Over The Moon.

Over The Moon.

2006年12月17日
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カテゴリ: *能関係の日記*
秋京宝連は
ひとつの節目を感じる舞台だと思う。

それは舞台の端々に感じることで
嬉しくもあり
寂しくもあるんだけど。




リスちゃん(仮名)「・・・すみませんどうやるんでしたっけ」

 *リスちゃん・・・現在宝生1回生。
          犀ちゃんの友達で、秋から本格的に稽古し始めた子。
          非常に腰が低い。

私「あ、帯はそうじゃなくってここ曲げるの。
  それでぐるぐると」

リスちゃん「ああどうもすみません~」

私「いや別に聞いてくれたらいいし」

1回生も、徐々に着付を覚え始めてる。
春には2回生だし、冬の間に着付け特訓をした方がいいかな。
私と 雉ちゃん(仮名) がやったみたいに。



今回、仕舞の地頭は
亀さん(仮名) の卒業仕舞以外は全て2回生。
簡単な仕舞ばかりじゃないけど、みんなちゃんと頑張ってきた。

寅くん(仮名) 「心は真如の~」

鴨くん(仮名) 「切戸ですから静かに」

寅くん「すんません」

まずは寅くん地頭パート。
『猩々』はさておき、もう一つは難関・『玉葛』。
さあ、どう出るか。


鹿くん(仮名) 「げに妄執の雲切りの・・・」

シテの鹿くんのペースに比べ
ややゆったりとした地だけど、
稽古の成果あって安定している。

正直、できるかどうか心配だったけど
別段間違えることもなく、しっかりと謡いあげる。
一安心だ。


師匠「地は良かったよ」

寅くん「ありがとうございますー」

寅くん嬉しそう。
頑張ってたから、なおさらだろう。
快調快調♪



OGさん「みんなで食らってくださいな」

次の1・2回生連吟『土蜘』まで間があるので
ふわふわロールケーキでおやつタイムvv
うまーvv

OGさん「男楽屋にもう一個あるから
     もう全部食べちゃって」

ということは、1人1個半か。
私は雉ちゃんと半分こ。

リスちゃん「どうするー?」

犀ちゃん(仮名) 「俺は満たされたから後でいい」

リスちゃん「じゃあ『土蜘』終わってから食べよっか。
      ご褒美にしよう」


そう、『土蜘』なのだ問題は。
いつの時代もだけれども・・・。



亀さん「これでよし」

ビデオをセッティングし、
見所から下回生を見守る。
2階席にはOBの方々も見守ってくださってる。
頑張れ、みんな。


見台を手に5人がやってきて
舞台に座る。
まずはシテから。


シテ@寅くん「月清き~」

謡いはいつもの感じ。
うーん、やっぱりもうちょっと落ち着きがほしいけど
声はまっすぐ出てるし、まぁいいかな。

頼光@犀ちゃん「いしくもはやく来たりたり・・・」

犀ちゃんは安定してる。
私も1回生のとき、頼光の役が当たったから
結構鸚鵡返しはした。
上手くなってる。

ワキ@リスちゃん「言語道断~」

リスちゃんはまだまだかな。
もっともっと自身を持って謡ってほしいけど・・・

シテ「らあーいいこお
   ら、らあーいい」

待て言い直しただろう今。

稽古じゃないんだからそれはいかんでしょう!
あーなんか、頭に血が上ってそう・・・

地「そのとき独武者~」

地がヒートアップしてくる。

まさかとは思うけど
まさかとは思うけど




やっぱかぶった!!



なんかそんな気はしてたけど、
勢いあまってワキの台詞言うなんて!
いや、 舞台で謝らなくていいから!
あああ、こりゃあもうなんちゅーか・・・。


まぁちゃんと転ばず退場してくれれば・・・
って 前から帰ってどうするの犀ちゃん!
(注:後ろに座っている人から帰るのが正しい作法)。
ちょっと今のは・・・

亀さん「あれ?そうだった?」

まあ、普通気づかないことだし、いいけど・・・。



1回生「「・・・・・・」」

2人がへこんでいる。
そりゃあ、そうかな、うん・・・。

寅くん「ほんま僕の1回生のときの失敗に比べたら全然」

雉ちゃん「(指を立てて)切戸だから」

寅くん「はい・・・」


へこむってことは
それだけ真剣に考えてるってことで
それだけ伸びる余地が有るってことだし。

2人はまだまだ1回生。
これから頑張ってくれるに違いない、うん。


そのまますぐに仕舞地があって
雉ちゃん地頭の、女地『敦盛キリ』『須磨源氏』。

鴨くん「手前に座るんですよ」

さっきの連吟を引きずってか
上の空のリスちゃんからまず入り
やはり奥へ。

・・・予想の範囲内なので、手招きして手前に呼ぶ。
慌ててこちらに戻ってくるリスちゃん。
まあ、こういうこともある。



1回生「「・・・・・・」」

楽屋に戻っても
意気消沈している2人。

リスちゃん「・・・気持ちの切り替えって難しいですね」

雉ちゃん「そうだね。私も沢山迷惑かけたよ
     全宝連のときもそうだったし・・・」

雉ちゃんのまなざしは優しくて
ああ、お姉さんだなぁって感じ。
やはり先輩だわ。雉ちゃんも。

私「犀ちゃんは何がショックだったの?」

犀ちゃん「・・・
     ・・・退場間違えたのと
     土蜘、もっとうまく謡えたのにって」

・・・向上心の高い子だ。
伸びるに違いない。

箱を開けて
中に一つだけ残った、ロールケーキを差し出す。

私「はい、じゃあ2人ともこれ食べたら
  落ち着いて次も頑張ろうね」

「「はい」」

リスちゃんが手に取り
ふわっと割って、ちょっと大きい方を犀ちゃんに差し出す。
犀ちゃんは差し出されなかった小さい方を取って、かぶりつく。

リスちゃん「・・・ありがとう(笑)」



さあ、うかうかしてはいられない。
次は私の仕舞だ。


つづく





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Last updated  2007年07月09日 09時35分19秒
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