突然ですが、ファンタジー小説、始めちゃいました

突然ですが、ファンタジー小説、始めちゃいました

PR

×

プロフィール

ふろぷしーもぷしー

ふろぷしーもぷしー

カレンダー

サイド自由欄



little_heart.gif


thumbnailリュキア伝説

リュキア伝説・本館

☆完結しました☆



rykia_contents.gif




鬼の棲む街バナー.gif



little_heart.gif






thumbnailレグルス王

真魚子さまの絵



thumbnailトキ

エメラルドeyesさんのブログ
『ねこマンサイ』
で紹介していただいた、
ふろぷしーもぷしーの過去日記
『迷い犬を保護してしまいました』2008.6.19~10.7



thumbnail鮎屋トキ

『いっしょに歩こう!』
2008.12~2009.1


キーワードサーチ

▼キーワード検索

バックナンバー

2026.09
2026.08
2026.07
2026.06
2026.05

お気に入りブログ

蒼き星の巫女 1 千菊丸2151さん

「あの梅の木は」 … マトリックスAさん

パンの日々 nako7447さん
道楽オヤジのお気楽… 車屋のオッサンさん
ゆっくりね ラブドルフィンさん

コメント新着

風とケーナ @ ご完結おめでとうございます.:*・☆ ふろぷしーさま、こんばんは♪ この度は、…
ふろぷしーもぷしー @ 千菊丸さま☆゚・*:.。. いつもありがとうございます☆ わずか一、…
2012.01.26
XML
カテゴリ: カテゴリ未分類

鬼の棲む街2



~たそがれの港~


 雨はいつまでも止みそうもなかった。
 もう長いこと人の指が触れたことがないかと思われる、煙草のヤニと埃とでほとんど曇りガラスのようになった窓から、外の暗闇を透かし見ると、間断なく降り続く銀色の雨の向こうに、路地裏の街灯の琥珀色のあかりが、ぼんやり煙っている。
 そぼ降る雨の中で、その頼りない光は、まるで遠い夢の中で見た光景のように、どこかしら懐かしく、そして物悲しい気持ちに、人をさせた。

 「・・・この雨じゃ、今夜はもう客も来ないだろう」
 カウンターの向こうで、暇をもてあましたように、ジラートがひとりごとを言った。

 その声に、ぼんやりと雨を眺めていたルドゥアははっと我にかえり、窓際の椅子から立ち上がって、狭い、薄暗い酒場の中をくるりと見回した。

 客の姿は、さきほどまで同様、ひとりも見当たらない。
 カウンターに並んだ数脚のストゥールは、等間隔にきちんと並んだままだったし、その後ろの、たった3組しかないテーブル席も、ひっそりわびしく静まり返ったままだ。

 ――― 別に、雨が降ろうと降るまいと、この店がヒマなことには変わりゃしないわ。



青い蝶


 ルドゥアの働いているこの『ジラートの酒場』は、いつもこんなふうに閑古鳥が鳴いている。
 ルドゥアが、たった一人の従業員としてここに勤め始めてからもう一年にもなるのに、その間に、この大して広くもない店内が客でいっぱいになったのを見たことは一度もない。

 ――― 当たり前だわ。 あたしがもし客だったら、こんな陰気臭い酒場には、たとえお金をもらったって入らないもの。

 ルドゥアは、今夜もとうとう一度も使われることのなかったテーブルの上の、古びたナプキン立てや塩の瓶を手早く片付けながら小さくため息をついて、半ば口癖になった言葉を、また、胸の内で繰り返した。

 ――― ああ、もう、うんざり。 こんな、人生のはきだめみたいなところで一生を終えるなんて、まっぴらだわ。 私はまだ、これからが花の若い娘なのよ。 ジラートのようなおじいさんとは違うのよ。

 ルドゥアが帰り支度を始めたのを見ると、ジラートも、疲れたような顔で、よっこらしょ、と立ち上がり、カウンターの上にむなしく並んだ、きれいなままのグラスや色とりどりの酒瓶を、ひとつひとつ、まるでいとおしむようにゆっくりと、戸棚の中へとしまい始めた。
 「しかたがない。 少し早いが、今夜はもう店じまいとするか。 ・・・ルドゥア、熱いコーヒーを飲んでから帰りなよ。 外は冷えるぜ。 それとも、ミルクのほうがいいか?」

 ルドゥアは、たった3枚だけのテーブルクロスをてきばきとたたみながら、ジラートのほうは振り向きもせず、つんけんと答えた。
 「ありがとう、ジラートさん。 でも、あたしもう子どもじゃないのよ。 ミルクなんか飲まないわ。 コーヒーをくださいな」

 背伸びしたその言い方に、ジラートがちょっと苦笑してコーヒーの準備を始めた。
 「わかったよ、ルドゥアねえさん」






人気ブログランキングへ





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  2012.01.26 22:26:29
コメント(8) | コメントを書く


■コメント

お名前
タイトル
メッセージ
画像認証
上の画像で表示されている数字を入力して下さい。


利用規約 に同意してコメントを
※コメントに関するよくある質問は、 こちら をご確認ください。


おお~!  
千菊丸2151  さん
ふろぷしー様、お久しぶりです。

新連載、始めたのですね!
何だか訳ありな女性が主人公ですねぇ、どうなるのやら・・。

(2012.01.26 21:36:12)

おお~!!  
千菊丸さま、ご無沙汰いたしました!
さっそくのあたたかいコメントに、
感激 ジーン…(T-T) のふろぷしーもぷしーです!!

