宮本輝が好きな読者はこの著書にどんな評価なのだろうか?
たしかに禁忌の異母兄妹恋愛を興味本位でなく、愛の根源として描き、なおかつミステリアスな魅力も醸している。惹き付けられ、読み終えるまで本を手放せない盛りだくさんのおもしろさはさすが。
でも、ミステリー、ゴシックロマンとして読んでしまう平凡なわたしには、はぐらかされた感じが残る。つまり、本当に異母兄妹かどうかがこの物語に絶大な雰囲気を与えているので、どうしてもその謎解きのつじつまを求めてしまうのだ。結末や解説を求めては雰囲気が壊れるのだけれど。ついね。
そして、背景は島根県、強い風がふく岬の上の茶室風古屋。兄妹はそこでの焚火が大好き。これもなんともあぶない!
そんな、こんなでタブー満載の小説を落ち着かない気分で読み終えた。
この本は最近はほとんど時代物しか読まない夫が、めずらしく買ってきて読み、なんだか妙に勧めたので「どれ」と手に取ってみたのだ。へえーこういうのが好きなんだ~と認識新た(このごろこんな事が多いんだけれども)。まあ、多少エロティックではあるしするけど(笑)
しかし、「あれ、あれれ?」と思いながらもあっという間に読んでしまって、熟練作家の力作ではあると思う。これは好きなひとは魅力なんだろうなー。
『影法師』百田尚樹 2016年12月11日
悲しみよ こんにちわ 2010年08月25日 コメント(9)
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