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BLの苦手な方は読まないで下さい。18禁です。あくまで二次創作ですから苦情は受け付けません。何卒お許し下さいませ。m(_ _)m俺はリチャードの首に手をかけた。ゆっくりと首を包み込む指に力を入れて、首を絞めた。リチャードは目を閉じて、顔を歪めて、耐えていた。死にたいという思いが伝わったのかもしれない。リチャードを殺して俺も死ぬ。無理心中は意識が遠のくほど気持ちいい。最高だ。なにせ快楽の中で死ぬのだ。これほど幸せな事はない。俺は希望の光が見えた気がした。貪り尽くす快楽の中で腰を激しく振り、俺はリチャードの首を絞めながら昇天した。その時だった。手を離した瞬間、リチャードが咽び、ハッと我に返った。俺は身体を離した。「一体、何の真似だ?」と、リチャードは言った。「あ、すまない。」俺は謝った。「まったく最後だというのに、手荒な奴だな。」リチャードは起き上がり、不機嫌そうに言った。そして、服を着ると、黙って去って行こうとした。俺は思わず、「リチャード。俺を殺してくれ!あんたに殺されたいんだ!」すがるように叫んだ。本心だった。すると、リチャードは振り向いて、「それがおまえの望みか?しょうがない奴だな。しかし、法に則っておまえを処罰する。俺は王だからな。」と言い、リチャードは牢から出て行った。翌朝、俺は処刑台に連れて行かれた。不思議な事に、死体を誰も片付けに来なかった。牢の扉も一晩中ずっと開いていた。しかし、俺は逃げなかった。逃げたくなかったのだ。俺は羊飼いとは違う。俺には生きる価値すらない。生きるより愛する人と共に死ぬ欲望に負けたのだから。子供の頃から好きだったのは俺のほうだ。愛する人を手に入れる為に王冠で釣った。本当は権力なんていらなかった。俺が欲しかったのはリチャードだけだ。朝霧の中に響く観衆のざわめきと嘲笑が俺を出迎えた。死ぬ前に見る走馬灯はリチャードがいい。リチャードだけを見て、天に召されたい。そんなことを考えながら、俺は処刑台に上った。興奮気味の笑い顔が取り巻く処刑台に、頭からマントを深く被った死刑執行人が静かに立っていた。その華奢な身体と美しい黒髪には見覚えがあった。俺は跪き、首を斬られるのを待った。処刑人を見ると、処刑人は泣いていた。涙が頬を伝う顔を見ると、俺は嬉しくて、悪魔に魅入られたように俺は目を離す事ができなかった。愛というものは夢幻のようだ。愛する人と共に生きたいと願う絶望。愛する人を殺したいと願う希望。希望と絶望は同じ。まるで身体を重ねる愛のようだ。愛は永遠に・・・死は恍惚の中に・・・俺は消えていく。リチャードが斧を振り下ろした瞬間、俺は幸福に包まれて、地獄へと堕ちて行った。 (完)
2022年06月14日
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BLの苦手な方は読まないで下さい。18禁です。あくまで二次創作ですから苦情は受け付けません。何卒お許し下さいませ。m(_ _)m「俺は逃げない。逃げても、俺は羊飼いにはなれないからな。」なんでそんなことが口から出たのか分からなかった。でも、俺はずっと心の中で、羊飼いのことを気にしていた。リチャードが目を吊り上げて、俺を睨んでいる。嫌味を言われたと思ったのかもしれない。「逃がしてやると言ったのに・・・おまえはどうしたいんだ?どうして欲しい?」リチャードは怒った顔で、そう言った。「あんたが欲しい。他は何も望まない。今すぐあんたを抱きたい。」リチャードの細い腕を掴み、俺は引き寄せた。唇を奪い、首筋に舌を這わせ、着ているものを脱がせた。ゆっくりと押し倒し、上から下に順に口付けし、男性の部分を口に含み、女性の部分に指を1本挿し入れた。「あっ。あ。」リチャードが僅かに喘いだ。少年のような可愛らしいものの先を舌で舐めながら指を増やすと蜜が溢れ出た。指を動かし、リチャードがのけぞり首を振る仕草を楽しんでから、俺のものを挿入した。「あっ。あっ。ああ。」リチャードは声を上げて、俺が腰を深く突く度に悦んだ。快楽を貪り、我を忘れそうになった時、リチャードが叫んだ。「ヘンリー!」俺はその名が嫌いだった。