日々、是、ざつぶん

日々、是、ざつぶん

July 11, 2022
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カテゴリ: 番組視聴感想
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えー…………金曜から土曜にかけて、ほぼほぼ、徹夜しました(

まぁ、徹夜した理由はサバイバルラウンドを見るため だけ ではなかったんですけど
それでも、土曜日の午前中までに全6エリア全部を視聴し終わりました。

ただ……。
感想の書き方が非常に難しい

たぶん、エリア予選のように一つ一つの地区を順番に丁寧に書いていくと、 書き終わるまでに ​決勝が終わる​

なので、ここではまず、時短大好きな若者の皆さまのために(?)、はやせの中で強い印象を残した部分をハイライト的に書いてみようかなと思います。

このページを読むだけで、 1時間番組6本分 を見た気分になるように!(ぉ)ガンバルゾっ。
(ただし、ベースは最初にほぼリアタイした 北海道・東北エリア のものが多いかと思います)

なお、 TVer でこれからご覧になろうとしている方に向けては…………ページを開いた瞬間に公式で がっつり ​ネタバレ状態​ になっておりますので()、色々と ​諦めてください​ (文句があれば、事務局へ送ってくれ

​【​オープニング】​

初代サマ🐉の涙と感動の優勝コメントからスタートし、総応募者数461名から書類審査95名を経て、サバイバルラウンド開始時点で概ね10分の1である 42名 にまで絞られていることが説明されました。

今回、1つのサバイバルラウンドを見終わると、もれなく他のエリアの全国大会進出者がわかるという 親切設計 なんだけど、その代わりにサプライズ感はやや薄れるという編集方針を披露され、この時点である程度の ​ダイジェスト感​ を覚悟()。

しかしながら、30分番組から 1時間番組に格上げ になったことで、番組に 緩急のメリハリ が出たとも言えるとも思います。つまり、番組制作陣の「ココを見て欲しい!」と力を入れた部分が、よりクリアに伝わる作りになったかな、と(逆に言うと、番組のかなり序盤の方で、誰がサバイバルラウンドを制覇するのかがまぁまぁ ​予想できてしまった​ )。

ここで、(ようやく DRAGON CHEF から CHEF-1グランプリ へ変更したことにより生まれた、 成功した改良点 1つ目を発見。

CHEF-1からは審査員が5名体制となりましたが、この5名に 審査員用制服 にあたるコック服が与えられました。このデザインがすこぶるカッコ良い!もうもう、去年の優勝賞品だったあの ​成金系金ぴかシェフコート​ (←酷っ)は一体なんだったのか、というほどに、これはセンスいいです!

カラーリングは、ネイビー系(あるいはネイビーブルー)をベースに、 白縹色 に近いかな、という落ち着いた水色​をアクセントに入れています。しかも、色には統一感がありますが、コック服そのもののデザインは皆さん微妙に異なっていて、それでいて皆さん似合っている!これはしっかりと、本職のデザイナーさんに依頼したんじゃないかな、と思わせてくれます(……何故これが、初回からできなかったんだ

集合写真の 戦隊シリーズ っぽい(ぉ)立ち姿も、大変はやせ好みではあります!(このあたりは、異論反論受付いたします(苦笑))。

これから先の、番組ダイジェストシーンを挟み込みつつ、サバイバルラウンド最大の特徴である暫定順位ピラミッドを映し出したところで、次のセクションへ。

​【審査員と挑戦者、エリア・アンバサダーの紹介】​

​サバイバルラウンドについては、審査員軍団から各2名が派遣され、この二人でジャッジを担当します。この二人の組み合わせは、エリアごとに 全て異なるペア になっていて、一人2か所または3か所を担当したようです。
  • ​​​ 北海道・東北エリア 関谷健一朗 氏、 瀬川あずさ 氏​​
  • ​​ 関東・甲信越エリア 神田裕行 氏、瀬川氏​​
  • ​​ 東海・北陸エリア 堀江純一郎 氏、瀬川氏​​
  • ​​​ 近畿エリア :堀江氏、 田村亮介 氏​​
  • 中国・四国エリア :神田氏、田村氏​
  • 九州・沖縄エリア :田村氏、関谷氏​
紹介順は、恐らく年齢順(または、料理人等経験年数順)。妥当なところだと思います(ジャッジ後の順位コールについては、席次関係なく、皆さん経験されております)。

