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私は、2年毎にドイツ・ケルンで開かれるフォトキナに出展し、一国一代理店を募集し、世界にアルミケースを販売していました。通訳は日本人と結婚し、スペイン人の女性で、7ヵ国語を喋る人でした。日本では当たり前のように使われている英語で、海外の人には、通じない言葉があります。 「ユニーク(unique)」 も、その一つです。日本では、 「面白い」 という意味で使われがちですが、本来は 「唯一の」 「他に類を見ない」 という意味のため、外国人には、正しく通じなかったり、誤解を招く恐れがあります。もし、日本語圏外の人に、 「面白い」 と伝えたい場合は、 「ファニー(funny)」 や「ユーモラス(humorous)」 という言葉を使うといいでしょう。それより、日本語にも各地方・地方で方言があり、特に家庭の主婦同士が、列車の中で話をしたりしていると、まったく理解ができないことがあります。私は、若い頃、東京の羽田から飛行機で千歳まで飛び、札幌から旭川迄行き、今度は逆に、室蘭本線・函館本線で函館まで上り、函館で一泊し翌日、青函連絡船で、今度は青森に渡りました。さらに今度は、東北本線・奥羽本線で東北を一周し、一週間ほど開け、さらに東海道本線を静岡県島田市まで行きました。要するに、その町々のカメラ店に写真用品を卸して歩いたのです。言葉の解釈違いや、誤解を防ぐには、語源や背景を知り、言葉を正しく使うことが一番です。ただ、そうするには、事前に知識を、得ておかなければなりません。今すぐに実行できるのが、誤解を招く言葉かもしれないということを自覚して、「相手や状況をよく見て、適切な言葉を使う」 ということです。仕事を進めるうえで、言葉は必ず必要です。日々使っている言葉に興味を持つと共に、どのような言葉を使えば、相手に正確に伝わるのかを考えたいものです。合掌
2024/12/01
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バランスのとれた人間とは、何事に対しても常に「なぜ」という疑問をもち、これを論理的に徹底して追及し、解明していく合理的な姿勢と、誰からも親しまれる円満な人間性をあわせもった人のことをいいます。いくら分析力に優れ合理的な行動を貫くスマートさを備えていても、それだけでは、周りの人々の協力を得ることはできないでしょうし、逆にみんなからいい人だといわれるだけでは、仕事を確実に進めていくことはできません。私たちがすばらしい仕事をしていくためには、科学者としての合理性とともに、「この人のためなら」と思わせるような人徳を兼ね備えていなければなりません。これも難しい話ですが、ビジネスの世界では、あらゆる問題が、すべて理屈で証明されなくてはなりません。徹底した合理性(物事が道理や論理に適っていること)が必要です。ところが、一歩、会社を離れれば、その対局にある仏の世界など、精神的な領域も信じられる人間でなければならないということです。幸い私は、お婆ちゃんの影響か、小さい時から神仏を信じていました。それが、不思議なことに家内も神仏信仰者で、結婚当初は、夫婦で神社仏閣めぐりをし、奈良薬師寺再興の時は、休みのたびに、高田好胤管主の講話を聴き、写経するのが恒例となりました。ビジネスの世界では、徹底した合理主義者であり、しかし、それ以外ではロマンチストであり、形而上学的なことも考えられる人でなければいけません。塾長は、この両面のバランスが必要だと言われるのです※「形而上」という哲学用語は「非物理的な理念・観念・概念・信念」等を意味し、それらを研 究対象とする哲学の分野を「形而上学(けいじじょうがく)」と呼ぶ。合掌
2021/02/13
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私たちが作る製品は、「手の切れるような製品」でなくてはなりません。それは、たとえばまっさらなお札のように、見るからに鋭い切れ味や手ざわりを感じさせるすばらしい製品のことです。製品にはつくった人の心があらわれます。ラフな人がつくったものはラフなものに、繊細な人がつくったものは繊細なものになります。たくさんの製品をつくって、その中から良品を選ぶというような発想では、決してお客様に喜んでいただけるような製品はできません。完璧な作業工程のもとに、一つの不良も出さないように全員が神経を集中して作業に当たり、一つ一つが完璧である製品作りを目指さなければなりません。このフィロソフィは、大変レベルが高く、私達つくる者の"精神的なもの"までが、問われます。