“飲食店の勉強代行業”大久保一彦の勉強録

“飲食店の勉強代行業”大久保一彦の勉強録

2011.05.02
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ニュース
焼き肉チェーン店「焼肉酒家(ざかや)えびす」の集団食中毒事件で、富山県警は、チェーン店の運営会社社長から任意で事情を聴いたことがわかった。
「フーズ・フォーラス」の勘坂康弘社長が、自ら明らかにしたもので、富山県警砺波(となみ)警察署の任意の取り調べに、およそ30分間応じ、肉の仕入先など流通経路について話したという。


 実は、飲食店繁盛会時代に勘坂社長にはよくビデオを買っていただいた。
それだけに残念。

 最近、織り込みチラシが入り、そのチラシには「愛と感動のレストラン」の本を執筆中という記載があった。
その記事をみて、「何か起こらないといいけどなぁ・・」と思っていて、
妻とそんな話をしていた。

 その数日後、勘坂社長をテレビのニュースで見ることになった。
私の予言はおそろしいほど当たる!

 何を急いだのかわからないが、勘坂社長は大切なことを忘れてしまったようだ。

 実は私がその勘坂社長と出合った実践会を放棄したのも、「これは何か違う方向に進んでいるぞう・・」という私の予感にあった。
そして、何かを感じて夢ー商通信をスタートした。
日経レストランの非常識という連載でいだいた多くの疑問を披露して多くの賛同者ができた。
その本が書籍になった。


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 そして、夢ー商通信で商売とはこうしないといけないことが見えた!
その至った結論を「善の循環経営」という本にまとめた。


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 言っておくが、勘坂社長の責任は逃れられない。
私がいつもいうように、「国を信じました」や「問屋を信じました」というのはこれからの時代タブーだ。
自分の足で稼ぎ、自分の目で確かめ、自分で決めないといけない。
その作業を怠った。

 しかし、はっきり言って、お悔やみは申し上げるが、消費者も悪い。
マスコミの報道や役所の態度にはその食べると言う行動をとったことは消費者の選択だということを忘れている。

 私がこのように言う理由はいくつかある。
あまりに安い店は当然リスクがある。
(高い店でもリスクがあるのはいうまでもないが、安いにはわけがある)
そのリスクは私たちでも予想がつかない。
したがって、この手のバイトが主体の低価格の店で、o-157のリスクが一定比率ある店で、大人だって加熱しないものを食べること事態???である。
 実際、視察して「この店以上に危ないな」と思う店はある。
最近もあった。
 しかし、言えることは、自分で判断できないなら、安全はお金で買う時代になったということなのだ。

 さらに言うと、胃腸の発達していない子供に生肉を食べさせることはおかしい。
老人は自分の意思で食べたのだろうが、子供は親が食べさせたのだ。

 もし、私の発言に違和感を感じるなら、私の長年の友人である フーズデザインの加藤光夫氏 のホームページの引用を見ていただきたい。

0-157の食中毒報道が相次いでいる。
 チェーン店2件、イベントで1件、学校で1件と報道されている。
O-157の食中毒は、国内では井戸水、牛肉、牛レバー刺し、ハンバーグ、牛角切りステーキ、牛タタキ、ローストビーフ、シカ肉、サラダ、貝割れ大根、キャベツ、メロン、白菜漬 け、日本そば、シーフードソースなど。海外では、ハンバーガー、ローストビーフ、ミートパイ、アルファルファ、レタス、ホウレンソウ、アップルジュー スなど、多くの食品から感染している。

 報道は一つの事件が起るとそれに集中してしまうので、急にO-157の食中毒が増えたように見えるが、実際には淡々と発生している。

腸管出血性大腸菌による食中毒の発生状況(厚生労働省のデータから)


  発生件数 患者数 死者数
平成8年 87 10,322 8
平成9年 25 211 0
平成10年 13 88 3
平成11年 8 46 0
平成12年 16 113 1
平成13年 24 378 0
平成14年 13 273 9
平成15年 12 184 1
平成16年 18 70 0
平成17年 24 105 0
平成18年 24 179 0


