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2008.02.06
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カテゴリ: 文学・芸術
▼エロディアード序曲(マラルメ13)
マラルメが『エロディアード』を書き始めたのは1864年ごろではないかとみられています。当初は聖書の物語を基にした悲劇を作ろうとしましたが、紆余曲折を経て、大衆に喜ばれる筋のある悲劇ではなく純粋な長詩編とする決意をしたようです。その創作活動は熾烈を極め、「絶望した狂人のように没頭し」「時間の空費に悶えながら」取り組んだと、マラルメ自身が書いています。

実際に出来上がった『エロディアード』は、聖書の物語から完全に独立して、時間が止まった世界(美の世界)に生きる、美の化身であるエロディアードを描いたように思われます。

三部構成のうち「序曲」は、エロディアードの乳母が独白する形で始まります。マラルメ自身の言葉を借りれば、それは「音楽的な序曲」です。しかし冒頭に「呪文」と書かれているように、非常に予言めいた言葉や暗示に満ちています。長いので全部は紹介できませんが、薔薇を含むいくつかのフレーズを紹介しましょう。

詩の舞台は、哀愁に閉ざされた館。曙は翼を持った鳥にたとえられ、古びた館の庭の描写が続きます。かつてその庭では、処刑が行われたのでしょうか。「いにしえの星の純粋なダイヤの輝きによって破滅させられた首」が羽根の中に埋まっている霊廟であると詠われています。館のガラス窓が一つ開いており、そのガラス窓から中を覗き込むと、一風変わった部屋があります。壁に掛かった錦織には、古代ペルシャの修道士と巫女が描かれています。その次の場面に薔薇が登場します。

Une d'elles, avec un passe de ramages
象牙細工のように白い私の服に縫われた

Sur ma robe blanchie en l'ivoire ferme
唐草模様の過去とともに

Au ciel d'oiseaux parmi l'argent noir parseme,
いぶし銀色の鳥がちりばめられた大空に向かって、

Semble, de vols partis costumee et fant6me,
衣装をまとった一人の巫女が亡霊のように飛び立つ。

Un arome qui porte, 6 roses! un arome,
吹き消された大蝋燭の向こうに隠れた空っぽのベッドから

Loin du lit vide qu'un cierge souffle cachait,
立ち上る香りは、おお、薔薇よ、お前の香りだ!

Un arome d'ors froids rodant sur le sachet,
におい袋から漂う凍った黄金の香りの中、

Une touffe de fleurs parjures la lune
月の誓いに背いた花束は、

(A la cire expiree encor s'effeuille l'une),
(燃え尽きた蝋燭にまた、花びらが一枚落ちる)

De qui le long regret et les tiges de qui
その長き心残りとその茎を

Trempent en un seul verre a l'eclat alangui...
物憂げに輝くたった一つのガラスの花瓶に浸している・・・

Une Aurore trainait ses ailes dans les larmes!
それを見た曙は涙を流し、その翼を引きずるのだ!


最初の4行は、錦織の壁掛けに描かれた光景の描写です。乳母の視線はまるで、映画のカメラの目のように庭から寝室に移り、そして寝室の中を描写していくんですね。ベッドの方からは薔薇の香りが漂ってきます。非常にシンボリックな薔薇です。過去の輝かしい時代に存在した館の生活の象徴でしょうか。しかしその面影ですら、薔薇の花びらが一枚、また一枚と落ちるように、遠い過去へと次第に消えていくようです。

仮に「羽根の中に埋もれる頭」がヨハネの首のことであるならば、乳母はかつて惨劇が繰り広げられたユダヤの領主ヘロデの廃館にたたずみ、過去を思い出していることになりますね。少なくとも私は、そのように読んでしまいました。

さらに乳母の「呪文」は続きます。

バラと晩秋 119.jpg

(続く)






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最終更新日  2008.02.06 14:13:34
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