そもそも京セラフィロソフィは、「人間として正しいことをする」がベースになっています。塾長によりますと、京セラフィロソフィは、一種の「戒律」でもあると言われます。戒律とは、仏の戒めを自発的に守ろうとする心の働きをいう「戒」と、僧に対する他律的な規範をいう「律」を合わせた言葉です。一般的には、信者が信仰生活において守るべき規律・規則のことを言います。お釈迦様は、「六波羅蜜」という修行をせよと言われます。いわゆる、布施、持戒、忍辱、精進、禅定、智慧です。布施(ふせ):相手の利益になるよう教えを説くこと持戒(じかい):仏の戒めを守ること忍辱(にんにく):種々の侮辱や苦しみを耐え忍び心を動かさぬこと精進(しょうじん):ひたすらに努力し励むこと禅定(ぜんじょう):心が動揺することがなくなるまで寂静(じゃくじょう)になること。智慧(ちえ):ものごとの筋道を立て、計画し、正しく処理していく能力。それが、フィロソフィ2では「六つの精進」として、1.誰にも負けいない努力をする。2.謙虚にして驕(おご)らず。3.反省ある毎日を送る。4.生きていることに感謝する。5.善行、利他行を積む。6.感性的な悩みをしない。となっています。合掌
2021/03/23
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フィロソフィの輪読とその所感を述べることを、毎日の朝礼で、実施しているが、四十五番目に、「開拓者であれ」というのがある。31歳の時、人・モノ・お金、さらに何の技術もなく、ただ、<独立して自分で事業をしたい>という意気込みだけでスタートして、41年になる。その間、一貫しているのは、この「開拓者であれ」の一言だと思っている。人のやらないこと、人の通らない道を、自ら進んで切り開くこと、このことをひたすら心掛けた。銀塩カメラが無くなり、電子映像のムービーやデジカメが生まれ、携帯電話が爆発的に普及し、インターネットが生まれ、今は、タブレットPCが新しい世の中を創ろうとしている。世の中に新しくできたものは、スタートラインが一緒なので、まずその業界に入ることを心掛けた。そして、曲がりなりにも、自分達で作れるものの範囲で、会社経営をしてきた。まだこれからも、スマホが進化し、超小型モビリティ、3Dプリンター等、興味深いものが次々と生まれてくる。ということは、まだまだビジネスチャンスがあるということだ。難しいことは、現状社会に満足し、必ずしも新しい事・物を、良しとしない人が多いことだ。新しいことに挑戦し、新しいものを使いこなそうとすれば、かなりの努力が必要だ。それだけではない、仕事に取り込もうとすれば、お金も必要だし、リスクもでて来る。フィロソフィの締めは、どんなに会社が大きくなっても、私達は、未来に夢を描き、強烈な思いを抱く開拓者としての行き方をとり続けなければなりません。ということです。合掌
2013/07/29
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問題が発生したときや、仕事に行き詰ったときには、その対象となるものや事象を、真剣に、謙虚に、観察し続けることです。たとえば、製造現場では、あらゆる手を尽くしても、歩留まりが思ったように向上せず、壁にぶちあたることがよくあります。そんなときは、製品や機械、原材料、治工具にいたるまで、工程全体を、すみずみまで観察し、素直な眼で、現象をじっと見つめなおすことです。不良品や整備の悪い機械があれば、その泣き声が聞こえてくるはずです。製品そのものが、解決のヒントを語りかけてくれるのです。先入観や偏見をもつことなく、あるがままの姿を、謙虚に観察することが大切です。私たちの商品は、お客様が、「あぁしたい、こうしたい」といった、想い・願いをカタチにしたものですから、出来上がった商品に対するお客様の想い入れは、並大抵のものではありません。それだけに、「なぜ、こんな作り方をするのか?」「なぜ、こんな部品がつくのか?」、製造工程で分からないことが次々と出てきます。結果的には、その仕事に携わった者すべてもお客様と一体になります。一台、一台、お客様の想いをカタチにする。毎日が、変化に富んだ素晴らしい仕事であり、ありがたいことだと感謝しております。合掌
2021/03/24
