Over The Moon.

Over The Moon.

2006年01月08日
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カテゴリ: *日々のこと*
ヘッドライトに照らされた空から
牡丹雪が向かってくる。

「雪は『深い』っていうのが分かるよね」

母が運転しながらしみじみ言う。

道の両側は、除雪した雪が白壁になり
暗い朝でも映える、真っ白い谷になっている。
ここは雪の底だ。

「思い出に残りそうやね」

そんな成人式の朝。



着付けの予約は4時から。
でも、最初の予約は3時らしい。

「おめでとうございます」

交わす言葉が祝福の言葉。
辺りはひっそりして静かなのに
美容院の中は、お祭り前のわくわく感に満ちている。


昨日セットした髪を直してもらって
それから化粧をしてもらう。
正直
まともに化粧をしたのはこれが初めて。
普段全然化粧しないから。
・・・今時珍しいだろうなぁ(苦笑)。

「・・・綺麗やぁ」

この母の言葉はこの日、何遍も聞くことになる。
でもそう言ってくれるのは親くらいだし
素直に嬉しいと受け止めておこう。


美容師さんに着付けてもらって一旦家に帰る。
写真館へ行って写真を撮ったら
空は明るくなって、街は動き始めていた。

「じいちゃんに見せに行こうか」

式典が始まる前に、
同じ街に住む祖父の下へと向かう。

 「渡理が成人式になるときは
  じいちゃんに振袖見せに来てくれや」

小さい頃からの約束。
それを果たしに。



「・・・あら渡理」

起きて待っていたじいちゃんが
上から下まで私を眺めて
ため息をつく。

「・・・おくしいちゃ(富山弁で「美しい」)」

目を細めて。


祖父と二人、
そして祖母の遺影と二人、
写真を撮ったら式場へ向かう。

今ではもう、故郷の町は亡くなったけど
成人式は旧町単位で行うから
集まるのはうちの中学と、隣の中学。
だから二人に一人は顔見知り。


「渡理ちゃーん!!」

久しぶりに会う友達。
みんなばっちり振袖を着て
みんな、すっごい綺麗。
写真をばしゃばしゃ撮る。


式は非常に円滑に進んだ。
相変わらずアットホームな感じで
中学のときの、先生たちのビデオレターもあった。
そのあと地区ごとに集合写真を撮って
そのまま解散。


「おばちゃんが渡理の着物みたいって」

親戚のおばちゃん、おばあちゃんが会いたいらしい。
ご飯を食べたらもう一度、祖父の家へ。


私の姿を見てまたしても、皆感嘆して喜んでくれた。
今年90近いおばあちゃんは

「・・・おくしいねぇ」

そう言って

「・・・涙出る」

目頭をしきりに抑えた。



私が20歳になって
こうして振袖を着る
・・・ただそれだけなのに。


沢山の人が喜んでくれた。
沢山の人が祝福してくれて
沢山の人が集って
私のために。



私はこんなにも
愛されていると
ほんとに。
・・・ほんとに。




ここに生まれてよかったです。




明日京都に帰ります。
ありがとう。
皆様のおかげです。
また頑張るね。





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Last updated  2006年01月08日 22時43分12秒
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