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今回は11月のドイツワインイベントでのワインです。最近たまに見かけますドイツのシャルドネになります。シャルドネ・クラシック2017。生産者はこちらもデーブスになります。ラインヘッセンのガオ・オーデルンハイムにあり、所有する畑は40ヘクタールにのぼりますが、最近は減農薬栽培にも取り組んでいるそう。ドルンフェルダーが中心的な品種だそうですが、このシャルドネにも、比較的早い段階から取り組んでいました。価格は2000円程度。色は淡い黄色。ミュラー・トゥルガウよりははっきり出ています。香りはリンゴ、グレープフルーツ、白桃、黄色いフルーツといった要素の中に、軽くライムやスイーティなどの緑柑橘が加わるフルーティなもの。この辺はドイツ的な雰囲気がよく出ています。また、それらのフルーティさの向こうには、蜜っぽさ、それに根菜や若干の小松菜?のようなニュアンスも。味わいは中辛口表記だけあって果実味しっかり。残糖という程インパクトは強くありませんが、アタックの段階ではメインの要素と言えるでしょう。ただ、その後ろにはドイツらしいビシッとした骨太な酸があり、とーたつバランスとしてはフレッシュなものです。ボディはライト。それなりに丸さは感じますが基本さらっとしたものです。フルーティさのあるシャルドネという事で、チーズ系との相性は良さそうです。最近は宅配ピザのお店でもよく見かけますクアトロフォルマッジなど、チーズのピザあたりは面白そう。ミルキーさとワインのフルーティさ、それに生地の香ばしさの相性がいいのではないかなと。その他、焼き鳥ならタレの甘みと合わせても、塩の塩気と旨みに対する対比を狙ってもよさそうですし、案外色々合わせられそうです。他の地域のシャルドネとは趣の違う、いわゆるドイツワインでイメージする味わいの延長線上にきっちり収まっているシャルドネ、といった感じでした。バーデンのものなどはシャルドネらしいものだったりするのでしょうが、これはこれで楽しいワインだったかと思います。にほんブログ村
2019年12月25日
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今年も、11月にワインショップしんじさんでドイツワイン試飲会が開催されましたのでお邪魔してきました。時々、その時に飲んだワインの記事を書ければと思います。ミュラー・トゥルガウ・トロッケン2017。生産者はヴァイングート・デーブスです。ラインヘッセンの地で300年以上の歴史を持つ家族経営のワイナリーです。ドイツでは珍しく、白ワイン33%、赤ワイン40%、ロゼワイン15%という生産比率で、栽培品種もドイツ系のものの他シャルドネなども手掛けます。価格は、1800円程度。色は極薄いです。香りは、白い花や黄色い花といったフローラルなニュアンスがありつつ、リンゴやグレープフルーツ、レモン、ライム、ミカンといった柑橘類、それに若干の青ベリーっぽさといったフルーティさが感じられます。また、少々のラムネの雰囲気、白コショウ的なスパイスなどもあったように思います。味わいはフルーティな辛口といった所。果実味がじわりと優しく広がり、そこにしっとりも明るい酸がすっと入ってきます。ボディはライト。クリアーさがあり、サラリとした質感です。特徴的なエチケットですが、魚介類の料理に合うという事が売りの一つとなっているようです。確かに、このワインなら、レモン的に牡蠣に合わせる、あるいは果実味に注目して、甘みのあるエビ系に合わせる(食べ方は生でも日の入ったものでも行けそうです)、カジキマグロなど淡白な魚の焼き物、お寿司など白身の生魚系と色々試してみたいところ。その他、焼き鳥(塩)など鶏肉+塩というのもよさそう。手頃な価格で、気軽にフルーティさを楽しめるワインですが、それだけでなく、ドイツワイン的な酸や果実味のバランスはきっちり感じられるワインでした。今回のイベントでも個人的に好感度の高かった1本です。にほんブログ村
2019年12月19日
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9月に行いましたピノ・ノワール飲み比べ会のワイン、2種類目のピノ・ノワールはドイツから。ピノ・ノワール・リエゾン2017。生産者エンデルレ・ウント・モルはドイツのバーデンにあるワイナリー。その名の通り、エンデルレ氏とモル氏の共同オーナーです。創業は2007年と新しい造り手で、栽培ではビオロジックを実践しており、醸造時も無濾過・無清澄です。フランス語で結合を意味するリエゾンと言う名前の通り、2つの異なる土壌の畑のブドウをブレンドしているそう。価格は4000円程度。色は赤みの強いルビーカラー。香りはイチゴを中心に、赤ベリーフレッシュ、チェリー、チェリーリキュールといったフルーティさもありますが、フルーツでも梅っぽさがよく出ており、更に、ローズマリーなどハーブ、あるいは茎系のニュアンスも感じられました。その他、軽い茶色いスパイスや香ばしさ、時間経過でアールグレイのような気配も出てきました。味わいはバランス型。果実味がじんわりでつつも、明るくシャープさのある酸がそこにスッと出てきます。また、後口にかけて渋味もある程度キッチリ主張してきます。ボディほライト。クリアーな質感でパリッとした印象。会ではやはり全体的に合わせてみました。チーズとは、実はドライフルーツとの組み合わせ無しで一番ブルーに合わせやすかったかもしれません。独特の複雑みのある香りとブルーの風味との相性がなかなかでした。と言う事で、やはりペンネは良いつまみに。クリーミーさが加わって少々まろやかになってはいますが、やはりブルーの風味との相性の良さが感じられましたし、使われていた黒コショウの香りともいけますね。このワインについては、ブラインドで日本とドイツどちらか、と言う所までは行ったのですが、結局日本だろうと判断してしまいました。近年果実味のしっかりしたピノも出来るバーデンのものですが、このワインはその位線のシャープなスタイルではあります。ただ、目の詰まった感じもあり、これが熟成を経るとどうなるのか興味深くもありました。エンデルレ・ウント・モル / ピノ・ノワール リエゾン [2017]【赤ワイン】楽天内では4158円程度。実は、1つ前の2016ヴィンテージも投稿時時点では売られており、気になるところです。にほんブログ村
2019年09月16日
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ドイツワインイベントでのワインも今回で最後。パンチの利いた雰囲気の赤になります。666メタル・ワインズ・ブラック・ヒルズ2014。生産者F・E・ショットはナーエのヴァルハウゼンにあるワイナリーです。創業としては1959年ですが、その起源は500年以上前と言う老舗。所有畑は21ヘクタールで、様々な品種を手がける家族経営の造り手です。本ワインは特徴的なエチケットと名前ですが、これは醸造家がメタルバンドをやっているからだそう。セパージュは、カベルネ・ソーヴィニョン、カベルネ・フラン、そして、メインの品種としてドゥンケルフェルダーというポルトギーザーとタンテュリエの交配種が使わています。価格は6600円程度。色はガーネット系で、赤さがあります。香りは、しっかり樽熟させているとの事で、ロースト、コーヒー、ナッツ、カラメルといった要素が出ています。そこに、プラムや若干の梅、黒ベリー、チェリー、カシス、それに少々の赤ベリージャムといったフルーティさが加わります。また、スパイシーさもしっかりで、黒コショウや、シナモン、丁子など茶色いそれがよく感じられます。その他、若干の下草や杉の木のようなニュアンスもあったでしょうか。味わいは、柔らかな果実味が、しかしメインの要素としてふわっと広がりつつ、そこにしっとりした酸が入ってきているといった感じ。渋みは割と優しく、舌触りにはタンニンが感じられるものの出方としては果実味や酸と調和したものとなっています。ボディはミディアムフルくらいで、クリアーな質感でした。食事に合わせるなら、これこそジビエに良さそう。シカなどの脂の少ない赤身系でもいいでしょうし、しっかり熟成させたもの、血のニュアンスがあるものなどでもしっかりした樽香と黒いフルーツ感が受け止めてくれそうです。他にも、ゴボウなどの根菜系も面白そうですし、ビーフシチューなどデミグラスソース、それもちょっとビターな感じに仕上げてあるもの等にも合わせてみたいところ。フルボディと言う紹介で、メタル感のあるラベルですが、そこはやはりドイツワインと言うべきかしなやかさや柔らかさのあるワインでした。樽香も出ていますがフルーティさとバランスのいいもので、総じて力強さはあるもののキレイなスタイルだったかなあと。にほんブログ村
2019年09月04日
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ドイツワインイベントでの赤ワイン、今回もアッサンブラージュ系です。ヴィルト・ウント・ヴァイン・トロッケン2016。生産者はフィア・ヤーレスツァイテン醸造協同組合です。このイベントではこちらのワインがいくつか出ていましたが、どれもコストパフォーマンスにも優れた面白いワインでした。1900年設立、組合員の畑の総面積は370haにも上るそうで、多彩な品種を手がけているところも大きいでしょうね。セパージュは、レンベルガー、シュペートブルグンダー、ドルンフェルダーの3種。ただ、使用品種や比率は年によって違うそう。価格は2700円程度。色は明るいルビーカラー。透明度も十分です。香りは茶色いスパイス的なニュアンスがよく出ており、シナモンや八角、丁子などを感じます。また、ビャクダンや若干のお香的な気配も。加えて、キノコや腐葉土といった要素もあったでしょうか。勿論、そういった複雑さだけでなく、プラムやザクロ、赤ベリー、赤ベリーのコンポートといったフルーツ感も出ています。また、赤い花っぽさも感じられました。味わいは、柔らかくも真っ直ぐな印象の果実味と、明るい乳酸系の酸が一体感をもって感じられるバランスの良いもの。ただ、若干果実味が勝る感じで、後口にかけて印象を残します。渋みはアタックの果実味+酸に続いてグッと出ますが、後口には残らずすっと消えます。ボディはミディアム位で、柔らかさとそれなりの密度感がありました。ヴィルト=ワイルドと言う事で、ジビエ料理を意識して造られたワインだそうです。ガッツリフザンタージュされたキジや、血を使ったシヴェなどにはちょっと負けそうですが、ウサギやヤマバト、ライチョウ、シカなど、ジビエらしい力はあるものの、割とあっさり食べられるお肉、あるいはあっさり目の調理法のものならば合わせられそうではあります。香りの華やかさが効くのかなと。或いは、シシ鍋など、和風のジビエ料理ならより合わせやすいかも。味噌を使ったものでも、結構填まりそうな気配はしました。特徴的なスパイシーさが、やはりジビエ料理の為のワインといった所なのでしょうね。一度合わせてみたいところです。エチケットにもシカなどが描かれていますね。ただ、しなやかなワインではありますので、ブリ大根やカツオの叩きなど、案外魚系でも行けるのではないかなあとも感じました。にほんブログ村
2019年09月02日
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ドイツワインイベントで飲んだワイン、今回から赤です。最近はドイツでも赤ワインの生産量が増えていますね。アナ・キュヴェ・R・クルト2016。生産者ザンクト・アナガルテンはドイツ南部のヴュルテンベルクにあるワイナリー。あまりワイン産地としてはメジャーではないかもしれませんが、実は赤ワインの生産量はドイツ最大だそう。ただ、そのほとんどは国内で消費されてしまうそうです。ザンクト・アナガルテンでも生産されるワインの比率は白ワイン44%に対し赤ワイン56%となっています。セパージュは、シュペートブルグンダーとレンベルガー、つまりピノ・ノワールとブラウフレンキッシュですが、毎年変わるそう。価格は2500円程度。色はルビーカラーで透明度も高いですが、そのルビーには暗さがあります。香りは焼きイモや焼き栗といった甘さと香ばしさを感じる要素が出ています。そこにブルーベリーやブラックベリー、それに赤ベリーやそれらのドライフルーツ、更にはチェリーやマラスキーノといったフルーツ感、赤い花、シナモンや八角などの茶色いスパイスといったものが加わるといった所。味わいは、明るい果実味が柔らかく広がりつつ、しっとり系の酸もきっちりで、ドイツワイン的な甘さと酸のバランスを赤ワインでも感じることが出来ます。ただ、渋みは結構はっきり出ており、アタックから後口までずっと感じられ、特に後口では少し残って印象を締めます。ボディはライト。さらっと滑らかです。このワインを食事に合わせるならやはりお肉でしょうね。香りもしっかりありますし、果実味や渋みもありますから牛肉系でも良さそう。ボディがそこまで強くない事も踏まえますとやはり赤身でしょうか。ローストビーフや牛肉の叩き辺りを是非つまんでみたいところ。鶏肉でも良さそうで、ローストチキンや照り焼き、あるいは筑前煮といったものとも噛み合いそうです。鴨肉のローストやパストラミなら言う事無しでしょう。ボディこそ軽めではありますが、近年のドイツ赤ワインの品質向上を感じさせてくれるワインだったかなと思います。そのボディの軽さも、食事との相性の幅の広さという面ではむしろプラスかも知れませんね。にほんブログ村
2019年08月31日
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ドイツワインイベントでのワイン、今回はモーゼルのリースリングです。フォム・ローテン・シーファー・リースリング2015。生産者パオリンスホーフはモーゼルにあるケステンと言う村の家族経営のワイナリー。所有する畑の面積は10ヘクタール程度ですが、カマーなど当地を代表する銘醸地にも畑を有します。栽培品種はリースリング96%、ピノ・ブラン4%と、昨今は赤ワインの栽培面積も増えているドイツにおいて、白ワインオンリーを貫いています。こちらのワインのブドウは、鉄分を含む粘板岩質の土壌のものだそう。価格は4000円程度です。色は黄金とまではいきませんがしっかり黄色です。香りは華やか。ハチミツやカスタード、軽い焦がしバターと言った甘いニュアンスがでており、そこにグレープフルーツやミカン、スイーティ、ライム、レモンピールなどの柑橘や、メロン、完熟リンゴ、さらにはリンゴ飴的なフルーティさが加わります。その他、黄色い花や若干の濡れた石的なミネラルの気配もありました。味わいは、甘み、とまではいかないくらいの印象で、果実味のアタックがしっかり、といった所。勿論酸味もきっちりで、そこまで明るくカーンとしたものではありませんが、それでも果実味に負けないものがじわりと出て来て、後口にかけて存在感を増します。また、その後口には微かな苦みも。ボディはミディアムライト程度で、柔らかな質感ではあるものの、やはりミネラル感、軽いエキス分によるハリといったものは感じられます。見事な完成度ですしそのまま飲んでもいいでしょうし、勿論食事にも合わせてみたくなります。この華やかな香りと甘さと酸のバランスの取れた味わいなら、それこそおせち料理に合わせても面白そうです。田作りには流石に難しいかもしれませんが、お肉系の料理は勿論、魚の西京焼きやブリの照り焼き、煮豆、更には昆布巻きなどもいいつまみになるのではないかなと。パオリンスホーフのワインはどこででも見かけるというものではありませんが、非常にバランスのいい、優等生なドイツワインといった感じで、個人的にも気に入っています。こういったワインが飲める・買える環境が岡山にあるというのは嬉しい限りです。にほんブログ村
2019年08月29日