バッキンガムではなくヘンリーと名前で呼んでくれと俺から頼んだのに・・・リチャードはあいつの名を呼んでいるのではなく、俺の名を呼んでいると頭では理解しているのに・・・俺は嫉妬に狂ってしまう心を抑える事ができない。もし、リチャードがヘンリーと出会う前に出会えていたら・・・せめて俺がリチャードと知り合う前に初恋の1つでもしていたら・・・全ては違っていたのかもしれない・・・俺は妻以外に女は知らない。妻を愛していない。好きでもない女と子を成しても幸せじゃない。俺はリチャードと結婚したかった。神がお許しにならなくても、世界中を敵に回して、業火に焼き尽くされる身となっても、リチャードの子供が欲しかった。ランカスターの子供を次の王にしたくなかった。リチャードの初恋の相手の孫を王にしたくなかった。俺は喘いでいるリチャードの中で、このまま死にたいと思った。愛する人の中で死にたいと願った。愛する人を殺して俺は死ぬ。それで初恋を終わらせよう。死体が転がっている横で愛し合う俺達には相応しい終わり方だ。 (続く)
2022年06月09日
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BLの苦手な方は読まないで下さい。あくまで二次創作ですから苦情は受け付けません。何卒お許し下さいませ。m(_ _)m「おい。餌の時間だ。」牢の扉が開いた。牢番が食事を運んで来た。「パンとシチューだ。謀反人のくせに贅沢だな。他の囚人は粥だけだぞ。お貴族様は最後まで特別扱いだな。」牢番が近付いてきた。「おまえ明日処刑されるらしいな。今日が最後の晩餐ってわけだ。」牢番が卑しい笑みを浮かべて言った。「おまえ、よく見ると男前な顔だな。スタイルも良いし・・・毎晩、王様に抱かれてたのか?」「え?いや、違う。」「それなら、おまえが王様を抱いてたのか?俺、知ってるんだぜ。国中の噂だぜ。おまえと王様が親密な関係だったって。しかし、おまえが抱かれてないってことは・・・王様はオカマなのか?」「違う。」「おい。違うしか言えないのか?フッ。まあ、いい。おまえは今夜で最後だ。死ぬ前にもう一度気持ち良い事したくないか?俺が相手になってやるぜ。」牢番がいやらしい目つきで俺を見つめてくる。勘弁してくれと思った。「グヘヘ・・・」牢番が変な声で笑いながら俺を押し倒した。気持ちの悪い顔が近寄ってくる。その時だった。牢番が血を吐き、牢番の胸が赤く染まった。血が飛び散り、俺の服が血で汚れた。「何をしている?なぜ抵抗しない?」リチャードが牢番を後ろから刺し殺しながら言った。そして、牢番を串刺しにしたまま剣を振り払うように死体を投げ捨てた。「凌辱されるところだったぞ。俺が来ない間にやられてたのか?」と言って、被っていたマントを脱いだ。「まさか。俺は牢にこっそりと入って来る奴が気になってただけだ。あんたこそ暗殺者のような格好を何故している?」「おまえを逃がしてやろうと思ってな。」血にまみれた天使が笑った。 (続く)
2022年06月07日
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BLの苦手な方は読まないで下さい。あくまで二次創作ですから苦情は受け付けません。何卒お許し下さいませ。m(_ _)m夢から覚めた人間は牢獄がお似合いだ。何を間違えたのか・・・何が正しかったのか・・・今となっては分からない。閉じ込めて鎖で繋いだのがいけなかったのか・・・もっと身動き取れないくらいに全身拘束して、自由を許さなかったほうが良かったのか・・・俺は欲を出し過ぎた。全てを望み過ぎた。俺は権力と愛の両方を手に入れたかった。愛する人を妻にしたかった。リチャードは俺の半身なのだから俺のものだ。俺だけのものだ。俺の子を産み、共に育て、共に年老いて行くことを望んでいると思っていた。全て俺の思い込み・・・俺の身勝手だったのか・・・リチャードは俺よりも王冠を選んだ。俺は利用されていたのか・・・だが、リチャードは何度も俺に忠告した。リチャードが王のままでも愛し合う事はできた。それでも、俺は愛する人を閉じ込めたかった。愛は人を狂わせる。俺は人生を狂わせた。俺の感情を殺したら、幸せになれたのか?今となっては何も分からない。天罰は突然訪れる。愛するが故の絶望。絶望という名の希望。希望は死を願う狂気でしかない。 (続く)