ちょっとだけ考察してみると……。

​​​まず、現役のミシュラン星付き店で働く挑戦者の多い関東・甲信越エリアで審査をして、説得力あるコメントができるのは、今回のメンバーだとミシュラン三ツ星の神田さんか、同じく三ツ星の関谷さんしかいないと思うのですけれど、関谷さんだと 直接の部下が参加している 上にエリア予選でもロブション系譜の 渡辺雄一郎 さんが審査員だった手前、このエリアのメイン審査員は事実上、 神田さん一択 になった気がします。

もちろん、本当の一流料理人さんなら、自分の身内だからって甘いことは言わないはずなんですけど(むしろ、もっと厳しく見られるかも)、 凡人視聴者 ほど「ミシュラン一つ星のシェフ ごとき が、二つ星のシェフを審査してるんじゃねーよw」って、思われる危険性があるんですよねぇ

なので、ここを基軸にして、​審査をしたいエリアの希望も聞き取りつつ、バランスをとったかもなぁと(はやせの中では、関谷さんと堀江さんは、若干 キャラがかぶる のよ(ぉ) 。実際に審査のご様子を見させてもらったら、差別化はある程度できましたが……)。

中でも、神田さんとしてはもう一人、去年ご自分が実際に高評価をした中国・四国エリアの三和慎吾さんについて、成長ぶりを直接見たがったのかなぁ、と、思ったりもしました(相変わらずですが、ただのはやせの NO根拠な妄想 なので、信じないように!)。​​

一方、それとは別に、芸人の方々が「 エリア・アンバサダー 」となって、試食をする権利を持っています(試食をするだけで、ジャッジをする権利はない)。基本的には、メンバーの少なくともお一人がそのエリアにゆかりの人物であるようです。
  • 北海道・東北エリア オズワルド ​​
  • ​​ 関東・甲信越エリア マヂカルラブリー ​​
  • ​​ 東海・北陸エリア ニューヨーク ​​
  • ​​​ 近畿エリア 見取り図 ​​
  • ​​ 中国・四国エリア 蛙亭 ​​
  • ​​ 九州・沖縄エリア ​ロバート​ 馬場裕之 さん​
これは、はやせ的には「アリ」ですね。審査をするという責任感を持つことなく、ただただ料理がどれほど美味しいかを表情と言葉で伝えてくれる人は、 画面を和やか にしてくれます(苦笑)。あと、芸能人審査員の方は、人によっては採点ポイントがズレることがありますんでねぇ。​​審査員二人体制というのはいいかもしれません。

ただし…………オズワルドは、大会アンバサダーからエリア・アンバサダーに、 ​格下げ​ になったんすか!?(ぅぉーぃ)​
いや、全国大会は全国大会で、オズワルドにはお仕事があるものと(まだ)思っておりますけれども

一方で、ロバートの馬場さんは 準レギュラー に近い立ち位置になったかもしれぬw

お次は、サバイバルラウンド恒例、暫定順位ピラミッドから出場者の皆さんのワンショット紹介。
これは、ぜひ北海道・東北エリアのものを見てください!出演者たちで示し合わせたのか!?ってぐらい、一番個性的ですw(ウィンクにアイーンw)
​​​MC・ 山里亮太 さん「僕らの緊張は何だったのか?」
オズワルド・ 伊藤俊介 さん「あれですね。1人ずつやんわり ちょけてます よね」wwwww​​​

会場が一気にバラエティ寄りにw​
やっぱりこのエリアだけ、なんか 毛色 が違うんだよ(苦笑)

次に、山里さんが特徴的な出場者の経歴に触れたところ、ここで一番、はやせにインパクトを与えた経歴を披露されたのは、関東・甲信越エリア。
山里さん「暫定4位・神奈川代表の志田(竜児)さん。(中略)かつて、 ​​ 吉本興業 NSC ​7期生 ​​ 」(←!?)
マヂラブ・ 村上 さん「あっ、お疲れ様です(一礼)」www
マヂラブ・ 野田クリスタル さん「1コ先輩です!(中略) もう中学生 さんと同期です!」
(中略)
志田さん「私、まぁ気づいたんです。全く ​面白くなかった​ んです」wwwww

