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★ 『 ピアノの森 』 一色まこと (1998年~)レンタルコミックにて、既刊23巻読了。娼婦のシングルマザーのもとに生まれ、劣悪な環境の歓楽街で育った少年 海 (カイ) が、天才的なピアノの才能で、自らの運命を切り開いていく…的な話。殆ど音楽的な教育を受けていないのに、耳で聴いた音楽を楽器で再現してしまう…という才能は、実際に目の当たりにしないと、俄には信じられないという人もいるかもしれないが、実は私は、そういう人をこの目で見たことがある。いわゆるサヴァン症候群だと思うが、盲目で自閉症、独りでは生きていけないような知的レベルだが、一度聴いた音楽を、アレンジもしつつピアノでひきこなしてしまう若者だった。盲目のピアニストと言えば辻井伸行君等が有名で、彼も幼い頃から、耳で聴いた旋律をすぐにピアノで弾いてみせたそうだが、辻井君の場合、知的には問題ないし、お父さんは開業医で金持ち、お母さんは教育熱心でマスコミにも通じていて、恵まれた成育環境にあったので、才能があったのは勿論だが、コンクールで賞をとれるほど活躍できたのは、運の良さもあったと思うが、前述の彼は音楽の専門教育どころか、田舎の盲学校や福祉施設で生きてきたような子だった。勿論、技術的には、まともなピアニストには適わないだろうが、専門教育無しに弾けるレベルは、はるかに超えていたと思う。まあ、知的障害者の場合、プロとして活躍するには限界があるが、この漫画のカイのように、才能があっても、現実には埋もれて芽も出ずに終わる人は意外にいるのかもしれないと思う。どんな天才でも、幼少期から日常的に楽器に接する機会があるかとか、金銭的余裕があるかなど、いくつもの条件をクリアしないと、音感に優れているということにすら、気付かれずに終わってしまうかもしれない。ゴッホも、画商勤めの弟が、援助や作品の保管をしてくれなければ、作品も名声も後世には残らなかったかもしれないのと同じことだ。前置きが長くなったが、そんな経験も踏まえて、この漫画は、嘘っぽさやご都合主義は承知の上で、私にはリアリティを感じられた。実は一色まことさんの作品を読むのは初めてで、青年誌で活躍されていることや絵柄の第一印象から、男性作家だと信じ込んで、途中まで読んでいた。確かに、少し古くさい絵柄とか、脇役や年配者全般の描き方が残酷なまで醜いところが、 「男性作家的」 だと最初は思ったのだが、いざ、ピアノの演奏シーンになると、本当にピアノの音色すら聞こえてくるような気分にさせてくれる繊細な描写に、やはり、女性が描いたと思う方がしっくりくる。作画だけでなく、聴き手のモノローグ等の表現が素人にも分かり易く、しかも、心に響く美しい言葉で表現されるので、音楽そのものや旋律を知らなくても、不思議と臨場感に浸れる。冒頭で 「少年カイの物語」 と書いたが、カイの曇りのない魅力は語るまでもないが、これは、カイ一人の立身出世物語にあらず、ピアニストを目指す若者、それをサポートする人々の群像劇であって、見た目や表面的な印象の美醜に関わらず、全てのキャラクターの魅力が惜しみなく描かれている。そして、音楽を愛する人々の心根の純粋さや美しさに魅了されるが故に、その背後に渦巻く闇のうすら寒さが、いっそう心に軋む物語でもある。【送料無料】ピアノの森(1) [ 一色まこと ]価格:550円(税込、送料込)
2013年10月17日
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★ 『 ES –Eternal Sabbath- 』 惣領冬実 (2001~04年)レンタルコミックにて、文庫版全5巻読了。遺伝子操作により、他人の思考を操る超能力を持って生まれた青年らと、彼らの暴走に対抗する研究者らとの攻防を描いた近未来SF。遺伝子操作で超人類…までは、なんとなく科学的なような気がするが、他人の意識を操作する超能力まで行ってしまうと、少々突飛過ぎる感は否めない。しかも、突飛な能力の割に、事件的なスケールが小さいと言うか、展開が淡々とし過ぎていると言うか…。端麗な絵柄も 『チェーザレ』 (2013.9.10.の日記) のような歴史ものには良いが、現代 (近未来) ものになるとちょっと無機質すぎる感じがしてしまう。…まあ、総合的に、面白くなくはなかったんだけど、上記のような複合的な理由が絡んで、今いちキャラクターにも魅力が感じられず、あまり感情移入はできなかった。どうも、総領冬実さんという作家は、私の中では、「あともう少し」 何か足りない、ちょっと残念な作家さん …という印象に定まりつつある。<関連日記>2013.9.10. いい意味で 模写名人的な漫画 ・・・ 惣領冬実 『 チェーザレ 破壊の創造者 』【送料無料】ES(1) [ 惣領冬実 ]価格:714円(税込、送料込)
2013年10月03日
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★ 『 flat 』 青桐ナツ (2007年~)レンタルコミックにて、既刊7巻読了。「全国書店員が選んだおすすめコミック2010」 1位獲得作品…だそうです。お菓子を作ったり食べたりが唯一の趣味、それ以外には無関心で不真面目な男子高校生 (平介) が、年の離れた保育園児のイトコの男の子の子守りを頼まれるのを契機に様々な葛藤に行き当たる…的な話。小さい男の子の世話と言っても、本当の親子ではないし、いわゆる 「子育て漫画」 のような、子供への視線一直線というわけではなく、あくまで、平介とその友人中心の青春群像劇の風情だ。ユルユルとした淡白な絵柄と同様、ストーリー自体もユルくて、特に大事件や紆余曲折があるわけではない 「日常系」。イトコの子供の遠慮がちな愛らしさに萌えたり、平介ら高校生の内省的な自問自答に共感したり…というファンの気持ちも分からなくはないが、贔屓目に見ても、これまでの内容に対して7巻は、いくら何でも引っ張り過ぎ。特に、平介に嫉妬して、いちいち突っかかってくる後輩の海藤のエピソードは、毎回、同じようなやり取りの繰り返しで、いい加減、ウンザリする。掲載雑誌で時々読むなら良いのかもしれないが、単行本で一気に読むにはキビしかった。まあ、別に、無理に 「成長」 したり、 「感動」 させたりしなくてもいいんだけど、もしも、この調子で延々続くなら数巻で終わらせた方が却って印象に残ったような気がするし、今さら劇的な展開されるのも遅すぎると思うし。初連載でヘタにヒットすると、作者も編集者も守りに入ってしまうのかな?…と、余計なことを考えさせられてしまった。大体、 「全国書店員が選んだ…」 って、何よ。「本屋大賞」 で 『博士の愛した数式』 (小川洋子) (2004年)他がヒットしたのに乗じてるんだろうけど…。書店員だからって必ずしも見る目があるのか?むしろ、この賞のせいで、売り物の新刊本を、書店員がこぞって読んで手垢つけてるんじゃないかと気になるわっ。☆「全国書店員が選んだおすすめコミック2013」公式サイト【送料無料】flat(1) [ 青桐ナツ ]価格:600円(税込、送料込)
2013年09月27日
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★ 『 かくかくしかじか 』 東村アキコ (2012年~)レンタルコミックにて、既刊2巻読了。東村アキコ本人の自伝漫画。高校時代から美大時代 (2巻現在) を、美大受験の為に師事した絵画教室の恩師との交流を中心に描いている。作者の自伝的な作品としては、既に、 『ひまわりっ~健一レジェンド~』 (2013.1.22.の日記) もあるが、フィクションの中に実話や実在のモデルを織り交ぜていた 『ひまわりっ…』 に比べると、全編通してほぼ実話の体で、本名 (林明子) や実際の大学名なども出し、回想的なモノローグを多用して綴っている。美大受験という特殊な実体験を、かなり詳細に描いているので、その道を目指している人には参考になるかもしれない。若者特有の膨らみ過ぎた自意識や、周囲に当然のように甘え、積み重ねていく非礼の数々は、私自分も思い当たるものが多くいたたまれない気持ちになる。そういう意味では、ある程度の大人にこそ、薦めたい作品だ。『ひまわりっ…』 や 『海月姫』 のようなしつこく畳みかけるようなギャグはないが、それでも、要所要所で笑わせるセンスは光る。それだけに、この絵画教室の恩師との間に最終的に何があるのか、意味深めいた語り口が気になり、結末次第では、この作品の最終的な評価を激しく左右するかもしれない。ところで、たま~に、東村さんの絵の 「雑さ」 を 「ヘタさ」と混同する人がいるようだが、雑にサラッと描けることが、如何にデッサンの訓練を積んだ結果なのか、ということがこれを読むと、よく分かる。これまでの、東村さんやくらもちふさこに対する評価だと、私が 「絵の雑さ」 に対して寛容なように見えるかも知れないが、あくまで、画力があって、雑さが独特の 「味」 になっているから許せるのであって、ヘタな上に雑なのは、よっぽどストーリーが面白いとか、でもない限り、むしろ許せない方だ。…念の為。<関連日記>2012.7.11. 天性のセンスが冴える ・・・ くらもちふさこ 『 駅から5分 』2012.11.15.全編 「漫才」 の恋愛漫画 ・・・ 東村アキコ 『 海月姫 』 2012.12.11. ヒロイン (小6) の 「色気より食い気」 に心洗われる ・・・ 東村アキコ『 きせかえユカちゃん 』 2013.1.22.男は徹底的にバカな方が可愛い? ・・・ 東村アキコ 『 ひまわりっ ~健一レジェンド~ 』 2013.2.2. 姉弟で同じ道を選んだら 比較されるのも仕方ないよね ・・・ 森繁拓真 『 となりの関くん 』2013.2.12. キャラクターに魅力がないと ギャグも冴えない ・・・ 東村アキコ 『 主に泣いてます 』 2013.9.10. いい意味で 模写名人的な漫画 ・・・ 惣領冬実 『 チェーザレ 破壊の創造者 』 【送料無料】かくかくしかじか(1) [ 東村アキコ ]価格:780円(税込、送料込)
2013年09月24日
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★ 『 風立ちぬ 』 宮崎駿http://kazetachinu.jp/宮崎駿監督の変人っぷりを指差して、 「老害」 だの 「過去の人」 だの揶揄する人がいるが、私は宮崎駿がいなかったら、今の日本のアニメの発展は無いと信じている。手塚治虫は言うまでもなく、高畑勲も、富野由悠季も、松本零士も、それぞれに 「いなくてはならなかった」 だろうとは思うが、日本アニメを、 「大人が観ても耐えうる」 芸術に引き上げたのは、宮崎監督のこだわりと才能があればこそではないだろうか。そういう意味で、しばしば目にする 「宮崎駿の作品で最も傑作だと思うのは?」 という類の質問の回答に、『風の谷のナウシカ』 以後の作品しか想定していないのは、全くもって、片手落ちだ。日本のアニメの方向性に最も影響をもたらしたのは、『アルプスの少女ハイジ』 や 『ルパン三世 (第1シリーズ)』や 『未来少年コナン』 といった、初期のテレビシリーズに他ならないと思うので…。老害とバカにする人達は、あれほど影響力ある何かを、後世に遺す自信があって言ってるのだろうか。「老害である宮崎駿」 が引退していなくなれば、新しい才能が台頭し、もっと素晴らしい作品が生まれるとでも言うのか。だったら、これからが楽しみだが…。パイオニア的な功績を遺した人に対しては、少なくとも、その分野のファンならば、一定の敬意を払うべきだと思う。…前置きが長くなったが、なかなか映画館まで足を運ばない私も、やはり、監督最後の長編映画になるかもしれない…ということで、観に行ってみた。なるべく事前情報を耳に入れないようにして観たら、ちょっと想像していたのとは違ったが、相変わらず情景描写が美しい。あの当時の日本人の純粋さが、美しいと同時に痛々しい…。主人公の青年 (堀越二郎) が淡々としているのと同様、ストーリー運びも淡々として起伏に欠けるが、却ってそれが良かったように思う。お仕着せの反戦ストーリーや過度なお涙頂戴ではない分、観終わってからジンワリとした余韻がある。キャストにプロの声優を使わないことには一概に反対しないが、二郎役の庵野秀明は、ちょっと舌足らず過ぎて、キャラデザとあいまって、おぎやはぎの矢作さんに見えて仕方なかったけどね…。<関連日記>2011.8.17. 若干、残念な方向に・・・『セイクリッドセブン』その後 2011.10.16. 初回観ての感想・・・『 ラストエグザイル -銀翼のファム- 』 2011.12.19. 「そんなバカな!」・・・宮崎駿アクションの魅力 2012.11.3. 「老害」 か、 「センスの相違」 か ・・・ 『 新世界より 』 (第 5 回) 【送料無料】風立ちぬ [ 宮崎駿 ]価格:3,675円(税込、送料込)
2013年09月20日
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★ 『 花は咲くか 』 日高ショーコ (2009年~)レンタルコミックにて、既刊3巻読了。レンタルコミックの気軽さで、ジャンルを問わず、これまで知らなかった作家さんの作品を読む機会が増えた。全く興味がなかったBL作品に手を出すようになったのも、元はと言えば、レンタルコミックの 「文庫部門」 で上位だったよしながふみの 『執事の分際』 (2012.4.16.の日記)を、それ (BL) とは知らずに借りたのがきっかけだ。お陰で、今や、よしながふみは最もお気に入りの漫画家の一人で、単行本殆ど買い揃えるまでに至っている。最近、レンタル上位の少年少女漫画を借りてもアタリハズレが目立つので、新しい才を求めて、またBL分野作品を借りてみて出会ったのが、この日高ショーコさん。短篇集から入ったのだが、とにかく、まず、絵柄がいい。出てくる男性が、みんなカッコいい。天才的に絵が上手いとは言わないが、線もキレイだし、年配者もキッチリ描けていて、好感度が高い。この絵柄がどうしても嫌いという人は比較的少ないのではないかと思う。表題作は、現在連載中の作品だが、中年にさしかかったノンケ (ストレート) の男が、仕事に忙殺され、恋愛も仕事そのものにも情熱を失いかけた中で偶然出会った20歳前の無垢な少年に惹かれ…云々、というストーリー。この人の作品、私がこれまでに目にしたBL作品の中でも輪をかけて、 「普通の男女だったら」 、特別に印象に残りそうもない、どこにでも転がってそうなシチュエーションのものが多い。ましてや、20歳近いトシの差の男女の恋バナなんて、仮に純愛でも、私の年齢になってしまうと、余計な感情が渦巻いて気持ち悪くてノーサンキューという感じだ。まあ、BLに免疫のない人には、男同士なんて、もっとあり得ねえ…と思うかもしれないが、この作者の場合、その辺の本人たちの葛藤を丁寧に描いているので、不自然さを感じない。短編でも感じたが、平凡なサラリーマン的な男性が日常的に普通に考えていそうなことを、さらりと描き共感させるのが上手いので、ストーリーが多少平凡でも、不思議と引き込まれるのだ。オッサンが、若さに憧れ、失いかけた情熱を刺激される感じとか、逆に、若者が、まともに社会で働く大人を見て未熟な自分を内省する…的な、お互いの成長が見られるところが、恋愛抜きにしても読み応えがある。それにしても、私的に残念だと思うのは、この作家さんが今のところ、BLのジャンルでしか作品を描いていないこと。よしながふみが、BLから少女漫画や青年漫画に活躍の場を広げてメジャーになったように、この人も、普通の (?) ジャンルでも良い作品が描けるだけの力量は十分あると思う。その一番の理由は、ストーリー以前に、キャラクターが非常に魅力的に描けるからだ。この作品でも老若 (女は少ないが) 、色々なタイプの人物が登場するが、初めて出てくる毎にグッと興味をひかれるし、不自然な 「漫画っぽさ」 も感じない (勿論、設定的にはご都合主義的な部分はあるが)。BL好きの (腐) 女子にとっては、BLだけに留まっていて欲しいと思うだろうが、他のジャンルの作品も私は見てみたい。何より、メジャーにならないと、コミックスの売り上げも限界があるので、既刊作品も早々と絶版になりかねない(よしながふみのBL作品のように、文庫化までされるのは稀有な例だろう)。<関連日記>2012.4.16. 切ない恋とSM心理と・・・ よしながふみ 『 執事の分際 』 2012.5.14. 強くオススメ はできませんが ・・・ よしながふみ の BL 作品【送料無料】花は咲くか(1) [ 日高ショーコ ]価格:650円(税込、送料込)
2013年09月19日
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★ 『 チェーザレ 破壊の創造者 』 惣領冬実 (2005年~)レンタルコミックにて、既刊10巻読了。ルネサンス期のイタリアを舞台に、軍人・政治家として名を馳せた、チェーザレ・ボルジアを描いた歴史もの。物語は、チェーザレ自身の活躍に留まらず、それ以前の歴史的事件 (「カノッサの屈辱」 や 「パッツィ家の陰謀」 など) の詳細にまで遡り、教皇と皇帝の二元支配の構造や、宗教の意味まで問う内容となってて、かなり読み応えがある。チェーザレに関して他の著作物を読んでないので、歴史的な解釈として、どれだけ正しいのか、はたまた新しいのか、よく分からないが、ともかく、非常に魅力的な人物として描かれている。歴史研究の専門家を監修につけ、絵的にもかなり写実的に当時の衣装や建築物、美術品に至るまで詳細に描画しており、歴史好き、美術好きには堪らない。ただ、それだけに、これまでのところ、セリフが何かと説明的で、話の進行が恐ろしくのろい。架空の脇役含め、人物の性格描写は丁寧だが、背景説明や情景描写にもかなりページが取られている為、創作的なエピソードは意外と少なく、そういう意味での物足りなさは否めない。勿論、創作的に過ぎると、 『リョウ』 (2013.8.20.の日記) のような荒唐無稽な完全フィクションになってしまうのだが、エピソード部分が結構面白い (笑える) だけに、そこをもっと見たい欲求もあり、全てを満足させる内容の作品として完結させる為には、一体、あと何年かかるのか (不定期連載) 、下手すれば、中途半端なところで打ち切りになりかねない、嫌な予感すらする。ところで、上でも少し触れたが、この作品の特筆すべきところの一つに、作画が細密で美しい点が挙げられる。実は惣領冬実さんの作品は余り読む機会がなく、つい最近、初期の代表作 『ボーイフレンド』 (1985~88年) を読んだばかりなのだが、この時感じたのは、絵柄とペンタッチが、やたら 「くらもちふさこに似ている」 ということ。『いろはにこんぺいと』 や 『東京のカサノバ』 (1982~84年)の頃の、くらもちふさこが描く人物と、顔の造作がそっくり。まあ、この当時の少女漫画家はかなり、くらもちふさこに影響されている人が多かったのは確かなのだが…。それが、現在では、細密で実物に忠実な描画を極めた惣領氏に対し、本家のくらもちふさこの絵は、崩れまくりだ。単純に比べると、惣領氏の方が、時間や人員をかけて作画しているのは確かで、歴史漫画としては優れていると思うが、ひとつだけハッキリ言っておきたいのは、いくら雑でも、絶対的に美術的才能があるのは、やはり、くらもちふさこの方だ、ということ。…オリジナリティという意味で。惣領冬実の現在の絵柄は、万人受けするだろうし綺麗だが、人物の表情やペンタッチには、萩尾望都や青池保子、吉田秋生など、様々な有名漫画家の影響が見てとれる。器用な 「模写画家」 的な作家さんだと思うが、だからこそ、歴史上の人物は、当時の肖像画に忠実で、臨場感に優れた作画となっている。<関連日記>2012.7.11. 天性のセンスが冴える ・・・ くらもちふさこ 『 駅から5分 』 2013.8.20. 歴史フィクションの限界 ・・・ 上田倫子 『 リョウ 』 【送料無料】チェーザレ(1) [ 惣領冬実 ]価格:780円(税込、送料込)
2013年09月10日
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★ 『 ブラッドラッド 』 TOKYO MX 他http://bloodlad.jp/第9話まで視聴。『ヤングエース』 連載の少年 (青年) 漫画が原作。ネットで漫画やアニメの感想を読んだりしてると、時々、ひどく少女漫画をバカにした発言に行き当たる。曰わく、 「ストーリーがない」 だの、 「底が浅い」 だの、「絵がヘタ (アクションが描けない)」 だの。挙げ句には、少年漫画でも、作者が女性だと粗探しに躍起になるヤツもいたりして。どんだけ、女性や女性の感性を憎んでるんだろうか。確かに少女漫画には底の浅い作品も無数にあるが、そんじょそこらの少年漫画より哲学性に優れているものもいくらだってある。んなこと言ったら、わざわざアニメ化までされた、この 『ブラッドラッド』 、 「オタクだけど、実はケンカに強い主人公」 、 「巨乳で従順なヒロイン」 、 「ツンデレ女」、「倒さなければならない敵」 、 「仲間やライバルとの友情」、「バトルアクション」 etc.…。も~なんか、どっかで聞いたような、いつもの少年漫画って感じですが、これが、少年漫画の底の深さなのですかね?…と言ったら、「別にこれが少年漫画の代表じゃねえし」とか、言い返されるんだろうな。いや、お前らこそ、少女漫画全て読みこなしてから物言ってんのか!…と、まあ、あーいえばこーいう不毛な論争になってしまうわけです。ここまでの下りだと、まるで私が 『ブラッドラッド』 が「つまらない少年漫画」 と言ってるように感じるかもしれないが、それは完全な誤解。「くだらないけど、面白い」 と思ってるから、ここまで見続けてるのであって、バカバカしい設定でも、哲学性皆無でも、キャラクターが魅力的で、観てて楽しい気分になりさえすれば、私的には、それなりにOKなワケです。世の中、漫画に限らず、文学も美術も音楽も、無数の凡作があるからこそ、一部の傑作が生まれる。少女漫画家が萩尾望都という一人の天才だけだったとして、『ポーの一族』 や 『トーマの心臓』 などの不朽の名作が この世に生まれたと思いますか?そもそも、連載できる商業誌が無ければ作品は生まれないし、万人受けする作品がなければ、商業誌は成り立たない。売れる商業誌があるからこそ、漫画が職業的に確立していればこそ、たまの天才が現れるし、たまに天才が現れるから、それに触発されて後発の天才も現れる。だから、少女漫画を鼻からバカにする方々が、どんだけ高尚なんだか知らないけど、凡庸な作品や凡庸な読者あればこそ、あなた方の超常ぶりが生きるワケなんで、少しは大目にみて欲しい。それはともかく、 「恋愛ばかりでくだらない」 と言ってる人も、たまには少女漫画でも読んで、女子が萌えるツボを勉強したらどうでしょうかね。若い男が、 「恋愛くだらない」 、 「女は程度が低い」 、とか言ってっと、少子化は深刻化するばかりだゾ。少女漫画の奥深さ、恋愛そのものの哲学性など、一から説いてみてもいいんだけど、それもなんか面倒だし、それ以前に、どんなくだらない作品でも何らかの糧にできる位バイタリティある人の方が、私は好きだな。いや、私の好みはどーでもいいが、そーゆー人の方が、一般的にモテると思うナ。…というわけで、 『ブラッドラッド』 そのものには特に文句もなく、純粋な娯楽として楽しんでいる。強いて、文句を言わせてもらうなら、主題歌のボーカル (OP…May'n、ED…南里 侑香) が揃って嫌い (声がというより、歌い方が)。【送料無料】ブラッドラッド(1) [ 小玉有起 ]価格:588円(税込、送料込)【送料無料】ブラッドラッド 第1巻 【Blu-ray】 [ 逢坂良太 ]価格:5,905円(税込、送料込)
2013年09月06日
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★ 『 同棲愛 』 水城せとな (1995~2001年)レンタルコミックにて 新装版 全8巻読了現在は 『失恋ショコラティエ』 (2012.8.30.の日記) など、少女 (レディース) 向け漫画を描いている作者の古い BL長編作品。絵柄的にはそんなに好みではないが、私的には、現在の無機的な絵柄よりは好きかも。5人の男の子の愛と性をオムニバス形式で、高校時代から大学時代位までのロングスパンで描いている。『失恋ショコラティエ』 の感想でも触れたが、この作者、人物の長所よりも、欠点やネガティブな感情をとことん描くのが好きなようだ。それも、他人から見れば一般的には長所と映る 「社交性」 や 「献身性」 、「一途な思い」 が、恋愛や人生においては、悲劇に繋がりかねないという面を、これでもかと描く。同じようなテーマを、普通に男女関係で描くことも可能だろうとは思うが、ホモセクシャルであるからこそ、不思議と 「悲恋度」 は増し、いちいち切ない。BL苦手な人にはお薦めできないが、赤裸々に描かれる性描写があるからこそ、よりリアルで文学的だ。ドラマを劇的にする人間関係の混線ぶり、偶然の多さも、「まあ、ホモの世界ではアリなのかな」 と許せてしまうところも、BL作品の特長かもしれない。執筆当時は、一般的にも読者の意識も今よりもっと保守的だったのかもしれないが、やはりどこか、 「同性愛の未来の無さ」 を示唆しているところも興味深い。<関連日記>2012.4.16. 切ない恋とSM心理と・・・ よしながふみ 『 執事の分際 』 2012.5.14. 強くオススメ はできませんが ・・・ よしながふみ の BL 作品2012.8.30. 最終的に誰と誰がくっついても、どうでもいい恋愛漫画 ・・・ 水城せとな 『 失恋ショコラティエ 』 【送料無料】同棲愛(1)〔新装版〕 [ 水城せとな ]価格:780円(税込、送料込)
2013年08月24日
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★ 『 リョウ 』 上田倫子 (1995~99年 作品)レンタルコミックにて、文庫版 全8巻読了。あの源義経が、現代からタイムスリップした女子高生だった!…的なお話。もともと伝説の多い義経だけに、上記の言い方だと、かなり荒唐無稽なイメージだが、実際に読んでみると、メチャクチャ支離滅裂…ってほどでもない。義経が女性だった…というのは、まあ、それなりに面白い着想だが、弁慶が美丈夫だったり、現代の女子高生を絡めたり、少女漫画お約束の恋愛中心の展開に、どうにも 「安っぽさ」 を禁じ得ず、余り没頭できなかったが、少なくとも、続きが気になるだけの作品力はある。勿論、SFタイムスリップものとしては、パラドックス (矛盾) だらけなのだが、なんとなく終盤キレイにまとまったので、結果オーライといったところ。史実や歴史上の人物をモデルにした物語というのは、荒唐無稽なほど読み手の興をそそるものだが、教科書に載っているような有名な史実を、余りにねじ曲げ過ぎても逆に興ざめになるところに、どうしても限界がある。『日出る処の天子』 (山岸涼子) では、やはり厩戸皇子 (聖徳太子) の悲恋は実らなかったし、坂本竜馬は、いくら各作品で繰り返し功績を盛られても、結局は明治維新を見ることなく暗殺される運命なのだ。せいぜい、義経が生き延びて大陸に渡り、チンギス・ハンになった…的な、こじつけが関の山。それで思い出したが、以前、歌舞伎の 『椿説弓張月』を観に行ったら、これが全幕、源為朝 (1139~70) の話なのだが、前半は史実に基づいた 「保元の乱」 を描いていて、なかなか面白かったのだが、後半は、歴史上は伊豆に流刑となり自害させられたとされる為朝が、実は琉球に逃げ延びて、琉球王朝の始祖となった …的な伝説物語になってしまい、正直、ファンタジー過ぎる展開に、一気に冷めてしまった。伝説というのは、一見、スケールのデカい話のように見えても、冷静に考えると、中央政府の史実から離れたというだけで、どうしても、ショッボい印象になってしまうものなのだ…。(実際には、 「史実」 と言われる部分も、どれだけ真実なのかはアヤシいのだが…)2000円以上で送料無料。通常24時間以内発送【漫画全巻】【中古】リョウ[文庫版] <1〜8巻完...価格:2,110円(税込、送料込)
2013年08月20日
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★『 ダンガンロンパ 』 TBShttp://www.geneonuniversal.jp/rondorobe/anime/danganronpa/index.html6話まで視聴。「超高校級」 な高校生たちが、超エリート校だと思って入学した全寮制の高校に閉じ込められ、順繰りに殺されていく…的な、色んな意味で使い古された設定のミステリー。いきなり 「超高校級」 な高校生が15人も並び立った初回、超高校級 健忘症の私は、 「こんなん、覚えられるか!」 と、速攻で録画予約を削除するところだったが、今さらの 「ドラえもん」 の声 (大山のぶ代) が若干、頭に引っかかり、何となく2回目、3回目を見続けたところ、どちらかと言えばメインキャラかと思えた生徒が、余りにあっさり殺されていくので、このペースで人が減っていくなら、キャラに感情移入する必要も (名前を覚える必要も) 無い …という気楽なスタンスで、何となく視聴継続している。ここまで観ていても、キャラクターのバックボーンが、「超高校級」 というレッテル以外、殆ど描かれぬままに次々と殺されたり処刑されていくところが、作中ピンク色で描かれる 「血のり」 と同様、ヒドく安っぽい。 …が、それが却って潔く、観ていて疲れない。はっきり言って、殺人のトリックも動機も、バカバカしいものばかりだが、誰かが殺されては学級裁判で犯人を公開処刑…というスピーディー展開だと分かってくると、寛大な気持ちで観ていられるものだ (散々、引き延ばしてくだらない結末…よりはマシっつう…)。どちらかと言えば、殺人やトリックよりも、裁判のやり取りやモノクマ (大山のぶ代) の不愉快スレスレのトークを楽しむ感じで、再三言うが、各キャラクターには良くも悪くも感情移入するに至らないので、殺されても処刑されても、「可哀想」 とか 「恐怖感」 とかは余りなく、まあ、はっきり言って、最後の最後にどうまとめるのかという、うっすい興味で観ているだけだ。元々がゲーム発祥の作品だから、深く考えても仕方ないが、そもそも、なんで殺し合いをしないとならないのか、という問題が、これまでのところ、 「ゲームだから」 という理屈だけ…っぽく、説得力のないところが残念。閉鎖的な場所に集められた人々が順繰りに殺されていく名作として常に挙げられるのは、クリスティーの 『 そして誰もいなくなった 』 だが、それを超えるような作品になるだろうか。…なるわけねーか。【送料無料】ダンガンロンパ 希望の学園と絶望の高校生 PSP the Best価格:2,940円(税込、送料込)【送料無料】そして誰もいなくなった [ アガサ・クリスティ ]価格:798円(税込、送料込)
2013年08月16日
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★ 『 有頂天家族 』 TOKYO MX 他http://www.uchoten-anime.com/タヌキやら天狗やらが人間に化けて暮らしてるという設定やら、緑や水の豊かな街並み、情景の描き方やら、「ジブリか?」 と思わせる作風。絵や雰囲気だけでも、何となく楽しめるタイプの作品。特に、彩色が美しい。彩色のセンスだけでいうと、少し前に放送された 『つり球』 と少し似ているが、 『つり球』 は私的にストーリーやキャラクターに全く共感出来ず残念だったのに比して、こちらは、内容的にも楽しめている。一番にはキャラクターが魅力的なこと。単にタヌキが可愛らしいというだけでなく、滑稽さの中に、生きるものの悲哀を感じて目が離せない。お伽話とは分かっていても、 「何故、食べられる危険を冒してまで人間界に入り込もうとするのか?」 という疑問は、案外、奥深い問いのような気がする。「何故、危険を冒してまで飛行機に乗るのか」 とか 「山に登るのか」 とか、…最終的には、 「何故、いつか死ぬと分かっていて、生きるのか」 という問題にも繋がるように思うのだ。「いつか、食べられるかもしれぬ運命」 のような不穏な緊張感があればこそ、作品中のタヌキは愛おしく感じるし、風物は美しく見えるのではないだろうか。ところで、冒頭に述べた 「ジブリっぽい」 というのは、単に 『平成狸合戦ぽんぽこ』 のことだけを指して言ったわけではない (実は、私、これを見逃している)。人とタヌキのような妖怪が共存する世界観が、ジブリ (宮崎・高畑) 作品でさんざ描かれているということだけでなく、例えば、奥座敷の空中戦などは、『未来少年コナン』 でのギガント上での戦闘シーンを思い出したし、ちょっとしたエピソードの描き方、作画にジブリ (宮崎・高畑) 作品の影響を感じるのは私だけ?【送料無料】有頂天家族 [ 森見登美彦 ]価格:720円(税込、送料込)【送料無料】有頂天家族 第一巻【Blu-ray】価格:3,730円(税込、送料込)
2013年08月10日
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★ 『 キス & ネバークライ 』 小川彌生 (2008~2010年)レンタルコミックにて全11巻読了。『 きみはペット 』 (2013.6.29.の日記) が良かったので、引き続き読んでみた。フィギュアスケート (アイスダンス) の選手をとりまく、恋愛模様やサスペンスを描いた作品。フィギュアスケートもサスペンスもラブコメも、全て大好きな私にとっては、かなり楽しく読めた。『きみはペット』 感想の際にも書いたが、デッサン力のある作者なので、アイスダンスシーンが美しい。作者自身も1巻巻末 (作画裏話) で紹介しているのだが、アイスダンスは、高速で滑りながらのリフトが見せ場だが、ペア競技と異なり、ルール上、高く持ち上げることが出来ない中、技術的な難しさや斬新さを追求するあまり、全体の演技の中で見ればともかく、スチル画像で切り取って見ると、結構、 「はしたない」 と言えなくもない、ビミョーなポーズが多々ある (女性が向かい合わせに男性の胴体に脚を絡ませて、お互い手を離して体勢維持とか…)。そうした、アイスダンスの特殊なポーズ (しかも、衣装のデザインも独特) を、いくら、最近は資料画像が手に入り易いとは言え、美しく描くのは、さぞかし大変だったろうと思う。競技アイスダンスのトップ選手という、特殊な世界が主軸な為、どうしても、ルール説明的な場面やセリフが多くなりがちな上、ラブストーリーやサスペンス要素も入れ込んでいるので、展開自体は割と先が読めてしまうと言えなくもないが、 『きみぺ』 同様、余計な引き延ばし感はなく、ちょうど良い長さだ。深刻なテーマを扱いながら、ギャグ要素を散りばめる作風に違和感を覚える人もいるかもしれないが、最後まで読めば、作者の意図も理解できるのではないかと思う。過去のトラウマに囚われずに生きるのは難しいけれども、だからと言って、笑って生きることに負い目を感じる必要はないのだ…ということを改めて気付かせてくれる作品だ。また、最近の女子選手の出産に対する世間やマスコミの過剰反応でも分かるとおり、フィギュアの女子選手が、単なるアスリートとしてだけでなく、対峙しなければならないものも、少し垣間見ることが出来る。(勿論、シングルの選手よりは大分マシだが…)<関連日記>2013.6.29. デッサン力、キャラクターに筋が通った 大人向け作品 ・・・ 小川彌生 『 きみはペット 』 【送料無料】キス&ネバークライ(1) [ 小川彌生 ]価格:420円(税込、送料込)
2013年08月05日
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★ 『 神さまのいない日曜日 』 TOKYO MX 他http://kami-nai.com/もともとアニメについて語り合うような仲間もいない (だから、誰も読まないブログに感想なんぞ書いて発散している) ので、どのアニメが人気で話題か…なんて、本当のところは分からずに生きているが、それにしても、このアニメは、私以外に観ている人間がいるのだろうか …と、若干不安になるほど、 「売れてるオーラ」 を感じない。ただ、何故か意外と、私の中では今のところ高評価。何が面白いのかとか聞かれると困るけど…。初回、OP観た時は、ロリコン戦隊ものか何かと思うようなキャラクターデザイン、顔ぶれで、すぐにでも切ろうかと思ったのだが、ちょっと観ているうちに何だかワケの分からない世界観に引き込まれた。何やら、神さまがサボって死者がゾンビ化している世界で、「墓守り」 と呼ばれる役割を持ったヒロインが、そいつらを成仏させる…的な話 (らしい)。いや、一神教的な世界観らしいので、「成仏」という言葉は適切じゃないか。日本人的にも、現世に留まってる幽霊は、未練を残した可哀想な人…という捉え方されることが多いとは思うけど、キリスト教的には、天国に行くことは現世での罪を赦される唯一の幸福のように解釈されるらしいことを思えば、「何故、平和に暮らしてる死者たちを埋葬しないとならなかったのか」 という疑問も、クリスチャンには余り気にならなかったかもしれない。ヒロインは、その答えを求め、世界の救済を目指して、偶然出会った仲間達と共に旅をする。大袈裟な世界観を掲げておいて、 「結局、ラブコメかよっ」みたいな、大した哲学性もなく終わるアニメもある中、どう転んでいくか、注目してみたい。そうは言っても、私が何となく気に入ったのは、不思議な世界設定とかテーマとかの理屈よりも、とりあえず、キャラクターがなかなか魅力的だと思ったこと。レギュラーキャラクターやゲストキャラクターが回を追う毎に増えていくようだが、いきなり初回からキャラクター勢揃いの作品よりも、分かりやすくて有り難い。 そして、小松未可子の歌うEDが、なかなかいい。毎回、ちょっと荒涼感のある、切ないエンディングを盛りたてる。今期は特に、声優にOP、EDを歌わせている作品が多いような気がするが、テキトーにやっつけで作った感じのものも多い中、これはメロディーがきちんとしてると思う。<YOU TUBE 映像>小松未可子 『終わらないメロディーを歌い出しました。』【送料無料】神さまのいない日曜日 [ 入江君人 ]価格:609円(税込、送料込)【送料無料】神さまのいない日曜日(1) [ 肋兵器 ]価格:609円(税込、送料込)【送料無料】終わらないメロディーを歌いだしました。 [ 小松未可子 ]価格:1,200円(税込、送料込)
2013年08月02日
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★ 『 銀の匙 Silver Spoon 』 フジテレビhttp://www.ginsaji-anime.com/『鋼の錬金術師』 で人気の荒川弘 原作漫画のアニメ化。レンタルコミックで借りようとしても貸し出し中のことが多く、原作は読んでなかったが、アニメ化の話が持ち上がってからは、敢えて読まずに待ってみた。3話まで観た感想としては、まあ、話題の作品だけに面白いんだけど、色々予想通りと言うか、なんかテーマ、展開が分かりやす過ぎると言うか…。何年か前に、都会の小学校のクラスで家畜としてブタを飼育し、最終的に食べるか食べないかで、子供達に涙の議論をさせる…みたいな授業のドキュメンタリーが話題になったことがあったが、初回から、ずっとそんな類の話のオンパレード。「命を殺してまで食う」 というテーマは、正解を見つけ辛い。欧米の有名人に多い極端な菜食主義も、 「人類全てが菜食主義になったとして、必要な蛋白源が貧しい人にまで行き渡るのか」 とか、突き詰めれば色々問題は尽きない。まあ、概ね、そんなテーマになるんだろうなと思って観たら、あまりにも最初っから直球の連続だったから、逆に驚いた、と言うか。ちょっと面白いと思ったのは、ある感想サイトで、「説教くさい」 という書き込みした人に対して、 「この程度で説教くさいと感じるなんて、どれだけ甘ったれた育ち方してるんだ」 と噛みつく人がいたこと。アニメの感想サイト見てると、いちいち他人の感想 …だけならいいんだけど、生き方や人格にまでイチャモンつけたがる人がいて笑える。「説教くさい」 と感じたからといって、 「甘えた育ち方をしてる」 と決めつけるって、逆に、 「どんだけ、飛躍的、短絡的なんだよ」 と言いたくなるが…。私は、理不尽な説教や体罰にまみれた義務教育時代を過ごし、それなりに人生でヒドい体験もしてると自分では思うけど、そんな私から見ても、この作品はかなり、 「説教くさい」 と感じましたけど?ただし、 「説教くさい」 のが悪いと言ってるのではない。そもそも 「命をいただく」 のがテーマなのだから、説教 (問題提起や戒めなど) を含んだ内容でなければ、作品の存在価値すら揺らぐ。「やっぱり、労働の後に食べる、穫れたての卵はウマいよね」 だけじゃ済まない…ということは、観る前から、誰だって分かってるだろう。ただ、この作品の場合、主人公の少年が自ら学ぶというより、訳知り顔した大人に 「セリフで」 言わせる表現方法が多いところが、 「説教くさい」 と感じさせてしまう所以なのだ。例えば、第3話で言うと、豚の飼育の実習で、「最初の競争で負けた子豚は、ずっと出の悪い乳を吸い続ける」 という事実を紹介してから、 「こんな生き方するなよ」 的な教訓を教師に言わせたり、主人公が偶然出会った獣医師に、 「獣医になる為に必要な覚悟とは、動物を殺せるかどうかだ」 なんて核心に迫る考え方を、簡単に言わせてしまってる。体験的、間接的なエピソード以前に、直球のセリフをポンポン詰め込み過ぎてしまっては、じっくり教訓を噛みしめるよりも、 「説教くさい」 と感じてしまう人がいるのも無理はない。問題提起されたことに自分で考えたいと思うか、結論までハッキリ示して欲しいと思うか。…まあ、後者の方が、万人に受けやすいのは確かだが。そうはいっても、実際に畜産や屠殺の現場で学ぶ機会はなかなか持てないのだから、漫画やアニメのような若者が触れやすい媒体で描かれるのは好ましいことだと思う。【送料無料】銀の匙(1) [ 荒川弘 ]価格:440円(税込、送料込)
2013年07月31日
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★ 『 よんでますよ、アザゼルさん。 』 久保保久 (2007年~)レンタルコミックにより、既刊9巻読了。『荒川アンダーザブリッジ』 (2013.7.26.の日記) の挫折により、私の中で、ギャグ漫画に対するハードルが上がったのか下がったのか分からないが、直後に読んだこの作品は、けっこう笑えた。Amazonレビューによると、 「下ネタばかりでうんざり」という厳しい評価も散見される。確かに、汚物ネタからエロネタまで、あらゆる下ネタのオンパレードな上、キャラクターに対する暴力やイジメ方も (相手が架空の悪魔とは言え) ハンパなく、下品であることは確かだ。下ネタの少ない 『荒川アンダーザブリッジ』 がダメで、『アザゼルさん。』 は好物だと言うと、なんか、私自身の品格が問われそうだが、別に下ネタが好きなワケではないのだ。 …決して。下ネタ抜きの家庭環境で育ったせいか、飲み会などでも、あんまり酷い下ネタには、表面ではなんとか笑っても、心の中ではドン引きしてしまうことが多い。ただ、下ネタ抜きの家庭…と言っても、別に上品で厳格だったってわけでもなく、粗野な兄2人と共にガサツに育ったので、ギャグはやはり、適度に辛辣さが無いと物足りない。私にとってドンピシャなギャグ漫画とは、 『海月姫』(2012.11.15.の日記) や 『ひまわりっ~健一レジェンド~』(2013.1.22.の日記) の東村アキコが描くような、下ネタに頼らず、でも、 「変人」 を容赦なく風刺する作風。変人ネタの可笑しさの神髄とは、単に変人を笑い者にするだけでなく、変人に振り回される常識人の悲喜劇を描くものだと思っている。そういう意味で言うと、登場人物にまともな人間が殆どいない…という点で、 『荒川…』 と 『アザゼルさん。』 は共通しているかもしれない。「だったら、やっぱり、下ネタが好きなんじゃないの」 と言われそうだが、仮に、 『アザゼルさん。』 の作者が、『荒川…』 の設定やあらすじを借りて、下ネタ無しの漫画を描いたとしても、多分、私には面白く感じるのではないかと思う。その辺、なかなか文章で説明するのは難しいが…。例えば、キャラ設定でいうと、 『荒川…』 は、基本的にはみんな、 「純粋でいい奴」 だったりする。それ自体は、悪くないのだが、いい奴同士が、お互いに手加減して相手をからかってる感じで、結局、ほのぼのとした笑いが せいぜいなのだ。それに比して、 『アザゼルさん。』 は、悪魔は勿論、登場人物の殆どは、フィクションだと思えばこそ許せるが、実際に目の前にいたら、 「ウザい嫌われ者」 ばかり。ウザいキャラだからこそ、容赦なくいたぶられるのを期待するし、心から笑えもする (勿論、イジメられても殺されても、殆どの場合は何事もなく復活すると分かっているから笑えるのだが…)。ただ、 「笑える、笑えない」 の違いの最大要因は、前回も述べたとおり、キャラ設定の問題以前に、ネーム (シナリオ) の内容やテンポなどのセンスが、根本的に私に合うか合わないか、ということが、9割方を占めているのだが…。<関連日記>2012.11.15. 全編 「漫才」 の恋愛漫画 ・・・ 東村アキコ 『 海月姫 』 2013.1.22. 男は徹底的にバカな方が可愛い? ・・・ 東村アキコ 『 ひまわりっ ~健一レジェンド~ 』 2013.5.24. 2013 春アニメ 私的 「暫定ランキング」 (その1)2013.7.26. 着想が良くてもシナリオが悪いと笑えない ・・・ 中村光 『 荒川アンダー ザ ブリッジ 』 【送料無料】よんでますよ、アザゼルさん。(1) [ 久保保久 ]価格:580円(税込、送料込)
2013年07月29日
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★ 『 荒川アンダー ザ ブリッジ 』 中村光 (2004年~)レンタルコミックにて、既刊13巻中、9巻途中で挫折。アニメ、実写ドラマは観てません。え~と、たまには軽く笑えるギャグ漫画でも…と思って借りてみたんだけど、9巻途中まで読んで、殆ど1回も笑えず、挫折。Amazon のレビューを読むと、 「最初は余り面白いと思わなかったが、だんだんハマった」 …的なものがあったし、長期連載、アニメ化までされてるのだから、きっと、そのうち面白くなるに違いない…と思って読み続けたものの…。河川敷に暮らす変人たちが、とにかく、最初から最後までギャグの応酬…という構成なのだが、どうしても、私には笑えなかった。まあ、ギャグの波長が自分に合わないと言ってしまえば それまでなのだが、敢えて分析すれば、着想や設定、ネタそのものは悪くはないと思うのだが、いわゆる 「ツッコミ」的なセリフとモノローグが多過ぎて、ゲンナリするのだ。登場人物が度を超した変人ばかりで、まともな人間が1人もいないせいか、ツッコミそのものにも説得力がない。そもそも、ボケが弱いから、セリフやモノローグによるツッコミで説明せざるを得ないようだが、それにしたって、沈黙や表情による 「間」 を使う余地もなく、延々、言葉のやり取りが続き、肝心のネーム (シナリオ) も、ベタすぎて、「言い回しの可笑しさ」 で笑うにも至らない。笑えない上にネーム過多で、読むのに無駄に時間がかかり、さすがの私もギブアップ。リク (主人公) のセリフを半分にし、さらにモノローグを10分の1にしたら、もしかしたら、同じストーリーでも、もう少し笑えるかもしれない。【送料無料】荒川アンダーザブリッジ(1) [ 中村光 ]価格:560円(税込、送料込)
2013年07月26日
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★ 『 私がモテないのはどう考えてもお前らが悪い! 』 テレビ東京http://www.ganganonline.com/special/watamote/タイトルから痛々しい、モテない女子高生がヒロインのギャグアニメ。こんなタイトルの深夜アニメを、リア充な若者が視聴するとは考えにくいので、恐らく、主な視聴者は、限りなくヒロインに近い立場の人々ではないかと思うが、ネット上での感想を見てみると、 「笑える」 という人と 「痛々しい」という人に二分されるようだ。ヒロインの見た目や性格が異常に暗い、っつう設定は、『君に届け』 と大差ないのだが、ああいう高校デビューを夢見てる女子に、現実はそんなに甘くないと今更ながら訴える内容になっている。…今のところ。中高、公立の共学校出身の私から言わせてもらうと、中学校で全くモテなかった女子が、高校入って、何の努力もなく急にモテるということは、99.9%無い。確かに、周囲のメンツが一新し、それまでの自分を知る人がいないのは変化のチャンスではあるのだが、中学よりも高校は、より近い偏差値、似た家庭環境の人間の集まりとなることが多いので、美人とか明るいとかの特長がなければ、かえって埋もれてしまうのが通例だろう。それに、高校生になると、男女の垣根が低くなるとは言え、精神的成長の遅い男子は、1年生のうちは、まだまだ中学生的な幼さを有してることが多いので、期待するほど急に男らしく女性をリードしてくれるってわけでもない。スクールカーストの上位に君臨したいと思ったら、やはり最初が肝心なのだ。そうは言っても、もしかしたら 「バラ色の高校生活」 が待ってるかもしれない…と、ついつい夢見てしまった過去を持つ人は、このヒロインを多少の息苦しさをもって見てしまうのではないだろうか。このヒロインの何が真に痛々しいかと言えば、彼女の性格が、たいして良くも、清らかでもないところだ。モテることばかり考えて女子の友達を作ることを二の次にしてるとか、弟に対して意味のない嫌がらせをするとか、まあ、多くの女子高生の内実はこんなものだろうけど、百歩譲っても、 「いじらしい」 という以外に殆ど魅力は見当たらない。「暗いけど、本当はすごく性格が良い娘が報われる」 のが典型的少女漫画とすれば、このヒロインはそもそも報われようもないところが、リアル過ぎて痛々しい。『耳をすませば』 のパロディなど、部分的には笑えるが、全体的には 「痛々しくて観てられない」 という人の気持ちも分からなくはない。こうした 「喪女」 の方々に、少し希望を持たせるなら、高校デビューに失敗しても、ムリに自分を変えなくても、大学や社会人になってからモテ期がくるという可能性は無くはない。例えば、理数系の男ばかりの学部や職場に入れば、女というだけで、ある程度はモテる (可能性がある)。また、中高生のように 「美人」 とか 「明るさ」 だけでなく、「仕事に対する責任感」 とか 「精神的安定感」 などの要素が尊重されるようになったり、男性側もいい加減オトナになり、女性の欠点に寛容になったりもするので、まあ、何が起こるかは分からないので、あまり悲観することはないと思うヨ。<関連日記>2012.10.24. とんとん拍子で 「高校デビュー」 を果たしていく女の子 の お伽噺 ・・・ 椎名軽穂 『 君に届け 』 【送料無料】私がモテないのはどう考えてもお前らが悪い!(1) [ 谷川ニコ ]価格:500円(税込、送料込)
2013年07月24日
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★ 『 BROTHERS CONFLICT 』 TOKYO MX 他http://www.bc-anime.com/今季のアニメ、いまいちコメントする気にならないまま、もう2週目、3週目になってしまった。と言うか、2年位、深夜アニメ観てたら、何を観ても目新しさを感じなくなってしまった、と言うか。まあ、アニメ通の間では、 「2~3回観ないと判断できない」のが普通らしいから、感想もボチボチ言うのが丁度良いか。1クール 12~13回しかないのに、よく、そんな悠長な作り方が許されてるな。 オタクが辛抱強いと言うべきか…。アニメって、ジャンルで言えば、萌え系とかロボット系とか色々あるんだろうが、私的には、 「面白いと分かっている原作 (漫画、ラノベ) を原作に忠実になぞったヤツ」 と、「原作 (漫画、ラノベ、ゲーム等) を売りたいだけの、ハナから完結させる気ねえヤツ」 と、 「売れるも八卦、売れないも八卦 (行き当たりばったり、とも言える) のオリジナル作品」 の、大体3つのカテ分けで観るクセがついてきた。…だから、どうなんだってこともないけど。あ、 『ブラコン』 の話に戻らないと。…戻るも何も、始めてなかったけど。はっきり言って、ただの逆ハーレムアニメで、ストーリー的にも美術的にも、全く観るべきところは無いのだが、なんか、もう、ここまで来ると、ギャグというか、気持ち悪いもの見たさみたいな感じで、ついつい、3回目まで観ちゃったよ。妙に従順で、おとなしいだけが取り柄 (?) のヒロインに対して、すかしたイケメンが次々と迫ってくる構図は『AMNESIA』 と似ているが、今回は規模が違う。居並ぶイケメンが、ヒロインの父親の再婚相手の息子たちで、しかも、全員男の13人兄弟っていう…。…うん!まあ、それなら、イケメン揃いなのも、全員が、ヒロインに興味津々なのも、納得できるよねっ (…できるかっ)。いくら逆ハーレムったって、男が多過ぎだろ…と思うが、実際のところ (多分) 、ヒロインの恋愛に直接かかわってきそうなのは、トシの近い数人で、年長の兄たちはヒロインを可愛がってくれるだけのサポーター役に過ぎないようだ。年長者たちのホストっぽさに比べると、トシの近い奴らはちょっと 「不器用で奥手」 …という、一応、少女向け恋愛漫画のトレンドは守られてるのである。これをマジメに、ときめきながら観る乙女がいるかどうか疑問だが、ともかく、声優の無駄な豪華さ、顔も喋り方も似たようなもんなんだから、一人二役くらいやらせて、人件費浮かせたらいーんじゃないかっていうツッコミどころ満載の演出、そして、極めつけは、声優さん総出の爆笑 EDなど、案外、観ていて退屈はしない。<関連日記>2013.1.18. イケメンばかり 出せばいいってもんじゃ ・・・ 『 AMNESIA 』 2013/09/12発売【予約】【PSP】ブラザーズコンフリクト ブリリアントブルー [限定版]価格:6,980円(税込、送料別)【送料無料】BROTHERS CONFLICT(2nd SEASON 1) [ ウダジョ ]価格:630円(税込、送料込)BROTHERS CONFLICT(ブラザーズコンフリクト) 缶ミラー 光[ブロッコリー]《08月予約※暫定》価格:590円(税込、送料別)
2013年07月17日
