恋涙 ~ renrui ~

恋涙 ~ renrui ~

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2007.04.02
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カテゴリ: 夢物語
翌朝、俺はいつもより早く家を出た。それはゆりあに逢うためだった、
ゆりあは生徒会の仕事があるからといつも早く学校に居ることが多かった。
俺はとにかく急いだ、逢ってもゆりあは俺を受け入れてはくれないかもしれない
それでも俺はただゆりあの顔が見たかった。
学校に着くと急いで上履きに履き替え生徒会室へと続く階段を駆け上がった
気持ちは先走ってそれにつられるように足が動いた。生徒会室の扉は
思ったとおり鍵はかかってなくて俺はその扉を勢いよく開き室内に居る筈の
人間の姿を探した。

『ゆりあ・・居ねえの?』


俺は室内に足を進ませ辺りに視線を這わせると小さな声が俺の
耳をかすめた、それはほんの小さな声で普段の俺なら聞き逃してしまいそうな
ぐらいの小さな声だった。
その声がした方へと向きを変え歩いていくと生徒会室の置くに備え付けられた
ソファに座りうたた寝をしているゆりあの姿を見つけ俺は今にも声をかけて
しまいそうな自分を制止そのまま近づきゆっくりと起こさないように俺は
ゆりあの隣に腰を下ろした、余程疲れているのかゆりあは微かに身を動かしただけで
ソファに身体が埋まるように眠ったままだった。

『ゆりあ、ごめんな?』

答えてはくれないゆりあに俺は謝罪を口にしながら双眼を伏せると
ゆりあが手に持っていた書類がするりと床に落ちていき俺は身を屈めるように


「・・・・」

距離が近づいたゆりあの目は少し腫れていて俺は堪らなくなった
立ち上がり傍にあったブランケットを手に取るとゆりあの身体にそっと
かけその場を離れようと向きを変える。

「なっんで・・あ・・おい」


目尻から涙が流れているのが視界に移り俺は言い様のない罪悪感に
打ちのめされそうだった、俺は眠るゆりあのその涙を屈み指先で拭い取り
涙の痕にそっと唇を当て離すと生徒会室を出て行く。

『神楽・・』

「言いましたっけ?先輩がゆりあ先輩泣かすなら
俺、敗者復活しますよ?覚えておいてください」

生徒会室を出ると壁に凭れる神楽の姿が映り神楽は俺を確認すると
体勢を戻しその言葉だけを残し俺の肩を数回叩き俺とは反対の方向へと
歩きだしてしまった、俺は悔しかった、それは神楽に向けたものではなく
自分自身への悔しさと怒りだった、俺はもう一度生徒会室に視線を移し
戻すと自分の教室へと歩き出した。


banner0b.jpg 四話「彼女との溝」





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最終更新日  2007.04.02 20:46:32
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