いや、 入る前 に気付こうよwww でも、料理人さんのキャラとしては、充分に面白い部類っすよw
たいめいけん 茂手木 シェフ​ 並には ←)

しかも、ある意味もっと技術力が必要な料理人としての才能(しかも、 ミシュラン 2つ星!希少!)を開花させているんですから、素晴らしいと思いますよ、ええw

一方、 名言 が飛び出したと言えるのは、九州・沖縄エリアかな。
山里さんも触れないわけにはいかない、前回準優勝者・山下泰史さんのお言葉です。
山里さん「この1年は、どういう1年でしたか?悔しいとかありましたか?」
山下さん「悔しい……。でもほんとに、 1位以外はビリ みたいな」

番組側の煽り(台本部分)も多少はあったんでしょうけど、去年の雰囲気は 山下さんが優勝の大本命 で、「勝って当たり前」みたいな雰囲気を ​​ 周囲に作らされた ​​ 部分もあったと思うんですよね(そして、 判官びいき みたいな形で、初代サマ🐉の人気が出てしまった)。

今回については、実は経歴もミシュランによる格付けも、 ​山下さん 以上 の人々​ がゴロゴロと残っておりますんで、去年ほどの絶対的王者としての君臨は難しいかもしれないんですが、だからこそ前回以上に勝利に対して漲る闘志を見せてくれたような気がします。良きです!

なお、サバイバルラウンドのルールについては、変更がありました。
暫定順位最下位の人が、上位2名を指名して3人で戦うのは変わりませんが、勝ち上がるのは一人だけ。 ​より サバイバル感の強い スタイル​ へと針が触れました(個人的には、一度2位通過になっても、リベンジと成長の機会が多く与えられた前回スタイルが好きだったんだけどなぁ……)。

​【第1回戦】​

​サバイバルラウンドのテーマについては、全てのエリアで統一されています。
第1回戦のテーマは、「 これまでにない 卵料理 」。

卵料理については、前回大会も対戦テーマの一つになった食材ですが、世界中ありとあらゆる調理法がすでに存在するだけに、「これまでにない」という枕詞がとてつもなく高いハードルになります。

なお、対戦する3名については、必ず参戦しなければならない暫定順位最下位の方に、他の2名を選ぶ権利があります。

ここで、最もインパクトのある指名が行われたのも、やはり北海道・東北エリアだったと思います。
前回大会以上に勝たなければ生き残れないシステムですから、戦略を考えれば「 自分が勝てる自信のある相手 」を選ぶのがセオリーのはずです。

が。
全エリアで唯一、 1回戦から暫定1位 の大原正雄さんを指名!
ロブション グループの面々と双璧をなしていると言ってもいい、「 ひらまつ グループ​ ポール・ボキューズ 」ラインの系譜を継ぐ才人です。

お二人目も、前回​ファイナリストの本田孝幸さんでしたし、確かにこのお二人を倒せれば大金星で、名声は一気に上がると思いますが……。

指名された気分を山里さんに尋ねられて。
大原さん「最初っから、 3回とも闘えれば 、という気持ちで来てますんで」

頼もしいですわぁ~!(まさか、その後 本当に3回闘う ことになろうとは、恐らくご本人も、はやせも、この時点では全く思っていませんでした)。

1回戦が開始されると、否が応でも注目せざるを得なくなったのは、九州・沖縄エリアです。​​

何しろ、今大会最年少にして、 現役高校生 という唯一のアマチュア出場者というアイコンの持ち主・小田汰征さんが早くも登場ですから。​

指名された側も、負けた場合のダメージが他の地域以上と思われますので、真剣です!ピリピリです!これがCHEF-1です!!