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以前から時々記事にしていましたドイツワインイベントでのワインですが、流石にイベントからもう1年近く経ちますので^^;、残りのワインを記事にしてしまおうと思います。今回は王道のこちら。シュタインベルガー・リースリング・カビネット2017。生産者クロスター・エーバーバッハは、12世紀にシトー派の修道士が開いたブドウ園を始まりとする歴史ある醸造所です。ラインガウにあり、5つのドメーヌを所有しています。ドイツワインの格付けにある「カビネット」は、このクロスター・エーバーバッハのカビネットセラーに由来するのだとか。セパージュは、勿論リースリング100%。価格は3000円程度です。色はツヤ感はありますが基本的に薄い黄色程度です。香りは、ハチミツやシロップと言った甘いニュアンスがありつつ、白い花や、どこか株や大根的な白い根菜のような雰囲気も感じられたでしょうか。勿論フルーティさもあり、リンゴやミカン、グレープフルーツ的な柑橘、それにもう少し南国的な黄色いフルーツなどの要素が。その他、乾燥ハーブや若干のスパイス、紅茶っぽさ等。味わいは、カビネットと言う事で甘味しっかり。アタックにしっかり存在感を見せますが、そこは流石ドイツワイン、強く明るい酸がビシッと入り味わいのバランスをとります。中甘口、と言った印象です。ボディはライトで、意外と丸さや柔らかさを感じる、たおやかな質感でした。このワインを合わせるなら、やはり白カビ系のチーズなどがいいでしょうか。チーズのクリーミーさとワインの甘み酸味、甘さのある香りとの相性の良さは期待できそうです。後はやはり和食系で、特に砂糖を使った甘みのある味付けのものには手堅そうです。お寿司なら、アナゴなどはいいでしょうし、カニやエビ、ウニなど、素材の甘みのあるネタに、酢飯の甘みが加わるとこれまた良さそう。ドイツワインの中ではかなりの知名度を誇る銘柄かと思いますが、流石の完成度の高さでした。カビネットながらもしっかりした甘味、それに負けず、全体を綺麗にまとめる酸と、やはり手堅くドイツワインの緻密さを楽しめるワインだったなと思います。シュタインベルガー リースリング カビネット[2017] クロスター エーバーバッハ(750ml)白同一ワイン12本以上で3%現金割引します楽天内では、投稿時時点で同一ヴィンテージが2772円です。瓶熟もある程度期待できそうですし、今どういう状態なのか飲んでみたいところです。にほんブログ村
2019年08月27日
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6月に行いましたリースリングと和食の会。リースリングと言えばやはりという事で、今回はドイツワインです。リースリング・ハルプトロッケン2013。生産者ゴスヴィン・ランブリッヒはミッテルライン地方の生産者で、設立は1975年とまだ比較的新しい目。定番のリースリングの他、シュペートブルグンダーやカベルネ・ドルサなど赤系の品種を色々手掛けるようです。価格は3000円弱ですが、このヴィンテージは、帰省の際に鳴門のエルムンドさんが徳島駅前のそごうに出しているテナントで購入したもので、しかも最後の1本だったようです。色はしっかり黄色で、6年の熟成の影響もあってかツヤ感さえ感じました。香りは実に華やかで、樽の影響か香ばしいニュアンスも出ていました。ハチミツ、クレームブリュレ、トースト+オレンジママレード、それにリンゴ飴や焼きりんごといったものが感じられます。そこに、グレープフルーツやオレンジと言った黄色い柑橘、黄桃、アプリコット、微かなメロン等のフルーツ、黄色い花、ミネラル、タイム的な乾燥ハーブと言ったニュアンスが加わります。味わいはハルプトロッケン=半辛口と言う事で甘みの要素はしっかり出ていました。アタックにメインの要素としてありますね。ただ、そこはドイツワイン、明るく太い酸がその甘味の中に軸としてビシッと入っており、バランスは絶妙。その酸と、ライトボディながらもミネラルやエキス分による張りのある、パリッとした質感のおかげで実に爽やかかつ軽快です。会では、茶わん蒸しの辺りから飲みました。甘味のある味わいが茶わん蒸しに合うかなと思いましたが、ここは割と普通。勿論、明るい酸とその甘味のおかげで相性は、特に鱧のコクにたいして悪くありませんが、香りの面ではそこまで馴染まず。一方アユの塩焼きにはよく合いました。香ばしさとよく焼けた鮎の香りとの相性も行けますし、腹の部分のよく脂がのったまろやかな味わいに対し、ワインの甘みやコクがバッチリ。鮎の旨みをよく引き出してくれました。ここのワインはよく飲んでおり、1リットルのトロッケンなどはワイン会でも大変に好評でしたが、今回のこのハルプトロッケンも程よいこなれ感がありつつも、クラシックなドイツワインらしい甘みと酸味のバランスの妙と香りの華やかさを楽しめ、非常に良かったです。若い頃は、上記トロッケンの方が個人的に好みだったのですが、6年の時を経てハルプトロッケンも素晴らしい状態でした。ラスト1本を買えたのは相当なラッキーでした。にほんブログ村
2019年06月28日
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今回も続けてドイツワインイベントでのワインです。ちょっと甘味のある、マスカット系ブドウのワインになります。モリオ・ムスカート・リープリッヒ2017。生産者は、このイベントで幾つかワインがとりあげられていましたフィア・ヤーレスツァイテン醸造協同組合です。1900年創業のプファルツ地方の組合で、組合員の畑の規模は実に合計370haにも上ります。因みに、ワイナリー名の意味は「四季」だそう。セパージュは、モリオ・ムスカート100%。シルヴァーナーとヴァイスブルグンダーの交配品種だそう。価格は2700円程度。1リットルボトルになります。色は薄い黄色ないし麦わら、といった程度。香りはその名の通りマスカット系のニュアンスがよく出ています。シルヴァーナーとヴァイスブルグンダーでよくこうなったなあと。また、ちょっとアロエヨーグルトのアロエのような雰囲気もあったでしょうか。加えて柑橘、それもスイーティ的な緑柑橘のニュアンスがありました。その他、蜜や蜜入りリンゴ、白や黄色の花といったものも。味わいは中甘口表記でしたがそれに見合った甘みのインパクトをきっちり感じるもの。酸は軽めで甘みの印象の後ろにありますが、後口にかけてじっくり残り、味わいの印象を締めてくれます。ボディはライト。ふわっと柔らかな質感だったのはちょっと意外なところでした。個人的にはこういうワインを食事に合わせるのは結構好きです。まず思いつくのは、甘みのあるお寿司あたりでしょうか。ちらし寿司系も面白いでしょうし、煮アナゴなど握りでも甘味のあるものとの相性は期待できそうかなと。また、サーモンマヨ的なものともいいかも。あとは、アボカドなどのまろやかさや、柑橘類を使ったサラダなどにもいいでしょうし、合えて旨み+塩気との対比を狙って焼き鳥(塩)辺りをつまんでみるのも楽しそうです。1リットルの甘みのあるワイン、さらに香りも非常に華やかと言う事でパーティなどで活躍してくれそうですし、これからの季節冷やしてお昼から夕方にかけての時間帯に頂くなんてのもよさそうです。マスカット系品種のワインって中々楽しいなあと、個人的に注目していたりします。にほんブログ村
2019年05月21日
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かなり飛び飛びになっていますが今回はドイツワインイベントでのワインの久々の続きです。最近時々見るようになってきました、ソーヴィニヨン・ブランのものになります。ソーヴィニヨン・ブラン・トロッケン2017。生産者ヴァイングート・ショットはドイツ・ナーエ地方のワイナリーです。1959年創業という比較的新しい造り手で、やはり家族経営。手掛ける品種はかなり多様なようですが、比率としては白ワイン6割に対し赤ワイン4割と、結構赤の量が多いことも特徴です。ブルグンダー系が多めとの事。セパージュはソーヴィニヨン・ブラン100%。ドイツでイメージされる品種ではないかもしれませんが、近年は栽培面積も増えているようです。色は極薄。黄色と言えば黄色、くらいのものです。香りは青リンゴっぽい爽やかなニュアンスがありつつ、赤いリンゴも少々。そこに、ミカンやグレープフルーツ、レモンと言った黄色い柑橘や、軽いライム的緑柑橘の気配も少々といったフルーティなもの。ただ、その中に黄色いパプリカっぽさやグリーンハーブ、緑の芝的なニュアンスと言った要素を見つけられるのは、やはりソーヴィニヨン・ブランだなと。味わいはバランス型。果実味の印象がアタックに、あくまで柔らかくですが拡がります。ただ、割としっとり系の酸がその後を直ぐ追い拮抗した印象。後口にかけての微かな苦みとも相まって、調和を感じさせます。ボディはサラリと柔らかな質感のライト。イベントでは食事は頂いていませんが、このワインならお寿司やお刺身、出汁系のものなど和食との相性は手堅そうですし、ハーバルな雰囲気もあるので、白身魚の香草焼きやハーブを使ったオイル系のパスタなんかにも良さそう。また、鶏や豚のパテなど、白系の肉を使ったコールドミートにも合わせてみたいワインでした。ドイツのソーヴィニヨン・ブランは殆ど経験がありませんでしたが、シャルドネは少しありまして、かなり柔らかくフルーティな印象がありましたので、ソーヴィニヨン・ブランもそういった感じかなと思い飲んでみました。それが、パプリカっぽさの出方など、このワインに関してはドイツを思わせつつも、より「ソーヴィニヨン・ブラン」を強く感じられるものだったように思います。NZやフランス、あるいは日本のものなどと飲み比べて見るのも楽しそうです。にほんブログ村
2019年05月19日
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今回は、イベント等の記事で暫く中断していました昨年のドイツワイン試飲会のワインの続きです。アナ・キュヴェ・W・クルト・カビネット・トロッケン2017。生産者ザンクト・アナガルテンはドイツ南部、ヴュルテンベルク地方のワイナリーです。1972年創業という比較的新しい造り手ですが、石灰質やコイパーと言った土壌の畑で、ブルグンダー系品種やレンベルガー=ブラウフレンキッシュなどをビオロジックで栽培しています。セパージュは、リースリング70%とグラウブルグンダー30%です。価格は2500円程度。色は極薄い黄色程度で、淡いものです。香りはハチミツ的な甘いニュアンスが微かに出つつ、マスカット系の要素や、黄色や緑の柑橘、軽いリンゴっぽさ、それに南国フルーツといったフルーティさがしっかり感じられます。また、白い花や、少々の白コショウ的なスパイシーさや土っぽさも。その他、ハーブや微かな白い石など。味わいはトロッケンと言う事でしっかり辛口。メインの要素としては酸で、アタックからしっかり、小さな果実系のフレッシュなそれが口いっぱいに広がります。果実味は繊細なもので、酸の後から付いてきつつじわじわと広がり、後口にかけては酸と共に収束するといった印象でした。また、その後口には軽い苦みも。ボディはライト。柔らかかつ滑らかな質感。食事に合わせるなら、コールドミートなどにもいいでしょうが、これはやはり和食でしょうね。刺身、お寿司なら白身魚やエビイカ辺りなんか間違いなさそう。また、緑のものとも良さそうで、菜の花のお浸しや山菜の天ぷらと言ったものにも面白そうです。他にも、出汁との相性も期待値高そうで、レンコン饅頭の椀物なども試してみたいところですし、もう少し手軽に明石焼きというのもアリかも。フレッシュ爽やかでフルーティ、それでいてハリのある酸味を感じるドイツの辛口らしいワインでしたが、その中にスパイシーさがちらりと見えたりと、それだけではない個性も感じさせてくれるワインでもありました。にほんブログ村
2019年04月15日
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まだまだありますドイツワインの試飲イベントでのワイン、今回はシルヴァ―ナーです。グリューナー・シルヴァーナー・トロッケン2017。生産者は前回のリースリングと同じくフィア・ヤーレスツァイテン醸造協同組合です。シルヴァーナーと言いますと、フランケンのイメージが強いですが、プファルツでも栽培が盛ん。この品種、昔からトランシルヴァニアで栽培が盛んだったようで、ドイツには1659年オーストリーからやって来たようです。グリューナー・シルヴァーナーと言うのが正式名称だそうですが、グリューナー・フェルトリナーを持つオーストリーからの伝来と聞くと何だか頷けてしまいます。価格は、2484円程度。色はやはりこちらも極薄いです。かろうじて黄色の印象がある程度。香りは白い花や白コショウ的なスパイス、乾燥ハーブ、それに少々のマスカットっぽさといった要素に加え、グレープフルーツや緑柑橘と言った定番の要素が感じられますが、それだけでなく、リンゴや洋ナシ、軽いメロン、それにマンゴー的な南国フルーツっぽさと言った若干の濃さを感じるフルーツ香があったのが印象的でした。味わいはトロッケン=辛口の名前の通り、明るさと強さのある酸がメインの要素として出ています。ただ、それは結構しっとりと、岩から染み出す清水のような感じで出てくるものでキツさはありません。果実味は、その酸の背後に優し~く広がるといった所。後口にかけては微かに苦みも。ボディはライトで、ハリがありパリッとした印象を受けるミネラリーなものです。シルヴァーナーと言いますと和食に合わせやすいワインとしてよく挙げられますが、このワインも間違いなさそうです。山菜やエビ、白身魚の天ぷらと言ったある程度のボリュームや香り甘みの存在感があるもの、あるいは、同じく白身魚やエビなどの甘みのある魚介の刺身や寿司などは手堅いでしょうが、野菜系との相性、出汁の旨み+塩気との相性もよさそうで、お浸しなど色々試したいところ。また、洋風な料理でも、春野菜のオイルパスタや、鶏や豚などのテリーヌといったコールドミート、魚介ならアクアパッツァ+レモンなど、脂の濃さ、ソースの濃厚さといったものを避けてやれば幅広く合わせられそうです。ブドウを相当厳選しているそうですが、南国フルーツっぽさ等はその辺の影響のようです。シルヴァーナーと言う品種のこういった側面はあまり感じたことが無かったので、面白い経験となりました。辛口白としてよくまとまったワインで、これまた春の食卓には最高のワインの一つではないかなと。にほんブログ村
2019年03月16日
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今回もドイツワインの試飲イベントでのワインです。コスパ高なリースリングになります。リースリング・クラシック2016。生産者フィア・ヤーレスツァイテン醸造協同組合はプファルツのバート・デュルクハイムという土地の組合です。1900年創業と言う歴史ある組合で、組合員の所有する畑の合計面積は370ヘクタールに上ります。リースリングを中心に白ワインを多く生産していますが、シュペートブルグンダーも少し手掛けているようです。セパージュはリースリング100%。クラシックとは、調和の取れた辛口に付けられることが多い名前だそうです。価格は1700円程度。色は薄い黄色。かなり淡いものです。香りはハチミツや蜜入りリンゴ的な華やかなニュアンスもありつつ、ミカンやグレープフルーツなど黄色い柑橘や、ライム、スイーティと言った緑柑橘の要素もよく出ています。また、ちょっと南国フルーツ的な濃さのある雰囲気も感じられました。その他、ミネラルや白い花、軽い白コショウなどのスパイス、それに若干のオイリーさといったものもありました。味わいは、クラシックと付けられている通り、残糖とまでは言い切れないくらいの柔らかな、それでいてきちんと存在感は感じられる果実味と、明るくフレッシュな酸のバランスの良さを感じるものでした。ボディも滑らかなライトで、若干の硬質さも感じさせるところが爽やかさを際立たせますね。こういったワインには、この時期やはり春野菜を合わせたくなります。最近よく蕾菜を、菜の花や春キャベツ、豚肉と蒸してゴマ味噌和えで食べたりするのですが、蒸すことによって際立つ春野菜の甘みなどとは馴染みそうですし、ゴマ味噌や豚肉の程々のコクに対しても、ワインの果実味やフルーティさがいけるんじゃないかなと。他に、天ぷらやオイルパスタもいいでしょうし、ホワイトアスパラが出てきますと菜の花とタレッジョでリゾットにするのですが、そういったものにも良さそうです。果実味と酸のバランス、香りの印象など、「中辛口のドイツのリースリング」の魅力がよく出たワインだったと思います。そんなワインが、2000円以下で飲めるというのは中々嬉しいなと。これから暖かくなってきますが、お昼から、屋外などで頂くのにも最適な1本だったように思います。にほんブログ村
2019年03月14日
