ラッコの映画生活

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2007.08.16
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カテゴリ: フランス映画
SOUS LE SOLEIL DE SATAN

98min
1987年カンヌ国際映画祭・パルム・ドール

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この映画の原作は20世紀前半のフランスの作家ジョルジュ・ベルナノスの同名小説。学生のとき、昨年末に亡くなられたベルナノスとセリーヌの研究者であったK先生の講議でベルナノスを知り、その作品に親しみました。その作品はカトリック幻想小説で(幻想と言ったのは非現実な出来事も書かれているという意味)、実のところなかなか難解。この作品もロベール・ブレッソンが映画化した『田舎司祭の日記』も主人公はカトリックの親父で、どちらもキリスト教の信仰や罪の物語で、一介の田舎司祭が奇跡らしきことを起こしたり悪魔が登場したりです。我々日本人はキリスト教信仰には知識が浅いのですが、それを取り払って、あるいは読みかえて、人の罪の問題や実存の物語として見ても十分に深い作品だと思います。ベルナノスの文学はボクにとって何処か気になる存在で、まだ実現はしていないけれどじっくり読んでみたいものでもあります。

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このベルナノスの作品は『田舎司祭の日記』と『少女ムシェット』をロベール・ブレッソンが1951年と1967年にその究極に虚飾を排した作風で映画化していて、ベルナノス映画と言えばブレッソンという構図が既にある中での『悪魔の陽の下に』の映画はピアラにとってはプレッシャーもあり、一つの挑戦でもあったと思います。見事1987年第40回カンヌ国際映画祭でパルム・ドールを獲得しました。この監督についてはあまり詳しくなく、これまでに 『ソフィー・マルソーの刑事物語』 を見たのみで(たぶん)、『愛の記念に』もまだ見ていません。たまたまソフィー・マルソーとかが出演していればともかく、日本ではなかなか見る機会の少ない監督さんです。まあ寡作と言えば寡作でもありますが、本人かなり偏屈な人間で敵も多かったらしく(2003年没)、カンヌでの受賞も1966年ルルーシュの『男と女』以来フランス作品の受賞が20年間なかったからだなどと悪口を言う人もいるようです。(ちなみにその間のパルム・ドールは米6本、伊5本、英4本、日本2本、西独2本、そしてポーランド、トルコ、ユーゴスラビア、アルジェリアが各1本です。)

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神学校で平凡な成績だったドニサン(ジェラール・ドパルデュー)は北フランスの寒村の主任司祭ムヌ・スグレ親父(監督自身の出演)に拾われていたが、自らの信仰や聖職者としての神からの召命に疑問を持ち、身体を笞打つ等の苦行を隠れて行っていた。一方没落貴族カルディニャンの愛人である16才の少女ムシェットは彼の子を妊娠していたが、たぶん事故だろうが猟銃で彼を殺してしまう。彼女は別の愛人である医師で代議士のガレに救いを求めるが、名声が傷付くことを恐れ、また家庭を守ろうと取り合ってはくれなかった。ドニサンが補助の仕事でエタンプに歩いて向かっていたとき、途中1人の馬喰と出会い道中を共にしたが、その馬喰が悪魔の化身であることにドニサンは気付くが悪魔との出会いで人の心を見透かす力を得てしまう。

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(以下ネタバレ)
その後ドニサンはムシェットと出会って彼女と対決する。彼女の罪や彼女が先祖から負わされている因果をドニサンは見抜き、彼女を神の信仰に戻し、彼女の魂を救おうとする。しかし結果として彼女を追い詰めて自殺させてしまう。そしてそれを発見したドニサンは彼女を神の元へ返そうと、彼女の血だらけの死体を教会の祭壇に置き、大スキャンダルとなってしまう。司教は彼をトラピスト修道院に送り謹慎を命ずる。その後彼はランブルの村の司祭に任ぜられるが、信者たちはドニサンを聖人と見なすようになっていた。彼に触れようとし、病人や不具者は彼に奇跡を求めるのだった。そして幼く死んだ子供を蘇らせることを求められたた彼は、自らの魂の救いと引き換えに子供の再生を願い、子供を生き返らせることに成功する。ドニサンは自らに課した厳格な生活と過労から、教会の告解室で息絶えた。それを発見して静かにドニサンの目蓋を閉じたのは、彼への友情や励ましを惜しむことのなかったムヌ・スグレだった。

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苦行までする厳格な生活を送っていて、最後には心的&肉体的過労で死んでしまうドニサンをデブのドパルデューが演じることに最初ちょっと抵抗があったが、見ているうちに素直に見られるようになっていた。ボクはこの俳優の魅力や能力についてまだ「?」が多いのだけれど、やはりここでは名演なのだろう。サンドリーヌ・ボネールのムシェットも良かったが、この役をもう2年くらい前に演じていてくれたらもっと良かったかも知れない。無垢でありながら悪を犯し、しかし孤独であるという難しい役を良く演じてはいたけれど、やっぱりやや年令が上過ぎた感がある(当時20才)。

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とりあえずVHSソフトを入手しての鑑賞で、学生の頃映画の音声のみの録音を聞いたことがあるだけのブレッソンの『田舎司祭の日記』のテープも購入したので、これを見てからどこかに感想をまた書いてみたいと思っている。ベルナノスにはブレッソンのように白黒の方が合っている気もする。あとはやっぱり原作をもう一度ちゃんと読まないと・・・。

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Last updated  2007.09.05 04:08:07
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