改良点2つ目 の片鱗が、ここの調理シーンでいくつか垣間見られました。
  • 根本的に、調理シーンの放映時間が伸びた
  • ​メイン食材(今回の場合は卵)の ブランド名 についてもクローズアップされた
  • 審査員による調理の解説シーンが増えた​
  • 中継担当アナウンサーが、全体を眺める実況の方と、個別に料理人へ問いかける現場リポーターの 2名体制 になった
例え 料理の鉄人 のパクリ​ と言われようとも、料理対決番組で最も面白い部分は、誰が何と言おうとも 調理をする過程 なのです。​それが、ご家庭ではとても真似できないような 高度な技術 の披露であれば、なおさら。

一方で……そんな料理人さんの特権でもあったような技術が、YouTubeなどの動画配信によって素人さんでも真似できてしまうようになったのが、現代の面白さでもあって、小田さんはそんなイマドキを象徴している出場者でもありました。

山里さん「17で 低温調理 なんて知らなかったけどなぁ」

いや、低温調理が世間で流行り出したのは、2010年代に入って小型化された機械が家庭用にも普及してきたからでしょうw

食材のブランド名については、前回大会では主催者が用意したものだけがクローズアップされる感じだったのですが、「このシェフが選んで使ったこの食材を自分も買ってみたい!」と、ググって 購入意欲を喚起させる こともできると思うんです。これも 地方振興策の一環 だと思うので、 食材の事前調査 だけはしっかりやってもらいたいのですよ!(←生産者目線)

しかし、その後小田さんにはトラブルが発生。 エッグカッター が上手く使えない!
結局、包丁で卵の殻の先端を割る方向にシフトチェンジしましたが、やはりプロの技術ではないため大幅な時間ロスに。
審査員・関谷さん「ちょっと手伝ってあげたいですね」

関谷さんのキャラ、好きですわーw
しかし、ジャッジの時にはきっちり厳しい指摘をされました。
審査員・関谷さん「専門的にしっかり学んでいるわけではないのでしょうがないとは思いますけれど、盛り付けている時の 衛生面 は気になりましたね」

実は、調理師免許を取る上で大事な科目に、 公衆衛生学 食品衛生学 がありまして、お店をやる上ではもしかしたら調理技術よりもこちらの知識のほうがよほど大事かもしれないんですけど、さすがにYouTubeでこんな地味~な情報や技術はなかなか取り上げてもらえないでしょうし​​

お金をいただいて第三者に提供するプロを中心に参加するコンテストなだけに、例えアマチュアであってもここは守ってもらわなければ、 同じ土俵には立てないライン になるかと思います。

その裏側で、「 坂上&指原のつぶれない店 」では、 鹿もも肉の ​刺身​ なる、保健所的には完全にアウトと言わざるを得ない料理で大炎上しておりましたが(あんな カツオのたたき ばりに赤黒いジビエ肉を見せられて、誰が中まで火が通っていると思うかね?)

ペンは剣よりも強し 」という言葉があって、一般的には武力で物事を進めようとする権力者に対して抵抗する手段としての強さを表すものと解釈されていると思うんですけど、はやせ自身は同時に、こうも思っています。

ペンは、時に ​剣以上の武力と権力​ を持つ。

で、あるからにして、言葉を扱う者は(自戒も込めて)、正しく、それでいて愛情を持った言葉遣いを​心掛けなければならないと思うのですよ。

はやせがことあるごとに、ここのスタッフに対して「食材のことをもっと勉強しろ」と口を酸っぱくして訴え続けているのには、口に入るものに対してあまりに無知すぎると、最悪 人が死ぬ 可能性すらあるからです。

ネットの世界では、無責任な言葉が溢れすぎている時代だからこそ、メディアの存在意義ってこの「 正しい情報を届ける 」というところに立ち返った方が良いと思うんですけど、ね(今回のことなんて、 ​メディアの無知をSNSで指摘される​ っていう、全くの逆なんだもん……そんなことをやってりゃ、そりゃ視聴者にそっぽ向かれるわ)。


関谷さんのお言葉には、未来ある若者に対するあたたかいフォローもありました。
審査員・関谷さん「ちょっとずつ、色んなことを教えてあげたいなと思いました。 うちの店来て しばらく働いてくれたら、これより美味しいのをすぐ作れると思います」
MC・山里さん「我々は勝手に ​内定​ と受け取ってしまいました」

山里さんの返しがさすがすぎるwww

そんな関谷さんが審査した卵料理の中で、逆に、最も高評価だったと思うお言葉は、こちらかな。
審査員・関谷さん「僕自身もし30分で作るとなった時に、(人物名)さんの ​レベル感​ までいけるかなって、単純に思った。(中略) 完璧に近い一皿 だったと思います」