2022年06月02日
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BLの苦手な方は読まないで下さい。18禁です。あくまで二次創作ですから苦情は受け付けません。何卒お許し下さいませ。m(_ _)m「悪魔だったのか・・・」バッキンガムは男性の部分の下の女性の部分を見て呟いた。「この世のものとは思えないが、美しい。」「醜いの間違いじゃないのか?俺はずっと醜い悪魔と言われ続けて生きてきた。」リチャードは辛そうに目を伏せた。「誰に?」「母に・・・俺の身体の秘密を知る者に・・・おまえは逃げないのか?」「逃げるわけがない。契約しよう。」「バッキンガムはそう言って、薔薇にナイフを刺した。「俺は愛せる人を探していたんだ。今まで一度も人を愛した事がなかったから。最初は男なのかと思った。でも、違っていた。あんたは俺の王だ。」バッキンガムは激しく腰を動かした。「あ、ああ。」リチャードは喘いだ。バッキンガムの背に爪を立て、エクスタシーを感じた。締め付けられる快楽にバッキンガムはリチャードの中で果てた。夢の時間が終わった後で、バッキンガムはこう言った。「俺はキングメーカーになる。あんたを王にしてやるよ。」「あの環の中には楽園がある。子供の頃、心に残った言葉だ。俺は王冠が欲しい。契約に応じよう。ただし、悪魔との契約だ。裏切れば、死あるのみ。その覚悟はあるのか?」「ある。俺は決して、あんたを裏切らない。でも、もし、裏切ったら、あんたの手で殺してくれ。殺されてもいいと思えるほどあんたは綺麗だ。」契約が成立した日バッキンガムは結婚した。いつか、この時が、少年の日の思い出になっても、バッキンガムはリチャードを愛し続けるだろう。大好きなものを宝箱に入れて、大切に隠して、ずっと埋めておきたい少年のように、バッキンガムは死ぬ瞬間まで愛を入れた宝箱を抱えていた。それは二人だけの秘密だった。 (完)
2022年05月20日
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BLの苦手な方は読まないで下さい。18禁です。あくまで二次創作ですから苦情は受け付けません。何卒お許し下さいませ。m(_ _)m闇へ誘われるようにバッキンガムはリチャードの顔に顔を寄せた。唇に唇を重ねてリチャードを見つめた。リチャードは目を閉じたが、視線を感じて、再び目を開けると、見つめられたままだった。「キスをする時は目を閉じろ。」とリチャードは言ったが、バッキンガムは「あんたを見ていたいんだ。見せてくれ。あんたの全てを!」と、真剣な眼差しで言った。すると、リチャードは苦笑して、こう言った。「俺の全てを見たいだって?その見返りは何だ?おまえは何をくれる?」「王冠。」バッキンガムは本気だった。「死にたいのか?」「あんたを手に入れる事ができるのなら、死をも厭わない。」「では、死ね。」リチャードは悪魔の微笑みを浮かべて、バッキンガムを押し倒した。馬乗りになって、服の中に手を滑り込ませ、熱くなっているものを握りしめた。ズボンを下げて、握ったまま自分の中へと導く。ぬめりがある身体の中心にバッキンガムを入れて、リチャードは腰を振った。「あ、熱い・・・あんたの中、すごく熱いよ。」恍惚とした表情でバッキンガムは言った。そして、リチャードに手を伸ばしたが、「触るな。おまえは何もせずに寝ていろ。」と言われ、手を掴まれた。「何もするなと言われたら、したくなるものだ。」そう言って、バッキンガムは起き上がり、くるりと体勢を変えて、繋がったままリチャードを押し倒した。 (続く)
2022年05月18日
