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2023.12.08
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テーマ: 読書(8292)
カテゴリ: 本日読了






〈DATA〉
著者 ウィリアム・シェイクスピア
訳者 木下順二

発行所 岩波書店
1997年9月16日  第1刷発行
2021年7月5日  第24刷発行



〈私的読書メーター〉 ある台詞が放たれるや登壇する人物。異なる話題なのに台詞内容はその人物の内実や未来を暗示している、とシェイクスピア劇を観ていて感じたことがある。リエゾン視覚化?木下順二氏の後書きにその点が触れられていた。大海の水と洗面器一杯の水の対比や王が身にする衣装の比喩の指摘など改めてなるほどなあ!魔女的存在はマクベス自身気づいてない自分の、否、人間の地金が独特な気候風土の中でホログラム化した、の印象強まる。魔女裁判の時代に沙翁のメタ認知、木下氏のいう今日的マクベスが時代に符合し過ぎ、かの政治家にこの台詞ぴったりとは。〉


木下訳の言葉のノリは江戸っ子伝法な、というか石原裕次郎の若い頃の東京ことばはきっとこんな、みたいな勢い。

しかし下品に落ちることはないのが氏の持ち味。


翻訳って面白いのねえ。
戯曲って面白いねぇ。

時代がかった言い回し、宗教的な了解の引用、語られれば即ち現実という即妙、なんぞはシェイクスピア劇のドラマツルギー

そんな緊迫やスピード。それが会話一つ一つに欠損なく幕が降りるまで一貫して流れる。

素人の私にも感じられる木下訳の上質感。


こんな台詞で聞かせられれば、換骨奪胎、時もところも変えて戦後間もない日本の、仁義なき、大企業出世闘争物語にもなりうると感じた。

言葉ってすごい。話し言葉って。


さて。
ヒースで魔女に初めて出会ったとき、マクベスは同輩バンクォーと共に在った。それは彼らには予期せぬ遭遇だった。


そそのかす魔女にマクベスの心は千々に乱れるが、バンクォーは冷静であった。


再び魔女に会ったとき、マクベスは一人であった。しかも自ら望んで会いに行った。


魔女と人間が出会うために、また預言と幻影を得るために、あり得ない種々を大鍋のるつぼに混ぜ入れる、かの儀式。そのナンセンスなごった煮。


マクベスは人間界では悲劇だが、転倒した魔女界からは滑稽な見ものだったのかも知れぬという惨劇。


レイディマクベスの落差の振り幅は人間界を超えているようにさえ感じる。

あのような認識を生身の人間は長時間持ち堪えることはできない故の狂い死にの結末なのだろう。


病膏肓に至った妻に効かせる薬をマクベスが叫ぶ。
「大黄でもセンナでも」

大黄は漢方薬、これらは女性の便秘薬に用いられる。最近、丁先生の対談読んだところなのだ。

過剰なもの、停滞したものの排出。

そっか。断捨離だ!

世のレイディのみなみなさま。
塵は塵に 灰は灰に





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最終更新日  2023.12.08 12:26:39
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