その作品タイトルは、「 雲海 」。​
作った方は、先に紹介した北海道・東北エリア、北海道代表筆頭の大原さんです(山里さんの「 うへぇ!? 」顔のタイミングもカンペキw)。

うむっ。はやせが直感した「 別格 」感は、正しかった(と、自己満足)。​

スタッフに感想を尋ねられた大原さんの返しがまた、印象深かったです。
スタッフ「スゴイ誉め言葉でしたね」
大原さん「そんなの言われたことなかったんで、嬉しいを ​通り越しました​ ね」​

前回大会でも、こういう 出場者の本音 をすくい上げるところが良かった部分でもあったので、これは今後もぜひ引き継いでいってもらいたいです。

~~第1回戦勝利者(敬称略)~~​

  • 北海道・東北エリア :北海道代表・大原正雄(暫定1位→1位)
  • ​​ 関東・甲信越エリア :東京都代表・根本郁也(暫定2位→2位)
  • ​​ 東海・北陸エリア :岐阜県代表・柴田貴大(暫定 7位 ​3位​
  • ​​​ 近畿エリア :滋賀県代表・一之瀬愛衣(暫定 5位 ​4位​
  • ​​ 中国・四国エリア :愛媛県代表・久保貴(暫定4位→4位)
  • ​​ 九州・沖縄エリア :​熊本県代表​・松田悠佑(暫定4位→4位)​

1回戦で下克上が起こったのは、2エリア。もちろん、それぞれ見ごたえのある展開となりました。一方で、中国・四国エリアについては、ダイジェスト感の強い編集となりました。

それと。
この大会にまだ慣れていない方には伝わりにくいかもしれませんが、この大会で勝ち残るために絶対的に必要な評価基準は
  • テーマ食材(今回であれば、卵)を ​主役とした料理​ とすること
  • ​どこかで見たことのある料理名、あるいは調理法をそのまま使うことはなるべく避け、それが避けられない場合は更なる 独自の工夫 を重ねること​
です。
なので、審査員に「卵どこにいった?」と言われてしまったお料理は全て負けているし、「見たことがある」と言われてしまったお料理もほぼ負けているはずです。

プロが作るお料理が美味しいのはある意味当たり前であって、あとは食べる人それぞれの好みの問題になってしまうので、一流のプロ料理人ほど簡単に「美味しさ」で優劣を競うということはしないと思うんですよ。なので、最終的には 表現系スポーツ (体操競技とか、フィギュアスケートとか)のような ​技術点​ がものを言うところもあるように思います(この技術は、表面的な盛り付けの美しさにだけ現れるものではなく、下処理の丁寧さなどの基礎技術も含まれます)。

ここだけは、前任の総監督・ 須賀洋介 シェフが残した レガシー が生き残り、かつ、後任の審査員の皆さんによって 尊重されている と思いました。

そういった視点で大会を眺めてみるのも、面白いと思いますよ(個人的には、ですが)。

​【第2回戦】​

対戦テーマは、「これまでにない から揚げ 」。
しかし、この国民人気の高いメニューテーマが、放送時間の短縮のあおりにより ダイジェスト化されるエリアが続出 してて、大変哀しい

そんな中でも、スタッフの注目を集めまくって仕方がなかったのが、北海道の大原さんでした。

1回戦に引き続き、2度目の指名を受けた大原さんの感想が。
大原さん「だいたい30分の戦いが3時間くらいの仕事量。1営業やったかな、ってくらいのイメージですね」
スタッフ「本日2営業目?」
大原さん「2営業目です。 ​ランチが終わったんで、 ディナー です​
​面白さ​ も必要なんですか?w まぁ、メディアで取り上げられやすくなるのは間違いないですけど

ただし、おかげで同じくらい面白キャラをしていた谷章太郎さんが全然クローズアップされなくなってしまったのが、また(哀) もう、どこでもいいから、どっかで イチモニ! の感想を ​捩じ込んでやろう​ かなと(ぉ)


はやせ的に、2回戦目で結果的に最も注目度が高くなったのは、関東・甲信越エリアですね。

​​最下位の暫定5位指名者は、ロブショングループの一角より、東京都代表の小島広夢さん。指名した相手は、第1位の髙木祐輔さんと、第3位の鄭大羽さん。

指名理由を尋ねられて、小島さんは「同世代対決」(全員20代)とおっしゃっていましたが、それは表向きの表現(もちろん、嘘ではないでしょうが)。本音では「3回戦目を ロブション同士で三つ巴 で闘いたい!」という熱い思いを吐露してございました。

が。そうは問屋が卸さないのが、この大会の面白いところ。

斬新なビジュアルと斬新な味付けが、きっちりと計算されていて、ビジュアルが味覚を損なうことなく、むしろ、 美味しさをフォローする役割をしっかりと果たしている 素晴らしい作品が現れました。

作ったのは神奈川県代表・在日韓国人4世にして、 モダン・コリアン を駆使した独創的な料理を作る、鄭さん。​作品名は「 じゃこのタッカンジョン韓国風セビーチェ 」。

緊張されているのか、元々クールなのか、あまり表情の動かないところが、かえって ダークホース感 を醸し出しています(とはいえ、審査員・神田さんから「(このから揚げは)好きですね」と言われた時の笑顔は可愛らしい感じです)。

髙木さんの作品も充分独創的だったんですが、小島さんの料理がまた見たことのない感じで。
髙木さん「 やぁだ もう~ほんとに~。勘弁してくださいよ~」

前回大会では見た記憶がない、 年相応 の高木さんの反応が、なんだか 新鮮 ですw
けど、対戦相手の凄さが理解できる、というのも、一流である証ですよ!

結局、髙木さんは残念ながらここで脱落。前回大会の戦友がどんどん減っていくようで少し淋しいですが、 大会参加者のレベルが上がっている こと自体は、歓迎すべきことでもあるんですよね。

髙木さんもまだ20代ですし、まだまだ上を目指してチャレンジできる人だとも思うので、頑張って欲しいです。

1回戦を飛ばして(←ぉ)、2回戦に時間をかけた中国・四国エリアでは、全エリアのサバイバルラウンド参加者中ではもっとも数奇な人生を送っていると思われる秋山雄毅さんをクローズアップ。

メディアが好んで飛びつきそうな人だなぁというところに若干同情をしつつ、しかし、勝負の世界にそんなバックボーンは関係がなくて、ただシビアに実力だけが評価される世界であるということを見せつけた闘いでもありました。

審査員の 度肝 を一番抜かした作品を披露したのは、恐らく、近畿エリアの京都府代表・楠修二さん。

審査員・田村さん「面白い料理ですね。(中略)僕らの発想にはない一皿は素晴らしいなと思います」
審査員・堀江さん「見たことないですね。 ​デンジャラスさ​ も含めて」w

どうデンジャラスだったのかは、 実際に見てみる価値がある お料理だと思いますw

2回戦ではもう一つ、(恐らく)大会始まって以来の緊急事態が発生(九州・沖縄エリアにて)。
すなわち、お一人のお料理が 制限時間内に仕上がらない!
火入れ不十分の鶏肉はダメです! カンピロバクター は怖い。
かくして、審査員に食べてもらうことなく 失格 という扱いになってしまいました……

~~第2回戦勝利者(敬称略)~~​

  • 北海道・東北エリア :北海道代表・大原正雄(暫定1位→1位)
  • ​​ 関東・甲信越エリア :神奈川県代表・鄭大羽(暫定 3位 ​1位​
  • ​​ 東海・北陸エリア :石川県代表・砂山利治(暫定1位→1位)
  • ​​​ 近畿エリア :京都府代表・楠修二(暫定 3位 ​2位​
  • ​​ 中国・四国エリア :高知県代表・長瀬大樹(暫定2位→2位)
  • ​​​ 九州・沖縄エリア :​福岡県代表​・大野尚斗(暫定 3位 2位 )​

2回戦では、から揚げというテーマに対して定番の鶏 以外 の鳥食材を持ってきた人が強かった印象でした(大原さんが うずら 、石川県代表の砂山さんが 七面鳥 、福岡県代表の大野さんが )。鶏以外の食材を使った場合は、審査員が「その食材を使う上での問題点」を​​​​事前に指摘しつつ、そこをきっちりとクリアした上で、さらに料理としての完成度の高さが評価された印象です。