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BLの苦手な方は読まないで下さい。あくまで二次創作ですから苦情は受け付けません。何卒お許し下さいませ。m(_ _)m悪魔に魅了された少年のようにバッキンガムは一歩を踏み出し、つかまっていた窓から手を離し、外を目指して空を飛んだ。空は青く、果てしなく広がる空を見ていたら、何も怖くなかった。自分はなんでもできて、1メートル先の木の枝に飛び移る事ができる気がした。だか、現実は厳しかった。木の枝には手が届いて飛び移る事はできたが、目指した太い枝と違う細い枝を掴んでしまったせいで、体重の重みで木の枝が折れてしまった。バキッという音がして、落下したバッキンガムは激痛と共に地面に叩きつけられる事を覚悟し、目を瞑ったが、実際は違った。痛くなかった。ほんのりと柔らかい身体と細い腕に抱かれて、バッキンガムは無事だった。「危ないところだったな。俺が受け止めなければ、怪我をしていたぞ。」「あんたこそ怪我はないか?大丈夫か?」お姫様抱っこのように受け止められたバッキンガムは下敷きになって尻もちをついている人に言った。「礼を言う。あんたの名前を教えてくれ。」「リチャードだ。感謝はいいから、早くどいてくれ。重い。」バッキンガムは顔を赤らめて立ち上がった。「あんた、王の弟のリチャードか。そうなんだろ?」「それがどうした。バッキンガム公爵。」「俺のこと知ってたのか?」バッキンガムは意外そうな顔をした。「結婚式の主役だろ?」リチャードはクスッと笑った。「最初から知ってて、からかったのか?」「からかったわけじゃない。外に出て、旅に出て、いろんな経験をするのは悪い事じゃない。俺も子供の頃にいろんな経験をした。だから、ちょっと手伝ってやろうと思っただけだ。」とリチャードは言った。「あんたは一体どんな経験をしたんだ?教えろよ。」「お前に話す義務はない。だが、もし、好きな女がいて、結婚したくないなら、 妾にするという手もある。」バッキンガムは怪訝そうな顔をした後、ニヤリと笑って、「あんたは王より頭が良いようだな。王妃を妾にすれば良かったのにと国中が嘆いている。俺もその1人だ。俺は王妃の親戚になりたくない。あんたは人の心が読めるのか?」と言った。すると、リチャードはバッキンガムが立っているすぐ後ろの木に壁ドンして、こう言った。「反逆罪で死にたくなければ、口を慎め。」闇色の瞳が近付いて、バッキンガムは動揺した。「俺は今まで誰も好きになった事がないんだ。女に興味を持った事もない。でも、俺は恋がしたい。」結婚が人生の墓場と考えるにはバッキンガムは幼過ぎた。 (続く)
2022年03月04日
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BLの苦手な方は読まないで下さい。あくまで二次創作ですから苦情は受け付けません。何卒お許し下さいませ。m(_ _)m結婚は嫌いだ。結婚なんて人生終わったようなものだ。俺の人生は自分で決める。バッキンガムは空を見上げていた。この青い空に鳥のように羽ばたけば、城から抜け出せる。2階の窓枠に立ち、庭の木に飛び移る距離は1メートル。落ちたら足の骨を折るかもしれない。怖気付くなと思いつつ、下を見ると、1人剣を振って鍛錬している騎士がいた。結婚式の招待客にこんな奴いたかな?どこの貴族の子だろう?とバッキンガムは気になった。顔を見ようとしてバランスを崩し、思わず足を滑らせて落ちそうになった時、黒髪の騎士が物音に気付いて振り返った。「そこで何をしている?怪しい奴だな。降りて来い。」「あんた、降りられないのが見て分からないのか?この俺に飛び降りろと言うのか?」とバッキンガムが言うと、「じゃあ何故そこにいる?空なら部屋の中でも見えるだろ?」意外な答えにバッキンガムは動揺した。「どういう意味だよ。」「おまえは籠の中の鳥か?」「違う。」「いや。違わない。外の世界へ行きたいのに行けない小鳥と同じだ。大人に守られてる子供はみんな大人の言いなりに結婚する。つがいの小鳥をあてがわれてな。一生鳥籠の中で暮らせ。」「俺は…結婚なんかしない。外に出る。」「でも怖くて外壁にしがみついている。おまえはきっと部屋から出られただけの勇気を自分で褒め称えて部屋に戻るんだ。怖がりな奴だな。飛びたいくせに飛べない奴はさっさと結婚しろ。」「結婚は嫌だ!俺は飛びたいんだ!」「なら、飛べよ。飛んでみろ!」黒髪の美しい顔が挑発的に笑った。 (続く)
2022年02月12日
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