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先月のちょっと熟成したワインの会のワイン、続いてはドイツの辛口リースリングになります。デュルクハイマー・フロンホフ・リースリング・シュペトレーゼトロッケン2002。生産者ライヒスラート・フォン・ブール家はファルツ地方で150年の歴史を持つワイナリーです。バッサーマン・ヨーダン。ビュルクリン・ヴォルフとともに、ファルツの3Bと称される造り手で、ダイデスハイム村を拠点とし優れた畑を多数所有しています。今回のようなバックヴィンテージが、手頃な価格で手に入れやすい造り手でもあり、個人的にワイン会では重宝させて頂いています。セパージュは勿論リースリング100%。シュペートレーゼ=遅摘みの、トロッケン=辛口となります。価格は、楽天内で1880円でした。色はべっこう色というくらいの、ツヤがありつつもタマネギの皮的な赤茶感すら感じるほどのものです。黄色と言う表現では収まりませんね。香りは蜜やメープルシロップ、さらに遠くにですがカスタードやカラメルまで感じられるなど、熟成リースリングの雰囲気満点。ペトロールっぽさも少々出ています。一方でフルーツ感もあり、オレンジやグレープフルーツ、さらに柑橘の皮といったもの、それに、フレッシュフルーツではありませんがリンゴ飴のようなニュアンスも。その他、軽くスパイスや乾燥ハーブの気配もあったでしょうか。味わいは、やはり若いトロッケンとは違い酸の印象はしっとり優しくはなっています。ただ、ミネラルを伴い、アタックに柔らかく広がる熟成の甘みの中にビシッと入っています。ボディはミディアムライトくらいでしょうか。滑らかで透明感を感じる質感ながらも、エキス分や少々の粘性を感じるものでした。会では、やはりチーズプレートのところで飲みましたが、ブルーチーズにはやや押され気味ではあったものの、風味の相性は悪くありませんし、他の熟成コンテや白カビ系などとの相性はバッチリでした。やはり、メープルシロップ的な深く甘いニュアンスが、熟したチーズの複雑な旨みによく合います。このワインは、こういったチーズなどをつまみに頂くのが良さそうですが、白いソースで頂く肉料理などとも面白そう。鶏肉のフリカッセなどは勿論、鹿肉などのあっさりした赤身肉とクリームやチーズ、キノコなどのソースのお料理なんかにも合わせてみたいところ。後はやはり焼き鳥や焼きトンなんかでしょうか。タレの甘さとも会いそうです。逆に、生魚系は叩きなどひと工夫したものの方がいいのかもしれません。熟成による華やかな香り、まだ酸に力は十分ありつつもバランスのいい味わいと、楽しめるワインでした。他の参加者の方々も、辛口ドイツリースリング、それも熟成したものと言う事であまりご経験が無かった部分もおありだったようですが、それでも非常に印象的だったようです。過去何度かやっていますコスパワイン会の派生としての会でしたが、価格も2000円以下と、まさにハイコスパな熟成ワインだったと思います。フォン・ブール デュルクハイマー フロンホフ リースリング シュペトレーゼ トロッケン 2002 【ドイツワイン】楽天内では1か所のみ扱いがあり、1880円です。自分で楽しむのは勿論、ワイン会でもインパクト抜群でしょうね。にほんブログ村
2018年07月25日
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まだまだ続きます先日の天ぷら屋さんで甲州飲み比べ会のワイン、続いてはドイツの甲州です。ラインガウ甲州・ミッテルハイマー・エーデルマン2014。生産者はショーンレーバー・ブリュームライン。1976年設立の新しいワイナリーですが、1700年代創業という歴史ある2つの生産者の末裔たちが結婚してできたというものです。ラインガウの銘醸地ミッテルハイムに畑を持ち、その約4割は特級となっています。甲州は、2003年にドイツに渡り植えられたそうです。価格は、3000~4000円程度です。色は青みがかった薄い黄色ですが、少々のツヤ感も。香りは、ハチミツやマスカットっぽさ、さらに黄色い花やリンゴ、グレープフルーツやスイーティ等の柑橘のニュアンスなど、何処かドイツのリースリングやミュラー・トゥルガウを思わせる雰囲気があるのにびっくり。そして、その雰囲気の中に、白い花っぽさや微かなバナナ、それに白桃、和梨、メロンなどの要素が感じられました。味わいは香りに似合ったフルーティなものです。ジューシーな果実味がメインの要素としてアタックから後口にかけてまで印象を残し、そこにフレッシュな酸が加わります。また、温度上昇によって後口にかけての軽い苦みも現われてきました。ボディはライトで、ハリや透明感を感じるミネラリーなものなのは流石ドイツといった所でしょうか。会では、やはりサヨリの梅紫蘇揚げ、ナス田楽、アナゴの辺りで飲みました。サヨリの梅紫蘇揚げとはまずまずで、梅紫蘇の香りとの相性というよりも、サヨリの旨みや甘味に対し、ワインの果実味や香りが合うといった感じでした。ナス田楽とは可もなく不可もなく程度。一方、アナゴとの相性は良好で、アナゴのしっかりした味わいや脂にワインの果実味や酸が丁度馴染む感じですし、ミネラリーさと身の食感や衣のさっくり感の相性もいいです。香りの面でも、アナゴ独特のそれ、さらには骨の香ばしさといったものに、ワインのフルーティさ、花の雰囲気といったものが合いました。ドイツの甲州の存在は以前から知っていましたが、まだ飲んだことが無く今回初めての体験となりました。甲州の雰囲気は間違いなくあるのですが、ただ、飲んだ感覚としては紛れもなくドイツワイン、といった所で、ところ変わればこうなるんだなあと非常に興味深かったです。その石灰質な土壌の影響でしょうか、魚との相性は非常によく、和食洋食色々な白身魚と合わせてみたいようなワインでもありました。ドイツワイン ラインガウ甲州 ミッテルハイマー・エーデルマン楽天内では、こちらが現在3218円と最安値のようです。日本ワイン好き、甲州好きの方にとっては日本の甲州との違いを楽しめ、かつ、最近の辛口ドイツワインの入り口としても面白いのではないかなと。にほんブログ村
2018年07月01日
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今回はドイツのピノ・ノワール=シュペートブルグンダーです。いつものエルムンドさんのものではなく、ドイツ商事さんの取り扱いになります。シュペートブルグンダー・トロッケン・ザンクト・ヤコブス2014。生産者であるブリッツィンゲン醸造協同組合は、その名の通り210もの組合員が所属する協同組合です。全組合員の所有する畑の面積の合計は実に198haにもなります。バーデンにある組合と言う事で、栽培品種はブルグンダー系などが多いそう。白ワインの方がやはり生産量としては多いですが、最近はシュペートブルグンダーの他、瓶内二次発酵でのスパークリングにも力を入れており、人気を博しているそうです。価格は、6480円程度。色は透明度もあるルビーカラーですが、ややガーネットっぽさもあったでしょうか。香りは、ラズベリーやクランベリー、それらのドライフルーツといった赤果実のニュアンスが出ていますが、そこに下草や甘草的な要素、それに黒糖っぽさや麦チョコを思わせるような気配も加わり、甘さと複雑さを感じさせるものとなっています。また、バラなどの赤い花、軽いナッツっぽさ、黒い土やキノコといったようなものも。味わいは、乳酸系の酸の印象が強く、アタックの段階から前に居る感じです。それが、旨みや渋みを伴っています。渋みは、口全体にガッと来る感じではなく、舌先を中心にじわりと、しかしそれなりの村z内観をもって感じられるといった所でしょうか。果実味は繊細なもので、背景的にふわっと広がっている感じ。ボディはミディアムですが、ハリと軽い硬質感を感じる質感でした。今回は、イベントでつまみ無しで飲んでいます。合せるなら、やはり赤い肉や鶏でしょうか。鴨のローストなどがあればベストでしょうね。味わいが繊細ですので、あまり強いソースと一緒にと言うよりは、シンプルに塩コショウがいいかもしれません。合鴨の焼き鳥とかでもいいかも。後は、脂の強くない鹿肉、あるいはローストビーフなどもいいつまみになりそうですし、鶏なら焼き鳥でも鶏肉じゃがでも煮物でも色々行けそうです。優しい味わいにするならですが、オレンジ煮辺りにしてワインの要素とは違う香りを加えるとどうなるかも興味深いところ。シャープ、とまではいきませんが、シュッとした印象のシュペートブルグンダーでした。この感じってやっぱりドイツワイン独特なのかなあと。しかし、香りの複雑さなどは中々のもので、一度ドイツのピノ・ノワールの飲み比べなんかやってみても面白そうだなと。にほんブログ村
2018年03月21日
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今回はドイツのピノ・ノワール=シュペートブルグンダーです。2月末の帰省の際に購入しました。シュペートブルグンダー・トロッケン2015。生産者はヴァイングート・ケスラーです。ラインガウのマルティンスタール村のワイナリーで250年以上の歴史を持つ家族経営のワイナリーです。ワイナリーでは食事もできるワインガーデンがあるようですが、今年の夏まではお休みのようです。セパージュはシュペートブルグンダー100%。価格は3000円弱ですが当然楽天内には無し。おそらく、鳴門市のエルムンドさん本店か、徳島そごう内の支店でのみ購入可能でしょう。色は黒さや暗さも感じますが、基本透明度もあるルビーカラーです。香りは梅っぽさやサクランボと言ったニュアンスがありつつ、ラズベリー主体の赤ベリー、それにブルーベリーや微かなブラックベリーなども感じられました。また、若干のヤマモモジャムのような赤く甘さの強い要素もあったでしょうか。そういったフルーティな中に、下草やオリエンタルスパイス、ミネラル、微かなコーヒーっぽさが加わります。また、開けたては赤い花っぽさが感じられますが、時間と共にちょっとミュラー・トゥルガウなどを思わせるような白や黄色などの花の気配もありました。味わいは果実味のアタックの印象がしっかりあるタイプ。酸は酸の印象も勿論ありますが、果実味の後ろからジワリと出て来て、切れよくすっと果実味とともに消える感じ。ボディはミディアムライトで、口当たりは真っ直ぐで硬質な印象ですが、その硬質さの下に柔らかさや繊細さがあるといった印象。ミネラル感は感じます。食事との相性では、アナゴのフリット+トマトソースの相性がよく面白かったです。アナゴの食感に対して、ワインの質感がいいですし、魚の旨みに、揚げ衣の味わいや香りが加わることで、ワインの果実味との相性も良くなっている感じ。また、トマトソースの旨みや酸味甘味、コクといったものが、ワインと魚の味わいの間を取り持ってくれますね、また、チーズとベーコンのキッシュもつまみましたが、相性が良かったのがキッシュのヘリの部分。サクッとしたパイ生地の香ばしさがワインの香りの黒い要素とよく嵌り、何だかコーヒーを飲んでいるような感じに。その他、鶏肉やソーセージなどもいいつまみですし、とくしまマルシェで購入しました日和佐燻製工房さんの沖ボラのスモークなどともいい感じでした。ベルンハルト・フーバーやマルティン・ヴァスマーなど、バーデンのものを中心に最近のドイツのピノ・ノワールはもうブルゴーニュと遜色ない、雰囲気も少しそちらに似た感じのものが増えてきていますが、このワインは、ピノらしさ、完成度の高さは感じさせつつも花っぽい香りや果実味とボディのバランス感など、ドイツワインを強く感じさせてくれるものだったように思います。バーデンとラインガウの違いなのかもしれませんが、中々面白い経験になりました。にほんブログ村
2018年03月13日
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今回は、帰省の際に購入しましたドイツのリースリング。購入先は勿論鳴門市でドイツワインの輸入を行っているドムさんの手掛けるエルムンドさん。ただし、徳島そごう店になります。フィルツェナー・ウルベルト・リースリング・トロッケン2006。生産者アドルフ・シュミットと言いますと、ドムさんとも親しいSMW社の社長でもありますが、こちら個人の名義でされていたワインのようです。なお、その個人名義ワイナリーは現在は息子さんのワイナリーであるケーニッヒ・ヨハンに変わっているようです。ラベルが独特ですが、これは以前に作られた記念ボトルになります。と言うことで、ヴィンテージが2006と古め。価格は、2300円程度でした。色は淡い黄金といった所で、流石に熟成による色の濃さが感じられます。香りは、フルーティさを感じますがカリンやメロン、イチゴなど色々な要素が出ていますし、柑橘っぽさでもスイーティやオレンジといったものが感じられ、色の淡い柑橘の雰囲気はありません。その他、カスタードやガムシロップ、若干のハチミツやミードといったものや、白コショウなど軽いスパイス感、ミネラルといったニュアンスも。味わいは、果実味の印象もありますが、熟成の甘みと言うべきものも出てきている感じ。ただ、酸の印象はやはりしっかりで、強さとシャープさのあるものがビシッと入ります。後口にかけては苦みも少々。ボディはライトですが、密度を感じるものです。ミネラル感もありました。食事との相性では、刺身をつまんだ時が面白く、脂の乗ったブリなんて合いそうと思いきやちょっと生臭みが出てしまいます。一方、マグロの赤身とは抜群で、その鉄っぽい味わいや香りに対し、ワインの酸やミネラル感、濃さのある香りがバッチリ噛み合いました。あとは、鶏肉との相性の良さも印象的で、ローストチキンフライドチキンどちらもOK、味付けとしてはシンプルなものの方がよい、といった感じです。鶏そのものの旨みとワインのやはり酸や旨みの相性がいい他、鉄っぽさを旨みにグッと引き立てる効果もありました。また、豚とアサリのアレンテージョ風ならぬ鶏とアサリのアレンテージョ風をしてみましたが、こちらもいいつまみに。鶏の旨みアサリの旨みにワインの酸が明るい対比感を与えつつ、果実味と旨みか加わりトータルの味わいに深みが出る感じでした。熟成感はしっかり感じられますが、明るく強い酸など、まだフレッシュと言えるような部分もありました。今結構いい飲み頃なのではないかなと思います。にほんブログ村
2018年02月13日
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今回はドイツの赤。シュペートブルグンダー=ピノ・ノワールのものになります。マルクグレーフラーラント・シュペートブルグンダー2015。生産者はマルティン・ヴァスマーです。ドイツのトスカーナとも言われ、現在ベルンハルト・フーバーを筆頭にシュペートンブルグンダーの有力産地となっているバーデンですが、更にその南部にあるのがマルクグレーフラーラントと言う土地で、シュヴァルツバルトからもほど近いようです。ヴァスマーは、そのフーバー醸造所の元醸造責任者だった人物です。砂や泥炭に石灰質が混じる土壌という同地で、シュペートブルグンダーやソーヴィニヨン・ブラン等のワインを手がけています。価格は3500円弱くらいでしたが、楽天内にはありませんでした。インポーターはヘレンベルガーホーフさんなので、じき扱う所が出てくるかもしれません。色は透明度のあるルビーカラーではありますが、黒さと言うか暗さのあるものとなっています。香りは、樽の影響も感じさせるカラメルやココアのニュアンスがありますが、下草やドライハーブっぽさもよく出ています。勿論、フルーツ香もしっかりで、定番の各種赤ベリーっぽさやチェリーといった要素に加え、ブラックベリーや軽い柿といったものも感じられました。その他、茶色いスパイス、黒い土、バラ、紅茶の葉、さらには若干の醤油のような気配などもあったように思います。味わいはバランス型ですが、やや果実味優位といったアタックからの印象です。酸が柔らかで穏やかなものだというのもその辺関係していそうです。また、渋みも後口にかけてじんわりと、アクセント的に感じられるといった所。ボディはなめらかでクリアーさも感じるといった質感のミディアムライト。食事との相性では、焼き鳥をつまんでみましたがこれはもう完璧。モモなら塩でもタレでもいいですし、塩で食べる砂肝も良かったです。肉の旨みとワインの果実味や渋みの相性が間違いなく、塩ならその旨みをより引き出してくれますし、タレなら果実味とタレの甘味が馴染みつつ、香りの相性も良くなる感じ。鴨串なんかも間違いなく、これもタレ塩どちらでも行けますが、肉に力がある分タレだとややワインを上回り、塩の方がよりちょうどいい、ピントの合ったマリアージュになったかもしれません。また、面白かったのが鯖の金山寺味噌漬けというものがあったのでつまんでみたのですが、鯖の脂と味の濃さ、それを引き立て華やかにする味噌の味わいと香りに、ワインの香りのフルーティさや、味わいの各要素が上手くかみ合い鶏肉に負けないいい相性に。青魚とワインの相性はよく探りますが、成程味噌漬けと言うのは今まで試していませんでしたがありですね。このワインも、実は大分前に別ヴィンテージを飲んでいたのですが、その時は開けたてはかなり堅く樽のニュアンスが強く、2日目3日目になるとようやくフルーツが見えてくるといった感じでした。今回は、確かに樽のニュアンスはあるもののかなり大人しく、開けたてからある程度フルーティさを楽しめる、しかし、2日目3日目になっても衰えず、といった感じで、よりエレガントに、しかし懐の深さはそのままといった感じのワインと言う印象でした。ヴァスマーのワインは、他に昨年12月の大阪クリスマスマーケットでソーヴィニヨン・ブランを試飲させて頂き好印象でした。この生産者の名前、覚えておいて損はないかなと思います。にほんブログ村
2018年01月30日
