突然ですが、ファンタジー小説、始めちゃいました

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カテゴリ: カテゴリ未分類
 樫の木は、僕を許してくれた!

 突き上げる喜びに、ミラは思わず、大声で、やった! と叫んで飛び上がり、空中でくるりと一回転した。
 嬉しさに息を弾ませ、着地したとたん、真正面にいたデネブと目が合った。

 ミラはまた、びっくり仰天して、穴の開くほどデネブの顔を見つめた。
 デネブの、くらい青色の瞳に、涙がいっぱいたまっていたからだ。
 ニンゲンも、ミラのような泣き虫なのだろうか?

 デネブが、ゆっくりと口を開く。
 「ミラ、君は偉大な魔法使いだね。 今の、樫の木の声が、僕にも聞こえたよ」


 「ミラ、君は僕たちを許してくれないかもしれないけど、僕の話だけは聞いてくれるね。 昨夜ポルックスがした空飛ぶ船の話、君は全然信用しなかったけど、あれは作り話じゃないんだよ。 本当のことなんだ。 その船は、今も、海の向こうのハザディルの上空で、雲に隠れて僕たち3人が戻るのを待っている」

 少し戸惑いながら、思わずミラはうなずいて、デネブの話に耳を傾け始めた。

 「・・・船には、僕たちのほかにもたくさん乗員がいるんだけど、その中にひとり、僕にとって特別大切な人がいるんだ。 名前を、レダ、といって、今、ひどい怪我をしている。 一年前、船がこの星に近づいた時、その、何て言ったらいいか、大嵐みたいなものに巻き込まれてひどく揺れたことがあった。 船にはもちろんそういうときのために体を固定させておく装置があるんだけど、レダはそのとき、飼い猫たちのうちの一匹がいなくなったのを探していて、安全なところに逃げ込むのが遅れてしまったんだ。 僕は、船を制御するのに忙しくて、レダには、猫なんか放っておけと声をかけるのが精一杯だった。 あの時、どんなことをしても僕は、レダを、固定ブースから出させるべきじゃなかった!」

 デネブが、悔しそうに唇をかむ。
 「・・・船がようやく荷電粒子流から脱出して船体が安定すると、僕は急いでレダを探しに行った。 レダは、実験室の入り口のところで倒れていた。 大急ぎで治療室へ運んで、できる限りの手は尽くしてもらったんだけど、レダはそれから目を覚まさない。 実験室の中の動物たちも、たくさん死んだのに、レダの助けた猫のやつがたった一匹だけ、かすり傷も負わずに助かって! あいつのためにレダは・・・! あんな猫一匹のために、命をなげうって・・・!」

 涙で声をつまらせたデネブが、手の甲で涙をぬぐって、また話を続ける。
 「あれから一年も経つのに、レダは目を覚まさない。 いろいろ検査もしたし、思いつく限りの治療も試したけど、これ以上は、僕たちの力ではどうにもならないんだそうだ。 今は、レダは、機械の力で息をさせられているだけの、人形も同然だ。 みんな、これ以上レダを苦しめるのはかわいそうだ、機械を止めてやるのがレダのためだ、って言うけど、僕には、とてもそんな決心はつかないよ! だって、レダは生きているんだぜ!」

 デネブがふいに顔を上げ、真正面からミラを見つめた。
 その瞳には、今までミラが見たことのないほど、強い、意志の光が宿っていた。

 「僕は、奇跡を信じることにした。 この星のどこかに、死者でも生き返らせることのできる、魔法使いの一族がいるという。 彼らに頼めば、レダの目を覚ますことなんか朝飯前のはずだ、と思った。 僕は、何が何でも、その、魔法使いの一族、リシャーナ族を見つけようと固く心に決めた。 みんなの反対を押し切って、船を下りた。 カストールとポルックスも、僕を心配してついて来てくれた」





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最終更新日  2010.05.26 17:20:03
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