O-157は牛からが多い
 O-157は牛からが多い。
牛の糞便から出ているが、牛の屠畜で、体表に付いている糞便や、解体時に枝肉表面に付着したりしたものが、肉について流通してしまう。
このため、衛生管理の行き届いたと畜場では、1頭を処理するごとに熱湯消毒したり、2本のナイフを交互に横の熱湯槽に入れたりしている。

牛の数%がO-157を持っているようだ
 色々なデータを見てみると、牛の数%がO-157を持っているようだ。
かなり以前だが、米国のあるフィードロット(牛の集中生産場所)の調査だかで、冬場は牛の2%程度、夏場だと四十数パーセントの牛がO-157を持っていたという。夏場の牛は危ないようだ。
 やはりだいぶ前、オーストラリアの牛肉加工工場で「O-157が無いというギャランティー」について聞いたら、明確に「不可能」と言っていた。


肉の内部に入ったO-157が問題
 肉の表面についたO-157は、ステーキやバーベキューで焼けば、肉の中はレア(生焼け)でも、表面は十分に加熱されるので殺菌されるので問題は無い。
角切りステーキや、結着ステーキ等で、調理加熱不足によってO-157の食中毒になるのは、肉の内部にO-157が入っているからだ。
 硬い肉を軟らかくする為に、テンダーライズと言って、細いサーベルのようなナイフを数十から大型の機械は数百本付いた道具を肉に刺し込み、スジを切る方法がある。
この方法は簡単に肉を軟らかくする良い方法だが、道具を良く洗浄して使わなければならない。
 テンダーライザーの表面にO-157が付いていると、それを肉の中に刺し込むことになる

 一つの肉のブロックの表面にO-157がついていると、その肉をテンダーライズしたら、その後テンダーライズする肉すべてに、テンダーライザーについてしまったO-157を、次から次へと刺し込むことになる。
 こうなると、その肉をステーキや角切りステーキにした場合、肉の中にO-157が入り込んでいる為、表面を焼いただけでは中のO-157は殺菌されないので、食中毒になってしまう。
結着ステーキも同じで、グラインド(ミンチ)にしてから圧力をかけて結着したり、スライスして、そのスライスを積み重ねて結着して作ったステーキや角切りステーキは、中にO-157が入り込んでしまう。スライスすれば、スライサーの刃がO-157に汚染されていれば、スライス肉にO-157がついてしまうからだ。


加工器具に付いたO-157が増殖し他の肉を汚染
 テンダーライザーやスライサーにわずかのO-157が付着して、それがどうしてその後の多くの肉を汚染するのか、そんな大量にO-157が付いてしまうのか、と言った疑問があるかもしれないが、わずかなO-157が付着すれば、付着面には肉の脂肪がたっぷり付いている訳だから、O-157はどんどん増殖する。増殖する温度は6℃以上だが、一般的に加工場は20℃、低温でも15℃程度だから、十分増殖する条件は整っている。
増殖し続けるO-157は次から次へとテンダーライズやスライスする肉を汚染し続けるのだ。

こういった肉は中心まで加熱(75℃)する必要がある
 O-157に汚染された水を飲んで埼玉県の幼稚園児二人が死亡したこともある。
こういった水を使って野菜を水耕栽培すれば、その野菜がO-157に汚染されることになる。
米国でほうれん草でO-157食中毒が広範囲で起きたことがあるが、これはO-157を持ったイノシシが畑の中に入り込んだという推定もされている。

 ちなみに肝臓という臓器ができあがるのが7歳~8歳。
ワクチンの予防接種をしない人が多い理由もここにある。

 しかし、言えるのは、安い焼き肉屋も、ワクチン接種も自ら同意して選んでいるのだ。
人のせいにしてはいけない。


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Last updated  2011.05.06 22:57:43


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