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今回は大分間が空いてしまいましたが帰省した際に飲んだワインです。ドイツワイン祭りで購入した赤になります。ヴァイングート・ベルグクロスター レゲント・トロッケン2014。生産者ベルグクロスターは、ラインヘッセンのヴォンネガウ、ヴェストホーフェンという所に畑を持つワイナリーです。当地ではローマ時代からワイン造りが行われていたそうで、ベルグクロスターの畑のエリアも18世紀にはワイン作りが始まり、当家も家族経営で120年の歴史を持ちます。ドイツでも最近増えている、自然派の生産者です。レゲントとは、シルヴァーナーとミュラートゥルガウの交配品種であるディアナというブドウと、シャンボーソンというこれまた交配品種であるブドウを掛けあわせたブドウで、耐菌性があり自然派な栽培にも向いているのだとか。価格は、3240円程度ですが勿論楽天内には無し。鳴門でご購入下さい^^色は赤さの強い赤黒ないし暗さのあるルビーといったところ。エッジはより明るさのある色合いでした。香りは、ベリー香満載。ラズベリー、クランベリーといった赤ベリーやブルーベリー、それにブルーベリーヨーグルトっぽさといったものが感じられ、それらベリーのジャムのニュアンスも少々ありました。さらに、ダークチェリーやアセロラ、ザクロ、軽い梅ジャムのような雰囲気もあり、基本フルーティです。そこに、カラメルや軽い茶色いスパイス感、下草などの要素が加わってくる感じでした。味わい果実味が軸で、アタックのインパクトもある程度あります。そこに、しっとりも明るい、ちょっと梅っぽい酸や旨みが乗ってきます。また、渋みの存在感は意外としっかりあり、アタックからきっちり感じられ、後口にもじわりと残ります。ただ、舌触りにまで感じられるといったことはなく、ボディはミディアムで、滑らかな口当たりです。まろやかさがありますが、その輪郭はくっきりしている、骨格、というか外骨格を感じるような質感でした。このワイン、興味深かったのが食事との相性です。ケンタッキー・フライド・チキンをつまんだのですが、フライドチキンって白の方が合わせやすく、衣の感じと赤って合いにくい印象でした。しかし、このワインの渋味は衣の香ばしさや脂感に丁度よく、ボディの質感や果実味の出方、さらにフルーティさとスパイス感のバランスなどが、チキンの味わいや肉の繊維感、そして特徴的な香りによく馴染んでくれました。また、今度は醤油味のベーシックなから揚げとも合わせてみますと、こちらとも行けます。醤油ベースの風味が、意外なほどフルーティな香りに合いますし、味わいの相性も良好。他に、ローストビーフなども合せてみましたが、勿論相性はいいものの、鶏とのマリアージュほどのインパクトではなかったかも。サントリー塩尻ワインセミナー懇親会の際、長野名物山賊焼きとベーリーAの相性の良さを感じましたが、それに負けない揚げた鶏との相性の良さでした。ベーリーAとは香りや味わいの要素は勿論異なりますが、それでも「フルーティさのあるミディアムな赤」という点は共通項だと言えそうですし、これが揚げた鶏と相性のいい赤の要素なのかなと。バランスがよく、フルーティでチャーミング、そして食事にも合わせやすいと、非常に好感度の高いワインでした。にほんブログ村
2017年06月02日
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さて、先日のドイツワインセミナーのワインもこれで最後。最後は他の2種類と品種や作りが変わります。フィルツェナー・ケルナー・ファインヘルプ2014。生産者は、前回と同じケーニッヒ・ヨハン名義ですが、ワインメーカーを務めるのは、前回のワインの生産者の方の息子さん、前々回のSMWの代表のお孫さんに当たる方です。まだお若いようですが、既にワイン作りに携わっているというのは流石名産地の名門生産者ですね。こと、ベルンハルト・フーバーしかり、ドイツでは、やはり農地の減少は起こっているものの、若い生産者の台頭の動きが活発なように感じます。セパージュは、ケルナー100%。ドイツではやはりほとんど作られておらず、日本ではむしろ日本ワインの品種としての方が馴染みがあるかもしれませんね。価格は、エルムンドさんで3294円程度のようです。色は、前回のしっかり樽のかかった2010ヴィンテージリースリングほどの濃さではありませんが、ツヤ感のある黄色です。香りはビワやリンゴ、それにマスカット系のニュアンスがよく出ており、そこに、ミカンやライム、スイーティといった柑橘っぽさが加わるフルーティなもの。また、花の蜜的な雰囲気や、若干のアールグレイ的な紅茶のような要素も。加えて、オイリーさ、と言ってもペトロールではなくオリーブオイル的なそれが少々と、緑のハーブの香りも感じられたでしょうか。味わいはファインヘルプ=半辛口ということで、果実味しっかり。甘味の印象があると言っていいと思います。ただ、そこは流石と言うべきか、太さのある明るい酸がビシッと入り、後口にかけて甘味が落ち着くとグッと前に出てきます。ボディは、意外と丸さや柔らかさを感じる質感のミディアムライトといった所。ただ、やわらかな中にも目の詰まった、密度のある印象は受けました。これも、和食系には面白いでしょうね。甘味の部分に着目するなら、砂糖を使った煮物や、関西系のシャリのお寿司などには合わせてみたいところです。あるいは、アナゴなどの甘みのあるタレを用いたネタもいいかもしれません。ただ、結構フレッシュなタイプなので、サラダなど野菜料理もよさそうです。それも、クルトンの香ばしさやチーズのコクで甘みを受け止められるであろうシーザーサラダなんか試したいところ。若しくは、バーニャカウダもいいかもしれません。フルーティさがあり、甘みも感じられますが、しっかりした酸でバランスを取っており、品種こそケルナーですが、日本人の持つドイツワインの味わいのバランスのイメージに非常に近い作りのものだったのではないかなと。あくまで今回飲んだ中で、という事ですが、樽も使っていないようですし、何となく、これも最近のワインの潮流と言えばそうなのかもしれませんが、批評家による評価の影響力が高まる中それに合わせようとしたお父さん世代の樽をしっかり使った造りに対し、ある程度力の抜けた、エレガントさを求めある種お爺さんの世代の造りに回帰するような、そんな造りだったようにも思えました。にほんブログ村
2017年04月01日
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続いてのドイツワインセミナーのワインは、3世代の真ん中の作り手のものになります。フィルツェナー・ウルベルト・クリウス・シュペートレーゼ・トロッケン2010。生産者はケーニッヒ・ヨハン。前回記事にしましたSMWの息子さんが営んでいます。父親とは違うワイン造りをという事でか、別ブランドを立ち上げ、自身でワイン造りを行っています。ただ、そこは流石と言うべきかブドウはやはりモーゼルのものをという事で、場所は同じような場所にあるようです。価格は、エルムンドさんでは3456円くらいのようですが、今回頂いた2010ヴィンテージではなく、現在は2013に変わっているようです。色はツヤのある黄色。黄金感も少しあり、7年の瓶熟の影響もあるでしょうが、前回のものと比べますとかなりしっかりした印象を受けます。香りには、バターやナッツ、カラメルのニュアンスが強く出ており、明らかにかなりしっかり樽を掛けていると感じ。SMWにはその雰囲気は無かったのでここが大きな差でしたね。その樽香と共に、アプリコットや南国フルーツ、オレンジ、キンカンといったフルーツの香りや、マリーゴールドなど黄色い花、ハチミツ、若干のオイリーさ、それにタイムやローズマリー等のハーブっぽさといったものが感じられました。味わいは、シュペートレーゼトロッケンということで密度を感じ、量感のある口当たりが印象的です。ミネラル感もあり骨格も感じますが、そこはやはりサラリとした質感でもあります。ボディとしてはミディアムライトくらいでしょうか。また、アタックには柔らかな果実味がふんわり広がり、それを追って酸がじわじわと前に来る、しかし、果実味の印象が収まるとパッと広がる、といったバランス感でした。後口にかけては苦味も少々。これを食事に合わせるなら、樽のニュアンスを受け止めてくれるものがより好ましそうです。ドイツやオーストリーでは、フライドチキンもよく食べられますが、そういったものなら衣の感じが上手く樽香と馴染みつつ、旨みを引き出し合う関係を築けそうです。ただ、衣がごつすぎるとワインの果実味などの印象が薄れてしまう可能性もあるので、半身の素揚げとか面白いかもしれません。あとは、焼き鳥や焼きトンなどもよさそうですし、カラメルっぽいニュアンスに合いそうな、茶色いソースやキャラメリゼを用いたものなどもいいかもしれませんし、いっそ焼き栗でもつまみながらというのもアリかなと。今回飲んだワインが特にしっかり樽を掛けているものなのかもしれませんが、なるほど、上の世代の古くからのスタイルを維持したワイン造りに対し、パーカーポイントなども意識した、樽を掛けたボリューミーなワインを造りたいというその下の世代、というヨーロッパのワイン造りでよくみられた関係性が、ここにもあったのかなあという印象を受けました。このワイン自体は、流石のバランスの良さはありますが、まだまだ樽香のインパクトがガッツリありますので、もう少し寝かせてみてもいいのかもしれません。にほんブログ村
2017年03月30日
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先日のドイツワインセミナーでのワイン、先ずは3世代のお爺さんが手掛けるワイナリーのワインです。ツェラーペータースボーン・リースリング・ホッホゲヴェックス・トロッケン2013。生産者はSMW。SMW=ザール・モーゼル・ヴィンツァーゼクトという名前の通り、特にゼクトで有名なワイナリーですが、スティルワインも手がけており、こちらはトロッケンになります。トリーアにあり、オーナー=今回試飲した3世代のお爺さんに当たるアドルフ・シュミット氏は、モーゼルワイン醸造組合名誉会長で、元モーゼルワイン生産者協会会長という肩書を持ち、今では一線を退かれているようですが、モーゼルワイン普及のため、全世界を飛び回っています。セパージュは勿論リースリング100%。ホッホゲヴェックスとは、基本モーゼル、今ではより広い地域でも用いられているという独自のランク付けで、QbA基準よりエクスレ度がより高いものに該当します。価格は、エルムンドさんでは2850円位のようです。色は薄い黄色。ただ、薄いながらも軽いツヤ感があります。香りは白桃やアプリコットといったモモ系フルーツや、リンゴ、ライチ、それに軽いミカンやグレープフルーツ、レモンといった柑橘が見えるなどフルーツ感しっかり。しかし、ハチミツやナッツを思わせるニュアンスや、ハーブ、白い花、微かな白コショウっぽさといったようなものも見え、フルーティさを強く感じる、というよりは複雑な雰囲気を感じさせます。味わいは、トロッケンという事でやはり辛口。果実味は繊細で、インパクトとしてはやはり酸が前に来ます。その酸は旨みを伴いつつも明るく、量の多さを感じさせるものでした。また、後口にかけては少々の苦味も。ボディはライトボディで滑らかさのあるものですが、相応の丸さや軽いハリといったものは感じられました。ミネラリーな骨格のあるものですね。今回は食事には合わせませんでしたが、やはり和食との相性はいい、というお話を伺う事が出来ました。私としても、やはり白身魚やイカ、エビ、カニなどのお寿司や、同じような食材の刺身、レンコン饅頭やしんじょなどのお椀などと合わせてみたいところ。特に、椀物は、練り物は勿論、出汁との相性も興味深いところ。或いは、まさに今の季節ですが春野菜や山菜などの天ぷらあたりもよさそうです。しっかりした香りと明るい酸味で、ハツラツ感がありつつも、その柔らかさやバランスの良さ、繊細な果実味が、ただフレッシュなだけではない印象も与えてくれます。このワインは、まさに和食と合わせて楽しみたいワインという感覚でした。逆に、ドイツではこれをどういった食事と楽しむのか、今度是非聞いてみたいところです。にほんブログ村
2017年03月28日
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今回はようやく年明け後のワインです^^;今年のお正月はこのワインでした。リースリング・シュペートレーゼトロッケン2002。生産者はプリンツ・フォン・ヘッセンです。ドイツ・ラインガウ地方のヨハニスベルクにある、その起源をたどれば13世紀まで遡るという歴史ある醸造所です。かつては、ヘッセンの王室醸造所でもあったのだとか。また、栽培品種の8割以上はリースリングで、所有する畑の多くは特級に属するそうです。因みに、このワイナリー発祥という訳ではないのですが、遅摘み収穫=シュペートレーゼという手法の発祥の地はラインガウ地方なのだとか。価格は3800円程度でしたが、バックヴィンテージという事で当然楽天内にはありません。といいますか、このワイナリーのワイン自体が楽天内にはなさそうです。色はツヤのある黄色ないし薄めの黄金といったところで、流石に熟成を感じます。香りはビスケットやブリオッシュ、それに少々のカステラ?のような雰囲気が。そこに、ハチミツや蜜蝋、それに若干のミードっぽさといったものも加わり、どこかヴィンテージシャンパンのような印象も。オイリーさもありますが、それが際立つという事ではなく、蜜っぽさの中に少し垣間見える程度です。その他、リンゴやミカン、アプリコットといったフルーツ感もある程度あります他、ミネラルや多少のホースラディッシュ的なニュアンスも。味わいはバランスが見事。最初果実味のアタックがありますが、それは柔らかく繊細なもので、明るく力のある、しかし量は程々で果実味を塗りつぶすようなことはない酸がパッと広がり、全体的に非常に盃が進んでしまう味わいとなっています。また、ミディアムライトで、ハリやしなやかさ、ミネラル感を感じるボディも、そのついつい飲んでしまうことの一要因となっています。あくまで滑らか、岩清水的なクリアーさを感じるものです。お節料理をつまみながら飲みましたが、合わないかなと感じたのは唯一数の子だけでした。数の事は生臭みが出てしまいます。ただ、同じ魚卵でも鯛の子の煮つけやイクラの乗った紅白なますとは相性が良かったので、この辺数の子の特殊性なのでしょうか。中でもよかったのは、茹でエビ、蒸し鮑といった、味のしっかりした、そしてその味わいをダイレクトに楽しめる魚貝類や、煮しめ、昆布、それに意外と田作りといったあたり。魚貝の旨み甘味に対してはワインの果実味がよく合いますし、何方も香りの相性も良かったです。煮しめ系は、やはりその甘味がワインの果実味や酸とよく調和するといった感じでしたね。田作りを合わせても臭みなど出ず、旨みを引き出してくれる感じさえあったのは興味深いところでした。その他、ローストビーフや鶏肉の西京焼きなど、肉類とも問題なく行けますね。15年弱の熟成を経て、非常にキレイでバランスのいい、飲み頃と言っていい状態だったかなと思います。普段、どんなにいいワインでもまあ2日か3日は掛けて飲むのですが、このワインは気付いたら空でした^^;流石にこれだけ熟成したこのワインを飲めることはもう無いでしょうし、ちょっと残念でしたが、それだけ素晴らしいワインだったことは間違いありません。にほんブログ村
2017年01月17日
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今回もやっぱり白です。暑い日が続きますもんね^^;帰省時に飲んだワインですが、記事にするのを忘れておりましたので今頃です。リースリング・ハルプトロッケン2015。生産者はヴァイングート・ケスラー。ラインガウのワイナリーで、250年の歴史を持つ家族経営の作り手であること、マルティンスタール村のヴィルトゾー=イノシシという名前の畑を所有していること、ワイナリーには食事の出来るワインガーデンがあることなどは分かりましたが、詳細は不明。徳島に帰省した際、鳴門のエルムンドさんで購入した、同社の自社輸入銘柄になります。価格は、2500円程度。恐らく国内では今のところエルムンドさんでしか買えないでしょう。色は薄い黄色。といいましても、全く透明という感じではなく輝きを感じる色合いです。香りはまさにリースリングな感じで、リンゴ、レモン、グレープフルーツ、軽いミカンといったフルーツや少々のメロンないしウリ科の植物っぽさといったものが感じられ、さらに軽いオイリーさをまとった蜜のニュアンスが加わります。その他、白い花や微かな白コショウ、遠くにに乾燥ハーブ等も感じられ、さらにミネラル、石っぽいそれが全体の印象にくっきりとした陰影を付けてくれます。味わいはハルプトロッケンという事で甘味は感じますが、それよりもライトボディながらしっかりしたミネラル感、ハリと硬質感を感じる質感、それに明るくシャープ、しかし骨太な酸味がバッチリ存在感を見せ、全体としては結構辛口よりでしょうか。若々しさ、フレッシュさを感じるものの、現時点でもバランスは非常にいいですね。食事との相性では、これは地元帰省時に飲んだので、KOYAのミートパイをつまみにしてみました。パイの肉の素朴な旨みや記事のパリッとした味わいと油分をワインが綺麗に流し口をクリアーにしてくれました。ただ、そこまでマリアージュする!という程ではなかったでしょうか。一方、焼ハモと山椒の和風サラダや握り寿司といった和風なものにはバッチリ。鱧のあっさりしていながらも強い味わいや食感にワインの酸とミネラル、そして硬質さがよく合いますし、山椒のさっぱりした香りと辛みにワインの香りや甘味がこれまた馴染みます。また、野菜はレタスやキュウリなどでしたが、それらのみずみずしい甘みが合わないはずも無し。お寿司も、まず甘みのあるシャリの味わいがワインの酸や甘味に馴染むという大前提があります。ネタもアナゴやサーモンなど脂の乗ったものから、鯛やエビなどの甘みのあるものまで何でもござれです。実は、このワインは昨年2012ヴィンテージを飲んで気に入り、1日ワインバーでも使わせてもらったことがあります。その2012はやはり熟成が多少進んでいたのでしょう、このワインはそれと比べますと酸やミネラルがまだまだ鋭角な印象。ただ、それが逆にこの暑い時期によく冷やして飲むには良い感じだったりもします。勿論、このワインももう少し寝かせてからですと多少まったりまろやかな世界観を見せてくれるのかなと思います。にほんブログ村