ただ鶏以外の食材を使うだけなら…………北海道の ザンギ 好き居酒屋が作った「 鮭ザンギ 」が一番になっちゃうかもだしなぁ(苦笑)。

​【最終決戦】​

今回のサバイバルラウンドのルール上では、最終決戦(3回戦)までに必ず全員が最低1回は闘うルールとなっており、この時点で北海道の大原さんは 3連戦 が確定。控室に戻る背中に、疲労の色がにじみ出ています……(初代サマ🐉もそうだったけど、北海道代表者は必ず連戦を強いられる運命なのかいのぅ?)。

さすがに、この最終決戦で全国大会進出者が決まるわけで、各エリア3回戦ではそれぞれ、 ​稼いだ尺の分​ をしっかりと有効活用した編集となっております(←相変わらずの穿ったテレビ視聴癖)。

アンバサダー芸人さんたちとはここでお別れ。代わりに、最終決戦ではゲスト試食人の方々がいらっしゃいました。
  • 北海道・東北エリア 山瀬まみ ​​さん
  • ​​ 関東・甲信越エリア トリンドル玲奈 ​​さん
  • ​​ 東海・北陸エリア 遼河はるひ さん​​
  • ​​​ 近畿エリア 今田耕司 さん​​
  • ​​ 中国・四国エリア 中野美奈子 ​​さん
  • ​​ 九州・沖縄エリア ​知花くらら さん​
……なんか、​今田さんも、準レギュラー枠に入ってきた感があるな(ぉ)。

元々は、本家 M-1 のMC繋がりからの参加かと思っていましたが、意外なほど(←2度目の失礼)料理の評価が的確で、グルメな方ですわ(独身だからこそ、あちこちの美味しいお店を食べ歩いている経験が豊富なのかもしれん)

その他のゲストさんも、出身地だったりなどの何らかのかたちで当該エリアと縁の深い方々が呼ばれた感じですね。

全国大会出場をかけた最終決戦の対戦テーマは、「 ​​ ご当地和牛 を使った新しい 郷土料理 ​​ 」。
既存の郷土料理を尊重しつつ、どのようにアレンジして 自分の料理に昇華させている か、が、評価のポイントかなと思いました。

それと、和牛だけは 全47都道府県全てにご当地産品がある のですね!知りませんでした……。

西日本の3エリアについては、温存されていた暫定1位の面々(前回大会経験者二人を含む)が、満を持して初参戦。

一方、やはり北海道・東北エリアだけパターンが違っていて、常勝1位の大原さんだけが実戦経験者として、他の初陣二人を迎え撃つという 謎展開 に()​。結局、今回3連戦になったのは大原さんだけか?

どこのエリアも見どころがあって、 三者三様 ならぬ 六者六様 それぞれの細かいレポート風感想を書きたいぐらいなんですけど、時間がいくらあっても足りないので(涙)、引き続き全体を俯瞰した感想を試みたいと思います。


今回のテーマだと、「どのご当地和牛を選ぶか × 肉の部類はどこを使うか × モチーフに選ぶ郷土料理は何か」という、無限の組み合わせが考えられますが、はやせ的に文句なく 頭1つ抜けた発想力 を発揮したのは、福岡県代表・​​山下さんと、北海道代表の大原さんのお二人だったと思います。

このお二人だけの共通点。それは、全く違う郷土料理を 2種類掛け合わせた こと!(山下さんが ​​ かしわめし × もつ鍋 ​​ 。大原さんが、 ​​ 昆布巻き × いももち ​​ 。正確には、熊本県代表の松田さんも ​​ からし蓮根 × はさみ揚げ ​​ という2つの要素を掛け合わせているんですが、食材が共通の レンコン を使うという点で バランスの取りやすさ の面ではレベルが違いますし)。