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昨日の朝礼で、職場の教養を読んでビックリしました。「商人は水であれ」というのです。 これは一体どういうことなのか? そのまま転記しますのでご覧ください。日本の代表的商社である 伊藤忠商事株式会社 代表取締役会長CEOの岡藤正広氏は、「商人は水であれ」を、自身の哲学としています。 「お客様に合わせて丸にでも四角にでもなれる。それがプロというものだ」と言います。さらに岡藤氏は、「そのためには、一つの職場で『一所懸命』に打ち込んで、一芸に秀でること。一つのことを究めれば、いくらでも応用が利く」と、語っています。方円(四角や円形)の器に従うことのできる水のように、その時々の環境に合わせて柔軟に対応できる力を身につけるためには、ある程度の時間をかけて、じっくり技を磨くことが不可欠です。仕事の正確性や処理能力の向上、観察力や応用力、あるいは非常時に対する適応力や修正力など、これらの力は、経験を重ねることなしには、身につけられません。何事も一つずつ真摯に対応していくことで、自分の力が磨かれていきます。自分の仕事にじっくり向き合う一日にしたいものです。岡藤会長は、2021年3月期、利益・株価・時価総額の3部門で、三菱商事、三井物産、住友商事を超え、万年4位とされた伊藤忠商事をトップに押し上げたが、社内に「敵は慢心」と自戒を訴えました。岡藤正広という人は、自分自身を持戒すると共に、自らを磨くことに全身を尽くす人であることが分かります。合掌
2023/02/15
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「体が資本」といわれるように、働くためには健康の維持が大切です。自身の健康管理も、大切な仕事の一つと言えます。その方法は、十人十色でその人に合ったもので対応すべきでしょう。私は、40歳代の頃、お客様の接待が自分の仕事と思い、連日、接待に明け暮れ、肥満体・高血圧症でした。再三書いたと思いますが、その時に主治医から大変厳しい言葉を投げかけられるのです。「芦田さん、自分の身体もコントロールできないのに、従業員をコントロールしようというのは無理ですねー。摂食して、適度の運動をするだけですよ!なんでそれができないのですか?」自分の心の中では、「そんなこと言っても、昼間は仕事だし、夕方から夜遅くまでの接待は、自分が顔を出さないとお客様に失礼だし、これが自分の仕事だから仕方ない!」でした。それを見ていた看護婦さんが、仕事をしながらできる、簡単な体操を教えてくれました。さすがにこの厳しい言葉は、自分の心にグサリと刺さりました。以後、一念発起、摂食、適度な運動を心掛けるのです。40年後の現在は、既定の標準体重を10%程オーバーしていますが、さらに血液検査の数値も、真中の基準値に揃うよう食事や運動をコントロールし、1~2を除いて全て真中に揃っています。それと健康な体を保つには、先日も書きましたが、仕事中の姿勢がもの凄く大切です。業務中の姿勢の悪さからくる体のゆがみが、筋肉をこわばらせ、いろんなところに支障をきたすようになります。さらに当社のお客様には、足型測定機のメーカー様がいらっしゃいます。この会社は、“足から健康へ” をキャッチフレーズに、一人一人違う足型を測定し、足矯正インソールを提供し、その人を健康にするといいます。このようにいろんな健康法があるように、日頃の身体のケア、定期点検も大切ですが、日常生活や、業務中の姿勢や、足型にも、改善点があるのかもしれません。合掌
2024/11/30
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物事を処理するに当たっては、どんぶり勘定で捕らえるのではなく、一つ一つ明確に対応させて処理することが大切です。たとえば伝票なしで、現金や物を動かしたり、現金やものの動きを確認せずに、伝票のみで処理するというようなことがあってはなりません。売掛金の入金チェックにしても、どの売上分を、どの入金分で、受け取ったのかを個々に対応させながら、一対一で消し込むことが必要です。また生産活動や、営業活動においても、「総生産」や「総収益」といった、いわゆる収益と、それを生み出すために要した経費を、正確に対応させ、厳密な採算の管理を行うことが必要です。製造業と言われる当社は、多くの人がいろんな材料・部品を加工し、一つの商品を造ります。工程別や商品別にアメーバ(小集団)が組まれ、部門の収支を明確にすると共に、日次決算をしております。お金が動こうと物が動こうと、そこには必ず伝票がついてまわり、その伝票をパソコンに入力することにより、収支が見えてくるわけです。伝票なしでお金や物が動くことがあってはなりません。普通の会社は、資材が資材課の判断で、材料や部品の発注をすると思いますが、当社は、各現場が、この材料をいくらで、何個、何時までに、買って下さいという「購入依頼伝票」が発行されます。当社では、「人、物、金、すべてのものが動く時には、必ず伝票が付いてまわる」ということが徹底されており、その結果、日次決算が可能となりました。合掌
