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2008.04.11
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カテゴリ: フランス映画
LE ZEBRE

95min
(所有VHS)

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この監督ジャン・ポワレ名を知っている方は少ないかも知れません。日本ではあまり馴染みはないのですが、フランスでは俳優・劇作家として有名な人でした。映画『Mr.レディ Mr.マダム』はもともと舞台劇で、その作者であり、もともと名コンビを組んでいたミッシェル・セローと二人で自ら演じ、5年・900公演・総観客数180万人を記録するロングランの大ヒットでした。彼は女優・小説家・劇作家・シャンソン作家として有名なフランソワーズ・ドランと結婚し娘が一人ありますが、その後70年代に女優カロリーヌ・セリエと暮らすようになり、1978年二人の間に息子が誕生、1989年に正式に結婚しました。この映画はそんなポワレの初監督作品であるとともに、遺作となってしまいました。映画の公開は1992年6月だったのですが、その3ヵ月前に映画のヒットを見ることもなく亡くなっています。自分の妻カロリーヌ・セリエを主演にに据え、自分の妻への愛を語ったような作品のような気がします。なので男性主人公イポリット(ラストから考えてもラシーヌの『フェードル』からの命名だろう)という、あるいは監督という 男の心理 から見た愛や女への期待の物語なのだが、こういう愛の物語としては珍しく目頭が熱くなりました。

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この映画の原題は「シマウマ」。フランス語では「変わった奴」「変な奴」くらいの意味があり、公証人をする主人公イポリットのことで、たぶん1回だけ妻カミーユが口にした言葉だと思います。解説などでは結婚15年で倦怠気味の夫婦って書かれていたりするけれど、倦怠って言えば倦怠でないことはないかも知れないけれど、けっこう仲睦まじい。むしろイポリットがやや異常で、出会って熱烈に燃えた頃の愛の情念を持続させたいと、もしかしたら無理なことを偏執的に求めている。「別れて出ていく」と妻に言って妻の反応を見たり、車に妻を乗せて暴走し、狂言心中のようなことをして妻の反応を見たり、自分が妻を愛し、妻も自分を愛していると分かっていながら、それが最初の熱烈な情熱ではなく、日常の習慣的日々に弱まってしまっていると感じてしまっているのだ。大人であることを受け入れられない、「大人の愛などない」と彼が言うように、現実的社会の中での醒めた愛では満足できない。

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夫を愛しながらも、その奇行にややウンザリの妻カミーユ。そんなカミーユに愛を告白する匿名の手紙が毎日届くようになる。手紙の内容は日ごとに過激になる、一種のストーカー的手紙だ。妻は夫にその手紙を隠すわけではなくオープンなのだが、いつの間にか毎日手紙が来るのを心待ちするようになる。彼女は高校の文学教師なのだけれど、男子生徒や同僚の男性教師の誰かではないかと疑いの目で見たりする。「6時に市庁舎広場に来てくれ」という手紙を受け取り、彼女は車の運転席から秘かに観察するのだけれど、彼女が疑いの目で見ていた男性3人全員が通りがかる。そして突然彼女の車の助手席に乗り込んできたのは夫イポリットだった。

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やがて「ホテルで会おう」という手紙を受け取り、彼女は指定されたホテルに行くことになる。一日目は「まだ時期尚早」とじらされた二日目、彼女は見知らぬ手紙の主に目隠しをされ、官能のひとときを過ごす。そして「自分が誰であるか明かす。カフェで赤いマフラーをしているのが自分だ。」という手紙を受け取り、指定の時間に彼女は行く。でタイトルの「シマウマ」だけれど、この映画にはネタバレになってしまうことが2つあって、その一つ目は『妻への恋文』という邦題がバラしてしまっている。迷惑千万な訳題だ。もちろん赤いマフラーの男は夫イポリットだった。

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(以下ちょっとネタバレ)


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兎に角エキセントリックなイポリットで、だから体裁はややコメディータッチだけれど、そこで描かれるのはひたむきな彼の妻への愛だ。そんな彼を愛し、受け入れようとする妻カミーユの姿が美しい。現実を無視した男のロマンの世界なのだけれど、ほろりとさせられる。イポリットは監督の分身であり、監督は妻への愛を描き、カロリーヌ・セリエも監督である夫ポワレを想う気持ちを表現している感じだ。まるで撮影後ほどなくこの世を去ることを知っていたかのような、二人(セリエとポワレ)の愛の記念碑であり、ポワレの妻への愛の遺言のように感じられてならない。

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余談なのだけれど、作中のイポリット&カミーユには息子と娘がいる。息子の方が上だが、2人とも小学生ぐらいだ。二人の子供は両親を愛しており、父イポリットが別居している状態に不安を感じていた。映画の途中から夫婦は緊張とスリルを保つためと別々の寝室に寝ていたが、心臓発作を起こして父が帰ってきた翌朝、母親の寝室で両親が同じベッドで抱き合って眠っているのを見た娘は大喜び。走っていって兄にも知らせ、二人の子供は大喜びで抱き合っていた。日本なら親は自分達が愛の行為をするのを子供に秘密にしたがり、少なからぬ子供も両親が裸で抱き合う姿を想像したがらないのと比べて、あまりにも違っている。

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Last updated  2008.04.12 02:40:28
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