ヴィーテ・イタリア高岡(Hiruccio)のイタリアワイン&主夫日記

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2008/02/11
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毎年、この季節にさせていただいている神戸ワイン
での、ブレンド作業は、この「ブドウ畑へ!」と
いう僕の企画の中でも、ワインを深く繊細に知る上で
とても重要かつ有効なイベントだと自負しています。


ブレンド(フランス語ではアッサンブラッジュ
という表現を使いますね。イタリア語でもフランス語を
まねてアッセンブラッジョと言ったりします。


ブレンドというと、「混ぜること」ですよね。

でも、ワインを混ぜるったって、色んな混ぜ方が
あるわけで

1) ブドウ品種
2) 生産ゾーン、または畑
3) ヴィンテージ


の違うものを混ぜるのは、容易に想像しうるでしょうが
ワイン以外にも

4) ブドウジュース

を混ぜ合わせる場合もあれば


5) 蒸留酒


の場合だって、あるわけで、そういうのを全部ひっくる
めて「ブレンド」ということが可能でしょう。イタリア語
なら、「タッリオ taglio」といいますし、フランス語
なら 「クパージュ coupage」となるでしょう。


これを同じ生産地域の異なったワインを混ぜる
ことだけに限定したものをアッサンブラッジュ(仏)
イタリア語でアッセンブラッジョと言います。



で、神戸ワインの現在2000ヴィンテージで
リリースされている「セレクト」ラインのワイン、
つまりAクラスのメルロー1種、カベルネ2種を
合計3種をブレンドの講習で使っていただきました。


ブレンド・三種のワイン&シリンダー


赤いキャップの向こう側から 

A メルロー
B カベルネ・ソーヴィニョン
  (マロラクティック発酵を終えたもの)

C カベルネ・ソーヴィニョン
  (マロラクティック発酵をしていないもの)


です。マロラクティック発酵(以後MLF)とは、

「乳酸発酵」


と呼ばれていて、要は、酸の鋭いリンゴ酸が、円やかな
乳酸に変わる発酵のことです。


でも、ヨーグルトなんかは、我々の生活の中では
比較的酸っぱく感じますよね。だからあくまでも
リンゴ酸の鋭角的な酸よりは和らぐ、と考えて
ください。


最初にそれぞれをテイスティングしてみます。


A. メルロー
   明るいルビー色、やや紫色
   香りは、チェリー、ミント、イチゴ 苦味
   味は甘さ、丸みが先立つが酸は鋭利。
   タンニン粗め


B. カベルネ(MLF)
   ブルーベリー系果実。果実に深みを感じる。
   土臭さ、草臭さもあり。酸あるものの丸み
   グリセリンがしっかりあって、液体そのもの
   のトロトロ感が出ている。タンニンもメルロー
   より細かく丸く感じる。

カベルネMFLの色



C. カベルネ
   紫がBよりも濃い
   発酵香とスミレの香り
   味は明らかに微発泡。余韻にもナッツ系の
   香りをイースト系の香りが越えている。


大雑把ならが、それぞれの特徴をざっくり言えば


A. 赤い果実
B. 青い果実 ミネラル
C. 発酵香、花



ということで、いろんなブレンド比率を楽しんでいく
ことにしました。


目標とするワインは、


「今飲んで美味しいワイン。1~2年ぐらいが飲み頃の
 ワイン」



というテーマです。



1. A:B:C=1:1:1


Bカベルネのミネラルと果実の重さが強く、軽やかさが
失われています。メルローとカベルネだけの比率で言えば
1:2になるわけですから、うなずけます。

ここは、メルローの比率を高めることにします。


2. 2:1:1


果実が綺麗に出始めました。甘み、華やかさ、むしろ
優雅ささえ感じましたが、少しBの丸み、重みが
まだ強く感じてしまいます。


ここで、メルローが比率的に多いほうが良いと決まり
BとCのあるなし、どう変わるかで見ることに。


3. A:B(C除外) 7:3


華やかな果実。赤い果実と青い果実のバランス良。
ミネラルもしっかり。ストラクチャーもあって良い。



4. A:C(B除外) 7:3


果実、花、スミレ、赤い果実、軽さが良く出て
心地よさはあるものの深みがほとんど感じられない。

CがAを希釈した印象さえ、僕は持ちましたが
同じグループ内には、コチラのほうが良いという
意見も複数でました。


では、もう少し極端にやってみようということで・・・


5. A:B  9:1
6. A:C  9:1



でテイスティングしてみました。


5は、メルローの果実が素直に出て綺麗で、ほのかな
ミネラルのタッチも感じられて良かったのに対し
6は、やはり二酸化炭素の強さが香りにも味にも
出て、やはり深みに欠け、軽すぎるのです。


というところで、3つのブレンドにもどって、
色々とさらに試した後で、最終的に決定したのが
次のブレンドでした。


7. A:B:C 7:3:1


果実の並びとして一番美味しい。赤い果実の軽やかさ
とブルーベリーのやや濃厚な香りとミネラルの
タッチが脇を締めている。

味わいにもストラクチャーの線がはっきり見えて
なおかつ、わずかな発泡性がチャーミングにすら
感じられる。

余韻には、マカダミアナッツ的な香りも残す。


ということで、サンプルを提出して、全3班の
サンプルが勢ぞろいしました。

ブレンド完成作品

ブレンド、グループワーク風景

明日に続きます。







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Last updated  2008/02/11 04:03:47 PM
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