2021/03/25
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コロナ禍で、事業環境も大きく変わりました。さらに企業は、環境と人権などに配慮した経営・ESG経営とか、自社の事業、技術を生かし、SDGsへの取り組みをと言われる世の中になりました。今日からは、<困難に打ち勝つ>というフィロソフィ5話を、紐解きたいと思います。仕事を正しく進めていくためには勇気が必要です。ふだん私たちは、周囲の人から嫌われまいとして、言うべきことをはっきり言わなかったり、正しいことを正しく貫けなかったりしてしまいがちです。仕事を誤りなく進めていくためには、要所・要所で正しい決断をしなければなりませんが、その決断の場面では、勇気というものが必要となります。しかし、そこでの勇気とは蛮勇、つまり粗野で豪傑といわれる人のもっている勇気とは違います。真の勇気とは、自らの信念を貫きながらも、節度があり、恐さを知った人、つまりビビりを持った人が、場数を踏むことによって、身につけたものでなければなりません。部下から持ち込まれた問題を、判断する場面で、とても困難と思われる道と、現況から判断すると比較的安易と思われる道があるとします。どちらを選ぶべきか思案することが度々です。塾長が言われるのは、困難な方が正しいと分かっていながら、部下の立場や、その場の雰囲気を察し、どうしても安易な道を選ぶことが、多いのではないかと言われるのです。経営者として、「正しいと思う道を、勇気を持って決断しなさい」ということと、もう一つは、親の事業を引き継いだ2世経営者に対しては、もともと資質を認められて経営者になったのではないのだから、いろんな場面で、「場数を踏むことで、真の勇気を養っていきなさい」ということでした。私の場合は、「自分で事業を起こす」という想いで創業しましたので、すべてがやったことがない連続でした。しかし、その時は、何としても独立した企業を起こすという使命感で決断したと思います。そして、ある程度の従業員が増えてくると、使命感と共に今度は責任感が、判断のきっかけになったと思います。売上が半減したときは、何としても今の従業員を守るという責任感でした。いずれにしても、塾長から教わったように、如何なるの判断も、勇気を持って、正しいと思うことを決断すべきだと思います。合掌
2021/02/22
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京セラでは、創業の当初から、すべてのことを原理原則にしたがって判断してきました。会社の経営というものは、筋の通った、道理にあう、世間一般の道徳に反しないものでなければ決してうまくいかず、長続きしないはずです。われわれは、いわゆる経営の常識というものに頼ることはしません。「たいていの会社ではこうだから」という常識に頼って、安易な判断をしてはなりません。組織にしても、財務にしても、利益の配分にしても、本来どうあるべきなのか、ものの本質に基づいて判断していれば、外国においても、また、いまだかって遭遇したことのない新しい経済状況にあっても、判断を誤ることはありません。このフィロソフィの最後の方に、「いまだかって遭遇したことのない新しい経済状況」とあり、まさに、今のコロナ禍やDX(デジタルトランスフォーメーション)で、世の中が変わる様を言っているようです。このフィロソフィは、いかなる事態になろうとも、経営者は、世間一般の道徳に反することなく、「人間として何が正しいのか」という判断基準で、物事を判断しなさいということです。つまり、どんな時代になろうとも、「人として正しいことをする」を基準とするということです。それが、今回の「原理原則にしたがって判断する」ということです。さらに、塾長から習ったことは、この京セラフィロソフィそのものに、「人間として正しいことをする」が、根底になっているということです。合掌
2021/04/07