全く別々のお料理の要素を合体させる場合、その味のバランスを取るのが非常に難しいと思うのですが、そこを抜群のセンスでクリアしていました。

しかも、山下さん!そそそ、その味変テクニック= 2段階手法 って、 ​初代サマ🐉の得意技​ だったヤツじゃあないんですかっっ!?(←スーパー思い込み贔屓目線

ただ、センスと言えば、この二人を凌ぐかもしれない 神の領域に届くような ​味覚の持ち主​ であることが判明したのは、滋賀県代表の一之瀬さんですね。

1回戦からして、少し味付けの加減を間違えると風味が吹っ飛びかねない卵という食材に、 鮒寿司 という クセツヨ食材 を合わせるという独創性を見せつけましたが、これが偶然ではなかったことをこの3回戦でも見せつけました。どう考えてもバラバラ過ぎる味付けが、渾然一体とまとまるって、 天才の感覚 やん!? 弱点らしいものは、味付け以外の技術面で、ここはまだ年齢も若いし、今後もっともっと伸びていく部分でもあるかな、と思いました。

​一方、純粋な技術力の高さを審査員に絶賛されたのは、石川県代表の砂山さんだったかもしれません。映像がほぼ、肉の火入れにしか向いていない()くらい、お肉の焼き方がカンペキでした。

前回の初代サマ🐉枠(=努力家枠)に、今回もっともハマっているのは、もしかしたら神奈川県代表の志田さんになるのかな?(ハマっ子スタイルなご本人のお姿とも相まって(謎))。評価ポイントが ​伝統のロブションの から一歩飛び出した​ 、というところに、可能性の片鱗を垣間見た気がします。

高知県代表の長瀬さんは……どうなんだろう? 2回闘っていますが、2回とも審査員に「イタリアンではないw」と言われているんですが全国大会では、唯一のイタリアンシェフとして、本気のイタリアンが見てみたい気もいたします(いっそ、引退はやめて、 郷土料理の伝道師 になってみます?(ぉ))。


~~エリア別・全国大会出場決定者(敬称略)~~​

  • 北海道・東北エリア :北海道代表・大原正雄(暫定1位→1位)
  • ​​​ 関東・甲信越エリア :神奈川県代表・鄭大羽(暫定1位→1位 )、神奈川県代表・志田竜児(暫定 4位 2位 )​
  • ​​ 東海・北陸エリア :石川県代表・砂山利治(暫定1位→1位)
  • ​​​ 近畿エリア :滋賀県代表・一之瀬愛衣(暫定 4位 ​1位​ )京都府代表・楠修二(暫定2位→2位)
  • ​​​ 中国・四国エリア :高知県代表・長瀬大樹(暫定 2位 1位 )​
  • ​​​ 九州・沖縄エリア :​福岡県代表​・山下泰史(暫定1位→1位 )​

今回、最初のピラミッドの初期位置から一度も1位の座を明け渡さなかった方は3名いらっしゃいますが、「 常勝 」または「 トップ・オブ・ザ・トップ 」の称号が与えられるべきなのは、例えはやせの 道民贔屓 を差っ引いたとしても、どう考えても北海道代表の大原正雄さんという結果に(3戦3勝)。 盛り付けの斬新さ の点では、モチーフにした郷土料理の元ネタがほとんどわからない姿かたちなのに、食べるとそれがわかる、という サプライズ感 も図抜けています。

一方で、前回大会ファイナリストたちが 山下さんを除いて全滅 というあたりにも……出場者のレベルがあがったことも間違いないと思うのですけれども、須賀シェフのお眼鏡にまだ届かず、昨年サバイバルラウンドを通過できなかった方々は、今回もまだ「何か」が足りなかったのかなぁ、と。


まだまだ書き足りないところは多々ありますけど、とりあえずお時間もお時間なので(しかも、すでに20000字越え)、ここら辺で一度Upをしておきます……。やっぱり、何だかんだいって、サバイバルラウンドは燃えたなぁ。もっと見ていたかった……。





あ、忘れてた
CHEF-1になって良かったことの3つ目。

山里さん。最後の最後で本番のお料理を食べられて本当に良かったです!
抜群のワードセンスだけではなく、「 食べたいリアクション&顔芸 」でも大いに笑わせてくれた山里さんこそ、この番組に 欠かせないピース だったと再認識しましたわw

第21弾 ​ へ続く





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Last updated  July 22, 2022 08:05:17 AM
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