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2022年10月12日
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「何を言っとるんだ。ここまで来て帰れるか。行くぞ。」

あたるは怒って、歩き出した。

「ダーリン待って。あのお爺さんの話を聞いたほうが良いっちゃ。」

とラムは止めたが、

「当日のキャンセル料は100%だぞ。5人で5万円。誰が払うんだ?」

と言って、あたるは山道をどんどん歩いて行ってしまった。仕方なく、

メガネ、しのぶ、面堂もそれに続く。

しばらく歩くと、あたるが

「腹減った。もう1時じゃないか。弁当食おう。」



「おい。ラム。弁当出せ。」

と言った。

「はい。ダーリン。」

ラムは二段の重箱の弁当をボストンバッグから取り出して、レジャーシートの上に並べた。

「うわー。美味しそうだな。ラムさん料理得意なんですね。」

と面堂が言った。重箱の一段目には玉子焼き、唐揚げ、タコさんウインナー、プチトマト、

二段目にはおにぎりが入っていた。

「おにぎりの具は梅干しとシャケだっちゃ。」

ラムは得意そうに言った。

「おにぎりの具が2種類もあるなんて豪勢ですね。このタコさんウインナーも足が6本もある。」

メガネは感激しているようだった。



5人が食べようとしたまさにその時だった。キエーキエー!と不気味な鳥の鳴き声が聞こえた。

一同が上を見上げると、目玉の大きなカラスのような黒い鳥が何羽も現れ、上空をクルクル

回って飛んでいた。

「あの鳥は何?気味が悪いわ。面堂さん怖い!」

しのぶが面堂に抱きついた。



面堂は箸を置いて、鳥をキリッとした顔つきで見た。しかし、あたるは唐揚げとおにぎりを

がっついて食べていた。

キエーキエー!鳥が急降下して、弁当を奪い取り、おにぎりをくわえて飛んで行った。

「あー!何をする!返せ!」

あたるが鳥を捕まえようとすると、鳥たちが攻撃してきた。

「キャー!」

「わー!」

みんな鳥から逃げて走り出したが、鳥が追いかけてくる。

5人は山の中を数十分走ると、古城のような洋館が見えてきた。

「ひとまず、ここに避難しよう。」

とメガネが言った。

洋館の扉を叩くと、重い音を立てて扉は内側から開かれた。

すると中に、執事風の初老の男性と若いメイドが立っていた。

「いらっしゃいませ。諸星様でございますね。お待ちしておりました。」


                     (続く)





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最終更新日  2022年10月13日 17時09分06秒
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