日本版レコンキスタ宣言旅立った孫と子孫への私の人生卒業論文

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2019.08.13

初盆だね

カテゴリ：旅立った孫への手紙

綾人へお前が旅立ってから始めての初盆を迎える今日は君の曾祖父のところに行ってくる、２回目のお盆だ。この際君の曾祖父について経歴を書いておこう、個人情報のからみがあるからはっきりとは書けないが了承してくれ。

昭和７年１９３２年に北海道で、５男2女の末っ子で生まれた。子どもの頃から皆に可愛がれ「ちょんこ」と言われていた。これは「めんこのちょんこ」という北海道弁に由来している。両親ともに40歳を超えてから生まれた子どもだったので溺愛されたようだ。

そして当時は中学が義務教育ではなく、受験によって進学していた。そして一中に入学した。自分では兄弟の中では俺が一番頭がいいと言っていた。まっその通りだろう大学に進学したのは親父だけだったから。
終戦となり、親父は高校に行くそして千葉県の大学に進学した。その時父親は会社を婿に委譲していたので親父は卒業したらその会社に入社するという約束で義兄に学費を出してもらった。本当は長兄が継ぐことになっていたが、中国戦線で終戦を迎え、抑留されていた。でも昭和２2年終戦から2年後に復員できた。丁度帰って来た時戦死したのだろうと思っており、親父が玄関で見た時は幽霊かと思ったらしい。親父とは１８歳離れている。その時すでに家業は婿が継いでいたので、長兄は札幌で起業することになった。

俺が離婚してどん底になった時再出発の意味も込めて千葉に住んだのは親父の影響だ、親父が４年間過ごした千葉、そして親父は家業は長く続かなかった。自分の好きな仕事がしたいと、某財閥系の会社に中途入社する。俺が義務教育９年間のうち親父は４年間東京の本社に単身赴任していた。その時親父は千葉県に住んでいた。親父にとっても俺にとっても千葉は第二の故郷と言える。

親父は丁度俺が高校入学と同時に会社を辞め起業した。最初は順調に見えたが、俺が大学１年生の時倒産し借金を背負ってしまった。俺も学校をやめ働くと言ったがお袋がせっかく入っただから辞めるなと、今で言う働きながら学ぶ。でもこの時の経験が俺の今の生き方に繋がる、親父の事業がうまくいかなかったのは資金不足と見込みが甘かったからだと私は結論づけた。学費を稼ぐためいろいろなバイトを経験した。そこで職業に貴賤はないと学んだ、いわゆる貧困層と言われる人達とも知り合いになった。この経験がなかったら恐らく今の俺はいない。そういう意味では親父に感謝しないといけない。

そしてサラリーマンに戻った親父は５９歳の時癌に侵される、胃がんと診断され全摘したその時に大腸がんも見つかり大腸の三分の一削除した。１年に及ぶ入院生活で入院中に６０歳の還暦を迎えた。
退院して１年ほど過ぎた時に親父の後輩が起業したので、専務として来て欲しいとなり、その後後輩が亡くなったので親父は代表取締役に就任した。８０歳を機に一線から身を引いた。要介護状態になり私が親父を札幌から連れてきたわけだ。そして平成３０年１月眠るように両親の元に旅立った、享年８５歳人生を全うした。

一番残念なのは親父と二人で千葉に行けなかったことだ。心残りはこれだけだ。また俺は無一文になることはまったく恐れていない、頑丈な体とやる気さえあれば仕事はついて来ると思っている。今更贅沢をしようとも思わない。毎日生き甲斐持っていれば、こんなに楽しいことはない。じゃまたな。

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