2016年07月25日
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今回も勿論3月のコスパワイン会のワインです。ドイツの辛口リースリングになります。オーバーヴィーゼラー・リースリング・トロッケン2013。生産者はゴスヴィン・ランブリッヒ。ミッテルラインのワイナリーです。輸入元は、鳴門市にありますエルムンドさんで、エルムンドさんはSMWと仲がいい事から、こちらのワインもSMWの紹介かも知れません。価格は、2610円ですがサイズが1リットルボトルになります。楽天内にはもちろん扱いはありません。写真につきましては、個別に撮っていたのですがメモリーカードのデータが壊れてしまい、集合写真しかありませんm(__)m左から2番目のものになります(先日のドイツワインの写真が無いのもそのためです)。色は薄めながらもある程度黄色と分かるレベルの黄色、といったところでしょうか。香りはブリオッシュやクレームブリュレ、カラメルといった、香ばしさと甘さのあるニュアンスがよく出ていました。そこに、焼リンゴや蜜入りリンゴ、それにグレープフルーツやミカンといった柑橘などのフルーツ感が加わり、さらに黄色い花や濡れた石的なミネラルのニュアンスが入るといった感じでしょうか。味わいは、バランス的にはトロッケンですし辛口と言っていいものとなっていますが、柔らかくも力のある果実味が軸ではあります。そこに、明るくフレッシュな酸がキッチリ入る、しかも、量もある程度のものがある、といったバランスです。ボディはライトですが、ミネラル感があり、ある程度の膨らみやハリも感じるものとなっています。会では、ハムを色々頂きましたがどれともいい相性でした。ハムの持つ塩気や旨み、そして独特の香りに、ワインの果実味や酸のバランスがよく馴染む感じです。単独で飲んでも美味しいタイプですし、食事にもいろいろ合わせられそうです。和食系には間違いなさそうで、レンコン饅頭などを使った椀物、お刺身、焼き魚と何でもござれなタイプでしょう。また、洋な料理との相性も期待でき、フレンチでもイタリアンでも面白そうです。赤身のお肉などには難しいでしょうが、魚料理や前菜的なもの、白ワインの綺麗さが活きそうなお料理には色々試せそうです。今回、実は飲食店の方にもご参加いただいたのですが、トータルで一番評判が良かったのはもしかしたらこのワインかもしれません。味わいのバランスがよく、それでいて香りに華やかさがあり、どんなシーンで誰が飲んでも好感を得られやすいタイプではないかなと思います。1リットルワインですが、完成度は相当なものかなと。2600円という価格にも十分うなずける1本でした。ご興味お持ちくださった方は、是非阿波踊りの時期にでも鳴門へお出になられてみてください^^にほんブログ村
2016年05月18日
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さて、先日のフーバーメーカーズディナーのワインもこれで最後。トリも勿論シュペートブルグンダー。シュペートブルグンダー・アルテ・レーベン2003。アルテ・レーベンという表記はドイツ語圏のワインに時折見られますが、これは古木という意味。さらに、フーバー醸造所においてはワインのランクを見ることも出来、醸造所名入りのみのもの、村名入り、アルテ・レーベン、そして畑名入りの特級という風に分かれています。アルテ・レーベンは、さしずめ一級クラスといったところでしょうか。マルターディンゲン、ヘックリンゲン、ボンバッハという3つの村の古木、それも条件がよく、収量制限された畑の古木のブドウのみを使用しています。価格は、楽天内では写真のお店で11016円。送料込みだそうです。色はピノ・ノワールらしいルビーです。13年の熟成のおかげか、透明度もしっかり。エッジにかけては少しガーネットも見えたでしょうか。香りは茶色いスパイスやオリエンタルハーブ系のニュアンスがあります。ただ、赤いフルーツのニュアンスは13年の熟成を経てもまだまだ健在で、ラズベリー等のベリーフルーツや、アセロラ的な要素がよく出ていました。また、より色の黄色い野イチゴのような雰囲気も。その他、黒い土や少々の朽木、さらには黒蜜的な黒い香りも感じ取れたでしょうか。味わいは柔らかく繊細な果実味が、旨みを伴ってほんのりと広がります。酸はしっとりとしたタイプで、果実味や旨みとともにこちらも繊細に広がる感じ。後口にかけて少々渋みの印象も。ボディは丸さを感じる、まろやかなミディアムライトといった所でしょうか。ボディまで含めて、非常にバランスのいいタイプです。会では、タイミング的にお造りをつまむことになったのですがこれが中々どうして行けちゃいます。生臭み等全く出ず、魚やエビの旨み、甘みに対し、ワインの果実味がそこそこ馴染みます。勿論、抜群のマリアージュ、という訳にはいきませんが、赤ワインを飲みながら、醤油をつけたお造りで口を変えられるというのはおもしろい経験になりました。ただ、相性としては、やはり鶏のつみれ焼きでしょうね。鶏の旨みに、ワインの果実味と旨みやボディの質感がよく馴染んでくれました。バランスのいいワインだからこそ、日本料理で食べる鶏肉との相性は非常によさそうです。13年経っていい状態であるのは間違いないと思いますが、まだ熟成十分行けそうです。今飲んでも間違いなく美味しいので、中々難しいところはあるかもしれませんが^^;にほんブログ村
2016年05月14日
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先日のフーバーワインメーカーズディナーのワイン、赤は2種類でしたが、今回はそのうちの一つです。シュペートブルグンダー”H”QBAトロッケン2009マグナム。こちらも、Hということでヘレンベルガー・ホーフさん用の特別なキュヴェとなります。先代ベルンハルトは、2008年にゴー・ミヨの最優秀醸造家賞を受賞しており、これはその翌年のものになりますね。ヴィンテージとしては、2009は良い年だったそうです。セパージュは、勿論シュペートブルグンダー=ピノ・ノワール100%。現在では、ワイナリーにおける実に栽培品種の7割がこの品種になるそうです。価格は、楽天内では写真のお店で10800円。まだ残っていたことは奇跡でしょうね。色はルビーカラー。ただ、ちょっと暗さ、黒さは感じるものです。香りは黒コショウや茶色いオリエンタル系などのスパイスのニュアンスが印象的でした。そこに、イチゴやラズベリー等の赤ベリー、それら赤ベリーのものやマンゴー、イチジクといったフルーツのドライフルーツ、チェリー等のフルーツ感が加わります。また、ゴボウ的な根菜や黒い土っぽさといった要素も。味わいは流石に良い年のマグナムボトルというだけあって、7年経っていてもまだまだ果実味の印象がキッチリありあります。そこから、明るい酸と落ち着いた渋みが出て来てトータルバランスが整えられています。ボディはミディアムライトくらいでしょうか。丸さやまろやかさが感じられる口当たりでした。会では、風呂吹き大根+味噌だれと、レンコン饅頭に合わせてみました。大根とは、出汁で炊かれた大根だけではまあ可もなく不可もなくといったところですが、赤味噌ベースのタレを一緒に頂きますと相性抜群。味噌だれの甘みとコク、そして独特の香りにダシの旨みが合わさった味わいに、ワインの果実味や土系の香り、ドライフルーツの香りが嵌っていました。また、酸と渋みが加わることでマリアージュに締りも出ますね。レンコン饅頭ともいい感じ。味噌だれ程ではありませんが、饅頭が揚げてあることで出てくるコクや香りに、ワインのしっかりした味わいやこスパイス感などが馴染む感じでした。味わいも、勿論バランスがよく落ち着いたものですが、それでも果実味と酸の印象は十分ありましたし、香りも、各要素は優しいものですが、余韻も長く、割と華やかさも感じられ、まだまだ元気さあったかなと。良年のマグナムボトルであるという事は勿論ですが、やはりこのワイナリーの、しかも良い畑のブドウが使われているからこそという部分は間違いないでしょうね。よいワインでした。にほんブログ村
2016年05月12日
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さて、フーバーのメーカーズディナーで頂いたワイン、続いてはヴァイサーブルグンダー=ピノ・ブランです。マルターディンガー・ビーネンベルク”H”ヴァイサーブルグンダー・トロッケン2013。マルターディンガー・ビーネンベルクとはマルターディンゲン村のビーネンベルク畑という意味です。フーバーの所有する畑の中では最も面積が広く、グラン・クリュも多いです。このHは特別なキュヴェで、ヘレンベルガー・ホーフさんのために特別に確保された畑のブドウから作られるワインで、バリッククラブに参加していないと手に入らないものだそう。ただ、バリッククラブ加盟の酒屋さんでは購入可能です。楽天内でも、写真のお店で3780円です。色はやや薄目の黄色といったところ。香りは白コショウっぽいニュアンスや、蜜っぽさ、ナッツといった要素も。また、それらの要素が相まってか、ホワイトチョコのような雰囲気も感じられました。加えて、白い花やコショウ以外のスパイス、根菜っぽい土系の印象もあります。その他は、やはりフルーツ。洋ナシ、リンゴ、メロンといったものの他、柑橘としてはミカン的な温かみのある黄色のしっかりしたものの印象を受けました。味わいは果実味が軸。アタックに印象をしっかり残します。そこに、後から乳酸系の明るい酸がグッと出て来て、旨みや後口の軽い苦みと共に味わいの奥行やバランスを作っているという感じでしょうか。ボディはミディアムライト。意外と柔らかな質感で、膨らみを感じます。会では、前菜や茶わん蒸し、それに後半に残しておいてグラタンと合わせてみました。前菜3品と茶わん蒸しとの相性に関しましては、まあ喧嘩はしないといったところでしょうか。茶わん蒸しの海老や、前菜の青菜のお浸しとは、香りや甘味の相性の良さが見られたようにも思います。グラタンとの相性はバッチリ。ワインの香りの濃いニュアンスや、果実味を軸とした味わいが、グラタンのチーズやソースとよく合います。フーバーのヴァイサーブルグンダーも、以前飲んだことがあったのですが、力強く、樽もしっかりという印象でした。こちらは、3年経っていることもあるのでしょうが、より落ち着いた、フルーツのニュアンスや柔らかな味わいを感じられるワインでした。バランス感に優れ、飲み飽きないこのワイナリーのらしさを感じられるワインであると思います。にほんブログ村
2016年05月10日
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今回はドイツの白。甘味のある造りで、ドイツ独特の掛け合わせ系品種の1本です。ヴュルツァー・カビネット2013。生産者ショットはナーエのワイナリー。創業500年になる老舗ですが、所有する畑は15ヘクタールと決して大きくはない、家族経営の作り手です。フレッシュでフルーティな、日本でイメージされるザ・ドイツワインなスタイルのワインを作っています。セパージュは、ヴュルツァー100%。この品種は、ゲヴュルツトラミナーとミュラー・トゥルガウの交配品種になります。価格は、写真のお店で2900円。色は極薄いです。微かに黄色感あるかなといったくらい。香りは、グリーンハーブや芝系のグラッシーな雰囲気があります。そこに、白コショウっぽさなどの軽いスパイス感が加わります。ただ、メインはやっぱりフルーティさ。白桃やパイナップル、マスカット、それにスイーティやライム、カボスといった緑の柑橘の要素がよく出ています。また、ミツや蜜豆のようなニュアンスも。味わいは甘味しっかり。そこに、明るい酸が入り、甘酸っぱい感じです。べたつかず、後口さっぱりなのはこの酸のおかげでしょうね。ボディはライト。質感としては柔らかい感じでさらっとしています。ミネラル感でゴツゴツ、といったタイプではありませんね。基本的に甘さと酸味のバランス、そして華やかな香りを楽しめるので、つまみなしでもどんどん飲めてしまいます。そんなわけで、今回は、先日のアタマイの時にもつまんだ大根の千枚漬けとリンゴのヨーグルトサラダ、それと白カビチーズのブリー・ド・モーをつまんだくらいですが、どちらもよく合いました。ヨーグルトとマスタードによってまろやかになったリンゴの甘み、大根の塩気や旨みに対し、ワインの甘みが映えますし、奥にある旨みも引き出される感じです。また、大根やリンゴの香りと、ワインのフルーティさの間に共通項もあったかなあと。ブリーとは間違いないですね。クリーミーさと甘さ、フルーティな香りがよく馴染みます。華やかで親しみやすいワインです。ただ、甘さと酸のバランスはいいところを突いており、ただの甘くておいしいワインではないなと。にほんブログ村
2016年01月21日
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今回もまたドイツです。ラインヘッセンの赤になります。ザンクト・ローレント・ヴェストホーフェナー・アウレルデ2013。生産者はベルグクロスター。このワイン、鳴門市のドイツワインの輸入・販売店であるエルムンド扱いで、実は同社が最近日本に初輸入したという銘柄です。ということで、生産者についてもよくわからなかったのですが^^;、ラインヘッセン南部のヴォンネガウという地域で、120年以上の歴史を持つ家族経営のワイナリーで、栽培や醸造では自然派なアプローチをしている、畑は9ヘクタールほどで、ヴェストホーフェンというドイツでも暑いエリアにあり、本ワインのブドウが作られているアウレルデという畑はレス土壌に石灰が混じる、というようなことは分かりました。セパージュはザンクト・ローレント100%。オーストリーではよく見ますが、ドイツで作られているものは初めてでした。価格は3800円程度ですが、楽天内に扱いは無し。鳴門のエルムンドさん以外では手に入らないのかも。色は赤黒く、エッジには紫を感じます。若々しいですね。香りは、開けて直ぐはブラックベリーや茶色いスパイス、それにヨードっぽさといった要素が強めだったでしょうか。しかし、時間と共にココアやチョコ、ベリーでも、黒ベリーを残しつつも赤ベリーやそのジャムっぽさが出てきて、さらに、ダークチェリーやプラム、アセロラといったフルーツも感じられるようになりました。また、軽いヤマモモ、ハーブといったものも。味わいは、酸の印象がメイン。小さな赤い果実的な名前とそれがキュンキュン来ます。果実味は繊細で、明るい酸の後ろにほんのりと広がる感じ。旨味を伴いますね。タンニンは程ほど。渋味の印象はありますが、後口にかけてアクセント程度でしょうか。ボディは、ミネラル感があってクリアーさ、タイトさを感じるミディアムボディです。食事との相性では、魚系と良かったのが印象的でした。これにも、エンガワの握りを合わせてみましたが、エンガワの脂感とワインの果実味、タンニンがよくはまりますし、脂の乗った旨味とシャリの味わいに、酸もいい感じでした。また、同じく脂の乗った魚で、ブリを合わせてもよかったです。ブリの脂や旨味に、ワインの味わいの各要素がちょうどいといった印象。これが、脂たっぷりの牛肉辺りですと、肉の力の方が強すぎるかもしれません。その他、ピッツァマルゲリータも中々。トマトの酸や甘み、コク、チーズの円やかさに、ワインの果実感やタンニンの相性のよさを感じました。ザンクト・ローレントはピノ・ノワールの親戚とのことですが、なるほど、酸や果実のバランス感など、ちょっとそれを感じさせるところがあったかと思います。勿論、香りの印象など全体的には独特のワインなのですが、時間が経って開いてからの雰囲気などは割と取っつきやすいところあるかもしれません。にほんブログ村「ワインモア」でこの記事を チェック!