しばらく文章を書くことから離れていたので、
今ひとつ調子が出ませんが
またおつきあいいただけると嬉しいです♪

どうぞよろしくお願いします m(_ _)m (2012.01.26 22:35:36)

おかえりなさいませ!  
風とケーナ  さん
わぁ!新作がスタートなのですね。
再びこの場所で、ふろぷしーさまの小説を拝読できますことを、
とても嬉しく思います。

しっとりとした雨に包まれた静寂な酒場の中で、
ジラートの手がいとおしむようにしまう
グラスや酒瓶の立てる微かな音までが、
聴こえてきそうな気がします。

これからどのような物語が紡がれていくのか、
心湧き立ちます.:*・☆

(2012.01.27 00:38:41)

ケーナさま☆.: *:・  
ご無沙汰いたしました!
さっそくの嬉しいコメントを、
ありがとうございます!

>しっとりとした雨に包まれた静寂な酒場の中で、
>ジラートの手がいとおしむようにしまう
>グラスや酒瓶の立てる微かな音までが、
>聴こえてきそうな気がします。

 うわあ!
 すてきなお言葉をありがとうございます!
 感激です!


私もまたここでケーナさまとおしゃべりできると思うと
夢のようです.。o○
嬉しい!

また、仲良くしてくださいねっ♪

(2012.01.27 19:12:40)

Re:鬼の棲む街 1(01/26)  
こんばんは

今日はとても嬉しいコメントいただき有り難うございました!

鬼の棲む街1 拝読させて頂きました!

>「わかったよ、ルドゥアねえさん」

次がとても楽しみになる台詞ですー!
こういう繋ぎ方、大好きなんです!

クリックして帰ります〈^-^〉 (2012.10.21 23:13:25)

マトリックスAさま、読んでいただけて光栄です☆  
>こういう繋ぎ方、大好きなんです!

  うわぁ、感激です♪
  ありがとうございます!


いつもこんなふうにかっこよく切れるといいんですけど、
私、よく、続きが読みたくなるような切り方を、
なんてよけいなこと考えちゃって、
妙に気を持たせたいやらしい切り方をしちゃうことがあります。(;¬`з¬)…。
そんな時、自分の書いたものがすごく嫌いになっちゃったりします。(ノ_-;)ハア…

マトリックスさまのように、
切ない余韻を残しつつ次への期待も高まるような、
きれいな切り方、常にできるようになりたいなあ・‥…━━━☆

(2012.10.22 20:52:12)

あの熱き日々を再び。  
四草めぐる  さん
|電柱|・ω・`)ノ ヤァ

ふろぷしーさん、どこが始まりなのか分からないので、ここから読みますw
と、いっちょ気合いを入れた四草めぐるです。

さて、どんな話なのだろうかと、期待に胸を弾ませています。

人生の掃きだめは様々な所にあります。
例えば、私の目指している作家だろうと、掃きだめはあります。
ま、三流が、それですなw

いや、指標が変われば、一流たちの掃きだめというモノもあります。

週刊少年ジャンプで、人気を穫れない作家はジャンプの掃きだめ行きですね。
たとえマガジンやサンデーより、発行部数が多いとしても。
チャンピオンは、週刊少年誌の掃きだめですw

と、チャンピオンへの持ち込み回数が多い私が言っていますw

そそ。
新聞で言えば、赤旗辺りが掃きだめでしょうか。
だって、朝日や読売、毎日は、オーソドックスですから。

産経も危ないなw

と、掃きだめの定義を話していなかったですね。
結局、掃きだめとは、その世界の底辺の事だと私は思います。
でも底辺にも良い事はあるんですよ。

ファンが温かいのです。

いや、温かいというより、むしろ熱いか! そう思います。
それに掃きだめにでも皆、頑張っていますから。
宅配という世の底辺で働く私よりw

では、では。

草々。 (2013.01.03 07:57:08)

四草めぐるさま、あたたかいお言葉、嬉しいです!  
掃き溜め ――― けっこう好きです ( ´艸`)

とある山の中腹、
降り積もった落ち葉に埋もれるように建つ、
さびしい小さな一軒家に移ってきたふろぷしー、
以前と替わらぬあたたかいお言葉をかけてくださる、
四草めぐるさまをはじめとするブログ世界の皆さまに、
心から感謝の思いをおぼえつつ、
お正月も、家の掃除と修理に明け暮れております。
これはこれで、幸せ~ (o´m`)。+゚

さて先日は、四草さまの、
目ン玉も飛び出る驚天動地のホームページに、
私の拙い小説のリンクまで貼っていただいて、
本当に感激、ありがとうございました。
嬉しくて、毎日るんるん&ポチッ!| \_ヘ(ω`*)♪
お伺いしております。d(´∀`d*)=з=з=з

で

私も、
四草さまのホームページのリンクを、
失礼ながら拙ホームページに貼らせていただきました。
ふろぷしーもぷしーのブログの、サイド欄、
『リュキア伝説・本館』のバナーから入っていただきますと、
トップページの
ずらずらとウザイもくじの、
まことに失礼ながら、
下の方になります m(_ _)m …
勝手に紹介文も書いてしまいました m(_ _)m …
お気を悪くなさらないでくださるとよいのですが。

あ

私の小説は、長いばかりで退屈なお目汚しです。(〃>艸<〃)ハズカシ━━━ッ!!
どうかてきと~~にお読み飛ばしくださいますよう、
お願いいたします (〃-ω-pq)、

ありがとうございます。

(2013.01.03 11:10:52)

【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

© Rakuten Group, Inc.
Design a Mobile Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: