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2020年07月16日
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カテゴリ: 情報的生活行為

英国貴族、領地を野生に戻す 野生動物の復活と自然の大遷移 [ イザベラ・トゥリー ]

本書中P160中ほどから 節を渡りP161まで。

引用ここからーー
 人々の一致した意見は、「生産性の高い混合農業地帯として有名なサセックス・ウィールドを雑草だらけの土地に戻すというのは理解に苦しむ」というものだった。「人口が増加しているのだからもっと食料を生産しなければいけないと言われているのに、土地の持ち主が農業をしないよう仕向けるために税金を使うというのはおかしいではないか」
 再野生化に対する敵意の大部分は、根柢にこの主張がある。だが、慈善的精神から来ている強烈なこの信念は、主に食品業界と農業界が広めた、誤った情報に基づいている。飢餓の恐怖、食糧不足、あるいは少なくとも農産物の価格の急騰というのは、国際連合をはじめとする諸機関によって明らかにされた事実と相違しているのだ。このことが一般市民によって正しく理解されない限り、私たちのような自然保護プロジェクトのために土地を割り当てるというのはーーたとえそこにどんな大きな意義ががあったとしても――熱心な反対派を生み続けるだろう。
 生き残るためには土地を隅から隅まで耕さなければならない、という第二次世界大戦以降、私たちの頭に刷り込まれたイメージは、非常に強く感情に訴えるものだし、政治的に不安定な、戦禍にまみれた国や地域で起きている飢餓の痛ましい画像が、食料が足りないという思い込みを日々強化する。二〇五〇年までには世界人口が七〇億人から一〇〇億人にふえると予測される今、食品製造会社や販売店、アグリビジネス、そして農民組合によって送り出されるメッセージは、世界的に食糧生産量を七〇~一〇〇パーセント増加させなければならない、というものだ。

自然保護より農業生産

 だがこのメッセージは、補助金制度と生産過剰が原因で農産物の価格が下がったためにグローバル市場から締め出された、私たちのような農家の実体験を映し出していない。それこそが、食品業界の既得権者達が全力を尽くして人々に見せまいとしているコインの裏側なのである。ほとんど公にされていないが、現実には世界で生産される食糧はすでに、一〇〇億人に食べさせるに十分なのだ。そしてそこには衝撃的な事実が隠されているーー十三億トンに及ぶ食べ物が毎年廃棄されているのである。--引用ここまで。

物語は、、佳境に入る。





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最終更新日  2020年07月16日 17時07分21秒
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