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私たちは常に人格を高め、維持する努力をしなければいけません。しかし、よほどの修行をしても、悟ったり、完璧な人格者になれるものではありません。人格や心を高めていくためには、際限のない努力の繰り返しが、必要なのです。きれいな心を持とうとしていても、悪い心が何度となく出てきて、強欲になったり、腹が立ったりします。そのたびに「それではいけない」と、自分に言い聞かせて、悪い心を抑え、きれいな心を持つように、努力し続けることが大切なのです。 たとえ、悟りきった完璧な人格者には、なれなくても、常にそうありたいと自らを反省しながら、繰り返し繰り返し努力している人こそ、立派な人格者といえるのです。これで、「すばらしい人生をおくるために」というフィロソフィは終わります。「心を高める」ということが一貫していました。さらに、その心の構造は、真我・本能・感情・感性・知性の5層だということです。「すばらしい人生をおくるために」は、自分の心の構造を理解し、一にも二にも、「心を高める」努力をするということです。合掌
2021/05/01
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アクテックでは、部門毎に、毎日行なう朝礼で、「京セラフィロソフィ」と「職場の教養」の輪読と所感を述べることを繰り返しています。そして、月曜日は、全員が集まる合同朝礼で、フィロソフィの紐解きを行っています。今日は六つの精進の3番目、「反省ある毎日を送る」でした。お坊さんの六波羅蜜から、採られたものだと思われますが、修行中のお坊さんならいざ知らず、凡人の我々にとっては、大変難しいことです。それには、なぜ「反省ある毎日が必要か?」ということを、理解し、自分で得心しなければ、なかなか実行できるものではないと思われます。私達の心や体は、瞬間的に反応して、身を守るようにプログラムされています。これは、原始時代から多くの外敵から身を守るために培った反応と思われ、誰もが身につけているのです。それが、日常の社会生活において、体の危険でなく、心の面、精神的で、自分が不利になると思った場合でも、瞬間的に、自分が不利にならないように、やり過ごしてしまうのです。本能で生きていた時代と違い、理性ある現代社会では、ことあるごとに、最低一日に一度は、ちょっと立ち止まり、何が起きているかを、丁寧に振り返り、反省する時間が必要です。反省ある毎日を送る。一日が終わった時に、その日を振り返り、反省をする事が大切です。例えば、「人に不愉快な思いをさせなかったか」「不親切でなかったか」「傲慢でなかったか」「卑怯な振る舞いはなかったか」、さらには、「利己的な言動はなかったか」というように、一日を振り返り、「人間として正しいこと」を行ったかどうかを確認するのです。自分の行動や発言で、もし反省する事が少しでもあれば改めていかなければなりません。反省ある毎日を送ることで、人格(魂)が磨かれていき、素晴らしい人生を送ることができるのです。今日のフィロソフィの紐解きでした。合掌アルミケース・アタッシュケース製造販売のアクテック株式会社ソフトケース・タブレットケース製造販売のアクテック株式会社
2016/11/14
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今日からは、京セラフィロソフィの中でも、「より良い仕事をする」ということで、17話ほどがあります。これを、みなさんと共に、勉強していきたいと思います。まず、「仲間のために尽くす」です。人の行いの中で最も美しく尊いものは、人のために何かしてあげるという行為です。人はふつう、まず自分のことを第一に考えがちですが、実は誰でも人の役に立ち、喜ばれることを最高の幸せとする心をもっています。かつて、真冬のアメリカで起きた飛行機事故で、一人の男性が自らが助かるというその瞬間に、そばで力尽きそうな女性を先に助けさせ、自分は水の中に消えてしまうという出来事がありました。人間の本性とは、それほど美しいものなのです。私たちは、仲間のために尽くすという同志としてのつながりをもってみんなのために努力を惜しまなかったからこそ、すばらしい集団を築くことができたのです。盛和塾で私淑した稲盛塾長は、事あるごとに「世のため人のために尽くすことが、人間としての最高の行為である」と言われ、塾生の皆は、心に刻み込まれたと思います。この「仲間のために」ということは、「世のため人のために」尽くすということに比べると狭い範囲の利他行ではありますが、たいへん大事なことなのです。世のため人のために、仲間のために尽くすということは、美しい心が行うものであり、また、それを行うことによってその人の心はさらに美しく、且つ純粋になっていきます。つまり、人格を向上させていくために、たいへん大事な行為であるわけです。このことは仏教で言われる「利他行」にあたります。仏教では、他人のために尽くすという利他の行為をたいへん大切にします。利他を積むことが悟りへの道だと、お釈迦様は説いておられるのです。私は、神には自分の思いを祈り、仏様からは悟りを学ぶものだと思っています。合掌
