突然ですが、ファンタジー小説、始めちゃいました

突然ですが、ファンタジー小説、始めちゃいました

PR

プロフィール

ふろぷしーもぷしー

ふろぷしーもぷしー

カレンダー

サイド自由欄



little_heart.gif


thumbnailリュキア伝説

リュキア伝説・本館

☆完結しました☆



rykia_contents.gif




鬼の棲む街バナー.gif



little_heart.gif






thumbnailレグルス王

真魚子さまの絵



thumbnailトキ

エメラルドeyesさんのブログ
『ねこマンサイ』
で紹介していただいた、
ふろぷしーもぷしーの過去日記
『迷い犬を保護してしまいました』2008.6.19~10.7



thumbnail鮎屋トキ

『いっしょに歩こう!』
2008.12~2009.1


キーワードサーチ

▼キーワード検索

バックナンバー

2025.11
2025.10
2025.09
2025.08
2025.07

お気に入りブログ

甘い恋の魔法 5(※U… New! 千菊丸2151さん

小説 「scene clipp… マトリックスAさん

パンの日々 nako7447さん
道楽オヤジのお気楽… 車屋のオッサンさん
ゆっくりね ラブドルフィンさん

コメント新着

風とケーナ @ ご完結おめでとうございます.:*・☆ ふろぷしーさま、こんばんは♪ この度は、…
ふろぷしーもぷしー @ 千菊丸さま☆゚・*:.。. いつもありがとうございます☆ わずか一、…
2010.05.01
XML
カテゴリ: カテゴリ未分類
 兵舎の通用門には、番兵と思しきバルドーラがひとり、立っていた。
 そいつは、アルデバランを見ると目を丸くして、持っていた長槍をあたふたと構えた。

 怒りに駆り立てられたアルデバランの目には、周囲のあらゆる動きが、水中にいるようにのろのろと鈍重に映る。 神経は針の先のように研ぎ澄まされ、普段は見えないものまで見える気がした。

 そいつが、手にした長槍を使い慣れずもたついていることも一瞬で見抜けた。
 悪鬼のような表情で迫ってくるアルデバランに、己の死の匂いを嗅ぎ取って、恐怖にすくみあがった目の動きも読み取れた。

 もちろん、そいつはヤップの命を奪ったあの3人の戦士たちのどれでもない。 見も知らぬ、まだ若いバルドーラ兵だ。
 だが、容赦するつもりはなかった。
 今俺の行く手をさえぎるやつは全部殺してやる、と思った。


 凍りつく夜気を切り裂いて、まっすぐに、番兵めがけて突進した。
 抜き身の包丁を振りかざして、高く跳躍した。
 地を蹴った足は、ばねのように力強かった。
 羽根のように体が軽いのを感じた。
 勝利を確信した。

 闇色の長い髪が、風に舞う。
 標的を定めた赤い瞳が、熱く残忍な光を帯びる。
 白刃が、無慈悲にぎらりと光る。
 凄まじい憎悪の波に、周囲の空気が音を立てて震える。

 恐怖に凍りついた番兵の、無我夢中で突き出した長槍を、片足で蹴り飛ばした。
 喉もとめがけて一直線に包丁を振り下ろした。



 「そこの神官さま! アルデバランを止めてください! お願いです! 彼に人殺しをさせないで!」

 投げつけられたものがはじけた一瞬、アルデバランの周りが花火のように鮮やかな青色に染まった。
 やわらかく、あたたかなものがアルデバランをふわりとやさしく包み込んだ。

 そのまま、アルデバランは包丁を取り落とし、地面に落下した。
 あとは何もわからなくなった。





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  2010.05.01 18:40:33
コメント(0) | コメントを書く


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

© Rakuten Group, Inc.
X
Design a Mobile Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: