙使に禁言の符を貼り付けた者だと気づいた。「自ら志願してしくじった時はどうするつもりかしら?」「責任を取ります、しかしうまく行った時は私も褒美を頂けますか?」「面白い、いいわ、先に私の望みを叶えた者に褒美をやる」雲禾の仙侍・洛錦桑(ルオジンサン)は深海の主である鮫人を服従させることなどできないと心配した。しかし雲禾は自分にとってこれが最後の機会だという。もし林昊青が教化に成功して仙姫に認められれば谷主の座を継ぐことになり、自分は用済みになるだろう。一方、谷主は林昊青を呼び出し、褒美に何を求めるつもりか聞いていた。「万花谷では手に入らぬ物があるのか?」「…谷に必要な物を得られれば良いかと」谷主はそれ以上、追及せず、息子が自分で謀をするのも成長した証しだと考えた。鮫人は思過窟(シカクツ)で監禁された。鮫族は古(イニシエ)の霊獣、東海に住み潔癖で情を重んじ、水を操るという。念のため仙姫は洞窟に術をかけ、仲間が居場所を見つけられないよう手を打っていた。林昊青は手始めに雷刑で鮫人を服従させようとしたが、万花谷より過酷な仙師府の刑に耐えただけあって手強い。すると仙侍の思語(シギョ)が姿を見せない雲禾を警戒した。「何か企みがあるのでは?」「手を出すつもりか?箱の金符を破った時のように…」昊青は罰として思語に贈った聖刀を取り上げ、自分の許しなく紀雲禾に関わるなと釘を刺した。雲禾は師兄とは対照的に情で鮫人を懐柔することにした。鮫人は思過窟の大木にはりつけにされ、大きな尾ひれは林昊青が放った矢で打ち付けられている。それにしても何と美しい容姿だろうか。雲禾はしばし見惚れていたが、鮫人に傷薬を塗ることにした。驚いた鮫人は必死に抵抗、すると雲禾は笑顔で敵ではないと訴え、決して傷つけないと約束する。「我慢して、すぐ終るわ」鮫人は次第に落ち着いたが、ふと腹の傷に触れられ、急に気恥ずかしくなって雲禾を遠ざけた。雲禾は魚も恥ずかしがるのかと失笑し、鮫人のため衣を招喚した。「最後に弓矢を抜くわね」しかし雲禾は弓矢に呪術が仕込まれていると気づいてあきらめる。すると激怒した鮫人が無理やり矢を抜こうともがきだし、呪術が反応した。焦った雲禾は仙印で何とか押さえ込んだが、霊力を使い過ぎたせいで喀血してしまう。「あなたを救えるのはあなた自身しかいない、こうしてやみくもに逆らってはだめよ その力を利用するの…」そこへ呪術の発動に気づいた林昊青が慌てて駆けつけた。林昊青は雲禾が弓矢を抜こうとしたと分かった。呆れた昊青は脱走を防ぐためだと説明し、凶暴な鮫に再び天雷を落として罰を与える。しかし鮫人は雲禾の助言通り天雷の力を身体に蓄え、一気に放出させた。その激しい力は尾ひれから矢を抜き出し、その矢は昊青の頬をかすって岩壁に突き刺さる。林昊青は自分の毒矢で負傷、解毒するため慌てて引き上げた。雲禾と洛洛は門まで少谷主を見送った。しかし洞窟に戻ってみると、はりつけになっていた鮫人の姿がない。2人は慌てて結界まで駆け寄ったが、驚いたことに霊力で拘束を解かれた鮫人が今にも立ちあがろうとしていた。「ルオルオ…尾が消えて脚が生えてるわ!」「鮫人はもともと陸にいて脚があったらしい、でもなんでだろう?」焦った雲禾は慌てて術を放ち、鮫人に衣を着せた。「大尾巴魚(ダーウェイバーユー)、私があなたを守ってあげる、美味しい物を食べてゆっくり寝てね」雲禾は洛洛がせっかく貯めた霊石を注ぎ込んで鮫人の世話を始めた。3日もすると鮫人の雲禾を見る目に変化が現れ、雲禾はあと3日で懐柔してみせると意気込む。「私から見たらあなたは善良だわ、一体、何があったの?」しかし鮫人はなかなか口を開かなかった。「話したくないならいいの…そうだ、あなたが水を操れるから誰も水をくれないでしょう? 持って来るわね」すると鮫人は洞窟の水分を手のひらに集めてみせた。「御水術…傷さえ治ればあなたは最強の魚に戻れるのね でもここから脱出するのは難しい、言うことを聞いてまずは傷を治して 逃亡は手伝えないけれど、友情の証しに別の贈り物を持って来るわ」そんな雲禾の様子を見た洛洛は、雲禾が鮫人に傾倒しているようで不安になった。↓魚は綺麗に食べます鮫人は自分の足を珍しそうに眺めていた。そこへ林昊青が現れる。「伝説のとおり鮫人は尾ひれと足を併せ持つのだな…これを見よ」昊青は自分の令牌を見せ、紀雲禾も最強の御霊師である証しとして令牌を持っていると教えた。「仙姫が雲禾にお前を任せた理由だ、普通、罪を犯した者に善意を施すことはない、よく考えてみろ」雲禾のもとへ谷主の仙侍・卿舒(ケイショ)から伝令符が届いた。「紀護法、谷主がお呼びよ」谷主は息子の負傷が雲禾のせいだと知っていた。しかし研鑽(ケンサン)には苦労が付きものだと理解を示す。「だが忘れてはならぬぞ、己の分をわきまえ、何を得て何を失うか… 衝動的になることは誰にもある、だが邪心を抱いてはならぬ 寒霜の解毒薬が得られなければどうなるか分かっているな?」「心得ています」雲禾は負傷した鮫人のため仙薬を届けた。そこで薬と引き換えに名前を教えて欲しいと頼む。「私は雲禾…あなたは?顔と同じようにきれいな名前なのかしら?」しかし鮫人は雲禾の懐に令牌があることに気づき、林昊青の忠告が事実だと知った。憤慨した鮫人は雲禾の手首をつかんで素早く令牌を取り上げたが、その細い腕に大きなあざが見える。気がつけば薬瓶は吹き飛び、貴重な仙薬が散乱していた。雲禾の腕を見た鮫人は気まずそうに令牌を返した。すると雲禾はこれが自ら望んだ地位ではないと否定する。「腕を見たでしょう?掟に縛られているの、逃げ出せるものなら… 仙印であなたを矢から守ったわ、あなたに薬や食事を届けたせいで移住の夢も潰えそうよ 凝雪丸(ギョウセツガン)だって長年、苦労して作り上げたの、自分でも使わず大事にしていたのに…」雲禾はただ友だちになりたかっただけだと訴え、自分を信じてくれない鮫人に失望した。「あなたが嫌ならもう来ないわ…無事を祈ってる」雲禾が洞窟を出ると林昊青が待っていた。「紀雲禾よ紀雲禾…出任せながら感動的だった 本性を知らなければ私もうっかり信じてしまうところだったよ…」「なぜ疑うのかしら?本心かもしれないのに」「お前の本心なら霊蛇窟(レイジャクツ)で聞いた…あの時の言葉は一生、忘れない」昊青と雲禾は幼なじみだった。2人は本当の兄妹のように仲が良かったが、ある時、昊青は雲禾に突き飛ばされて霊蛇窟に落ちてしまう。『谷主の子だから付き合ってあげただけよ!』昊青と雲禾はこの一件から袂を分ち、相容れない存在となった。一方、鮫人は雲禾を誤解していたと気づいた。そこで落ちていた仙薬を拾って1粒、飲んでみる。鮫人は霊力が復活するのを実感して喜んだが…。つづく(  ̄꒳ ̄)洛洛は珍しく脇役なのね〜いつもどこか硬い感じだったけれど、今回は表情豊かで可愛い!
2023.03.23
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驭鲛记之与君初相识 The Blue Whisper第1話…九重の天の上仙界に天仙と地仙が誕生した厳格に秩序を守る天仙に引き換え、しばしば禁を犯す地仙そんな掟を破る者たちを教化するのが天仙の精鋭・御霊師(ギョレイシ)だ天仙の世界では地仙との恋は御法度、中でも南方の万花谷(バンカコク)ではこの禁令が遵守されていた私の名は紀雲禾(ジーユンファ)、運命は信じていないかつて心から愛した人に言われたことがある″風のように何にも縛られず自由であれ″とあの人の言葉は全て胸に刻まれている彼は鮫人(コウジン)の長意(チャンイー)『長意、私の命はもう尽きる、最後の数日だけでも私を自由にさせて』思いもしなかった心から愛した人にとらわれて自由を奪われ、死を待つことになろうとは『以前のように私を騙せるとでも?そうはいかぬ、はっきり告げておく 天下広しと言えど、君の居場所は私の目の届く範囲のみ!』なぜこんなことになったのかそれはあの頃にさかのぼり語らなくてはならない…万花谷の御霊師・紀雲禾は犬猿の仲である兄弟子・林昊青(リンコウセイ)と護法(ゴホウ)の座を競っていた。その日、雲禾が追っていたのは凶暴な地仙の姑獲鳥(コカクチョウ)、そこで雛鳥を盾にして降参するよう説得する。「はっ!私の阿音(アイン)!返して!」「子を思う親心ね…でもこの雛は阿音じゃない」実は天庭の記録によれば阿音は120年前の西南の大火で命を落としていた。姑獲鳥は自分の起こした火事で雛を失った自責の念から、灌灌鳥(カンカンチョウ)の雛を奪って阿音の身代わりにしたのだろう。そこで雲禾は阿音が上仙に助けられ人間に転生したと教え、司命星君から借りたという法器で現在の阿音を見せた。姑獲鳥は元気な我が子の姿に涙、雛鳥を親元に帰すと決める。「どんな理由であれ他人の子を盗むのは過ち、でも雛を傷つけてはいないわ 素直に霊丹を出して、仙師府で罪を償えば再起できる」姑獲鳥はようやく執着を捨て、自ら霊丹を差し出しておとなしく仙師府へ向かった。瞿暁星(クギョウセイ)は姐弟子が姑獲鳥に見せた術に驚き、今の技を学びたいと頼んだ。しかし雲禾は御霊の秘術を学びたければ霊石と引き換えだという。「雲禾…俺から霊石を取ると?」その時、張(チョウ)仙使が現れ、灌灌鳥を奪った。「この羽毛は極上の飾りになる…順徳(ジュントク)仙姫に献上しよう!」張仙使は雛と引き換えに希少な″禁言の符″を雲禾に渡す。すると雲禾はその符を張仙使に使って口を封じ、雛を取り返した。「私では禁を解けませんので仙姫の元へお帰りください」雲禾は瞿暁星に雛を託し、故郷へ帰すよう頼んだ。「雲禾…順徳仙姫は天君の姉で仙師の寵を受ける直弟子 張仙使はその順徳仙姫の側近だぞ?恨みを買うのはまずい…」「我慢して従う必要なんかないわ」その頃、林昊青はひと足先に歴風堂(レキフウドウ)に戻っていた。父で万花谷谷主・林滄瀾(リンソウラン)は足を悪くして車椅子だが、その威厳は少しも衰えていない。すると昊青は暴れ犀(サイ)の霊丹を見せた。「若いのに凶暴な地仙を馴らすとは!かつての谷主を思い出させますな」東濂(トウレン)長老はこれで護法の座は少谷主のものだと喜んだが、木沢(ボクタク)長老は前回の比武で勝利したのは紀雲禾だと指摘する。「刻限まではまだありますぞ」その時、雲禾が現れた。「まさか早い者勝ちで決着をつけるおつもりですか?」雲禾は姑獲鳥の霊丹を持っていた。あの凶暴な姑獲鳥を手名付けたと知った長老たちは騒然、しかし昊青は雲禾が御霊の際に張仙使ともめたと知っている。万花谷は先師府に統括されていた。仙師の直弟子・順徳仙姫は御霊師に命を下す権利を持ち、怒りを買えば大変なことになる。すると雲禾は昊青に暴れ犀をどう始末したのか聞いた。「凶暴で手に負えぬ、殺すしかない」「万花谷では仙師府の命は絶対です、罪を犯した者は仙師府で天規に照らし裁かれる しかし師兄は独断で処刑したと?…罪を問われるのは私ではなく師兄では?」その時、黙って聞いていた谷主が口を開いた。「世界は天と地に分かたれた 我ら御霊師は天仙・帝俊(テイシュン)の後裔(コウエイ)、古(イニシエ)より禁を犯す地仙どもの御霊を担ってきた 殺さずに戒めて御する、御するに当たっては悪行を改めさせ、善に導かなくてはならぬ つまり地仙の教化を御霊の上策とする」谷主は暴れ犀を仕留めただけでは修行が足りないと息子を諭し、雲禾に褒美として私蔵の宝を2つ与えると決めた。「護法に昇格した祝いの品を授よう…雲禾、今日は″技を伝える日″だったな」雲禾は″技を伝える日″に谷主から薬をもらい、寒霜(カンソウ)の発作を抑えなければならなかった。しかし今日は張仙使を怒らせたせいで厳しい罰を与えられてしまう。雲禾は骨の髄まで凍りそうな痛みに襲われながら、これも師兄のためだったと釈明した。実は雲禾は昊青を一人前に成長させるための研磨石のようなもの、自分が張仙使に嫌われることで昊青の味方をするよう仕向けたという。「…私の命は谷主の手中にあります、早く薬をください」雲禾は護法の令牌と薬を受け取り、洛洛(ルォルォ)が待っている花園まで何とかたどり着いた。洛洛こと洛錦桑(ルオジンサン)は蝶々の精で紀雲禾の仙侍であり盟友でもある。2人の夢は霊石を貯めて仙島と交換し、万花谷を脱出して気ままに暮らすことだった。「洛洛、北の地はどう?雪の降る清らかな世界、毒の花が咲き乱れる… この万花谷とは真逆の場所よ?」「いいわね!…でも寒霜の発作が出たらどうする?薬を盗もうか?」「だめよ、とにかく機が熟すまで待つの」雲禾が護法となって1ヶ月が経った。洛洛は簡単に服従しそうな地仙を準備しては弟子たちに霊石を払わせ、紀護法の御霊術を見学させる。今や護法として風格も出て来た雲禾、そんな雲禾の唯一の楽しみは読書だった。洛洛は偶然、拾った作者不明の古書をなぜ大事にするのか分からなかったが、雲禾は本の中にある絶景や美食に思いを馳せて気分転換するという。「美しいものを愛でたい…誰か谷主を制する者がいれば…」その時、張仙使が雲禾を訪ねてきた。張仙使は雲禾に凶暴な地仙の御霊を頼んだ。地仙の箱が呪詛を込めた仙師府の金符で封印されていることから、相当やっかいなのだろう。実は仙姫が権力を握ってから仙界は混乱し、もう長いこと九天に平和はなかった。瞿暁星は張仙使の報復だと分かったが、雲禾は危険を承知で箱を開けることにする。その様子を思語が遠目から見ていた。思語は法力の高い紀雲禾が万が一にも御霊に成功すれば、主が水をあけられてしまうと心配し、密かに術を放って金符を解いてしまう。そのせいで雲禾が箱に触れただけで突然、蓋が壊れ、鮫人が飛び出した。鮫人は近くの池に飛び込んだ。初めて美しい尾ひれを見た雲禾は興味津々、しかし鮫人は敵意剥き出しで雄叫びを上げる。そこで雲禾は戦部の弟子たちと陣を敷こうとしたが、鮫人の凄まじい力に跳ね飛ばされた。すると駆けつけた昊青が矢を放ち、鮫人は尾ひれを射抜かれ、拘束されてしまう。「兄長!尾ひれを傷つけないで!」その時、万花谷に順徳仙姫の輿が到着した。「期待通りだったわ~このあとも期待を裏切らないで欲しいものね」捕縛された鮫人は数日前、仙姫が東海へ出かけた際、弟子たちに怪我を負わせていた。そこで鮫人の教化を命じたが、望みがあるという。1つは口を開かせて仙姫に臣服させることだったが、2つ目は永遠に海に戻れなくなるよう尾を断つことだった。鮫人にとって鮫尾と鮫珠は命も同然、木沢長老はさすがに奪うのは困難だと訴えたが、仙姫の顔色が一変する。緊張に包まれる歴風堂、しかし仙姫が突然、高笑いした。「あははは~!何をそんなに焦っているの?私は何事も半端なことはしたくないだけ 役に立たぬのなら生かしておく必要もない…谷主もそう思うでしょう?」すると仙姫は自分の望みを叶えた者にはいかなる褒美も出すと約束した。その時、雲禾がやって来る。「護法の紀雲禾がお望みを叶えるべく教化を行いましょう」つづく( ๑≧ꇴ≦)ディリラバ登場!ショートカットと師兄のアゴは見なかったことにして
2023.03.22
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