2021/01/29
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毎日、フィロソフィの紐解きですが、これまでは「すばらしい人生をおくるために」ということで7ヶ条、そして「よりよい仕事をする」の17ヵ条、さらに「正しい判断をする」で5ヵ条、「困難に打ち勝つ」の6ヵ条を終えました。今日からは、コロナ禍で世の中がすっかり変わるようですから、「新しいことを成し遂げる」の7ヵ条に入りたいと思います。まず、初日ですが「潜在意識にまで透徹する強い持続した願望を持つ」です。高い目標を達成するためには、まず「こうありたい」という強い、持続した願望を持つことが必要です。新製品を開発する、お客様から注文をいただく、生産の歩留まりや直行率を向上させるなど、どんな課題であっても、まず「なんとしてもやり遂げたい」という思いを心に強烈に描くのです。純粋で強い願望を、寝ても覚めても、繰り返し繰り返し考え抜くことによって、それは潜在意識にまでしみ通っていくのです。このような状態になったときには、日頃頭で考えている自分とは別に、寝ているときでも潜在意識が働いて強烈な力を発揮し、その願望を実現する方向へと向かわせてくれるのです。ここで難しいのは、「潜在意識」とは何なのかということです。塾長から教わったのは、自動車の運転を例に挙げ、説明してもらいました。運転の習い始めは、「顕在意識」で習います。しかし、運転に慣れてきますと、意識もしなくても、方向指示器を出し、ハンドルを操作し、ブレーキを踏みます。これが、潜在意識を使って運転しているということだそうです。製造現場でも、最初は先輩から作業の一つひとつを教えてもらい、マニュアルに沿って作業しますが、慣れてきますと、意識しなくても、体が動き、手が動きます。即ち、このように潜在意識を日常的に使えるようにするには、強く持続して、意識し、覚え込ませるようにしなければなりません。つまり、繰り返し繰り返し行って、潜在意識に浸透させていくのです。仕事や経営でも、四六時中「有意注意」で、ど真剣に考えていると、思いもかけない場面で潜在意識が働いて、すばらしい着想が得られるのです。真剣に悩んでいると夜中にパッとひらめくあれです。このフィロソフィを実行すれば、「強く持続した願望」は、必ず実現するということです。合掌
2021/02/28
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経営とは非常にシンプルなもので、その基本はいかにして売上を大きくし、いかにして使う経費を小さくするかということに尽きます。利益とはその差であって、結果として出てくるものに過ぎません。したがって私たちはいつも売上をより大きくすること、経費をより小さくすることを考えていればよいのです。ですから、「原材料費」は「総生産」の何パーセントでなければならない、とか「販促費」はこれくらい必要だろうといった常識や固定概念にとらわれてはなりません。売上極大、経費極小のための努力を、日々創意工夫を凝らしながら粘り強く続けていくことが大切なのです。「売上を極大に」するには、まず、営業努力だと思いますし、経費を極小にするには、製造現場の末端まで徹底する必要があります。これもアメーバ経営を導入し、パート女性からそのことを学びました。以前は、床に定価票や取り扱書が散らばっていても、そのままでしたが、アメーバ経営を実践するようになり、男性社員がそれを踏みつけて通るのを見て、パートの女性がその社員を叱り付けたのです。製造現場に、原価意識が芽生えてきたのが、それで気づくことができました。今では、売上極大・経費極小の両方とも、製販が一体になり、会社全体で取り組むようになりました。他にもいっぱいありますが、アメーバ経営は、一人一人が経営者ということを実感することができます。合掌
2021/03/10
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自立とは、自分で自分を律すること。他に振り回されず、自分をコントロールし、自分のリズムを創っていくことです。自助とは、自分で自分を助けること。自分の力で自分を向上発展させることです。言い換えれば、自律自助とは、依存心を捨て、すべてを自分の責任として対処していくこと。人や環境のせいにせず、自分の最善を尽くすことだと思います。なぜ、こんなことを言い出すかと言いますと、アクテックは12月決算ですから、目下のところ、全部門が今年の結果を締めています。その結果を、責任者として、どう受け止めるかです。出てきた結果を、他の責任にせず、すべて自分の責任として対処できるか、他の責任として対処するかで、対処法が全く違ってくるからです。いうまでもなく、自律自助の精神で行く人は、どんどん成長していきます。「天は自ら助くる者を助くる」という格言があります。自律自助の精神がある人は、格言通り、天がその力を、与えてくれるのではないでしょうか。アクテックのすべての責任者は、一年間の自部門の成果を、“自律自助の精神”で、対処してくれるものと願っています。合掌アルミケース・アタッシュケース製造販売のアクテック株式会社ソフトケース・タブレットケース製造販売のアクテック株式会社
