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テーマ: いい言葉(574)
カテゴリ: 文学・芸術
▼メリ・ローラン4(マラルメ35)
次はマラルメらしい詩です。無題ですので、便宜上「美しい自滅から勝ち誇るように逃れて・・・」と名付けられています。

Victorieusement fui le suicide beau…
(美しい自滅から勝ち誇るように逃れて・・・)

Victorieusement fui le suicide beau
Tison de gloire, sang par écume, or, tempête !
Ô rire si là-bas une pourpre s’apprête
À ne tendre royal que mon absent tombeau.

美しい自滅から勝ち誇るように逃れて
栄光の燃えさしよ、泡立つ血、黄金、嵐よ!
もし彼方にある、空っぽな私の王墓に、
緋の衣を飾るだけなら、おお、それは笑い種だ。

Quoi ! de tout cet éclat pas même le lambeau
S’attarde, il est minuit, à l’ombre qui nous fête
Excepté qu’un trésor présomptueux de tête
Verse son caressé nonchaloir sans flambeau,

何ということだ! 真夜中、私たちを祝福する闇に
留まる光など一片も残っていないではないか。
だがそこには、思い上がった秘宝のような髪が
燃えることもなく、物憂げに愛撫を受け流している。

La tienne si toujours le délice ! la tienne
Oui seule qui du ciel évanoui retienne
Un peu de puéril triomphe en t’en coiffant

お前の髪はまさに永遠の恍惚! そうだ、
お前の髪だけが、跡形もなく消えた空から
わずかに残った子供らしい輝かしい勝利を掠め取り、

Avec clarté quand sur les coussins tu la poses
Comme un casque guerrier d’impératrice enfant
Dont pour te figurer il tomberait des roses.

その輝きでお前を覆う。幼少の女帝が兜を置くように
お前が寝床にその髪を横たわらせる時、お前の姿を描くため
兜から薔薇の花びらがはらはらとこぼれ落ちるのだろうか。


やはりこれもマリ・ローランのことを歌った詩のようです。1887年に発表されました。マラルメらしく「美しい自滅から勝ち誇るように逃れて」と難解に表現されていますが、簡単に言うと、「太陽が没して」ということですね。すでに『エロディアード』で説明したように、マラルメは詩人を嘲り笑う「青空」を恐れていました。おそらく、昼間は英語教師として過ごさなければならない自分の境遇を重ね合わせていたのでしょうね。

美しい太陽が没(自滅)すると、その青空(現実)から逃れて、詩人は勝ち誇れると言っています。青空の消滅のイメージは、第三節でも「跡形もなく消えた空」として登場しますね。

マラルメには、もう怖いものはありません。夜になれば、現実世界から詩人の魂は解放されます。せいぜい私のいない墓(魂が抜けた後の抜け殻)を夕陽が緋色に染めるぐらいだと、勝ち誇っているように聞こえます。矢でも鉄砲でも持って来い、といったところでしょうか。

そして夜の静寂。闇は二人を祝福します。二人を邪魔するものは何もない、完全な勝利でもあります。真夜中の暗がりで、勝利に陶酔しながら寄り添って、ローランの金髪を物憂げにそっとなでるマラルメの様子が浮かびます。

マラルメにとっての戦利品であるローランの髪の美しい描写が続きます。それは「詩の理想」である「青空」から掠め取った美でもあるのでしょうね。

第四節はとくに美しいイメージに満ちています。薔薇はローランの美(裸体)を象徴すると同時に、ミューズであるローランから生まれる詩句のことをさしているのではないかと思われます。

夜は想像力豊かな詩王、昼は退屈な教師という二つの顔を持つマラルメにとって、真夜中こそミューズと出会える束の間の勝利であり、歓喜だったに違いありません。マラルメは1893年、51歳まで教鞭を取っていました。学校は詩人には人生の墓場のように思えたのかもしれませんね。

青空と薔薇です。

青空と薔薇
(続く)






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最終更新日  2008.02.29 14:09:46
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