2015年06月30日
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既に終わったつもりだった帰省がらみのネタですが、一つすっかり忘れていました^^;地元の会社が輸入しているドイツワインの、特別ラベルのものです。第九ワイン・ロゼ。生産者はSMW。モーゼル地区のワイナリーで、SMW=ザール・モーゼル・ヴィンツァーゼクトの名前の通りゼクトを多く生産していますが、勿論スティルワインも手がけています。同社のオーナーであるアドルフ・シュミット氏は、同地区の生産者協会の会長も務められた方で、現在は奥様と共に世界中で同社のワインのプロモーションを行われています。セパージュは、シュペートブルグンダー100%。価格は2000円程度ですが、購入できるのは徳島県鳴門市のエルムンドくらいのものでしょう。エルムンドではSMWと協力関係にあり、同社のワインを中心に、幾つかのワインを自社輸入されている他、ヘレンベルガー・ホーフのワインも少し取り扱っていらっしゃいます。色はややガーネット感も感じる、赤みのあるピンクです。この品種のロゼにはよくある感じですね。香りも典型的なベリー満載のもの。ラズベリー、クランベリー、ストロベリー、それに、それらのドライフルーツといった要素をよく感じました。そこに、チェリーっぽさやピンクグレープフルーツ、ほんの少しのスイカっぽさ?といったものが加わります。その他、ミネラルもありますし、ピンクペッパー的なスパイス感も。ちょっと意外だったのが、軽くですが黒蜜的な濃いニュアンスも感じられたこと。味わいはやや甘口くらいの印象。明るくシャープな酸がビシッと真ん中にあるのですが、その周りを柔らかな甘みが包み込んでいるといったバランスでした。渋み、タンニンのインパクトといったものはほぼ無し。ミネラル感もありますが、丸さや柔らかさを感じるライトボディな感じでした。食事との相性は、白ワイン的な感じで間違いない印象。シーフードサラダに合わせますと、サーモンや蛸といった具材にはバッチリはまります。サーモンとは、ワインの甘み甘みと魚の甘み、それに脂感がよく馴染みますし、タコとは意外と香りの相性がいいようで、ベリー感の中にある仄かな青さとタコの質感、香りがマッチする感じでした。また、鶏肉にもいい感じ。油のキツイ調理法には向かないでしょうが、今回、焼き鳥と合わせたところ、塩味のモモや軟骨とでは、串の塩気+旨みにワインの果実味+酸がいい対比でした。その一方で、香りの面では鶏肉に違和感なく寄り添ってくれます。また、タレでも、今回頂いたのは甘みの少ない醤油感の強いタレだったのですが、鴨串をつまみますとタレ、鴨の滋味、ワインの香味とこれまたスッと馴染む感じで面白かったですね。鳴門市は日本で初めてベートーヴェンの第九が演奏されたところということで、こういったラベルのワインが作られています。他に、白、赤とあり、何れも2000円程度と手ごろな価格。鳴門のお土産にも最適ですね。ただ、ワインとしてのクオリティは決して侮るなかれ、といったところ。ドイツワインとしてのポイントはきっちり抑えられており、食事にもよく合ういいワインでした。にほんブログ村「ワインモア」でこの記事をチェック!
2015年02月02日
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今回はドイツの甘口です。シュペートレーゼは酸と甘みのバランスが結構作り手やヴィンテージによって違いますが、こちらは甘み重視系。シャルツホーフベルガー・リースリング・シュペートレーゼ2009。生産者トリアー慈善連合組合は、トリアーの街にあった慈善院や養老院などが、1794年、ナポレオンの命により一つにまとまったものです。ワイン醸造は、その中の、中世からワイン作りを行っていたという聖ヤコブス病院が母体です。55ヘクタールの畑を、ザールを中心に所有していますが、本ワインはモーゼルの最銘醸畑とも言えるシャルツホーフベルグのブドウを使用しています。価格は、写真のお店で3394円。色は薄い黄色。ツヤ感は感じますが、そこまでまだ濃い色合いではありません。香りは、蜜入りリンゴや花の蜜、ハチミツといった蜜の甘いニュアンスがよく出ています。そこに、マスカット的なブドウや、それに連なる感じで白コショウなどのスパイス、乾燥ハーブ、ミネラルといった要素が感じられました。また、フルーツ感では、柑橘っぽさも結構あり、ミカンやグレープフルーツ系のそれがありますね。味わいは、甘口ですから当然甘味しっかり。重心低目のしっかりした甘味です。酸も勿論ありますが、リンゴ酸系の明るい酸が甘みの後ろにきらりと光る、といった感じで前にガンガン来るタイプではありません。主役はあくまで甘味ですね。ボディはミディアム程度。エキス分、グリスがあり、さらに甘い等級のような重さはありませんが、目の詰まった質感ではあります。貴腐ワインやアイスワインほどの甘みではありませんので、砂糖の利いた和食や、甘味と酸味のあるフルーツソースの肉料理等には合わせられるのではと思います。ただ、今回は大人しくチーズをつまむ程度にしておきました。フルムダンベールのようなバランスのいいブルーチーズはいいつまみでした。また、エーデル・ピルツケーゼのようなクリーミーなタイプもよさそう。目の詰まった感じ、しっかりした甘味などは、やはりシャルツホーフベルグの力という事でしょうか。2009と多少時間の経過したワインではありますが、まだまだ熟成もいけそうな感じです。にほんブログ村「ワインモア」でこの記事をチェック!
2014年10月25日
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今回は、秋の夜長には最適なドイツの甘口ワインです。パオリンスベルク・リースリング・シュペートレーゼ2010。生産者パオリンスホーフはモーゼルのケステンという土地のワイナリーです。その起源は936年の修道院まで遡るという歴史ある畑ですが、なんと最大斜度は70度というものすごい環境にあります。デボン紀の土壌でリースリング専門にやっているようです。ゴー・ミヨの評価は高く、地域第3位となっています。価格は、写真のお店で3800円。色は青みがかった黄色。デザートワイン的な濃い色合いではなく、白ワインらしさのあるものです。香りは、花の蜜やハチミツといった蜜っぽさ、それにリンゴやオレンジといったフルーツ、加えて、軽い貴腐感といったらしい要素が感じられます。ただ、そこは流石モーゼル第3位というべきか、甘いニュアンスだけではなく、モーゼルのリースリングらしい鉱物的なミネラリーさや、白コショウなどのスパイス、微かなハーブ、それに白い花といったものも感じられました。味わいは、シュペートレーゼという事で当然甘味があります。残糖の甘みをきっちり感じますが、むしろ主役は酸。シャープで明るく、かつ強さのある酸がメインで、甘みよりも前に来ます。この辺はかなり驚きのバランスでした。ボディはミディアム程度ですが、デザートワイン的なとろみの強いものではなく、ミネラル感キッチリの硬質さすら感じるような質感となっていました。今回は、特段料理には合わせず、ロックフォールをつまんだ程度ですが、酸基調の味わいにはちょっとミルク感が強い位だったかもしれません。勿論、甘みもありますし、香りの蜜っぽさ等もあって合わないわけではないのですが。寧ろ、これは砂糖を使った煮物や押し寿司などの方が面白いかもしれません。また、鶏料理などと白ワイン的に、かつ、塩気との対比など、甘みをアクセントとして使えるようなマリアージュを模索してみてもよさそうです。しっかり甘口、と思って飲んだのですが、流石はモーゼルという酸味がシッカリの味わいでした。ワイン的にまだまだ若いのでしょうね。この酸が落ち着いたときにどんな表情を見せるのか、大変気になるワインでした。勿論、今の段階でもフレッシュで美味しいのですが^^にほんブログ村「ワインモア」でこの記事をチェック!
2014年09月17日
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今回はドイツのゲヴュルツトラミナーです。最近、ドイツではこの品種の生産量が減っているのだとか。ゲヴュルツトラミナー・シュペートレーゼ2011。生産者シャーレスはラインヘッセンのワイナリーです。1783年創業で家族経営、と言いますと老舗の小さな作り手を想像しがちですが、こちらはなんと60ヘクタールもの広大な畑を所有しています。リースリングなどのドイツ系品種の他、カベルネ・ソーヴィニヨンやソーヴィニヨン・ブランなどのブドウや、カベルネ・ドルサ、リースラーナーといった交配品種まで、かなり多様なブドウを栽培しており、比較的低価格帯のワインをリリースしていることが特徴的です。価格は、写真のお店で2500円ですが、お店では2008ヴィンテージもあるようです。色は、甘口ですがまだ若いワインという事でか、極薄い黄色です。香りは、ライチっぽさが中心。フルーティで、他にリンゴやマスカット、それに若干の南国系黄色いフルーツ的な要素もあったでしょうか。また、ゲヴュルツらしいスパイシーさも勿論あって、白コショウやクミンシード的なニュアンスを感じました。その他、タイム等のハーブっぽさや、若干のアロエのような雰囲気も感じました。味わいは、シュペートレーゼという事でしっかり甘口。穏やかで丸く、膨らみのあるミディアムライトなボディと相まって、ほっこりする感じです。ただ、そこはやはりドイツワイン、明るく強さのある酸が、あまり量は多くないですが甘みやまろやかさの真ん中に閃光のようにピッと入って来ます。ミネラル感は程々。硬質な印象は受けませんでした。ドイツの甘口ゲヴュルツということで、お手頃なババリアブルーをつまんでみましたがやはり行けます。クリーミーさに甘さやフルーティさが合いますし、ブルーのニュアンスにはワインのスパイシーさと甘さが深みを与える嵌り方です。また、近所のスーパーにタコやサーモンとパプリカなどの野菜を使った、ジュレポン酢のサラダがあったのでつまんでみますと、魚介の旨み、また、サーモンに関しては脂も、ワインに行けますし、パプリカの香りやその他野菜類の甘さと、ワインの香り、甘みの相性も良好でした。ゲヴュルツトラミナーらしさはきっちりありますが、アルザスやアルト・アディジェのものと比べますとよりフルーティさが強く、甘さも相まって飲みやすさには秀でているように感じました。暑い時期によく冷やして、甘さとフルーティさで疲れを癒せるワインですし、スパイシーさのおかげで食事との相性も面白いワインでもあると思います。にほんブログ村「ワインモア」でこの記事をチェック!
2014年08月06日
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ここ2回ほど、暑い時期にもかかわらずフルボディな赤だったという事で^^;、今回は夏場にも冷やして美味しいドイツの白です。ユルツィガー・ヴュルツガルテン・リースリング2012。生産者はカール・エルベスです。ドイツ、モーゼルで1967年に創業したワイナリーになります。現在は2代目が引き継いでいます。所有する、ユルツィガー・ヴュルツガルテンとエルデナ^-・トレプヒェンはいずれもモーゼルらしい相当な急斜面で、滑落に注意が必要です。栽培品種はすべてリースリングで、肥料は与えていますが全て有機肥料とのこと。価格は、写真のお店で1382円と中々にお手頃系です。色は極薄い黄色。レモン果汁系の色合いです。香りはレモンやグレープフルーツ系の黄色い柑橘のニュアンスや、マスカットのような爽やかなブドウの香りを感じます。また、そこに微かながらダージリン的な紅茶っぽい要素も加わります。さらに、蜜っぽさや蜜入りリンゴ、石っぽいミネラルや白コショウ的な軽いスパイス感も。石油香は感じませんでした。味わいは、きっちり甘みを感じます。糖が軸ですね。酸は明るく軽快なものです。甘味のインパクトの後から、軽い苦みや旨みと共に、後口にかけて支配的となってくる感じです。ボディはライト。ただ、ミネラル感や程々のエキス分があり、軽快な酸と相まって爽やかな硬質感があります。度数も9.5度程度という事で、よく冷やしてすいすい飲めてしまいます。つまんだのはお寿司やタコのマリネですが、やはり酢飯や野菜の甘みとワインの甘みがよく合いますね。また、寿司ネタ、特に白いものの旨みや甘味とワインの旨みやミネラル感がいいですね。タコとも、塩気や旨みがいい具合に味を変えてくれる感じでした。旨さを感じる甘みに爽やかな酸、そして質感と、暑い時期にもスッキリ美味しくいただけます。ただ、スイスイ頂けてしまうのは、ただ爽やかなだけではなく、バランスの良さや緻密さといった部分があるからだともいえるでしょう。コストパフォーマンスの高いワインでした。にほんブログ村「ワインモア」でこの記事をチェック!