2019/12/25
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今日から、「日々の仕事を進めるにあたって」という10ヵ条のフィロソフィの紐解きが始まります。日々の仕事を進めるにあたって、原理原則のようなものです。初日は「採算意識を高める」です。京セラでは、アメーバ単位で「時間当たり採算制度」を実施し、職場での仕事の結果が誰にでもはっきりと分かるようになっています。社員一人一人が経営者の意識をもって、どうすれば自分たちのアメーバの「時間当たり」を高めていけるのかを真剣に考え、実践していかなければなりません。常日頃、鉛筆一本やクリップひとつにいたるまで、ものを大切にしようといっているのは、こうした思いのあらわれです。床にこぼれ落ちている原料や、職場の片隅に積み上げられている不良品が、まさにお金そのものに見えてくるところまで、私たちの採算意識を高めていかなければなりません。何も分からないままモノづくりの工場を始め、すぐ20人、30人と人が増えました。しかし、モノづくりをしている以上、コスト、原価がどうなっているのかを考えずに、経営がうまくいくはずがありません。作業する人達が、まず、原材料や部品のコストが分からない限り、原価意識など持てる筈がありません。さらに、生産性も考えるようになり、初めて採算意識と言えるのではないでしょうか。現実に仕事をしている人達は、近くの家庭の主婦であり、アルミケース等は初めて目にする状態で、まず、最初にしたことは、月末には生産をストップし、全員で在庫調べをし、部品名を覚えてもらうことでした。そして、次には全員に作業日報を付けてもらい、何時から何時まで、どんな作業を何個仕上げたかを記録してもらいました。同じ作業をしても、個人で生産数が違うことが分かりました。現在は、各部門の進捗ボードに、午前・午後に別け、部門員一人一人の誰が、何を、何個、生産するかという「日次生産予定表」に張り出されます。全員の作業予定とその結果が分かります。一人ひとりの採算意識を高めない限り、会社は存続していかないと思いますが、そのためには、このように十分な準備が必要で、時間も数年かかると思います。合掌
2021/03/15
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海外の行事が日本でも行われています。ハロウィンもその一つです。今日がそのハロウィンで、東京のメインストリートでは、混雑する道路での仮装した人の通行が禁止になり、なにかと大変です。ハロウィンといえば、アメリカなどの子供たちが、仮装して「お菓子をくれないとイタズラするぞ」と言いながら、近所の家々を回り、お菓子をもらうイメージがあると思います。もともと、ハロウィンは、古代ケルト人の祭りに由来します。古代ケルトでは、11月1日が新年で、その前日である本日の夜は、祖先の霊が、現世に帰ってくる日だといわれます。同時に、有害な霊もやってくるとされています。そこで、我が身を守るために、怖い仮面をつけ仮装したのです。これが、本当のハロウィンの始まりです。ハロウィンの怖い顔したカボチャのくりぬき提灯は、それらを追い払うためのもので、元はカブを使っていたそうです。色々な儀式や歳時には、ルーツや意味があり、時代と共に変容してきたものもあります。それを理解しておくと、行事と向き合う際の心持も変わるでしょう。日本には古くから、その土地・土地に伝わる伝説的なお祭りや行事があります。四季折々の起源に触れる機会を作り、それらの行事の意味を踏まえては、いかがでしょうか。合掌
2024/10/31