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★ 『 アイアムアヒーロー 』 花沢健吾 (2009年~)レンタルコミックにて 既刊11巻読了。自我をなくした人間 (ゾンビ) たちが、健康な人間を襲う …的なパニック・ホラー漫画。人格の崩壊、容赦ない殺戮シーンの連続に、ちょっと 『寄生獣』 (岩明均 1988~1995年) を思い出したが、絵的にも社会風俗的にも、もっとリアルに、現代的にしたような感じ。…と言うか、とりあえず、絵的、描写的なグロさは置いといて、はなから人物描写が、リアルを通り越して、人間のイヤな部分をかなり誇張している。少なくとも私の感想では、11巻通して読んでいて、魅力的な人物は、外見的にも性格的にも1人として登場しないし、一片の爽快感すら、感じられる場面もない。お陰で、最初から中盤に至るまで、 「全く共感しがたい、小心者のキモオタ主人公」 が、一応は善良なだけ、だんだんマシに見えてくる始末だ (ひょっとして、それが狙いか?) 。ともかくも、実験的な絵画表現とか、リアリズムとか、「狙い」 はわからなくないのだが、いくら何でも、グロい描写がしつこすぎる。単に、この作者は 「グロい絵」 フェチで、皆が怖がる絵を描いて、自分が快感得るのが第一目的なんじゃないだろうか…と疑いたくなるほどだ。11巻になっても、事態は停滞するばかりだし、似たような残虐シーンの繰り返し、似たような不愉快なキャラクターの登場の繰り返し、そして、しまいには、まさかの主要キャラ交代 (本来の主人公をさて置いての場面転換) があったりして、終わりが見えない。まあ、こーゆー作品があってもいいとは思うが、もう少し、短くまとめられないものかと思う。ストーリーに関してはこの位にして、私が考えてしまったのは、漫画における 「画力」 の意味だ。こういう細密でリアルっぽい絵を 「画力がある」 と礼賛する人もいそうだけど、私的には、あんまり好きではない。もともと、漫画ならではのデフォルメにこそ、描き手のセンスが問われるところだと思うので、リアルで描き込みが多いから優れているってものでもない…と考えているのもあるが、この作者の場合、リアルと見せかけて、微妙に醜さ (離れた目、低い鼻、大きな口など) を誇張して描いているので、読者は、ストーリーを通してというより、視覚情報だけで、「人間とは本来、醜いものである」 と洗脳されてしまうのではないか、と思う。…まあ、それが悪いとは言わないし、好みの問題だと思うけれども、とにかく、私の場合は、正直、漫画や絵画の中でくらいは、美しい女性、カッコいい男性を見ていたい…というのが本音だ。【送料無料】アイアムアヒーロー(1) [ 花沢健吾 ]価格:560円(税込、送料込)【送料無料】寄生獣完全版(1) [ 岩明均 ]価格:910円(税込、送料込)
2013年07月03日
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★ 『 きみはペット 』 小川彌生 (2000~2005年)レンタルコミックにて L’integrale 版 全9巻読了。実写ドラマは観てません。タイトルとか、小雪と松本潤によるドラマ化とか、チャラい面が目について、これまで、手を出す気にならなかったが、読んでみたら、なかなか良い。まず、絵が上手い。人物の顔のデザインがちょっと独特なので、少女漫画嫌いの人は、慣れるのに少々時間が掛かるかもしれないが、デッサン力がしっかりしているので、ダンスシーンや格闘シーン、ベッドシーンすら美しく、構図のセンスもいい。しかも、女性作家らしくファッションセンスも良いので、絵を見てるだけでも楽しい。ちゃんと絵の勉強をした人かな、と思って調べたら、やはり、作者は、多摩美大出身とのこと。ストーリー的には、タイトル通り、荒唐無稽だったり、若干、中だるみする面もあったが、最近の長編漫画にしては余計な引き延ばしエピソードの少ない方だと思う。何より良いと思ったのは、ヒロインの性格描写が一貫していたところ。一見、 「仕事はできるけど、気が強く可愛げがない女」、その実、 「繊細で優しい」 というヒロイン像は、女性読者の共感を得られるせいか頻繁に描かれるが、ストーリーの序盤早々から、割と簡単に 「弱み」 や 「かわゆい面」 を晒す (しかも、都合よく、イケメンの前で) ヤツらが多く、正直、ウンザリしていた。「しっかりしているように見えて、実は危うい」。…これって、私から言わせてもらうと、 「魔性の女」 の典型なのだ。知り合って間もない男の前で、簡単に泣いたり、弱音を吐くような女は、 「計算してやってる」 ようにしか、見えないのだが…。この作品のヒロイン、スミレは、確かに、ペットのモモには、最初から、やたらと弱みや本音を見せるけれども、職場や恋人の前では、一貫して不器用で、最後まで簡単には心を許さない。まあ、冷静に考えれば、学歴、職歴、容姿等々、非の打ち所がなく、出世頭のイケメンの彼氏がいる上に、かわゆい年下の男の子のペットがいる…なんて、恵まれ過ぎててイラッとするところだが、ヒロインの性格が、一貫して媚びてないのと、彼女自身がコンプレックスをなかなか克服できない (背が高すぎるとか、友達が少ないとか) のとで、なんとなく許せてしまう。そうは言っても、このヒロインの気持ちは、 「今が華」 の20歳代前半までの女性には、本当の意味では理解できないかもしれない。<関連日記>2013.5.2. 魅力あるヒロインとは・・・ 【送料無料】きみはペットL’inte´grale(1) [ 小川彌生 ]価格:1,200円(税込、送料込)
2013年06月29日
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★ 『 花より男子 』 神尾葉子(1992~2004年)レンタルコミックにて全37巻中、23巻まで読了。アニメや実写 (日本、韓国、台湾、中国) は観てません。なんか、もうね~、私、こんなバカバカしい漫画、初めて、…とは言わないけど、無駄に長すぎるところも含めると、これまでのワースト3に入るかも…。 『マーガレット』 (集英社) で連載されながら、小学館漫画賞受賞とか、アジア各国でドラマ化とか、華々しい人気を博した作品なので、期待を抱いて読んだのだが…。貧しい普通の女の子が大金持ちのイケメンにモテまくる …的な、まあ、昔ながらの 「少女漫画」 設定なんだが、極端なご都合主義は 「ハーレムアニメ」 、どうでもいい対決とか修行みたいなので引き延ばすのは 「少年漫画」 と、それぞれの短所を、足して、足して、足したような作品。正直、7巻くらいの段階で、 「ま、まさか、この調子で37巻、延々続くのか?」 と、ゲンナリしつつ、借りちゃったものは仕方ないので読み続けているが、20巻超えても、ストーリーの主旨は殆ど変わらない。「財閥」 とか 「パンピー」 とか 「玉の輿」 とか、恥ずかしい設定は、連載開始の時代が時代だから仕方ない。イジメとか傷害とかレイプ未遂とかが、いちいち犯罪レベルなのも、現実にも割とヤンチャが許されていた時代だから、まあ、目を瞑ろう。それより何より、私が最も看過できないのは、やっぱり、「ヒロインの魅力の無さ」 だ。これまでも散々、つまらない恋愛漫画の 「ヒロインの魅力の無さ」 を訴えてきたが、どちらかと言えば、多くは 「魅力をくどくど描きすぎて、失敗している」 感じだった。だが、この作品のヒロインの場合、モテる理由が、本当に分からない。ヒドいイジメにも逆境にも挫けないのは立派だが、イケメンに迫られれば、だれかれ構わずボーっとするし、言い寄られては、あっちにフラフラ、こっちにフラフラ、散々助けられたりキスされたりしといて、20巻近くまで、「(相手が) 自分を好きだと気づかなかった」 とか、「好きかどうか、自分の気持ちが分からない」 だとか、 …バカなの?ストーリーの主軸がシリアスで、コメディ要素がアクセントになって面白い作品は沢山あるが、この作品の場合、作者の気まぐれや引き延ばしの為に、都合よく 「コメディだから何でもあり」 展開を使ってる感じが、実に実に、目に余る。にしても、漫画をレンタルする時には、一応、Amazonのレビューを参考にするんだけど、アレって古い作品については余りアテにならない。今さらの古い作品について、わざわざレビューするのは、その作品のコアなファンばかりのようだから…。<関連日記>2013.5.2. 魅力あるヒロインとは・・・2013.5.11. ヒロインの 「魅力の程度」 が現実的で ちょうどいい ・・・ 芦原妃名子 『砂時計』送料無料!!【漫画】花より男子 [新書版] 全巻セット (1-37巻 全巻) / 漫画全巻ドットコム価格:15,170円(税込、送料込)
2013年06月10日
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★ 『 うさぎドロップ 』 宇仁田ゆみ (2005~2012年)レンタルコミックにて全10巻読了。アニメ、実写映画は観てません。祖父の隠し子 (りん、6歳) を育てることになった独身の30男 (ダイキチ) の生活の激変と、10年後を描いた作品。第一部 (1~4巻) は、ちょっと設定は変わってるものの 「ほのぼの子育て漫画」 という感じだが、リンが高校生に成長してからは、青春漫画的な様相もあり、結末は私的には割と予想の範囲内だったが、その過程が丁寧に描かれていて、かなり引き込まれた。最終10巻の巻末に作者のインタビューが掲載されているが、その発言どおり、この漫画の一番のポイントは、第一部はダイキチの主観、第ニ部はりんの主観と、意識して視点を定めて描いているところだ。私は 「モノローグ多用」 反対派なので (2012.4.15.の日記、2013.4.30.の日記) 、この、視点を定める手法が物語を面白くしていると思ったが、逆にそのせいで、後半のダイキチの心理描写が疎かだ、と感じた読者も多いようだ。結末 「残念」 派の読者の気持ちも含めて、色々な不満は全てよく分かるが、私的には、注意深く読めば、この展開も描き方も、アリだと思った。主観を定めることによって、よくも悪くも読者は騙され、結末で、より深く考えさせられるのではないか。まあ、私も、も少し若かったら、納得できなかったかもしれないが、納得できないからと言って、すぐに投げ捨てるのではなく、セリフやモノローグに表れない登場人物の気持ちをもう一度、よく考えてみたらよいと思う。設定が若干被ってる点で 『よつばと!』 (あづまきよひこ)(2012.10.16.の日記) を引き合いに出す読者もいたが、よつばのとうちゃんは、子育ての為に大して自分の生活を犠牲にしてるように思えない (どっちかと言うと、お隣の一家の方が大変そうだ) から、同列に語れないのでは?子育てに掛かる時間や労力が 「犠牲」 ではないと心から納得するまでにダイキチはある程度の時間を要しているが、よつばのとうちゃんは、元々あまり深く考えていない感じがするのだ。…まあ、どちらにしろ、人間的にすごく魅力がある (現実には、そうそういない) のは確かだが。ストーリーに関しての感想はここまで。ハッキリ言って、読み終えるまでは、Amazonのレビューは余り読まない方が良いと思う (特に本編最終回となる9巻のレビュー) 。ネタバレ発言が多いので…。あと、 「内容はいいけど、単行本が高い」 という意見もあったな。私も基本的に大判コミックスは高いだけでなく、重いし、場所をとるので買いたくない方。この作品も、味のある作画とは言え、大して線や背景が細密なワケではなく、ぱっと見 「ヘタウマ」 の部類と言えなくもないので、文庫でいいんじゃね?と思ったが、よくよく見ていくと、構図やアングルに工夫があって、かなり絵画センスのある人の絵だと思う。<関連日記>2012.4.15. 過剰なモノローグが人物を薄っぺらくする・・・ 樹なつみ 『 八雲立つ 』 2012.10.16. 「虚構の世界」 だからこそ、憧れられる ・・・ あずまきよひこ 『 よつばと! 』2013.4.30. ムダに挿絵の多い ラノベみたいな (?) 漫画 ・・・ 最富キョウスケ 『 電撃デイジー 』 【送料無料】うさぎドロップ(1) [ 宇仁田ゆみ ]価格:980円(税込、送料込)
2013年05月19日
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★ 『 海の闇、月の影 』 篠原千絵 (1987年~)レンタルコミックにて文庫版全11巻読了(コミックス18巻)。未知のウィルスに感染し、超能力を持った双子の女子高生の闘争を描いたSFサスペンス。篠原千絵の作品を読むのは 『天は赤い河のほとり』 (2012.5.19.の日記)以来、2作目。連載開始年で言うと、8年ほど古い作品になるが、既に作画力は安定している。作者が竹宮恵子のファンだそうだが、そう言われて見ると、ペンタッチが似てる。ゴマカシのないはっきりした線で、デッサン力もあるので、アクションも動きが分かりやすく、違和感なく読める。読めるのだが…。う~~~ん、どうも、この人の絵柄、あんまり好きになれない…。大抵の漫画は、初見では好きになれなくても、慣れれば気にならなくなる方なのだが…。一言で言うと、ちょっと古臭い (1970年代の少女漫画っぽい)のだが、私は古い絵自体は、それなり味があって嫌いではない。萩尾望都は、70年代の絵 (『ポーの一族』 等) が、一番好きな位だし、 『カムイ伝』 (白土三平) も 『サイボーグ009』(石ノ森章太郎) も、初期の絵の方が好きだし、最初は苦手だと思った 『ベルサイユのばら』 (池田理代子) の絵も、ストーリーにハマってからは、あの古臭い絵だからこそいいと思う。そう考えると、どうしても篠原千絵の絵が余り好きになれないのは、やはり、ストーリーやキャラクター自体に余り魅力を感じ取れないからだと思う。『天は赤い河のほとり』 が、ヒロインの人となりが全く不明なうちにタイムスリップしてしまったのと同様に、この作品についても、作者が描きたいのはサスペンス部分だというのは分かるが、そもそもの人物関係 (双子の性格の違いや、三角関係の一角を担う男が、なぜ、ヒロインの方に惚れたのか…など) の描写をすっ飛ばして、早々に本題 (双子の対立) に突入しているので、なんだか、イマイチ、ヒロインの側の気持ちに立てない。残虐なシーンが多いのも悪いとは言わないが、似たようなパターン (信用しては裏切られ、善良な人が簡単に殺される)が余りに多すぎて後味悪く、散々、無関係な人を巻き込んでおいて、主人公らが一貫して、脳天気に愛だの恋だの言ってるのが、不愉快にすら思えてくる。この苛立ち…、あれだよ、米ドラマ 『 24 』 シリーズ観てる時の感覚に似ているな。「テロとの闘い」 を免罪符に、散々、善良な市民を犠牲にしといて、自分の妻やバカ娘だけは同僚の時間を無駄にしても救い出す、ジャック・バウアー…みたいな。それにしても、他人には 「見分けがつかない」 ほど似ている双子が同じ異性を好きになって、その異性が何の逡巡もなく一方だけに恋慕の情を表したとなったら、そりゃあ、双子のもう一方が凹むのも無理ないだろうなあ…。<関連日記>2012.5.19. 功罪相半ばの歴史漫画 ・・・ 篠原千絵 『 天は赤い河のほとり 』 【送料無料】海の闇、月の影(第1巻) [ 篠原千絵 ]価格:590円(税込、送料込)
2013年05月14日
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★ 『砂時計』 芦原妃名子 (2003~2006年)レンタルコミックにて読了 (コミックス版 全10巻)。実写ドラマ、映画は観てません。『Piece』 (2013.4.25.の日記) がなかなか良かったので読んでみた。TBSの昼ドラで実写化されたらしいが、如何にもドラマ化、映画化に好まれそうな題材。設定をバラしてしまうと、この作品の場合、面白さが激減しそうなので、余り語らないが、要するに、ある女の 「一代記」 …というほどでもないが、子供時代から大人になるまでの波瀾万丈を描いている。『Piece』 もそうだったが、一見、恋愛中心のようで、家族関係とか、精神的自立の意味などを考えさせる内容になっているので、10巻通して殆ど退屈せずに読めた。恋愛漫画って、この作品のように番外編含めても、せいぜい10巻 (文庫版5巻) にまとめるのが適正だなと改めて思った。前々回の日記(2013.5.2.)で、最近の恋愛漫画はヒロインの「モテ要因」の説明が過剰で鬱陶しいと言ったが、この作品のヒロインは、どちらかというと、前近代的な少女漫画に多い、「これと言った魅力に欠ける女の子」の典型かもしれない。そもそも、身近にカッコいい男の子が複数いるのも、現実を思うとちょっと不自然なのだが、ただ、とにかく、若い男が女の子を好きになる時に、「性格の良さ」だの 「優しさ」だの、ヒロインの魅力過剰な作品よりも、「出会いのタイミング」とか、「危うそうで目が離せない」 とか、そういう単純な理由で片づけている本作の方が、私としては説得力を感じる。(あくまで、ヒロインの性格設定のことを言っているのであって、物語設定は、そんなに単純ではない)ところで、レビュー見たら、実写から入った人は 「絵が嫌い」 という人が割といるようだ。確かに、 『Piece』 の際にも言ったが、ちょっと古いラブコメ調の絵柄で、決してウマくはないのだが、私的には 「格別、好きではないが慣れれば許せる」 タイプの絵柄。少なくとも、少女漫画の要である男の子のキャラクターは、まあまあ魅力的に描けているのではないかと思うが。<関連日記>2013.4.25. 好奇心や自己愛が無ければ、他者とも深くは関われない ・・・ 芦原妃名子 『 Piece 』2013.5.2. 魅力あるヒロインとは・・・ 【送料無料】砂時計(第1巻) [ 芦原妃名子 ]価格:690円(税込、送料込)
2013年05月11日
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★ 『 黎明のアルカナ 』 藤間麗 (2009年~)レンタルコミックにて既刊12巻中、11巻読了。人類と半人半獣の亜人とが共生する架空世界での、王族間の闘争や恋愛を描いたファンタジー作品。1巻を読み始めた段階では、 『電撃デイジー』 (2013.4.30.の日記) を読んだ後だったこともあり、余計な描きこみの少ない綺麗な線と、背景の空気感を感じさせる作画、無駄なモノローグの少ない落ち着いた出だしの展開に期待が膨らんだのだが、読み進めるうちに…う~ん…。なんつうか…、やっぱり、イマイチ、底が浅い…つうか。開始当初の 「連載予定回数」 がどのくらいだったのか知らないが、主人公の男女の心情や性格をバラすのが早過ぎて、興が削がれた。『電撃デイジー』 よりは色んな意味でだいぶマシではあるが、もう少し、読者に 「気を持たせる」 ことが出来ないのだろうか…。何度も言うようだが、恋愛が要となる漫画において、相手役の心情や行動原理を早々と明かしてしまうのは、リスクが大きい。「種明かし」 を補って余りあるドラマ性が伴わないと最後まで読者を引きつけるのは難しいと思うのだが、意外と簡単に明かしてしまう作品が多いのは、結局、それを望む読者の方が多いってことなんだろうか?この作品の場合、異世界や異能、王国間の勢力争いなどを織り込んでいる分、確かに学園恋愛漫画よりはドラマチックっぽいが、過去のファンタジー漫画やアニメ等の設定をアチコチつまんできた感が拭えず、ハッキリ言って、ストーリー自体にもイマイチ、感情移入できなかった。まあ、11巻現在、物語 (恋愛の行く末) がどうなるか、逆に混沌としてきているので、最初からドンデン返しを狙ってやってるのだとすれば、技量に長けていると言えなくはないけど…。それと、線が綺麗でキャラクターデザインもなかなか可愛いので、最初は画力があるのかと思ったが、人物が動き出すと、デッサン力が余り無いのがバレてしまうのが残念だった (線がキレイなだけに逆に欠点が目立つ)。<関連日記>2013.4.30. ムダに挿絵の多い ラノベみたいな (?) 漫画 ・・・ 最富キョウスケ 『 電撃デイジー 』 【送料無料】黎明のアルカナ(1) [ 藤間麗 ]価格:420円(税込、送料込)
2013年05月10日
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前回の日記(2013.4.30.)で、「 『 電撃デイジー 』 のヒロインの魅力がよく分からない」 …ということを書いた。以前にも、他の作品について、同じようなことを書いたことがある。 『 僕等がいた 』 (2012.3.17.の日記) 『 OZ 』 (2012.3.18.の日記) 『 君に届け 』 (2012.10.24.の日記) 『 スキップ・ビート! 』 (2013.1.27.の日記) など だが、ふと思い返してみると、恋愛漫画の教祖的な作家と認める くらもちふさこ (2012.12.4.の日記他) や、これまで散々、 「魅力的なキャラクター作りが上手い」 と褒め称えてきた田村由美 (2012.9.19.の日記他) や末次由紀 (2012.5.29.の日記他) などの作品を顧みて、じゃあ、何が違うのか…と聞かれると、ちょっと説明が難しい。よくよく考えてみると、くらもちふさこの描くヒロインなど (特に短編) は、大して長所も短所もない、いわゆる 「どこにでもフツーの女の子」 ばかりだ。昔から、少女漫画というものは、目立って美人でもない設定 (決してブスではないところがポイント) の女の子が、突然、カッコいい男の子をゲットする…的な展開が嘘くさい、と散々否定されてきた。その反動か知らないが、冒頭に挙げた最近の人気漫画のヒロインは、 「性格美人」 であることを、これでもかと畳みかけるようなエピソードの数々でもって説明される。 〇 男より女友達を大事にする 〇 意地悪な女友達を広い心で改心させる 〇 犬猫や小さい子供への愛情がハンパない 〇 TPOに応じて、男に甘えたり、母のような慈愛で包み込んだり、やることが意外とベテランなどなど…。ハッキリ言うと、とにかく、彼女がモテたことに対する 「エクスキューズ」 が、あまりにも過剰なのだ。中高生の男の子が、女の子を好きになるのに、そんな、一生の結婚相手を捜すかのように、 「気立て」 ばかりを気にするか?…いや、そもそも、あの年代の男に、そこまでの 「女を見る目」 があるか?大体は、 「顔」 とか 「雰囲気」 とか 「手近にいた」 とか 「俺のことを好き」 とか 「言うこと聞きそう」 とか、そんな理由で、付き合ってんじゃないのかね?それを、まあ~クドクドクドクド、女の子の 「いい子っぷり」を一から十まで説明しようとするから、余計に嘘くさくなるんじゃぃっ。振り返ると、高校生くらい迄の女の子はスレてない分、上に挙げた程度の 「いい子」 は腐るほどいる。だけれど、 「出る杭は打たれる」 ことの多い女子社会では、「いい子」 でいるのは、 「悪い子」 に見られるより、ずっと 「ラク」 だから、個性を殺しているに過ぎないことも多い。しかも、 「天使のようないい子」 というのは、傷つきやすかったり、流されやすかったり、意外と鈍感だったり、掘り返してみれば、めんどくさい欠点も必ずあるもんだ。案外、穢れが無さ過ぎるところがネックで、男が近寄って来ないってこともあるので、天使だからって、漫画みたいに、必ずモテるとは限らないんだよ。「こんだけ性格よければこそ、彼氏がデキる」 と余りに強調されたら、モテない読者にとっては、却って 「希望」 を絶たれるんじゃないのかな、と私は思うのだが…。<関連日記>2012.3.17. 世界は「僕等」を中心に廻ってるらしい・・・『僕等がいた』(アニメ版)2012.3.18. 色んな意味で「雑」なのが残念・・・ 樹なつみ 『 OZ 』 2012.5.29. バカバカしくてもやめられない、愛すべき 「メロドラマ」 ・・・ 末次由紀 『 エデンの花 』 2012.9.19. 登場人物すべてが愛おしい ・・・ 田村由美 『 7 SEEDS 』 2012.10.24. とんとん拍子で 「高校デビュー」 を果たしていく女の子 の お伽噺 ・・・ 椎名軽穂 『 君に届け 』2012.12.4. 「嫌われる」 のも大切な経験 ・・・ くらもちふさこ 『 おしゃべり階段 』2013.1.27. 無自覚な 「魔性の女」 の物語 ・・・ 仲村佳樹 『 スキップ・ビート! 』2013.4.30. ムダに挿絵の多い ラノベみたいな (?) 漫画 ・・・ 最富キョウスケ 『 電撃デイジー 』 【送料無料】7SEEDS(セブンシーズ)(24) [ 田村由美 ]価格:450円(税込、送料込)
2013年05月02日
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★ 『 電撃デイジー 』 最富キョウスケ (2007年~)レンタルコミックにて既刊13巻読了。天涯孤独な女子高生に襲いかかる陰謀と、彼女を命懸けで守ってくれる謎の青年…みたいな、持って回った設定だが、まあ、一言で表すと、ただの 「ツンデレ」 恋愛漫画だ。作風やギャグセンスが 『スキップ・ビート!』 (2013.1.27.の日記)と似ているな (あれより、絵は下手だが)。とにかく、色々としつこい。連載開始当初は3回くらいで終わる予定だったということだが、終えれば良かったのに …と正直、思った。なかなか素直に恋愛に発展できない男女がツンデレするのは恋愛漫画の醍醐味ではあろうが、こう 「ツン」 と 「デレ」 のスパンが短いと、趣もへったくれも無い。9割方 「ツン」 で、たま~に 「デレ」 でいいんじゃないのかね?男女の心の内を両方とも読者に明かしてしまうストーリー運びも、場合によって、あって良いとは思う。 この作品の場合は、 「実は両想い」 なのを明らかにしても余りある 「もっと深い謎」 や 「陰謀」 があるのを売りにして、延々とツンデレツンデレを見せているわけだが、いくらなんでも、デレデレ、イチャイチャしすぎ、かつ、引っ張りすぎ。しかも、陰謀展開も大して面白くない (…あ、言っちゃった)。ハッカーとか暗号ウィルスとか言っとけば、少女読者が煙にまかれると思ってるのかもしれないが、同じネタで引っ張り倒して、 「脅迫」 とか 「拉致」 とか 「危ないところでヒーロー登場」 とか、古典的パターンを延々繰り返している。多くのファンがいるからこそ、引き延ばしも出来るんだろうが、百歩譲って 「相手役の男が必死に守ってくれるからステキ」 と思う読者がいるのは分からないではないが、肝心のヒロインの魅力がイマイチよく分からない。強くて動じないのかと思うと、結局、男に頼ってるし、「性格がいい」 という設定ありきで、相手の男がヒロインを好きになった、そもそもの理由がよく分からない。読者は、ヒロインが可哀想な身の上だけど明るく生きてる …というだけで、 「性格がいいに違いない」 と信じ込まされ、後付けの過剰な 「セリフ」 や 「モノローグ」 や 「回想」 で、その魅力を説得されているに過ぎないのではないか。結果、どうでもいい 「友達との仲良し」 シーンや 「敵役との和解」 シーンが過剰になり、笑えないギャグの多さもあいまって、読むのに時間が掛かって仕方ない。ヘタな恋愛漫画における 「お友達や仲間」 は、 「主人公の魅力を引き立てる為のツール」 に過ぎないことが多く、せめて出番をほどほどにして欲しいものだ。大体において、全体的に、いちいちセリフによる説明が多すぎるのだ。やたらと挿し絵の多いラノベを読まされてる気分になってくる (ラノベ読んだことないけど)。以前、樹なつみの感想 (2012.4.15.の日記) でも書いたが、言葉の多すぎる漫画は、大概イマイチなものが多い。言葉が多い漫画家として有名だった三原順は、内容的に哲学があり、作画も独特な雰囲気があって好きだったが、こう、内容が薄くてヘタクソな絵でやられると、悪いけど、ほんとにイライラするわ…。<関連日記>2012.4.15. 過剰なモノローグが人物を薄っぺらくする・・・ 樹なつみ 『 八雲立つ 』 2013.1.27. 無自覚な 「魔性の女」 の物語 ・・・ 仲村佳樹 『 スキップ・ビート! 』【送料無料】電撃デイジー(1) [ 最富キョウスケ ]価格:410円(税込、送料込)
2013年04月30日
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★ 『 Piece 』 芦原妃名子 (2008年~)レンタルコミックにて既刊9巻読了 (全10巻予定)実写ドラマは観てません。これは、なかなか面白い。地味で目立たなかった高校時代の同級生が卒業1年半後に病死し、その母親からの依頼で、彼女の過去を洗い出そうとするヒロイン。クラスメートら一人一人の記憶の断片 (piece) を聞き出すうちに、当時はお互いに知り得なかった秘密や人物像が浮かび上がっていく…という話。絵柄は普通にラブコメ少女漫画風だが、徐々に明らかになっていく真実が、死んだ同級生のみならず、ヒロイン自身や家族や友達のことに及ぶにつれて、スリルすら覚える一種のサスペンス作品だ。勿論、非現実的な話や、 「いくら何でも」 の偶然が多すぎるのは、如何にも漫画的だが、過去を振り返りながら、ヒロインが自分自身の欠点に気づいていく過程とか、人間関係が壊れたり修復されたりしていく様は、かなり真に迫っている。 実際のところ、最近の子は、ネットやメールで、もう少しぶっちゃけて本音を晒し合ってるのではないかと思ったりするが、私の学生時代は、まだPCも携帯も全く普及していなかったので、友達の私生活や心の中など、10%も分かっていなかったような気がする。特に中高生時代などは、毎日顔を合わせるだけに、かえって距離感に気をつかっていたし、お互いにプライドの固まりで、さほど他人のことを慮ることも出来なかった。「あの時、何を考えていたか」 、 「何を隠していたか」 と、後で本音で話したら、ギョッとする話が出てくるに違いない(…ただし、私の年齢になると、健忘や、記憶の改竄が多すぎて、もはやパズルの完成は不可能だろうが…)。ただ、私がこの物語で一番怖かった部分は、過去の秘密が暴かれ、それがドラマチック過ぎるということ自体ではない。それは、 「誰かの為」 と言いながら、誰もが皆、大概は 「自分の好奇心を満たす為」 とか、 「自分探し」 が動機で動いているに過ぎないということ。イヤな言い方をすると、慈善行為というのは、自分の名誉や自尊心を形成する為であることが多い…ということだ。…だけれども、この作品では、読者にそうした 「現実」 を投げっぱなしにするのではなく、 「自己愛や自己満足欲求があればこそ他者との人間的な繋がりが持てるのであって、動機が不純だからといって一概に自虐的になることもない」 …という 「救い」 を示唆しているのが感じ取れ、細部までかなりよく練られた作品だと思う。【送料無料】Piece(1) [ 芦原妃名子 ]価格:420円(税込、送料込)
2013年04月25日
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★ 『 宇宙戦艦ヤマト 2199 』 TBShttp://yamato2199.net/う~~~ん。今さら、宇宙戦艦ヤマトのリメイクですか。しかも、2012年に既に全話制作済み、ソフト販売済みの作品を全国ネットでテレビ放送って…。今季はフジテレビ (ノイタミナ枠) も堂々の1時間再放送 ( 『刀語』 ) だし、なんかもう、ひょっとして、アニメ枠が増え過ぎて、ネタ不足以前に労働力不足に陥ってるとか?今季新作も、初回はそこそこ良かった作画が、2回目にして、ガタッと劣化しちゃってるのも、多々見受けるんですけど。さて、 『宇宙戦艦ヤマト』 だが、確かに、旧作制作当時 (1974~75年) は画期的なアニメだったんだけど、ありとあらゆるアニメを見慣れている今の若者が観て、どう思うんだろうか…。何が画期的だったかというと、それまでの宇宙人侵略型のアニメや特撮ものは、あくまで地球上で迎え撃ってたこととか、大体は一話完結型で、ストーリーに連続性があるのは珍しかったこととか、敵役の宇宙人が 「人間くさく」 はなかったこととか…なのだが。当時から、なんで宇宙人と通信手段や言語が一致してるんだ…とか、地球の一大事に、何で日本人クルーしかいないんだ…とか、ツッコミどころ満載だったけど、その辺、色々説明しても、やっぱり、多分、ツッコミどころ満載なものになりそう。これまで観た限りでも、敵 (ガミラス) からの通信 (降伏要求) に、いくら有能でも、たかだか軍人の沖田艦長の独断で返事させちゃっていいのかいっ!と、私は思いましたが。あと、旧作では、放射能の中でも生きていけるガミラス星人が、地球に放射能爆弾を打ち込んで汚染するという設定だったけど、何かよく分からない 「毒素」 的なものに代えてきましたな。それにしても、絵柄については、旧作や原作を尊重しつつ、欲張って、若いファンにも迎合しようと思ったか、若干、アレンジしたような努力が感じ取れるのだが、それが、如何せん中途半端で、結局、古臭いというか、はっきり言って、キャラクター全般が、なんかダサい。子供の頃、旧作を何度も観た私にとって、BGMも懐かしくはあるが、やはり、どうにも、古臭い。未来の話なのに古臭い…って、存外、致命的だな。【送料無料】宇宙戦艦ヤマト2199 1【Blu-ray】 [ 菅生隆之 ]価格:5,712円(税込、送料込)【送料無料】宇宙戦艦ヤマトリアルペーパークラフト [ 松本零士 ]価格:2,940円(税込、送料込)
2013年04月19日
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★ 『 神様はじめました 』 鈴木ジュリエッタ (2008年~)レンタルコミックにて、既刊15巻中、13巻まで読了。割と気に入っていたアニメが、終盤、余りに中途半端な描き方で、 「結局、原作掲載誌の宣伝かい」 とボヤいたことがあったが (2012.12.29.の日記) 、原作読んでみて、「やっぱり、そうだったのね」 …という思いを強くした。アニメは、原作の肝心なエピソードが、かなり端折られている。…まあ、原作も結構、あちこち話が飛んだり、本筋から逸れたり…が多く、番外編の寄せ集め的な、行き当たりばったりで描いている感じがなきにしもあらずなのだが。無責任な父親に夜逃げされ、ホームレスになったヒロインが、住処と引き換えに寂れた神社の神様の任を引き受けることになり、神使である妖狐と恋に落ちる …的なラブコメ。まあ、全編ベタベタのラブコメで、他愛ないっちゃあ、とことん他愛ないエピソードの連続なんだけど、どうもトシとると、こんな絵空話にも、敏感に感じ入ってしまうところがあって、結構、読んでいて切なくなる。何が切ないかと言うと、人と妖では寿命が著しく異なるという架空設定なのだが…。人の心は移ろうものだが、それだけに、強固な純愛であればあるほど、一方に先立たれ、独り遺されて永く生きねばならない者の悲痛を思ってしまう。昔から漫画やアニメ、特にSFものには、この手のテーマが描かれることが多い。 『ポーの一族』 、 『スターレッド』 (萩尾望都)、 『火の鳥』 (手塚治虫) 、 『ぼくの地球を守って』 (日渡早紀)、『イズァローン伝説』 (竹宮恵子)、…数え上げればキリがない。脳天気な恋愛模様を繰り広げていた 『犬夜叉』 ですら、かごめが年老いて死んだあと、犬夜叉はどうなるのだろう …と考えると、何とも言えない気持ちになる。根拠の薄い予言信仰による 「世界滅亡の日」 に備えて、シェルターやら避難行動に出る人たちがいるが、仮に本当に人類が滅亡し荒涼とした廃墟で自分たちだけ生き残って、一体どうするつもりなのだろう。人付き合いなんか無くてもいい…というアナタ。 食料も電気も供給されないサバイバル生活に耐えられるかどうかの現実問題はこの際置いておいて、例えば、インターネットにつないでも、誰からも全く投稿も応答も無くなった世界……怖いと思いませんか?…話が大袈裟になりすぎたが、とにかく、そういう諸々のことを考えだすと、一見、くだらない恋愛漫画も結構、奥が深いような気がするでもなくもない。<関連日記>2012.10.7. 初回観ての感想 ・・・ 『 神様はじめました 』 2012.11.11. 2012 秋 アニメ 私的 「暫定ランキング」 2012.12.29. 結局、原作漫画の宣伝か ・・・ 『 となりの怪物くん 』 、 『 神様はじめました 』 感想【送料無料】神様はじめました(第1巻) [ 鈴木ジュリエッタ ]価格:420円(税込、送料込)
2013年03月29日
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★ 『 のだめカンタービレ 』 二ノ宮知子(2001~2010年)レンタルコミックにて、全25巻読了。アニメ、実写ドラマは観てません。ドラマを全く観てない私でも、上野樹里と玉木宏の組み合わせの印象がキョーレツ。昔、NHK の 『マンガ夜話』 で 「少女漫画にしては」好意的に語られていたことや、漫画を全く読まない、玉木宏ファンの友人が 「全巻、大人買いして大事に読んでいる」 …と言っていたので、きっと面白いんだろうな、とは思っていたが、なんとなく後回しにしていた。前半 (日本の音大編) は、 『動物のお医者さん』(2012.11.8.の日記)の獣医大を音大に置き換えたような感じ。 変人たちの競演といったところ。心なしか絵のタッチも佐々木倫子と似ているような気がする…。 丁寧で上手いけど、整理され過ぎていて、色気に欠ける絵柄。キャラの見た目も千秋君だけはカッコいいが、その他はヒロインののだめ含めて、画一的というか、表情に乏しいというか…。ストーリーそのものは、 「そこそこ面白い」 という程度で、ギャグも爆笑とまではいかなかったが、25巻、退屈せずに読み通せたし、とにかく、元々のファンでなくても、クラシックコンサートに行きたくなるだけの描写力、説得力はある。少なからずの読者が本編完結の23巻では、 「あっさりし過ぎ」 、 「急ぎ足過ぎ」 という不満を持ったようだが、確かに肩透かしな終わり方だったとは思うが、あれ以上続けても、何かよっぽどの悲劇展開でもない限り、ダラダラしただけのような気がする (そして、悲劇展開だったら、もっと不満が噴出しただろう)。「あんな不潔でだらしない変態女が、いくらピアノの才能があるからと言って、将来有望なイケメンの愛を勝ち得るなんてあり得ない」 という意見もあるようだが、恋愛関係もさることながら、そもそも、この作品、全編、結局は 「天才は凡人とは違う」 の一言で終わってしまうエピソードに終始している。天才の感覚や悩みは、凡人には理解できないっつうことなんだよ、よーするに。最後まで読んでみれば、のだめは案外、常識的で、コメディとしては生ぬるいし、立身出世物語にしては、ちょっと順風すぎる…という意味で、あの中途半端な結末は特に唐突とも言いきれないのではないかと思う。<関連日記>2012.11.8. 「ブレない変人たち」 を描いた名作 ・・・ 佐々木倫子 『 動物のお医者さん 』 【送料無料】のだめカンタービレ(1) [ 二ノ宮知子 ]価格:420円(税込、送料込)
2013年03月24日
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★ 『 海月姫 』 アニメ版 (2010年)原作(2012.11.15.の日記)を読んでからの視聴。フジテレビ (ノイタミナ) のアニメは、再放送が少ないので、私にしては思い切ってBlu-ray買っちゃいました (中古だけど)。原作のギャグのテンポを生かしきれているのか不安だったけど、その辺はなかなか良くできてた。アニメならではの演出もあり、かなり笑える。OP、ED の作画や選曲も◎声のキャスティングも、まあ、ほぼイメージどおり。ヒロイン (花澤香菜) と蔵之介 (斎賀みつき) は、もう他には考えられないくらい、とすら思える。…ただ!やはり、今後、続編の制作がなく、これでアニメ版は終わり…となると、余りに消化不良。あちこち引き出し開けっ放しで何も解決しないまま終わってる感じ。原作が連載途中での制作なので、主軸の恋愛模様の結論が出ないのは仕方ないにしても、まややとか、ばんばさんとか、脇役キャラの、ギャグ要素以外での 「いい所」や 「過去」 が殆ど描かれずじまいだったのは残念だ。<関連日記>2012.11.15. 全編 「漫才」 の恋愛漫画 ・・・ 東村アキコ 『 海月姫 』 2012.12.29. 結局、原作漫画の宣伝か ・・・ 『 となりの怪物くん 』 、 『 神様はじめました 』 感想 【送料無料】海月姫 第2巻【Blu-ray】 [ 花澤香菜 ]価格:5,698円(税込、送料込)
2013年03月12日
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★ 『夏目友人帳』 緑川ゆき (2003年~)レンタルコミックにて、既刊15巻読了。アニメは一部 (1、4期) 観てます (2012.1.11.の日記)。割とアニメの印象どおり、ゆるゆるとした雰囲気の作風。常人には見えない妖怪が見えてしまう特殊能力を持つ孤児の夏目君の話。不幸な生い立ちの夏目君が、ようやく得た優しい家庭や友人を傷つけまいと必死に妖怪と対峙する姿が健気。基本的に、人や妖の、ちょっとした 「情の美しさ」 を、そっとすくいあげるように描いている話が多いので、分かり易い感動や、あからさまなお涙頂戴を求めている人には 「だから、何?」 という感想になってしまうかもしれない。全体的な印象を言えば、もともと、雑誌掲載 1回につき 1話読み切り型だったのが、アニメ化等で人気が出た為か、6巻あたりから、1話 2~3回の構成が多くなるのだが、はっきり言って、1回読み切りのストーリーの方が、出来が良いように思う。…と言うか、ページが増えても描写が冗長になるばかりで、内容や読み応えは余り変わらないと言うか…。絵柄自体、嫌いでは無いが、すごく上手くはないと言うか、線があんまりキレイでないので、アクションシーン等が増えても、特に、見て楽しいわけではないし、あまつさえ、頁数の多いストーリーほど、作画が雑になる傾向がある。ともかく、テーマや話の流れが、良く言えば一貫しているが、悪く言えばワンパターンなので、15巻目ともなると、正直、ちょっと飽きてくる。じゃあ、もっと、劇的な進展や変化を見たいかと聞かれると、それはそれで、あまり見たくない。サザエさんの日常描写に飽き飽きしながら、波平の死や、マスオさんの不倫を見るのも御免だ…、という心理に近いかな。何となく、袋小路に陥っているように感じるのは私だけだろうか。<関連日記>2012.1.11. 初回観ての感想・・・『 夏目友人帳 肆 』 【送料無料】夏目友人帳(第1巻) [ 緑川ゆき ]価格:420円(税込、送料込)【送料無料】夏目友人帳 Blu-ray Disc BOX【初回生産限定】【Blu-ray】 [ 神谷浩史 ]価格:30,240円(税込、送料込)
2013年03月05日
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★ 『 天馬の血族 』 竹宮惠子 (1991~2000年)これ、結構苦労したわ~。 全巻 (24巻) 揃えるのに。以前、漫画喫茶で読んだことがあり、もう一度読みたくなったのだが、絶版状態で TSUTAYAのレンタルコミックにも品揃え無し。で、ネットの古本屋で探したのだが、全巻揃ってる店が当時なかなか見つからず、まさに四方からかき集めた感じ。(現時点では、全巻セットで購入できるショップあり)最近は格安な古本でも、案外キレイなものが多いものだが、安さで選んだら、シミだらけの初版本が多く、私もそこまで神経質ではないが、若干、読んでて気分が萎えてしまった (そもそも、途中まで、紙質がかなり粗悪で印刷も悪い)。本気の竹宮ファンで、 「コミックスを買い損なっていたから欲しい」 なんて人は今さら余りいないだろうが、出来れば、同じ古書でも完全版 (全8 巻) を捜すか、そのうち、復刻版が出る僅かな可能性に賭けた方がいいかも。内容は、チンギス・ハーンをモチーフに描いた歴史ファンタジー。 …というか、殆ど、モンゴル内外の著名人の名前と風習面の設定だけ借りた、怪奇ファンタジー。帝都のファッションや風習に関しては、古代日本的な雰囲気もあり、 「チンギス・ハーンの伝記物語」 を期待して読み進めたりすると裏切られるばかりか、クドい残酷シーンに辟易する羽目になるかも…。ただ、とにかく、キャラクターは魅力的で、特に男性キャラは、カッコよかったり、可愛かったり、痛々しくて泣けたり …と、各種タイプ取り揃えてて、飽きない。妖魔的なものが支配する世界、愛と憎しみの表裏一体の構造を描いている点で、竹宮作品の中で私が最も好きな 『イズァローン伝説』 (1982~87年) に似ているように思う。ただ、若干、哲学的で難解だった 『イズァローン伝説』 に比べれば、説明的なセリフが多く、まあまあ分かり易い。逆に言えば、説明的過ぎて興が削がれる面も無きにしも非ず。これら 『イズァローン伝説』 、 『天馬の血族』 は、萩尾望都の 『マージナル』 (1985~87年) と並んで、救世主ストーリーの傑作だと私は思っているのだが、読者数や読みやすさで、後発の少年漫画類の方が名作扱いだったりするのは寂しい。この 『天馬』 は特に、性的サディズムを思わせる残虐シーンが多いので、小さい子供に読ませる気になれないことは確かなのだが。前にも書いたが、漫画執筆業を休止している竹宮惠子の本格長編は、作者の年齢的に考えても、これが最後となるかもしれないのが残念。竹宮さんって、少女漫画家の中では、比較的、絵が変わらないよね。…いや、勿論、並べてみれば、昔の絵とはかなり違うんだけど、タッチが変わらないと言うか。私自身は、それほど、竹宮さんの絵柄が大好きというほどではないのだが、ファンにとっては、案外、重要な要素かもしれないと思う。<関連日記>2011.9.8. 切ないラストの、中・長編 漫画、アニメ作品 2012.3.26. もう漫画は描かないのだろうか ・・・ 竹宮惠子 『 イズァローン伝説 』 2000円以上で送料無料。通常24時間以内発送【漫画全巻】【中古】天馬の血族[完全版] <1〜8...価格:6,800円(税込、送料込)
2013年02月28日
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★ 『 青い花 』 志村貴子 (2004年~)レンタルコミックにて、既刊 7巻読了。アニメは観てません。いわゆる 「百合」 系のお話だが、お嬢様女子校と演劇部を絡ませているあたり、吉田秋生の 『櫻の園』 (1985~86年) を彷彿とさせる。『櫻の園』 でも、同性の同級生に恋心を寄せる女の子のストーリーがあったが、この 『青い花』 は、全編通して、それが中心。とはいえ、登場人物が全員 同性愛者となると、いかにもウソくさいが、この作品では男女や師弟間の恋愛も絡ませているのと、淡々としたストーリー運びのせいか、幾分リアリティがある。私は女子校に通った経験は無いのだが、実際のところ女子校では、何となくにしろ 「男役」 、 「女役」 の棲み分けのようなものがあったりするのだろうか?実は、私も高校時代、クラスメートの女の子にほんの一時、恋心的なものを抱いたことはある。バスケ部でショートカットで、美少年的な外見の子。一応、男子生徒の方が多い学校だった (美少年は殆どいなかったが) ので、女性同士で公然とベタベタする風習はなかったし、そもそも、そのバスケ部の彼女は見た目に反して案外、女の子らしい子で同級生の彼氏もいたので、私など近づく隙もなく、本当に自分でも 「熱に冒されていたのか」 としか思えないほど、数週間で想いは冷めてしまったが、ひょっとして、この作品の舞台のような女子校だったら、もう少しは長続きしていたのだろうか?アイドルに対する熱というのは、競争やら煽られるものがあると、自分自身の予想以上に上昇してしまうことがある。 「○○先輩ステキ」 などとキャアキャア言い合い、挙げ句、「バレンタインにチョコレート渡そう」 なんて相談しているうちに、 「追っかけ」 行為そのものに酔っているのか、真剣な恋なのか、区別さえつかなくなることがあるものだ。この物語においても、卒業してからも真剣に女性と付き合うような、本物のレズビアンは寧ろ少数派で、本当は男性に片思いながら、男の子のように振る舞う女の子や、性愛の意味もよく分からぬままに女子同士付き合い、相手の求めにどう応えたらよいのか分からず悩む女の子など、「普通の男女比率の世界」 にいたら、どう転んでいたか分からない女の子の方が多いのだ。勿論、共学校に通ったって、本当に良い恋愛が出来る若者なんて、数が知れている。相手が同性でも異性でも、この作品で描かれる少女たちの恋愛はひどく痛々しく、巻を追う毎に切ない。【送料無料】青い花(1) [ 志村貴子 ]価格:1,000円(税込、送料込)【送料無料】櫻の園 [ 吉田秋生 ]価格:580円(税込、送料込)
2013年02月25日
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★ 『 娚 (おとこ) の一生 』 西炯子 (2008~2012年)レンタルコミックにて 2巻まで読了(全4巻)。初めて読んだ作家さんの作品。う~ん、なんでしょう、これ。仕事はデキて美人だけど、男運が悪く、不倫に疲れて田舎 (在宅勤務) に逃避する 30代半ばの女 …っつう、なんか、ドラマで描かれつくしたみたいなヒロイン像。このヒロインが、見知らぬ男とイヤイヤながら同居することになる…という、これまた、ドラマでやり尽くされたような陳腐な非現実的設定。まず、どうも見逃せない 「難点」 が、絵柄。下手なわけではないが、主役の男が50歳過ぎと言うわりに、どうにも老けすぎ。 今時、50歳前後であの首の弛みはないだろう。 同年代の中では若々しいという設定らしいが、年金受給者にしか見えない。それに比してヒロインは、35歳と言うには余りにも童顔で、見た目20歳そこそこ。もう、何だか、そのせいで、2人の絡み合いが絵的にキモい。また、ヒロインの無い物ねだりもイラつくが、男の図々しさや強引さが、ハッキリ言って不愉快の域。中高年の恋愛漫画自体はあって良いと思うが、謙虚さに欠ける男は老若かかわらず、私はキライだし、いいトシしてセクシーぶってるヤツは男女かかわらず、見ていて寒い。関西弁ってキモい男が喋るとキモさを増幅させるなあ…と、関西の方には言いがかりだろうが、つい思ってしまった。大体、若い頃は年上に恋し、トシをとったら若い娘に行くって、なんかのコンプレックスで同年代とうまく付き合えない男の典型…って感じだし。2巻くらいになると、ちょっと慣れてはくるが、そもそも、キャラクターに魅力を感じられないせいか、恋愛関係が進展しても、少しもドキドキしない。本当に何なんだろうな、これ。作者は、文学性のある 「純愛」 を描いたつもりなのかもしれないが、狙いすぎて滑ってる感じ。まあ、最後まで読んでないから、駄作と決めつけるのは早いけど。【送料無料】娚の一生(1) [ 西炯子 ]価格:420円(税込、送料込)
2013年02月16日
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★ 『 主に泣いてます 』 東村アキコ (2010~2013年 作品)レンタルコミックにて既刊9巻中、8巻まで読了。実写ドラマは観てません。『海月姫』 (2012.11.15.の日記) 、 『きせかえユカちゃん』(2012.12.11.の日記) 、 『ひまわりっ ~健一レジェンド~』(2013.1.22.の日記) と、私の嗜好にピッタリはまって大ファンになった、東村アキコの長編。…なんだけど、う~ん…、これはちょっと、私的には正直イマイチだった。相変わらずのギャグ漫画なんだけど、なんでだろ? あんまり、笑えない…。余りにも美人過ぎて、出会う男すべてを狂わせ、女からも疎まれるヒロインの悲喜劇…という、設定自体は悪くはないのだが、テーマがそれ一辺倒すぎて、はっきり言って飽きる。特に、前半の3~4巻は、ヒロインの 「変装の出オチ」 が全てな感じで、 『ひまわりっ』 や 『海月姫』 のような、セリフのやり取りによるギャグのキレに欠ける。後半、多少、ストーリー性が出てきて、展開が気になる感じにはなるが、仮にシリアスドラマだとしたら、かなり、陳腐なストーリーだ。一番の難点は、他の作品と比べて、キャラクターに今一つ、魅力が感じられないこと。設定が設定だから仕方ないにしても、ヒロインは泣いてばかりだし、敵も味方も性格描写が疎かで、突飛な言動や、コントネタばかりが、先行している。『ひまわりっ』 は、バカばかりやってはいるものの、登場人物たちは、一応、まっとうな職業を持っている設定だったし、 『海月姫』 も、ニートが自立していくという、基本的には前向きな話で、読者は共感しやすいが、この話は、職業があっても画家とか学生とか、地に足がついていない上、ヒロインの味方をしてるようで、単に自分達が楽しんでるだけ…な感じなのが、目に余る。まあ、勝手に楽しんでるのは 『ひまわりっ』 における、副主任やエビちゃんも同じなのだが、キャラクターに基本的な魅力があるかどうかで、えらい差がでるな~と痛感した。ところで、この作品では 「美人すぎる」 女性の苦労を徹底的に誇張して描いているが、この点に関しては、わりと実感…もとい、共感できる。高校の時、隣のクラスに、 「ブスが多い」 で有名だった我が校にあっては、まさに 「掃き溜めに鶴」 的な美女がいた。 しかも、この作品のヒロイン同様、日本人離れした派手な顔つきに似合わず、地味でおとなしいと評判だった。残念ながら、3年間、私は彼女と全く接点が持てなかったのだが、別のクラスの、すかした男子から、しつこくアプローチされたり、女子からは 「いくら美人でも、あんな暗くちゃねぇ」 と、陰口を言われたりしていた。はっきり言って、暗くて地味な女子なんか、ウチの高校にあっては、むしろ多数派ってくらいだったのだが、美人なばかりに、何かと欠点にされてしまうのだ。かなり個人主義の校風だったので、イジメまではなかったと思うが、とにかく、くだらない男に目を付けられ、同性からは異常に厳しい目で見られる…っつう、大変な苦労があるんだなと、初めて美人に同情した。大学でも、美人の友達は、確かに男からモテていたが、つまらない男からのオファーも多くて、大変そうだな、と感じることが多かったな… (ひがんで言ってるように聞こえるか?)。あれ、何なんだろうね。 大したタマじゃないのに、美人にやたらと食い付く、身の程知らずな男。勿論、面食いの女子も多いけど、男子の「身の程知らず」よりは、分をわきまえてるように思うんだけど…。<関連日記>2012.11.15. 全編 「漫才」 の恋愛漫画 ・・・ 東村アキコ 『 海月姫 』 2012.12.11. ヒロイン (小6) の 「色気より食い気」 に心洗われる ・・・ 東村アキコ『 きせかえユカちゃん 』 2013.1.22. 男は徹底的にバカな方が可愛い? ・・・ 東村アキコ 『 ひまわりっ ~健一レジェンド~ 』 2013.2.2. 姉弟で同じ道を選んだら 比較されるのも仕方ないよね ・・・ 森繁拓真 『 となりの関くん 』 【送料無料】主に泣いてます(1) [ 東村アキコ ]価格:560円(税込、送料込)
2013年02月12日
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★ 『 となりの怪物くん 』 ろびこ (2008年~連載中)レンタルコミックにて、既刊11巻中、10巻まで読了。原作漫画のあるアニメ作品の、原作とアニメ、どちらを先に観るか (読むか) は、割と悩ましい問題だ。最近はアニメの作画力が向上し、声優の演技力も安定してるので、イメージが全く違ってガッカリ…ということは少なくなったが、そういうリスク回避の観点では、アニメが先の方が、若干、無難な気はする。ただ、逆に、アニメが原作に忠実なあまり、アニメが良かったからと言って、すぐに原作を読むと、特に新しい感動がなく、読み終わってしまうものも、正直、ある。最近だと、 『ちはやふる』 は、アニメを観た後に原作を読んでも、新たな魅力 (実際は原作の方が先なのだが) を十分堪能できたが、 『妖狐×僕SS』 は、残念ながら、少なくとも、アニメと重複する部分については 「アニメで観たな~、これ」 みたいな感じが付きまとって、先を読む楽しみが、ほとんど味わえなかった。さて、この 『となりの怪物くん』 も、アニメの方を先に観たわけだが、アニメと重複する4巻までも含めて、原作の方が、かなり良いと思った。まず、絵柄が良い。甘過ぎず渋過ぎず、女の子は可愛く男の子はカッコいい。主要人物は髪型だけでなく、顔や表情で描き分けもできている。さほど感動的だとか、セリフが素敵とかいうシーンでなくても、 「絵 (顔) が可愛い、カッコいい」 という理由で見とれて、ページをめくる手が止まることが多々あった。また、セリフやモノローグが、意外と考えさせられるということもあり、恋愛漫画にしては、読むのに、かなり時間がかかった。おまけの4コマ漫画等も手抜きがなく、楽しい。アニメを観ていた段階では、 「恋愛か勉強かの選択」 とか、「不器用な若者たちの人間関係の構築」 とか、普通の恋愛学園ものよりは、少し捻って描いた…って程度の話だと思って観ていたが、改めて原作で読んだら、意外と内容が深くて哲学的な要素がある (…ような気がする)。恋愛と 「友情」恋愛と 「自意識」恋愛と 「プライド」恋愛と 「独占欲」恋愛と 「嫉妬」…etc.いちいち恋愛に絡めてはいるが、後者との 「折り合い」、「葛藤」 の切なさを、深刻になりすぎないコメディタッチで、丁寧に描いていく。この日記で紹介してきた最近の恋愛漫画は、 『君に届け』にしろ、 『失恋ショコラティエ』 にしろ、 『アオハライド』 にしろ、 『スキップ・ビート!』 にしろ、おしなべて、「たかだか、一時期の恋物語をダラダラ引き延ばし過ぎ」と批判してきた私だが、この 『となりの怪物くん』 に関しては、むしろ、ずっと、どちらつかずの一進一退を見ていたいとすら思う。今のところストーリーの行く末は全く不明だが、吉田秋生の 『バナナフィッシュ』 の連載中ほどではないものの、なんとなく、 「寂しいラスト」 へと導かれているような気がしてならないので…。<関連日記>2012.3.12. 久しぶりに、全巻買ってもいいと思った・・・ 『 ちはやふる 』 (原作) 2012.4.1. 何だかよく覚えてないけど癒された ・・・ 『 妖狐×僕SS 』 (アニメ) 2012.8.30. 最終的に誰と誰がくっついても、どうでもいい恋愛漫画 ・・・ 水城せとな 『 失恋ショコラティエ 』 2012.10.6. 初回観ての感想 ・・・ 『 となりの怪物くん 』 2012.10.24. とんとん拍子で 「高校デビュー」 を果たしていく女の子 の お伽噺 ・・・ 椎名軽穂 『 君に届け 』 2012.11.26. 恋愛漫画 の見本のような ・・・ 咲坂伊緒 『 アオハライド 』 2012.12.29. 結局、原作漫画の宣伝か ・・・ 『 となりの怪物くん 』 、 『 神様はじめました 』 感想 2013.1.27. 無自覚な 「魔性の女」 の物語 ・・・ 仲村佳樹 『 スキップ・ビート! 』2013.1.13. 初回観ての感想 ・・・ 『 ちはやふる 2 』【送料無料】となりの怪物くん(1) [ ろびこ ]価格:440円(税込、送料込)
2013年02月07日
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★ 『 となりの関くん 』 森繁拓真 (2010年~連載中)レンタルコミックにて既刊 3巻中、2巻まで読了。作者の森繁拓真は、東村アキコの弟さん。この弟は、東村さんの 『ひまわりっ ~健一レジェンド~』 (2013.1.22.の日記) の作中に登場し、 (どこまで真実かは不明だが) 弟が漫画家を目指す経緯なんかも少し描かれている。…というわけで、東村アキコの弟がどういう作品を描いているのか…という好奇心だけで読んでみた。関くんが、授業中に先生の目を盗んで様々な 「ひとり遊び」をし、隣の席の横井さんをヤキモキさせる…というギャグ漫画。う~ん…、まあ、発想は面白いと思う。1話 8~12ページ程度なので、多分、掲載月刊誌で読めば、ストーリー漫画の中の 「箸休め」 的に、そこそこ楽しく読めそうだ。逆に言えば、コミックスで続けて読むと、正直、飽きる。関くんの遊びが、だんだんパターン化してくる…ということもあるが、横井さんのモノローグの 「ツッコミ」 が、余りに即物的というか、言葉が過剰すぎて、うるさいばかりのヘタな漫才を 延々聞かせられている気分になってくる。また、 「オチがない」 のが味…なんだろうけど、にしても、余りにオチが弱すぎる。関くんが何して遊ぶか、の 「出オチ」 が全て…な感じ。Amazon のレビューの低評価な意見にあったが、 「悪くないが良くもない」 、「 読み応えが無く、繰り返し読む気にならない」 というのが、私的にも同意見。絵は、お姉さんより、丁寧には描いているが、美術的なセンスも、お姉さんの方が勝っていると思う。兄弟姉妹で漫画家と言えば、 「ちばてつや」 と 「ちばあきお」、「あだち勉」 と 「あだち充」、 「くらもちふさこ」 と 「倉持知子」など、見渡せば何組か思いつくけど、双方、大成功ってわけには、なかなかいきませんねえ。(ちば兄弟は、漫画家としては、両方成功と言えると思うけど、あきおさんは自殺で若死にされてしまったし)<関連日記>2012.11.15. 全編 「漫才」 の恋愛漫画 ・・・ 東村アキコ 『 海月姫 』 2012.12.11. ヒロイン (小6) の 「色気より食い気」 に心洗われる ・・・ 東村アキコ『 きせかえユカちゃん 』 2013.1.22. 男は徹底的にバカな方が可愛い? ・・・ 東村アキコ 『 ひまわりっ ~健一レジェンド~ 』 【送料無料】となりの関くん(1) [ 森繁拓真 ]価格:620円(税込、送料込)
2013年02月02日
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★ 『 スキップ・ビート! 』 仲村佳樹 (2003年~)レンタルコミックにて、既刊 31 巻読了。 アニメ (2008~09 年・テレ東系) は観てません。『ガラスの仮面』 を、思いっきり現代風に、そして、とことん恋愛中心にしたような作品。いや、似てるのは、芸能界が舞台で、ヒロインが芝居の世界に嵌っていく過程がベースだっていう点だけで、漫画の 「質」 的なものは、かなり違うんだけど…。ただ、オタク女子より、普通の女子にウケそうなところは 『ガラスの仮面』 と共通してる感じがする。登場人物の感情は、本人や脇役のモノローグで、懇切丁寧に 「解説」 してくれる為、分かりやすいこと、この上なし。正直、余りに都合よく、ヒロイン中心に、ドラマチックに話が展開するのが、読んでいて恥ずかしくなるほどで、最初の数巻で、 「読むんじゃなかった」 と後悔したのだが、読み始めると、続きが気になって読み進めずにいられない程度の求心力はある。普段はこれといって美人というわけでもない普通の女の子が、才能と性格の良さで、出会う人は男女問わず、彼女を好きになったり、性格が矯正されたりしていく…という、少女漫画お得意の例のヤツだよ。しかし…、ですな。このヒロインが、もしも、自分の親しい友達だったら、どうだかね?確かに、〇 男や恋愛よりも、女友達との交流や友情を大切にしている〇 自分が、とるに足らない人間だと思っていて、モテても、仕事でとんとん拍子に成功しても、決して鼻にかけない…とくれば、まあ、 「性格がいい」 のは疑いようがないのだが、その上、〇 料理や裁縫がプロ並み〇 演技の才能があり、メイクで別人のように美人に変身するため、本人が意図しなくても、男の興味をひく〇 本人に恋愛の意識は無いが、イケメンの誘いや親切に無防備に甘える…となると、一言で評すれば、 「自覚の無い、魔性の女」に過ぎないじゃないですか。こーゆー女性が身近な友達だと、結構、 「ウザい」 と思うぞ~。「私、モテないの」、 「女友達の方が大事なの」 と言うから油断してたら、周りの男、いつのまにか全員、持って行かれちゃってた…みたいな。それはともかく、ヒロインに、素直に感情移入できる女子なら、近寄ってくるイケメンたちの 「肉食」 ぶりに、現実にはなかなか味わえない、ドキドキ感に浸れることは間違いない。ただ、はっきり言って、多くの長編漫画同様、話を引き延ばし過ぎ。ある程度、内容を伴っての引き延ばしなら、まだいいが、1シーン (演出) が、いちいち長すぎるのだ。話が盛り上がったところで、いったんシーンが跳び、ヒロインその他のモノローグで、後々そのシーンを回想する…という手法がよく使われるが、悪いとは言わないけど、そういった 「演出」 上の引き延ばしが、ちょっと目に余る。30 巻以上費やすような内容ではないだろ…というのが、正直な感想だ。【送料無料】スキップ・ビート!(第1巻) [ 仲村佳樹 ]価格:420円(税込、送料込)
2013年01月27日
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★『 ひまわりっ~健一レジェンド~ 』 東村アキコ(2006~10年作品)レンタルコミックにて読了 (全13巻)。『 きせかえユカちゃん 』 (2012.12.11.の日記) のコミックス巻末のオマケ漫画から派生独立した作品。実の父親 (健一) に振り回される作者本人 (アキコ) の、就職から漫画家として独立するまでの日常を、実話とフィクション織り交ぜてギャグタッチで描いたもの。タイトルが示す通り、最初の方は、父・健一の逸話が中心。作者本人曰わく、 「父親に関する話は殆ど実話」 らしいが、正直、他人の親だから笑い事で済むけど、自分の親だったら、相当な悲劇だな…と。悲劇と言っても、よくある 「横暴」 系ではなく、 「本人に全く悪気はないけど、天然行動で他人をイラッとさせる」 系。ただ、これが、延々、父親のエピソードばかりだったら、さすがにネタも尽きるだろうし、読者も飽きると思うが、巻を追う毎に、東村さん得意の脇役キャラ立ちが冴えて、「健一」 すら、霞んでいく。作品通して一貫してるのは、 「まとも (常識的) な人間はアキコのみ」 で、周りの人は基本的に 「人の話を聞かない」 変人だということ。そして、 『 海月姫 』 (2012.11.15.の日記) でも満載なコントが、それを遥かに凌ぐしつこさで、延々展開される。後半、連続ストーリー色が濃くなるが、結構な佳境でも、何ページにも及ぶ、どうでもいいコントが始まり、なかなか話が進まない。コミックスで一気に読めるから笑えるけど、連載途中に雑誌で読んでいたら、ちょっとイラッとするかもしれないほどに…。キャラは全員、とにかく強烈、かつ魅力的。『 海月姫 』 同様、オタク女も大活躍。一見、オタクを揶揄しているように見えて、基本的に、作者の視線は温かく、一生懸命なのに、コンプレックスで閉じこもりがちなオタク娘が、愛おしくなってくる。敵役の 「節子」 は、悪役として一貫しているのがいい。少女漫画だったら、 「実は意外といい子だった」 的な処理で読者の反感を封じそうだが、掲載誌が 『モーニング』だからか、読者も、 「可愛い悪女」 には寛大なんだろう。そして…。 アキコとすれ違いの恋愛模様を繰り広げる、イケメン植木屋 「健一2号」 は、バカ過ぎて、もう話にならない、本物のバカ (知的に) だが、これが私的にはかなり、気に入った。滅多にはいないが、見た目はカッコいいのに、女性を前にすると固まってしまい、クソ面白くなく、全くの奥手 …みたいな男性を、私も長い人生で数人、見たことはある。若い頃は、話が弾まない人が苦手で、どうしても 「残念な人」にしか見えなかったが、今は、 「純粋で浮気しない」 で、しかも 「見映えがいい」 なら、バカでいいかも…と思えてきた。「バカがいい」 というと語弊があるが、とにかく、トシを重ねてきて、 「賢い顔して他人を見下す男」 が、つくづく嫌になってしまった。「女はバカな位が可愛い」 とか言う、したり顔の男に、「その言葉、そのまま、男にもあてはまんだよ!」 と言いたい。作品中 (コミックス 9巻 215ページ) で、ニュアンスパーマのお姉さんが言った台詞、 「男なんてどうせみんなバカなんだから、賢いフリしたバカよりバカそのままのバカのほうが可愛いよね」 …に、激しく共感した。ところで、作者の名前そのまんまで登場するヒロインのアキコ、「読者の反感買わない程度に自分を美化してるんだろ」 と思って読んでいたが、作者のブログ見たら、実際、漫画家にしては相当の美人。☆ 少女漫画家? 東村アキコのブログ美大卒業後、就職氷河期で就職先が見つからず、父親の勤め先にコネ入社し、OL やりながら漫画家目指した…ということのようだが、もっとやりがいのある仕事に就けていたら、漫画家になれてなかったかもしれないし、人生って、つくづく、 「塞翁が馬」 だな~と思う。<関連日記>2012.11.15. 全編 「漫才」 の恋愛漫画 ・・・ 東村アキコ 『 海月姫 』 2012.12.11. ヒロイン (小6) の 「色気より食い気」 に心洗われる ・・・ 東村アキコ『 きせかえユカちゃん 』 【送料無料】ひまわりっ(1) [ 東村アキコ ]価格:540円(税込、送料別)
2013年01月22日
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★ 『 おたんこナース 』 佐々木倫子 (1995~98年 作品)レンタルコミックにて読了 (文庫版 全5巻)。私、どうやら、この 『 おたんこナース 』 と、フジテレビの連続ドラマ 『 ナースのお仕事 』 を混同していて( 『 ナースのお仕事 』 も、まともに観たことは一度もないのだけれど) 、ドタバタコメディ漫画を想像していた。今回、初めて読んでみたら、コメディ要素もなくはないが、どちらかというと、かなり真面目なドキュメンタリー調漫画。新米ナースの似鳥ユキエが、先輩看護師達に 「役立たず」 と罵倒されながらも、持ち前の打たれ強さと負けん気の強さでナースとして成長する約1年を、一話完結形式で描いている。日本の医療ドラマや漫画というと、とかく、 「患者本位のお涙頂戴」 や 「医療従事者目線の深刻な葛藤」 が描かれがちだが、勿論、終末医療などシビアな問題を扱いつつも、ストーリー運びは淡々としていて、読んでいて落ち込んだりグッタリ疲れたりすることが余り無い。ヒロインが 「白衣の天使」 と呼ばれて腹を立てたり、看護師達が 「軽く見られている」 ことに怒って医者達とぶつかり合う回などに象徴されるが、まさにプロとしての 「ナースの仕事と責任」 の実際が、冷静な目線で描かれる。つまり、病気や治療そのものの厳しさよりも、あくまで 「看護」 という職務の困難さがテーマ。実際の看護師経験者に取材したネタを基にしているのでリアリティーがあるが、読者に最も伝えたいのは、 「患者の個性や心理を読み解く難しさ」 、極端に言うと、暗に、 「厄介な患者への警告」 を含んでいるんじゃないかと感じた。例えば、 「遠慮して何も要求しない」 のも患者としては厄介らしい。そういえば、随分前の話だが、私も病院に数ヶ月入院していたことがあるのだが、当時はどうも、あれこれ人に要求するのが苦手な性質で、色々遠慮してたら、結果的には最悪なことになったっけ…。患者や患者の家族としての 「心構え」 を学ぶ意味でも、良書かもしれない。作品中で、ユキエは、 「白衣の天使」 と呼ばれることに拒否反応を示していたが、そうは言っても、やはり、「人に尽くすこと」 を喜びと出来る性分の人でないと務まらない仕事であることは間違いないと思った。<関連日記>2012.11.8. 「ブレない変人たち」 を描いた名作 ・・・ 佐々木倫子 『 動物のお医者さん 』 2012.11.28. 「バカ係」 は、これを平常心で読めるだろうか? ・・・ 佐々木倫子 『 チャンネルはそのまま! 』 【送料無料】【新春_ポイント2倍】おたんこナース(1) [ 佐々木倫子 ]価格:600円(税込、送料別)
2013年01月21日