2014年07月31日
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今回は、ドイツの白。先日、鳴門市ドイツ館のドイツワイン祭りに行った際に購入したワインになります。オーバーヴェゼーラー・リースリング・ホッホゲヴェックス・トロッケン2012。生産者はゴスヴィン・ランブリッヒという、ミッテルラインのワイナリーです。2015年で設立40周年という、まだ新しい作り手。詳細はよくわかりませんでしたが、リースリングの他ピノ・ブラン、シュペートブルグンダー、ドルンフェルダー、カベルネ・ドルサといった品種を栽培していること、ワイナリーにワインバーが併設されており、このワイナリーのワインやお料理なども頂けるという事はわかりました。このワインは、ドイツ館のミュージアムショップのワインを輸入しているドムという会社のオリジナルアイテムですので、調べても他に扱いがあるところはないようです。価格は、3186円でした。色は薄い黄色。レモネード系のドイツのリースリングの若いやつ感バッチリです。香りは、リンゴや蜜っぽさといったリースリングらしさをバッチリ感じるもの。加えて、グレープフルーツや軽いレモンといった黄色い柑橘、それにスウィーティのような緑系の甘い柑橘といったもの、少々のパイナップルっぽさ等が感じられ、さらに、らしい鉱物っぽさ(ちょっと重め?)や軽いオイリーさ、それに微かなカラメル的ニュアンスといったものも感じられました。味わいは、トロッケン表記という事で辛口に分類されるものではありますが、果実味の膨らみは結構あります。開けたては微発泡しており、太さとシャープさを併せ持つ酸が前面に出ていますが、時間と共に果実味の影響力も増してくる感じです。また、ミネラル感やエキス分も十分で、クリアーさはあるもののそこまで軽いというわけではなく、ミディアム位のボディはありました。食事との相性では、やはりお寿司は間違いなし。特に、イカやエビとは鉄板で、ネタの甘み、シャリの甘み、ワインの果実味、ミネラル感、そして酸とすべてが調和しつつ、味わいの陰影はよりはっきりし立体感が生まれるといったところ。また、お寿司ですと巻物系にもよく、どうやらノリとワインの香りの相性がいいようでした。その他、シンプルなキッシュロレーヌをつまんでみますと、玉ねぎの甘みや生地の塩気、ミルキーさにワインの果実味やボディの程々の厚みが中々はまりましたし、ローストビーフのサラダを合わせますと、野菜のみずみずしい甘みにワインの酸や果実味が合うのはもちろん、肉とも、脂感や旨みに負けない厚みのおかげで、想像以上に果実味や酸と肉の旨みの対比を楽しめました。イベントでも売れ行き好調だったそうですが、味わいの各要素のバランスがよく、納得です。ドムのスタッフさんが現地へ行って試飲し、見つけたワイナリーだそうですが、これは結構な掘り出し物だなと思います。ドムにはそういったアイテムがまだまだありますし、鳴門駅近くにショップもありますので、また帰省の際には面白いドイツワインを探したいものです。にほんブログ村「ワインモア」でこの記事をチェック!
2014年05月20日
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前回に続き今回もドイツです。ただし、今回のものはしっかり甘いデザートワインになります。ラインヘッセン・アイスワイン2007。生産者ジョセフ・ドラーテンは1860年創業。家族経営ですが、手ごろな価格帯のワインなどをかなりの量生産しています。畑も、ラインヘッセンのみならず、モーゼルのピースポートなどにも所有しているようです。セパージュは、シルヴァーナ70%、ショイレーベ20%、リースリング10%。価格は、1449円でしたが既に楽天内に個のヴィンテージはありません。写真のものは2012ヴィンテージで、価格は同じ1449円。色は琥珀色。ツヤもあります。香りはハチミツやメープルシロップといったものが感じられるほか、干しブドウや少々のカラメルっぽさなど、熟成した甘口の雰囲気がよく出ています。加えて、ベッコウアメやダージリンティーのようなニュアンスも感じられます。その他、軽く焼き芋やスイートポテト、それにリンゴのコンポートといった要素もありました。味わいは当たり前ですが甘いです。はっきりと極甘口といえます。ただ、熟成のおかげか深みのある甘みではあるものの柔らかく、酸も甘みの奥に芯として感じられ、ダレてべたつくといったような印象はありませんでした。ボディは、この手の作りらしくとろみはあるものの、こちらも優しく、大人しさ、柔らかさを感じるミディアムといったところ。まあ、この手のワインは食事に合わせるものではない、と思いつつもソーセージをつまんでみますと、塩気と旨みが口をうまく切り替えてくれますし、意外と肉の旨みを引っ張ってくれてなかなか面白かったです。また、そのソーセージを入れて野菜たっぷりのポトフを作って合わせてみますと、春キャベツや新玉ねぎといった野菜の甘みとワインの甘みに結構親和性があり、こちらもなかなか行けました。加えて、やはり甘味には甘味ということで、かぼちゃの煮つけともいい相性でした。かぼちゃの甘み、煮つけたことによるコクとワインの甘み、それにカラメルっぽいニュアンスなどがはまります。あまりにも価格がお手頃という事で、気になってはいたもののどうなのかなと思っていたワインですが、アイスワインらしい酸もあり、スケール感こそ価格帯の上のものに比べると小さいですが、よくまとまっておりコスパは悪くないなと思いました。にほんブログ村「ワインモア」でこの記事をチェック!
2014年03月27日
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今回はドイツの白。南部バーデンのヴァイスブルグンダー=ピノ・ブランになります。ヴァイスブルグンダーqba2007。生産者ザルワイはバーデンで1763年からワイン作りを続ける家族経営のワイナリーです。バーデン屈指の銘醸地カイザーシュトゥール地区にあり、キルヒベルクやアイヒベルクといった一級区画に畑を持ています。辛口ワインの多い地域という事で、こちらも辛口、それもブルゴーニュ品種のそれを得意としています。価格は、写真のお店で3465円。色は薄い黄色。7年熟成している割には大人しい色合いです。軽くツヤはあったでしょうか。香りは柿のような雰囲気があり、そこにマスカットなどの青いブドウっぽさ、それに硬い石系のミネラルっぽさ、グリーンハーブのようなニュアンス、軽い白や緑の胡椒、フローラルといったようなものを感じます。その他、グレープフルーツやオレンジ、軽いカボス?のような柑橘、かりん、リンゴ、アンズ、パインといったフルーツ(これらは特に時間経過で)、酵母や少々のクリームっぽさといったものも感じられたでしょうか。味わいは、果実味しっかり。一方で、ドイツらしい明るく強い酸もビシッと入りジューシー。それだけでなく、後口にかけては軽い苦みもあったでしょうか。ボディは結構やわらかい印象。ただ、ミネラル感はあり、軽いという感じではなくしなやかといったところ。ミディアムライトくらいの厚みです。食事との相性では、面白かったのが、サワラを昆布締めにしてみたところなかなか相性が良かったことです。サワラの旨みよりも、むしろ昆布の旨みや香りとワインの質感や旨み、それに柿っぽい香りが合うようで、他の昆布料理とも合わせてみたいところです。その他、チキンのバジル焼きには何だかんだ果実味やミネラル感があいますし、牡蠣の蒸したものなんかもいいつまみになりました。ピノ・ブランは、ヴァイスブルグンダーも含めて時々飲むのですが、これは香りの印象を中心に、他にあまり見ない感じでした。優しいワインですが、結構奥の深さがあり、飲み飽きない1本です。にほんブログ村「ワインモア」でこの記事をチェック!
2014年03月25日
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今回はドイツ、フランケンの白です。エッシェルンドルファー・フュルステンベルク・ケルナー・シュペートレーゼ・トロッケン2011。ライナー・ザウアーは1979年にフランケンに立ち上げられたワイナリーです。フランケンらしく、最も力を入れているのはシルヴァーナーで、実に栽培面積の6割にものぼるのだとか。その他、ミュラー・トゥルガウやリースリング、そして、このワインに使われているケルナーといったものが栽培されています。価格は、写真のお店で3675円。色は薄い黄色。微かなツヤ感もあったでしょうか。香りは、確かに緑の堅い葉っぱ的なニュアンスがありましたが、日本のケルナーほど強くはないでしょうか。メインの要素はフルーツで、グレープフルーツやライムといった柑橘、それにリンゴや軽い洋ナシ、メロンっぽさといったものが感じられました。その他、フローラルやマスカット、ミネラル、それに軽い酵母的な雰囲気もあったでしょうか。味わいは流石フランケンというべき辛口。ただ、ドライというような感じではなく、ほんのりと果実味もあります。酸も中庸な感じで強すぎずいいバランスです。また、エキス分が強く、ボディ自体はミネラル感もあってタイトな印象ですが、力強さは感じました。後口に軽い苦みも。今回はあまり食事とは合わせませんでしたが、金柑のソースを使った鴨の料理をつまみましたところ、金柑との相性はなかなかのもの。香りの面で柑橘っぽさがはまるのはもちろん、辛口な味わいは金柑の甘みとも違和感なく混ざり合いました。その他、この純粋な感じに合わせるならやはり和食でしょう。白身魚の昆布締めなどは、ワインの強さや綺麗さに、白身魚の食感や旨みがよくはまりそうですし、これからの季節味の強い山菜のテンプラなども面白そうです。フランケンのワインは力強く男性的、なんてよく聞いたものですが、なるほど、このワインを飲めばその意味がよくわかります。しなやかで強く、直線的で純粋さも感じるワインでした。にほんブログ村「ワインモア」でこの記事をチェック!
2014年03月05日
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先日のリースリング飲み比べ会のワイン、続いてはドイツの辛口です。リースリング・QBA・トロッケン2009。生産者ヘルマン・デンホフはナーエのワイナリー。1750年から続く老舗で、ゴー・ミヨ5つ房かつパーカーの評価も高い、同地を代表する作り手の一つです。リースリングは人生とまで言うほどリースリングに力を入れており、多様な土壌を持つナーエで、力強いスタイルのワインを作っています。価格は、写真のお店で3150円でしたが既に完売。写真のものは2012ヴィンテージになります。色は青みがかった薄い黄色ですが、ややツヤ感もあります。香りは、モモ系のニュアンスがありますが、前の二つに比べますとより黄桃っぽさが強いでしょうか。さらに、リンゴや洋ナシとともに蜜っぽさも。その他、鉱物的ミネラル、少々のオイリーさ(他の要素になじんでいます)、さらに白コショウ的な軽いスパイスやハーブっぽさないし青い柑橘のような雰囲気も微かに感じられました。味わいはきっちり辛口。ドイツワインでよくイメージされるあの残糖感など皆無です。果実味という感じにはありますが、それも繊細なもの。ただ、時間とともに膨らみは見せてくれました。酸はどっしりトーン低目で、果実味よりは前に出ますがそれでもそこまで強いものではなくいいバランスではあります。ボディは、エキス分を感じるミディアフルといったところ。ミネラル感もあり、厚みを感じました。会では、豚肉のテリーヌや白カビチーズとの相性が良かったです。テリーヌとは、肉の旨み・塩気や粒マスタードの酸味に、ワインの厚みのあるボディと酸、ミネラル感がはまる感じでした。また、やや濃さのある香りも、肉の旨みに相性がいいようです。一方、白カビチーズとも、やはりチーズのコクとワインのボディの厚みがはまる感じです。加えて、香りの黄桃や蜜っぽさがチーズのミルキーさとこう相性なのも大きいですね。ファンの多い生産者ですが、このワインも特徴的な1本でした。この辛口感、ボディの厚みはいわゆる「ドイツワイン」のイメージとはちょっと違うかもしれません。是非ドイツワインをあまり飲まれない方の感想を多く聞いてみたいですね。にほんブログ村「ワインモア」でこの記事をチェック!
2014年02月02日
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今回はドイツの白です。糖を残した、これぞザ・ドイツワインな1本になります。ラウエンターラー・バイケン・リースリング・シュペートレーゼ2009。生産者はクロスター・エーバーバッハ。ラインガウに5つのワイナリーを有する州立醸造所であり、その中心となっているエーバーバッハ修道院はなんと12世紀からワイン作りを行っているという歴史ある作り手になります。ラインガウの銘醸畑も勿論保有しており、このワインに使われているブドウが栽培されたバイケンもそんな銘醸畑の一つです。セパージュは、勿論リースリング100%。楽天内に2009ヴィンテージの扱いは無く、写真のものは2011ヴィンテージで2919円。色は薄目ながらも、ある程度、軽くツヤのある黄色を感じることが出来ます。香りは、ハチミツっぽさやレモンカスタードのような甘いニュアンスに少々のオイリーさが、溶け込みながらも軽いアクセントとして感じられるといった感じ。その他、ミネラルや白コショウっぽさ、リンゴ、レモン、微かなマスカットといったフルーツ、それに白い花っぽさや仄かな紅茶といった要素も少々感じられました。味わいは100g/l以上の残糖があるというだけあってしっかり甘口。シュペートレーゼ表記ですが、この残糖数は並のアウスレーゼを越えています。ただ、では甘ったるいのかといえばそんなことは無く、甘さの質自体も繊細さのあるものですし、何より明るく強い酸が芯としてばっちり入っており、後口にかけてはむしろ酸の印象の方が強いくらいとなっていて、バランスは見事に取られています。ボディはライトですがエキス分、グリスがありミディアムな印象さえ受けます。今回は食事とはあわせていませんが、しっかりした甘みと酸のことを考えますと、箱寿司や押し寿司などしゃりや具に砂糖を使ったお寿司とあわせてみたい印象でした。あとは、やはりこの甘みを肉の旨み+塩分とあわせ、さらに、酸味の爽やかさとの相性も考えて白い肉のテリーヌなどでしょうか。以前食べたキャベツ入りの白ソーセージなども面白そうです。薫り高く、また、酸と甘みのバランスも秀逸な1本でした。最近はドイツのリースリングも辛口が随分と増えましたが、この手のワインにはやはりほかのワインでは得がたい魅力がありますね。楽天内にある2011ヴィンテージも興味深いところです。にほんブログ村「ワインモア」でこの記事をチェック!
