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2006.12.18

『ふたり』クロード・ジディー監督（仏1989）

テーマ：映画レビュー(894)

カテゴリ：フランス映画

DEUX
Claude Zidi

navet（ナヴェ）って言うのはフランス語で蕪（カブ）のことで、「愚か者」とか「くだらないもの」なんて意味もあって、映画では「駄作」のことを言います。この映画はnavet中のnavetですね。なんでこんな映画が作られるんでしょうか。ボクはあまり好きではないんですが、ジェラール・ドパルデューなんて人気俳優が主演してます。下の３枚の写真はビデオジャケットの写真なんですが、これを見るとちょっと見てみたくなるでしょ？。マルーシュカ・デートメルスは奇麗ですし。

駄作であれ、名作であれ、体調の問題もあるから、映画の途中で寝てしまうことはないではありません。でもボクは見始めた映画は、とりあえず最後まで見る主義です。何を意図してこの映画を作ったのかなとか、どうしてつまらないのかなとか、そんなことを知りたいからです。そういうことはほとんどありませんが、最初の９０分がつまらなくて、でも最後の３０分は良かった、なんて映画もありますし。

（以下ネタバレ）
でこの映画、ビデオで見たのですが、最初の５分ぐらいでイヤになりました。ドパルデュー演じる、有能な現代音楽作曲家にして今は音楽プロデューサーをやっているマルク・ランベールが、友人作曲家の新曲のリハーサルか何かを聴きにくるシーンから始まるんですが、場面に血が通っていないんです。「ああ、これはnavetだな」ってすぐわかってしまいます。でも我慢、我慢。まだデートメルス出てきてませんし。

でマルクは空港に迎えに行った大御所作曲家から、マルクの死んだ恩師のパリ・モンマルトルの一軒家を未亡人が売りに出していることを知らされる。その恩師とは意見の相違で決別はしたものの、彼も寄宿していた思い出の家を買おうと、仲介の不動産屋に行く。そこで親の後を継いで不動産屋をやっている美人ビジネス・ウーマンのエレーヌ（マルーシュカ・デートメルス）と出会う。そして物件の家で二人は抱き合ってしまう。男はプレイボーイ、女も出会いを求めているとはいえ、この辺の経緯に説得力は全くない。

二人は付き合い始めるんですが、男は遊び癖は抜けないと言うか、一人の女性と結婚して家庭的な夫になるなんていう考えには馴染めない。そういう意味での人間的成長はしてない。色々と二人の葛藤はあるんですが、結局別れることになって、最後の食事をレストランでする。そこで大事件。厨房のガス爆発で店内は火の海。呼吸器の障害で入院中のマルクの部屋に、エレーヌの秘書が来て、彼女が背中全体を大火傷したことをそれとなく伝える。そこで男は真の愛に目覚める（らしい！）。二人は結婚。

作曲をまた始めたマルクはスイスのコンクールに行っているんですが、エレーヌは出産間近で精神不安定になっていて、マルクを求めている。彼が急いで帰ってくると、エレーヌは産気づいて、彼が車で病院に連れて行くんですが、道路は大渋滞。抜け道をと考えて高速から降りるものの、道なき川辺に車は止まってしまい、野原でエレーヌは出産、マルクが赤ちゃんをとりあげて、二人愛を確認し合う、ってキテレツなラスト。