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★『 AMNESIA 』 (TOKYO MX 火曜 24:30)http://www.anime-amnesia.com/で、出たぁ~! 「乙女ゲーム系」 アニメ。かわゆいヒロインが、目覚めたら記憶を失ってて、周りはイケメンだらけ。 都合よく相談相手の妖精が現れたり、敵か味方か分からないが、何やら周囲の人間の関心が全てヒロインに集中しているっぽい…という、サスペンス系ロマンチック系ファンタジー系ストーリー。ヒロインのバイト先が 「メイド&執事」 カフェだから、バイト仲間がイケメン揃いなのは一応、説明はつくのだが、何でだろう?…どいつもこいつも全く魅力を感じない。私が、ホストっぽい男が好きじゃないというのもあるが、タイプが余りにも画一的なのだ。髪型と髪の色で、一応、見た目の描き分けは出来てるし、よく見ると顔がみんな同じなのはアニメだから仕方ないとしても、男たちの、すかした雰囲気、痛々しいファッションセンス、そして何より、声優の声のトーンが似たり寄ったり。『 ちはやふる2 』 の感想の中に 「太一のキラキラに対して、その他の男子部員 (肉まん君、机君) が不細工すぎるだろ」(これだから、少女漫画は…という含みアリ) という批判を見かけたが、何言ってんでしょうかね、この人は。現実に、イケメンと不細工の間には、悪いけど、ゆうにあの位の格差はあるぞ。でも、 『 ちはやふる 』 のサブキャラは、登場当初から、きちんと性格の特性や役割が与えられているし、物語になくてはならない存在に、しっかりなっている。確かに、漫画やアニメで、わざわざ 「肉まん君」 みたいな男子に恋をする読者は少ないだろうが、 「かるた部」 が太一みたいなイケメン揃いだったら、現実感は一気に瓦解し、物語はかなりつまらないものになっていただろう。現実社会には、机君や肉まん君のような 「引き立てキャラ」が好きという女子は必ずいる。似たようなイケメンばかりズラリと並べればいいってもんじゃないと思うけど。『 ヨルムンガンド 』、 『 7SEEDS 』 の感想でも書いたけど、脇役の個性が描ききれてない漫画やアニメは、いくらストーリーが面白くても魅力が半減する。何年か前に 『 おくりびと 』 がアカデミー賞を受賞した際、広末涼子がイブニングドレスで得意げに受賞会場に列席していたが、いくら広末が日本人としては最上級クラスだとしても、アン・ハサウェイだの、アンジェリーナ・ジョリーだののドレス姿と比べたら確実に見劣りする。…て言うか、日本人の若い娘が茶髪で髪結ってロングドレス着てると、今やもう、キャバ嬢にしか見えんっ! 振袖でも着て、黒髪強調した方が、なんぼか目立つのに。ブサイクはブサイクなり、サブキャラならサブキャラなりに、個性で勝負すれば、主役を食うことだって多々あるとですよ。<関連日記>2012.9.11. 原作読むと、アニメも もっと楽しめるかも ・・・ 高橋慶太郎 『 ヨルムンガンド 』 2012.9.19. 登場人物すべてが愛おしい ・・・ 田村由美 『 7 SEEDS 』 2013.1.13. 初回観ての感想 ・・・ 『 ちはやふる 2 』 AMNESIA 第1巻<Blu-ray初回限定版>(Blu-ray) ◆20%OFF!価格:5,460円(税込、送料別)【送料無料】アムネシア公式ビジュアルファンブック価格:2,835円(税込、送料別)
2013年01月18日
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★ 『 琴浦さん 』 (TOKYO MX 月曜 23:00)http://www.kotourasan.com/作画 ★☆☆☆☆期待度 ★☆☆☆☆1月開始のアニメ、数は多いが、どれも 「観ても観なくてもどっちでもいい」 的な 横並び感が、ハンパねえ…。 半数くらい切りたいんだけど、どれを切るか、 「最下位争い」が熾烈すぎて、イマイチ決めかねてズルズル 2週目突入な状況だす…。さて、この 『 琴浦さん 』 、観るつもりなかったんだけど、ネットで意外と評判高そうだったので、動画探して観た次第。生まれつきのテレパス能力で他人の考えてることが分かってしまい、それをペラペラ喋ってしまう KY な性格も災いし、両親からも友達からも疎まれて育った高校生の 「琴浦さん」が、真鍋君という理解者に出会って救われ…云々、というギャグアニメ。要するに、大半の他人が琴浦さんを恐れるポイントが「異常な読心能力 = 気味が悪い、癇に障る」 であるのに対し、真鍋君の場合、 「自分自身のエロい空想やヘンな思考がバレる」 ことだった…とゆーのがミソ。感想サイトをざっと見た感じでは、自分の高校生時代と照らし合わせて、 「エロ思考がバレたら確かに怖いな」 という、真鍋君へのシンパシーか、 「嫌われると分かってて他人の思考を読み、あまつさえ口に出す」 琴浦さんへの苛立ちか、どちらかに二分される感じ。初回観た時点で、どちらかというと私の印象は後者だったが、そのこと (ヒロインの学習能力の無さ) には目を瞑るとしても、後半のギャグ部分も、そこまでは面白くなかった。残酷な生い立ちを駆け足で語り、シリアスドラマかと思わせたところで、ヒロインが真鍋君の 「ヘンな」 思考を覗き見てギョッとするところから、話は一気にギャグ化していく。だが、人は常に雑多でデタラメな思考をしているものだろうに、高校生になって初めて 「ヘンな空想」 してる男子に出会うというのも不自然だし、そもそも周囲の人間の、そうした思考が全ていちいち入ってくるとしたら、多分、精神の均衡を保てまい。…と、ギャグ漫画の設定にマジメに難癖つけるのもバカバカしいが、他に書くことないから敢えて指摘してみました。ちなみに、大島弓子の短編に 「未来を言い当てて家族から疎まれる女の子」 の話があったのを思い出した。いわゆる 「子供の KY」 は一種の軽い発達障害の場合もあるので、一概に本人の責任とは言い切れないと思うが、それが引き起こす 「人間関係の混乱」 や 「本人のトラウマ」 というのは、漫画や小説の恰好の題材なのかもしれない。TVアニメーション 琴浦さん その1【特装版】(初回仕様)(Blu-ray) ◆20%OFF!価格:5,880円(税込、送料別)琴浦さん 1巻著:えのきづ価格:840円(税込、送料別)
2013年01月17日
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★ 『アラビアンナイト シンドバッドの冒険』 (TOKYO MX 水・木)http://s.mxtv.jp/arabian_sindbad/1975~76 年作品 (全 52 回)。 14 話まで放送済。別に取り上げる程のことでもなかったんだけど、現在、TOKYO MX にて再放送中。先日 (2013.1.10.の日記)、MX のアニメ放送姿勢に「節操がない」 ようなことを書いたが、ここまでやってくれると、 「アニメの伝道者」 と呼ぶに相応しいのかも。どう考えても、 『マギ』 (TBS系) に便乗して…、もとい、そのファンの要望に応えての再放送だよね…?元々はフジテレビの制作で、 『ペリーヌ物語』 や 『トム・ソーヤーの冒険』 と同じく、関修一さんのキャラデザという、「世界名作劇場」 枠ではないが子供向けの作品。最近のアニメのような 「萌え」 要素はないけれど、芸術的と言えるキャラクターデザインで、人物の肌の色も、ちゃんとアラビアらしく黄褐色系だ。はっきり言って、この作品、私は余り記憶にない。フジのこの枠の前後作品、 『小さなバイキング ビッケ』と 『ドカベン』 は、世間的にかなり周知されてると思うが…。これまでは、あまり再放送とかもされてないのではないかな?先週の放送をチラ見した感じだと、この作品中では、主人公のシンドバッド (CV 小原乃梨子) は、チンチクリンのガキンチョとして描かれている。MX による番組説明によると、シンドバッドは、 「熱心なイスラム教徒のアラジンじいさんや精悍な若者アリババに出会い、ともに行く先々で立ちふさがる悪の魔法使いサタジットをはじめ、襲い来る悪魔、怪物、盗賊などを相手に、知恵と勇気を武器にして闘って行く」 …そうな。「シンドバッド、アラジン、アリババの3人を絡ませる」という意味では、先駆的な作品なんだろうか?…分からないけど。他局 (TBS) の宣伝になるにせよ、アニメファンの要望に応えることで、結果的に TOKYO MX の益になるんだろうな。民放はスポンサーが命。 アニメファンの為というよりは、その先のスポンサー (直接の金払い元) を見据えているはず。「アニメなら MX」 、 「アニメファンの期待に何でも応えます」という 「滅私の姿勢」 を売り込むことで、スポンサー (ソフト販売会社など) を口説き、獲得してくのだろう。ただ、逆に、 『マギ』 ファンは、この古めかしいキャラデザと子供向けな内容を見て、ガッカリするかもしれないけど。<関連日記>2012.12.19. 本家 『 千夜一夜物語 』 の方が気になって仕方ない ・・・ 『 マギ 』 途中感想2013.1.10. 初回観ての感想 ・・・ 『 THE UNLIMITED 兵部京介 』 【中古】【店頭併売品の為売り切れ御免】【中古】【DVD】1)アラビアンナイト シンドバッドの...価格:9,980円(税込、送料別)【送料無料】シンドバッドの冒険 [ ルドミラ・ゼーマン ]価格:1,995円(税込、送料別)
2013年01月16日
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★ 『 GJ部 』 (日本テレビ 水曜 25:29)http://www.ntv.co.jp/gj/またも弱小文化部のハーレムものか? という感じだが、エピソードの一つ一つが短く、退屈する前にシーンが切り替わるので、意外に最後まで観られてしまった。「何となく観てられるけど、見損なっても別に何ということはない」 という意味では、一緒にしちゃあ怒られるかもしれないけど、 『 みなみけ ただいま 』 と大して変わらない気もする。★ 『ビビッドレッド・オペレーション』 (TBS 金曜25:55)http://www.vividred.net/中学生の変身ヒロインが悪と闘う…のはいいんだけど、中学生のブルマ姿の股間のアップショットとか、何とかならんのかね。以前、サブカルチャーコンテンツに関するレポート番組について、この日記に書いたが (2012.5.13.の日記) 、こういうショットを無くせば、海外のテレビ局にも売れるかもしれない内容 (初回観た限り、かなり子供向け) なのに。内容的に 「子供向け」 と 「ヘンタイ向け」の線引きが曖昧なくせに、表現そのものは直接的すぎるというか…。まあ、深夜アニメだから 「ヘンタイ向け」 なんだろうけど、中学生を標的にしてるのは、ちょっといただけない。体育や掃除の時間に、ブルマ姿になることを強制された自分の中学時代を思い出して、今さら屈辱的な気分になった。作画は無駄にキレイ。 ヒロインがご飯にマヨネーズをかけるシーン観て、本気で気分が悪くなったくらい。★ 『 問題児たちが異世界から来るそうですよ? 』 (TVK 日曜24:00)http://mondaiji.tv/いい加減、新規アニメをチェックするのも疲れてきて、「まだあったのか、今期アニメ」 というウンザリ感が先に立ち、もう何が何だかよく分かりません。ただ、 「タイトルからして視聴意欲を削がれるなあ」 …と全く期待してなかったが、 「異世界でゲームバトル」 的な内容は、最近のアニメの流行りを押さえてる感じはする。主人公の男の子が、肉食系で自信満々なのが、少し好感ポイントかな…。<関連日記>2012.5.13. キティちゃんの成功から学ぶ、日本コンテンツ産業の輸出戦略の方向性2013.1.14. その他の 2013年冬アニメ (その1) ・・・ 『 ラブライブ! 』 、 『 俺の彼女と幼なじみが修羅場すぎる 』【送料無料】GJ部 [ 新木伸 ]価格:600円(税込、送料別)earthmind/ENERGY(初回生産限定盤/CD+DVD)(CD)価格:1,575円(税込、送料別)【送料無料】問題児たちが異世界から来るそうですよ? (YES!ウサギが呼びました!) [ 竜ノ湖...価格:620円(税込、送料別)
2013年01月15日
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一応、初回 (2回目) を観た作品について、一言ずつ。アニメ番組が多すぎて、フォローしきれないので、どれも、展開次第で、視聴を切る気まんまん…なやつ。★ 『ラブライブ!』 (TOKYO MX 日曜22:00)http://www.lovelive-anime.jp/スクールアイドルを結成して廃校の危機を乗り越えようという女の子たちの話。こういう学園青春ストーリーは嫌いではないし、テンポも悪くない。 ただ、展開が見えてるというか、面白さに限界がありそう…。余計なお色気シーンも無くて、微笑ましく観ていられるが、仲良しこよし過ぎて、お子様向け。実写ドラマ向きのような気がするが、敢えてアニメでやるのがいいのかな?★ 『俺の彼女と幼なじみが修羅場すぎる』 (MX 土曜24:00)http://www.oreshura.net/設定がくだらなすぎる。幼なじみがバカすぎる。制服のデザインがダサすぎる。キャラデザにオリジナリティが無さすぎる。『 さくら荘のペットな彼女 』 の登場人物たちが、そのまま出てきたのかと思った。…ただ、2回目を観て、バカバカしいなりに、ちょっと笑ってしまった。とるに足らない男を女の子たちが取り合う、ただのハーレムものかと思っていたが、 (多分、結局は、そんなもんなんだろうけど、) 多少は 「変化球」 な滑り出し。「彼女」 の性悪っぷりと 「幼なじみ」 のバカっぷりが徹底してて、案外カラッと観られた。まだ、あと2人、ストーカー女が登場するみたいなので、そしたら、もう観られたもんじゃないだろうな。ラブライブ!1(Blu-ray) ◆20%OFF!価格:2,940円(税込、送料別)【送料無料】俺の彼女と幼なじみが修羅場すぎる [ 裕時悠示 ]価格:630円(税込、送料別)俺の彼女と幼なじみが修羅場すぎる 1(完全生産限定版)(Blu-ray) ◆20%OFF!価格:3,360円(税込、送料別)
2013年01月14日
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★ 『 ちはやふる 2 』 (日本テレビ 金曜 25:53)http://www.ntv.co.jp/chihayafuru2/作画 ★★☆☆☆期待度 ★★★★★「花の色はうつりにけりないたづらに わが身世にふるながめせしまに」 ・・・ 小野小町 <歌意>桜の花がむなしく色あせてしまったように、私の容色もすっかり衰えてしまった 降り続く長雨を眺め、わが身に起こることにむなしく思い耽っているうちに…新キャラクターの菫 (すみれ) ちゃんが、この歌を見て涙していたけど、現実には、高校生にこの歌の真髄を理解することは出来ないだろう…と、しみじみ骨身にしみて感じている私だす…。…というわけで、漸く 『 ちはやふる 』 の2期が始まった。実のところ、原作コミックスを最新刊 (19 巻) まで読んでしまったので、原作を読まずに 1期を観ていた頃のワクワク感は得られないかな… と思っていたが、アニメはアニメで、声が出て動くと、キャラクターに命が吹き込まれたような気がして、やっぱりワクワクする。今期の 「その他の新作アニメ」 の印象が丸ごと吹き飛ぶほど、20分が楽しかった。声優の宮野真守が特に好きというわけじゃないんだけど、太一 (CV 宮野) が、声に出して、「男が女に選ばれてどうするんだって思う。 俺は選んで頑張るんだ」 と言うのを聞いたら、思わず、本気で 「頑張れ、太一!」 と、声援を送りたくなったなあ。…まあ、見映えの良いモテ男が言うから、様になるんだけれども、ハーレムアニメ観て、女に迫られるのを夢見てばかりいる男子にこそ、聞かせたい言葉だ。「花の色は…」 は、何も、女にだけ当てはまる歌ではありませぬぞ。 男だって、やはり、若いうちが花。トシとったら恋愛が出来なくなるとは申しませんが、色々制約が出てくるのは確か。 若いうちに、 「自分で選んで頑張る」 気概で、当たって砕け散って欲しい。(自分も色々後悔してるから、敢えて言うのだけれど)<関連日記>2011.10.5. 初回観ての感想・・・『 ちはやふる 』 2011.11.10. 「少女漫画の王道」の安心感・・・『 ちはやふる 』 途中評価 2012.3.12. 久しぶりに、全巻買ってもいいと思った・・・ 『 ちはやふる 』 (原作)2012.3.17. 世界は「僕等」を中心に廻ってるらしい・・・『僕等がいた』(アニメ版)2012.3.31. 中途半端なところで最終回・・・『 ちはやふる 』(アニメ版)【送料無料】ちはやふる(1) [ 末次由紀 ]価格:440円(税込、送料別)ちはやふる Vol.1(Blu-ray) ◆20%OFF!価格:4,032円(税込、送料別)
2013年01月13日
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★ 『 幕末義人伝 浪漫 』 (テレビ東京 月曜 26:05)http://roman-anime.com/作画 ★☆☆☆☆期待度 ★☆☆☆☆全く、なんだかなあ…。今さら…と言ったら失礼だが、 「モンキー・パンチ」 のキャラデザで、 「鼠小僧もどき」 って。かねがね、最近のアニメのキャラクターデザインのオリジナリティの無さには、辟易するところがなきにしもあらずで、時代劇なのに、胸元や脚を露出した萌えキャラとか、ホスト軍団みたいな新撰組とか、ちょっとどうなのよ…と思ってはいるんだけど、だからと言って、モンキー・パンチも、ちょっとね…。しかも、 「モンキー・パンチの鼠小僧」 じゃ、どうしたって、ルパン三世の焼き直しみたいに思われても仕方ないよね。アニメ 『ルパン三世』 の人気が完全に確立してから生まれた若い世代は、あのキャラデザをどう思ってるか知らないが、私が TV 第1シリーズで初めて観た当時は、兄と 「サルだ、サルだ」 と笑いあい、山田康雄のヒーローらしからぬ、とぼけた声も相まって、 「ギャグアニメ」 に違いないと思って観たら、第1シリーズ開始当初は、意外とシリアスで大人っぽい話だったりして、その 「チグハグ感」に慣れるのに、結構時間が掛かった覚えがある。勿論、慣れて以降は、当時のアニメ作品としては、抜群のストーリーの面白さもあって、絵柄も含めて好きになったのだが、やはり、あの絵柄は、 『ルパン三世』 という作品のアイデアやストーリー性など、総合的な評価も合わせて、認められているのではないかと思うのだ…。だから、はっきり言うと、やはり、 「モンキー・パンチの鼠小僧」 という時点で、私には、時代遅れというか、企画倒れなような気がしてならない。そもそも、パチスロとかやったことないので、どういうストーリー性があるのか、人気があるのかも知らないし、勿論、今後の展開次第で面白い作品になる可能性が無いというわけではないが、初回を観て、継続視聴する気になったかと言うとビミョー。局も違うし関係ないとは言え、下手に視聴して面白くなかったら、最近、少なからず抱いていた 「ルパン三世には、もうウンザリ」 という思いが増幅してしまいそうだ。<関連日記>2011.11.3. 巨大ムカデと化した『 ルパン三世 』シリーズ 2012.4.7. 初回観ての感想・・・『 LUPIN the Third -峰不二子という女- 』 2012.7.3. 「6月終了アニメ」 感想 その3 【送料無料】LUPIN The 3rd The Best(1) [ モンキー・パンチ ]価格:650円(税込、送料別)
2013年01月11日
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