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皆さんは、 「発掘」 という言葉を聞いて、何を思い浮かべますか。辞書には、 「地中に埋もれているものを掘り出すこと」 とあります。「遺跡や埋蔵金を、掘り起こす際に使う言葉」 というイメージを持つ人も、いるかもしれません。私は、昔の人が、埋蔵した小判や金銀を掘り出す作業を思い浮かべます。「発掘」 は、地中の物を掘り出す以外に、 「世間に知られていない、すぐれた人や物を見つけ出すこと」 という意味もあります。有名な人の違った面を知ることも、発掘と言います。作家の村上春樹氏の著書には、小説家にとって、何より嬉しい体験を、「自分の中に、本能的な物語の鉱脈が、まだ変わらず存在しており、何かがやってきて、それをうまく掘り起こしてくれたのだと実感できること」と記してあります。鉱脈とは、鉱石や鉱床などの「宝」が算出される場所をいいます。では、私たちが自分の中にある鉱脈を掘り起こすには、どうしたらよいのでしょうか。まずは自分を知ることです。日記を書いたり、一人の静かな時間を持つなどして、自分と対話することが、自分の中の宝に気づくきっかけとなるはずです。自分が描いた絵や文章を、他の人がどう評価するかによって、新たな自分を知ることにもつながります。私たちの中に眠る宝を発掘し、人生に活かしたいものです。とにかく、自分の中にある宝に、気づきたいものです。合掌
2024/11/24
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日本では、季節や地域によって様々な伝統行事が行われています。秋から冬にかけての、この時期に行なわれる行事としては、「えびす講」 が有名です。「えびす講」 とは、七福神の一人で、商売の神様である恵比須様を祀って、商売繁盛を願う行事で、全国各地で行われます。18歳まで過ごした福知山の頃は、家から5分位の所に、一宮神社があり、そこで開かれる「えびす市」は、多くの屋台も並び、子供としては最高の祭りでした。べったら漬けの起源といわれる東京・日本橋にある宝田恵比須神社の「べったら市」や、 「えべっさん」 で知られる大阪・今宮戎神社の 「十日戎」 など、えびす講は地域ごとに、行事が違っているのも特徴の一つです。創業当初、まだ子供もいない時は、仕事が続くことを願い、今宮戎神社の「十日戎」に夫婦でお参りし、夕食を外で食べるのが、当時の最高の贅沢でした。そして、お土産は「十日戎」のお札でした。全国的にも特に有名なのは、兵庫県の西宮神社で行われる 「十日戎」 でしょう。毎年1月9日から11日まで行われ、3日間で100万人を超える参拝客が訪れます。地域に根付く伝統行事は、歴を知り、地元の人達との交流を深める、貴重な場でもあるといえます。身近な行事を通して、日本の伝統文化に触れていきたいものです。合掌
2024/11/28
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月日が経つのは早いもので、11月も明日で終わり、日曜日からは、師走・12月に入ります。11月も終わりになってからですが、今月・11月は漆愛用月間とされています。私は子供の時から、日本の伝統工芸品が好きで、子供頃は、硯・墨・筆にこだわりました。福知山には、最大の商店街に2店舗の書店が斜め向かいであり、毎晩、19時頃にはその2店舗を訪れました。その2店舗で、硯石や墨、筆の新しいのが入ると、必ず、店長から紹介されました。毎晩行きますので、考えに考えて、お小遣いと相談の上、買うのを決めたものです。さて、漆愛用月間の話ですが、会社を創業してからは、能登半島の輪島塗の漆器屋さんが、毎月、会社に来られるようになり、食器、文房具、座敷机まで、あらゆるものが輪島塗に変わりました。日本の漆文化の歴史は古く、北海道にある縄文時代の垣ノ島遺跡からは、漆を使用した世界最古の装飾品が発見されています。漆を使った代表的なものに 「漆器」 があります。漆器とは木や紙に、漆を塗り重ねて作る日本の伝統工芸品で、英語では 「JAPAN」 と呼ぶこともあります。漆器は使用することによって、色艶と硬さが増す、世界でも類を見ない特徴を持つ食器です。また、漆は食器だけでなく、タンスや家具などの日用品、神社仏閣の塗装にも使われるなど、日本文化や伝統工芸に深く関わってきました。現代は、安価で物を手に入れることができるようになり、漆器などの日本の伝統工芸品を知らない人も増えてきました。しかし、長年受け継がれてきた伝統文化には、祖先の叡智が詰め込まれていて、未来へと引き継ぎたい良い物がたくさんあります。我が家のお正月は、輪島塗の漆器で、お屠蘇を交わすのが習わしです。良い物を生み出すためにも、まずは伝統文化を知りたいものです。合掌
2024/11/29
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