2013年11月24日
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昨日は満月でしたね。快晴で大きな月をしっかり見られました。というわけで、今月も満月ロゼです。ファルツ シュペートブルグンダー ロゼ Q.b.A. トロッケン 2010。生産者ヘレンベルク・ホーニッヒゼッケル共同醸造所は1903年設立のファルツの組合。畑名に由来するヘレンベルクとホーニッヒゼッケルの二つの組合が統合されたものだそうです。11の生産者が集まっており、200haの畑で40種ほどの品種を栽培しているのだとか。セパージュはシュペートブルグンダー=ピノ・ノワール100%。価格は、写真のお店で1715円です。色は、ロゼらしい透明感のおかげでルビー的に見えなくもありませんが、赤みが強くオレンジも感じられ、ガーネット的といっていいほど。香りはまさにピノ。チェリーやラズベリー、イチゴそれにアセロラっぽさといった小さな赤いフルーツのニュアンスがしっかり。そこに、微かな黒ベリーっぽさやカラメルっぽさといった要素、それに、軽い下草やハーブっぽさ、スパイス、土といったものが加わります。また、赤い花や微かな革系のニュアンスのようなものも感じられたでしょうか。味わいはなかなか辛口。ミネラルやアルコール、少々の渋みといった要素が感じられます。ただ、果実味は充分で、重さ・厚みを感じるそれがメインの要素として拡がっています。酸は小さな赤い果実系の明るいものがパッと入りますが、果実味の間に見えるといった程度で決してメインにはなりません。果実味の印象がありつつもきっちり辛口なので、食事には良く合います。リーズマリーの効いたローストチキンなどは流石の好相性。肉の旨み、塩気、ワインの果実味、ミネラル感、ほのかなタンニンといったものが良く噛みあいますし、香りの面でもチキンに使われたスパイスやローズマリーとワインの似た要素がいい一体感を見せました。また、鴨のローストをあわせて見ますと、これまたバッチリ。肉は柑橘系のソース+ママレードで頂きましたが、肉の旨み、鉄っぽさとワインの要素が合うのはもちろん、ソースやママレードの柑橘感や甘みとワインの香り、果実味との相性は見事でした。ロゼなのはロゼなのですが、極めて赤ワインに近いタイプ化と思います。ドイツのロゼといいますと、薄いイメージをもたれる方も多いかと思いますが、このワインは、「濃い」というものではないものの、目の詰まった、芯のしっかりしたタイプで、値段も考えますとかなり面白い銘柄かと思います。栓はスクリューなので、手頃に飲めるのもいいですね。これからの時期のパーティワインなどとしてはなかなかいい選択肢と言えそうです。背景がちょっとアレですが、ワインの赤さが伝わりますでしょうか?にほんブログ村
2013年05月26日
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今回はドイツの辛口リースリングです。アンプラグド・リースリング・トロッケン2008。ワイングートテッシュは1723年創業の歴史あるワイナリーですが、1997年に現オーナーのマルティンが就任してから一変したそうです。微生物や地質学を修め、味の素のプロジェクトに参加したこともあるというマルティンは、自信の作りたいワインを作るためブドウを伐採、目の届く限度に減らすとリースリングに特化、さらにワインのほぼ全てを辛口にしてしまいました。当初の顧客の実に4割を失ったそうですが、食事に合い、当時としては斬新な試みだった事から若者を中心に新たな市場に受け入れられることになりました。価格は1890円ですが、楽天内にはもう08はありません。写真のものは2011ヴィンテージです。色はしっかりしたレモンイエロー。熟成感を感じます。香りは定番の鉱物的ミネラルや、レモン、グレープフルーツ、ライムといった柑橘のニュアンスが感じられます。また、黄桃やアプリコット、リンゴ、少々の洋梨といったやや濃さのあるフルーツも。加えて、ローズマリーやタイム、ローリエなどのハーブやホワイトペッパーやピンクペッパーなどのスパイスっぽさも感じられました。味わいは強靭な酸とエキス分が中心。柑橘的な酸ですが厚みや強さを感じます。ミネラル感もあり、硬質感のあるミディアムフルなボディが大変印象的でした。果実味は最初は繊細ですが徐々に出てきます。ただ、酸やそれに伴う旨みより前には来ません。それでも、最終的にはジューシーさも感じるくらいにはなりました。食事にはよく合いますが、力強いワインですので、味のしっかりしたものとの相性がより良く感じられました。チキンソテーやカツ、ポークソテー、焼豚などを合わせますと、肉の旨みや脂にワインの旨みやエキス分、ボディの強さがよくマッチします。また、肉の奥底の滋味をよく引き出してくれました。魚介ですと、白身よりむしろ赤身にはまりました。マグロの鉄っぽさ、旨みには非常にマッチ。肉の滋味と同じようにマグロの鉄っぽさに反応するのは興味深かったです。また、カキともいけ、フライや焼き牡蠣と合わせますと、臭みなど全くなく、深い旨みとミネラル感や仄かな果実味が相乗効果を見せてくれました。流石に食事との相性を考えて作られたワインだけあります。他にも、キノコ類などともいい合わせますとでした。ドイツのリースリング、しかもこの価格帯でこれだけの強さのあるものというのはなかなか無いかと思いますので、ある程度ドイツワインをご存知の方にびっくりしてもらえるワインかと思います。にほんブログ村「ワインモア」でこの記事をチェック!
2013年05月02日
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ゲミシュター・サッツのワインの会のワイン、3本目の今回は珍しいドイツのゲミシュター・サッツです。ブントザントシュタイン・テラッセン・QBAトロッケン2006。生産者でフュルストは、フランケンの地で1638年から続く老舗ワイナリーです。1975年に現当主が若干21歳で跡を継いで以来、非常に高い評価を得るに至りました。フランケンにはゲミシュター・サッツの畑が少し残っており、歴史あるこのワイナリーもそれを活かしたワインを手がけており、それが今回のワインです。セパージュは、リースリングとシルヴァーナーというドイツとフランケンを代表する2品種のみのシンプルなもの。価格は、写真のお店で5850円。色は薄いレモンイエロー。レモネード系の色合いです。香りは、ドライパパイヤやマンゴーのような南国系のドライフルーツっぽいニュアンスや黄色い花のような雰囲気が。そこに、白コショウや微かな茶色系スパイス、ハーブといった要素が加わります。その他、レモンやライムといった柑橘、ミツ入りリンゴ、石灰、岩っぽさ、ブドウ、それにメロンほど甘くはありませんがウリ科っぽさといったようなものを感じました。味わいは、ミネラル感やエキス分もありますが、やはりドイツらしいスレンダーさがあり、柔らかで優しい口当りも相まってしなやかな印象。ボディもミディアムライト程度。フルーティかつ繊細な果実味に明るくシャープな酸や軽い塩気のようなものが加わり、辛口ドイツワインらしい世界観です。会では、レモンのリゾットのタイミングで飲みましたが相性は間違いないですね。レモンの酸や香りとワインのそれが見事に一体となります。ちょっとレモネード的な香りの雰囲気が出ましたね。また、果実味やミネラル感はリゾットの旨みや塩気、それに米の食感と関連性を感じさせてくれます。食事との相性は幅広そうです。白い肉と野菜や柑橘類をあわせたものなんかは完璧でしょうし、魚料理に関しても、火の入ったものだけでなく生でも良さそうです。しっかりしたワインではありますが、優しさやきれいさがあり、和食とも是非試したいタイプでした。使用品種は2種類ということで、リースリングやシルヴァーナーの面影を感じさせるところはあったように思いますが、それでもやはりどちらとも違う複雑さがありますね。加えて、ボディの重さなど、やはり他の産地と違うドイツらしさが如実に感じられるワインでもありました。にほんブログ村「ワインモア」でこの記事をチェック!
2012年12月21日
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まだまだ続くお寿司とオーストリーと世界の白ワインの会のワイン、続いては今回一番人気だったドイツの白です。アルテ・レーベン・リースリング2008。生産者ファン・フォルクセンはザールのワイナリー。1999年に畑を取得したそうですが、そこに植わっているリースリングは樹齢50~120年という大変な古木。しかも、フィロキセラ以前の自根のものも含まれているのだとか。かつて、世界最高の評価を誇ったモーゼルのワインを復活させるべく、それら古木をビオディナミで栽培し、収穫を非常に遅らせ、辛口のワインを作っています。価格は、写真のお店で3528円。色はツヤのある黄色。黄金に近いかも。香りはメロンやウリといったウリ科のニュアンスがしっかりあり、そこにレモンやグレープフルーツといった柑橘やリンゴ、それに少々のマスカットっぽさといったものが加わります。また、鉱物系のミネラルやミツっぽさ、微かな氷砂糖なども。オイリーさは、時間と共に軽く出てきますが、なにやらマヨネーズっぽい雰囲気も。味わいほんのりトーンの低い果実味が中心。酸も繊細で大人しめとあって、辛口かとは思いますが、やや甘みの印象を受けるかもしれません。ただ、ボディーはミネラル感に加えエキス分も感じる骨太なもので、ミディアムですが芯の強さを感じます。ただ、口当り自体は岩清水系のクリアーなもの。会では、ホッキ貝やイカ、キス、それにトロタクと合わせてみましたが、貝やイカとの相性は流石。滋味深いネタの味わいに、ワインのエキス分やミネラルを伴う果実味が良く合います。香りの相性も悪くないですが、特に貝のそれとは結構引き合う要素が見えました。シャリの甘みには果実味がこれまた嵌ります。一方、キスとの相性はそこまで劇的ではありませんでした。ただ、旨みを引き出す事はしてくれます。トロタクとは、やはりたくあんとの相性がいいようで、塩気とミネラル感、甘みと果実味が引き合います。トロには負けるかと思いましたが、エキス分の強さや果実味が、脂の味わいにアクセントをつけてくれなかなか。ザールのワインといいますと、酸の効いたフレッシュな味わいを想像しがちですが、こちらは酸は穏やかで骨太と、かなり雰囲気の違うワインです。実際、現地でも「あのワイナリーはアルザスを作ろうとしている」等といわれる事もあるようで賛否両論あるようです。確かに、純正ドイツワインファンの方よりも、むしろフランス派の方のほうが受けはいいかもしれません。にほんブログ村「ワインモア」でこの記事をチェック!
2012年09月06日
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毎日本当に暑いですね。こういう暑い時期には良く冷えたモーゼルワインが飲みたくなります。ということで、今回はドイツの白です。バルテン・リースリング・qba2010。生産者トーマス・バルテンはモーゼルのプラッテンという地域のワイナリー。モーゼルらしく急勾配の畑を有しており、40度から中には75度にもなる場所もあるのだとか!自然派なつくりを志向しており、酵母は天然酵母使用です。価格は、写真のお店で1260円。色は若いリースリングらしい青みがかった薄めの黄色。香りはらしいリンゴっぽさやグレープフルーツといった要素に加え、蜜っぽさや鉱物的ミネラルも感じられます。さらに、メロンや洋梨、フローラルといったものも。その他、時間と共に白コショウっぽさやマスカット、軽いダージリンティー的なニュアンスといったものも現われました。味わいは、甘みしっかりです。qbaながら、重心の低さを感じる甘みです。しかし、甘み自体も柔らかいものなのに加えて、背景に明るくしっとりとした酸がしっかり入っているので甘ったるさなどはありません。また、後口にかけては旨みや微かな苦味も。口当りは柔らかく、ライトボディといっていいでしょう。単独でもスイスイ行けますが、やはり食事には合います。和食系との相性はよく、煮物などともいいですが、お寿司とも結構いけます。イカやエビの甘みとワインの甘み、さらにシャリの甘みがよくマッチしますし、ブリとあわせると脂っこさを抑えながら旨みを良く引き出してくれます。加えて、マグロの赤身とあわせますと旨みの相性がいいのに加えて結構香りが合います。フルーツっぽさよりもミネラル的な要素が引き合う感じですね。その他、酢豚や蒸し鶏のネギソースといった中華料理ともいけますし、ジャーマンポテトもいいつまみになりました。ジャガイモの香りとワインの香りがこれまた結構合うんです。1000円台前半のモーゼルということで、どんなもんかと思いましたが、らしさのある良く仕上がったワインだなという印象です。勿論、飛びぬけた凄みのようなものはありませんが、気軽に楽しめるワインながらも酸味と甘みのバランスや香りの構成要素など、抜かりはありません。にほんブログ村「ワインモア」でこの記事をチェック!
2012年08月03日
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今回はモーゼルの白。優れた生産者ですがそこまで高くないパオリンスホーフです。パオリンスベルク・リースリング・シュペートレーゼ2010。生産者パオリンスホーフは中部モーゼルで1969年から営まれている比較的新しいワイナリーです。ですが単独所有の畑もあり、何と斜度70度というものもあるのだとか。近年評価を高めており、モーゼルの最優秀ワイナリーに輝いた事もあります。価格は、写真のお店で3800円。サイズはシュペートレーゼですが750mlです。色は薄い黄色。10年と若いこともあってかそこまでツヤは強くありません。香りはフローラルや紅茶のニュアンスがあり、さらに蜜っぽさも十分。そこに、カリンやベッコウアメっぽさ、鉱物的ミネラル、微かな白コショウっぽさといったようなものが加わります。フルーツ感はそこまで強くありませんが、レモンやリンゴっぽさは軽く感じられます。オイリーさはあまり無いです。味わいは酸の印象が強め。しっとりしたものですが、強さがあり、量も多いです。シュペートレーゼですから、やはり甘みも十分あります。ただ、それは結構繊細なもので、最初の印象はさらうものの、後から酸が前に来ます。ボディも丸く、ライトで柔らかな印象でした。甘口ですから単独でも楽しめはしますが、このくらいの甘みと酸のバランスですと食事にも十分あわせられます。例の如く、甘みのある和食との相性は良好で、鳥肉と根菜の煮物には良く合いました。鳥の旨みや根菜の滋味とワインの旨みやミネラル感が合います。また、煮物の甘みの印象にワインの酸が加わって、料理の印象も引き締めてくれました。魚介類ですと、生魚系ですと刺身よりはシャリに砂糖を使っているお寿司のほうがいいですね。サーモンの握りが結構いいつまみになりました。一方、エビやイカなどは刺身でもいけますし、火が入って甘みが増したものもいいです。シュペートレーゼのフルボトルって飲みきれるのかなと思いましたが、このくらいの味わいのバランスですと十分飲めます。辛口では決して無いですが、甘みが強すぎる事も無く、酸味が十分にありますので食前、食中、食後とあらゆるシーンで楽しめます。にほんブログ村
2012年07月14日
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今回も続けてドイツワインです。こちらは定番のリースリング。フォン・ローテン・シーファー リースリングQBA2010。生産者パオリンスホーフは1969年創業の家族経営のワイナリーです。伝統産地ドイツにおいては若いワイナリーといえるでしょうが、既にモーゼルの最優秀ワイナリーに選ばれた事もあります。畑の面積は多くはありませんが斜度70度という驚異的な傾斜を持つカマーなど、銘醸畑を多く所有しています。価格は、写真のお店で3500円。色は薄いですが、ツヤは感じる黄色です。香りはフローラルなニュアンスが強く出ています。また、グレープフルーツやライム、蜜柑、レモンといった柑橘っぽさもしっかりです。加えて、メロンっぽさや微かなリンゴと言った要素も。さらに、硬質な鉱物的ミネラルや花の蜜的な香りも感じられました。よくあるオイリーさはほぼ無し。味わいは酸が中心。強く、明るく、鮮烈な酸がぶっとく味わいの中心を通っています、一方で、果実味は繊細で優しく、柑橘のそれに近いでしょうか。残糖感など微塵も無い、紛れもない辛口です。ミネラル感も強く、ボディ自体はミディアムライトで穏やかですが、クリアーで冴えた存在感を感じます。また、エキス分もありしなやかな口当り。よく出来たワインですが、単独で楽しむにはまだ少し若いかもしれません。魚介系には間違いなく、イカやエビの甘みにはミネラル感や果実味がマッチ。焼いて良し生で良しです。白身魚にもよく、鯛やヒラメのお刺身やお寿司にもいけますし、鯛と塩昆布を合わせて30分ほど寝かせたものとあわせてみましたが、強い旨みと粘性に対して、ワインのミネラルや酸がこれまたいいアクセントになってくれます。その他、春野菜の天婦羅や根菜の煮物など、和食系との相性は間違いありませんね。懐石をこれ1本で通すのもありでしょう。酸味の印象はかなり強いですが、見事な完成度のワインです。QBAで3500円というのは正直かなりなお値段だと思いますが、なるほど相応のものはあります。今は酸っぱく感じるでしょうから、食事に合わせないなら、飲み頃を見極めないといけないでしょうが。この生産者、相当な実力派だと思うのですが、楽天内では写真のお店(岡山のヒグチワインさんです)でしか扱いが無い様なんですよね。ドイツ商事さんの輸入だからでしょうか?にほんブログ村「ワインモア」でこの記事をチェック!
2012年04月15日
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